JP3342042B2 - 反射型色分解回折格子 - Google Patents

反射型色分解回折格子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、面精度を高精度に維持
することができる反射型色分解回折格子に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、反射型色分解回折格子には、熱硬
化性樹脂、熱可塑製樹脂、紫外線硬化性樹脂等からなる
樹脂製のレプリカ層を光学ガラス等からなる基板上に積
層し、前記レプリカ層の表面上に、順次、密着性と耐湿
性の良好なSiO等の酸化物膜からなる下地層、光を反
射するためのCu,Al,Au等からなる金属反射膜か
らなる第2層、前記第2層の大気中の水蒸気等による腐
食や粗面化防止のためのSiO2 ,Al23 等の保護
膜からなる第3層を積層したものがある。
【0003】また、前記第3層に代えて、前期第2層の
金属反射膜を保護するとともに増反射機能を付加したS
iO2 ,Al23 ,TiO2 等からなる膜を二層以上
積層したものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術は、室
温乃至100℃の範囲において、前記レプリカ層の熱膨
張係数を100パーセントとしたとき、前記下地層の熱
膨張係数が5パーセント以下である。
【0005】このため、品質加速試験としての高温・高
湿環境下における放置試験を実施すると、この熱膨張係
数の差により前記レプリカ層の表面形状が歪み、ひいて
反射型色分解回折格子としての面精度が劣化する。特
に、レプリカ層の表面に微小な凹凸溝を多数設けられた
位相格子用樹脂製光学部品においては、各段の格子形状
が複雑に変化・湾曲するため、反射率が5パーセント以
上減少し、反射率のピーク波長が短波長側へ10ナノメ
ートル以上シフトしてしまい、本来の反射型の色分解用
回折格子としての光学機能が著しく損われる。
【0006】本発明は、上記従来の技術の有する未解決
の課題に鑑みてなされたものであって、高温・高湿環境
下においても高反射ミラーとしての面精度を高精度に維
持することができる反射型色分解回折格子を実現するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の反射型色分解回折格子は、階段型格子形状
をもつ樹脂製のレプリカ層と、前記レプリカ層上に反射
膜層が積層された色分解用の回折格子であって、前記回
折格子は、前記レプリカ層と前記反射膜層との間に、室
温乃至100℃の範囲において、レプリカ層の熱膨張係
数を100パーセントとしたとき6パーセント以上の熱
膨張係数をもつ下地層が積層されたことを特徴とするも
のである。
【0008】また、下地層がタンタル、クロム、チタン
または銅の単体もしくはこれらの2種以上からなる合金
とするとよい。また、下地層は、タンタル、クロム、チ
タンまたは銅の単体もしくはこれらの2種以上からなる
合金からなる金属膜層と誘電体膜層とが隣接する交互層
としてもよい。
【0009】さらに、下地層の膜厚が500オングスト
ローム以下とすることもできる。
【0010】
【作用】レプリカ層と前記レプリカ層と反射膜との間に
積層された下地層との熱膨張係数の差が小さいため、レ
プリカ層の表面の格子形状が複雑に変化・湾曲すること
が軽減できる。このため、反射率のピーク波長の短波長
側へのシフトも発生しない。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照しつつ説明す
る。
【0012】図1は、本発明の反射型色分解回折格子
示す模式部分断面図である。
【0013】基板1は光学ガラス等からなり、基板1の
片面には、順次、階段型格子形状をもつ樹脂製のレプリ
カ層である所定のピッチで配列された三段型格子形状を
もつ樹脂製レプリカ層2、レプリカ層2に対して密着性
および耐湿性の良好な金属膜からなる下地層3、高反射
率をもつ金属反射膜層4、金属反射膜層4を大気中の水
蒸気等による腐食と摩傷による粗面化等から防止するた
めの保護膜層5が積層されている。
【0014】前記下地層3はレプリカ層2の格子形状が
複雑に変化・湾曲することを軽減させるため、室温乃至
100℃の範囲において、レプリカ層2の熱膨張係数を
100パーセントとしたときに6パーセント以上の熱膨
張係数をもつ金属膜とする。レプリカ層2は紫外線硬化
性樹脂製である。
【0015】このため、下地層3を構成する金属膜とし
ては、タンタル、クロム、チタンまたは銅の単体もしく
はこれらの2種以上からなる合金とするとよい。
【0016】また、レプリカ層2が吸水性を有するた
め、下地層3の金属膜の膜厚は、レプリカ層2から金属
反射膜層4への腐食を防止することができる必要最小限
の膜厚に形成する必要がある。このため下地層3の下限
値は数10オングストロームとする必要がある。また、
下地層3の膜厚の上限値は、例えば、紫外線硬化性樹脂
材料を用いた場合には、その種類、照射エネルギーおよ
び照射時間等のレプリカ層2の成形条件と、金属反射膜
層4の材料および膜厚と、保護膜層5の材料および膜厚
とに関係し、500オングストローム以下とすることに
より、良好な結果を得ることができる。ただし、基板1
およびレプリカ層2からなる樹脂製光学部品に下地層
3、金属反射膜層4および保護膜層5からなる高反射ミ
ラーを形成する際の加工条件の再現性や生産性および使
用環境を考慮すると、下地層3の好ましい膜厚は50乃
至150オングストロームとなる。
【0017】このように構成された色分解用の回折格子
は、室温乃至100℃の範囲において、各格子段の面精
度が±30ナノメートル以下の変形量を満足するように
反射膜構成(下地層3、金属反射膜層4、保護膜層5)
が設けられている。
【0018】また、このように構成された色分解用の回
折格子は、特開平2−214370号公報等において知
られているカラー画像読取り装置に用いられる。
【0019】次に、本発明の各実施例を製造工程ととも
に説明する。
【0020】実施例1 先ず、公知のレプリカ法によって、光学ガラスからなる
基板1の片面に三段型格子形状をもつレプリカ層2を積
層したいわゆるレプリカを製造し、表面に付着した汚染
物を洗浄等により除去しておく。
【0021】ここで、レプリカ層2の反基板側の面に形
成された格子形状は、次の形状に形成するとよい。
【0022】格子の凹部はピッチPが90〜190ミク
ロンのものであって、各凹部は深さの異なる3段の溝が
階段状に形成されたものである。深さの最も深い第1段
の溝の幅と基準面となるレプリカ層の表面の第4段の幅
はP×0.19ミクロン、2番目の深さの第2段の溝の
幅と3番目の深さの第3段の溝の幅はP×0.31ミク
ロンである。
【0023】また、各段の段差は第1段と第2段との第
1段差、および第3段と第4段との第3段差が580〜
740ナノメートルで、第2段と第3段との第2段差が
590〜780ナノメートルとする。
【0024】さらに、各段の溝の幅の変化量を±2ミク
ロン以下とし、各段間の段差の変化量を±30ナノメー
トル以下とする。
【0025】次に、上記レプリカを公知の真空蒸着装置
中にセットして、真空排気を行って3×10-5Torr
以上の高真空とし、抵抗加熱蒸着源や電子ビーム蒸着源
にて、室温乃至100℃の範囲において、熱膨張係数が
レプリカ層2の熱膨張係数を100パーセントとしたと
きに9.4パーセントである金属クロムを蒸発させ、レ
プリカ層2の表面に蒸着させて下地層3を形成した。
【0026】そののち、抵抗加熱蒸着源または電子ビー
ム蒸着源により、金属アルミニウムを蒸発させて、前記
下地層3上に金属アルミニウム膜の膜厚が1000オン
グストロームになるように蒸着させて、金属反射膜層4
を形成した。
【0027】ついで、電子ビーム蒸着源により、二酸化
ケイ素を蒸発させて、二酸化ケイ素の膜厚が100オン
グストロームになるように蒸着させて保護膜層5を形成
した。
【0028】そののち、真空蒸着装置の圧力を大気圧ま
で昇圧し、反射型色分解回折格子6を取出す。
【0029】上述のようにして製造した実施例1の反射
型色分解回折格子について、室温乃至100℃の範囲に
おける各層の熱膨張係数と各層の膜厚を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】本実施例では金属クロム膜を蒸着する際の
制御性、膜質再現性、使用環境を考慮してその膜厚は1
00オングストロームとした。
【0032】本実施例の反射型色分解回折格子を70℃
−85パーセントRHの高温・高湿槽に約250時間放
置する加速試験をしたのち、その面精度、膜密着性、反
射率、外観等について評価した結果、いずれも大きな変
化は見られなかった。特に、面精度を干渉縞にて評価し
たところ、実施例1のものは、下地層3に熱膨張係数が
下地層2に対し6パーセント未満のSiO等からなる酸
化物を用いた場合と比較して極めて良好であって、高精
度を維持することができた。
【0033】その面精度を干渉縞にて評価、比較した結
果を図2から図4に示す。
【0034】図2は基板1と樹脂製レプリカ層2からな
る樹脂製光学部品の格子面形状を干渉縞にて評価した写
真を模式的に表した図である。
【0035】格子は図の縦方向に階段状に並んでおり、
各段の段差のある所で、干渉縞がズレている。この図2
では、格段の干渉縞はほぼまっすぐで、且つ隣り合う段
と段の境界部での干渉縞が鋭利であることから、この格
子の各段の面形状が極めて平滑であることがわかる。
【0036】図3は図4の下地層3にCr膜を用いた代
わりに熱膨張係数のパーセンテージが0.7パーセント
のSiO膜を使用したものである。すなわち、前記図2
の樹脂製光学部品(基板1とレプリカ層2)の格子面上
に3の下地層としてSiO膜を膜厚100オングストロ
ーム、金属反射層4としてAl膜を1000オングスト
ローム、表面保護膜層5としてSiO2 を真空蒸着法に
よって形成したもので、70℃−85%RHの高温・高
湿槽にて250時間放置し、加速試験をした後の評価結
果である。
【0037】図4は、下地層3にCr膜を使用し上述し
た表1に記した構成からなる加速試験後の評価結果であ
る。
【0038】図2から図4の評価、比較結果から明らか
にように、下地層3に熱膨張係数のパーセンテージが6
パーセント未満からなるSiO膜を使用した場合、加速
試験後の干渉縞が各段で大きく変形・湾曲している。特
に隣り合う段と段の境界部分での変形が著しい。これに
対し、図4の下地層3に熱膨張係数のパーセンテージが
9.4パーセントのCr膜を使用した場合、加速試験後
の干渉縞の各段での変形・湾曲は微小なものに留まって
いる。
【0039】この下地層3にCr膜を使用したサンプル
で、高温・高湿による加速試験前後の反射率とピーク波
長を測定した結果、いずれも変化が少なくなり、反射率
で2パーセント以下、ピーク波長では短波長側に3ナノ
メートル以下のシフトに改善されており、反射型の色分
解用回折格子としての機能を充分に満足する効果があっ
た。
【0040】実施例2 下地層3として熱膨張係数が室温乃至100℃の範囲
で、85×10-7/℃の金属チタン膜を膜厚300オン
グストロームとし、金属反射膜層4としてAg膜を膜厚
1500オングストロームとした以外は実施例1と同様
である。
【0041】本実施例の各層の熱膨張係数と膜厚を表2
に示す。
【0042】
【表2】
【0043】実施例2についても、上記実施例1と同様
の加速試験を行ったのち、面精度、膜密着性、反射率、
外観等について評価した結果、いずれも良好な結果が得
られた。特に面精度は、高面精度を維持することができ
た。
【0044】実施例3 下地層3として熱膨張係数が室温乃至100℃の範囲で
160×10 −7 /℃のNi―Cu合金膜を膜厚100
オングストローム、金属反射膜層4としてAl膜を膜厚
1000オングストローム、保護膜層としてSiO
膜、TiO 膜及びSiO 膜を順次それぞれ840,
600,100オングストローム積層した以外は実施例
1と同様である。
【0045】実施例の各層の膜厚および熱膨張係数を表
3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】実施例3についても上記実施例1と同様の
加速試験を行った後、面精度、膜密着性、反射率、外観
等について評価した結果、いずれも良好な結果が得られ
た。特に面精度は、高面精度を維持することができた。
【0048】実施例4 図5は、本発明の実施例4を表す反射型色分解回折格子
を示す模式部分断面図である。
【0049】基板1は光学ガラス等からなる。基板1の
片面には、順次、階段型格子形状をもつ樹脂製のレプリ
カ層である所定のピッチで配列された三段型格子形状を
もつ樹脂製レプリカ層2が設けられている。レプリカ層
2に対して密着性および耐湿性の良好な下地層3は、金
属膜層7と該金属膜層7に隣接する誘電体膜層8との交
互層からなる。4は高反射率をもつ金属反射膜層、5は
金属反射膜層4を大気中の水蒸気等による腐食と摩傷に
よる粗面化等から防止するための保護膜層である。6
は、光学ガラス1,レプリカ層2,下地層3(金属膜層
7,誘電体膜層8),金属反射膜層4,保護膜層5から
なる反射型色分解回折格子である。
【0050】前記下地層3はレプリカ層2の格子形状が
複雑に変化・湾曲することを軽減させるため、室温乃至
100℃の範囲において、レプリカ層2の熱膨張係数を
100パーセントとしたときに6パーセント以上の熱膨
張係数をもつ金属膜層7と該金属膜層7に隣接する誘電
体膜層8とで構成される。
【0051】レプリカ層2は紫外線硬化性樹脂製であ
る。
【0052】このため、下地層3を構成する金属膜層7
としては、タンタル、クロム、チタンまたは銅の単体も
しくはこれらの2種以上からなる合金とするとよい。
【0053】また、誘電体膜層8は、酸化アルミニウム
の単体もしくは酸化アルミニウムを主成分とした誘電体
とすると良い。
【0054】また、レプリカ層2が吸水性を有するた
め、下地層3の金属膜の膜厚は、レプリカ層2から金属
反射膜層4への腐食を防止することができる必要最小限
の膜厚に形成する必要がある。このため下地層3の下限
値は、下地層3を構成する金属膜層7と誘電体膜層8と
で数10オングストロームとする必要がある。また、下
地層3の膜厚の上限値は、例えば、紫外線硬化性樹脂材
料を用いた場合には、その種類、照射エネルギーおよび
照射時間等のレプリカ層2の成形条件と、金属反射膜層
4の材料および膜厚と、保護膜層5の材料および膜厚と
に関係し、500オングストローム以下とすることによ
り、良好な結果を得ることができる。
【0055】ただし、基板1およびレプリカ層2からな
る樹脂製光学部品に下地層3、金属反射膜層4および保
護膜層5からなる高反射ミラーを形成する際の加工条件
の再現性や生産性および使用環境を考慮すると、下地層
3の好ましい膜厚は150乃至400オングストローム
となる。このうち、金属膜層7の好ましい膜厚は40乃
至100オングストロームで、誘電体層8の好ましい膜
厚は110乃至300オングストロームである。
【0056】このように構成された色分解用の回折格子
は、室温乃至100℃の範囲において、各格子段の面精
度が±30ナノメートル以下の変形量を満足するように
反射膜構成(下地層3(金属膜層7、誘電体膜層8)、
金属反射膜層4、保護膜層5)が設けられている。
【0057】また、このように構成された色分解用の回
折格子は、特開平2−214370号公報等において知
られているカラー画像読取り装置に用いられる。
【0058】次に、本実施例4を製造工程とともに説明
する。
【0059】先ず、実施例1と同様に、光学ガラスから
なる基板1の片面に前記寸法を有する三段型格子形状を
もつレプリカ層2を積層したレプリカを製造する。
【0060】上記レプリカを公知の真空蒸着装置中にセ
ットして、真空排気を行って3×10-5Torr以上の
高真空とし、抵抗加熱蒸着源や電子ビーム蒸着源にて、
室温乃至100℃の範囲において、熱膨張係数がレプリ
カ層2の熱膨張係数を100パーセントとしたときに
9.4パーセントである金属クロムを蒸発させ、レプリ
カ層2の表面に蒸着させて金属膜層7を形成した。
【0061】続いて、電子ビーム蒸着源により、室温乃
至100℃の範囲において、熱膨張係数がレプリカ層2
の熱膨張係数を100パーセントとしたときに9.7パ
ーセントである酸化アルミニウムを蒸発させ、金属膜層
7上に誘電体膜層8を隣接して形成させ、下地層3を形
成した。
【0062】そののち、抵抗加熱蒸着源または電子ビー
ム蒸着源により、金属アルミニウムを蒸発させて、前記
下地層3上に金属アルミニウム膜の膜厚が1000オン
グストロームになるように蒸着させて、金属反射膜層4
を形成した。
【0063】ついで、電子ビーム蒸着源により、Al2
3 を約3%含有した二酸化ケイ素を蒸発させて、二酸
化ケイ素の膜厚が130オングストロームになるように
蒸着させて保護膜層5を形成した。
【0064】そののち、真空蒸着装置の圧力を大気圧ま
で昇圧し、樹脂製光学部品の高反射ミラー6を取出す。
【0065】上述のように製造した実施例4の反射型色
分解回折格子について、室温乃至100℃の範囲におけ
る各層の膜厚および熱膨張係数を表4に示す。
【0066】
【表4】
【0067】実施例4では、金属Cr膜と、誘電体Al
23 膜を蒸着する際の制御性,膜質再現性,使用環境
を考慮して各々の膜厚は60オングストローム,150
オングストロームとした。
【0068】実施例4についても上記実施例1と同様の
加速試験を行った後、面精度、膜密着性、反射率、外観
等について評価した結果、いずれも良好な結果が得られ
た。特に面精度は、高面精度を維持することができた。
【0069】実施例5 下地層3の金属膜層7として熱膨張係数が室温乃至10
0℃の範囲で、66×10-7/℃の金属クロム膜を膜厚
60オングストローム、金属膜層7に隣接する誘電体膜
層8として熱膨張係数が室温乃至100℃の範囲で、8
1×10-7/℃の酸化チタン膜を膜厚120オングスト
ローム、金属反射膜層4としてAl膜を膜厚1000オ
ングストローム、保護膜層5としてAl23 を約3%
含有したSiO2 膜を膜厚100オングストロームとし
た、以外は実施例4と同様である。
【0070】本実施例5の各層の熱膨張係数と膜厚を表
5に示す。
【0071】
【表5】
【0072】実施例5についても上記実施例1と同様の
加速試験を行った後、面精度、膜密着性、反射率、外観
等について評価した結果、いずれも良好な結果が得られ
た。特に面精度は、高面精度を維持することができた。
【0073】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載するような効果を奏する。
【0074】樹脂製光学部品の上に形成されている格子
形状の面精度が高温・高湿環境下においても高精度が維
持されるので、反射率の減少とピーク波長のシフトが低
減し、本来の反射型色分解用の回折格子としての光学機
能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射型色分解回折格子の一実施例の模
式断面図である。
【図2】樹脂製光学部品の面精度を干渉縞で評価した図
である。
【図3】樹脂製光学部品の面精度を干渉縞で評価した図
である。
【図4】本発明の樹脂製光学部品の面精度を干渉縞で評
価した図である。
【図5】本発明の反射型色分解回折格子の他の実施例の
模式断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 レプリカ層 3 下地層 4 金属反射膜層 5 保護膜層 6 反射型色分解回折格子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学ガラスの基板上に形成された 階段
    型格子形状をもつ樹脂製のレプリカ層と、前記レプリカ
    層上に金属反射膜層が積層された反射型色分解回折格子
    であって、 前記レプリカ層と前記反射膜層との間に、室温乃至10
    0℃の範囲において、レプリカ層の熱膨張係数を100
    パーセントとしたとき6パーセント以上の熱膨張係数を
    もつタンタル、クロム、チタンまたは銅の単体もしくは
    これらの2種以上からなる合金またはニッケルと銅の合
    金からなる下地層が、50乃至150オングストローム
    の膜厚で積層されていることを特徴とする反射型色分解
    回折格子。
  2. 【請求項2】 光学ガラスの基板上に形成された 階段
    型格子形状をもつ樹脂製のレプリカ層と、前記レプリカ
    層上に金属反射膜層が積層された反射型色分解回折格子
    であって、 前記レプリカ層と前記反射膜層との間に、室温乃至10
    0℃の範囲において、レプリカ層の熱膨張係数を100
    パーセントとしたとき6パーセント以上の熱膨張係数を
    もつタンタル、クロム、チタンまたは銅の単体もしくは
    これらの2種以上からなる合金からなる金属膜層と誘電
    体膜層とが隣接する交互層からなる下地層が、150乃
    至400オングストロームの膜厚で積層されていること
    を特徴とする反射型色分解回折格子。
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Cited By (1)

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