JP3344888B2 - 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法 - Google Patents

圧電/電歪膜型素子及びその製造方法

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JP3344888B2 JP34241495A JP34241495A JP3344888B2 JP 3344888 B2 JP3344888 B2 JP 3344888B2 JP 34241495 A JP34241495 A JP 34241495A JP 34241495 A JP34241495 A JP 34241495A JP 3344888 B2 JP3344888 B2 JP 3344888B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、圧電/電歪膜型素子、なかで
も、主にアクチュエータ、フィルタ、ディスプレイ、ト
ランス、マイクロホン、発音体(スピーカ等)、各種振
動子、共振子、発振子、ディスクリミネータ、更にはジ
ャイロやセンサ等に用いられるユニモルフ型やバイモル
フ型等の、屈曲変位又は力を発生させる、或いは屈曲変
位や力を検出するタイプの圧電/電歪膜型素子、及びそ
れを製造する方法に関するものである。なお、ここで称
呼される素子とは、電気エネルギーを機械エネルギーに
変換、即ち、機械的な変位、力又は振動に変換する素子
の他、その逆の変換を行なう素子をも意味するものであ
る。
【0002】
【背景技術】近年、光学や精密加工等の分野において、
サブミクロンのオーダーで光路長や位置を調整する変位
素子や、微小変位を電気的変化として検知する検出素子
が所望されるようになってきており、これに応えるもの
として、強誘電体等の圧電材料に電界を加えた時に起こ
る逆圧電効果に基づくところの変位の発現、或いはその
逆の現象を利用した素子である、アクチュエータやセン
サに用いられる圧電/電歪素子の開発が進められてい
る。そして、その中で、スピーカ等においては、そのよ
うな圧電/電歪素子構造として、従来から知られている
ユニモルフ型等が好適に採用されている。
【0003】このため、本願出願人にあっても、先に、
特開平3−128681号公報や特開平5−49270
号公報等において、各種の用途に好適に用いられ得る、
セラミックス製の圧電/電歪膜型素子を提案した。この
先に提案の圧電/電歪膜型素子は、少なくとも一つの窓
部(空所)を有すると共に、該窓部を覆蓋するように薄
肉のダイヤフラム部を一体に設けることによって、少な
くとも一つの薄肉の壁部を形成してなるセラミックス基
体を備え、そして該セラミックス基体のダイヤフラム部
の外面上に、下部電極と圧電/電歪層と上部電極との組
み合わせからなる圧電/電歪作動部が、膜形成法によっ
て一体的に積層形成されてなる構造を有するものであっ
て、小型で安価な、高信頼性の電気機械変換素子である
と共に、低い駆動電圧にて大変位が得られ、また応答速
度が速く、且つ発生力も大きいという優れた特徴を有し
ており、アクチュエータ、フィルタ、ディスプレイ、セ
ンサ等の構成部材等として、誠に有用なものであること
が認められている。
【0004】ところで、かかる圧電/電歪膜型素子につ
いて、本発明者らが更に検討した結果、そのような圧電
/電歪膜型素子は、焼成済のセラミックス基体における
ダイヤフラム部の所定位置に、圧電/電歪作動部を構成
する下部電極、圧電/電歪層及び上部電極が、膜形成法
によって順次層状に積層形成され、そして必要な熱処理
(焼成)が施されて、該圧電/電歪作動部がダイヤフラ
ム部上に一体的に設けられた構造とされるものではある
が、その圧電/電歪作動部、具体的には圧電/電歪層の
形成時における熱処理(焼成)によって、かかる圧電/
電歪膜型素子の圧電/電歪特性が少なからず低下するこ
とが、明らかとなったのである。
【0005】すなわち、そのような圧電/電歪膜型素子
を製作する場合においては、実際には、圧電/電歪層の
上に形成される上部電極が圧電/電歪層の下に設けられ
ている下部電極に短絡するのを阻止して、それら電極間
の絶縁を良好に維持するために、かかる圧電/電歪層は
下部電極よりも若干大きめに形成され、下部電極を覆蓋
するようにした構造が採用されることとなるところか
ら、下部電極の周縁部から側方に延び出した圧電/電歪
層の周縁部は、それを構成する圧電/電歪材料が一般に
Pb成分等を含んでおり、他の材料との反応性が高いも
のであることによって、そのような周縁部の直下に位置
するセラミックス基体のダイヤフラム部に対して、強固
に融合乃至は癒着(接合)され易く、それによって、そ
の融合乃至は癒着部(接合部)は、圧電/電歪層におけ
る残留応力を大ならしめ、以て得られる圧電/電歪膜型
素子の圧電/電歪特性の低下をもたらしているのであ
る。
【0006】また、そのような圧電/電歪層の下部電極
よりも側方に延びる周縁部と、その直下のダイヤフラム
部位との間の接合の有無、更には接合の程度のバラツキ
により、得られる圧電/電歪膜型素子間、或いは圧電/
電歪膜型素子の複数の圧電/電歪作動部間において、圧
電/電歪層の焼結バラツキ、残留応力のバラツキ、素子
の剛性バラツキ等が惹起され、変位量等の圧電/電歪特
性や共振周波数特性等のバラツキが大きいという問題を
も内在するものであった。
【0007】このため、特開平6−260694号公報
においては、下部電極上の圧電/電歪膜を、該下部電極
を覆い、且つ端部がセラミックス基板上へ張り出す大き
さとし、そしてその張出し部分を該セラミックス基板に
対して不完全結合状態とした構造の圧電/電歪膜型素子
が明らかにされているが、そこでは、かかる不完全結合
状態を、圧電/電歪膜に対して低反応性のセラミックス
基板を用いたり或いはそれらの間に樹脂材料等からなる
ダミー層を形成したりして、実現せしめようとするもの
であるところから、圧電/電歪膜の焼成条件、例えば焼
成温度、焼成雰囲気等を精密にコントロールする必要が
ある等の製造工程上の困難な問題があり、また以上の調
整を行なっても、繰返し再現性に問題が残るものであっ
た。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、ジルコニア材料からなる前記の如きセラミック
ス基体、換言すればジルコニア基体における薄肉の壁部
を構成するダイヤフラム部の外面上に、圧電/電歪作動
部が、膜形成法によって形成されてなる圧電/電歪膜型
素子の製造において、そのダイヤフラム部と圧電/電歪
層の側方延出部たるオーバーハング部との焼成時の接合
を全く新規な手法によって回避し、素子の圧電/電歪特
性や共振周波数特性の均一性を向上し、また変位特性を
向上せしめた素子を有利に得ることの出来る製造方法、
及びそれによって得られた圧電/電歪膜型素子を提供す
ることにある。
【0009】
【解決手段】そして、上述の如き課題を解決するため
に、本発明に従う圧電/電歪膜型素子は、少なくとも一
つの空所を有すると共に、該空所を覆蓋するように、薄
肉のダイヤフラム部を一体に設けてなるジルコニア基体
と、該ダイヤフラム部の外面上に膜形成法によって層状
に順次設けた下部電極、圧電/電歪層及び上部電極より
構成される膜状の圧電/電歪作動部とを備えた圧電/電
歪膜型素子にして、前記圧電/電歪層の少なくとも一部
の周縁部が、前記下部電極の対応する周縁部よりも側方
に延び出して、前記ダイヤフラム部上に対向位置するオ
ーバーハング部を構成していると共に、該オーバーハン
グ部が、それとその直下のダイヤフラム部位との間に、
アルミナとマグネシアとの化合物を主体とする粒子が介
在せしめられることによって、かかる直下のダイヤフラ
ム部位に対して、不完全結合状態とされていることを特
徴とするものである。
【0010】このように、本発明にあっては、圧電/電
歪層の少なくとも一部の周縁部が下部電極の対応する周
縁部よりも側方に延び出して、該下部電極が下方に存在
しない、オーバーハング部を形成していても、そのよう
なオーバーハング部は、その直下のダイヤフラム部位に
対して、不完全結合の状態とされているところから、そ
れらオーバーハング部とダイヤフラム部位との接合によ
り惹起される残留応力の問題が効果的に解消され得るこ
ととなるのであり、しかも圧電/電歪作動部の作動時に
おいて、それらオーバーハング部とダイヤフラム部位と
が接合していることに基づく圧電/電歪特性への悪影響
を避け、変位特性等を効果的に向上せしめ得るのであ
る。そして、そのようなオーバーハング部とその直下の
ダイヤフラム部位との間の不完全結合状態は、それらの
間に、スピネルの如きアルミナとマグネシアとの化合物
を主体とする粒子が介在せしめられることによって、よ
り一層効果的に実現されているのである。
【0011】なお、ここでいう不完全結合状態とは、圧
電/電歪層のオーバーハング部と、その直下のダイヤフ
ラム部若しくはアルミナとマグネシアとの化合物を主体
とする粒子層との間の結合が不完全であり、本発明の課
題を充分に解決出来る程度の結合の状態をいい、より具
体的には、圧電/電歪層のオーバーハング部とその直下
のダイヤフラム部若しくはアルミナとマグネシアとの化
合物を主体とする粒子層との間のピール(引き剥し)強
度が、0.25kg/mm2 以下、好ましくは0.02
5kg/mm2 以下、更に好ましくは0.0125kg
/mm2 以下である状態を指している。
【0012】ところで、かくの如き本発明に従う圧電/
電歪膜型素子は、有利には、以下のA)、B)、C)及
びD)の四つの手法に従って製造されることとなる。方 法A) 少なくとも一つの空所を有すると共に、該空所を覆蓋す
