JP3128681B2 - 可動モールド式連続鋳造機のモールド用コーティング剤 - Google Patents

可動モールド式連続鋳造機のモールド用コーティング剤

Info

Publication number
JP3128681B2
JP3128681B2 JP06179778A JP17977894A JP3128681B2 JP 3128681 B2 JP3128681 B2 JP 3128681B2 JP 06179778 A JP06179778 A JP 06179778A JP 17977894 A JP17977894 A JP 17977894A JP 3128681 B2 JP3128681 B2 JP 3128681B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
coating agent
type continuous
continuous casting
casting machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06179778A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0825004A (ja
Inventor
茂樹 樫尾
厚史 石川
利樹 山本
昌光 若生
敏之 梶谷
安生 皆川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP06179778A priority Critical patent/JP3128681B2/ja
Publication of JPH0825004A publication Critical patent/JPH0825004A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3128681B2 publication Critical patent/JP3128681B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可動モールド式連続鋳
造機のモールドに塗布するコーティング剤に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】可動モールド式連続鋳造機、例えば、ベ
ルト式連続鋳造機で薄鋳片を製造する時に、割れの無い
良質な鋳片を得るためにはベルトと鋳片間の摩擦力を減
じ、鋳片内部に発生する応力の低減を図る事が重要であ
る。
【0003】例えば特開平5―138307号公報に
は、金属ベルトと鋳片の摩擦力を減じるために、B
23、PbO、Fe2SiO4、CaSiO4の低融点
(1560℃未満)の酸化物と水ガラスを混合したコー
ティング剤を、金属ベルト表面へ直接塗布してその金属
ベルト表面にコーティング層を設けることが提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ベルト式連続
鋳造機で鋳片を製造する際に、溶鋼が凝固を始めるメニ
スカス部に溶鋼中の介在物、例えばAl23が浮上する
場合があり、上記特開平5―138307号公報で提案
のコーティング剤はこの浮上した介在物を吸収すること
が出来ず、鋳造した鋳片の表面にその介在物、例えばア
ルミナクラスター等に起因する表面欠陥が生じる。
【0005】更に、上記従来のコーティング剤は低融点
酸化物と水ガラスの混合物であることから、流動性が非
常に悪く、前記金属ベルト表面へのコーティングが非常
に困難で作業性が悪く、しかも、例えコーティングが出
来たとしてもコーティング斑が出来て、鋳片に凹凸が発
生したり、不均一冷却による鋳片表面割れの発生、更に
は潤滑性が不均等となり鋳片に拘束性割れが発生する等
の問題が生じるものである。
【0006】本発明は上記問題を生じることなく、メニ
スカス部に浮上した介在物を確実に吸収すると共に金属
ベルト等の可動モールド表面に斑なくコーティングを可
能として、良好な薄鋳片を製造することを課題とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであり、その手段1は溶融金属
を鋳造する可動モールド式連続鋳造機のモールド表面の
コーティング剤において、溶融温度が600から150
0℃であり、その成分はSiO2:5〜50重量%、A
23:0.5〜15重量%、CaO:10〜40重量
%、MgO:0.5〜15重量%、Li2O:0.5〜
10重量%、F-:3〜30重量%を含む材料にバイン
ダーとして無機バインダー0.5〜10重量%及び/又
