JP3342536B2 - MgO・SiO2 磁器粉末及びその製造方法 - Google Patents

MgO・SiO2 磁器粉末及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、MgO・SiO2
器粉末及びその製造方法に関し、特に液相からのエンス
タタイト単一相のMgO・SiO2 磁器粉末及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】MgO−SiO2 系磁器の代表的なもの
としてステアタイト磁器があり、エンスタタイト相(M
gO・SiO2 )等を有している。かかるステアタイト
磁器の原料となる磁器粉末は、滑石又はけい石とマグネ
シアクリンカー等の天然原料の分解溶融により合成され
ている。これらの天然原料には、Na、Ca、Fe、B
等の不純物や、SiO2 等を含んでいる。また、ステア
タイト磁器に見られる相転移を抑制して磁器の劣化を防
止するためには、磁器中に例えばAl2 3 を3%程度
添加し、ガラス相を作ってクリノエンスタタイトの生成
を阻止することが行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、分解溶融によ
る固相法による磁器粉末にはエンスタタイト相の他フォ
ルステライト(2MgO・SiO2 )等の複数の相が混
在し、このような磁器粉末の焼成にあっては相転移を制
御することができないため電気的性質に優れるエンスタ
タイト単一相の磁器を得ることができない。また、磁器
中に含まれる磁器粉末の天然原料あるいは磁器の劣化防
止剤に由来する不純物は、磁器の電気的性質を低下させ
るものである。さらに、緻密で電気的性質の優れた磁器
を得るためには、磁器粉末の粒径や形状を制御できるこ
とも必要である。
【0004】そこで、本発明では、エンスタタイト単一
相からなるMgO・SiO2 磁器粉末を提供することを
目的とする。また、さらに、不純物が制御されて高純度
でかつエンスタタイト単一相からなるMgO・SiO2
磁器粉末を提供することを目的とする。さらに、本発明
は、エンスタタイト単一相のMgO・SiO2 磁器粉末
の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明
は、エンスタタイト単一相でしかも粒径及び粒子形状が
制御されたMgO・SiO2 磁器粉末の製造方法を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を解決するために、固相法によらないで液相からの
造粒に着目して鋭意検討した結果、MgO及びSiO2
を含む造粒用原液を液滴化し、加熱炉で乾燥熱分解合成
することにより直接造粒し、熱処理することによりMg
O・SiO2 磁器粉末を製造しうることを見いだしたの
である。
【0006】すなわち、発明者らは、MgO・SiO2
磁器粉末であって、このMgO・SiO2 磁器粉末を構
成する粒子が、球状の粒状固体であるとともに、エンス
タタイト単一相からなることを特徴とするMgO・Si
2 磁器粉末を創作した。さらに、不純物がAl2 3
0.50%(重量%を意味するものとする。以下同
じ。)以下、CaO 0.50%以下、Fe2 3
0.50%以下、TiO2 0.50%以下、Na2
O 0.50%以下、K2 O 0.50%以下で
あることを特徴とする前記MgO・SiO2 磁器粉末を
創作した。
【0007】また、本発明者らは、磁器粉末の製造方法
において、SiO 2 原料とMgO原料とを、SiO 2 とM
gOとが等モルとなるように含有する造粒用原液を調製
する工程と、この造粒用原液を液滴化し、この液滴を乾
燥熱分解合成することにより造粒粉末とする工程と、こ
の造粒粉末を熱処理して、エンスタタイト単一相の粉末
とする工程、とを備える、MgO・SiO2磁器粉末の
製造方法を創作した。この製造方法においては、前記S
iO 2 原料は、SiO 2 のコロイド溶液を用い、MgO原
料として酢酸マグネシウム又はMgO粉末を用いること
が好ましい
【0008】また、本発明者らは、前記造粒用原液中の
MgO及びSiO 2 の濃度及び/又は前記液滴を乾燥熱
分解合成する加熱炉に導入する速度を制御することによ
り、前記MgO・SiO 2 磁器粉末の粒径及び/又は粒
度分布を制御する、MgO・SiO 2 磁器粉末の製造方
法を創作した。
【0009】前記SiO2 コロイド溶液、前記MgO粉
末及び前記酢酸マグネシウムを用いるとは、MgO・S
iO2 磁器粉末の原料として天然原料を使用することな
く、主として工業的に精製された原料を使用することを
いい、特にAl、Fe、Ca、Na、K,Ti等の不純
物が少ないことが望ましい。
【0010】前記造粒用原液とは、適宜手段により液滴
とすることができる性状のものであればよい。したがっ
て、液体のみならず、スラリー状態等の液状体であって
もよい。前記液滴とは、機械的あるいは電気的手段等に
より得られる液体あるいは液状体からなる粒をいう。液
滴化手段は造粒用原液の性状等や得られる造粒粒子の粒
径を考慮して適宜選択される。例えば比較的大きな液滴
は液体等を単に滴下することにより得られ、微細な液滴
は、液体等を霧化することにより得られる。
【0011】加熱炉内への導入手段は造粒原液の性状
や液滴化手段の種類を考慮して適宜選択され、有気的あ
るいは無気的に乾燥熱分解合成する加熱炉に導入され
る。例えば、窒素等の不活性ガス等により有気的に加熱
炉内に導入する方法や、射出、滴下等により無気的に加
熱炉に導入する方法がある。また、前記液滴を乾燥熱分
解合成により造粒粉末とするとは、液滴を加熱炉内で熱
・物質移動によって、直接溶質の粒状固体を製造するこ
とをいう。
【0012】前記SiO2 ・MgO磁器粉末及びその製
造にあっては、SiO2 原料及びSiO2 原料以外にお
いても不純物が制御された高純度な原料や不純物の混入
のない器具、装置等を用い、各原料の秤量から、混合、
か焼、粉砕、焼成の各工程において、原料粉末、合成粉
末等に不純物が混入しないような材質や手段が用いら
れ、全工程を通じて常に純度について十分に配慮され
る。
【0013】
【作用】MgOとSiO2 を等モル含む造粒用原液は、
適当な手段により液滴化され、液滴の状態で乾燥、熱分
解、合成され、造粒粉末が形成される。さらに、この造
粒粉末を、熱処理することにより、前記粒子をエンスタ
タイト単一相の粒子とし、MgO・SiO2 磁器粉末を
得る。また、微細な液滴を適当な加熱炉導入方法を選択
して乾燥熱分解することにより、中実でかつ球状の微細
粉末を得ることができる。原料及び各工程において不純
物の混入を制御することにより、従来にない高純度の磁
器粉末を製造することができる。
【0014】
【実施例】
〔実施例1〕以下に本発明を具現化した一実施例につい
て図1ないし図7に基づいて説明する。なお、本例は本
発明の一例であり、本発明はこれに限定されるものでは
ない。図1にしたがって本例のMgO・SiO2 磁器粉
末を製造する工程を説明する。まず、原料として高純度
のSiO2 のコロイド溶液を、蒸留水で希釈し、SiO
2 濃度が0.3mol/l、0.1mol/l、0.0
5mol/lのコロイド溶液を調整した。
【0015】この溶液にMgO原料である酢酸マグネシ
ウム4水和物(Mg(CH3 COO)2 ・4H2 O)を
SiO2 :MgOのモル比が1:1となるように秤量し
て溶解し、MgO及びSiO2 が各0.3mol/l、
0.1mol/l、0.05mol/lの濃度の三種の
造粒用原液とした。本例に用いた酢酸マグネシウム4水
和物は、試薬特級を用いた。その不純物の含有量は表1
に示すとおりである。また、SiO2 コロイド溶液は、
pH2〜4で、粒子径10〜20nmで、表2に示す純
度のものを用いた。なお、表1及び表2中の−印は、
0.001%以下であることを示すものである。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】この造粒用原液は、液滴化されるため、ゲ
ル化しないようなものであることが必要である。したが
って、各原料の調合比、濃度、あるいはSiO2 コロイ
ドの種類を適宜選択して用いる。
【0019】これらの造粒用原液を、図2に示す噴霧熱
分解装置を用いて、表に示す条件a〜gに従い、熱分
解温度及びキャリヤガス流量を選択して、乾燥熱分解合
成により造粒した。
【0020】
【表3】
【0021】乾燥熱分解装置は、造粒原液供給部、熱分
解反応部及び生成粒子の捕集部とからなる。造粒原液供
給部においては、原液がマグネチックスターラ等で機械
的に撹拌されつつポンプにより超音波振動子を用いた超
音波噴霧器に送り込まれ、霧(液滴)となり、さらに、
発生した液滴が窒素ガスのキャリヤガスによって加熱さ
れた熱分解反応部である石英管の下端部に導かれる。そ
して、加熱された石英管内を上方に移動して、各液滴は
乾燥熱分解合成により直接造粒され、一個の粒子となり
これらの粒子が静電補集部に電気的に吸着される。
【0022】この結果得られた造粒粉末a〜gについ
て、X線回折により結晶状態を確認したところ、フォル
ステライト(2MgO・SiO2 )及び非晶質SiO2
のピークを確認した。また、900℃以上で熱分解合成
した造粒粉末b,d〜gでは、エンスタタイト(MgO
・SiO2 )のピークを弱いながら確認した。
【0023】また、これらの造粒粉末a〜gについて、
粒度分布を測定した結果を表4に示す。また、造粒用原
液濃度と粒度分布との関係を図3に、キャリヤガス流量
と粒度分布との関係を図4に、熱分解温度と粒度分布と
の関係を図5に示す。なお、各図(a)は、粒度分布を
累積的に表し、各図(b)は、ヒストグラムとして表し
た。粒度分布測定は、レーザ回折散乱式の粒度分布測定
装置を用いた。また、造粒粉末の粒子形状の一例とし
て、造粒粉末gの拡大写真を図6に示す。
【0024】
【表4】
【0025】粒度分布の測定結果から、造粒用原液濃度
あるいはキャリヤガス流量により、造粒粉末の粒度分布
を制御できることが確認できた。すなわち、図3から明
らかなように、造粒用原液が0.05mol(MgO・
SiO2 )/molのとき、最も平均粒子径が小さく、
0.3mol(MgO・SiO2 )/molのとき、平
均粒子径が最も大きくなる。一方、この原液の濃度範囲
において、濃度が高い程、粒度分布は平均粒子径に収束
する。また、図4から明らかなように、キャリヤガス流
量を0.5〜3l/minの範囲で変化させると、3l
/minから1l/minに落とすと粒度分布はシャー
プになり、平均粒子径は小さくなるが、さらに0.5l
/minに落とすと、平均粒子径はやや大きくなった。
さらに、図5から明らかなように、熱分解温度を800
〜1000℃の範囲で変化させても、粒度分布や平均粒
径にあまり変化はなかった。
【0026】また、図6の拡大写真から明らかなよう
に、合成された粒子は、球状で、その表面には多数のシ
ワが形成されたものとなっている。なお、この球状粒子
の断面を電子顕微鏡により確認したところ粒子が中実状
であることがわかった。
【0027】さらに、これらの造粒粉末a〜gを、電気
炉内に配置して1000℃/時間で昇温し、1200℃
あるいは1300℃で1時間保持し、その後放冷するこ
とにより熱処理を行った。得られたMgO・SiO2
器粉末についてX線回折により結晶組成を確認したこと
ろ、図7に示すように、1300℃処理による磁器粉末
にあっては、造粒粉末の合成条件に依存することなく、
いずれもほぼ完全なエンスタタイトの単一相であった。
【0028】また、1200℃処理による磁器粉末にあ
っては、平均粒径の小さな造粒粉末e(平均粒径:0.73
μm)であってもエンスタタイト単一相は生成されず、フ
ォルステライト相を主体として、エンスタタイト相及び
クリストラバイト相が混在したものであった。
【0029】すなわち、MgOとSiO2 を均一に混合
した造粒用原液を微細に液滴化(霧化)し、熱分解合成
することにより造粒して直接粒状固体とし、粉末化し、
一部にエンスタタイト相を生成した後、さらに、130
0℃で熱処理を行うことにより、粒子径が制御され、か
つエンスタタイト単一相からなるMgO・SiO磁器粉
末を製造することができた。
【0030】さらに、このMgO・SiO2 磁器粉末
は、中実の球状でしかも制御された粒径であるため、緻
密な焼結体を得るのに都合がよいものとなっている。ま
た、表5に本実施例のMgO・SiO2 磁器粉末におけ
る不純物含有量の化学分析結果を示す。表中の−印は、
0.001%以下であることを示すものである。本実施
例においては、純度の高い原料を用い、工程において不
純物の混入について十分に留意され、不純物の混入が制
御されているために、磁器粉末中の不純物量はほぼ使用
する原料中に含まれる不純物量により決まることになる
し、ほぼそのとおりの結果が表5に示されているように
得られている。
【0031】
【表5】
【0032】このように噴霧熱分解法を用いたMgO・
磁器粉末製造法によれば、原料となる溶質が均一に溶解
されているため、生成される磁器粉末の化学組成が均一
で、球状でしかも中実状で焼成時の反応性の良好な磁器
粉末を製造することができる。さらに、キャリヤガス流
量や溶液濃度を変えることにより、粒径の制御も可能で
ある。また、粉砕工程を経ることなく磁器粉末を得るこ
とができるため、粉砕時における不純物の混入を確実に
排除でき、磁器粉末としての純度を高度に制御可能とな
っている。
【0033】なお、本例は、SiO2 コロイド溶液に酢
酸マグネシウム4水和物を溶解した造粒用原液を用いた
が、これに限定するものでもない。すなわち、適当な液
滴化(霧化)手段を用いれば、液滴化することができる
液体あるいは液体状の造粒用原液であればよい。したが
って、溶液、コロイド溶液、スラリーをも造粒用原液と
して用いうる。
【0034】〔実施例2〕次に、実施例2として、Mg
O原料として高純度なMgO粉末を用いて調製したMg
O・SiO2 磁器粉末の製造について図8ないし図10
に基づいて説明する。まず、高純度のMgO粉末と高純
度のSiO2 のコロイド溶液を用意する。本例では、高
純度MgO粉末として一次粒子径分布 0.08〜0.
10μm、比表面積23m2 /gのものを用い、高純度
SiO2 コロイド溶液は、実施例1と同様のものを用い
た。本例に用いた高純度MgO粉末の純度についての分
析結果は表6に示す通りである。なお、表6において、
−印は、0.001%以下であることを示すものであ
る。
【0035】
【表6】
【0036】次に、図8にしたがって本例のMgO・S
iO2 磁器粉末を製造する工程を説明する。MgOとS
iO2 が等モル(MgO 1モル/L、SiO2 1モル
/L)となるように、前記MgO粉末及び前記SiO2
コロイド溶液を秤量し混合する。
【0037】そしてウレタンボールを用いたボールミル
にて24時間混合し、MgO及びSiO2 が均一に分散
した造粒用スラリーとする。
【0038】この造粒用スラリーはマグネッティックス
ターラで撹拌されながら、各原料の分散の均一性を確保
しつつマイクロチューブを介して800℃に加熱・保持
した熱分解装置の石英管内に滴下され、乾燥され熱分解
を受ける。得られた造粒粉末をX線回折により分析した
ところ、エンスタタイト相の生成が確認された。X線回
折の結果を図9に示す。得られた粉末の粒子は、直径数
ミリの塊状であった。
【0039】この造粒粉末を機械的に粉砕した後、電気
炉にて1000℃/時間で昇温し、1300℃あるいは
1400℃で1時間保持し、その後放冷することにより
熱処理を行って、MgO・SiO2 磁器粉末を得た。得
られたMgO・SiO2 磁器粉末について、X線回折に
よりエンスタタイト相の生成の確認を行った。その結果
を図10に示す。
【0040】図10に示すように、1300℃で熱処理
されたMgO・SiO2 磁器粉末にあっては、わずかに
クリストバライト(SiO2 )の弱いピークが観察され
たが、ほぼエンスタタイトの単一相が見られた。また、
1400℃で熱処理されたMgO・SiO2 磁器粉末に
あっては、エンスタタイト単一相からなる粉末を合成す
ることができた。
【0041】すなわち、高純度なMgO粉末と高純度な
SiO2 溶液を均一に混合したスラリーを滴下により加
熱炉内に導入して乾燥熱分解合成して、一部エンスタタ
イト相を有する造粒物とした後、さらに、1300〜1
400℃で熱処理を行うことによりエンスタタイト単一
相からなるMgO・SiO磁器粉末を製造することがで
きた。表7に実施例1と同様に、本実施例のMgO・S
iO2 磁器粉末における不純物含有量の化学分析結果を
示す。本実施例においても、原料中の不純物含有量が磁
器粉末の不純物含有量により決まることが確認できた。
なお、表中の−印は、0.001%以下であることを示
すものである。
【0042】
【表7】
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の磁器粉末
によれば、エンスタタイト単一相でしかも表面積の大き
い球形のMgO・SiO2 磁器粉末であるため、焼結し
やすく緻密で電気的性質に優れる磁器を得ることができ
る。また、磁器粉末中の不純物を制御することにより、
高純度な磁器粉末となり、磁器中の不純物に由来する電
気的性質の低下を防止することができる。さらに、この
MgO・SiO2 磁器粉末の製造方法によれば、液相か
ら液滴化による乾燥熱分解合成により直接造粒し、熱処
理をおこなうことにより、エンスタタイト単一相のMg
O・SiO2 磁器粉末を得ることができる。さらに、造
粒原液濃度あるいは加熱炉に液滴を導入するキャリヤガ
スの流量によって粒度分布を制御することが可能であ
り、必要に応じた粒径のMgO・SiO2 磁器粉末を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】噴霧熱分解による本発明のMgO・SiO2
器粉末を得る工程図。
【図2】乾燥熱分解合成装置の全体図。
【図3】造粒用原液濃度と粒度分布との関係を示すグラ
フ図。
【図4】キャリヤガス流量と粒度分布との関係を示すグ
ラフ図。
【図5】熱分解温度と粒度分布との関係を示すグラフ
図。
【図6】乾燥熱分解合成による粒子の拡大写真。
【図7】MgO・SiO2 磁器粉末のX線回折による結
晶組成を示す図。
【図8】滴下熱分解による本発明のMgO・SiO2
器粉末を得る工程図。
【図9】造粒物のX線回折図。
【図10】MgO・SiO2 磁器粉末のX線回折図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角岡 勉 愛知県刈谷市野田町段留25番地の3 (56)参考文献 特開 平5−116929(JP,A) 特開 昭58−9812(JP,A) T.M.SHAW et.al,TH E CRYSTALLIZATION BEHAVIOR OF A Mg−S i−O−N GLASS,NATO A dv Study Inst Ser E,1983年,VOL.65,p.331−336 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/12 - 33/46 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MgO・SiO2磁器粉末であって、 このMgO・SiO2磁器粉末を構成する粒子が、球状
    の粒状固体であるとともに、エンスタタイト単一相から
    なることを特徴とするMgO・SiO2磁器粉末。
  2. 【請求項2】 請求項1において、不純物が、 Al23 0.50重量%以下、 CaO 0.50重量%以下、 Fe23 0.50重量%以下、 TiO 0.50重量%以下、 Na2O 0.50重量%以下、 K2O 0.50重量%以下であることを特徴とす
    る、MgO・SiO2磁器粉末。
  3. 【請求項3】 磁器粉末の製造方法において、SiO 2 原料とMgO原料とを、SiO 2 とMgOとが等
    モルとなるように含有する造粒用原液を調製する 工程
    と、 この造粒用原液を液滴化し、この液滴を乾燥熱分解合成
    することにより造粒粉末とする工程と、 この造粒粉末を熱処理して、エンスタタイト単一相の粉
    末とする工程、 とを備える、MgO・SiO2磁器粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記SiO 2 原料は、SiO 2 のコロイド
    溶液を用い、MgO原料として酢酸マグネシウム又はM
    gO粉末を用いる、請求項3に記載のMgO・SiO 2
    磁器粉末の製造方法
  5. 【請求項5】 前記造粒用原液中のMgO及びSiO 2
    の濃度及び/又は前記液滴を乾燥熱分解合成する加熱炉
    に導入する速度を制御することにより、前記MgO・S
    iO 2 磁器粉末の粒径及び/又は粒度分布を制御する、
    請求項3又は4に記載のMgO・SiO 2 磁器粉末の製
    造方法。
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