JPH09186372A - 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法 - Google Patents

圧電/電歪膜型素子及びその製造方法

Info

Publication number
JPH09186372A
JPH09186372A JP34241495A JP34241495A JPH09186372A JP H09186372 A JPH09186372 A JP H09186372A JP 34241495 A JP34241495 A JP 34241495A JP 34241495 A JP34241495 A JP 34241495A JP H09186372 A JPH09186372 A JP H09186372A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
electrostrictive
diaphragm
lower electrode
diaphragm portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP34241495A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3344888B2 (ja
Inventor
Yukihisa Takeuchi
幸久 武内
Tsutomu Nanataki
七瀧  努
Koji Kimura
浩二 木村
Nobuo Takahashi
伸夫 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP34241495A priority Critical patent/JP3344888B2/ja
Priority to US08/777,953 priority patent/US5814920A/en
Priority to DE1996610758 priority patent/DE69610758T2/de
Priority to EP19960309505 priority patent/EP0782203B1/en
Publication of JPH09186372A publication Critical patent/JPH09186372A/ja
Priority to US09/057,398 priority patent/US6088893A/en
Priority to US09/567,067 priority patent/US6263552B1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3344888B2 publication Critical patent/JP3344888B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/20Piezoelectric or electrostrictive devices with electrical input and mechanical output, e.g. functioning as actuators or vibrators
    • H10N30/204Piezoelectric or electrostrictive devices with electrical input and mechanical output, e.g. functioning as actuators or vibrators using bending displacement, e.g. unimorph, bimorph or multimorph cantilever or membrane benders
    • H10N30/2047Membrane type
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/01Manufacture or treatment
    • H10N30/07Forming of piezoelectric or electrostrictive parts or bodies on an electrical element or another base
    • H10N30/074Forming of piezoelectric or electrostrictive parts or bodies on an electrical element or another base by depositing piezoelectric or electrostrictive layers, e.g. aerosol or screen printing
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R17/00Piezoelectric transducers; Electrostrictive transducers
    • H04R17/04Gramophone pick-ups using a stylus; Recorders using a stylus
    • H04R17/08Gramophone pick-ups using a stylus; Recorders using a stylus signals being recorded or played back by vibration of a stylus in two orthogonal directions simultaneously
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/80Constructional details
    • H10N30/85Piezoelectric or electrostrictive active materials
    • H10N30/853Ceramic compositions
    • H10N30/8548Lead-based oxides
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/42Piezoelectric device making

