JP3345163B2 - Fetのゲート駆動回路 - Google Patents

Fetのゲート駆動回路

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JP3345163B2 JP09053194A JP9053194A JP3345163B2 JP 3345163 B2 JP3345163 B2 JP 3345163B2 JP 09053194 A JP09053194 A JP 09053194A JP 9053194 A JP9053194 A JP 9053194A JP 3345163 B2 JP3345163 B2 JP 3345163B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はFETのゲート駆動回
路,特に大電力スイッチング用のFETのゲート駆動回
路に関する。
【0002】
【従来技術】FETは本質的に電圧駆動型の素子であっ
て,ゲートには電流を流す必要はない。しかしながらゲ
ート・ソース間の等価静電容量Cgsがかなりの値として
存在するため,オンさせるためには充電電流を流し,オ
フするときには充電電荷を放電させる必要がある。特に
大電力を高速度にスイッチングさせるためにはゲート駆
動回路として大電流を充放電させる回路を設けならけれ
ばならない。また,FETがオフしているときには,外
来ノイズ電圧による誤導通を避けるためにゲート・ソー
ス間を短絡するなどの必要がある。
【0003】従来はこの種のゲート駆動回路としては,
例えば特開昭58-136137 号(特公平3-11576 号)または
特開昭55-1756 号(特公昭59-172号)等に開示されてい
る回路がある。その回路は図4に示すように駆動用の変
圧器3の2次側にダイオード7を介してFET29のゲー
トを駆動してオンさせ,駆動用の変圧器3の発生電圧の
極性が反対になったときはこのダイオード7でゲート電
圧を与えないようにする。そしてFET29のゲート・ソ
ース間の蓄積電荷は,これら電極間に接続された補助ト
ランジスタ12のコレクタ・エミッタをオンさせることに
よって放電させる。この補助トランジスタ12のベース電
流については,FET29のゲート・ソース間の等価静電
容量Cgsの蓄積電荷自身によって与えられる。ゲート・
ソース間電圧Vgsの変化を図5(a) に示すように,この
等価静電容量Cgsの充電電圧が下がってくると放電速度
が緩慢になるとともに,ついには補助トランジスタ12は
オフしてしまう。したがって外来ノイズ電圧がFET29
のゲート・ソース間に印加されると誤導通するおそれが
ある。
【0004】あるいは他の従来技術として特開昭63-670
14号に開示されている回路がある。その回路は駆動用の
変圧器の1次巻線にスイッチ素子を直列接続し,このス
イッチ素子の開閉により2次巻線に生ずるパルス電圧で
FETを駆動する回路であって,変圧器に第3の巻線を
設けておき,スイッチ素子のオンからオフへ移行する際
に,この第3の巻線に誘起される逆誘起電圧をFETの
ゲート・ソース間逆バイアスエネルギーとして利用する
ものである。逆バイアスを与えるのでFETをより高速
度にオフできる効果がある。しかしこの回路はゲート・
ソース間電圧Vgsの変化を図5(b) に示すように,駆動
用の変圧器のリセット電流を利用しているため,パルス
幅が狭くなると逆バイアスエネルギーも小さくなる欠点
が内在している。
【0005】このように従来のFET駆動回路は,大電
力スイッチングでオフさせる際にゲート・ソース間の蓄
積電荷を放電させる動作と,オフ期間中に外来ノイズ電
圧により誤導通を防止する動作についてはかならずしも
充分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このように
ゲート入力容量の大きな単体または複数のFETを高速
度にオンオフ駆動することのできるゲート駆動回路を得
ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するた
め,本発明では以下の手段を提案するものである。すな
わち,正負両極性の電圧を発生する駆動信号源を受けて
FETのゲート・ソース間を駆動する回路であって,前
記駆動信号源とこのゲート・ソース間を結ぶ線路には順
次に:この線路の少なくとも一方に直列に接続されたダ
イオードと;この線路の逆方向極性電流を短絡する第2
のFET回路と;この線路に直列接続された第3のFE
T回路であって前記駆動信号源が正極性のときに導通さ
せるバイアス回路を備えてなる第3のFET回路と;こ
の第3のFET回路に並列接続された逆バイアス回路で
あって,互いに直列接続されたコンデンサと第4のFE
T回路からなり,このコンデンサについては前記FET
のゲート・ソース間等価静電容量の値より充分大きい静
電容量を有するとともにこのコンデンサを充電する充電
回路を備え,第4のFET回路については前記駆動信号
源の負極性のときに導通させるバイアス回路を備えてな
る逆バイアス回路とを接続してなるFETのゲート駆動
回路。
【0008】
【実施例】図1は本発明に係るFETのゲート駆動回路
の一実施例を示す。図において1は駆動信号源,3は駆
動用変圧器,5はダイオード,7は抵抗器,9はダイオ
ード,11は抵抗器,13,15はN型のFET,17はP型の
FET,19はコンデンサ,21はダイオード,23は絶縁変
圧器,25は高周波源,29はFETである。
【0009】まずコンデンサ19には高周波源25から絶縁
変圧器23とダイオード21を介して直流電圧が充電されて
いる。このコンデンサ19の充電電圧はFET29の逆バイ
アスとして必要な動作区間においてはFET29のゲート
・ソース間に印加される。
【0010】駆動信号源1の極性が駆動用変圧器3の黒
点印側が正のときは,駆動用変圧器3の2次巻線に生ず
る電圧はダイオード5,9のいずれをも順方向バイアス
する。このときP型のFET17はオフして逆バイアス用
のコンデンサ19の電圧は切り離される。またN型のFE
T15はオンするが,それによりFET13はそのゲート・
ソース間が短絡されてオフする。したがってこのときの
等価回路は図2(a) に示す単純な形となり,FET29は
ゲートに正,ソースに負の極性の電圧が印加されてオン
する。
【0011】一旦FET29のゲート・ソース間に電圧が
印加されると,ゲート・ソース間静電容量Cgsにはその
電圧に対応した電荷が充電される。したがってFET29
をオフさせるには,ゲート・ソース間静電容量Cgsに蓄
えられたエネルギーを放電させなければならない。次に
その動作について説明する。
【0012】駆動信号源1の極性が駆動用変圧器3の黒
点印側が負のときは,駆動用変圧器3の2次巻線に生ず
る電圧はダイオード5,9いずれも逆方向バイアスさせ
る。このときP型のFET17はオンして逆バイアス用の
コンデンサ19の電圧の一端はFET29のソースに接続さ
れる。またN型のFET15はオフするが,それによりF
ET13はそのゲート・ソース間はコンデンサ19の電圧が
印加されてオンする。したがってこのときの等価回路は
図2(b) に示す形となり,FET29はソースに正,ゲー
トに負の極性の逆バイアス電圧が印加され,極めて高速
度にFET29のゲート・ソース間の充電電荷は消滅して
オフする。
【0013】次にふたたび駆動信号源1の極性が駆動用
変圧器3の黒点印側が正になると,駆動用変圧器3の2
次巻線に生ずる電圧はダイオード5,9いずれも正方向
バイアスさせる。このときP型のFET17はオフして逆
バイアス用のコンデンサ19の一端は切り離される。また
N型のFET15はオンすると共にFET13はそのゲート
・ソース間が短絡されてオフする。したがってこのとき
の等価回路は図2(c)に示す形となる。FET29はソー
スには正,ゲートに負の極性の逆バイアス電圧が充電さ
れて残留しているが,FET13のいわゆるボディダイオ
ードを通じて充電電荷は消滅する。その後FET29は図
2(a) に示すようなオン状態に移行する。
【0014】なおオフ区間ではFET29のゲート・ソー
ス間にはコンデンサ19が接続された形となるので,FE
T29のドレイン・ソース間に急速な立ち上がりの電圧が
印加されてドレイン・ゲート間静電容量を通じてノイズ
電圧が誘導された場合においても,上記のコンデンサ19
がバイパス作用をして誤導通を防止する。
【0015】逆バイアスの動作のために必要なコンデン
サ19の静電容量については,FET29のゲート・ソース
間静電容量Cgsより充分大きい値が望ましい。例えばC
gs=0.01μF であれば,C13=1 μF とする。
【0016】
【発明の効果】本発明は以上述べたような特徴を有する
ので,FETのゲート容量が大きい場合でも,高速度に
スイッチングさせることができる。そしてオフ時に外来
ノイズ電圧に対しても確実に逆バイアス電圧を印加する
ことによりFETの誤導通を防ぐことができる。図5に
示す従来方式におけるノイズマージンと,図3に示す本
発明におけるノイズマージンとを比較すると,ノイズマ
ージンが大きく改善されたことが理解できる。したがっ
て,インバータ・コンバータの効率を高め,信頼性を向
上することができる。なお本発明はFETに限らずIG
BT等の電圧駆動型スイッチング素子にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るFETのゲート駆動回路の一実施
例を示す。
【図2】FETのゲート駆動回路における,動作区間毎
の等価回路を示す。
【図3】FETのゲート駆動回路における,ゲート・ソ
ース間電圧の経過曲線を示す。
【図4】従来のFETのゲート駆動回路の一例を示す。
【図5】従来のFETのゲート駆動回路における,ゲー
ト・ソース間電圧の経過曲線を示す。
【符号の説明】
1…駆動信号源 3…駆動用変圧器 5…ダイ
オード 7…抵抗器 9…ダイオード 11…抵抗器 13,
15,17…FET 19…コンデンサ 21…ダイオード 23…絶縁変圧器 25
…高周波源 29…FET

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正負両極性の電圧を発生する駆動信号源を
    受けてFETのゲート・ソース間を駆動する回路であっ
    て,前記駆動信号源とこのゲート・ソース間を結ぶ線路
    には順次に:この線路の少なくとも一方に直列に接続さ
    れたダイオードと;この線路の逆方向極性電流を短絡す
    る第2のFET回路と;この線路に直列接続された第3
    のFET回路であって前記駆動信号源が正極性のときに
    導通させるバイアス回路を備えてなる第3のFET回路
    と;この第3のFET回路に並列接続された逆バイアス
    回路であって,互いに直列接続されたコンデンサと第4
    のFET回路からなり,このコンデンサについては前記
    FETのゲート・ソース間等価静電容量の値より充分大
    きい静電容量を有するとともにこのコンデンサを充電す
    る充電回路を備え,第4のFET回路については前記駆
    動信号源の負極性のときに導通させるバイアス回路を備
    えてなる逆バイアス回路とを接続してなるFETのゲー
    ト駆動回路。
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