JP3346501B2 - オープンカーの車体構造 - Google Patents

オープンカーの車体構造

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JP3346501B2
JP3346501B2 JP35124993A JP35124993A JP3346501B2 JP 3346501 B2 JP3346501 B2 JP 3346501B2 JP 35124993 A JP35124993 A JP 35124993A JP 35124993 A JP35124993 A JP 35124993A JP 3346501 B2 JP3346501 B2 JP 3346501B2
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60JWINDOWS, WINDSCREENS, NON-FIXED ROOFS, DOORS, OR SIMILAR DEVICES FOR VEHICLES; REMOVABLE EXTERNAL PROTECTIVE COVERINGS SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLES
    • B60J7/00Non-fixed roofs; Roofs with movable panels, e.g. rotary sunroofs
    • B60J7/20Vehicle storage compartments for roof parts or for collapsible flexible tops
    • B60J7/206Vehicle storage compartments for roof parts or for collapsible flexible tops being arranged at the vehicle front

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Superstructure Of Vehicle (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オープンカーの車体構
造に関する。
【0002】オープンカーの車体構造には、特開昭63
ー18852号公報に示すように、幌を外したオ−プン
状態での走行において、車体上側の空気の主流が、フロ
ントヘッダで剥離した後、シ−トヘッドレスト後方側か
ら車内に巻込んでくることに着目し、シ−ト後方に巻込
み空気流抑止板を設けたものがある。これにより、車内
側への巻込み空気流の進入が巻込み空気流抑止板によっ
て抑止され、乗員の髪が乱されるようなこと等が防止さ
れることになる。
【0003】ところで、上記巻込み空気流が、上述のよ
うに、シ−トヘッドレスト後方において車内側に巻込む
ことから、その巻込み空気流に基づく力は、車体後部に
上方側から作用することになる。したがって、巻込み空
気流に基づく力は、オープンカーのオ−プン時におい
て、いわゆるダウンフォ−スとして利用でき、車体後部
の正の揚力(以下、揚力(リフト)と称す)を低減でき
ることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、オ−プン時に
おいて、上記ダウンフォ−スが車体後部に作用して該車
体後部の揚力を低下させる結果、車体前部の揚力が車体
後部の揚力よりも大きくなり、車体前部が車体後部に対
して相対的に浮き傾向となる。このため、クロ−ズ時と
オ−プン時との間で、リフトバランスに変化が生じ、操
縦安定性が低下せざるを得ない。本発明は上記実情に鑑
みてなされたもので、その目的は、オープン時における
操縦安定性を向上させることができるオ−プンカ−の車
体構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明(請求項1に係る発明)にあっては、車体上部
が幌により覆われたクローズ状態と、前記幌が前記車体
上部を覆う状態が解除されて該車体上部が外部に開放さ
れるオープン状態とを選択的にとり得るオープンカーの
車体構造において、車体後部に設けられてダウンフォー
スが調整可能とされたリアスポイラと、前記オープン状
態か否かを検出するオープン状態検出手段と、前記オー
プン状態検出手段からの信号に基づき、前記クローズ状
態にあると判断したときには、前記リアスポイラの下で
車体前後に一定のリフトバランスを生じさせる一方、前
記オープン状態にあると判断したときには、前記リアス
ポイラを制御して、前記オ−プン状態における車体前後
