JP4304823B2 - 超臨界水による反応処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難分解性有機物や有害廃棄物などの有機物を含む被処理液を超臨界水により反応処理する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の有機物を超臨界水により酸化したり分解したりする処理装置として、縦型の反応容器を使用し、上部に超臨界水領域を、下部に亜臨界領域をそれぞれ形成し、超臨界水領域で酸化反応を行わせると同時に、この反応により生じた無機塩などを下部の亜臨界領域に移行させて再溶解させ、凝縮した亜臨界水(以下、凝縮水という。)とともに排出する装置が提案されている。
しかし、この装置は被処理液の供給口と超臨界水状態の反応生成物の排出口とがともに反応容器の上部にあってしかも双方の距離がチューブ状の反応器に比べて短いために、被処理液の一部が供給口からショートパスして反応生成物の排出口に達し、そこから反応生成物とともに反応容器から排出する不具合があった。この結果、所定の反応時間を確保できず、未分解の有機物が超臨界水状態の反応生成物中に残存し、また無機物が被処理液又は反応生成物から沈降分離することなく排出口から反応生成物とともに流出していた。
【0003】
この点を解決するため、縦型の反応容器を用いたこの種の反応処理装置において、反応容器がその頂部から底部の上方まで垂下する仕切り板によって、内部が底部で相互に連通する2個の区域に区画され、一方の区画の上部及び他方の区画の上部には、被処理液の供給口及び超臨界水状態の反応生成物の排出口がそれぞれ設けられた反応処理装置が開示されている(特開平10−277570)。
この装置によれば、未分解の有機物が反応生成物とともに排出することがなく、また超臨界水状態の反応生成物中の無機物の含有率が低い特長がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、超臨界水を用いた酸化や分解処理は、温度400〜600℃、圧力22MPa以上の雰囲気中で行われるため、特開平10−277570号公報に示された装置によっても、廃棄物中に含まれる塩素、その他の腐食性物質の分解に伴って生じる塩酸、硫酸などの無機酸により反応装置材料が腐食してしまう問題があった。
また、超臨界水状態の反応生成物中には廃棄物の酸化反応及び中和反応などで生じた無機塩が存在するが、水の超臨界状態では無機塩の溶解度が極めて小さいため、無機塩が析出して反応容器の内壁に付着し、内壁を腐食する問題もあった。
更に、これまでの超臨界水を用いた酸化燃焼装置は、装置内の下部において反応生成物中の水分を凝縮する手段を有しているけれども、この水分の一部は凝縮せずに反応生成物と同伴しているため、更に処理が必要であり、定量的に超臨界水を回収することが困難であった。
【0005】
本発明の目的は、反応容器の腐食を低減しかつ反応容器への熱負荷を軽減して反応容器の耐久性を高めた超臨界水による反応処理装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、燃焼ガスと凝縮水とを分離して凝縮水を効率よく反応容器底部に貯えるとともにオフガスの処理を容易にし得る超臨界水による反応処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、超臨界水が滞留する超臨界水領域43を内部に有する縦型の反応容器11を備え、有機物を含む被処理液を反応容器11の供給口13から超臨界水領域43に導入して超臨界水領域43で被処理液中の有機物を完全燃焼することにより酸化分解する超臨界水による反応処理装置10である。その特徴ある構成は、反応容器11の頂部に設けられ反応により生成した燃焼ガスの第1排出口14と、反応容器11の底部に設けられ反応により生成した凝縮水の第2排出口16と、超臨界水領域43の上方の反応容器11の内部に設けられ反応により生成した超臨界水状態の反応生成物を冷却して凝縮水を作る第1冷却器51と、超臨界水領域43を包囲するように反応容器11の内部に設けられた筒状の熱遮蔽体47と、第1冷却器51と熱遮蔽体47の間の反応容器11の内部に設けられ第1冷却器51から滴下する凝縮水又は亜臨界水を熱遮蔽体47と反応容器11の内壁11aとの間に流下させる傘52とを備えたことにある。