るように、薄肉のダイヤフラム部を一体に設けてなるジ
ルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外面上に膜形成法
によって層状に順次設けた下部電極、圧電/電歪層及び
上部電極より構成される膜状の圧電/電歪作動部とを備
えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際して、少なくと
も前記ダイヤフラム部にアルミナを含有せしめてなる焼
成済のジルコニア基体を準備して、該ジルコニア基体の
ダイヤフラム部の外面上に前記下部電極を形成した後、
更に、該下部電極上に、マグネシア若しくはそれを与え
る成分を独立して又は化合物形態において含有する圧電
/電歪材料を用いて、少なくとも一部の周縁部が該下部
電極の対応する周縁部よりも側方に延び出して、前記ダ
イヤフラム部上に対向位置するオーバーハング部を構成
するように、膜形成法にて前記圧電/電歪層を形成せし
め、そして該圧電/電歪層の焼成を行なうことにより、
少なくとも、かかるオーバーハング部とその直下の前記
ダイヤフラム部位との界面において、アルミナとマグネ
シアとの化合物を主体とする粒子を析出せしめて、それ
らオーバーハング部とその直下のダイヤフラム部位との
間が不完全結合状態となるようにしたことを特徴とする
圧電/電歪膜型素子の製造方法。方 法B) 少なくとも一つの空所を有すると共に、該空所を覆蓋す
るように、薄肉のダイヤフラム部を一体に設けてなるジ
ルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外面上に膜形成法
によって層状に順次設けた下部電極、圧電/電歪層及び
上部電極より構成される膜状の圧電/電歪作動部とを備
えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際して、焼成済の
前記ジルコニア基体を準備して、該ジルコニア基体のダ
イヤフラム部の外面上に、アルミナ若しくはそれを与え
る成分を含有せしめてなる電極材料を用いて、膜形成法
によって前記下部電極を形成した後、更に、該下部電極
上に、マグネシア若しくはそれを与える成分を独立して
又は化合物形態において含有する圧電/電歪材料を用い
て、少なくとも一部の周縁部が該下部電極の対応する周
縁部よりも側方に延び出して、前記ダイヤフラム部上に
対向位置するオーバーハング部を構成するように、膜形
成法にて前記圧電/電歪層を形成せしめ、そして該圧電
/電歪層の焼成を行なうことにより、少なくとも、かか
るオーバーハング部とその直下の前記ダイヤフラム部位
との界面において、アルミナとマグネシアとの化合物を
主体とする粒子を析出せしめて、それらオーバーハング
部とその直下のダイヤフラム部位との間が不完全結合状
態となるようにしたことを特徴とする圧電/電歪膜型素
子の製造方法。方 法C) 少なくとも一つの空所を有すると共に、該空所を覆蓋す
るように、薄肉のダイヤフラム部を一体に設けてなるジ
ルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外面上に膜形成法
によって層状に順次設けた下部電極、圧電/電歪層及び
上部電極より構成される膜状の圧電/電歪作動部とを備
えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際して、焼成済の
前記ジルコニア基体を準備して、該ジルコニア基体のダ
イヤフラム部の外面における少なくとも前記下部電極形
成部位の周りに、アルミナ若しくはそれを与える成分を
含む分離層を形成せしめる一方、該分離層の形成に先立
って若しくは該分離層の形成の後に、かかるダイヤフラ
ム部の外面上に、前記下部電極を形成した後、更に、該
下部電極上に、マグネシア若しくはそれを与える成分を
独立して又は化合物形態において含有する圧電/電歪材
料を用いて、少なくとも一部の周縁部が該下部電極の対
応する周縁部よりも側方に延び出して、前記ダイヤフラ
ム部上に対向位置するオーバーハング部を構成するよう
に、膜形成法にて前記圧電/電歪層を形成せしめ、そし
て該圧電/電歪層の焼成を行なうことにより、少なくと
も、かかるオーバーハング部とその直下の前記ダイヤフ
ラム部位との界面において、アルミナとマグネシアとの
化合物を主体とする粒子を析出せしめて、それらオーバ
ーハング部とその直下のダイヤフラム部位との間が不完
全結合状態となるようにしたことを特徴とする圧電/電
歪膜型素子の製造方法。方 法D) 少なくとも一つの空所を有すると共に、該空所を覆蓋す
るように、薄肉のダイヤフラム部を一体に設けてなるジ
ルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外面上に膜形成法
によって層状に順次設けた下部電極、圧電/電歪層及び
上部電極より構成される膜状の圧電/電歪作動部とを備
えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際して、焼成済の
前記ジルコニア基体を準備して、該ジルコニア基体のダ
イヤフラム部の外面における少なくとも前記下部電極形
成部位の周りに、アルミナ若しくはそれを与える成分と
マグネシア若しくはそれを与える成分を含む、又はアル
ミナとマグネシアとの化合物を主体とする粒子を含む分
離層を形成せしめる一方、該分離層の形成に先立って若
しくは該分離層の形成の後に、かかるダイヤフラム部の
外面上に前記下部電極を形成した後、更に、該下部電極
上に、少なくとも一部の周縁部が該下部電極の対応する
周縁部よりも側方に延び出して、前記ダイヤフラム部上
に対向位置するオーバーハング部を構成するように、膜
形成法にて前記圧電/電歪層を形成せしめ、そして該圧
電/電歪層の焼成を行なうことにより、少なくとも、か
かるオーバーハング部とその直下の前記ダイヤフラム部
位との界面において、アルミナとマグネシアとの化合物
を主体とする粒子を析出乃至は介在せしめて、それらオ
ーバーハング部とその直下のダイヤフラム部位との間が
不完全結合状態となるようにしたことを特徴とする圧電
/電歪膜型素子の製造方法。
【0013】このような本発明に従う圧電/電歪膜型素
子の製造手法によれば、圧電/電歪層のオーバーハング
部と、その直下の、下部電極の存在しないダイヤフラム
部位との界面にまで、アルミナ成分やマグネシア成分が
移行し、そしてそこで反応して、スピネル等のアルミナ
とマグネシアとの化合物を主体とする粒子を析出せしめ
るのであり、またそのような界面において、スピネル等
の化合物粒子として析出せしめ、或いは存在せしめるこ
とにより、圧電/電歪層のオーバーハング部とその直下
のダイヤフラム部位との強固な癒着乃至は接合を効果的
に回避せしめ得て、不完全結合状態を実現し、以て圧電
/電歪層における残留応力が有利に少なく為され得るこ
ととなり、そのために圧電/電歪特性が有利に向上せし
められ得、また圧電/電歪特性のバラツキも効果的に低
減され得るのである。
【0014】なお、上記した四つの圧電/電歪膜型素子
の製造方法において、前記析出せしめられる粒子は、有
利には、スピネル(MgAl2 4 )粒子であり、また
前記圧電/電歪材料には、圧電/電歪特性を示す組成の
一部分としてマグネシアを含むものが、有利に用いられ
ることとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】上述のように、本発明は、ジルコ
ニア基体に設けられた空所を覆蓋するように一体的に形
成されたダイヤフラム部位の外面上に、膜形成法によっ
て設けられた膜状の圧電/電歪作動部を有する構造の圧
電/電歪膜型素子において、かかる圧電/電歪作動部を
構成する圧電/電歪層が下部電極に対してオーバーハン
グ部を形成するように構成して、該下部電極に対する短
絡を何等顧慮することなく、上部電極が容易に形成され
得るように為すと共に、該下部電極が存在しない圧電/
電歪層のオーバーハング部と、その直下のダイヤフラム
部位との間に、アルミナとマグネシアとの化合物を主体
とする粒子が介在せしめられるように為して、それらの
間が不完全結合の状態となるようにすることによって、
前記した課題の解決を図ろうとするものであるが、その
ような本発明の対象とする圧電/電歪膜型素子の基本的
な構造の一例が、図1に示されている。なお、そこに例
示の具体例は、一つの窓部についての構造を明らかにし
ている。
【0016】すなわち、かかる図1において、ジルコニ
ア基体2は、所定大きさの矩形の窓部6を空所として有
する、支持体としての所定厚さのベースプレート4と、
その一方の面に重ね合わされて、窓部6を覆蓋する薄肉
のダイヤフラム板8とから、一体的に構成されており、
かかるダイヤフラム板8の前記ベースプレート4におけ
る窓部6に位置する部分が、ダイヤフラム部位10とさ
れているのである。そして、この板状のジルコニア基体
2のダイヤフラム部位10の外面上には、それぞれ、膜
状の下部電極12、圧電/電歪層14及び上部電極16
が、通常の膜形成手法によって、順次、積層形成され
て、膜状の圧電/電歪作動部18として、一体的に形成
されている。
【0017】従って、このような構造の圧電/電歪膜型
素子においては、それをアクチュエータとして機能させ
る場合には、その圧電/電歪作動部18を構成する二つ
の電極12、16間に、図示しないそれぞれのリード部
を通じて所定の電圧を印加せしめることによって、従来
と同様にして通電が行なわれ、それによって圧電/電歪
層14に電界が作用せしめられると、そのような電界に
基づくところの電界誘起歪みが惹起され、この電界誘起
