JP4160144B2 - エネルギー蓄積手段 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
第1、第2発明は、外部からエネルギーが供給されるとき複数のキャパシタンス手段を並列用スイッチング手段群で並列接続状態にしてそのエネルギーを吸収し、外部へエネルギーを供給するときそれらキャパシタンス手段を直列用スイッチング手段群で直列接続状態にしてそのエネルギーを放出するエネルギー蓄積手段に関する。第1又は第2発明のエネルギー蓄積手段を使うと、入力電圧を昇圧して出力する電源手段を構成することができる。
【0002】
【背景技術】
従来のエネルギー蓄積手段を図2に示す。両入力端子In1・In2間に外部から電圧を印加すると、各コンデンサ8はダイオード3、4及びツェナー.ダイオード2」又はダイオード3、4を1組ずつ介して充電され、全コンデンサ8は並列接続状態となる。この時、図2右端の1つを除き各コンデンサ8の充電電流が各ツェナー・ダイオード2に生じる電圧降下が各トランジスタ1を逆バイアスするため、各トランジスタ1はオフである。たとえ各充電電流がゼロになり、各トランジスタ1がターン・オンし掛かっても、その漏洩ドレイン電流が各ツェナー・ダイオード2に電圧降下を生じ、各トランジスタ1を逆バイアスするため、結局は各トランジスタ1はオフに戻る。その後、両入力端子In1・In2間に印加された外部電圧が無くなると、各コンデンサ8の間に1組ずつ接続されたトランジスタ1と抵抗5により全コンデンサ8は直列接続状態となり、両出力端子Out1・Out2から先程の外部電圧を昇圧して出力する。
尚、各ダイオード3又は各ダイオード4の代わりに外部電圧が印加される時オン制御される可制御スイッチング手段を1つずつ使う場合も有る。
【0003】
しかしながら、各抵抗5は各トランジスタ1のドレイン・ゲート間に接続されているため、その直列接続状態のとき各トランジスタ1のオン電圧はそのゲート.ソース間のオン・オフしきい値電圧よりも大きくなってしまうため、『出力電圧が小さかったり、エネルギー損失が大きかったりしてしまう』という問題点が従来のエネルギー蓄積手段に有る。
(問題点)
【0004】
【第1発明の目的】
そこで、第1発明は、出力電圧を大きくできたり、エネルギー損失を低減できたりするエネルギー蓄積手段を提供することを目的としている。
【0005】
【第1発明の開示】
即ち、第1発明は、外部からエネルギーが供給されるとき複数のキャパシタンス手段を並列用スイッチング手段群で並列接続状態にしてそれを吸収し、外部へエネルギーを供給するときそれらキャパシタンス手段を直列用スイッチング手段群で直列接続状態にしてそれを放出するエネルギー蓄積手段において、
それぞれの前記直列用スイッチング手段の駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子の「1対の間に又は2対の各間に」逆バイアス方向に電圧降下手段を1つずつ接続し、
所定の前記キャパシタンス手段のそれぞれの充電経路に前記電圧降下手段を少なくとも1つ含ませて前記電圧降下手段すべてがいずれかの前記充電経路に含まれる様にし、
そのエネルギー放出時に複数の「前記電圧降下手段と接続の前記主端子」のうち1つ又は2つと接続される前記キャパシタンス手段のそれぞれ「その1つの主端子とその制御端子の間を順バイアスする閉回路をオン信号供給手段と共に形成した」又は「その主端子2つとそれらの制御端子の各間を順バイアスする各閉回路を各オン信号供給手段と共に形成した」エネルギー蓄積手段である。
【0006】
このことによって、全ての前記キャパシタンス手段が直列に電圧を出力するとき、所定の前記キャパシタンス手段のそれぞれがそれぞれの前記オン信号供給手段を介してそれぞれの前記直列用スイッチング手段をオン駆動するので、そのオン電圧は小さくなる。その結果、そのエネルギー蓄積手段の出力電圧を大きくできたり、エネルギー損失を低減できたりする
第1発明の効果)
【0007】
【第1発明の問題点】
一方、第1発明のエネルギー蓄積手段には『各前記キャパシタンス手段の放電に伴ってその電圧が低下したり、電圧反転したりすると、それぞれの前記直列用スイッチング手段を充分にオン制御できない』という問題点が有る。
【0008】
【第2発明の目的】