請求項1に係る発明では、筒状の熱遮蔽体47により、反応容器11の内壁11aへの燃焼熱を遮蔽して内壁11aの熱的負荷を軽減するとともに、反応により生成した無機塩の内壁への付着を抑制して内壁11aの腐食を低減できる。また冷却器51で生成された凝縮水が傘52により熱遮蔽体47と反応容器11の内壁11aの間を流下するため、反応により生成した無機塩が反応容器11の内壁にたとえ付着したとしても、これを洗い流すことができ、同時に反応容器11の内壁11aを冷却するため、反応容器内壁11aの熱的負荷を更に低減することができる。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、第1冷却器51が反応容器11の縦方向に配設された多重管式又はコイル式冷却器であって、第1冷却器51の冷媒流入管路51aに設けられ冷媒の流量を調整する流量調整バルブ53と、反応容器11の内頂部付近の温度を検出する温度センサ54と、この温度センサ54の検出出力に基づいて流量調整バルブ53を制御する第1コントローラ57とを備えた反応処理装置である。
請求項2に係る発明では、第1コントローラ57が温度センサ54により流量調整バルブ53を制御して第1冷却器51の冷却能力を常に一定に保つため、第1冷却器51による超臨界水状態の反応生成物の凝縮が確実に行われる。これにより燃焼ガスと凝縮水とが分離され、凝縮水を効率よく反応容器底部に貯えることができる。また第1冷却器51による過冷却が防止されるため、超臨界水による反応を適切に行うことができる。これにより燃焼ガスとしては、CO2などの非凝縮性のガスのみを排出させることができる。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、反応容器11の第1排出口14に接続された排気管路58に設けられ反応容器内部の圧力を減じる減圧バルブ59と、反応容器11の内部の圧力を検出する圧力センサ56と、この圧力センサ56の検出出力に基づいて減圧バルブ59を制御する第2コントローラ61とを備えた反応処理装置である。
請求項3に係る発明では、第2コントローラ61が圧力センサ56により減圧バルブ59を制御して反応容器内の圧力を常に一定に保つため、超臨界水による反応を適切に行うことができる。また反応容器11に対する過度の加圧を防止することができる。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る発明であって、反応容器11の第2排出口16に接続された排液管路62に設けられ反応容器11の内底部に貯留する凝縮水を抜出す排液バルブ63と、反応容器11の内底部に貯留する凝縮水の水量を検出するレベルセンサ64と、このレベルセンサの検出出力に基づいて排液バルブ63を制御する第3コントローラ66とを備えた反応処理装置である。
請求項4に係る発明では、第3コントローラ66がレベルセンサ64により排液バルブ63を制御して反応容器11の内底部に貯留する凝縮水の水量を常に一定に保つため、反応容器内に過剰に凝縮水が貯まることがなくなる。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であって、排液管路58に反応容器11の内底部から流出した凝縮水を冷却する第2冷却器32が設けられた反応処理装置である。
請求項5に係る発明では、第2冷却器32により凝縮水の温度を下げ、凝縮水の処理を容易にする。
【0011】