歪みの横効果にて、ジルコニア基体2(ダイヤフラム部
位10)の板面に垂直な方向の屈曲変位乃至は力が発現
せしめられることとなるのである。
【0018】ところで、本発明は、かかる圧電/電歪膜
型素子において、図1に示されている如く、圧電/電歪
作動部18を構成する圧電/電歪層14の周縁部が下部
電極12の対応する周縁部よりも側方に延び出して、下
部電極12の存在しないダイヤフラム部位10に対向位
置するオーバーハング部14aを構成するようにされて
いるのであり、そして、かかるオーバーハング部14a
と、その直下のダイヤフラム部位10との間に、アルミ
ナとマグネシアとの化合物を主体とする接合阻止粒子2
0が介在せしめられることによって、それらの間が不完
全結合の状態とされているのである。なお、それら圧電
/電歪作動部18を構成する下部電極12、圧電/電歪
層14、上部電極16の平面配設形態が、図2に示され
ているが、それより明らかな如く、圧電/電歪層14
は、下部電極12の外部との接続のためのリード部を残
して、その略全体を覆うように形成されているのであ
り、これによって、圧電/電歪層14の少なくとも一部
の周縁部が、下部電極12の対応する周縁部よりも側方
に延び出して、位置する形態とされているのである。そ
して、そのような圧電/電歪層14の上に、下部電極1
2と重なり合うように、上部電極16が形成され、その
圧電/電歪層14からはみ出した一方の端部が外部に接
続されるリード部とされているのである。
【0019】それ故に、このような圧電/電歪膜型素子
の圧電/電歪作動部18の構造によれば、圧電/電歪層
14の延び出した周縁部によってオーバーハング部14
aが形成され、このオーバーハング部14aにて、下部
電極12が覆われた状態において、かかる圧電/電歪層
14上に上部電極16が形成されることとなるところか
ら、そのような上部電極16が下部電極12に短絡する
恐れは全く解消され、それら二つの電極12、16間の
絶縁を効果的に保持しつつ、上部電極16の形成が容易
に行ない得ることとなることは勿論、そのようなオーバ
ーハング部14aが、その直下のダイヤフラム部位10
との間において、融合乃至は癒着(接合)せしめられ
て、強固に結合されてはいないところから、かかる圧電
/電歪作動部18の作動時において、その作動特性が悪
影響を受けることも殆どなく、以て変位量等の圧電/電
歪特性や共振周波数特性等の向上を、効果的に図り得る
のである。
【0020】なお、このような本発明の目的とする圧電
/電歪膜型素子において、その圧電/電歪作動部18が
形成されるジルコニア基体2を与える材料としては、公
知の各種の安定化ジルコニア材料や部分安定化ジルコニ
ア材料が適宜に選択して用いられ得るが、中でも、特に
本発明者らが特開平5−270912号公報において明
らかにした如き、イットリア等の化合物を添加せしめ
て、結晶相が主として正方晶、若しくは主として立方
晶、正方晶、単斜晶のうちの少なくとも2種以上の結晶
相からなる混晶とすることで、部分安定化されたジルコ
ニアを主成分とする材料が好ましく使用される。また、
そのようなジルコニア基体2の結晶粒径は、好ましくは
1μm以下とされる。そのような材料から形成されるジ
ルコニア基体2は、薄い板厚においても、大きな機械的
強度や高靱性を示し、また圧電/電歪材料との化学的な
反応も少ない等の特徴を発揮するからである。
【0021】本発明において、かかるジルコニア材料か
らなるジルコニア基体2におけるダイヤフラム部位10
に対して、その上方に下部電極12を介することなく位
置せしめられる圧電/電歪層14のオーバーハング部1
4aの強固な接合を効果的に抑制乃至は解消せしめて、
不完全結合の状態とするには、それらオーバーハング部
14aとその直下のダイヤフラム部位10との間に、ア
ルミナとマグネシアとの化合物を主体とする接合阻止粒
子20、特に、スピネル(MgAl2 4 )粒子が析
出、介在せしめられることが望ましく、そのような化合
物粒子20の圧電/電歪層14に対する低い反応性によ
って、それらオーバーハング部14aとダイヤフラム部
位10との間の相互の接合が、効果的に緩和乃至は阻止
され得ることとなるのである。
【0022】ところで、このようなスピネル粒子の如
き、アルミナとマグネシアとの化合物を主体とする接合
阻止粒子20の介在によって、オーバーハング部14a
とダイヤフラム部位10との間の強固な接合を阻止し、
それらを不完全結合状態としてなる構造の圧電/電歪膜
型素子を製造するには、前記したA)、B)、C)及び
D)の四つの手法が有利に採用されるものであって、そ
のうちのA)の手法によれば、先ず、前記したジルコニ
ア材料からなるジルコニア基体2の少なくともダイヤフ
ラム部位10に、所定量のアルミナを含有せしめてなる
ものが、準備される。なお、このようなアルミナの含有
は、ダイヤフラム部位10に加えて、ジルコニア基体2
の他の部位、例えばベースプレート4部位に対しても有
効である。尤も、このアルミナの含有量が多くなり過ぎ
ると、ダイヤフラム部位10にクラックや欠陥等の問題
を惹起するところから、一般に、5.0重量%以下、好
ましくは2.5重量%以下とすることが望ましいが、そ
の含有量が余りにも少なくなり過ぎると、前記した接合
を阻止し得るに充分な量の粒子の析出、介在が期待され
得なくなるところから、アルミナは、一般に、0.1重
量%以上、好ましくは1.1重量%以上の割合において
含有せしめることが望ましい。
【0023】そして、そのような、少なくともダイヤフ
ラム部位10に所定量のアルミナを含有せしめてなるジ
ルコニア基体2は、それを与えるグリーン体の少なくと
もダイヤフラム部(10)形成部位に、かかる所定量の
アルミナ若しくはそれを与える成分を含有せしめたもの
を、公知の手法に従って作製し、そしてそれを焼成する
ことにより、得られるものであるが、特に、金型や超音
波加工等の機械加工手法を採用して、窓部6となる空孔
部を設けた、ベースプレート4を与えるジルコニアグリ
ーンシートに、ダイヤフラム板8(ダイヤフラム部位1
0)を与える、所定量のアルミナを含有せしめてなる薄
いジルコニアグリーンシートを積層、熱圧着した後、焼
成、一体化することによって作製することが、高い信頼
性の点から好ましい。なお、そのようなジルコニア基体
2の圧電/電歪作動部18が形成されるダイヤフラム部
位10における厚さ(焼成後)は、素子の高速応答性と
大きな変位を得るために、一般に50μm以下、好まし
くは1μm以上、30μm以下、より好ましくは3〜1
5μm程度とすることが望ましい。
【0024】なお、かかるベースプレート4やダイヤフ
ラム板8を与える、所定のジルコニア材料からなる各ジ
ルコニアグリーンシートは、それぞれ、複数枚のシート
成分の重ね合わせによって形成することも可能である。
また、ジルコニア基体2におけるダイヤフラム部位10
の形状にあっても、図示の如き平坦な形状の他、窓部6
とは反対側となる、外方に凸なる形状や、窓部6内に落
ち込んだ状態の、内方に凹なる形状とすることも可能で
あるが、本発明の効果は、かかるダイヤフラム部位10
が外方に凸なる形状(図1において、上方に凸なる形
状)であるジルコニア基体2を用いることにより、更に
有効に達成され得ることとなる。なお、ここでは、ジル
コニア基体2の窓部6の形状、換言すればダイヤフラム
部位10の形状は、矩形(四角形)形状とされている
が、これに限定されるものではなく、圧電/電歪膜型素
子の用途に応じて、例えば、円形、多角形、楕円形等、
又はこれらを組合わせた形状等、任意の形状、更には任
意の個数と配置が適宜に選択されることとなる。
【0025】そして、このようにして準備された焼成済
のジルコニア基体2を用い、そのダイヤフラム部位10
上に、目的とする圧電/電歪作動部18を形成すべく、
かかるダイヤフラム部位10の外面上には、先ず、下部
電極12が、従来と同様にして、所定の電極材料を用い
て、公知の各種の膜形成手法に従って形成されることと
なる。具体的には、下部電極12を与える電極材料とし
ては、高温酸化雰囲気に耐えられる導体であれば、特に
規制されるものではなく、例えば金属単体であっても、
合金であってもよく、また酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸
化チタン等の絶縁性セラミックスと金属単体、若しくは
その合金との混合物であっても、更には導電性セラミッ
クスであっても、何等差し支えない。尤も、より好まし
くは、白金、パラジウム、ロジウム等の高融点貴金属
類、或いは銀−パラジウム、銀−白金、白金−パラジウ
ム等の合金を主成分とする電極材料、或いは白金とジル
コニア基体構成材料及び/又は圧電/電歪材料成分との
サーメット材料等が好適に用いられる。その中でも、更
に好ましくは、白金のみ、若しくは白金系の合金を主成
分とする材料が望ましい。なお、電極材料中に添加せし
められるジルコニア基体構成材料の割合は、5〜30体
積%程度が好ましく、また圧電/電歪材料或いはその構
成成分の割合は、5〜20体積%程度であることが好ま
しい。
【0026】また、下部電極12は、かかる導体材料を
用いて、スクリーン印刷、スプレー、コーティング、デ
ィッピング、塗布等による厚膜形成手法、若しくはスパ
ッタリング、イオンビーム、真空蒸着、イオンプレーテ
ィング、CVD、メッキ等の薄膜形成手法による膜形成
手法に従って形成されることとなるが、中でも、前者の
厚膜形成手法が好ましく採用され、そしてそのような厚
膜形成手法によって形成された下部電極12に対して
は、電極自体の焼結、更にはダイヤフラム部位10に対
する一体的な結合のために、一般に、従来と同様な熱処