は有機バインダー0.01〜5重量%を添加した固形材
料に、固形分濃度((固形材料重量×100)/(固形
材料重量+水重量))が25〜75重量%になる量の水
を添加してスラリーとしたコーティング剤である。
【0008】手段2は、溶融温度が600から1500
℃であり、その成分はSiO2:5〜50重量%、Al2
3:0.5〜15重量%、CaO:10〜40重量
%、Na2O:0.5〜30重量%、MgO:0.5〜
15重量%、Li2O:0.1〜10重量%、F-:3〜
30重量%を含む材料にバインダーとして無機バインダ
ー0.5〜10重量%及び/又は有機バインダー0.0
1〜5重量%を添加した固形材料に、固形分濃度((固
形材料重量×100)/(固形材料重量+水重量))が
25〜75重量%になる量の水を添加してスラリーとし
た可動モールド式連続鋳造機のモールド用コーティング
剤である。
【0009】手段3は、溶融温度が600から1500
℃であり、その成分はSiO2:5〜50重量%、Al2
3:0.5〜15重量%、CaO:10〜40重量
%、Na2O:0.5〜30重量%、MgO:0.5〜
15重量%、Li2O:0.1〜10重量%、F-:3〜
30重量%を含む混合材料100重量%に、炭素質粉末
を50重量%以下加え、これにバインダーとして無機バ
インダー0.5〜10重量%及び/又は有機バインダー
0.01〜5重量%を添加した固形材料に、固形分濃度
((固形材料重量×100)/(固形材料重量+水重
量))が25〜75重量%になる量の水を添加してスラ
リーとした可動モールド式連続鋳造機のモールド用コー
ティング剤である。
【0010】そして、前記SiO2の原料として珪石
粉、粘土等が使用出来、Al23の原料としてアルミナ
粉、ボーキサイト粉末等が使用出来る。
【0011】更に、CaOの原料として石灰石粉、蛍石
粉、Na2Oの原料としてソーダ灰、フッ化ナトリュー
ム、氷晶石、MgOの原料としてマグネシア粉末、炭酸
マグネシューム、Li2Oの原料として炭酸リチュー
ム、ペタライト粉末、F-の原料として蛍石粉氷晶石、
フッ化ソーダ、フッ化アルミニューム等が各々使用出来
る。
【0012】又、本発明のコーティング剤が塗布可能な
可動モールド式連続鋳造機の可動モールドとしては、前
記のようにベルト式連続鋳造機に金属ベルト、ドラム式
連続鋳造機の金属ドラム、キャタピラー式連続鋳造機の
金属キャタピラーがあり、又、各可動モールドの短片側
のダムブロックがある。
【0013】
【作用】本発明者等は可動モールド式連続鋳造機である
前記ベルト式連続鋳造機で良好な薄鋳片を製造すること
が出来るコーティング剤を得るため、種々実験・検討を
重ねた結果下記の事が判明した。
【0014】該コーティング剤の溶融温度範囲は60
0℃〜1500℃であることが必要である。
【0015】即ち、コーティング剤の溶融温度が150
0℃を超えると、金属ベルト表面に塗布したコーティン
グ剤が溶鋼温度(約1540℃)によって溶融しなくな
り、潤滑性が発現しない。
【0016】これらの関係は図2に示すようにSiC発
熱体Aで炉内を加熱可能にしたマッフル炉G内に、溶融
温度が1500℃のコーティング剤Cを塗布した黒鉛レ
ンガ(5800g荷重、すべり面は、28mmφ、61
0g/mm2)Bを置き、その上に重りDを白金線Fで
繋いだレンガEを置き、そのレンガEが動き出す温度を
測定する実験装置で見い出した。
【0017】この実験装置で見い出したコーティング剤
の溶融温度と1500℃における摩擦係数、および得ら
れた鋳片品質結果との関係を図1に示す。
【0018】この図1から分かるようにコーティング剤
の溶融温度が1500℃を超えると摩擦係数が急激に上
昇することが判る。これは1500℃以下の溶融温度の
コーティング剤は1500℃において既に液状になって
いるのに対し、溶融温度が1500℃を越えるコーティ
ング剤は、1500℃においても溶融しないものと推察
される。
【0019】また、溶融温度が600℃未満になると金
属ベルト表面に塗布したコーティング剤が早期に溶融し
て液状となって流動し易い状態になることから、金属ベ
ルト表面を流れて局部的に、その融液が厚くなったり薄
くなることがあり、前記コーティング剤に塗布ムラが生
じた場合と同様の問題を発生する。
【0020】更に、安定して1500℃〜600℃の
溶融温度を得るためには下記成分を有する複数の材料を
混合使用する必要がある。
【0021】以下にその理由を説明する。
【0022】先ず、SiO2が5重量%未満では高温状
態でガラス性が不足し、その効果を発揮しなくなって、
冷却時に溶融フィルムは過冷却をせず、低温での変形能