請求項6に係る発明は、図2に示すように、請求項4に係る発明であって、反応容器11の内底部に凝縮水を冷却する第3冷却器67が設けられた反応処理装置である。
請求項6に係る発明では、反応容器内底部に設けられた第3冷却器67により凝縮水を冷却するため、底部に貯留した凝縮水の温度が低下し、反応生成物の液化を図1の場合に比べて促進する。
【0012】
請求項7に係る発明は、図3に示すように、請求項1ないし6いずれかに係る発明であって、第1冷却器51と傘52の間の反応容器内部に設けられ第1冷却器51から滴下する凝縮水と反応により生成した超臨界水状態の反応生成物と接触させる気液接触器71と、この気液接触器71に中和剤を供給する中和剤供給パイプ72とを更に備えた反応処理装置である。
請求項7に係る発明では、第1冷却器51で作られた凝縮水を気液接触器71で一時的に貯留しておきパイプ72により中和剤を供給する。反応容器11の頂部に向う超臨界水状態の反応生成物をこの気液接触器71に貯留した、中和剤を含む凝縮水に接触させる。この接触により例えば、反応生成物中に含まれるSOxガスは硫酸塩になり、気液接触器71で捕捉される。気液接触器71で捕捉された硫酸塩は第1冷却器51から滴下してくる凝縮水で洗い流されて反応容器内底部に至る。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図4に示すように、本発明の反応処理装置10は耐食性の金属で作られた縦型で管状の反応容器11を有する。反応容器11は両端が封止されかつ水の超臨界状態を維持可能に構成され、その周囲には図示しない保温材とともに保温及び予熱用のヒータ12が設けられる。反応容器11は、その側部に供給口13、頂部に第1排出口14、更に底部に第2排出口16をそれぞれ有する。供給口13には、混合器18により混合された被処理液と中和剤の混合液がポンプ19及びプレヒータ21で昇圧昇温されて供給される。また供給口13には水がタンク22からポンプ23及びプレヒータ24で昇圧昇温されて超臨界水となって供給される。更に供給口13には空気又は酸素からなる酸化剤がポンプ26及びプレヒータ27で昇圧昇温されて供給される。なお、中和剤は被処理液に含まれる成分によっては加えなくてもよい。また中和剤は被処理液と混合することなく、反応容器11の別の側部に設けられた供給口13aに供給してもよい。この場合、中和剤は水溶液の形態でタンク28からポンプ29及びプレヒータ31で昇圧昇温されて供給される。更にこの場合、図示しないが、被処理液と水、又は水と空気を一緒に混合し、ポンプ及びプレヒータで昇圧昇温して水の超臨界状態となって供給口13に供給してもよい。
【0014】
本発明で処理する被処理液は、難分解性有機物や有害廃棄物などの有機物を含み、PCB、ダイオキシン、焼却飛灰、有機物を含む排液、汚泥などがそれぞれ例示される。また中和剤としてはアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物などが例示される。
第1排出口14からは燃焼ガスが排出され、第2排出口16からは反応により生成された凝縮水が排出され、冷却器32で冷却されてタンク33に貯留された後、廃液処理される。
【0015】
図1に詳しく示すように、反応容器11の内部中心には噴射を下向きにした噴射口41が設けられ、反応容器11の供給口13と噴射口41とはパイプ42で接続される。なお、図1では保温材並びに予熱及び保温のためのヒータを示していない。噴射口41から噴射される被処理液、酸化剤、中和剤及び超臨界水からなる混合流体により超臨界水領域43が形成される。超臨界水領域43の下方には仮想界面44を介して亜臨界水領域46が形成される。反応容器11の内壁11aは腐食を防止するためセラミックス又は高耐食性の金属で被覆される。反応容器11の内部には上記超臨界水領域43を包囲し、反応容器11の内壁11aと間隔をあけて筒状の熱遮蔽体47が反応容器11と同心状に設けられる。図示するように熱遮蔽体47はその上端が噴射口41の噴射位置より高く、その下端が仮想界面44に達する長さを有する。熱遮蔽体47は高温にさらされ、腐食が大きくなるおそれがあるため、熱良導体からなる耐熱性金属、例えばNi−Crの耐熱合金等から形成され、熱遮蔽体47は交換可能に構成される。