理(焼成)が施されることとなる。なお、この下部電極
12の焼成後の厚さとしては、一般に、20μm以下、
好ましくは5μm以下とされる。
【0027】次いで、このようにして形成された下部電
極12上には、更に、圧電/電歪層14が、所定の圧電
/電歪材料を用いて、公知の各種の膜形成手法に従って
形成されることとなるが、その際、圧電/電歪層14
は、その少なくとも一部の周縁部が下部電極12の対応
する周縁部よりも側方に延び出して、ダイヤフラム部位
10上に対向位置するオーバーハング部14aを構成す
るように、下部電極12よりも大きな平面形態(図1及
び図2参照)において形成されるのである。なお、この
ような圧電/電歪層14の形成においては、前記した厚
膜形成手法、具体的には、スクリーン印刷、スプレー、
コーティング、ディッピング、塗布等による膜形成手法
が、好適に採用される。この厚膜形成手法を用いれば、
平均粒子径が0.01μm〜7μm程度の、好ましくは
0.05μm〜5μm程度の圧電/電歪セラミックス粒
子を主成分とするペーストやスラリーを用いて、ジルコ
ニア基体2のダイヤフラム部位10の外面上に、圧電/
電歪層14を膜形成することが出来、良好な素子特性が
得られるからである。そして、この厚膜形成法の中で
も、微細なパターニングが安価に形成出来るという点
で、スクリーン印刷法が、特に好ましく用いられる。な
お、この形成される圧電/電歪層14の焼成後の厚さと
しては、低作動電圧で大きな変位等を得るために、好ま
しくは50μm以下、更に好ましくは3μm以上、40
μm以下とされることが望ましい。
【0028】そして、本発明に従う前記A)の方法にあ
っては、そのような圧電/電歪層14を形成するための
圧電/電歪材料として、マグネシア若しくはそれを与え
る成分を独立して又は化合物形態において含有するもの
が、用いられるのである。なお、ここで、マグネシアを
与える成分とは、マグネシウム単体の如き、後の焼成工
程等においてマグネシアとなる成分を意味している。そ
のようなマグネシア若しくはそれを与える成分を含有す
る圧電/電歪材料としては、具体的には、ジルコン酸チ
タン酸鉛(PZT系)を主成分とする材料、ニッケルニ
オブ酸鉛(PNN系)を主成分とする材料、マンガンニ
オブ酸鉛を主成分とする材料、アンチモンスズ酸鉛を主
成分とする材料、亜鉛ニオブ酸鉛を主成分とする材料、
チタン酸鉛を主成分とする材料、ニッケルタンタル酸鉛
を主成分とする材料、更には、それらの複合材料等に対
して、マグネシアやマグネシウム等を添加してなる、換
言すれば圧電/電歪組成の成分とは独立して添加、含有
せしめてなる材料を挙げることが出来るが、本発明にあ
っては、有利には、圧電/電歪特性を示す圧電/電歪組
成において、マグネシアを化合物形態に含むものが用い
られ、例えば、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)を
主成分とする材料、マグネシウムタンタル酸鉛を主成分
とする材料、更には、このような材料と前記したPZT
系等の材料との複合材料等が好ましく用いられる。
【0029】また、それらの圧電/電歪材料の中でも、
マグネシウムニオブ酸鉛とジルコン酸鉛とチタン酸鉛と
からなる成分を主成分とする材料、ニッケルニオブ酸鉛
とマグネシウムニオブ酸鉛とジルコン酸鉛とチタン酸鉛
とからなる成分を主成分とする材料、マグネシウムニオ
ブ酸鉛とニッケルタンタル酸鉛とジルコン酸鉛とチタン
酸鉛とからなる成分を主成分をする材料、若しくはマグ
ネシウムタンタル酸鉛とマグネシウムニオブ酸鉛とジル
コン酸鉛とチタン酸鉛とからなる成分を主成分とする材
料が有利に用いられ、更に、そのような材料に、ランタ
ン、バリウム、ニオブ、マグネシウム、亜鉛、セリウ
ム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、
イットリウム、タンタル、タングステン、ニッケル、マ
ンガン、リチウム、ストロンチウム、ビスマス等の酸化
物や、それらの他の化合物を添加物として含有せしめた
材料も、好適に使用される。
【0030】なお、かかる多成分系圧電/電歪材料の場
合に、成分組成によって、圧電/電歪特性が変化するこ
ととなるが、本発明で好適に採用されるマグネシウムニ
オブ酸鉛−ジルコン酸鉛−チタン酸鉛の3成分系材料
や、マグネシウムニオブ酸鉛−ニッケルタンタル酸鉛−
ジルコン酸鉛−チタン酸鉛、並びにマグネシウムタンタ
ル酸鉛−マグネシウムニオブ酸鉛−ジルコン酸鉛−チタ
ン酸鉛の4成分系材料では、擬立方晶−正方晶−菱面体
晶の相境界付近の組成が好ましく、特にマグネシウムニ
オブ酸鉛:15〜50モル%、ジルコン酸鉛:10〜4
5モル%、チタン酸鉛:30〜45モル%の組成や、マ
グネシウムニオブ酸鉛:15〜50モル%、ニッケルタ
ンタル酸鉛:10〜40モル%、ジルコン酸鉛:10〜
45モル%、チタン酸鉛:30〜45モル%の組成、更
にはマグネシウムニオブ酸鉛:15〜50モル%、マグ
ネシウムタンタル酸鉛:10〜40モル%、ジルコン酸
鉛:10〜45モル%、チタン酸鉛:30〜45モル%
の組成が、高い圧電定数と電気機械結合係数を有するこ
とから、有利に採用される。
【0031】また、そのような圧電/電歪材料中のマグ
ネシア若しくはそれを与える成分の含有量としては、化
合物形態において含有され、圧電/電歪組成の一成分を
構成している場合にあっては、そのような圧電/電歪組
成において、そのまま用いられ、また独立した形態にお
いて含有せしめられている場合にあっては、形成される
圧電/電歪層14の圧電/電歪特性に悪影響をもたらさ
ない程度の割合において、ダイヤフラム部位10に含有
せしめられるアルミナ量に応じて、それと反応して化合
物を生じ得るに充分な割合において、適宜に決定される
こととなる。
【0032】そして、上述の如くして下部電極12上に
形成された圧電/電歪層14には、所定の熱処理(焼
成)操作が施されて、一体的な層構造とされると共に、
ダイヤフラム部位10上に一体的に結合せしめられる。
なお、この際の熱処理(焼成)温度としては、一般に、
500℃〜1400℃程度の温度が採用され、好ましく
は1000℃〜1400℃の範囲の温度が、有利に選択
される。また、そのような膜状の圧電/電歪層14の熱
処理(焼成)において、高温時に圧電/電歪層の組成が
不安定とならないように、そのような圧電/電歪材料の
蒸発源と共に、雰囲気制御を行ないながら、熱処理(焼
成)することが好ましい他、圧電/電歪層14上に適当
な覆蓋部材を載置して、該圧電/電歪層14の表面が焼
成雰囲気に直接に露呈されないようにして、焼成する手
法を採用することも推奨される。なお、その場合、覆蓋
部材としては、ジルコニア基体2と同様な材料系のもの
が用いられることとなる。
【0033】さらに、そのような圧電/電歪層14の熱
処理(焼成)によって、かかる圧電/電歪層14の焼
結、緻密化が行なわれて、目的とする圧電/電歪特性を
具備するものとされるのであるが、また、かかる熱処理
(焼成)操作によって、圧電/電歪層14内に存在する
マグネシア若しくはそれを与える成分は、下部電極12
側に、更には、ジルコニア基体2のダイヤフラム部位1
0側に移動せしめられるようになるのであり、一方、そ
のような移動に伴って、かかるジルコニア基体2の少な
くともダイヤフラム部位10内に存在するアルミナも、
下部電極12側に移動せしめられ、少なくとも、オーバ
ーハング部14aとその直下のダイヤフラム部位10と
の界面において、それら移動したアルミナ成分とマグネ
シア成分とが反応して、所定の化合物の接合阻止粒子2
0として析出し、かかる界面に存在するようになること
により、そのような析出粒子20の圧電/電歪層14に
対する低い反応性の故に、それらオーバーハング部14
aとその直下のダイヤフラム部位10との間が不完全結
合状態とされて、それらの相互の強固な接合乃至は融合
が効果的に阻止されることとなるのである。
【0034】そして、このような焼成操作によって生成
するアルミナとマグネシアとの化合物を主体とする接合
阻止粒子20の介在によって、圧電/電歪層14のオー
バーハング部14aとその直下のダイヤフラム部位10
との間の強固な融合(接合)が回避されることにより、
圧電/電歪層14における残留応力が効果的に減少せし
められ得ることとなり、以て圧電/電歪特性の低下が有
利に回避されることとなった他、そのような融合(接
合)の有無のバラツキにより、圧電/電歪層14の焼結
バラツキ、残留応力のバラツキ、ひいては素子の剛性バ
ラツキ等が発生する問題が、有利に解消され、以て圧電
/電歪特性や共振周波数特性等のバラツキも、効果的に
小さく為し得ることとなったのである。
【0035】なお、前記したように本発明において好適
に用いられる、ダイヤフラム部位10が外方に凸なる形
状のジルコニア基体2にあっては、上記の圧電/電歪層
14の焼成操作によって、その外方に凸なる形状は、一
般に内方に凹なる形状に変化するようになるのである。
【0036】その後、かかる焼成された圧電/電歪層1
4上には、圧電/電歪作動部18を構成する上部電極1
6が、それを与える電極材料を用いて、下部電極12と
同様にして、公知の各種の膜形成手法に従って形成され
ることとなるが、中でも、レジネートや厚膜ペーストを
用いたスクリーン印刷法、或いはスパッタリング、イオ
ンビーム、真空蒸着、イオンプレーティング、CVD、
メッキ等の薄膜形成手法による膜形成手法に従って、形
成されることが望ましい。なお、この上部電極16の形
成には、必要に応じて焼成操作が加えられることとな
る。特に、このような上部電極16の形成において、圧
電/電歪層14は、そのオーバーハング部14aの存在
によって、下部電極12を覆うように設けられていると
ころから、上部電極16は、下部電極12に対する短絡
の問題を何等顧慮することなく、圧電/電歪層14上に
容易に形成され得ることとなるのであり、この特徴は、
狭い面積内に多数の圧電/電歪作動部18が配設される
場合において、より一層有利に発揮され得るものであ
る。なお、この上部電極16の厚さ(焼成が行なわれる
場合には、焼成後の厚さ)は、一般に20μm以下、好
ましくは5μm以下の厚さとされることとなる。また、
このような上部電極16の厚さに圧電/電歪層14の厚
さ及び下部電極12の厚さを加えた圧電/電歪作動部1
8の全体の厚さ(焼成後)としては、一般に100μm
以下、好ましくは50μm以下が採用される。
【0037】ところで、図3は、上記した方法A)に従
って形成された圧電/電歪膜型素子の一例に係るものの
断面図を示しているが、そこにおいて、アルミナとマグ
ネシアとの反応により形成される化合物を主体とする析
出接合阻止アルミナ・マグネシア化合物粒子20が、主
としてダイヤフラム部位10と下部電極12やオーバー
ハング部14aとの間に全体的に分布して存在してお
り、この析出粒子20の圧電/電歪層14に対する反応
性が小さいことによって、圧電/電歪層14のオーバー
ハング部14aとのその直下に位置するダイヤフラム部
位10との間の強固な癒着乃至は融合が阻止されて、そ
れらの間が不完全結合状態となっているのである。な
お、図3においては、ベースプレート4の窓部6の下側
開口部が覆蓋プレート5にて覆蓋されて、内部空所7が
形成されている。従って、ここでは、ジルコニア基体2
は、ベースプレート4と覆蓋プレート5とダイヤフラム
板8とから一体的に構成されているのである。
【0038】また、本発明に従う圧電/電歪膜型素子を
製造する手法の一つたる前記B)に係る方法は、上記し
たA)方法の如く、アルミナをジルコニア基体2の少な
くともダイヤフラム部位10に存在せしめるものではな
く、下部電極12内に、アルミナを存在せしめるところ
に、大きな特徴を有している。このアルミナを含有する
下部電極12を形成するには、アルミナ若しくはそれを
与える成分を含有せしめてなる電極材料を用いて、前記
と同様な膜形成法によって、下部電極12をジルコニア
基体2のダイヤフラム部位10の外面上に形成すればよ
いのである。そして、この場合においても、下部電極1
2には、必要に応じて焼成操作が加えられることとな
る。このようにして、下部電極12内に存在せしめられ
たアルミナは、圧電/電歪層14の焼成時において、か
かる圧電/電歪層14に含まれるマグネシア成分と共
に、オーバーハング部14aとその直下の対向するダイ
ヤフラム部位10との界面に移動し、そこで、アルミナ
とマグネシアとの反応により形成される化合物を主体と
する接合阻止粒子20を析出することとなるのであり、
そしてそのような析出粒子20によって、それらオーバ
ーハング部14aとそれに対向するダイヤフラム部位1
0との間の接合が効果的に回避されるのである。なお、
このB)方法は、下部電極12からのアルミナの移動に
限度があるところから、オーバーハング部14aの長さ
が比較的短い場合において、有利に採用されることとな
る。
【0039】ここにおいて、かかる下部電極12を与え
る電極材料としては、前記した導体材料と共に、アルミ
ナ若しくはそれを与える成分を、一般に1〜30重量
%、望ましくは2〜10重量%、更に望ましくは4〜1
0重量%含むものが用いられることとなる。アルミナ若
しくはそれを与える成分の含有量が30重量%を越える
ような割合となると、電極としての導通性に問題を生
じ、またその含有量が1重量%よりも少なくなると、ア
ルミナ・マグネシア化合物粒子20の析出が少なくな
り、そのような粒子20による接合阻止効果を充分に享
受することが困難となる。なお、ここで、アルミナを与
える成分とは、アルミニウム単体の如き、後の焼成工程
等においてアルミナとなる成分を意味している。
【0040】さらに、本発明に従う圧電/電歪膜型素子
を得るための第三、第四の手法たる前記C)、D)に係
る方法は、焼成済のジルコニア基体2(但し、アルミナ
成分は含有されてはいない)を準備し、そして該ジルコ
ニア基体2のダイヤフラム部位10の外面における少な
くとも下部電極12形成部位の周りに、アルミナ若し
くはそれを与える成分、又はアルミナ若しくはそれを
与える成分とマグネシア若しくはそれを与える成分、又
はアルミナとマグネシアとの化合物を主体とする粒子
を含む分離層を形成せしめ、必要に応じて焼成を行なう
一方、該分離層の形成に先立って若しくは該分離層の形
成の後に、かかるダイヤフラム部位10の外面上に、前
記A)やB)の方法と同様にして、下部電極12を形成
し、そして必要に応じてその焼成を行ない、更に該下部
電極12上に圧電/電歪層14を形成して、その焼成を
行なうことにより、少なくとも圧電/電歪層14のオー
バーハング部14aとその直下のダイヤフラム部位10
との界面において、アルミナとマグネシアとの化合物を
主体とする粒子20を析出乃至は介在せしめて、それら
オーバーハング部14aとその直下のダイヤフラム部位
10との間の接合を阻止せしめるようにするものであ
る。
【0041】このようなC)、D)方法に従って製造さ
れる圧電/電歪膜型素子にあっては、例えば、図4に示
される如く、圧電/電歪層14の焼成によって、下部電
極12の周りに、アルミナ・マグネシア化合物粒子20
にて構成される介在層21が存在し、そして、この介在
層21が、圧電/電歪層14のオーバーハング部14a
とダイヤフラム部位10との間に位置することとなると
ころから、そのような介在層21を構成するアルミナ・
マグネシア化合物粒子20の圧電/電歪層14に対する
反応性の低さによって、それらオーバーハング部14a
とその直下のダイヤフラム部位10との間の強固な融合
乃至は癒着が効果的に阻止せしめられ得て、それらの間
の不完全結合状態が有利に実現され得るのである。
【0042】なお、かかる下部電極12形成部位の周り
に形成される分離層がアルミナ若しくはそれを与える成
分から構成されているC)方法の場合にあっては、その
ような分離層におけるアルミナ成分と圧電/電歪層14
から移動したマグネシア成分とが反応して、アルミナ・
マグネシア化合物粒子20からなる介在層21が形成さ
れることとなるのであり、またアルミナ若しくはそれを
与える成分とマグネシア若しくはそれを与える成分とか
ら分離層が構成されているD)方法の場合においては、
圧電/電歪層14の焼成時において、かかる分離層にお
いてアルミナ成分とマグネシア成分との反応が惹起され
て、アルミナ・マグネシア化合物粒子20が生成して、
介在層21が形成されることとなるのであり、更に分離
層がアルミナとマグネシアとの化合物を主体とする粒子
(20)にて構成されている前記D)方法の場合にあっ
ては、そのような分離層は、そのまま、介在層21とし
て、オーバーハング部14aとダイヤフラム部位10と
の間に位置して、それらの強固な融合乃至は癒着を阻止
せしめるのである。
【0043】なお、かかるアルミナ・マグネシア化合物
粒子20にて構成される介在層21を与える分離層は、
かかる介在層21の厚みが一般に0.1〜10μm、望
ましくは0.2〜5μmとなるように、形成されること
となる。かかる介在層21の厚みが10μmを越えるよ
うになると、ダイヤフラム部位10の剛性が大きくなっ
て、圧電/電歪層14の焼結を妨げる問題が新たに惹起
されることとなり、また、それが0.1μmよりも薄い
場合にあっては、その介在効果が充分でない問題を惹起
する。また、そのような分離層は、下部電極12の形成
されるダイヤフラム部位10の周りに部分的に形成され
るばかりでなく、そのような下部電極12が形成される
ダイヤフラム部位10の全面に亘って形成されていて
も、何等差し支えない。
【0044】そして、このようにして得られる、本発明
に従う圧電/電歪膜型素子にあっては、下部電極12の
存在しない圧電/電歪層14のオーバーハング部14a
とダイヤフラム部位10との間の強固な融合乃至は癒着
が回避され、不完全結合状態となるところから、圧電/
電歪作動部18の本来の圧電/電歪特性を有利に発揮し
得ることとなるのであり、また圧電/電歪層14におけ
る残留応力も少なくなるところから、変位特性が向上
し、またそのバラツキも効果的に低減され得るという特
徴があり、これによって、トランスデューサやセンサや
アクチュエータ等の各種の用途に有利に用いられ得るの
である。
【0045】尤も、この本発明に従う圧電/電歪膜型素
子は、そのダイヤフラム部位の外面側に設けられた圧電
/電歪作動部による作動によって、その変位や力が効果
的に為され得るようになっているところから、圧電/電
歪アクチュエータとして有利に用いられ得るものであ
る。フィルター、超音波センサや角速度センサや加速度
センサや衝撃センサ等の各種センサ、トランス、マイク
ロフォン、発音体(スピーカ等)、ディスクリミネー
タ、動力用や通信用の振動子や発振子や共振子の他、デ
ィスプレイや内野研二著(日本工業技術センター編)
「圧電/電歪アクチュエータ 基礎から応用まで」(森
北出版)に記載のサーボ変位素子、パルス駆動モータ、
超音波モータ、圧電ファン等に用いられるユニモルフ
型、バイモルフ型等の屈曲変位を発生させるタイプのア
クチュエータ等として、本発明の素子は、特に有利に用
いられ得るものである。また、厚膜コンデンサ素子とし
ても、好適に用いることが出来るのである。
【0046】因みに、図5には、本発明に従う圧電/電
歪膜型素子の更に具体的な一例が概略的に示されてお
り、また図6には、その分解斜視図が示されている。そ