が失われ、コーティング層表面の潤滑性が低下する結
果、コーティング層と鋳片間の摩擦係数が上昇する。
【0023】また、50重量%を超えれば、他の成分を
含有した材料の添加量が少なくなりコーティング剤の流
動性が悪くなると共に溶融温度が1500℃より高くな
り、コーティング層の生成が不十分となって潤滑機能を
失う。
【0024】Al23が0.5重量%未満では、コーテ
ィング剤の溶融温度を下げる効果を発揮することが困難
となり、逆に15重量%を超えると、Al23の化合物
を形成して高溶融点化し、潤滑性を失う。
【0025】Na2Oはコーティング剤の溶融温度を下
げる溶融温度降下剤として用いられ、下記Li2Oの添
加量を低減することが出来るので好ましい。
【0026】しかし、Na2Oは溶融金属に接触すると
ガス化して鋳造鋳片の表面性状が悪化することがあり、
厳格鋼(高品質鋼)の場合は使用を避ける。
【0027】さらに、Na2Oを添加する場合におい
て、該Na2Oが0.5重量%未満では、その効果を発
揮することが困難となり、又、30重量%を超えると溶
融温度を下げる効果が飽和すると同時に、スラリーにし
た場合に水和反応が発生してスラリーがゲル化し安定し
なくなる。
【0028】F-はコーティング剤が溶融状態になった
際、メニスカス部に浮上した溶鋼中の介在物としてのA
23をAlとO2に分解するものであり、該F-が3重
量%未満では、前記Al23分解効果が認められず、3
0重量%を超えると、コーティング剤が溶融状態になっ
た時にコーティング剤中のSiO2を分解してSiF4
ガス発生が著しくなり、操業時にスプラッシュの発生が
大きく、鋳片の品質低下のみならず、操業性の悪化に直
結してしまう。
【0029】CaOは前記F- で分解したAl3+を吸収
すると共に前記SiO2と逆の性質を持っているため、
該CaOが10重量%未満ではAl3+吸収効果が認めら
れなくなり、しかも、コーティング剤の粘度が高くなる
と共に溶融温度が1500℃より高くなる。
【0030】又、40重量%を超すと溶融温度が高くな
ってAl23の吸収反応速度は非常に低下し、かつ、過
冷却性質を失い変形能がなくなって潤滑機能を失う。
【0031】MgOは上記CaOとの共晶反応により、
大幅にコーティング剤の溶融温度を低下させるためのも
のであり、0.5重量%未満ではコーティング剤の溶融
温度低下効果がなく、15重量%を超えると高融点物質
を生成し、潤滑機能が低下する。
【0032】Li2Oは前記Na2Oを添加した場合には
0.1〜10重量%とし、Na2Oを添加しない場合に
は0.5〜10重量%とする。
【0033】これは、0.1又は0.5重量%未満では
溶融温度降下剤としての効果を発揮することが出来ず、
10重量%を超えるとコスト的に高くなると共に、モル
比に換算すると、大量に添加することになり、溶融コー
ティング層中に安定しなくなる。
【0034】これ等の成分は、それぞれ、単独または、
化合物で使用しても問題はないが、より均一で安定した
スラリーを得るためには、溶融処理(プリメルト処理)
した粉砕粉末を使用することが望ましい。
【0035】更に、炭素を固形分比率で50重量%まで
添加することが好ましい。
【0036】これは上記各成分を有する複数の混合材料
に水を添加してスラリー化した後、該スラリーが安定化
すると同時に、炭素がスラリー液内に均一に懸濁して断
熱性と滑り性の高いコーティング層が生成するからであ
り、特に、コーティング剤の溶融フィルムが溶鋼中から
浮上した介在物を吸収して流動性(粘度)、溶融温度が
上昇した時に有利に作用する。
【0037】この理由は、コーティング剤の溶融温度上
昇により、潤滑性が低下するが、炭素が固体潤滑作用を
なし、潤滑性低下を補う事による。
【0038】しかしながら,炭素が50重量%を超える
と、溶融コーティング層の生成量の絶対量が減少し、液
体潤滑の作用は急激に減少してしまう。
【0039】しかし、浸炭を避けなければならない極低
炭素鋼の鋳造においては、コーティング剤の中の炭素が
鋳片表面への浸炭の原因となるので使用を避ける。
【0040】次に、バインダーの限定理由について詳述
する。
【0041】本発明におけるバインダーの役割は、コー
ティング剤をベルトから剥離しにくくするためである。
【0042】コーティング層が安定的に表面の潤滑性を
確保し、鋳片とベルト間の摩擦係数を低減し、鋳片内の
応力発生を抑制するためには、バインダーによるコーテ
ィング剤の付着強度向上が不可欠である。
【0043】この付着強度向上には低中温度(約500
℃以下)域で付着強度を発現し、鋳造を開始する前、金
属ベルトにコーティング剤を吹付けた際に該コーティン