【0016】
超臨界水領域43の上方の反応容器11の内部には第1冷却器51が設けられる。第1冷却器51は反応容器11の縦方向に配設された多重管式又はコイル式冷却器である。冷却器の部分を超臨界水状態の反応生成物が通過し、その周囲には冷媒(例えば水)が流れる。超臨界水状態の反応生成物はここで水の超臨界状態の温度未満、即ち374℃未満に冷却される。第1冷却器51と熱遮蔽体47の間には円錐状の傘52が設けられる。この傘52は熱遮蔽体47と同じ材料で作られ交換可能に構成される。傘52はその下端が熱遮蔽体47と反応容器11の内壁11aの間に位置する大きさを有する。第1冷却器51の冷媒は上部の流入管路51aから流入し、下部の流出管路51bから流出するようになっている。冷媒流入管路51aには冷媒の流量を調整する流量調整バルブ53が設けられる。反応容器11の内頂部には内頂部の温度を検出する温度センサ54及び反応容器内部の圧力を検出する圧力センサ56が設けられる。
【0017】
温度センサ54の検出出力は第1コントローラ57の制御入力に接続され、その制御出力は流量調整バルブ53に接続される。反応容器11の第1排出口14には排気管路58が接続され、排気管路58には減圧バルブ59が設けられる。圧力センサ56の検出出力は第2コントローラ61の制御入力に接続され、その制御出力は減圧バルブ59に接続される。
反応容器11の第2排出口16には排液管路62が接続され、排液管路62には前述した第2冷却器32及び排液バルブ63が設けられる。反応容器11の内底部にはこの内底部に貯留された凝縮水の水量を検出するレベルセンサ64が設けられ、レベルセンサ64の検出出力は第3コントローラ66の制御入力に接続され、その制御出力は排液バルブ63に接続される。
【0018】
このように構成された反応処理装置10では、被処理液、酸化剤、中和剤及び水からなる昇圧昇温された混合流体は供給口13、パイプ42を通って噴射口41から噴射される。図4に示したヒータ12の加熱により、噴射口41の直下は水の超臨界状態となる。図示しない点火装置により噴射された流体を点火すると、超臨界流体になった被処理液中の有機物は完全燃焼し、それ以降酸化剤の供給により完全燃焼が継続され、374〜700℃程度の超臨界水領域43が形成される。この超臨界水反応による完全燃焼で被処理液に含まれた有機物は酸化分解反応を起こし、二酸化炭素、水分を主成分とする気体成分と残渣を生成する。気体成分中のSOx等の酸化性ガスは中和剤と反応して硫酸塩等の無機塩となる。反応容器内部の圧力は圧力センサ56、減圧バルブ59及び第2コントローラ61により超臨界水条件以上の所定圧力に制御される。即ち、反応容器11内部の圧力が所定圧力に達するようにバルブが開閉する。この制御により反応容器11内部の圧力を所定圧力に維持した状態で非凝縮性の燃焼ガスを排出することができる。
【0019】
超臨界水領域43は熱遮蔽体47により包囲されるため、反応容器11の内壁11aは高温の超臨界水に触れることはなく、熱遮蔽体47のみが高温となる。これにより内壁11aの熱的負荷が軽減されるとともに、反応容器11の腐食が低減される。反応により生成した超臨界水状態の反応生成物のうち、固体を含まない成分は熱遮蔽体47の上端と傘52の間を通過し、更に第1冷却器51を通って反応容器11の内頂部に向う。第1冷却器51で超臨界水状態の反応生成物は超臨界水の温度(374℃)未満まで冷却され、その一部は亜臨界水状態となって凝縮水となり、残部は燃焼ガスとして反応容器11の内頂部に至る。これにより燃焼ガスと凝縮水とが分離される。この第1冷却器51の冷却温度は温度センサ54、流量調整バルブ53及び第1コントローラ57により所定温度に維持される。この制御により同時に第1排出口14より超臨界水状態の反応生成物が排出されるのが抑制される。