して、そこに図示される圧電/電歪膜型素子は、ジルコ
ニア基体22とそのダイヤフラム部位の外表面に配置さ
れた圧電/電歪作動部24とが一体化されてなる構造と
されており、その圧電/電歪作動部24が、印加電圧に
従い、ジルコニア基体22の薄肉のダイヤフラム部位を
屈曲変形せしめるようになっている。
【0047】より詳細には、ジルコニア基体22は、そ
れぞれ、所定のジルコニア材料からなる薄肉の平板形状
を呈する閉塞プレート(ダイヤフラム板)26と接続プ
レート(ベースプレート)28が、同じく所定のジルコ
ニア材料からなるスペーサプレート(ベースプレート)
30を挟んで、重ね合わされてなる構造をもって、一体
的に形成されている。そして、この接続プレート28に
は、連通用開孔部32が形成されている。なお、この連
通用開孔部32の個数、形状、寸法、位置等は、圧電/
電歪膜型素子の用途に応じて適宜に選定されることとな
る。また、スペーサプレート30には、正方形状の窓部
36が複数個(ここでは3個)形成されている。そし
て、それら各窓部36に対して、前記接続プレート28
に設けられた各1つの連通用開孔部32が開孔せしめら
れるように、かかるスペーサプレート30が、接続プレ
ート28に対して重ね合わされているのである。更にま
た、このスペーサプレート30における接続プレート2
8が重ね合わされた側とは反対側の面には、閉塞プレー
ト26が重ね合わされており、この閉塞プレート26に
て窓部36の開孔が覆蓋されている。それによって、ジ
ルコニア基体22の内部には、連通用開孔部32を通じ
て、外部に連通された加圧室38が形成されているので
ある。なお、このようなジルコニア基体22は、前述せ
るように、所定のジルコニア材料を用いて、一体焼成品
として形成されている。また、ここでは、閉塞プレート
(ダイヤフラム板)とスペーサプレート(ベースプレー
ト)と接続プレート(ベースプレート)とから構成され
る3層構造品を例示したが、4層構造品或いはそれ以上
の多層構造品とすることも可能である。
【0048】また、かかるジルコニア基体22には、そ
の閉塞プレート26の外面上における、各加圧室38に
対応する部位に、それぞれ、膜状の圧電/電歪作動部2
4が設けられている。この圧電/電歪作動部24は、ジ
ルコニア基体22の窓部36部位に位置する閉塞プレー
ト26部分、即ちダイヤフラム部位の外面上に、下部電
極40、圧電/電歪層42及び上部電極44を膜形成法
によって順次形成することにより、構成されたものであ
る。従って、この圧電/電歪膜型素子にあっては、その
圧電/電歪作動部24の作動に基づいて、加圧室38内
が加圧せしめられることとなり、以てかかる加圧室38
内の流体の吐出が効果的に実現され得るのである。ま
た、本構造の圧電/電歪膜型素子は、アクチュエータと
してだけではなく、ダイヤフラム部の屈曲変位を電圧信
号として取り出し、センサとしても使用され得るもので
ある。
【0049】なお、このような構造の圧電/電歪膜型素
子は、前述のように、圧電/電歪層42の少なくとも一
部の周縁部が下部電極40の対応する周縁部よりも側方
に延び出して、ダイヤフラム部位(26)上に対向位置
するオーバーハング部42aを構成しているのであり、
また、そのようなオーバーハング部42aと、その直下
のダイヤフラム部位(26)との間には、アルミナとマ
グネシアとの化合物を主体とする接合阻止粒子20が介
在せしめられて、それらの間が不完全結合の状態とされ
ているのである。
【0050】このように、本発明において対象とする圧
電/電歪膜型素子は、前述したように、アクチュエータ
やセンサやトランデューサとして、有利には、スピーカ
ー、ディスプレイ、サーボ変位素子、パルス駆動モー
タ、超音波モータ、加速度センサ、衝撃センサ、振動
子、発振子、共振子等の構成部材に用いられ得るもので
あるが、勿論、その他の公知の各種の用途にも有利に用
いられ得ることは、言うまでもないところである。
【0051】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって何等の制約をも受
けるものでないことは、言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記
した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限
りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0052】実施例 1 図5及び図6に示される如き圧電/電歪膜型素子を作製
すべく、0.3mm×0.5mmの大きさの矩形の窓部
36が、基板長手方向に0.2mmの間隔で、0.3m
m辺の方向に、10個配列されてなる、ダイヤフラム部
位(26)におけるアルミナ含有量が下記表1に示され
る如く異なる、焼成済のジルコニア基体22を準備し、
そして該ジルコニア基体22のダイヤフラム部位(2
6)の外面上に、以下の如くして、下部電極40、圧電
/電歪層42、上部電極44を、それぞれ、所定大きさ
において順次積層形成した。なお、図5に示される素子
(焼成後)の寸法において、下部電極40の左右方向の
幅は0.24mm、圧電/電歪層42の左右方向の幅は
0.32mm、上部電極44の左右方向の幅は0.26
mmとなるように、それぞれの層が形成され、またジル
コニア基体22を構成する接続プレート28には、左右
方向の幅が0.30mmの窓部36の中心に位置するよ
うに、0.2mmφの連通用開口部32を設けた。
【0053】なお、かかる素子の作製にあたっては、ジ
ルコニア基体22の基体部(ベースプレート)を構成す
る接続プレート28及びスペーサプレート30の厚さ
が、それぞれ、焼成後において150μmとなるように
為し、また、ダイヤフラム部を与えるダイヤフラム板2
6の厚さが、焼成後において、14μmとなるようにし
た。また、それら接続プレート28やスペーサプレート
30及びダイヤフラム板21を与える材料としては、3
モル%のイットリアで部分安定化したジルコニアを用い
た。そして、かかるダイヤフラム板26を接続プレート
28やスペーサプレート30に重ね合わせて、一体的な
ジルコニア基体22を得るために、それぞれのグリーン
シートを、下記の如くして作製し、そして積層圧着し
て、焼成を行なった。
【0054】a)ダイヤフラム板26用グリーンシート
の作製 3モル%イットリア部分安定化ジルコニア粉末(平均粒径0.4μm) (100−x)重量部 アルミナ粉末(平均粒径0.2μm) x重量部 ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 9.0重量部 ジオクチルフタレート(可塑剤) 4.5重量部 ソルビタン脂肪酸エステル系分散剤 2.0重量部 トルエン/イソプロピルアルコール(50/50)混合溶剤 70重量部 上記の組成を、ジルコニア玉石を用いてポットミル混合
し、初期粘度1200cps(センチポイズ)のスラリ
ーを得た。次いで、このスラリーを真空脱泡、粘度調整
し、2000cpsとした後、リバースロールコーター
装置にて、焼成後の厚さが8μm若しくは14μmとな
るダイヤフラム部を与えるようなグリーンシートを成形
した。なお、乾燥は、50℃で10分間行なった。
【0055】b)接続プレート28、スペーサプレート
30用グリーンシートの作製 3モル%イットリア部分安定化ジルコニア粉末(平均粒径0.4μm) 100重量部 ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 8.0重量部 ジオクチルフタレート(可塑剤) 4.0重量部 ソルビタン脂肪酸エステル系分散剤 1.0重量部 キシレン/ノルマルブチルアルコール(50/50)混合溶剤 63重量部 上記の組成を、ジルコニア玉石を用いて、ポットミル混
合し、初期粘度2000cpsのスラリーを得た。次い
で、このスラリーを真空脱泡、粘度調整し、5000c
psとした後、ドクターブレード装置にて、焼成後の厚
みが150μmとなるようにグリーンシートを成形し
た。なお、乾燥は、80℃で2時間行なった。
【0056】そして、上記の如くして得られた接続プレ
ート、スペーサプレート用グリーンシートをそれぞれ所
定の金型にてパターン打ち抜き(連通用開口部32の形
成、窓部36の形成)した後、これらに、上記で作製し
たダイヤフラム板用グリーンシートを重ね合わせ、10
0kg/cm2 の圧力下に、80℃×1分の条件にて、熱
圧着せしめた。更に、この得られた一体積層物を150
0℃の温度で2時間焼成し、ダイヤフラム部(26)の
アルミナ含有量が種々異なる各種のジルコニア基体22
を得た。
【0057】次いで、この得られた各種のジルコニア基
体22を用いて、そのダイヤフラム部(26)の外面上
の所定位置に、焼成後の厚さが3μmとなるように、白
金ペーストをスクリーン印刷法にて印刷し、120℃で
10分間乾燥した後、1350℃で2時間焼成すること
により、下部電極40を形成した。
【0058】更に、その後、かかる下部電極40上に、
圧電/電歪層形成用ペーストを、スクリーン印刷法によ
り、焼成後の厚みが30μmとなるように印刷し、12
0℃で20分間乾燥した後、1275℃で2時間焼成す
ることにより、圧電/電歪層42を形成した。この圧電
/電歪層42の形成により、図5の左右方向において、
約0.04mmの長さのオーバーハング部42aが形成
された。なお、圧電/電歪材料には、38モル%のマグ
ネシウムニオブ酸鉛と24モル%のジルコン酸鉛と38
モル%のチタン酸鉛とからなる材料(Pbの一部がSr
及びLaにて置換されている)の粉末(平均粒子径0.
9μm)を用い、この粉末の100重量部とアクリル系
バインダ3重量部とテルピネオール(溶剤)20重量部
からなる組成物を混練して、粘度が100000cps
のペーストとすることにより、圧電/電歪層形成用ペー
ストを調製した。また、かかる圧電/電歪層42の焼成
においては、圧電/電歪層形成用ペーストの調製に用い
た圧電/電歪材料粉末を、焼成炉内に存在せしめ、焼成
雰囲気の制御を行なった。
【0059】そして、かかる圧電/電歪層42の焼成操
作が終了した後、該圧電/電歪層42の上に、スパッタ
リング法によりCr薄膜を形成し、更にその上にCu膜
を形成して、上部電極44を構成し、以て目的とする各
種の圧電/電歪膜型素子を得た。なお、この得られた圧
電/電歪膜型素子における各圧電/電歪作動部24の上
部電極44と下部電極40との間に、変位方向に対して
順方向となるように、40Vの電圧を10分間かけて、
それぞれ分極処理せしめた。
【0060】かくして得られた各種の圧電/電歪膜型素
子(n=5、圧電/電歪作動部24の数=50)につい
て、その変位量(30V印加駆動)の平均、また変位の
バラツキ、更には圧電/電歪層42のオーバーハング部
42aとその直下の下部電極40の存在しない対向する
ダイヤフラム部位(26)との間の不完全結合状態をそ
れぞれ調べ、その結果を、下記表1に示した。
【0061】なお、不完全結合状態の評価は、以下の如
くして圧電/電歪層(42)のピール強度を測定するこ
とにより、行なった。先ず、ダイヤフラム板26と同一
組成のセラミックス基板(厚さ:300μm)上に、下
部電極用白金ペーストをスクリーン印刷し、120℃で
10分乾燥した後、1350℃で2時間焼成して、白金
電極膜の厚みが3μm、電極パターン大きさが5mm×
5mmの電極膜付セラミックス基板を得た。次いで、こ
の電極膜付セラミックス基板に対して、該電極膜が中心
に位置するように、その上に、実際に使用した圧電/電
歪層42を、焼成後のパターン大きさが10mm×10
mmで、30μm厚さとなるように形成して、圧電/電
歪膜型素子と同条件にて焼成することにより、圧電/電
歪層の周縁部がオーバーハング部とされた評価試料を得
た。その後、この評価試料における、下方に電極膜の存
在しない圧電/電歪層のオーバーハング部とセラミック
ス基板との間にピール強度を測定するために、当該オー
バーハング部分を、セラミックス基板と共に、2mm×
2mmのサイズに、レーザー加工にてカットし、該オー
バーハング部のピール強度を測定した。即ち、0.8m
mφの太さのピール強度測定用L型リード線を2mm×
2mmの圧電/電歪膜表面に接着剤で接着し、このリー
ド線を引張試験機で20mm/minの速度で引っ張
り、圧電/電歪層が剥れる値を1mm2 あたりに換算し
てピール強度とした。
【0062】
【表1】 * 比較例
【0063】かかる表1の結果から明らかなように、ジ
ルコニア基体22のダイヤフラム部(26)に所定量の
アルミナを含有せしめたNo.1及びNo.2の圧電/電
歪膜型素子にあっては、圧電/電歪層42を形成するた
めの圧電/電歪材料にマグネシアを化合物形態で含んで
いるところから、かかる圧電/電歪層42の焼成時にお
いて、そのマグネシア成分が移動し、オーバーハング部
42aとその直下のダイヤフラム部(26)との界面に
おいて、該ダイヤフラム部(26)に存在するアルミナ
成分と反応して、アルミナとマグネシアの化合物(スピ
ネルであることが確認されている)を主体とする粒子2
0を生成、析出せしめ、図3に示される如き粒子の析出
形態を呈し、以てそれらの間の強固な融合乃至は癒着を
効果的に阻止して、優れた変位特性を実現しているので
ある。
【0064】これに対して、圧電/電歪膜型素子を構成
するジルコニア基体22のダイヤフラム部(26)に、
アルミナを存在させない場合(No.3)にあっては、
圧電/電歪層42のオーバーハング部42aとその直下
のダイヤフラム部(26)との界面に、スピネル粒子の
如き、マグネシアとアルミナの化合物粒子が全く析出し
ないために、それらの界面が癒着しており、それによっ
て、素子の変位量が低く、また変位バラツキも大きいこ
とが認められた。
【0065】実施例 2 実施例1におけるアルミナ粉末を含有しない(x重量%
=0)ダイヤフラム板26用グリーンシートと共に、接
続プレート28、スペーサプレート30用グリーンシー
トを用いて、実施例1と同様な、10個の矩形の窓部3
6が長手方向に配列されてなる焼成済のジルコニア基体
22を準備した。
【0066】次いで、かかる得られた焼成済のジルコニ
ア基体22のダイヤフラム部26の外面上における下部
電極40の形成部位の周りに且つ該下部電極40の周縁
部と重なり得るように、0.10mmの幅において、ア
ルミナ粉末のペースト化物若しくはスピネル粉末のペー
スト化物を用いて、所定の分離層を、ダイヤフラム部
(26)上にスクリーン印刷し、次いで焼成(1450
℃×2時間)することにより、形成した。なお、かかる
分離層の厚さは、その焼成後の厚さが2μmとなるよう
にした。
【0067】その後、このようにして得られたジルコニ
ア基体22のそれぞれの窓部36に対応するダイヤフラ
ム部(26)上に、実施例1と同様にして、下部電極4
0、圧電/電歪層42、及び上部電極44を順次形成し
て、10個の圧電/電歪作動部24が配列された圧電/
電歪膜型素子を作製した。
【0068】かくして得られた2種類(No.4及びNo.