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Piezo-Electric Transducers For Audible Bands (AREA)
  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電/電歪特性や共振周波数特性の均一性と
変位特性を向上せしめた圧電/電歪膜型素子を有利に得
る方法、及びそれによって得られる圧電/電歪膜型素子
の提供。 【解決手段】 空所たる窓部6を覆蓋するように、薄肉
のダイヤフラム部10を一体に設けてなるジルコニア基
体2と、該ダイヤフラム部10の外面上に膜形成法によ
って層状に順次設けた、下部電極12、圧電/電歪層1
4及び上部電極16より構成される膜状の圧電/電歪作
動部18とを備えた圧電/電歪膜型素子において、該圧
電/電歪層14の少なくとも一部の周縁部を、下記電極
12の対応する周縁部よりも側方に延び出させて、前記
ダイヤフラム部10上に対向位置するオーバーハング部
14aを構成すると共に、該オーバーハング部14a
を、スピネル粒子の如きアルミナ・マグネシア化合物粒
子の介在にて、その直下のダイヤフラム部位10に対し
て、不完全結合の状態とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、圧電/電歪膜型素子、なかで
も、主にアクチュエータ、フィルタ、ディスプレイ、ト
ランス、マイクロホン、発音体(スピーカ等)、各種振
動子、共振子、発振子、ディスクリミネータ、更にはジ
ャイロやセンサ等に用いられるユニモルフ型やバイモル
フ型等の、屈曲変位又は力を発生させる、或いは屈曲変
位や力を検出するタイプの圧電/電歪膜型素子、及びそ
れを製造する方法に関するものである。なお、ここで称
呼される素子とは、電気エネルギーを機械エネルギーに
変換、即ち、機械的な変位、力又は振動に変換する素子
の他、その逆の変換を行なう素子をも意味するものであ
る。
【0002】
【背景技術】近年、光学や精密加工等の分野において、
サブミクロンのオーダーで光路長や位置を調整する変位
素子や、微小変位を電気的変化として検知する検出素子
が所望されるようになってきており、これに応えるもの
として、強誘電体等の圧電材料に電界を加えた時に起こ
る逆圧電効果に基づくところの変位の発現、或いはその
逆の現象を利用した素子である、アクチュエータやセン
サに用いられる圧電/電歪素子の開発が進められてい
る。そして、その中で、スピーカ等においては、そのよ
うな圧電/電歪素子構造として、従来から知られている
ユニモルフ型等が好適に採用されている。
【0003】このため、本願出願人にあっても、先に、
特開平3−128681号公報や特開平5−49270
号公報等において、各種の用途に好適に用いられ得る、
セラミックス製の圧電/電歪膜型素子を提案した。この
先に提案の圧電/電歪膜型素子は、少なくとも一つの窓
部(空所)を有すると共に、該窓部を覆蓋するように薄
肉のダイヤフラム部を一体に設けることによって、少な
くとも一つの薄肉の壁部を形成してなるセラミックス基
体を備え、そして該セラミックス基体のダイヤフラム部
の外面上に、下部電極と圧電/電歪層と上部電極との組
み合わせからなる圧電/電歪作動部が、膜形成法によっ
て一体的に積層形成されてなる構造を有するものであっ
て、小型で安価な、高信頼性の電気機械変換素子である
と共に、低い駆動電圧にて大変位が得られ、また応答速
度が速く、且つ発生力も大きいという優れた特徴を有し
ており、アクチュエータ、フィルタ、ディスプレイ、セ
ンサ等の構成部材等として、誠に有用なものであること
が認められている。
【0004】ところで、かかる圧電/電歪膜型素子につ
いて、本発明者らが更に検討した結果、そのような圧電
/電歪膜型素子は、焼成済のセラミックス基体における
ダイヤフラム部の所定位置に、圧電/電歪作動部を構成
する下部電極、圧電/電歪層及び上部電極が、膜形成法
によって順次層状に積層形成され、そして必要な熱処理
(焼成)が施されて、該圧電/電歪作動部がダイヤフラ
ム部上に一体的に設けられた構造とされるものではある
が、その圧電/電歪作動部、具体的には圧電/電歪層の
形成時における熱処理(焼成)によって、かかる圧電/
電歪膜型素子の圧電/電歪特性が少なからず低下するこ
とが、明らかとなったのである。
【0005】すなわち、そのような圧電/電歪膜型素子
を製作する場合においては、実際には、圧電/電歪層の
上に形成される上部電極が圧電/電歪層の下に設けられ
ている下部電極に短絡するのを阻止して、それら電極間
の絶縁を良好に維持するために、かかる圧電/電歪層は
下部電極よりも若干大きめに形成され、下部電極を覆蓋
するようにした構造が採用されることとなるところか
ら、下部電極の周縁部から側方に延び出した圧電/電歪
層の周縁部は、それを構成する圧電/電歪材料が一般に
Pb成分等を含んでおり、他の材料との反応性が高いも
のであることによって、そのような周縁部の直下に位置
するセラミックス基体のダイヤフラム部に対して、強固
に融合乃至は癒着(接合)され易く、それによって、そ
の融合乃至は癒着部(接合部)は、圧電/電歪層におけ
る残留応力を大ならしめ、以て得られる圧電/電歪膜型
素子の圧電/電歪特性の低下をもたらしているのであ
る。
【0006】また、そのような圧電/電歪層の下部電極
よりも側方に延びる周縁部と、その直下のダイヤフラム
部位との間の接合の有無、更には接合の程度のバラツキ
により、得られる圧電/電歪膜型素子間、或いは圧電/
電歪膜型素子の複数の圧電/電歪作動部間において、圧
電/電歪層の焼結バラツキ、残留応力のバラツキ、素子
の剛性バラツキ等が惹起され、変位量等の圧電/電歪特
性や共振周波数特性等のバラツキが大きいという問題を
も内在するものであった。
【0007】このため、特開平6−260694号公報
においては、下部電極上の圧電/電歪膜を、該下部電極
を覆い、且つ端部がセラミックス基板上へ張り出す大き
さとし、そしてその張出し部分を該セラミックス基板に
対して不完全結合状態とした構造の圧電/電歪膜型素子
が明らかにされているが、そこでは、かかる不完全結合
状態を、圧電/電歪膜に対して低反応性のセラミックス
基板を用いたり或いはそれらの間に樹脂材料等からなる
ダミー層を形成したりして、実現せしめようとするもの
であるところから、圧電/電歪膜の焼成条件、例えば焼
成温度、焼成雰囲気等を精密にコントロールする必要が
ある等の製造工程上の困難な問題があり、また以上の調
整を行なっても、繰返し再現性に問題が残るものであっ
た。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、ジルコニア材料からなる前記の如きセラミック
ス基体、換言すればジルコニア基体における薄肉の壁部
を構成するダイヤフラム部の外面上に、圧電/電歪作動
部が、膜形成法によって形成されてなる圧電/電歪膜型
素子の製造において、そのダイヤフラム部と圧電/電歪
層の側方延出部たるオーバーハング部との焼成時の接合
を全く新規な手法によって回避し、素子の圧電/電歪特
性や共振周波数特性の均一性を向上し、また変位特性を
向上せしめた素子を有利に得ることの出来る製造方法、
及びそれによって得られた圧電/電歪膜型素子を提供す
ることにある。
【0009】
【解決手段】そして、上述の如き課題を解決するため
に、本発明に従う圧電/電歪膜型素子は、少なくとも一
つの空所を有すると共に、該空所を覆蓋するように、薄
肉のダイヤフラム部を一体に設けてなるジルコニア基体
と、該ダイヤフラム部の外面上に膜形成法によって層状
に順次設けた下部電極、圧電/電歪層及び上部電極より
構成される膜状の圧電/電歪作動部とを備えた圧電/電
歪膜型素子にして、前記圧電/電歪層の少なくとも一部
の周縁部が、前記下部電極の対応する周縁部よりも側方
に延び出して、前記ダイヤフラム部上に対向位置するオ
ーバーハング部を構成していると共に、該オーバーハン
グ部が、それとその直下のダイヤフラム部位との間に、
アルミナとマグネシアとの化合物を主体とする粒子が介
在せしめられることによって、かかる直下のダイヤフラ
ム部位に対して、不完全結合状態とされていることを特
徴とするものである。
【0010】このように、本発明にあっては、圧電/電
歪層の少なくとも一部の周縁部が下部電極の対応する周
縁部よりも側方に延び出して、該下部電極が下方に存在
しない、オーバーハング部を形成していても、そのよう
なオーバーハング部は、その直下のダイヤフラム部位に
対して、不完全結合の状態とされているところから、そ
れらオーバーハング部とダイヤフラム部位との接合によ
り惹起される残留応力の問題が効果的に解消され得るこ
ととなるのであり、しかも圧電/電歪作動部の作動時に
おいて、それらオーバーハング部とダイヤフラム部位と
が接合していることに基づく圧電/電歪特性への悪影響
を避け、変位特性等を効果的に向上せしめ得るのであ
る。そして、そのようなオーバーハング部とその直下の
ダイヤフラム部位との間の不完全結合状態は、それらの
間に、スピネルの如きアルミナとマグネシアとの化合物
を主体とする粒子が介在せしめられることによって、よ
り一層効果的に実現されているのである。
【0011】なお、ここでいう不完全結合状態とは、圧
電/電歪層のオーバーハング部と、その直下のダイヤフ
ラム部若しくはアルミナとマグネシアとの化合物を主体
とする粒子層との間の結合が不完全であり、本発明の課
題を充分に解決出来る程度の結合の状態をいい、より具
体的には、圧電/電歪層のオーバーハング部とその直下
のダイヤフラム部若しくはアルミナとマグネシアとの化
合物を主体とする粒子層との間のピール(引き剥し)強
度が、0.25kg/mm2 以下、好ましくは0.02
5kg/mm2 以下、更に好ましくは0.0125kg
/mm2 以下である状態を指している。
【0012】ところで、かくの如き本発明に従う圧電/
電歪膜型素子は、有利には、以下のA)、B)、C)及
びD)の四つの手法に従って製造されることとなる。方 法A) 少なくとも一つの空所を有すると共に、該空所を覆蓋す
るように、薄肉のダイヤフラム部を一体に設けてなるジ
ルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外面上に膜形成法
によって層状に順次設けた下部電極、圧電/電歪層及び
上部電極より構成される膜状の圧電/電歪作動部とを備
えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際して、少なくと
も前記ダイヤフラム部にアルミナを含有せしめてなる焼
成済のジルコニア基体を準備して、該ジルコニア基体の
ダイヤフラム部の外面上に前記下部電極を形成した後、
更に、該下部電極上に、マグネシア若しくはそれを与え
る成分を独立して又は化合物形態において含有する圧電
/電歪材料を用いて、少なくとも一部の周縁部が該下部
電極の対応する周縁部よりも側方に延び出して、前記ダ
イヤフラム部上に対向位置するオーバーハング部を構成
するように、膜形成法にて前記圧電/電歪層を形成せし
め、そして該圧電/電歪層の焼成を行なうことにより、
少なくとも、かかるオーバーハング部とその直下の前記
ダイヤフラム部位との界面において、アルミナとマグネ
シアとの化合物を主体とする粒子を析出せしめて、それ
らオーバーハング部とその直下のダイヤフラム部位との
間が不完全結合状態となるようにしたことを特徴とする
圧電/電歪膜型素子の製造方法。方 法B) 少なくとも一つの空所を有すると共に、該空所を覆蓋す
るように、薄肉のダイヤフラム部を一体に設けてなるジ
ルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外面上に膜形成法
によって層状に順次設けた下部電極、圧電/電歪層及び
上部電極より構成される膜状の圧電/電歪作動部とを備
えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際して、焼成済の
前記ジルコニア基体を準備して、該ジルコニア基体のダ
イヤフラム部の外面上に、アルミナ若しくはそれを与え
る成分を含有せしめてなる電極材料を用いて、膜形成法
によって前記下部電極を形成した後、更に、該下部電極
上に、マグネシア若しくはそれを与える成分を独立して
又は化合物形態において含有する圧電/電歪材料を用い
て、少なくとも一部の周縁部が該下部電極の対応する周
縁部よりも側方に延び出して、前記ダイヤフラム部上に
対向位置するオーバーハング部を構成するように、膜形
成法にて前記圧電/電歪層を形成せしめ、そして該圧電
/電歪層の焼成を行なうことにより、少なくとも、かか
るオーバーハング部とその直下の前記ダイヤフラム部位
との界面において、アルミナとマグネシアとの化合物を
主体とする粒子を析出せしめて、それらオーバーハング
部とその直下のダイヤフラム部位との間が不完全結合状
態となるようにしたことを特徴とする圧電/電歪膜型素
子の製造方法。方 法C) 少なくとも一つの空所を有すると共に、該空所を覆蓋す
るように、薄肉のダイヤフラム部を一体に設けてなるジ
ルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外面上に膜形成法
によって層状に順次設けた下部電極、圧電/電歪層及び
上部電極より構成される膜状の圧電/電歪作動部とを備
えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際して、焼成済の
前記ジルコニア基体を準備して、該ジルコニア基体のダ
イヤフラム部の外面における少なくとも前記下部電極形
成部位の周りに、アルミナ若しくはそれを与える成分を
含む分離層を形成せしめる一方、該分離層の形成に先立
って若しくは該分離層の形成の後に、かかるダイヤフラ
ム部の外面上に、前記下部電極を形成した後、更に、該
下部電極上に、マグネシア若しくはそれを与える成分を
独立して又は化合物形態において含有する圧電/電歪材
料を用いて、少なくとも一部の周縁部が該下部電極の対
応する周縁部よりも側方に延び出して、前記ダイヤフラ
ム部上に対向位置するオーバーハング部を構成するよう
に、膜形成法にて前記圧電/電歪層を形成せしめ、そし
て該圧電/電歪層の焼成を行なうことにより、少なくと
も、かかるオーバーハング部とその直下の前記ダイヤフ
ラム部位との界面において、アルミナとマグネシアとの
化合物を主体とする粒子を析出せしめて、それらオーバ
ーハング部とその直下のダイヤフラム部位との間が不完
全結合状態となるようにしたことを特徴とする圧電/電
歪膜型素子の製造方法。方 法D) 少なくとも一つの空所を有すると共に、該空所を覆蓋す
るように、薄肉のダイヤフラム部を一体に設けてなるジ
ルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外面上に膜形成法
によって層状に順次設けた下部電極、圧電/電歪層及び
上部電極より構成される膜状の圧電/電歪作動部とを備
えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際して、焼成済の
前記ジルコニア基体を準備して、該ジルコニア基体のダ
イヤフラム部の外面における少なくとも前記下部電極形
成部位の周りに、アルミナ若しくはそれを与える成分と
マグネシア若しくはそれを与える成分を含む、又はアル
ミナとマグネシアとの化合物を主体とする粒子を含む分
離層を形成せしめる一方、該分離層の形成に先立って若
しくは該分離層の形成の後に、かかるダイヤフラム部の
外面上に前記下部電極を形成した後、更に、該下部電極
上に、少なくとも一部の周縁部が該下部電極の対応する
周縁部よりも側方に延び出して、前記ダイヤフラム部上
に対向位置するオーバーハング部を構成するように、膜
形成法にて前記圧電/電歪層を形成せしめ、そして該圧
電/電歪層の焼成を行なうことにより、少なくとも、か
かるオーバーハング部とその直下の前記ダイヤフラム部
位との界面において、アルミナとマグネシアとの化合物
を主体とする粒子を析出乃至は介在せしめて、それらオ
ーバーハング部とその直下のダイヤフラム部位との間が
不完全結合状態となるようにしたことを特徴とする圧電
/電歪膜型素子の製造方法。
【0013】このような本発明に従う圧電/電歪膜型素
子の製造手法によれば、圧電/電歪層のオーバーハング
部と、その直下の、下部電極の存在しないダイヤフラム
部位との界面にまで、アルミナ成分やマグネシア成分が
移行し、そしてそこで反応して、スピネル等のアルミナ
とマグネシアとの化合物を主体とする粒子を析出せしめ
るのであり、またそのような界面において、スピネル等
の化合物粒子として析出せしめ、或いは存在せしめるこ
とにより、圧電/電歪層のオーバーハング部とその直下
のダイヤフラム部位との強固な癒着乃至は接合を効果的
に回避せしめ得て、不完全結合状態を実現し、以て圧電
/電歪層における残留応力が有利に少なく為され得るこ
ととなり、そのために圧電/電歪特性が有利に向上せし
められ得、また圧電/電歪特性のバラツキも効果的に低
減され得るのである。
【0014】なお、上記した四つの圧電/電歪膜型素子
の製造方法において、前記析出せしめられる粒子は、有
利には、スピネル(MgAl2 4 )粒子であり、また
前記圧電/電歪材料には、圧電/電歪特性を示す組成の
一部分としてマグネシアを含むものが、有利に用いられ
ることとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】上述のように、本発明は、ジルコ
ニア基体に設けられた空所を覆蓋するように一体的に形
成されたダイヤフラム部位の外面上に、膜形成法によっ
て設けられた膜状の圧電/電歪作動部を有する構造の圧
電/電歪膜型素子において、かかる圧電/電歪作動部を
構成する圧電/電歪層が下部電極に対してオーバーハン
グ部を形成するように構成して、該下部電極に対する短
絡を何等顧慮することなく、上部電極が容易に形成され
得るように為すと共に、該下部電極が存在しない圧電/
電歪層のオーバーハング部と、その直下のダイヤフラム
部位との間に、アルミナとマグネシアとの化合物を主体
とする粒子が介在せしめられるように為して、それらの
間が不完全結合の状態となるようにすることによって、
前記した課題の解決を図ろうとするものであるが、その
ような本発明の対象とする圧電/電歪膜型素子の基本的
な構造の一例が、図1に示されている。なお、そこに例
示の具体例は、一つの窓部についての構造を明らかにし
ている。
【0016】すなわち、かかる図1において、ジルコニ
ア基体2は、所定大きさの矩形の窓部6を空所として有
する、支持体としての所定厚さのベースプレート4と、
その一方の面に重ね合わされて、窓部6を覆蓋する薄肉
のダイヤフラム板8とから、一体的に構成されており、
かかるダイヤフラム板8の前記ベースプレート4におけ
る窓部6に位置する部分が、ダイヤフラム部位10とさ
れているのである。そして、この板状のジルコニア基体
2のダイヤフラム部位10の外面上には、それぞれ、膜
状の下部電極12、圧電/電歪層14及び上部電極16
が、通常の膜形成手法によって、順次、積層形成され
て、膜状の圧電/電歪作動部18として、一体的に形成
されている。
【0017】従って、このような構造の圧電/電歪膜型
素子においては、それをアクチュエータとして機能させ
る場合には、その圧電/電歪作動部18を構成する二つ
の電極12、16間に、図示しないそれぞれのリード部
を通じて所定の電圧を印加せしめることによって、従来
と同様にして通電が行なわれ、それによって圧電/電歪
層14に電界が作用せしめられると、そのような電界に
基づくところの電界誘起歪みが惹起され、この電界誘起
歪みの横効果にて、ジルコニア基体2(ダイヤフラム部
位10)の板面に垂直な方向の屈曲変位乃至は力が発現
せしめられることとなるのである。
【0018】ところで、本発明は、かかる圧電/電歪膜
型素子において、図1に示されている如く、圧電/電歪
作動部18を構成する圧電/電歪層14の周縁部が下部
電極12の対応する周縁部よりも側方に延び出して、下
部電極12の存在しないダイヤフラム部位10に対向位
置するオーバーハング部14aを構成するようにされて
いるのであり、そして、かかるオーバーハング部14a
と、その直下のダイヤフラム部位10との間に、アルミ
ナとマグネシアとの化合物を主体とする接合阻止粒子2
0が介在せしめられることによって、それらの間が不完
全結合の状態とされているのである。なお、それら圧電
/電歪作動部18を構成する下部電極12、圧電/電歪
層14、上部電極16の平面配設形態が、図2に示され
ているが、それより明らかな如く、圧電/電歪層14
は、下部電極12の外部との接続のためのリード部を残
して、その略全体を覆うように形成されているのであ
り、これによって、圧電/電歪層14の少なくとも一部
の周縁部が、下部電極12の対応する周縁部よりも側方
に延び出して、位置する形態とされているのである。そ
して、そのような圧電/電歪層14の上に、下部電極1
2と重なり合うように、上部電極16が形成され、その
圧電/電歪層14からはみ出した一方の端部が外部に接
続されるリード部とされているのである。
【0019】それ故に、このような圧電/電歪膜型素子
の圧電/電歪作動部18の構造によれば、圧電/電歪層
14の延び出した周縁部によってオーバーハング部14
aが形成され、このオーバーハング部14aにて、下部
電極12が覆われた状態において、かかる圧電/電歪層
14上に上部電極16が形成されることとなるところか
ら、そのような上部電極16が下部電極12に短絡する
恐れは全く解消され、それら二つの電極12、16間の
絶縁を効果的に保持しつつ、上部電極16の形成が容易
に行ない得ることとなることは勿論、そのようなオーバ
ーハング部14aが、その直下のダイヤフラム部位10
との間において、融合乃至は癒着(接合)せしめられ
て、強固に結合されてはいないところから、かかる圧電
/電歪作動部18の作動時において、その作動特性が悪
影響を受けることも殆どなく、以て変位量等の圧電/電
歪特性や共振周波数特性等の向上を、効果的に図り得る
のである。
【0020】なお、このような本発明の目的とする圧電
/電歪膜型素子において、その圧電/電歪作動部18が
形成されるジルコニア基体2を与える材料としては、公
知の各種の安定化ジルコニア材料や部分安定化ジルコニ
ア材料が適宜に選択して用いられ得るが、中でも、特に
本発明者らが特開平5−270912号公報において明
らかにした如き、イットリア等の化合物を添加せしめ
て、結晶相が主として正方晶、若しくは主として立方
晶、正方晶、単斜晶のうちの少なくとも2種以上の結晶
相からなる混晶とすることで、部分安定化されたジルコ
ニアを主成分とする材料が好ましく使用される。また、
そのようなジルコニア基体2の結晶粒径は、好ましくは
1μm以下とされる。そのような材料から形成されるジ
ルコニア基体2は、薄い板厚においても、大きな機械的
強度や高靱性を示し、また圧電/電歪材料との化学的な
反応も少ない等の特徴を発揮するからである。
【0021】本発明において、かかるジルコニア材料か
らなるジルコニア基体2におけるダイヤフラム部位10
に対して、その上方に下部電極12を介することなく位
置せしめられる圧電/電歪層14のオーバーハング部1
4aの強固な接合を効果的に抑制乃至は解消せしめて、
不完全結合の状態とするには、それらオーバーハング部
14aとその直下のダイヤフラム部位10との間に、ア
ルミナとマグネシアとの化合物を主体とする接合阻止粒
子20、特に、スピネル(MgAl2 4 )粒子が析
出、介在せしめられることが望ましく、そのような化合
物粒子20の圧電/電歪層14に対する低い反応性によ
って、それらオーバーハング部14aとダイヤフラム部
位10との間の相互の接合が、効果的に緩和乃至は阻止
され得ることとなるのである。
【0022】ところで、このようなスピネル粒子の如
き、アルミナとマグネシアとの化合物を主体とする接合
阻止粒子20の介在によって、オーバーハング部14a
とダイヤフラム部位10との間の強固な接合を阻止し、
それらを不完全結合状態としてなる構造の圧電/電歪膜
型素子を製造するには、前記したA)、B)、C)及び
D)の四つの手法が有利に採用されるものであって、そ
のうちのA)の手法によれば、先ず、前記したジルコニ
ア材料からなるジルコニア基体2の少なくともダイヤフ
ラム部位10に、所定量のアルミナを含有せしめてなる
ものが、準備される。なお、このようなアルミナの含有
は、ダイヤフラム部位10に加えて、ジルコニア基体2
の他の部位、例えばベースプレート4部位に対しても有
効である。尤も、このアルミナの含有量が多くなり過ぎ
ると、ダイヤフラム部位10にクラックや欠陥等の問題
を惹起するところから、一般に、5.0重量%以下、好
ましくは2.5重量%以下とすることが望ましいが、そ
の含有量が余りにも少なくなり過ぎると、前記した接合
を阻止し得るに充分な量の粒子の析出、介在が期待され
得なくなるところから、アルミナは、一般に、0.1重
量%以上、好ましくは1.1重量%以上の割合において
含有せしめることが望ましい。
【0023】そして、そのような、少なくともダイヤフ
ラム部位10に所定量のアルミナを含有せしめてなるジ
ルコニア基体2は、それを与えるグリーン体の少なくと
もダイヤフラム部(10)形成部位に、かかる所定量の
アルミナ若しくはそれを与える成分を含有せしめたもの
を、公知の手法に従って作製し、そしてそれを焼成する
ことにより、得られるものであるが、特に、金型や超音
波加工等の機械加工手法を採用して、窓部6となる空孔
部を設けた、ベースプレート4を与えるジルコニアグリ
ーンシートに、ダイヤフラム板8(ダイヤフラム部位1
0)を与える、所定量のアルミナを含有せしめてなる薄
いジルコニアグリーンシートを積層、熱圧着した後、焼
成、一体化することによって作製することが、高い信頼
性の点から好ましい。なお、そのようなジルコニア基体
2の圧電/電歪作動部18が形成されるダイヤフラム部
位10における厚さ(焼成後)は、素子の高速応答性と
大きな変位を得るために、一般に50μm以下、好まし
くは1μm以上、30μm以下、より好ましくは3〜1
5μm程度とすることが望ましい。
【0024】なお、かかるベースプレート4やダイヤフ