【0020】
凝縮水は冷却器部分を流下して、管内を洗浄した後、傘52の上を滴下する。傘52から流下した凝縮水は熱遮蔽体47と反応容器11の内壁11aとの間を通って反応容器11の底部に貯まる。凝縮水が内壁11aを流下することにより、内壁11aの腐食はより一層低減される。なお、図6に示すように、傘52を2段にすることにより、凝縮水を熱遮蔽体47の内面にも多少の凝縮水が流下するようにすれば、内壁11aだけでなく、熱遮蔽体47の腐食も低減できる。
第1冷却器51を通過した燃焼ガスは反応容器11の内頂部の第1排出口14から反応容器11外へ排出される。この燃焼ガスは主に二酸化炭素が濃縮されたガスであり、必要であれば燃焼ガスを5〜25℃まで冷却して燃焼ガスから二酸化炭素のみを液化させ、減圧することにより二酸化炭素を比較的簡便に液化CO2の形態で分離回収することが可能である。
【0021】
超臨界水反応によって生成した無機塩は被処理液を燃焼する際に燃焼火炎を下方に向けることで、反応容器11の底部に移行する。更に、微量に存在する浮遊している無機塩は上方から流下する凝縮水に溶解した後、反応容器11の底部に移行する。無機塩が凝縮水に溶解するのは、超臨界水が極めて無極性に近い溶媒であって有機物のような無極性の溶質の溶解度は高いが、無機塩の溶解度は低く溶解しにくいのに対して、第1冷却器51より流下した凝縮水(亜臨界水)は極性を持つ溶媒であるため無機塩の溶解度が高いためである。
反応容器11内底部に貯留した凝縮水の液面のレベルが所定値以上になるときには、レベルセンサ64、排液バルブ63及び第3コントローラ66により常に所定値に維持される。この制御により凝縮水を無機塩とともに反応容器11外へ抜き出すことができる。
【0022】
本発明の第2の実施の形態を図2に基づいて説明する。図2において、図1と同一符号は同一構成要素を示す。この実施の形態では、次の点が第1の実施の形態と相違する。即ち、図1の第2冷却器32の代わりに反応容器11内底部にコイル状に巻かれた冷却管からなる第3冷却器67が設けられる。この冷却器67の両端には冷媒流入管路67a及び冷媒流出管路67bが接続される。上記以外の構成は第1の実施の形態と同様である。
第1の実施の形態と比較して、第2の実施の形態では、反応容器11内底部に第3冷却器67により凝縮水を冷却するため、反応生成物の液化が第1の実施の形態に比べて促進される。
【0023】
次に本発明の第3の実施の形態を図3に基づいて説明する。図3において、図1及び図2と同一符号は同一構成要素を示す。この実施の形態では、次の点が上述した実施の形態と相違する。即ち、第1冷却器51と傘52との間に気液接触器71が設けられる。気液接触器71の上部には中和剤供給パイプ72の一端が設けられ、このパイプ72の他端は図1に示した供給口13aに接続される。上記以外の構成は第1の実施の形態と同様である。
図5で拡大して示すようにこの実施の形態では、気液接触器71はバルブキャップトレイ型であり、上トレイ73及び下トレイ74が間隔をあけて設けられる。トレイ73,74にはそれぞれ複数の短管73a,74aがトレイ73,74を貫通して立設され、これらの短管73a,74aの上端には小キャップ73b,74bが被さって設けられる。また反応容器11の内壁11aに沿って、トレイ73,74の各一端には長管76が、下トレイ74の他端には長管77が設けられる。長管76はその上部が上トレイ73を貫通し、下端が下トレイ74の上面近傍まで延びる。また長管77はその上部が下トレイ74を貫通し、その下端近傍には受け皿77aが設けられる。長管76,77は各上端が小キャップ73a,74の上面と同位置に設けられる。
【0024】
第3の実施の形態では、図3に示した第1冷却器51から滴下する凝縮水が先ず上トレイ73に落ち、上トレイ73上に貯えられる。次いで上トレイ73上の凝縮水の水位が上昇し、この水位が長管76の上端を越えると、凝縮水は長管76を通って下トレイ74に至り、下トレイ74上に貯えられる。次に下トレイ74上の凝縮水の水位が上昇し、この水位が長管77の上端を越えると、凝縮水は長管77を通って受け皿77aに一端貯まった後、反応容器11の底部に流下する。上トレイ73には中和剤供給パイプ72を介して中和剤が供給される。
この状態で、超臨界水による反応で生成した固体を除く反応生成物は、最初に短管74aを通り、小キャップ74bを気圧により押上げて、下トレイ74上の凝縮水中を通って、下トレイ74と上トレイ73の間の領域78に達する。この領域78に到達した反応生成物は、同様に短管73aを通り、小キャップ73bを押上げて、上トレイ73上の凝縮水中を通って第1冷却器51(図3)に向う。
【0025】
これにより気液接触器71に一時的に貯留した凝縮水に超臨界水領域43から反応容器11の内頂部に向かう超臨界水状態の反応生成物が接触するので、この反応生成物に同伴しているSOxガス等の酸化ガスを凝縮水に溶解するとともに中和剤により中和して無機塩にすることができる。
なお、気液接触器にはバルブキャップトレイ型の他に、デミスターブランケット型のものを用いてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に係る反応処理装置では、筒状の熱遮蔽体により、反応容器の内壁の熱的負荷を軽減するとともに、反応により生成した無機塩の内壁への付着を抑制して内壁の腐食を低減できる。また傘により冷却器で生成された凝縮水が熱遮蔽体と内壁の間を流下するため、反応により生成して内壁に付着した無機塩を洗い流すことができる。更に内壁を冷却するため、内壁の熱的負荷を更に低減することができる。
請求項2に係る反応処理装置では、温度センサ、流量調整バルブ及び第1コントローラにより、第1冷却器の冷却能力を常に一定に保つため、第1冷却器による超臨界水状態の反応生成物の凝縮が確実に行われる。これにより燃焼ガスと凝縮水とが分離され、凝縮水を効率よく反応容器底部に貯えることができる。また過冷却が防止されるため、超臨界水による反応を適切に行うことができる。酸化燃焼ガスとの分離とともに超臨界水を定量的に回収する。
請求項3に係る反応処理装置では、圧力センサ、減圧バルブ、第2コントローラにより、反応容器内の圧力を常に一定に保つため、超臨界水による反応を適切に行うことができる。また反応容器の過度の加圧を防止することができる。
【0027】
請求項4に係る反応処理装置では、レベルセンサ、排液バルブ、第3コントローラにより、反応容器11の内底部の凝縮水の水量を常に一定に保つため、反応容器内に過剰に凝縮水が貯まることがなくなる。
請求項5に係る反応処理装置では、第2冷却器により容器底部に貯留した凝縮水の温度を下げ、凝縮水の処理を容易にする。
請求項6に係る反応処理装置では、容器内底部に設けられた第3冷却器により凝縮水を冷却するため、底部に貯留した凝縮水の温度が低下し、反応生成物の液化をより一層促進する。
請求項7に係る反応処理装置では、第1冷却器で作られ気液接触器に一時的に貯留された、中和剤を含む凝縮水に、超臨界水状態の反応生成物を接触させると、反応生成物中に含まれるSOxガス等は硫酸塩になり、気液接触器で捕捉されるとともに、この無機塩は第1冷却器からの凝縮水に溶解して反応容器底部に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における反応処理装置の構成図。
【図2】本発明の第2の実施の形態における反応処理装置の構成図。
【図3】本発明の第3の実施の形態における反応処理装置の構成図。
【図4】本発明の第1の実施の形態における反応処理装置の全体構成図。
【図5】第3の実施の形態における気液接触器の拡大した構成図。
【図6】傘の形状を2段にした図1に対応する反応処理装置の構成図。
【符号の説明】
10 反応処理装置
11 反応容器
11a 内壁
13 供給口
14 第1排出口
16 第2排出口
32 第2冷却器
43 超臨界水領域
47 熱遮蔽体
51 第1冷却器
51a 冷媒流入管路
52 傘
53 流量調整バルブ
54 温度センサ
56 圧力センサ
57 第1コントローラ
58 排気管路
59 減圧バルブ
61 第2コントローラ
62 排液管路
63 排液バルブ
64 レベルセンサ
66 第3コントローラ
67 第3冷却器
71 気液接触器
72 中和剤供給パイプ
Claims (7)
- 超臨界水が滞留する超臨界水領域(43)を内部に有する縦型の反応容器(11)を備え、有機物を含む被処理液を前記反応容器(11)の供給口(13)から前記超臨界水領域(43)に導入して超臨界水領域(43)で被処理液中の有機物を完全燃焼することにより酸化分解する超臨界水による反応処理装置において、
前記反応容器(11)の頂部に設けられ反応により生成した燃焼ガスの第1排出口(14)と、
前記反応容器(11)の底部に設けられ反応により生成した凝縮水の第2排出口(16)と、
前記超臨界水領域(43)の上方の前記反応容器(11)の内部に設けられ反応により生成した超臨界水状態の反応生成物を冷却して凝縮水を作る第1冷却器(51)と、
前記超臨界水領域(43)を包囲するように前記反応容器(11)の内部に設けられた筒状の熱遮蔽体(47)と、
前記第1冷却器(51)と前記熱遮蔽体(47)の間の前記反応容器(11)の内部に設けられ前記第1冷却器(51)から滴下する凝縮水又は亜臨界水を前記熱遮蔽体(47)と前記反応容器(11)の内壁(11a)との間に流下させる傘(52)と
を備えたことを特徴とする超臨界水による反応処理装置。 - 第1冷却器(51)が反応容器(11)の縦方向に配設された多重管式又はコイル式冷却器であって、前記第1冷却器(51)の冷媒流入管路(51a)に設けられ冷媒の流量を調整する流量調整バルブ(53)と、前記反応容器(11)の内頂部付近の温度を検出する温度センサ(54)と、前記温度センサ(54)の検出出力に基づいて前記流量調整バルブ(53)を制御する第1コントローラ(57)とを備えた請求項1記載の反応処理装置。
- 反応容器(11)の第1排出口(14)に接続された排気管路(58)に設けられ前記反応容器(11)の内部の圧力を減じる減圧バルブ(59)と、前記反応容器(11)の内部の圧力を検出する圧力センサ(56)と、前記圧力センサ(56)の検出出力に基づいて前記減圧バルブ(59)を制御する第2コントローラ(61)とを備えた請求項1又は2記載の反応処理装置。
- 反応容器(11)の第2排出口(16)に接続された排液管路(62)に設けられ前記反応容器(11)の内底部に貯留する凝縮水を抜出す排液バルブ(63)と、前記反応容器(11)の内底部に貯留する凝縮水の水量を検出するレベルセンサ(64)と、前記レベルセンサ(64)の検出出力に基づいて前記排液バルブ(63)を制御する第3コントローラ(66)とを備えた請求項1ないし3いずれか記載の反応処理装置。
- 排液管路(63)に反応容器(11)の内底部から流出した凝縮水を冷却する第2冷却器(32)が設けられた請求項4記載の反応処理装置。
- 反応容器(11)の内底部に凝縮水を冷却する第3冷却器(67)が設けられた請求項4記載の反応処理装置。
- 第1冷却器(51)と傘(52)の間の前記反応容器(11)の内部に設けられ前記第1冷却器(51)から滴下する凝縮水と反応により生成した超臨界水状態の反応生成物と接触させる気液接触器(71)と、前記気液接触器(71)に中和剤を供給する中和剤供給パイプ(72)とを更に備えた請求項1ないし6いずれか記載の反応処理装置。
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