5)の圧電/電歪膜型素子について、その変位量(平
均)及び変位バラツキを実施例1と同様にして調べ、ま
た圧電/電歪層42のオーバーハング部42aとその直
下のダイヤフラム部(26)との間の不完全結合状態に
ついても、実施例1と同様にしてピール強度において調
べ、それらの結果を、下記表2に示した。なお、ここで
のピール強度測定用の評価試料においては、セラミック
ス基板と圧電/電歪層のオーバーハング部との間に、上
記素子と同様なアルミナ若しくはスピネル分離層(2m
m厚)が介在せしめられて、圧電/電歪層の焼成が行な
われている。
【0069】
【表2】
【0070】かかる表2の結果から明らかなように、ア
ルミナ粉末やスピネル粉末からなる分離層を、オーバー
ハング部42aとダイヤフラム部(26)との間に介在
せしめて、圧電/電歪層42の焼成を行なうことによ
り、それらの間の強固な癒着は効果的に回避され、以て
変位量が大きく且つ変位バラツキの少ない素子が実現さ
れ得ることとなったのである。なお、スピネル粉末から
なる分離層が、圧電/電歪層42の焼成後において、図
4に示される如きスピネル粒子(20)からなる介在層
(21)を与えることは勿論、アルミナ粉末からなる分
離層にあっても、そのアルミナ成分は、圧電/電歪層4
2の焼成時において、かかる圧電/電歪層42から移動
してきたマグネシア成分と反応して、スピネル等の化合
物を生じ、そしてそれが析出して、スピネル粒子等の化
合物粒子(20)からなる介在層(21)を形成してい
ることが、確認されている。
【0071】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う圧電/電歪膜型素子においては、その圧電/電歪
作動部における圧電/電歪層のオーバーハング部が、そ
の直下の、下部電極の存在しないダイヤフラム部との間
において、アルミナとマグネシアとの化合物を主体とす
る粒子の介在によって、不完全結合状態とされて、それ
らの間の癒着乃至は融合によるところの拘束を受けない
ようになっているところから、圧電/電歪作動部の作動
特性乃至は変位特性が、効果的に向上せしめられ得るこ
ととなるのである。
【0072】また、本発明に従う圧電/電歪膜型素子の
製造法によれば、圧電/電歪層の焼成時に、オーバーハ
ング部とその直下のダイヤフラム部との界面において、
アルミナとマグネシアとの化合物を主体とする粒子が析
出乃至は介在せしめられることにより、そのような化合
物粒子の圧電/電歪層に対する低い反応性によって、そ
れらオーバーハング部とダイヤフラム部との強固な融合
乃至は接合を効果的に回避し得て、そのような接合によ
る圧電/電歪層における残留応力が大となることに起因
する物性低下を回避し、また接合の有無のバラツキによ
る圧電/電歪層の焼結バラツキ、残留応力のバラツキ、
素子の剛性バラツキ等の問題の発生を解消し、変位量等
の圧電/電歪特性や共振周波数特性等のバラツキを効果
的に抑制し得ることとなったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う圧電/電歪膜型素子の基本的な構
造の一例を示す部分断面説明図である。
【図2】図1に示される圧電/電歪膜型素子の圧電/電
歪作動部の各層の配設形態を示す平面説明図である。
【図3】本発明に従う圧電/電歪膜型素子の一例を示す
部分断面図である。
【図4】本発明に従う圧電/電歪膜型素子の他の一例を
示す部分断面説明図である。
【図5】本発明に従う圧電/電歪膜型素子の更に他の一
例を示す断面説明図である。
【図6】図5に示される圧電/電歪膜型素子の分解斜視
図である。
【符号の説明】
2、22 ジルコニア基体 4 ベー
スプレート 5 覆蓋プレート 6、36 窓部 8 ダイヤフラム板 10 ダイ
ヤフラム部位 12、40 下部電極 14、42 圧
電/電歪層 14a、42a オーバーハング部 16、44 上部電極 18、24 圧電/電歪作動部 20 アルミナ・マグネシア化合物粒子 21 介在層 26 閉塞プレート(ダイヤフラム部位) 28 接続プレート 30 スペーサプレート 32 連通用開孔部 38 加圧室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 伸夫 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日本碍子株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−260694(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 41/09 H01L 41/22

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの空所を有すると共に、
    該空所を覆蓋するように、薄肉のダイヤフラム部を一体
    に設けてなるジルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外
    面上に膜形成法によって層状に順次設けた下部電極、圧
    電/電歪層及び上部電極より構成される膜状の圧電/電
    歪作動部とを備えた圧電/電歪膜型素子にして、 前記圧電/電歪層の少なくとも一部の周縁部が、前記下
    部電極の対応する周縁部よりも側方に延び出して、前記
    ダイヤフラム部上に対向位置するオーバーハング部を構
    成していると共に、該オーバーハング部が、それとその
    直下のダイヤフラム部位との間に、アルミナとマグネシ
    アとの化合物を主体とする粒子が介在せしめられること
    によって、かかる直下のダイヤフラム部位に対して、不
    完全結合状態とされていることを特徴とする圧電/電歪
    膜型素子。
  2. 【請求項2】 少なくとも一つの空所を有すると共に、
    該空所を覆蓋するように、薄肉のダイヤフラム部を一体
    に設けてなるジルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外
    面上に膜形成法によって層状に順次設けた下部電極、圧
    電/電歪層及び上部電極より構成される膜状の圧電/電
    歪作動部とを備えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際
    して、 少なくとも前記ダイヤフラム部にアルミナを含有せしめ
    てなる焼成済のジルコニア基体を準備して、該ジルコニ
    ア基体のダイヤフラム部の外面上に前記下部電極を形成
    した後、更に、該下部電極上に、マグネシア若しくはそ
    れを与える成分を独立して又は化合物形態において含有
    する圧電/電歪材料を用いて、少なくとも一部の周縁部
    が該下部電極の対応する周縁部よりも側方に延び出し
    て、前記ダイヤフラム部上に対向位置するオーバーハン
    グ部を構成するように、膜形成法にて前記圧電/電歪層
    を形成せしめ、そして該圧電/電歪層の焼成を行なうこ
    とにより、少なくとも、かかるオーバーハング部とその
    直下の前記ダイヤフラム部位との界面において、アルミ
    ナとマグネシアとの化合物を主体とする粒子を析出せし
    めて、それらオーバーハング部とその直下のダイヤフラ
    ム部位との間が不完全結合状態となるようにしたことを
    特徴とする圧電/電歪膜型素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも一つの空所を有すると共に、
    該空所を覆蓋するように、薄肉のダイヤフラム部を一体
    に設けてなるジルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外
    面上に膜形成法によって層状に順次設けた下部電極、圧
    電/電歪層及び上部電極より構成される膜状の圧電/電
    歪作動部とを備えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際
    して、 焼成済の前記ジルコニア基体を準備して、該ジルコニア
    基体のダイヤフラム部の外面上に、アルミナ若しくはそ
    れを与える成分を含有せしめてなる電極材料を用いて、
    膜形成法によって前記下部電極を形成した後、更に、該
    下部電極上に、マグネシア若しくはそれを与える成分を
    独立して又は化合物形態において含有する圧電/電歪材
    料を用いて、少なくとも一部の周縁部が該下部電極の対
    応する周縁部よりも側方に延び出して、前記ダイヤフラ
    ム部上に対向位置するオーバーハング部を構成するよう
    に、膜形成法にて前記圧電/電歪層を形成せしめ、そし
    て該圧電/電歪層の焼成を行なうことにより、少なくと
    も、かかるオーバーハング部とその直下の前記ダイヤフ
    ラム部位との界面において、アルミナとマグネシアとの
    化合物を主体とする粒子を析出せしめて、それらオーバ
    ーハング部とその直下のダイヤフラム部位との間が不完
    全結合状態となるようにしたことを特徴とする圧電/電
    歪膜型素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも一つの空所を有すると共に、
    該空所を覆蓋するように、薄肉のダイヤフラム部を一体
    に設けてなるジルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外
    面上に膜形成法によって層状に順次設けた下部電極、圧
    電/電歪層及び上部電極より構成される膜状の圧電/電
    歪作動部とを備えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際
    して、 焼成済の前記ジルコニア基体を準備して、該ジルコニア
    基体のダイヤフラム部の外面における少なくとも前記下
    部電極形成部位の周りに、アルミナ若しくはそれを与え
    る成分を含む分離層を形成せしめる一方、該分離層の形
    成に先立って若しくは該分離層の形成の後に、かかるダ
    イヤフラム部の外面上に前記下部電極を形成した後、更
    に、該下部電極上に、マグネシア若しくはそれを与える
    成分を独立して又は化合物形態において含有する圧電/
    電歪材料を用いて、少なくとも一部の周縁部が該下部電
    極の対応する周縁部よりも側方に延び出して、前記ダイ
    ヤフラム部上に対向位置するオーバーハング部を構成す
    るように、膜形成法にて前記圧電/電歪層を形成せし
    め、そして該圧電/電歪層の焼成を行なうことにより、
    少なくとも、かかるオーバーハング部とその直下の前記
    ダイヤフラム部位との界面において、アルミナとマグネ
    シアとの化合物を主体とする粒子を析出せしめて、それ
    らオーバーハング部とその直下のダイヤフラム部位との
    間が不完全結合状態となるようにしたことを特徴とする
    圧電/電歪膜型素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも一つの空所を有すると共に、
    該空所を覆蓋するように、薄肉のダイヤフラム部を一体
    に設けてなるジルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外
    面上に膜形成法によって層状に順次設けた下部電極、圧
    電/電歪層及び上部電極より構成される膜状の圧電/電
    歪作動部とを備えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際
    して、 焼成済の前記ジルコニア基体を準備して、該ジルコニア
    基体のダイヤフラム部の外面における少なくとも前記下
    部電極形成部位の周りに、アルミナ若しくはそれを与え
    る成分とマグネシア若しくはそれを与える成分を含む、
    又はアルミナとマグネシアとの化合物を主体とする粒子
    を含む分離層を形成せしめる一方、該分離層の形成に先
    立って若しくは該分離層の形成の後に、かかるダイヤフ
    ラム部の外面上に前記下部電極を形成した後、更に、該
    下部電極上に、少なくとも一部の周縁部が該下部電極の
    対応する周縁部よりも側方に延び出して、前記ダイヤフ
    ラム部上に対向位置するオーバーハング部を構成するよ
    うに、膜形成法にて前記圧電/電歪層を形成せしめ、そ
    して該圧電/電歪層の焼成を行なうことにより、少なく
    とも、かかるオーバーハング部とその直下の前記ダイヤ
    フラム部位との界面において、アルミナとマグネシアと
    の化合物を主体とする粒子を析出乃至は介在せしめて、
    それらオーバーハング部とその直下のダイヤフラム部位
    との間が不完全結合状態となるようにしたことを特徴と
    する圧電/電歪膜型素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記析出せしめられる粒子が、スピネル
    粒子である請求項2乃至請求項5の何れかに記載の圧電
    /電歪膜型素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記圧電/電歪材料が、圧電/電歪特性
    を示す組成の一成分としてマグネシアを含むものである
    請求項2乃至請求項6の何れかに記載の圧電/電歪膜型
    素子の製造方法。
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