グ剤が該金属ベルトから剥離するのを抑制すると共に高
温度(約500℃以上)域で付着強度を発現し鋳造中に
おいて金属ベルトから溶融したコーティング層の剥離を
抑制することを必要とする。
【0044】この低中温度域で付着強度を発現出来るも
のとしては主に有機バインダーであり、高温度域で付着
強度を発現出来るものとしては主に無機バインダーであ
ることから、この有機バインダーと無機バインダーを混
合使用することが好ましいが、無機バインダーまたは有
機バインダーの種類の中には、高温度域及び低中温度域
において同等程度の付着強度を有するものもあり、この
場合は無機バインダー、有機バインダーの両者を添加す
る必要はなく、いずれか一方のバインダーでよい。
【0045】尚、無機バインダーとしては硅酸ソーダ
(水ガラス)、炭酸ソーダ、シリカゲル及びアルミン酸
ソーダ、リン酸ソーダ等がある。
【0046】また、有機バインダーとしてはCMC(カ
ルボキシメチルセルロース)、MC(メチルセルロー
ス)、デキストリン、でんぷん、α―スターチ、エポキ
シ、アクリル、及びポリエステル等の樹脂がある。
【0047】コーティング剤の付着強度と、縦割れ発生
指数(実際鋳造した時の割れの発生量を指数で示す)の
関係を図3に示す。
【0048】図3から、剥離量が0.5g以下、即ち、
付着強度が2以上においては縦割れ発生指数が小さく、
鋳造後の鋳片表面には殆ど縦割れが発生していないが、
剥離量が0.5gを超える、即ち、付着強度が2未満に
なると急激に縦割れ発生指数が大きくなり、鋳造後の鋳
片表面には縦割れが発生していることから、コーティン
グ剤の付着強度を2以上に維持することにより、縦割れ
の発生を防止出来る事が判る。
【0049】また、付着強度の測定方法は、図4に示す
ようにバインダーを含むコーティング剤を平滑な鉄板1
1上に塗布し、塗布乾燥後のコーティング層10の厚み
を40μm±5μmにした後、該コーティング層10上
に5kg/cm2の重り12を載置(接触面積0.6c
2)し、更に、前記鉄板11を500℃に加熱した
後、該重り12を矢印方向に移動して、コーティング層
10表面を引っ掻いた時のコーティング層の剥離重量を
測定し、この剥離重量の逆数を付着強度として評価し
た。
【0050】更に、コーティング剤の付着強度とバイン
ダー添加量との関係を図5に示すが、これから、付着強
度2以上を満足するためには、無機バインダー0.5重
量%以上、有機バインダー0.01重量%以上が必要で
あることがよりわかる。
【0051】また、バインダー添加量の上限値はスプラ
ッシュ発生により決定され、無機バインダーで10重量
%、有機バインダーで5重量%であることがわかる。
【0052】このスプラッシュ発生理由は、無機バイン
ダーの場合は乾燥後の吸湿や結合水の残留が考えられ、
有機バインダーの場合はバインダーの燃焼、分解により
ボイリングを起こす事によると推定される。
【0053】前記各成分を有する固形材料に該固形分濃
度((固形材料重量×100)/(固形材料重量+水重
量))が25〜75重量%好ましくは40〜60重量%
になるように水を添加してスラリー化すると、該コーテ
ィング剤のスラリー性が良好となり、金属ベルト表面へ
の均一な吹き付け塗布が可能となり好ましい。
【0054】尚、コーティング剤をスラリーとして金属
ベルトに吹き付けるため、コーティング剤をスラリー状
態で安定して保存し、更に、コーティング剤の前記成分
を含有する材料の沈降を防止するため、沈降防止剤、防
腐剤、消泡剤等をスラリーに対し適量添加する事が好ま
しい。
【0055】
【実施例】本発明のコーティング剤例品を双ベルト式連
続鋳造機の金属ベルトに塗布して溶鋼の鋳造を行った例
について説明する。
【0056】ここでは溶融金属として溶鋼を選定し、具
体的な鋼種は炭素:0.12%、鋳造温度1540℃〜
1550℃の中炭アルミシリコンキルド鋼を用いた。
【0057】また、鋳造条件は鋳型サイズが1300m
m幅×75mm厚であり、鋳造速度は7m/minとし
た。
【0058】第1表は、本発明及び比較例のコーティン
グ剤の組成を示す。
【0059】表中、コーティング剤1、2は手段1の実
施例であり、コーティング剤3〜14は手段2の実施例
であり、コーティング剤15、16は手段3の実施例で
ある。
【0060】第2表は、上記中炭アルミシリコンキルド
鋼、極低炭アルミキルド鋼を用いた鋳造結果を示す。
【0061】第2表に示すように、本発明例品であるコ
ーティング剤1〜12、15、16を用いて鋳造した中
炭アルミシリコンキルド鋼の品質特性は、割れも無く優
れた結果を示し、また、鋳造中にスプラッシュやボイリ
ング等の異常発生も無く鋳造の操業性も良好であった。
【0062】更に、コーティング剤13、14を用いて
鋳造した極低炭アルミキルド鋼の品質特性は、割れ、浸
炭も無く優れた結果を示した。
【0063】これは、コーティング層が金属ベルト表面
に安定的に形成された結果であり、スラリーの状態、金
属ベルトに対する付着強度等の条件が適切であったと判
断できる。
【0064】又、炭素を添加した本発明例品であるコー
ティング剤15、16を用いて炭素0.001%含有の
極低炭アルミキルド鋼を鋳造した結果、該薄鋳片の表面
に多少の浸炭層が認められた。
【0065】又、比較例であるコーティング剤17を用
いた鋳片は、表面に縦割れ、表皮下介在物、ピンホール
が観察された。
【0066】これは無機バインダーを含まず、有機バイ
ンダーも非常に少ないため、コーティング層の金属ベル
ト表面への付着力が不足し、鋳造中にコーティング層が
脱落したため、潤滑不足が発生したことに起因したもの
と思われる。
【0067】比較例であるコーティング剤18はコーテ
ィング剤中の炭素量が多いことによる浸炭層が認められ
た。
【0068】比較例であるコーティング剤19は有機バ
インダーを含まず、無機バインダーの添加量が少ないた
め、鋳造した鋳片は、上記コーティング剤19と同様に
潤滑不足による縦割れが観察された。
【0069】コーティング剤20は、無機バインダーの
添加量が15%と上限を越えているため、金属ベルト表
面に塗布したコーティング剤を乾燥してもそのコーティ
ング層が再吸湿、又は、水和反応による残留水分の増大
により、スプラッシュが大きく鋳造の操業性が悪く、安
定して鋳造ができなかった。
【0070】同様に、コーティング剤21は、有機バイ
ンダーが7%と上限を越えており、バインダーの燃焼、
分解によるガス発生でボイリングを起こし、安定した鋳
造ができなかった。
【0071】コーティング剤22〜30は、バインダー
添加量、炭素量は発明の範囲内であったが、コーティン
グ剤の化学成分のいずれかが請求範囲外であった結果、
溶融後ガラス性を失ったり、溶融温度の調整がうまくい
かなかったりする等の問題が発生し、コーティング剤表
面の潤滑性が十分得られなかった。そのため、鋳造操業
性、鋳片表面品位に問題が残り満足するものではなかっ
た。
【0072】即ち、本発明によって、ベルト式連続鋳造
機のベルトと鋳片の高潤滑性が得られ、その結果、良好
な鋳片、及びベルトの耐久性が向上することがわかる。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
【発明の効果】可動モールド式連続鋳造機の可動モール
ド表面に本発明のコーティング剤を塗布することによ
り、鋳片―可動モールド間の摩擦力が低減し、縦割れ発
生が減少すると共に、液状のコーティング層が浮上した
介在物を吸収し、鋳片表面や表皮下の清浄度が向上す
る。その結果、良好な鋳片が得られると共に、連続鋳造
の作業性が向上する等の多大の効果を得ることが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】コーティング剤の溶融温度と鋳片の品質の関係
を示す図。
【図2】1500℃における摩擦係数の測定装置の説明
図。
【図3】付着強度と縦割れ発生指数との関係を示す図。
【図4】付着強度の測定を示す説明図。
【図5】バインダー量と付着強度の関係を示す図。
【符号の説明】
1 SiC発熱体 2 黒鉛レンガ 3 コーティング剤 4 重り 6 白金線 7 マッフル炉 10 コーティング剤 11 鉄板 12 重り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 利樹 大分市大字西ノ洲1番地 新日本製鐵株 式会社 大分製鐵所内 (72)発明者 若生 昌光 大分市大字西ノ洲1番地 新日本製鐵株 式会社 大分製鐵所内 (72)発明者 梶谷 敏之 千葉県富津市新富20―1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 皆川 安生 福岡県豊前市大字八屋1817―1 (56)参考文献 特開 平3−77753(JP,A) 特開 平6−57273(JP,A) 特開 平5−138307(JP,A) 特開 平7−124713(JP,A) 特開 昭63−171252(JP,A) 特開 平8−25009(JP,A) 特開 平7−204810(JP,A) 特開 昭61−195744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/06 340 B22D 11/059 110 B22D 11/07