のリフトバランスが前記クロ−ズ状態における車体前後
のリフトバランスと同等になるように前記リアスポイラ
に基づくダウンフォースを前記クローズ状態の場合に比
して減少させる制御手段と、を備えている構成としてあ
る。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2に
記載の通りとなる。
【0006】上記目的を達成するために本発明(請求項
3に係る発明)にあっては、車体上部が幌により覆われ
たクローズ状態と、前記幌が折畳まれて前記車体上部が
外部に開放されるオープン状態とを選択的にとり得るオ
ープンカーの車体構造において、車体後部に、作動状態
と非作動状態とをとり得るリアスポイラが備えられ、前
記リアスポイラが、前記クローズ状態において作動状態
とされる一方、前記オ−プン状態においては非作動状態
とされて、前記オープン状態における車体前後のリフト
バランスが前記クロ−ズ状態における車体前後のリフト
バランスと同等になるように前記リアスポイラに基づく
ダウンフォースが前記クローズ状態の場合に比して減少
され、しかも、前記リアスポイラは、非作動状態におい
て、前記オープン状態となって折畳まれた幌を覆うよう
に設定されている構成としてある。
【0007】上記目的を達成するために本発明(請求項
4に係る発明)にあっては、車体上部が幌により覆われ
たクローズ状態と、前記幌が前記車体上部を覆う状態が
解除されて該車体上部が外部に開放されるオープン状態
とを選択的にとり得るオープンカーの車体構造におい
て、車体後部におけるアッパバンパの下方に間隔をあけ
て位置するアンダバンパよりも車体前方側に配設され、
該アンダバンパの上部に走行流を導いてダウンフォース
を発生させる第1位置、及び該アンダバンパの下部にの
み走流流を導いて前記第1位置の場合よりもダウンフォ
ースを低下させる第2位置を取得る案内板と、前記オー
プン状態か否かを検出するオープン状態検出手段と、前
記オープン状態検出手段からの信号に基づき、前記クロ
ーズ状態にあると判断したときには、前記案内板を前記
第1位置に位置させて車体前後に一定のリフトバランス
を生じさせる一方、前記オープン状態にあると判断した
ときには、前記案内板を前記第2位置に位置させて、前
記オ−プン状態における車体前後のリフトバランスを前
記クロ−ズ状態における車体前後のリフトバランスと同
等にする制御手段と、を備えている構成としてある。
【0008】上記目的を達成するために本発明(請求項
5に係る発明)にあっては、車体上部が幌により覆われ
たクローズ状態と、前記幌が前記車体上部を覆う状態が
解除されて該車体上部が外部に開放されるオープン状態
とを選択的にとり得るオープンカーの車体構造におい
て、車体前部に設けられてダウンフォースが調整可能と
されたフロントスポイラと、前記オープン状態か否かを
検出するオープン状態検出手段と、前記オープン状態検
出手段からの信号に基づき、前記オープン状態にあると
判断したときには、前記フロントスポイラを制御して、
前記オ−プン状態における車体前後のリフトバランスが
前記クロ−ズ状態における車体前後のリフトバランスと
同等になるように前記フロントスポイラに基づくダウン
フォースを前記クローズ状態の場合に比して増大させる
制御手段と、を備えている構成としてある。この請求項
5の好ましい態様としては、請求項6に記載の通りとな
る。
【0009】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、オ−プン
時に、クロ−ズ時と同等のリフトバランスを得ることが
でき、オ−プン時とクロ−ズ時との間で、リフトバラン
スの変化が生じることを抑えることができることにな
る。このため、オ−プン時における操縦安定性を向上さ
せることができることになる。
【0010】また、オ−プン時に、車体後部における揚
力の減少が車体前部における揚力の減少よりも多くなり
すぎることに対して、直接的に対処することになる。こ
のため、オ−プン時における走行性能をクロ−ズ時にお
ける走行性能に近いものに維持することもできることに
なる。
【0011】請求項2に係る発明によれば、クロ−ズ時
とオ−プン時との間で、リフトバランスに変化が生じな
いようにするために、既存物であるリアスポイラに作動
・非作動可能な構成を付加するだけで足りることにな
る。このため、オ−プン時における操縦安定性の向上を
簡単な構成をもって確保できることになる。
【0012】請求項3に係る発明によれば、オ−プン時
とクロ−ズ時との間で、リフトバランスの変化が生じる
ことを抑えて、オ−プン時における操縦安定性を向上さ
せることができるだけでなく、リアスポイラを非作動時
に幌カバ−として有効に利用して、リアスポイラの機能
性を高めることができることになる。
【0013】請求項4に係る発明によれば、オ−プン時
に、アンダバンパの下部に走行流を流すことによって、
車体後部における揚力を増大(ダウンフォースを減少)
させ、クロ−ズ時とオ−プン時との間で、リフトバラン
スに変化が生じないようにすることができることにな
る。このため、アンダバンパの形状を利用することによ
って、オ−プン時における操縦安定性を向上させること
ができることになる。
【0014】請求項5に係る発明によれば、オ−プン時
に、車体後部に作用する巻込み空気流に基づく力をその
ままダウンフォ−スとして利用しつつ、クロ−ズ時と同
等のリフトバランスを得て、オ−プン時とクロ−ズ時と
の間で、リフトバランスの変化が生じることを抑えるこ
とができることになる。このため、オ−プン時におい
て、路面に対する車輪のグリップ力を高めつつ、操縦安
定性を向上させることができることになる。
【0015】請求項6に係る発明によれば、オ−プン時
とクロ−ズ時との間で、リフトバランスの変化が生じる
ことを抑えるためには、既存物であるフロントスポイラ
に作動・非作動可能な構成を付加するだけで足りること
になる。このため、オ−プン時における操縦安定性の向
上を簡単な構成をもって確保できることになる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0017】図1〜図4は第1実施例を示すものであ
る。この第1実施例において、1はオ−プンカ−100
の車体後部に設けられるトランクリッドで、該トランク
リッド1の裏面にはアンダカバ−2が取付けられ、該ア
ンダカバ−2と該トランクリッド1とによりスポイラ収
納空間3が形成されている。
【0018】前記トランクリッド1には、図2に示すよ
うに、前記スポイラ収納空間3に臨むようにして開口4
が形成され、その開口4内には、該開口4を塞ぐように
して蓋体5が配設されている。蓋体5は平行リンク6
a、6bを介してトランクリッド1に連結されており、
平行リンク6a、6bの揺動に基づき、蓋体5は、図
2、図3に示すように、前記開口4を塞ぐ位置と、スポ
イラ収納空間3に収納される位置とを取得るようになっ
ている。
【0019】前記蓋体5の上面にはステ−7を介してス
ポイラ8が取付けられている。このスポイラ8は、蓋体
5が開口4を塞ぐ位置にあるときには、図2に示すよう
にトランクリッド1の上方に位置して、通常通り、車両
の走行に伴ってダウンフォ−スを生じさせる機能を有
し、スポイラ収納空間3に蓋体5が収納される位置にあ
るときには、該蓋体5に代って、開口4を塞ぐ機能を有
している。
【0020】前記平行リンク6a、6bと前記アンダカ
バ−2とは、図2〜図4に示すように電動アクチュエ−
タ9を介して連結されている。この電動アクチュエ−タ
9は、伸縮動する機能を有しており、該電動アクチュエ
−タ9は制御ユニットUにより制御されることになって
いる。この制御ユニットUによる制御は、幌10を外し
てオ−プン状態になったか否かを検出するオ−プンセン
サ21からの信号に基づき、オ−プン状態と判断したと
きには、電動アクチュエ−タ9を短縮し、幌10を外し
た状態でないクロ−ズ状態と判断したときには、電動ア
クチュエ−タ9を伸張することになっている。これによ
り、クロ−ズ時には、図2に示すように、蓋体5が開口
4を塞ぐ位置に位置してスポイラ8を作動させる状態が
得られ、オ−プン時には、図3に示すように、スポイラ
8が開口4を塞ぐ位置に位置して該スポイラ8を非作動
とする状態が得られることになっている。
【0021】したがって、上記オ−プンカ−100の車
体構造にあっては、幌10を取付けたクロ−ズ時には、
スポイラ8が機能して、車体前後に一定のリフトバラン
ス関係(図5に示すオ−プン時のリフトバランスと同
等)を得る一方、幌10を外したオ−プン時には、巻込
み空気流に基づく力を考慮してスポイラ8が機能しなく
なる。この結果、図5に示す如く、車体前部における揚
力Lfと車体後部における揚力Lrとのリフトバランス
に関し、クロ−ズ状態と同様のものが得られ、オ−プン
時とクロ−ズ時との間でリフトバランス変化が生じなく
なる。このため、クロ−ズ状態と同等の操縦安定性を確
保できることになり、オ−プンカ−100のオ−プン状
態における操縦安定性が向上することになる。また、こ
の場合、オ−プン時に車体後部における揚力の減少が車
体前部における揚力の減少よりも多くなりすぎることに
対して、直接的に対処することになり、オ−プン時にお
ける走行性能をクロ−ズ時における走行性能に近いもの
に維持することができることになる。しかも、上述の構