そこで、第2発明は、第1発明と同様『出力電圧を大きくできたり、エネルギー損失を低減できたりする』ことに加えて『各前記キャパシタンス手段の放電に伴ってその電圧が低下しても又は電圧反転しても、それそれの前記直列用スイッチング手段を充分にオン制御できる』エネルギー蓄積手段を提供することを目的としている。
【0009】
即ち、第2発明は、外部からエネルギーが供給されるとき複数のキャパシタンス手段を並列用スイッチング手段群で並列接続状態にしてそれを吸収し、外部へエネルギーを供給するときそれらキャパシタンス手段を直列用スイッチング手段群で直列接続状態にしてそれを放出するエネルギー蓄積手段において、
それぞれの前記直列用スイッチング手段の駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子の「1対の間に又は2対の各間に」逆バイアス方向に電圧降下手段を1つずつ接続し、
所定の前記キャパシタンス手段のそれぞれの充電経路に前記電圧降下手段を少なくとも1つ含ませて前記電圧降下手段すべてがいずれかの前記充電経路に含まれる様にし、
前記「外部からエネルギーが供給されるとき」同時にエネルギー吸収用経路手段を介して外部からエネルギーを吸収する「駆動用キャパシタンス手段または駆動用インダクタンス手段」と前記エネルギー吸収用経路手段をそれぞれの前記直列用スイッチング手段に対応させて設け、
「前記『外部へエネルギーを供給するとき』同時にそれぞれの前記『駆動用キャパシタンス手段または駆動用インダクタンス手段』がそのエネルギーを放出して、対応する前記直列用スイッチング手段の『前記電圧降下手段と接続の主端子』とその制御端子の間を順バイアスする閉回路」をオン信号供給手段と共に形成したエネルギー蓄積手段である。
【0010】
このことによって、前記複数のキャパシタンス手段とは別に各前記直列用スイッチング手段に対応して駆動用に前記「駆動用キャパシタンス手段または駆動用インダクタンス手段」を設けたので、全ての前記キャパシタンス手段が直列に電圧を出力するとき、前記「駆動用キャパシタンス手段または駆動用インダクタンス手段」のそれぞれがそれぞれの前記オン信号供給手段を介して「対応する前記直列用スイッチング手段」をオン駆動する為、それらのオン電圧は小さくなる。
その結果、そのエネルギー蓄積手段の出力電圧を大きくできたり、エネルギー損失を低減できたりする。
(第2発明の第1効果)
しかも、各前記「駆動用キャパシタンス手段または駆動用インダクタンス手段」は各前記キャパシタンス手段と独立して動作するので、『各前記キャパシタンス手段の放電に伴ってその電圧が低下しても又は電圧反転しても、それぞれの前記直列用スイッチング手段を充分にオン制御することができる。
(第2発明の第2効果)
【0011】
【各発明を実施するための最良の形態】
発明をより詳細に説明するために以下添付図面に従って各発明を説明する。図1の第1発明の実施例ではそれぞれが前述した各構成要素に相当する。
a)各コンデンサ8が前述した各キャパシタンス手段に。
b)全てのダイオード3、4が前述した並列用スイッチング手段群に。
c)全てのトランジスタ1が前述した直列用スイッチング手段群に。
d)各トランジスタ1のゲート端子とソース端子が前述したそれぞれの駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子に。
e)各ツェナー・ダイオード2が前述したそれぞれの電圧降下手段に。
f)各抵抗5が前述したそれぞれのオン信号供給手段に。
【0012】
図右端のコンデンサ8を除いて各コンデンサ8の充電経路にはツェナー・ダイオード2が1つずつ含まれており、しかも、各コンデンサ8は抵抗5とトランジスタ1のゲート・ソース間部分の各組と1つずつ閉回路を形成している。
【0013】
尚、各抵抗5の代わりにオン信号供給手段として電流制限手段なら定電流ダイオードでも定電流手段でも「ドレインとゲートを接続したノーマリィ・オフのMOS・FET」でも他の抵抗手段でも何でも構わない。また、各ツェナー・ダイオード2の代わりに電圧降下手段として通流電流によって電圧降下を生じるものなら抵抗でもダイオードでも何でも構わない。さらに、各トランジスタ1の代わりに直列用スイッチング手段として可制御スイッチング手段ならバイポーラ・トランジスタ、接合型FET、IGBT、GTBT(接地した溝形電極を持つバイポーラ型FET)、SIT、サイリスタ、GTOサイリスタもしくはSIサイリスタでも、ノーマリィ・オフ、ノーマリィ・オンに関係無く何でも使用できる。
【0014】
ただし、ノーマリィ・オン型を使う場合オフ制御用に充分な逆バイアス電圧を供給するために電圧降下の大きい電圧降下手段を使う必要が有る。それから、各ダイオード3又は各ダイオート4の代わりに並列用スイッチング手段として「外部電圧が両入力端子In1・In2間に印加される時オン制御され、それが印加されない時オフ制御される可制御スイッチング手段」を1つずつ使う場合も有る。
【0015】
図3〜図24第1発明の他の実施例を示す。
(先行技術:特開平8−33348号)
図4、図5の各実施例では直列用スイッチング手段群としてノーマリィ・オンの可制御スイッチング手段を使用している。図6の実施例で使う各SITはノーマリィ・オフ、ノーマリィ・オンどちらでも良い。図7〜図9の各実施例では各コンデンサは各前段のトランジスタだけでなく各後段のトランジスタもオン制御する様にしても構わない。図10〜図11の各実施例は第1発明のエネルギー蓄積手段を用いて入力電圧を昇圧つまり大きくしてプラス又はマイナス電圧を出力する電源手段で、図10の実施例ではサイリスタあるいはサイリスタの等価回路を使用しているが、それぞれの代わりにSIサイリスタを使用できる。
【0016】
図12〜図14の各実施例も第1発明のエネルギー蓄積手段を用いて負荷41に入力電圧をそのまま出力したり、入力電圧を昇圧、反転して出力したりする電源手段である。図15の実施例は図1の実施例において各ダイオード3、4の代わりに並列用スイッチング手段としてMOS・FETを1つずつ用いたものである。各MOS・FETは外部電圧が両入力端子In1・In2間に印加される時オン制御され、それが印加されない時オフ制御される。
【0017】
図16〜図18の各実施例では並列用スイッチング手段群となる図中で上下の各MOS・FETはオフのままでもその内蔵ダイオードが図1の実施例の各ダイオード3、4と同じ作用をするので、支障は無い。これらMOS・FETはダイオードの順電圧による各コンデンサ8の充電電圧の低下やエネルギー損失を低減するため各充電時にオン制御することが狙いである。図19〜図22の各実施例では図中で上側か下側どちらかの各MOS・FETだけが同様である。図23〜図24の各実施例ては各MOS・FETのオン制御もしくはオフ制御を改善したものである。
【0018】
図25〜図38に第2発明の各実施例を示す。図25の実施例ではそれぞれが前述した各構成要素に相当する。
a)各コンデンサ8が前述した各キャパシタンス手段に。
b)全てのダイオード3、4が前述した並列用スイッチング手段群に。
c)全てのトランジスタ1が前述した直列用スイッチング手段群に。
d)各トランジスタ1のゲート端子とソース端子が前述したそれぞれの駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子に。
e)各ツェナー・ダイオード2が前述したそれぞれの電圧降下手段に。
f)各コンデンサ11が前述した各駆動用キャパシタンス手段に。
g)各「ダイオード10、ツェナー・ダイオード2及びダイオード4の組合せ」が前述した各エネルギー吸収用経路手段に。
h)各抵抗5が前述したそれぞれのオン信号供給手段に。
【0019】
図右端のコンデンサ8を除いて各コンデンサ8の充電経路にはツェナー・ダイオード2が1つずつ含まれている。また、各コンデンサ11は「抵抗5とトランジスタ1のゲート・ソース間部分」の各組と1つずつ閉回路を形成している。
【0020】
図25〜図29の各実施例では各コンデンサ8の放電に伴ってその電圧が低下しても又は電圧反転しても、別に設けた各コンデンサ又は各コイルの順バイアス作用により直列用の各トランジスタを充分にオン制御することができる。
(効果)
【0021】
図29、「図30〜図31両図」、「図32〜図33両図」それぞれに示す各実施例では倍電圧で順バイアスする。図34〜図35両図に示す実施例は図25の実施例を利用した前述と同様の電源手段である。
【0022】
この電源手段を利用して点火装置(又は放電発生装置)を構成したのが図36〜図37両図に示す実施例で、電流遮断方式とCDI方式を組み合わせたものである。点火コイルの1次コイルに過電圧吸収手段(例:サージ・アブソーバー等。)を並列接続した方が良い。その点火装置において点火用放電ギャップの代わりに放電灯を使用すれば、その点火装置は放電灯点灯装置になる。図36、図38両図に示す実施例も点火装置等で、各コンデンサの充電と点火コイルの励磁をトランジスタ100、101で別々に行う。点火コイルの励磁タイミング等は従来の電流遮断方式の場合と同じで、各コンデンサの並列充電は点火動作しない時に行い、各コンデンサの直列放電は点火動作する時に行う。その結果、最適なタイミングで充電と励磁を個々に行うことができる。
【0023】
最後に各実施例あるいはそれから派生する各派生実施例において、その構成要素となる各可制御スイッチング手段をその相補関係にある可制御スイッチング手段(例:Nチャネル型MOS・FETに対するPチャネル型MOS・FET等。)で1つずつ置き換え、電圧極性もしくは電圧方向のある各回路構成手段(例:直流電源、ダイオード等。)の向きを逆にした「元の実施例に対して電圧極性もしくは電圧方向に関して対称的な関係にある実施例」もまた当然可能である。
【0024】
【先行技術】
特開昭48−60227号、 特開昭49−80522号、
特開昭49−109821号、 特開昭49−135128号、
特開昭62−108565号、 特公平6−67182号、
実開昭50−410号、 実公平51−28601号。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の回路を示す回路図である。
【図2】従来のエネルギー蓄積手段の回路を示す回路図である。
【図3〜図29】各図は、本発明の実施例の回路を1つずつ示す回路図である。
【図30〜図31】両図で本発明の1実施例の回路を示す回路図である。
【図32〜図33】両図で本発明の1実施例の回路を示す回路図である。
【図34〜図35】両図で本発明の1実施例の回路を示す回路図である。
【図36〜図37】両図で本発明の1実施例の回路を示す回路図である。
【図38】図36と共に両図で本発明の1実施例の回路を示す回路図である。

Claims (2)

  1. 外部からエネルギーが供給されるとき複数のキャパシタンス手段を並列用スイッチング手段群で並列接続状態にしてそれを吸収し、外部へエネルギーを供給するときそれらキャパシタンス手段を直列用スイッチング手段群で直列接続状態にしてそれを放出するエネルギー蓄積手段において、
    それぞれの前記直列用スイッチング手段の駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子の「1対の間に又は2対の各間に」逆バイアス方向に電圧降下手段を1つずつ接続し、
    所定の前記キャパシタンス手段のそれぞれの充電経路に前記電圧降下手段を少なくとも1つ含ませて前記電圧降下手段すべてがいずれがの前記充電経路に含まれる様にし、
    そのエネルギー放出時に複数の「前記電圧降下手段と接続の前記主端子」のうち1つ又は2つと接続される前記キャパシタンス手段のそれぞれ「その1つの主端子とその制御端子の間を順バイアスする閉回路をオン信号供給手段と共に形成した」又は「その主端子2つとそれらの制御端子の各間を順バイアスする各閉回路を各オン信号供給手段と共に形成した」ことを特徴とするエネルギー蓄積手段。
  2. 外部からエネルギーが供給されるとき複数のキャパシタンス手段を並列用スイッチング手段群で並列接続状態にしてそれを吸収し、外部へエネルギーを供給するときそれらキャパシタンス手段を直列用スイッチング手段群で直列接続状態にしてそれを放出するエネルギー蓄積手段において、
    それぞれの前記直列用スイッチング手段の駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子の「1対の間に又は2対の各間に」逆バイアス方向に電圧降下手段を1つずつ接続し、
    所定の前記キャパシタンス手段のそれぞれの充電経路に前記電圧降下手段を少なくとも1つ含ませて前記電圧降下手段すべてがいずれかの前記充電経路に含まれる様にし、
    前記「外部からエネルギーが供給されるとき」同時にエネルギー吸収用経路手段を介して外部からエネルギーを吸収する「駆動用キャパシタンス手段または駆動用インダクタンス手段」と前記エネルギー吸収用経路手段をそれぞれの前記直列用スイッチング手段に対応させて設け、
    「前記『外部へエネルギーを供給するとき』同時にそれぞれの前記『駆動用キャパシタンス手段または駆動用インダクタンス手段』がそのエネルギーを放出して、対応する前記直列用スイッチング手段の『前記電圧降下手段と接続の主端子』とその制御端子の間を順バイアスする閉回路」をオン信号供給手段と共に形成したことを特徴とするエネルギー蓄積手段。
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