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属を鋳造する可動モールド式連続
    鋳造機のモールド表面のコーティング剤において、溶融
    温度が600から1500℃であり、その成分はSiO
    2:5〜50重量%、Al23:0.5〜15重量%、
    CaO:10〜40重量%、MgO:0.5〜15重量
    %、Li2O:0.5〜10重量%、F-:3〜30重量
    %を含む材料にバインダーとして無機バインダー0.5
    〜10重量%及び/又は有機バインダー0.01〜5重
    量%を添加した固形材料に、固形分濃度((固形材料重
    量×100)/(固形材料重量+水重量))が25〜7
    5重量%になる量の水を添加してスラリーとしたことを
    特徴とする可動モールド式連続鋳造機のモールド用コー
    ティング剤。
  2. 【請求項2】 溶融金属を鋳造する可動モールド式連続
    鋳造機のモールド表面のコーティング剤において、溶融
    温度が600から1500℃であり、その成分はSiO
    2:5〜50重量%、Al23:0.5〜15重量%、
    CaO:10〜40重量%、Na2O:0.5〜30重
    量%、MgO:0.5〜15重量%、Li2O:0.1
    〜10重量%、F-:3〜30重量%を含む材料にバイ
    ンダーとして無機バインダー0.5〜10重量%及び/
    又は有機バインダー0.01〜5重量%を添加した固形
    材料に、固形分濃度((固形材料重量×100)/(固
    形材料重量+水重量))が25〜75重量%になる量の
    を添加してスラリーとしたことを特徴とする可動モー
    ルド式連続鋳造機のモールド用コーティング剤。
  3. 【請求項3】 溶融金属を鋳造する可動モールド式連続
    鋳造機のモールド表面のコーティング剤において、溶融
    温度が600から1500℃であり、その成分はSiO
    2:5〜50重量%、Al23:0.5〜15重量%、
    CaO:10〜40重量%、Na2O:0.5〜30重
    量%、MgO:0.5〜15重量%、Li2O:0.1
    〜10重量%、F-:3〜30重量%を含む混合材料1
    00重量%に、炭素質粉末を50重量%以下加え、これ
    バインダーとして無機バインダー0.5〜10重量%
    及び/又は有機バインダー0.01〜5重量%を添加し
    た固形材料に、固形分濃度((固形材料重量×100)
    /(固形材料重量+水重量))が25〜75重量%にな
    る量の水を添加してスラリーとしたことを特徴とする可
    動モールド式連続鋳造機のモールド用コーティング剤。
JP06179778A 1994-07-08 1994-07-08 可動モールド式連続鋳造機のモールド用コーティング剤 Expired - Fee Related JP3128681B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06179778A JP3128681B2 (ja) 1994-07-08 1994-07-08 可動モールド式連続鋳造機のモールド用コーティング剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06179778A JP3128681B2 (ja) 1994-07-08 1994-07-08 可動モールド式連続鋳造機のモールド用コーティング剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0825004A JPH0825004A (ja) 1996-01-30
JP3128681B2 true JP3128681B2 (ja) 2001-01-29