成は、既存物であるスポイラ8に、平行リンク6a、6
b、電動アクチュエ−タ9等の作動・非作動可能な構成
を付加するだけで得られることになり、オ−プン時にお
ける操縦安定性の向上を簡単な構成をもって確保できる
ことになる。
【0022】尚、本実施例においては、アンダカバ−2
の底部2aが車体後方に向うに従って若干、下方に向う
ように傾斜すると共に、トランクリッド1の後部には、
アンダカバ−底部2aとの接続部付近において排水口1
1が形成されており、これにより、スポイラ収納空間3
に進入した雨水等を円滑に車体外に排出できることにな
っている
【0023】図6〜図9は第2実施例を示すものであ
る。この第2実施例にあっては、オ−プンカ−100の
車体後部に、シ−ト12の後方において、幌10を収納
する収納凹所13が形成されると共に、該収納凹所13
後方にスポイラ8が配設されている。スポイラ8は、そ
の前端部が車体後部に回動可能に支持されており、その
スポイラ8の回動領域には前記収納凹所13が臨むこと
になっている。
【0024】一方、車体後部内には、図9に示すよう
に、アクチュエ−タ14が配設されており、そのアクチ
ュエ−タ14の伸縮動可能なロッド14aは、車体後部
上面に形成された長孔15を貫通して前記スポイラ8の
裏面に連結されている。そして、アクチュエ−タ14の
短縮時には、図6に示すように、スポイラ8が作動状態
となる姿勢をとり、アクチュエ−タ14が伸張時には、
図7に示すように、スポイラ8が収納凹所13を上方側
から覆うように設定されており、このスポイラ8の状態
は、例えば図外の操作スイッチに基づいて選択されるこ
とになっている。
【0025】尚、16は長孔15とアクチュエ−タ14
のロッド14aとの間の止水性を確保するシール、17
はトランクリッド1を受止めるシール、18はリアフェ
ンダ、19は長孔15から漏れた雨水等を排水する排水
口、20はバンパである。
【0026】したがって、上記第2実施例においては、
前記第1実施例と同様、オ−プン時に、スポイラ8を作
動させないことにより、操縦安定性を向上させることが
できることは勿論、そのスポイラ8の非作動時に、その
スポイラ8を幌カバーとして有効に利用できることにな
る。
【0027】図10〜図14は第3実施例を示すもので
ある。この実施例においては、オ−プンカ−100のバ
ンパ20に車幅方向に延びる孔22が形成されて、該バ
ンパ20はアッパバンパ部20aとアンダバンパ部20
bとを有しており、そのうち、アンダバンパ部20b
は、ダウンフォ−スを得るために、断面形状が通常のス
ポイラに近似した形状とされている。
【0028】一方、上記バンパ20の車体前方には、案
内板23が配設されている。案内板23は、その前端部
がリアフレ−ム24に支持部材25を介して連結されて
いる一方、その後端部上面にはラック26が該案内板2
3の上面に対して垂直に延びるようにして設けられてい
る。このラック26には、リアフレ−ム24に固定され
たモータ27がギア群28を介して機械的に連係されて
おり、モータ27の駆動により、案内板23の後端部
が、その前端部を支点として上下動することになってい
る。モータ27は、前述のオ−プンセンサ21からの信
号に基づき、制御ユニットUにより制御されることにな
っており、その制御は、クロ−ズ時には、図10、図1
1に示すように、案内板23の後端部を上昇させて、該
案内板23により空気流(図11中、矢印で示す)を、
孔22、すなわちアンダバンパ20aの上部に導き、オ
−プン時には、図12、図13に示すように、案内板2
3の後端部が下降されて、空気流(図13中、矢印で示
す)をアンダバンパ部20bの下部に導き、該アンダバ
ンパ部20bの上部には空気流を導かないように設定さ
れている。尚、29はラック26を案内するガイドレ−
ルである。
【0029】したがって、この第3実施例においては、
クロ−ズ時には、アンダバンパ部20bの上部形状を利
用して、ダウンフォ−スを得ることができる一方、オ−
プン時には、アンダバンパ部20bに基づくダウンフォ
−スが得られず、車体後部に作用するダウンフォ−スを
減少させることができることになる。このため、オ−プ
ン時においては、前述の実施例同様、車体後部に対する
巻込み空気流に基づく力を是正して、オ−プン時とクロ
−ズとの間でリフトバランスに変化が生じないようにす
ることができ、オ−プン時における操縦安定性を向上さ
せることができることになる。
【0030】図15〜図17は第4実施例を示すもので
ある。この実施例においては、オ−プンカ−100にお
ける左右フロントフレ−ム30の前端部にチンスポイラ
31が、ラック32、該ラック32に噛合するギア群3
3を介して支持されており、該ギア群33には駆動モー
タ34が機械的に連係されている。これにより、駆動モ
ータ34の駆動によって、チンスポイラ31は、車体内
に収納される非作動位置と、車体外に突出する作動位置
とを取得るようになっている。
【0031】上記駆動モータ34は制御ユニットUによ
り制御されることになっており、その制御は、オ−プン
センサ21により、オ−プンカ−100がオ−プン状態
と判断されたとき、チンスポイラ31を作動位置に位置
させ、オ−プンカ−100がオ−プン状態でないと判断
されたときには、チンスポイラ31を非作動位置に位置
させることになっている。尚、35は、ラック32をガ
イドするガイドレ−ル、36はホイ−ルエプロンであ
る。
【0032】したがって、上記第4実施例にあっては、
オ−プン時において、チンスポイラ31により車体前部
にダウンフォ−スが新たに加わることになり、車体後部
に対して相対的に不足する車体前部におけるダウンフォ
−スを補い、クロ−ズの場合と同等のリフトバランス関
係を得ることができることになる。
【0033】しかも、この場合、車体後部に作用する巻
込み空気流に基づく力をそのままダウンフォ−スとして
利用することになり、路面に対する車輪のグリップ力を
高めることができることになる。
【0034】さらに、この場合、既存のチンスポイラを
利用することによって、上述の内容が得られることか
ら、オ−プン時における操縦安定性を極めて簡単に得る
ことができることになる。
【0035】図18〜図22は、第5実施例を示すもの
である。この実施例においては、図19、図20に示す
ように、オ−プンカ−100におけるボンネット37内
に幌ユニット収納空間38が形成されている。しかも、
本実施例においては、幌ユニット39は、フロントウイ
ンド周縁部に沿う前枠部40と、ル−フ側部を構成する
左右複数のサイドフレ−ム部41と、Bピラ−骨部42
と、複数の骨部材43と、幌10とからなっている。前
枠部40は、図21に示すように、フロントヘッダ45
上に該フロントヘッダ45に沿うようにして配設される
幌メンバ46と、図22に示すように、左右Aピラ−4
7に沿うに配設されてその各下端部がヒンジピラ−48
に回動可能に支持される幌フレ−ム49とから構成され
ており、該前枠部40は、回動支点を中心として幌ユニ
ット収納空間38側に回動可能となっている。複数のサ
イドフレ−ム部41は、連結具50により折畳み可能に
連結されていると共に、その全体としての一端側が前記
前枠部40に連結されていて、組立てられたときには、
直線状に延びた状態で保持できることになっている。B
ピラ−骨部42は、その一端側が前記複数のサイドフレ
−ム部41全体としての他端側に連結され、該Bピラ−
骨部42の他端側は車体に固定されることになってい
る。複数の骨部材43は、前記前枠部40と前記Bピラ
−骨部42との間において車体前後方向に間隔をあけて
配設されており、その各骨部材43の各端部は左右複数
のサイドフレ−ム41に連結されている。幌10は、幌
メンバ46から複数の骨部材43を経て車体後部に掛渡
されており、該幌10の後端部は、車体後部にボタン5
1により車体にボタン止めされている。
【0036】したがって、幌ユニット39を外して、オ
−プン状態とするときには、ボタン51のボタン止め等
を外して、前枠部40を車体前側に揺動させれば、幌ユ
ニット39は幌ユニット収納空間38に収納されること
になり、荷重配分が車体前部に移動することになる。こ
のため、オ−プン時における車体前部の浮き傾向が是正
され、クロ−ズと同等のリフトバランス関係を得ること
ができることになる。このように、既存の搭載物の重量
を荷重配分の変更に利用して、簡単にオ−プン時におけ
る操縦安定性を向上させることができることになる。
【0037】尚、52はフロントウィンド、53はラジ
エ−タである。
【0038】図23は第6実施例を示すものである。こ
の実施例においては、オ−プンカ−100におけるトラ
ンクリッド1にスポイラ8が上下方向に変位動可能に保
持されると共に、そのスポイラ8の裏面には伸縮動可能
な二重シリンダ54が固定されている。二重シリンダ5
4は、スポイラ8に固定される外筒55と、該外筒55
に液密に摺動可能に嵌合される内筒56とからなり、該
内筒56には、その内端において外筒55内に連通する
連通孔57が形成されていると共に、その外端には、オ
イル供給口58が形成されている。
【0039】一方、本実施例においては、幌ユニット3
9は、その構成要素としてのBピラ−骨部42の下端部
が車体に回動可能に連結されており、オ−プン状態とす
るときには、Bピラ−骨部42を車体後方側に回動させ
て、幌10等を折畳むことになっている。勿論、この場
合、幌ユニット39を折畳んだ後は、図示を略すロック
装置によりロックされることになっている。
【0040】このBピラ−骨部42には、図23に示す
ように、ピストン59が一体的に取付けられており、そ
のピストン59はBピラ−骨部42の車体後方側への回
動に伴って、車体に固定されたシリンダ60内に進入す
ることになっている。また、このシリンダ60と前記内
筒56のオイル供給口58とはホ−ス61を介して連通
されており、これらシリンダ60、ホ−ス61、二重シ
リンダ54内にはオイルが満たされている。
【0041】これにより、幌ユニット39を折畳んでオ
−プン状態とするときには、Bピラ−骨部42の回動に
伴ってオイルが二重シリンダ54に供給され、これに基
づき、スポイラ8は、オ−プン時において、スポイラ効
果を発揮する位置まで上昇することになる。 したがっ
て、オ−プン時においては、スポイラ8の位置変更に基
づいて、一層、大きなダウンフォ−スを的確に得ること
ができることになり、操縦安定性を向上させることがで
きることになる。
【0042】図24、図25は、第7実施例を示すもの
である。この実施例は、スポイラ8をトランクリッド1
の後方に連続的に配設したもので、この実施例の作動
は、前記第6実施例と同様となっている。このため、第
6実施例の構成要素と同一構成要素については、同一符
号を付してその説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る車体後部を示す図。
【図2】図1の縦断面図。
【図3】図2の動作状態図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】第1実施例におけるリフトバランスを説明する
説明図。
【図6】第2実施例を示す図。
【図7】図6の動作状態図。
【図8】図7の平面図。
【図9】図7のB−B線断面図
【図10】第3実施例におけるクロ−ズ時の状態を説明
する説明図。
【図11】図10に係る車体後部の縦断面図。
【図12】第3実施例におけるオ−プン時の状態を説明
する説明図。
【図13】図12に係る車体後部の縦断面図。
【図14】図12の部分拡大図。
【図15】第4実施例を説明する説明図。
【図16】図15の動作状態図。
【図17】図15の部分拡大図。
【図18】第5実施例に係る車両を示す斜視図。
【図19】第5実施例を説明する説明図。
【図20】図19のC−C線断面図。
【図21】図19のD−D線断面図。
【図22】図19のE−E線断面図。
【図23】第6実施例を説明する説明図。
【図24】第7実施例に係る車体後部を示す斜視図。
【図25】図24の縦断面図。
【符号の説明】
3 スポイラ収納空間 8 スポイラ 20a アッパバンパ 20b アンダバンパ 23 案内板 31 チンスポイラ 37 ボンネット 38 幌ユニット収納空間 39 幌ユニット 100 オ−プンカー
フロントページの続き (72)発明者 大坪 智範 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 鈴木 俊史 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 片山 真一 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−196881(JP,A) 特開 平3−248942(JP,A) 特開 平6−305452(JP,A) 特開 平6−298129(JP,A) 実開 昭62−120021(JP,U) 実開 平3−78686(JP,U) 実開 昭57−188525(JP,U) 実開 平1−134513(JP,U) 実開 平4−19317(JP,U) 実開 平3−103882(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 37/02 B60R 19/48 B60J 7/22 B60J 7/20 B62D 25/20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体上部が幌により覆われたクローズ状
    態と、前記幌が前記車体上部を覆う状態が解除されて該
    車体上部が外部に開放されるオープン状態とを選択的に
    とり得るオープンカーの車体構造において、 車体後部に設けられてダウンフォースが調整可能とされ
    たリアスポイラと、 前記オープン状態か否かを検出するオープン状態検出手
    段と、 前記オープン状態検出手段からの信号に基づき、前記ク
    ローズ状態にあると判断したときには、前記リアスポイ
    ラの下で車体前後に一定のリフトバランスを生じさせる
    一方、前記オープン状態にあると判断したときには、前
    記リアスポイラを制御して、前記オ−プン状態における
    車体前後のリフトバランスが前記クロ−ズ状態における
    車体前後のリフトバランスと同等になるように前記リア
    スポイラに基づくダウンフォースを前記クローズ状態の
    場合に比して減少させる制御手段と、 を備えている、 ことを特徴とするオ−プンカ−の車体構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記リアスポイラが、作動状態と非作動状態とをとり得
    るように設定され、 前記リアスポイラに基づくダウンフォースを前記クロー
    ズ状態の場合に比して減少させることが、前記リアスポ
    イラを非作動状態にすることである、 ことを特徴とするオープンカーの車体構造。
  3. 【請求項3】 車体上部が幌により覆われたクローズ状
    態と、前記幌が折畳まれて前記車体上部が外部に開放さ
    れるオープン状態とを選択的にとり得るオープンカーの
    車体構造において、 車体後部に、作動状態と非作動状態とをとり得るリアス
    ポイラが備えられ、 前記リアスポイラが、前記クローズ状態において作動状
    態とされる一方、前記オ−プン状態においては非作動状
    態とされて、前記オープン状態における車体前後のリフ
    トバランスが前記クロ−ズ状態における車体前後のリフ
    トバランスと同 等になるように前記リアスポイラに基づ
    くダウンフォースが前記クローズ状態の場合に比して減
    少され、 しかも、前記リアスポイラは、非作動状態において、前
    記オープン状態となって折畳まれた幌を覆うように設定
    されている、 ことを特徴とするオープンカーの車体構造。
  4. 【請求項4】 車体上部が幌により覆われたクローズ状
    態と、前記幌が前記車体上部を覆う状態が解除されて該
    車体上部が外部に開放されるオープン状態とを選択的に
    とり得るオープンカーの車体構造において、 車体後部におけるアッパバンパの下方に間隔をあけて位
    置するアンダバンパよりも車体前方側に配設され、該ア
    ンダバンパの上部に走行流を導いてダウンフォースを発
    生させる第1位置、及び該アンダバンパの下部にのみ走
    流流を導いて前記第1位置の場合よりもダウンフォース
    を低下させる第2位置を取得る案内板と、 前記オープン状態か否かを検出するオープン状態検出手
    段と、 前記オープン状態検出手段からの信号に基づき、前記ク
    ローズ状態にあると判断したときには、前記案内板を前
    記第1位置に位置させて車体前後に一定のリフトバラン
    スを生じさせる一方、前記オープン状態にあると判断し
    たときには、前記案内板を前記第2位置に位置させて、
    前記オ−プン状態における車体前後のリフトバランスを
    前記クロ−ズ状態における車体前後のリフトバランスと
    同等にする制御手段と、 を備えている、 ことを特徴とするオ−プンカ−の車体構造。
  5. 【請求項5】 車体上部が幌により覆われたクローズ状
    態と、前記幌が前記車体上部を覆う状態が解除されて該
    車体上部が外部に開放されるオープン状態とを選択的に
    とり得るオープンカーの車体構造において、 車体前部に設けられてダウンフォースが調整可能とされ
    たフロントスポイラと、 前記オープン状態か否かを検出するオープン状態検出手
    段と、 前記オープン状態検出手段からの信号に基づき、前記オ
    ープン状態にあると判 断したときには、前記フロントス
    ポイラを制御して、前記オ−プン状態における車体前後
    のリフトバランスが前記クロ−ズ状態における車体前後
    のリフトバランスと同等になるように前記フロントスポ
    イラに基づくダウンフォースを前記クローズ状態の場合
    に比して増大させる制御手段と、 を備えている、 ことを特徴とするオ−プンカ−の車体構造。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記フロントスポイラが、作動状態と非作動状態とをと
    り得るように設定され、 前記フロントスポイラに基づくダウンフォースを前記ク
    ローズ状態の場合に比して増大させることが、前記フロ
    ントスポイラを作動状態にすることである、 ことを特徴とするオープンカーの車体構造。
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