ラム板8を与える、所定のジルコニア材料からなる各ジ
ルコニアグリーンシートは、それぞれ、複数枚のシート
成分の重ね合わせによって形成することも可能である。
また、ジルコニア基体2におけるダイヤフラム部位10
の形状にあっても、図示の如き平坦な形状の他、窓部6
とは反対側となる、外方に凸なる形状や、窓部6内に落
ち込んだ状態の、内方に凹なる形状とすることも可能で
あるが、本発明の効果は、かかるダイヤフラム部位10
が外方に凸なる形状(図1において、上方に凸なる形
状)であるジルコニア基体2を用いることにより、更に
有効に達成され得ることとなる。なお、ここでは、ジル
コニア基体2の窓部6の形状、換言すればダイヤフラム
部位10の形状は、矩形(四角形)形状とされている
が、これに限定されるものではなく、圧電/電歪膜型素
子の用途に応じて、例えば、円形、多角形、楕円形等、
又はこれらを組合わせた形状等、任意の形状、更には任
意の個数と配置が適宜に選択されることとなる。
【0025】そして、このようにして準備された焼成済
のジルコニア基体2を用い、そのダイヤフラム部位10
上に、目的とする圧電/電歪作動部18を形成すべく、
かかるダイヤフラム部位10の外面上には、先ず、下部
電極12が、従来と同様にして、所定の電極材料を用い
て、公知の各種の膜形成手法に従って形成されることと
なる。具体的には、下部電極12を与える電極材料とし
ては、高温酸化雰囲気に耐えられる導体であれば、特に
規制されるものではなく、例えば金属単体であっても、
合金であってもよく、また酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸
化チタン等の絶縁性セラミックスと金属単体、若しくは
その合金との混合物であっても、更には導電性セラミッ
クスであっても、何等差し支えない。尤も、より好まし
くは、白金、パラジウム、ロジウム等の高融点貴金属
類、或いは銀−パラジウム、銀−白金、白金−パラジウ
ム等の合金を主成分とする電極材料、或いは白金とジル
コニア基体構成材料及び/又は圧電/電歪材料成分との
サーメット材料等が好適に用いられる。その中でも、更
に好ましくは、白金のみ、若しくは白金系の合金を主成
分とする材料が望ましい。なお、電極材料中に添加せし
められるジルコニア基体構成材料の割合は、5〜30体
積%程度が好ましく、また圧電/電歪材料或いはその構
成成分の割合は、5〜20体積%程度であることが好ま
しい。
【0026】また、下部電極12は、かかる導体材料を
用いて、スクリーン印刷、スプレー、コーティング、デ
ィッピング、塗布等による厚膜形成手法、若しくはスパ
ッタリング、イオンビーム、真空蒸着、イオンプレーテ
ィング、CVD、メッキ等の薄膜形成手法による膜形成
手法に従って形成されることとなるが、中でも、前者の
厚膜形成手法が好ましく採用され、そしてそのような厚
膜形成手法によって形成された下部電極12に対して
は、電極自体の焼結、更にはダイヤフラム部位10に対
する一体的な結合のために、一般に、従来と同様な熱処
理(焼成)が施されることとなる。なお、この下部電極
12の焼成後の厚さとしては、一般に、20μm以下、
好ましくは5μm以下とされる。
【0027】次いで、このようにして形成された下部電
極12上には、更に、圧電/電歪層14が、所定の圧電
/電歪材料を用いて、公知の各種の膜形成手法に従って
形成されることとなるが、その際、圧電/電歪層14
は、その少なくとも一部の周縁部が下部電極12の対応
する周縁部よりも側方に延び出して、ダイヤフラム部位
10上に対向位置するオーバーハング部14aを構成す
るように、下部電極12よりも大きな平面形態(図1及
び図2参照)において形成されるのである。なお、この
ような圧電/電歪層14の形成においては、前記した厚
膜形成手法、具体的には、スクリーン印刷、スプレー、
コーティング、ディッピング、塗布等による膜形成手法
が、好適に採用される。この厚膜形成手法を用いれば、
平均粒子径が0.01μm〜7μm程度の、好ましくは
0.05μm〜5μm程度の圧電/電歪セラミックス粒
子を主成分とするペーストやスラリーを用いて、ジルコ
ニア基体2のダイヤフラム部位10の外面上に、圧電/
電歪層14を膜形成することが出来、良好な素子特性が
得られるからである。そして、この厚膜形成法の中で
も、微細なパターニングが安価に形成出来るという点
で、スクリーン印刷法が、特に好ましく用いられる。な
お、この形成される圧電/電歪層14の焼成後の厚さと
しては、低作動電圧で大きな変位等を得るために、好ま
しくは50μm以下、更に好ましくは3μm以上、40
μm以下とされることが望ましい。
【0028】そして、本発明に従う前記A)の方法にあ
っては、そのような圧電/電歪層14を形成するための
圧電/電歪材料として、マグネシア若しくはそれを与え
る成分を独立して又は化合物形態において含有するもの
が、用いられるのである。なお、ここで、マグネシアを
与える成分とは、マグネシウム単体の如き、後の焼成工
程等においてマグネシアとなる成分を意味している。そ
のようなマグネシア若しくはそれを与える成分を含有す
る圧電/電歪材料としては、具体的には、ジルコン酸チ
タン酸鉛(PZT系)を主成分とする材料、ニッケルニ
オブ酸鉛(PNN系)を主成分とする材料、マンガンニ
オブ酸鉛を主成分とする材料、アンチモンスズ酸鉛を主
成分とする材料、亜鉛ニオブ酸鉛を主成分とする材料、
チタン酸鉛を主成分とする材料、ニッケルタンタル酸鉛
を主成分とする材料、更には、それらの複合材料等に対
して、マグネシアやマグネシウム等を添加してなる、換
言すれば圧電/電歪組成の成分とは独立して添加、含有
せしめてなる材料を挙げることが出来るが、本発明にあ
っては、有利には、圧電/電歪特性を示す圧電/電歪組
成において、マグネシアを化合物形態に含むものが用い
られ、例えば、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)を
主成分とする材料、マグネシウムタンタル酸鉛を主成分
とする材料、更には、このような材料と前記したPZT
系等の材料との複合材料等が好ましく用いられる。
【0029】また、それらの圧電/電歪材料の中でも、
マグネシウムニオブ酸鉛とジルコン酸鉛とチタン酸鉛と
からなる成分を主成分とする材料、ニッケルニオブ酸鉛
とマグネシウムニオブ酸鉛とジルコン酸鉛とチタン酸鉛
とからなる成分を主成分とする材料、マグネシウムニオ
ブ酸鉛とニッケルタンタル酸鉛とジルコン酸鉛とチタン
酸鉛とからなる成分を主成分をする材料、若しくはマグ
ネシウムタンタル酸鉛とマグネシウムニオブ酸鉛とジル
コン酸鉛とチタン酸鉛とからなる成分を主成分とする材
料が有利に用いられ、更に、そのような材料に、ランタ
ン、バリウム、ニオブ、マグネシウム、亜鉛、セリウ
ム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、
イットリウム、タンタル、タングステン、ニッケル、マ
ンガン、リチウム、ストロンチウム、ビスマス等の酸化
物や、それらの他の化合物を添加物として含有せしめた
材料も、好適に使用される。
【0030】なお、かかる多成分系圧電/電歪材料の場
合に、成分組成によって、圧電/電歪特性が変化するこ
ととなるが、本発明で好適に採用されるマグネシウムニ
オブ酸鉛−ジルコン酸鉛−チタン酸鉛の3成分系材料
や、マグネシウムニオブ酸鉛−ニッケルタンタル酸鉛−
ジルコン酸鉛−チタン酸鉛、並びにマグネシウムタンタ
ル酸鉛−マグネシウムニオブ酸鉛−ジルコン酸鉛−チタ
ン酸鉛の4成分系材料では、擬立方晶−正方晶−菱面体
晶の相境界付近の組成が好ましく、特にマグネシウムニ
オブ酸鉛:15〜50モル%、ジルコン酸鉛:10〜4
5モル%、チタン酸鉛:30〜45モル%の組成や、マ
グネシウムニオブ酸鉛:15〜50モル%、ニッケルタ
ンタル酸鉛:10〜40モル%、ジルコン酸鉛:10〜
45モル%、チタン酸鉛:30〜45モル%の組成、更
にはマグネシウムニオブ酸鉛:15〜50モル%、マグ
ネシウムタンタル酸鉛:10〜40モル%、ジルコン酸
鉛:10〜45モル%、チタン酸鉛:30〜45モル%
の組成が、高い圧電定数と電気機械結合係数を有するこ
とから、有利に採用される。
【0031】また、そのような圧電/電歪材料中のマグ
ネシア若しくはそれを与える成分の含有量としては、化
合物形態において含有され、圧電/電歪組成の一成分を
構成している場合にあっては、そのような圧電/電歪組
成において、そのまま用いられ、また独立した形態にお
いて含有せしめられている場合にあっては、形成される
圧電/電歪層14の圧電/電歪特性に悪影響をもたらさ
ない程度の割合において、ダイヤフラム部位10に含有
せしめられるアルミナ量に応じて、それと反応して化合
物を生じ得るに充分な割合において、適宜に決定される
こととなる。
【0032】そして、上述の如くして下部電極12上に
形成された圧電/電歪層14には、所定の熱処理(焼
成)操作が施されて、一体的な層構造とされると共に、
ダイヤフラム部位10上に一体的に結合せしめられる。
なお、この際の熱処理(焼成)温度としては、一般に、
500℃〜1400℃程度の温度が採用され、好ましく
は1000℃〜1400℃の範囲の温度が、有利に選択
される。また、そのような膜状の圧電/電歪層14の熱
処理(焼成)において、高温時に圧電/電歪層の組成が
不安定とならないように、そのような圧電/電歪材料の
蒸発源と共に、雰囲気制御を行ないながら、熱処理(焼
成)することが好ましい他、圧電/電歪層14上に適当
な覆蓋部材を載置して、該圧電/電歪層14の表面が焼
成雰囲気に直接に露呈されないようにして、焼成する手
法を採用することも推奨される。なお、その場合、覆蓋
部材としては、ジルコニア基体2と同様な材料系のもの
が用いられることとなる。
【0033】さらに、そのような圧電/電歪層14の熱
処理(焼成)によって、かかる圧電/電歪層14の焼
結、緻密化が行なわれて、目的とする圧電/電歪特性を
具備するものとされるのであるが、また、かかる熱処理
(焼成)操作によって、圧電/電歪層14内に存在する
マグネシア若しくはそれを与える成分は、下部電極12
側に、更には、ジルコニア基体2のダイヤフラム部位1
0側に移動せしめられるようになるのであり、一方、そ
のような移動に伴って、かかるジルコニア基体2の少な
くともダイヤフラム部位10内に存在するアルミナも、
下部電極12側に移動せしめられ、少なくとも、オーバ
ーハング部14aとその直下のダイヤフラム部位10と
の界面において、それら移動したアルミナ成分とマグネ
シア成分とが反応して、所定の化合物の接合阻止粒子2
0として析出し、かかる界面に存在するようになること
により、そのような析出粒子20の圧電/電歪層14に
対する低い反応性の故に、それらオーバーハング部14
aとその直下のダイヤフラム部位10との間が不完全結
合状態とされて、それらの相互の強固な接合乃至は融合
が効果的に阻止されることとなるのである。
【0034】そして、このような焼成操作によって生成
するアルミナとマグネシアとの化合物を主体とする接合
阻止粒子20の介在によって、圧電/電歪層14のオー
バーハング部14aとその直下のダイヤフラム部位10
との間の強固な融合(接合)が回避されることにより、
圧電/電歪層14における残留応力が効果的に減少せし
められ得ることとなり、以て圧電/電歪特性の低下が有
利に回避されることとなった他、そのような融合(接
合)の有無のバラツキにより、圧電/電歪層14の焼結
バラツキ、残留応力のバラツキ、ひいては素子の剛性バ
ラツキ等が発生する問題が、有利に解消され、以て圧電
/電歪特性や共振周波数特性等のバラツキも、効果的に
小さく為し得ることとなったのである。
【0035】なお、前記したように本発明において好適
に用いられる、ダイヤフラム部位10が外方に凸なる形
状のジルコニア基体2にあっては、上記の圧電/電歪層
14の焼成操作によって、その外方に凸なる形状は、一
般に内方に凹なる形状に変化するようになるのである。
【0036】その後、かかる焼成された圧電/電歪層1
4上には、圧電/電歪作動部18を構成する上部電極1
6が、それを与える電極材料を用いて、下部電極12と
同様にして、公知の各種の膜形成手法に従って形成され
ることとなるが、中でも、レジネートや厚膜ペーストを
用いたスクリーン印刷法、或いはスパッタリング、イオ
ンビーム、真空蒸着、イオンプレーティング、CVD、
メッキ等の薄膜形成手法による膜形成手法に従って、形
成されることが望ましい。なお、この上部電極16の形
成には、必要に応じて焼成操作が加えられることとな
る。特に、このような上部電極16の形成において、圧
電/電歪層14は、そのオーバーハング部14aの存在
によって、下部電極12を覆うように設けられていると
ころから、上部電極16は、下部電極12に対する短絡
の問題を何等顧慮することなく、圧電/電歪層14上に
容易に形成され得ることとなるのであり、この特徴は、
狭い面積内に多数の圧電/電歪作動部18が配設される
場合において、より一層有利に発揮され得るものであ
る。なお、この上部電極16の厚さ(焼成が行なわれる
場合には、焼成後の厚さ)は、一般に20μm以下、好
ましくは5μm以下の厚さとされることとなる。また、
このような上部電極16の厚さに圧電/電歪層14の厚
さ及び下部電極12の厚さを加えた圧電/電歪作動部1
8の全体の厚さ(焼成後)としては、一般に100μm
以下、好ましくは50μm以下が採用される。
【0037】ところで、図3は、上記した方法A)に従
って形成された圧電/電歪膜型素子の一例に係るものの
断面図を示しているが、そこにおいて、アルミナとマグ
ネシアとの反応により形成される化合物を主体とする析
出接合阻止アルミナ・マグネシア化合物粒子20が、主
としてダイヤフラム部位10と下部電極12やオーバー
ハング部14aとの間に全体的に分布して存在してお
り、この析出粒子20の圧電/電歪層14に対する反応
性が小さいことによって、圧電/電歪層14のオーバー
ハング部14aとのその直下に位置するダイヤフラム部
位10との間の強固な癒着乃至は融合が阻止されて、そ
れらの間が不完全結合状態となっているのである。な
お、図3においては、ベースプレート4の窓部6の下側
開口部が覆蓋プレート5にて覆蓋されて、内部空所7が
形成されている。従って、ここでは、ジルコニア基体2
は、ベースプレート4と覆蓋プレート5とダイヤフラム
板8とから一体的に構成されているのである。
【0038】また、本発明に従う圧電/電歪膜型素子を
製造する手法の一つたる前記B)に係る方法は、上記し
たA)方法の如く、アルミナをジルコニア基体2の少な
くともダイヤフラム部位10に存在せしめるものではな
く、下部電極12内に、アルミナを存在せしめるところ
に、大きな特徴を有している。このアルミナを含有する
下部電極12を形成するには、アルミナ若しくはそれを
与える成分を含有せしめてなる電極材料を用いて、前記
と同様な膜形成法によって、下部電極12をジルコニア
基体2のダイヤフラム部位10の外面上に形成すればよ
いのである。そして、この場合においても、下部電極1
2には、必要に応じて焼成操作が加えられることとな
る。このようにして、下部電極12内に存在せしめられ
たアルミナは、圧電/電歪層14の焼成時において、か
かる圧電/電歪層14に含まれるマグネシア成分と共
に、オーバーハング部14aとその直下の対向するダイ
ヤフラム部位10との界面に移動し、そこで、アルミナ
とマグネシアとの反応により形成される化合物を主体と
する接合阻止粒子20を析出することとなるのであり、
そしてそのような析出粒子20によって、それらオーバ
ーハング部14aとそれに対向するダイヤフラム部位1
0との間の接合が効果的に回避されるのである。なお、
このB)方法は、下部電極12からのアルミナの移動に
限度があるところから、オーバーハング部14aの長さ
が比較的短い場合において、有利に採用されることとな
る。
【0039】ここにおいて、かかる下部電極12を与え
る電極材料としては、前記した導体材料と共に、アルミ
ナ若しくはそれを与える成分を、一般に1〜30重量
%、望ましくは2〜10重量%、更に望ましくは4〜1
0重量%含むものが用いられることとなる。アルミナ若
しくはそれを与える成分の含有量が30重量%を越える
ような割合となると、電極としての導通性に問題を生
じ、またその含有量が1重量%よりも少なくなると、ア
ルミナ・マグネシア化合物粒子20の析出が少なくな
り、そのような粒子20による接合阻止効果を充分に享
受することが困難となる。なお、ここで、アルミナを与
える成分とは、アルミニウム単体の如き、後の焼成工程
等においてアルミナとなる成分を意味している。
【0040】さらに、本発明に従う圧電/電歪膜型素子
を得るための第三、第四の手法たる前記C)、D)に係
る方法は、焼成済のジルコニア基体2(但し、アルミナ
成分は含有されてはいない)を準備し、そして該ジルコ
ニア基体2のダイヤフラム部位10の外面における少な
くとも下部電極12形成部位の周りに、アルミナ若し
くはそれを与える成分、又はアルミナ若しくはそれを
与える成分とマグネシア若しくはそれを与える成分、又
はアルミナとマグネシアとの化合物を主体とする粒子
を含む分離層を形成せしめ、必要に応じて焼成を行なう
一方、該分離層の形成に先立って若しくは該分離層の形
成の後に、かかるダイヤフラム部位10の外面上に、前
記A)やB)の方法と同様にして、下部電極12を形成
し、そして必要に応じてその焼成を行ない、更に該下部
電極12上に圧電/電歪層14を形成して、その焼成を
行なうことにより、少なくとも圧電/電歪層14のオー
バーハング部14aとその直下のダイヤフラム部位10
との界面において、アルミナとマグネシアとの化合物を
主体とする粒子20を析出乃至は介在せしめて、それら
オーバーハング部14aとその直下のダイヤフラム部位
10との間の接合を阻止せしめるようにするものであ
る。
【0041】このようなC)、D)方法に従って製造さ
れる圧電/電歪膜型素子にあっては、例えば、図4に示
される如く、圧電/電歪層14の焼成によって、下部電
極12の周りに、アルミナ・マグネシア化合物粒子20
にて構成される介在層21が存在し、そして、この介在
層21が、圧電/電歪層14のオーバーハング部14a
とダイヤフラム部位10との間に位置することとなると
ころから、そのような介在層21を構成するアルミナ・
マグネシア化合物粒子20の圧電/電歪層14に対する
反応性の低さによって、それらオーバーハング部14a
とその直下のダイヤフラム部位10との間の強固な融合
乃至は癒着が効果的に阻止せしめられ得て、それらの間
の不完全結合状態が有利に実現され得るのである。
【0042】なお、かかる下部電極12形成部位の周り
に形成される分離層がアルミナ若しくはそれを与える成
分から構成されているC)方法の場合にあっては、その
ような分離層におけるアルミナ成分と圧電/電歪層14
から移動したマグネシア成分とが反応して、アルミナ・
マグネシア化合物粒子20からなる介在層21が形成さ
れることとなるのであり、またアルミナ若しくはそれを
与える成分とマグネシア若しくはそれを与える成分とか
ら分離層が構成されているD)方法の場合においては、
圧電/電歪層14の焼成時において、かかる分離層にお
いてアルミナ成分とマグネシア成分との反応が惹起され
て、アルミナ・マグネシア化合物粒子20が生成して、
介在層21が形成されることとなるのであり、更に分離
層がアルミナとマグネシアとの化合物を主体とする粒子
(20)にて構成されている前記D)方法の場合にあっ
ては、そのような分離層は、そのまま、介在層21とし
て、オーバーハング部14aとダイヤフラム部位10と
の間に位置して、それらの強固な融合乃至は癒着を阻止
せしめるのである。
【0043】なお、かかるアルミナ・マグネシア化合物
粒子20にて構成される介在層21を与える分離層は、
かかる介在層21の厚みが一般に0.1〜10μm、望
ましくは0.2〜5μmとなるように、形成されること
となる。かかる介在層21の厚みが10μmを越えるよ
うになると、ダイヤフラム部位10の剛性が大きくなっ
て、圧電/電歪層14の焼結を妨げる問題が新たに惹起
されることとなり、また、それが0.1μmよりも薄い
場合にあっては、その介在効果が充分でない問題を惹起
する。また、そのような分離層は、下部電極12の形成
されるダイヤフラム部位10の周りに部分的に形成され
るばかりでなく、そのような下部電極12が形成される
ダイヤフラム部位10の全面に亘って形成されていて
も、何等差し支えない。
【0044】そして、このようにして得られる、本発明
に従う圧電/電歪膜型素子にあっては、下部電極12の
存在しない圧電/電歪層14のオーバーハング部14a
とダイヤフラム部位10との間の強固な融合乃至は癒着
が回避され、不完全結合状態となるところから、圧電/
電歪作動部18の本来の圧電/電歪特性を有利に発揮し
得ることとなるのであり、また圧電/電歪層14におけ
る残留応力も少なくなるところから、変位特性が向上
し、またそのバラツキも効果的に低減され得るという特
徴があり、これによって、トランスデューサやセンサや
アクチュエータ等の各種の用途に有利に用いられ得るの
である。
【0045】尤も、この本発明に従う圧電/電歪膜型素
子は、そのダイヤフラム部位の外面側に設けられた圧電
/電歪作動部による作動によって、その変位や力が効果
的に為され得るようになっているところから、圧電/電
歪アクチュエータとして有利に用いられ得るものであ
る。フィルター、超音波センサや角速度センサや加速度
センサや衝撃センサ等の各種センサ、トランス、マイク
ロフォン、発音体(スピーカ等)、ディスクリミネー
タ、動力用や通信用の振動子や発振子や共振子の他、デ
ィスプレイや内野研二著(日本工業技術センター編)
「圧電/電歪アクチュエータ 基礎から応用まで」(森
北出版)に記載のサーボ変位素子、パルス駆動モータ、
超音波モータ、圧電ファン等に用いられるユニモルフ
型、バイモルフ型等の屈曲変位を発生させるタイプのア
クチュエータ等として、本発明の素子は、特に有利に用
いられ得るものである。また、厚膜コンデンサ素子とし
ても、好適に用いることが出来るのである。
【0046】因みに、図5には、本発明に従う圧電/電
歪膜型素子の更に具体的な一例が概略的に示されてお
り、また図6には、その分解斜視図が示されている。そ
して、そこに図示される圧電/電歪膜型素子は、ジルコ
ニア基体22とそのダイヤフラム部位の外表面に配置さ
れた圧電/電歪作動部24とが一体化されてなる構造と
されており、その圧電/電歪作動部24が、印加電圧に
従い、ジルコニア基体22の薄肉のダイヤフラム部位を
屈曲変形せしめるようになっている。
【0047】より詳細には、ジルコニア基体22は、そ
れぞれ、所定のジルコニア材料からなる薄肉の平板形状
を呈する閉塞プレート(ダイヤフラム板)26と接続プ
レート(ベースプレート)28が、同じく所定のジルコ
ニア材料からなるスペーサプレート(ベースプレート)
30を挟んで、重ね合わされてなる構造をもって、一体
的に形成されている。そして、この接続プレート28に
は、連通用開孔部32が形成されている。なお、この連
通用開孔部32の個数、形状、寸法、位置等は、圧電/
電歪膜型素子の用途に応じて適宜に選定されることとな
る。また、スペーサプレート30には、正方形状の窓部
36が複数個(ここでは3個)形成されている。そし
て、それら各窓部36に対して、前記接続プレート28
に設けられた各1つの連通用開孔部32が開孔せしめら
れるように、かかるスペーサプレート30が、接続プレ
ート28に対して重ね合わされているのである。更にま
た、このスペーサプレート30における接続プレート2
8が重ね合わされた側とは反対側の面には、閉塞プレー
ト26が重ね合わされており、この閉塞プレート26に
て窓部36の開孔が覆蓋されている。それによって、ジ
ルコニア基体22の内部には、連通用開孔部32を通じ
て、外部に連通された加圧室38が形成されているので
ある。なお、このようなジルコニア基体22は、前述せ
るように、所定のジルコニア材料を用いて、一体焼成品
として形成されている。また、ここでは、閉塞プレート
(ダイヤフラム板)とスペーサプレート(ベースプレー
ト)と接続プレート(ベースプレート)とから構成され
る3層構造品を例示したが、4層構造品或いはそれ以上
の多層構造品とすることも可能である。
【0048】また、かかるジルコニア基体22には、そ
の閉塞プレート26の外面上における、各加圧室38に
対応する部位に、それぞれ、膜状の圧電/電歪作動部2
4が設けられている。この圧電/電歪作動部24は、ジ
ルコニア基体22の窓部36部位に位置する閉塞プレー
ト26部分、即ちダイヤフラム部位の外面上に、下部電
極40、圧電/電歪層42及び上部電極44を膜形成法
によって順次形成することにより、構成されたものであ
る。従って、この圧電/電歪膜型素子にあっては、その
圧電/電歪作動部24の作動に基づいて、加圧室38内
が加圧せしめられることとなり、以てかかる加圧室38
内の流体の吐出が効果的に実現され得るのである。ま
た、本構造の圧電/電歪膜型素子は、アクチュエータと
してだけではなく、ダイヤフラム部の屈曲変位を電圧信
号として取り出し、センサとしても使用され得るもので
ある。
【0049】なお、このような構造の圧電/電歪膜型素
子は、前述のように、圧電/電歪層42の少なくとも一
部の周縁部が下部電極40の対応する周縁部よりも側方
に延び出して、ダイヤフラム部位(26)上に対向位置
するオーバーハング部42aを構成しているのであり、
また、そのようなオーバーハング部42aと、その直下
のダイヤフラム部位(26)との間には、アルミナとマ
グネシアとの化合物を主体とする接合阻止粒子20が介
在せしめられて、それらの間が不完全結合の状態とされ
ているのである。
【0050】このように、本発明において対象とする圧
電/電歪膜型素子は、前述したように、アクチュエータ
やセンサやトランデューサとして、有利には、スピーカ
ー、ディスプレイ、サーボ変位素子、パルス駆動モー
タ、超音波モータ、加速度センサ、衝撃センサ、振動
子、発振子、共振子等の構成部材に用いられ得るもので
あるが、勿論、その他の公知の各種の用途にも有利に用
いられ得ることは、言うまでもないところである。