Family

ID=16071729

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06179778A Expired - Fee Related JP3128681B2 (ja) 1994-07-08 1994-07-08 可動モールド式連続鋳造機のモールド用コーティング剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3128681B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6217979B1 (en) 1995-09-27 2001-04-17 Ngk Insulators, Ltd. Piezoelectric/electrostrictive film element
US6246156B1 (en) 1998-03-27 2001-06-12 Ngk Insulators, Ltd. Piezoelectric/electrostrictive element
US6263552B1 (en) 1995-12-28 2001-07-24 Ngk Insulators, Ltd. Method of producing piezoelectric/electrostrictive film-type element
US6265811B1 (en) 1996-11-29 2001-07-24 Ngk Insulators, Ltd. Ceramic element, method for producing ceramic element, display device, relay device and capacitor
US6565331B1 (en) 1999-03-03 2003-05-20 Ngk Insulators, Ltd. Pump

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005083013A1 (en) * 2004-01-30 2005-09-09 Millennium Chemicals Coating composition having surface depolluting properties
KR101537163B1 (ko) * 2013-09-27 2015-07-15 현대제철 주식회사 인고트 표면 산화 방지용 피막 형성제
CN105969081B (zh) * 2016-07-27 2018-07-10 攀钢集团研究院有限公司 水性耐高温钛-钢防粘接涂料及其应用
US11390824B2 (en) * 2018-01-29 2022-07-19 Purdue Research Foundation Compositions for use as lubricants in die casting, methods of using the same, and products produced therewith

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6217979B1 (en) 1995-09-27 2001-04-17 Ngk Insulators, Ltd. Piezoelectric/electrostrictive film element
US6263552B1 (en) 1995-12-28 2001-07-24 Ngk Insulators, Ltd. Method of producing piezoelectric/electrostrictive film-type element
US6265811B1 (en) 1996-11-29 2001-07-24 Ngk Insulators, Ltd. Ceramic element, method for producing ceramic element, display device, relay device and capacitor
US6476540B2 (en) 1996-11-29 2002-11-05 Ngk Insulators, Ltd. Ceramic element, method for producing ceramic element, display device, relay device, and capacitor
US6246156B1 (en) 1998-03-27 2001-06-12 Ngk Insulators, Ltd. Piezoelectric/electrostrictive element
US6565331B1 (en) 1999-03-03 2003-05-20 Ngk Insulators, Ltd. Pump
US6666658B2 (en) 1999-03-03 2003-12-23 Ngk Insulators, Ltd. Microfluidic pump device
US6682318B2 (en) 1999-03-03 2004-01-27 Ngk Insulators, Ltd. Pump

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0825004A (ja) 1996-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1228370A (en) Oxidation prohibitive coatings for carbonaceous articles
CN102040386B (zh) 一种鱼雷罐喷注料以及使用该喷注料的喷注方法
EP0725769B1 (en) Coated articles of graphite-alumina refractory material
CN1173790C (zh) 用于金属连铸锭模耐火材料件的防护涂料及耐火材料件
KR102051934B1 (ko) 고내열성 세라믹 코팅 조성물
JP3128681B2 (ja) 可動モールド式連続鋳造機のモールド用コーティング剤
MXPA00012503A (es) Material refractario aislante.
US3962492A (en) Method of protecting refractory lining in containers for molten metal
US20040249038A1 (en) Coating precursor and method for coating a substrate with a refractory layer
CA2242243C (en) Nozzle for use in continuous casting of steel
JP4786252B2 (ja) 溶鋼保温剤
JPH05171261A (ja) 鋼材用酸化防止塗料
JPH05154627A (ja) 非金属介在物付着堆積防止用耐火組成物
JPS6410473B2 (ja)
EP1222982B1 (en) Lining for ladles, tundishes and similar receptacles used in the iron and steel industry
KR20020039564A (ko) 연속주조용 흑연질 내화물과 그에 도포되는 산화방지제
JP2000072534A (ja) 大型寸法の耐火レンガ、特に錫浴底用レンガおよびその製造方法
JPH0847750A (ja) 可動モールド式連続鋳造機での連続鋳造方法とそのモールド用コーティング剤
KR20020042710A (ko) 보호성 피막을 보유한 탄소 함유 내화성 물품
JP3000031B2 (ja) ベルト式連続鋳造機のベルト用コーティング剤
JPH0292871A (ja) ポルトランドセメント焼成回転窯内コーチング付着用不定形耐火物
JP2001304768A (ja) 鋼片加熱炉ライニングの補修方法
JP3242169U (ja) 耐火物の溶着防止構造
JPS6021886A (ja) セラミツクフアイバ−用コ−テイング材
JP2002338347A (ja) ジルコニア・黒鉛質耐火材料とそれを用いた連続鋳造用浸漬ノズル

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20001018

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081117

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081117

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091117

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101117

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111117

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees