JP2002338347A - ジルコニア・黒鉛質耐火材料とそれを用いた連続鋳造用浸漬ノズル - Google Patents

ジルコニア・黒鉛質耐火材料とそれを用いた連続鋳造用浸漬ノズル

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JP2002338347A
JP2002338347A JP2001148352A JP2001148352A JP2002338347A JP 2002338347 A JP2002338347 A JP 2002338347A JP 2001148352 A JP2001148352 A JP 2001148352A JP 2001148352 A JP2001148352 A JP 2001148352A JP 2002338347 A JP2002338347 A JP 2002338347A
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zirconia
graphite
continuous casting
immersion nozzle
fire resisting
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JP2001148352A
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Koji Ogata
浩二 緒方
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Krosaki Harima Corp
Original Assignee
Krosaki Harima Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐スポール性を低下させることなく耐食性を
向上させることができるジルコニア・黒鉛質耐火材料を
提供すること、および連続鋳造用浸漬ノズル、特にその
モールドパウダーに接するパウダーライン部分の耐用性
を向上させること。 【解決手段】 骨材がジルコニア原料及び黒鉛の混合物
から構成される耐火材料において、混合により黒鉛の層
間にジルコニアを介在させたジルコニア・黒鉛質耐火材
料であり、黒鉛としては膨脹黒鉛を最適とする。また、
少なくともモールドパウダーが接触する部分に上記ジル
コニア・黒鉛質耐火材料を用いた連続鋳造用浸漬ノズル
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼などの金属の連
続鋳造用耐火物において使用するジルコニア・黒鉛質耐
火材料とこれを利用した連続鋳造用浸漬ノズルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造においてはタンディッシュから
モールドに溶鋼を注入する際には浸漬ノズルを使用する
のが一般的である。その中で、モールド内の溶鋼湯面上
にはモールドパウダーと呼ばれる低塩基度で浸食性の強
いスラグが浮遊している。モールドパウダーは一般的に
CaO、SiO、CaF、Na0,Cを含有し、
塩基度が1前後である。アルミナやシリカは著しく溶損
されるため、アルミナ・シリカ・黒鉛質耐火物やアルミ
ナ・黒鉛質耐火物では溶損による損耗が大きく、長時間
の使用に耐えることができない。このためモールドパウ
ダーに接する部位には、例えば、特開昭61−1354
64号に開示されるような耐食性に優れたジルコニア・
黒鉛質耐火物が適用されている。
【0003】ジルコニアはアルミナやシリカに比較して
酸化物スラグとの反応性が低く、特に塩基度が低く浸食
性の強いスラグに対しては優れた耐食性を有している。
【0004】ジルコニア・黒鉛質耐火物においては、黒
鉛が有する弾性率が低く、熱伝導率が高いことによる耐
スポール性改善効果と、ジルコニアが有する耐食性改善
効果を組み合わせることで耐スポール性と耐食性の両立
を図ろうとしている。
【0005】この様に、ノズルの耐用性を決める最大の
要因はパウダーライン部の溶損であり、ノズルの耐用性
向上のためさらに耐食性に優れたジルコニア・黒鉛質耐
火物が要望されているが、黒鉛は溶鋼に溶解しやすいの
で、ジルコニア・黒鉛質耐火物の耐食性を向上させるた
めには黒鉛の配合量を少なくし、ジルコニア量を増やす
ことが効果的である。しかしながら、黒鉛は耐スポール
性を付与するために用いられており、使用量を少なくす
ることは熱スポールに対して不利となり、耐食性が向上
しても熱スポールによる割れや折れの問題が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、耐スポール性を低下させることなく耐食性
を向上させることができるジルコニア・黒鉛質耐火材料
を提供することにあり、同時に連続鋳造用浸漬ノズル、
特にそのモールドパウダーに接するパウダーライン部分
の耐用性を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のジルコニア・黒
鉛質耐火材料は、骨材がジルコニア原料及び黒鉛の混合
物から構成される耐火材料において、混合により黒鉛の
層間にジルコニアを介在させたものである。本発明で使
用する黒鉛原料としては「膨脹黒鉛」が最適である。
「膨脹黒鉛」とは、酸処理した黒鉛を熱処理して黒鉛の
層間を広げた黒鉛のことをいう。
【0008】また、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、
少なくともモールドパウダーが接触する部分に前記ジル
コニア・黒鉛質耐火材料を用いたものである。
【0009】上記の本発明は、ジルコニア・黒鉛質耐火
物の溶損メカニズムではジルコニアがモールドパウダー
に溶解する速度よりも、黒鉛が溶鋼に溶解する速度の方
が圧倒的に早いと考えられていることから、黒鉛の溶鋼
への溶解速度を低下させることができればジルコニア・
黒鉛質耐火物の耐食性を向上させることができるという
ことに着目してなされたものである。
【0010】本発明者らは鋭意検討の結果、図1に示す
ような形態で黒鉛の層間にジルコニアを介在状態で含有
させることにより溶鋼への黒鉛の溶解速度を低下させる
ことが可能であることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0011】黒鉛の層間にジルコニアを介在させること
は、黒鉛、好ましくは膨脹黒鉛とジルコニアをミキサー
で混合することによって比較的容易に行うことができ
る。混合の際には液状バインダーや溶剤を添加しない乾
式混合でも、これらを添加する湿式混合でも作製可能で
ある。混合するミキサーは特に限定されないが使用され
るミキサーの特徴に合わせて、黒鉛(膨脹黒鉛)が破壊
されないように速度、時間等を調整することは言うまで
もない。
【0012】介在状態で含有させるジルコニアの量につ
いては、添加量が増えるに従って耐食性の改善効果が大
きくなるが、多量に添加しすぎると黒鉛の有する耐スポ
ール性改善効果が小さくなり好ましくない。より好まし
くは黒鉛100質量%に対して10〜150質量%が好
適である。
【0013】介在させるジルコニアの粒度については、
黒鉛(膨脹黒鉛)の層間に容易に入り込むにはある程度
小さい粒度が好ましく、50μm以下の微粉が好まし
い。
【0014】ジルコニア・黒鉛質耐火物は本発明のジル
コニア・黒鉛質耐火材料のみを黒鉛材料として全量に適
用しても構わないが、一般の鱗状黒鉛と併用しても併用
した割合に応じて改善効果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例に基
づき説明する。
【0016】ジルコニア含有黒鉛による耐スポール性と
耐食性の改善効果を調査するため、表1に示した6種類
の黒鉛を作製した。ジルコニア・黒鉛質耐火材料は、膨
脹黒鉛とジルコニア原料をミキサー内で均一に混合する
ことによって作製した。ただし、Aは膨脹黒鉛のみをミ
キサー内で処理した。
【0017】この混合物を顕微鏡観察したところ、図1
に示したような形態で黒鉛の層間にジルコニアが介在し
ていることが確認された。
【0018】
【表1】 これらのジルコニア・黒鉛質耐火材料および鱗状黒鉛
と、ジルコニアに適量のフェノールレジンを添加して混
練し表2に示す7種類の配合物を作製した。各配合物の
黒鉛含有量及びジルコニア含有量は同一とした。
【0019】
【表2】 得られた配合物は1000kg/cmの圧力でノズル
形状にCIP(冷間静水圧プレス)成形し、コークス中
に埋め込んで最高温度1000℃にて還元焼成を行っ
た。焼成したノズルから、耐熱衝撃性(耐スポール性)
を調査するために、1辺が30mmの角柱状試料を切り
出して酸化防止剤を塗布し、電気炉にて所定の温度に予
熱したものを1550℃の溶鋼中に浸漬して亀裂の発生
の有無を調査した。表中のΔTは予熱温度と溶鋼温度の
差を示しており、例えばΔT=1000℃は550℃で
予熱したサンプルを溶鋼中に浸漬した結果を示す。
【0020】一方、耐食性は、炭素含有量が0.01質
量%の鋼を1550℃にて溶解し、表面にCaO/Si
重量比が1.1で、NaOを8.5質量%、Fを
7.3質量%含有するモールドパウダーを浮遊させ、1
辺が20mmの角柱状試料を90分間浸漬し、最大溶損
部分の溶損量を測定した。表2に示した数字は比較例1
の溶損速度を100として指数化しており、数字が小さ
いほど耐食性に優れていることを示す。
【0021】表2に示す測定結果から明らかなように、
鱗状黒鉛のみを使用した従来品の比較例1は比較例2及
び実施例1〜4に比較して耐スポール性が劣っている。
また、ジルコニアを層間に含有しない膨脹黒鉛を併用し
た比較例2は他と比較して耐食性が劣っている。これに
対して本発明品である実施例1〜5は耐食性、耐スポー
ル性ともに優れている。ただし、実施例5は耐スポール
性が比較例1と同レベルまで低下しており、耐食性との
バランスを考慮すると、ジルコニアの含有量は黒鉛10
0質量%に対して10〜150質量%がより好ましい。
【0022】次に、比較例2と実施例3の材料をパウダ
ーラインに適用して浸漬ノズルを作製しスラブ連続鋳造
機にて実炉試験に供した。取鍋の容量は320ton、
1chあたりの鋳造時間は約45分で、同一タンディッ
シュに比較例1と実施例2の材料を適用した浸漬ノズル
をセットした。テスト本数は各々5本ずつで、1本あた
り平均して約250分使用した。使用後のノズルを回収
しパウダーライン部の溶損速度を調査した結果、本発明
品である実施例3の材料は比較例2の材料と比較して約
30%溶損速度が小さくなることが判明した。本発明に
よるジルコニア・黒鉛質耐火材料を浸漬ノズルのモール
ドパウダーと接触する部分に適用することによってノズ
ルの耐用性を向上させることが可能である。
【0023】
【発明の効果】本発明のジルコニア・黒鉛質材料は耐火
物として耐スポール性と耐食性に優れた材質となってお
り、本材料をパウダーライン部に適用した連続鋳造用浸
漬ノズルは耐用性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のジルコニア・黒鉛質耐火材料において
黒鉛の層間へのジルコニアの介在形態を示す概念図であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨材がジルコニア原料及び黒鉛の混合物
    から構成される耐火材料において、混合により黒鉛の層
    間にジルコニアを介在させたジルコニア・黒鉛質耐火材
    料。
  2. 【請求項2】 黒鉛が膨脹黒鉛である請求項1に記載の
    ジルコニア・黒鉛質耐火材料。
  3. 【請求項3】 少なくともモールドパウダーが接触する
    部分に請求項1又は2に記載のジルコニア・黒鉛質耐火
    材料を用いた連続鋳造用浸漬ノズル。
JP2001148352A 2001-05-17 2001-05-17 ジルコニア・黒鉛質耐火材料とそれを用いた連続鋳造用浸漬ノズル Pending JP2002338347A (ja)

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