【0051】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって何等の制約をも受
けるものでないことは、言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記
した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限
りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0052】実施例 1 図5及び図6に示される如き圧電/電歪膜型素子を作製
すべく、0.3mm×0.5mmの大きさの矩形の窓部
36が、基板長手方向に0.2mmの間隔で、0.3m
m辺の方向に、10個配列されてなる、ダイヤフラム部
位(26)におけるアルミナ含有量が下記表1に示され
る如く異なる、焼成済のジルコニア基体22を準備し、
そして該ジルコニア基体22のダイヤフラム部位(2
6)の外面上に、以下の如くして、下部電極40、圧電
/電歪層42、上部電極44を、それぞれ、所定大きさ
において順次積層形成した。なお、図5に示される素子
(焼成後)の寸法において、下部電極40の左右方向の
幅は0.24mm、圧電/電歪層42の左右方向の幅は
0.32mm、上部電極44の左右方向の幅は0.26
mmとなるように、それぞれの層が形成され、またジル
コニア基体22を構成する接続プレート28には、左右
方向の幅が0.30mmの窓部36の中心に位置するよ
うに、0.2mmφの連通用開口部32を設けた。
【0053】なお、かかる素子の作製にあたっては、ジ
ルコニア基体22の基体部(ベースプレート)を構成す
る接続プレート28及びスペーサプレート30の厚さ
が、それぞれ、焼成後において150μmとなるように
為し、また、ダイヤフラム部を与えるダイヤフラム板2
6の厚さが、焼成後において、14μmとなるようにし
た。また、それら接続プレート28やスペーサプレート
30及びダイヤフラム板21を与える材料としては、3
モル%のイットリアで部分安定化したジルコニアを用い
た。そして、かかるダイヤフラム板26を接続プレート
28やスペーサプレート30に重ね合わせて、一体的な
ジルコニア基体22を得るために、それぞれのグリーン
シートを、下記の如くして作製し、そして積層圧着し
て、焼成を行なった。
【0054】a)ダイヤフラム板26用グリーンシート
の作製 3モル%イットリア部分安定化ジルコニア粉末(平均粒径0.4μm) (100−x)重量部 アルミナ粉末(平均粒径0.2μm) x重量部 ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 9.0重量部 ジオクチルフタレート(可塑剤) 4.5重量部 ソルビタン脂肪酸エステル系分散剤 2.0重量部 トルエン/イソプロピルアルコール(50/50)混合溶剤 70重量部 上記の組成を、ジルコニア玉石を用いてポットミル混合
し、初期粘度1200cps(センチポイズ)のスラリ
ーを得た。次いで、このスラリーを真空脱泡、粘度調整
し、2000cpsとした後、リバースロールコーター
装置にて、焼成後の厚さが8μm若しくは14μmとな
るダイヤフラム部を与えるようなグリーンシートを成形
した。なお、乾燥は、50℃で10分間行なった。
【0055】b)接続プレート28、スペーサプレート
30用グリーンシートの作製 3モル%イットリア部分安定化ジルコニア粉末(平均粒径0.4μm) 100重量部 ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) 8.0重量部 ジオクチルフタレート(可塑剤) 4.0重量部 ソルビタン脂肪酸エステル系分散剤 1.0重量部 キシレン/ノルマルブチルアルコール(50/50)混合溶剤 63重量部 上記の組成を、ジルコニア玉石を用いて、ポットミル混
合し、初期粘度2000cpsのスラリーを得た。次い
で、このスラリーを真空脱泡、粘度調整し、5000c
psとした後、ドクターブレード装置にて、焼成後の厚
みが150μmとなるようにグリーンシートを成形し
た。なお、乾燥は、80℃で2時間行なった。
【0056】そして、上記の如くして得られた接続プレ
ート、スペーサプレート用グリーンシートをそれぞれ所
定の金型にてパターン打ち抜き(連通用開口部32の形
成、窓部36の形成)した後、これらに、上記で作製し
たダイヤフラム板用グリーンシートを重ね合わせ、10
0kg/cm2 の圧力下に、80℃×1分の条件にて、熱
圧着せしめた。更に、この得られた一体積層物を150
0℃の温度で2時間焼成し、ダイヤフラム部(26)の
アルミナ含有量が種々異なる各種のジルコニア基体22
を得た。
【0057】次いで、この得られた各種のジルコニア基
体22を用いて、そのダイヤフラム部(26)の外面上
の所定位置に、焼成後の厚さが3μmとなるように、白
金ペーストをスクリーン印刷法にて印刷し、120℃で
10分間乾燥した後、1350℃で2時間焼成すること
により、下部電極40を形成した。
【0058】更に、その後、かかる下部電極40上に、
圧電/電歪層形成用ペーストを、スクリーン印刷法によ
り、焼成後の厚みが30μmとなるように印刷し、12
0℃で20分間乾燥した後、1275℃で2時間焼成す
ることにより、圧電/電歪層42を形成した。この圧電
/電歪層42の形成により、図5の左右方向において、
約0.04mmの長さのオーバーハング部42aが形成
された。なお、圧電/電歪材料には、38モル%のマグ
ネシウムニオブ酸鉛と24モル%のジルコン酸鉛と38
モル%のチタン酸鉛とからなる材料(Pbの一部がSr
及びLaにて置換されている)の粉末(平均粒子径0.
9μm)を用い、この粉末の100重量部とアクリル系
バインダ3重量部とテルピネオール(溶剤)20重量部
からなる組成物を混練して、粘度が100000cps
のペーストとすることにより、圧電/電歪層形成用ペー
ストを調製した。また、かかる圧電/電歪層42の焼成
においては、圧電/電歪層形成用ペーストの調製に用い
た圧電/電歪材料粉末を、焼成炉内に存在せしめ、焼成
雰囲気の制御を行なった。
【0059】そして、かかる圧電/電歪層42の焼成操
作が終了した後、該圧電/電歪層42の上に、スパッタ
リング法によりCr薄膜を形成し、更にその上にCu膜
を形成して、上部電極44を構成し、以て目的とする各
種の圧電/電歪膜型素子を得た。なお、この得られた圧
電/電歪膜型素子における各圧電/電歪作動部24の上
部電極44と下部電極40との間に、変位方向に対して
順方向となるように、40Vの電圧を10分間かけて、
それぞれ分極処理せしめた。
【0060】かくして得られた各種の圧電/電歪膜型素
子(n=5、圧電/電歪作動部24の数=50)につい
て、その変位量(30V印加駆動)の平均、また変位の
バラツキ、更には圧電/電歪層42のオーバーハング部
42aとその直下の下部電極40の存在しない対向する
ダイヤフラム部位(26)との間の不完全結合状態をそ
れぞれ調べ、その結果を、下記表1に示した。
【0061】なお、不完全結合状態の評価は、以下の如
くして圧電/電歪層(42)のピール強度を測定するこ
とにより、行なった。先ず、ダイヤフラム板26と同一
組成のセラミックス基板(厚さ:300μm)上に、下
部電極用白金ペーストをスクリーン印刷し、120℃で
10分乾燥した後、1350℃で2時間焼成して、白金
電極膜の厚みが3μm、電極パターン大きさが5mm×
5mmの電極膜付セラミックス基板を得た。次いで、こ
の電極膜付セラミックス基板に対して、該電極膜が中心
に位置するように、その上に、実際に使用した圧電/電
歪層42を、焼成後のパターン大きさが10mm×10
mmで、30μm厚さとなるように形成して、圧電/電
歪膜型素子と同条件にて焼成することにより、圧電/電
歪層の周縁部がオーバーハング部とされた評価試料を得
た。その後、この評価試料における、下方に電極膜の存
在しない圧電/電歪層のオーバーハング部とセラミック
ス基板との間にピール強度を測定するために、当該オー
バーハング部分を、セラミックス基板と共に、2mm×
2mmのサイズに、レーザー加工にてカットし、該オー
バーハング部のピール強度を測定した。即ち、0.8m
mφの太さのピール強度測定用L型リード線を2mm×
2mmの圧電/電歪膜表面に接着剤で接着し、このリー
ド線を引張試験機で20mm/minの速度で引っ張
り、圧電/電歪層が剥れる値を1mm2 あたりに換算し
てピール強度とした。
【0062】
【表1】 * 比較例
【0063】かかる表1の結果から明らかなように、ジ
ルコニア基体22のダイヤフラム部(26)に所定量の
アルミナを含有せしめたNo.1及びNo.2の圧電/電
歪膜型素子にあっては、圧電/電歪層42を形成するた
めの圧電/電歪材料にマグネシアを化合物形態で含んで
いるところから、かかる圧電/電歪層42の焼成時にお
いて、そのマグネシア成分が移動し、オーバーハング部
42aとその直下のダイヤフラム部(26)との界面に
おいて、該ダイヤフラム部(26)に存在するアルミナ
成分と反応して、アルミナとマグネシアの化合物(スピ
ネルであることが確認されている)を主体とする粒子2
0を生成、析出せしめ、図3に示される如き粒子の析出
形態を呈し、以てそれらの間の強固な融合乃至は癒着を
効果的に阻止して、優れた変位特性を実現しているので
ある。
【0064】これに対して、圧電/電歪膜型素子を構成
するジルコニア基体22のダイヤフラム部(26)に、
アルミナを存在させない場合(No.3)にあっては、
圧電/電歪層42のオーバーハング部42aとその直下
のダイヤフラム部(26)との界面に、スピネル粒子の
如き、マグネシアとアルミナの化合物粒子が全く析出し
ないために、それらの界面が癒着しており、それによっ
て、素子の変位量が低く、また変位バラツキも大きいこ
とが認められた。
【0065】実施例 2 実施例1におけるアルミナ粉末を含有しない(x重量%
=0)ダイヤフラム板26用グリーンシートと共に、接
続プレート28、スペーサプレート30用グリーンシー
トを用いて、実施例1と同様な、10個の矩形の窓部3
6が長手方向に配列されてなる焼成済のジルコニア基体
22を準備した。
【0066】次いで、かかる得られた焼成済のジルコニ
ア基体22のダイヤフラム部26の外面上における下部
電極40の形成部位の周りに且つ該下部電極40の周縁
部と重なり得るように、0.10mmの幅において、ア
ルミナ粉末のペースト化物若しくはスピネル粉末のペー
スト化物を用いて、所定の分離層を、ダイヤフラム部
(26)上にスクリーン印刷し、次いで焼成(1450
℃×2時間)することにより、形成した。なお、かかる
分離層の厚さは、その焼成後の厚さが2μmとなるよう
にした。
【0067】その後、このようにして得られたジルコニ
ア基体22のそれぞれの窓部36に対応するダイヤフラ
ム部(26)上に、実施例1と同様にして、下部電極4
0、圧電/電歪層42、及び上部電極44を順次形成し
て、10個の圧電/電歪作動部24が配列された圧電/
電歪膜型素子を作製した。
【0068】かくして得られた2種類(No.4及びNo.
5)の圧電/電歪膜型素子について、その変位量(平
均)及び変位バラツキを実施例1と同様にして調べ、ま
た圧電/電歪層42のオーバーハング部42aとその直
下のダイヤフラム部(26)との間の不完全結合状態に
ついても、実施例1と同様にしてピール強度において調
べ、それらの結果を、下記表2に示した。なお、ここで
のピール強度測定用の評価試料においては、セラミック
ス基板と圧電/電歪層のオーバーハング部との間に、上
記素子と同様なアルミナ若しくはスピネル分離層(2m
m厚)が介在せしめられて、圧電/電歪層の焼成が行な
われている。
【0069】
【表2】
【0070】かかる表2の結果から明らかなように、ア
ルミナ粉末やスピネル粉末からなる分離層を、オーバー
ハング部42aとダイヤフラム部(26)との間に介在
せしめて、圧電/電歪層42の焼成を行なうことによ
り、それらの間の強固な癒着は効果的に回避され、以て
変位量が大きく且つ変位バラツキの少ない素子が実現さ
れ得ることとなったのである。なお、スピネル粉末から
なる分離層が、圧電/電歪層42の焼成後において、図
4に示される如きスピネル粒子(20)からなる介在層
(21)を与えることは勿論、アルミナ粉末からなる分
離層にあっても、そのアルミナ成分は、圧電/電歪層4
2の焼成時において、かかる圧電/電歪層42から移動
してきたマグネシア成分と反応して、スピネル等の化合
物を生じ、そしてそれが析出して、スピネル粒子等の化
合物粒子(20)からなる介在層(21)を形成してい
ることが、確認されている。
【0071】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う圧電/電歪膜型素子においては、その圧電/電歪
作動部における圧電/電歪層のオーバーハング部が、そ
の直下の、下部電極の存在しないダイヤフラム部との間
において、アルミナとマグネシアとの化合物を主体とす
る粒子の介在によって、不完全結合状態とされて、それ
らの間の癒着乃至は融合によるところの拘束を受けない
ようになっているところから、圧電/電歪作動部の作動
特性乃至は変位特性が、効果的に向上せしめられ得るこ
ととなるのである。
【0072】また、本発明に従う圧電/電歪膜型素子の
製造法によれば、圧電/電歪層の焼成時に、オーバーハ
ング部とその直下のダイヤフラム部との界面において、
アルミナとマグネシアとの化合物を主体とする粒子が析
出乃至は介在せしめられることにより、そのような化合
物粒子の圧電/電歪層に対する低い反応性によって、そ
れらオーバーハング部とダイヤフラム部との強固な融合
乃至は接合を効果的に回避し得て、そのような接合によ
る圧電/電歪層における残留応力が大となることに起因
する物性低下を回避し、また接合の有無のバラツキによ
る圧電/電歪層の焼結バラツキ、残留応力のバラツキ、
素子の剛性バラツキ等の問題の発生を解消し、変位量等
の圧電/電歪特性や共振周波数特性等のバラツキを効果
的に抑制し得ることとなったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う圧電/電歪膜型素子の基本的な構
造の一例を示す部分断面説明図である。
【図2】図1に示される圧電/電歪膜型素子の圧電/電
歪作動部の各層の配設形態を示す平面説明図である。
【図3】本発明に従う圧電/電歪膜型素子の一例を示す
部分断面図である。
【図4】本発明に従う圧電/電歪膜型素子の他の一例を
示す部分断面説明図である。
【図5】本発明に従う圧電/電歪膜型素子の更に他の一
例を示す断面説明図である。
【図6】図5に示される圧電/電歪膜型素子の分解斜視
図である。
【符号の説明】
2、22 ジルコニア基体 4 ベー
スプレート 5 覆蓋プレート 6、36 窓部 8 ダイヤフラム板 10 ダイ
ヤフラム部位 12、40 下部電極 14、42 圧
電/電歪層 14a、42a オーバーハング部 16、44 上部電極 18、24 圧電/電歪作動部 20 アルミナ・マグネシア化合物粒子 21 介在層 26 閉塞プレート(ダイヤフラム部位) 28 接続プレート 30 スペーサプレート 32 連通用開孔部 38 加圧室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 伸夫 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの空所を有すると共に、
    該空所を覆蓋するように、薄肉のダイヤフラム部を一体
    に設けてなるジルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外
    面上に膜形成法によって層状に順次設けた下部電極、圧
    電/電歪層及び上部電極より構成される膜状の圧電/電
    歪作動部とを備えた圧電/電歪膜型素子にして、 前記圧電/電歪層の少なくとも一部の周縁部が、前記下
    部電極の対応する周縁部よりも側方に延び出して、前記
    ダイヤフラム部上に対向位置するオーバーハング部を構
    成していると共に、該オーバーハング部が、それとその
    直下のダイヤフラム部位との間に、アルミナとマグネシ
    アとの化合物を主体とする粒子が介在せしめられること
    によって、かかる直下のダイヤフラム部位に対して、不
    完全結合状態とされていることを特徴とする圧電/電歪
    膜型素子。
  2. 【請求項2】 少なくとも一つの空所を有すると共に、
    該空所を覆蓋するように、薄肉のダイヤフラム部を一体
    に設けてなるジルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外
    面上に膜形成法によって層状に順次設けた下部電極、圧
    電/電歪層及び上部電極より構成される膜状の圧電/電
    歪作動部とを備えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際
    して、 少なくとも前記ダイヤフラム部にアルミナを含有せしめ
    てなる焼成済のジルコニア基体を準備して、該ジルコニ
    ア基体のダイヤフラム部の外面上に前記下部電極を形成
    した後、更に、該下部電極上に、マグネシア若しくはそ
    れを与える成分を独立して又は化合物形態において含有
    する圧電/電歪材料を用いて、少なくとも一部の周縁部
    が該下部電極の対応する周縁部よりも側方に延び出し
    て、前記ダイヤフラム部上に対向位置するオーバーハン
    グ部を構成するように、膜形成法にて前記圧電/電歪層
    を形成せしめ、そして該圧電/電歪層の焼成を行なうこ
    とにより、少なくとも、かかるオーバーハング部とその
    直下の前記ダイヤフラム部位との界面において、アルミ
    ナとマグネシアとの化合物を主体とする粒子を析出せし
    めて、それらオーバーハング部とその直下のダイヤフラ
    ム部位との間が不完全結合状態となるようにしたことを
    特徴とする圧電/電歪膜型素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも一つの空所を有すると共に、
    該空所を覆蓋するように、薄肉のダイヤフラム部を一体
    に設けてなるジルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外
    面上に膜形成法によって層状に順次設けた下部電極、圧
    電/電歪層及び上部電極より構成される膜状の圧電/電
    歪作動部とを備えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際
    して、 焼成済の前記ジルコニア基体を準備して、該ジルコニア
    基体のダイヤフラム部の外面上に、アルミナ若しくはそ
    れを与える成分を含有せしめてなる電極材料を用いて、
    膜形成法によって前記下部電極を形成した後、更に、該
    下部電極上に、マグネシア若しくはそれを与える成分を
    独立して又は化合物形態において含有する圧電/電歪材
    料を用いて、少なくとも一部の周縁部が該下部電極の対
    応する周縁部よりも側方に延び出して、前記ダイヤフラ
    ム部上に対向位置するオーバーハング部を構成するよう
    に、膜形成法にて前記圧電/電歪層を形成せしめ、そし
    て該圧電/電歪層の焼成を行なうことにより、少なくと
    も、かかるオーバーハング部とその直下の前記ダイヤフ
    ラム部位との界面において、アルミナとマグネシアとの
    化合物を主体とする粒子を析出せしめて、それらオーバ
    ーハング部とその直下のダイヤフラム部位との間が不完
    全結合状態となるようにしたことを特徴とする圧電/電
    歪膜型素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも一つの空所を有すると共に、
    該空所を覆蓋するように、薄肉のダイヤフラム部を一体
    に設けてなるジルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外
    面上に膜形成法によって層状に順次設けた下部電極、圧
    電/電歪層及び上部電極より構成される膜状の圧電/電
    歪作動部とを備えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際
    して、 焼成済の前記ジルコニア基体を準備して、該ジルコニア
    基体のダイヤフラム部の外面における少なくとも前記下
    部電極形成部位の周りに、アルミナ若しくはそれを与え
    る成分を含む分離層を形成せしめる一方、該分離層の形
    成に先立って若しくは該分離層の形成の後に、かかるダ
    イヤフラム部の外面上に前記下部電極を形成した後、更
    に、該下部電極上に、マグネシア若しくはそれを与える
    成分を独立して又は化合物形態において含有する圧電/
    電歪材料を用いて、少なくとも一部の周縁部が該下部電
    極の対応する周縁部よりも側方に延び出して、前記ダイ
    ヤフラム部上に対向位置するオーバーハング部を構成す
    るように、膜形成法にて前記圧電/電歪層を形成せし
    め、そして該圧電/電歪層の焼成を行なうことにより、
    少なくとも、かかるオーバーハング部とその直下の前記
    ダイヤフラム部位との界面において、アルミナとマグネ
    シアとの化合物を主体とする粒子を析出せしめて、それ
    らオーバーハング部とその直下のダイヤフラム部位との
    間が不完全結合状態となるようにしたことを特徴とする
    圧電/電歪膜型素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも一つの空所を有すると共に、
    該空所を覆蓋するように、薄肉のダイヤフラム部を一体
    に設けてなるジルコニア基体と、該ダイヤフラム部の外
    面上に膜形成法によって層状に順次設けた下部電極、圧
    電/電歪層及び上部電極より構成される膜状の圧電/電
    歪作動部とを備えた圧電/電歪膜型素子を製造するに際
    して、 焼成済の前記ジルコニア基体を準備して、該ジルコニア
    基体のダイヤフラム部の外面における少なくとも前記下
    部電極形成部位の周りに、アルミナ若しくはそれを与え
    る成分とマグネシア若しくはそれを与える成分を含む、
    又はアルミナとマグネシアとの化合物を主体とする粒子
    を含む分離層を形成せしめる一方、該分離層の形成に先
    立って若しくは該分離層の形成の後に、かかるダイヤフ
    ラム部の外面上に前記下部電極を形成した後、更に、該
    下部電極上に、少なくとも一部の周縁部が該下部電極の
    対応する周縁部よりも側方に延び出して、前記ダイヤフ
    ラム部上に対向位置するオーバーハング部を構成するよ
    うに、膜形成法にて前記圧電/電歪層を形成せしめ、そ
    して該圧電/電歪層の焼成を行なうことにより、少なく
    とも、かかるオーバーハング部とその直下の前記ダイヤ
    フラム部位との界面において、アルミナとマグネシアと
    の化合物を主体とする粒子を析出乃至は介在せしめて、
    それらオーバーハング部とその直下のダイヤフラム部位
    との間が不完全結合状態となるようにしたことを特徴と
    する圧電/電歪膜型素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記析出せしめられる粒子が、スピネル
    粒子である請求項2乃至請求項5の何れかに記載の圧電
    /電歪膜型素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記圧電/電歪材料が、圧電/電歪特性
    を示す組成の一成分としてマグネシアを含むものである
    請求項2乃至請求項6の何れかに記載の圧電/電歪膜型
    素子の製造方法。
JP34241495A 1995-12-28 1995-12-28 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3344888B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34241495A JP3344888B2 (ja) 1995-12-28 1995-12-28 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法
US08/777,953 US5814920A (en) 1995-12-28 1996-12-23 Piezoelectric/electrostrictive film-type element and method for producing the same
DE1996610758 DE69610758T2 (de) 1995-12-28 1996-12-24 Piezoelektrisches/Elektrostriktives Element vom Dünnschicht-Typ und Verfahren zu seiner Herstellung
EP19960309505 EP0782203B1 (en) 1995-12-28 1996-12-24 Piezoelectric/electrostrictive film-type element and method for producing the same
US09/057,398 US6088893A (en) 1995-12-28 1998-04-09 Method for producing a piezoelectric/electrostrictive film-type element
US09/567,067 US6263552B1 (en) 1995-12-28 2000-05-08 Method of producing piezoelectric/electrostrictive film-type element

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34241495A JP3344888B2 (ja) 1995-12-28 1995-12-28 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09186372A true JPH09186372A (ja) 1997-07-15
JP3344888B2 JP3344888B2 (ja) 2002-11-18

Family

ID=18353552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34241495A Expired - Fee Related JP3344888B2 (ja) 1995-12-28 1995-12-28 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (3) US5814920A (ja)
EP (1) EP0782203B1 (ja)
JP (1) JP3344888B2 (ja)
DE (1) DE69610758T2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6998763B2 (en) 2001-08-31 2006-02-14 Ngk Insulators, Ltd. Ceramic device

Families Citing this family (61)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6004644A (en) * 1994-07-26 1999-12-21 Ngk Insulators, Ltd. Zirconia diaphragm structure and piezoelectric/electrostrictive film element having the zirconia diaphragm structure
JP3267151B2 (ja) * 1996-04-12 2002-03-18 ミノルタ株式会社 圧電振動部材およびその製造方法
US6271619B1 (en) * 1997-05-13 2001-08-07 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Piezoelectric thin film device
WO1999010874A1 (de) * 1997-08-23 1999-03-04 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Schallwandler
DE60040107D1 (de) * 1999-01-29 2008-10-09 Seiko Epson Corp Piezoelektrischer Transducer und Anzeigevorrichtung mit elektrophoretischer Tinte, die den piezoelektrischen Transducer benutzt
AU7461800A (en) * 1999-10-18 2001-04-30 Slab Technology Limited Loudspeaker
DE10019941B4 (de) * 2000-04-20 2012-12-06 Systec Pos-Technology Gmbh Verfahren und System zum Erfassen und Belohnen der Rückführung von Einkaufswagen
JP3482939B2 (ja) * 2000-05-09 2004-01-06 日本碍子株式会社 圧電/電歪膜型素子
GB0015500D0 (en) * 2000-06-23 2000-08-16 Randox Lab Ltd Production of silicon diaphragms by precision grinding
US6800988B1 (en) * 2000-07-11 2004-10-05 Technion Research & Development Foundation Ltd. Voltage and light induced strains in porous crystalline materials and uses thereof
JP3438709B2 (ja) * 2000-08-31 2003-08-18 セイコーエプソン株式会社 圧電デバイス及びその製造方法と圧電発振器の製造方法
JP3465675B2 (ja) * 2000-09-11 2003-11-10 日本碍子株式会社 圧電/電歪膜型素子
JP2004532743A (ja) * 2000-10-25 2004-10-28 ワシントン ステート ユニバーシティ リサーチ ファウンデーション 圧電マイクロトランスデューサ、その使用法および製造法
JP4114321B2 (ja) * 2001-01-31 2008-07-09 富士ゼロックス株式会社 インクジェットプリンタヘッド及びインクジェットプリンタヘッド用の圧電/電歪アクチュエータ
JP3957528B2 (ja) * 2002-03-05 2007-08-15 日本碍子株式会社 圧電/電歪膜型素子
US6548937B1 (en) * 2002-05-01 2003-04-15 Koninklijke Philips Electronics N.V. Array of membrane ultrasound transducers
US6969157B2 (en) * 2002-05-31 2005-11-29 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Piezoelectric element, ink jet head, angular velocity sensor, method for manufacturing the same, and ink jet recording apparatus
US7019438B2 (en) * 2002-06-21 2006-03-28 Ngk Insulators, Ltd. Piezoelectric/electrostrictive film device
US7067961B2 (en) * 2002-07-12 2006-06-27 Ngk Insulators, Ltd. Piezoelectric/electrostrictive film device, and manufacturing method of the device
DE10234773A1 (de) * 2002-07-30 2004-02-12 Daimlerchrysler Ag Einspritzsystem und Drucksensor für ein solches
WO2004013918A1 (ja) * 2002-08-02 2004-02-12 Ngk Insulators, Ltd. 圧電/電歪膜型素子の製造方法
US7040163B2 (en) * 2002-08-12 2006-05-09 The Boeing Company Isolated planar gyroscope with internal radial sensing and actuation
US6944931B2 (en) * 2002-08-12 2005-09-20 The Boeing Company Method of producing an integral resonator sensor and case
US7168318B2 (en) * 2002-08-12 2007-01-30 California Institute Of Technology Isolated planar mesogyroscope
US7388739B2 (en) * 2003-03-31 2008-06-17 Tdk Corporation Green sheet coating material, green sheet, production method of green sheet and production method of electronic device
US7994877B1 (en) 2008-11-10 2011-08-09 Hrl Laboratories, Llc MEMS-based quartz hybrid filters and a method of making the same
US7581443B2 (en) * 2005-07-20 2009-09-01 The Boeing Company Disc resonator gyroscopes
US8766745B1 (en) 2007-07-25 2014-07-01 Hrl Laboratories, Llc Quartz-based disk resonator gyro with ultra-thin conductive outer electrodes and method of making same
US7285844B2 (en) * 2003-06-10 2007-10-23 California Institute Of Technology Multiple internal seal right micro-electro-mechanical system vacuum package
JP2006023186A (ja) * 2004-07-08 2006-01-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 角速度センサおよびその製造方法
US7437253B2 (en) * 2004-07-29 2008-10-14 The Boeing Company Parametrically disciplined operation of a vibratory gyroscope
US7344228B2 (en) * 2004-08-02 2008-03-18 Fujifilm Dimatix, Inc. Actuator with reduced drive capacitance
JP4038734B2 (ja) * 2005-03-01 2008-01-30 富士フイルム株式会社 液体吐出ヘッドの製造方法
JP5004797B2 (ja) * 2005-06-29 2012-08-22 日本碍子株式会社 圧電/電歪膜型素子
WO2007134051A2 (en) * 2006-05-08 2007-11-22 The Penn State Research Foundation High frequency ultrasound transducers
JP4185946B2 (ja) * 2006-07-20 2008-11-26 ホシデン株式会社 圧電型電気音響変換器
US7555824B2 (en) 2006-08-09 2009-07-07 Hrl Laboratories, Llc Method for large scale integration of quartz-based devices
US7564167B2 (en) * 2007-06-20 2009-07-21 Illinois Tool Works Inc. System and method of assembling a trapped acoustic wave system
US10266398B1 (en) 2007-07-25 2019-04-23 Hrl Laboratories, Llc ALD metal coatings for high Q MEMS structures
US7836765B2 (en) * 2007-07-31 2010-11-23 The Boeing Company Disc resonator integral inertial measurement unit
WO2009034682A1 (ja) * 2007-09-13 2009-03-19 Panasonic Corporation 角速度センサ
US8151640B1 (en) 2008-02-05 2012-04-10 Hrl Laboratories, Llc MEMS on-chip inertial navigation system with error correction
US7802356B1 (en) 2008-02-21 2010-09-28 Hrl Laboratories, Llc Method of fabricating an ultra thin quartz resonator component
US8322028B2 (en) 2009-04-01 2012-12-04 The Boeing Company Method of producing an isolator for a microelectromechanical system (MEMS) die
US8393212B2 (en) 2009-04-01 2013-03-12 The Boeing Company Environmentally robust disc resonator gyroscope
US8327526B2 (en) 2009-05-27 2012-12-11 The Boeing Company Isolated active temperature regulator for vacuum packaging of a disc resonator gyroscope
US7911113B1 (en) * 2009-09-02 2011-03-22 Ngk Insulators, Ltd. Piezoelectric/electrostrictive element and method of manufacturing piezoelectric/electrostrictive element
US8881353B2 (en) * 2009-09-07 2014-11-11 Ngk Insulators, Ltd. Method of producing piezoelectric/electrostrictive film type device
US8176607B1 (en) 2009-10-08 2012-05-15 Hrl Laboratories, Llc Method of fabricating quartz resonators
FR2958029B1 (fr) * 2010-03-23 2012-04-20 Sagem Defense Securite Procede de mesure angulaire au moyen d'un capteur vibrant auquel sont appliquees des commandes modulees
US8912711B1 (en) 2010-06-22 2014-12-16 Hrl Laboratories, Llc Thermal stress resistant resonator, and a method for fabricating same
US9250074B1 (en) 2013-04-12 2016-02-02 Hrl Laboratories, Llc Resonator assembly comprising a silicon resonator and a quartz resonator
US9599470B1 (en) 2013-09-11 2017-03-21 Hrl Laboratories, Llc Dielectric high Q MEMS shell gyroscope structure
US9977097B1 (en) 2014-02-21 2018-05-22 Hrl Laboratories, Llc Micro-scale piezoelectric resonating magnetometer
US9991863B1 (en) 2014-04-08 2018-06-05 Hrl Laboratories, Llc Rounded and curved integrated tethers for quartz resonators
US10308505B1 (en) 2014-08-11 2019-06-04 Hrl Laboratories, Llc Method and apparatus for the monolithic encapsulation of a micro-scale inertial navigation sensor suite
US10031191B1 (en) 2015-01-16 2018-07-24 Hrl Laboratories, Llc Piezoelectric magnetometer capable of sensing a magnetic field in multiple vectors
US10110198B1 (en) 2015-12-17 2018-10-23 Hrl Laboratories, Llc Integrated quartz MEMS tuning fork resonator/oscillator
US10175307B1 (en) 2016-01-15 2019-01-08 Hrl Laboratories, Llc FM demodulation system for quartz MEMS magnetometer
US11237000B1 (en) 2018-05-09 2022-02-01 Hrl Laboratories, Llc Disk resonator gyroscope with out-of-plane electrodes
CN111069864A (zh) * 2019-12-31 2020-04-28 泰州市创新电子有限公司 显示器立柱的生产方法、显示器立柱和显示器

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3714609A (en) * 1970-07-31 1973-01-30 D Whitney Microwave ultrasonic delay line
US3916365A (en) * 1972-01-31 1975-10-28 Bailey Motor Company Integrated single crystal pressure transducer
US3969753A (en) * 1972-06-30 1976-07-13 Rockwell International Corporation Silicon on sapphire oriented for maximum mobility
US3872326A (en) * 1974-01-23 1975-03-18 Westinghouse Electric Corp Bidirectional semiconductor switch with improved dV/dt capability
US3955160A (en) * 1975-04-30 1976-05-04 Rca Corporation Surface acoustic wave device
SU805918A1 (ru) * 1979-09-28 1982-03-30 Ордена Трудового Красного Знамени Институт Радиотехники И Электроники Ан Ссср Преобразователь поверхностных акустических волн
US4406992A (en) * 1981-04-20 1983-09-27 Kulite Semiconductor Products, Inc. Semiconductor pressure transducer or other product employing layers of single crystal silicon
GB2161647A (en) * 1984-07-10 1986-01-15 Gen Electric Co Plc Piezoelectric devices
US4996082A (en) * 1985-04-26 1991-02-26 Wisconsin Alumni Research Foundation Sealed cavity semiconductor pressure transducers and method of producing the same
JP2842448B2 (ja) * 1989-07-11 1999-01-06 日本碍子株式会社 圧電/電歪膜型アクチュエータ
US5089455A (en) * 1989-08-11 1992-02-18 Corning Incorporated Thin flexible sintered structures
JPH07108102B2 (ja) * 1990-05-01 1995-11-15 日本碍子株式会社 圧電/電歪膜型アクチュエータの製造方法
US5210455A (en) * 1990-07-26 1993-05-11 Ngk Insulators, Ltd. Piezoelectric/electrostrictive actuator having ceramic substrate having recess defining thin-walled portion
JP2693291B2 (ja) 1990-07-26 1997-12-24 日本碍子株式会社 圧電/電歪アクチュエータ
US5233259A (en) * 1991-02-19 1993-08-03 Westinghouse Electric Corp. Lateral field FBAR
JP3126212B2 (ja) * 1992-03-21 2001-01-22 日本碍子株式会社 圧電/電歪膜型素子
JP3151644B2 (ja) * 1993-03-08 2001-04-03 日本碍子株式会社 圧電/電歪膜型素子
JP3128681B2 (ja) 1994-07-08 2001-01-29 新日本製鐵株式会社 可動モールド式連続鋳造機のモールド用コーティング剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6998763B2 (en) 2001-08-31 2006-02-14 Ngk Insulators, Ltd. Ceramic device

Also Published As

Publication number Publication date
JP3344888B2 (ja) 2002-11-18
EP0782203B1 (en) 2000-10-25
US6263552B1 (en) 2001-07-24
DE69610758T2 (de) 2001-05-10
US6088893A (en) 2000-07-18
US5814920A (en) 1998-09-29
EP0782203A2 (en) 1997-07-02
EP0782203A3 (en) 1998-08-26
DE69610758D1 (de) 2000-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3344888B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法
JP3320596B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法
JP3162584B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法
US6108880A (en) Method of producing a piezoelectric/electrostrictive film element having convex diaphragm portions
JP3501860B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法
JP3471447B2 (ja) セラミックダイヤフラム構造体およびその製造方法
JP3280799B2 (ja) 薄肉ジルコニアダイヤフラム構造体及びその製造法並びにそれを用いた圧電/電歪膜型素子
EP1089349B1 (en) Piezoelectric/electrostrictive device and method of manufacturing same
WO2003061023A1 (fr) Dispositif piezo-electrique/electrostrictif et son procede de production
JPH0549270A (ja) 圧電/電歪アクチユエータ
JP3313531B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法
JP4015820B2 (ja) 配線基板及びその製造方法
JP3894112B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子
JP3592023B2 (ja) 機能性膜素子の製造方法
JP4067491B2 (ja) 圧電/電歪デバイスの製造方法
JP3366132B2 (ja) セラミックダイヤフラム構造体及びその製造方法
JP3366158B2 (ja) セラミックダイヤフラム構造体及びその製造方法
JP2003133613A (ja) セラミックダイヤフラム構造体及びその製造方法
JP2003152236A (ja) セラミックダイヤフラム構造体及びその製造方法
JPH11346013A (ja) 圧電/電歪素子
JP2003163386A (ja) 圧電/電歪デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080830

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080830

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090830

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100830

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100830

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110830

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120830

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130830

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees