JP6520240B2 - 光学反射フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学反射フィルムおよびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、高屈折率層と低屈折率層とが積層されたユニットを有する光学反射フィルムにおいて、耐候性を向上させるための技術に関する。
一般に、高屈折率層と低屈折率層とを、それぞれ光学的膜厚を調整して基材の表面に積層させた多層膜フィルムは、特定の波長の光を選択的に反射することが知られている。このような多層膜フィルムは、例えば、建築物の窓や車両用部材などに設置される赤外線反射フィルム(熱線反射フィルムとも称される)として利用されている。このような赤外線反射フィルムは、可視光線を透過し、近赤外線を選択的に反射するが、各層の膜厚や屈折率を調整するだけで、反射波長をコントロールすることができ、紫外線や可視光を反射することが可能である。
光学反射フィルムの製造方法としては、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた積層膜を蒸着法、スパッタなどの気相成膜法で作製する方法がある。しかしながら、気相成膜法は製造コストが高く、大面積化が困難であり、基材が耐熱性素材に限定される等の課題がある。
したがって、光学反射フィルムの製造の際には、製造コストが安く、大面積化が可能であり、基材の選択幅が広いといった観点から液相成膜法(ウェット)を用いるほうが有利である。液相成膜法を用いた技術として、たとえば、特許文献1には、水溶性高分子化合物および金属酸化物微粒子の混合物を含む塗布液を、湿式塗布方式により塗布して積層することにより製造される光学反射フィルム(赤外線反射フィルム)が開示されている。
特開2013−75463号公報
しかしながら、特許文献1に記載された光学反射フィルムは、耐候性が十分でないという問題を有していた。
そこで本発明は、優れた耐候性を有する光学反射フィルムを提供することを目的とする。
本発明の上記課題は、以下の構成により解決される。
1.高屈折率層と低屈折率層とが積層されたユニットを少なくとも1つ含み、
前記高屈折率層と前記低屈折率層とが、交互に第1層から第N層(Nは2以上の整数である)まで順次積層されてなる光学反射フィルムであって、
ある層の膨張収縮率R[%]を下記数式1で定義したときに、第X層の膨張収縮率Rxと、当該第X層と隣接する第(X+1)層の膨張収縮率R(X+1)との関係が、X=1〜(N−1)の全てにおいて、下記数式2の関係を満たす、光学反射フィルム。
2.前記高屈折率層および前記低屈折率層の少なくとも1層は、水溶性高分子化合物を含む、前記1に記載の光学反射フィルム。
3.前記水溶性高分子化合物は、ポリビニルアルコールおよびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含む、前記2に記載の光学反射フィルム。
4.前記高屈折率層と低屈折率層とが積層されたユニットは、同時重層塗布により形成されてなる、前記1〜3のいずれかに記載の光学反射フィルム。
5.高屈折率層と低屈折率層とが積層されたユニットを少なくとも1つ含み、
前記高屈折率層と前記低屈折率層とが、交互に第1層から第N層(Nは2以上の整数である)まで順次積層されてなる光学反射フィルムの製造方法であって、
N層からなる積層体を形成する工程と、
前記積層体を、エージングする工程と、を有し、
第1層から第N層までの、各層のガラス転移温度のうちの最小値をTg(min)[℃]としたときに、
前記エージング工程において、エージング温度は、Tg(min)[℃]以上、Tg(min)+50[℃]以下であり、エージング時間は、30分間以上である、前記1〜4のいずれかに記載の光学反射フィルムの製造方法。
6.高屈折率層と低屈折率層とが積層されたユニットを少なくとも1つ含み、
前記高屈折率層と前記低屈折率層とが、交互に第1層から第N層(Nは2以上の整数である)まで順次積層されてなる光学反射フィルムの製造方法であって、
N層からなる積層体を形成する工程と、
前記積層体を、エージングする工程と、を有し、
第1層から第N層までの、各層のガラス転移温度のうちの最小値をTg(min)[℃]としたときに、
前記エージング工程において、エージング温度は、30[℃]以上、Tg(min)[℃]未満であり、エージング時間は、3時間以上である、前記1〜4のいずれかに記載の光学反射フィルムの製造方法。
本発明によれば、優れた耐候性を有する光学反射フィルムを提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の形態のみに制限されない。
〈光学反射フィルム〉
本発明の一形態に係る光学反射フィルムは、高屈折率層と低屈折率層とが積層されたユニットを少なくとも1つ含む。高屈折率層と低屈折率層とは、交互に第1層から第N層(Nは2以上の整数である)まで順次積層されてなり、ある層の膨張収縮率R[%]を下記数式1で定義したときに、第X層の膨張収縮率Rxと、当該第X層と隣接する第(X+1)層の膨張収縮率R(X+1)との関係が、X=1〜(N−1)の全てにおいて、下記数式2の関係を満たすことを特徴とする。
本形態の光学反射フィルムは、上記構成を有することで、優れた耐候性を有する。本形態の光学反射フィルムが当該効果を奏する理由は定かではないが、本発明者は以下のように推測している。
すなわち、本形態の光学反射フィルムは、上記構成を有することにより、日照下等の温度変化に伴って生じる隣接する層間の膨張収縮の差が小さくなる。その結果、膨張収縮に起因する応力が小さくなるため、高屈折率層と低屈折率層とが積層されたユニット部分における割れなどが抑制されると考えられる。なお、上記メカニズムはあくまでも推測であり、本発明は当該メカニズムに何ら制限されるものではない。以下、本形態の光学遮蔽フィルムの各構成について詳細に説明する。
[光学反射層]
光学反射層は、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されてなる構成を有する。当該高屈折率層と低屈折率層とは、以下のように考える。例えば、高屈折率層を構成する成分(以下、高屈折率層成分)と低屈折率層を構成する成分(以下、低屈折率層成分)とが、ふたつの層の界面で混合され、高屈折率層成分と低屈折率層成分とを含む層(混合層)が形成される場合がある。この場合、混合層において、高屈折率層成分が50質量%以上である部位の集合を高屈折率層とし、低屈折率層成分が50質量%を超える部位の集合を低屈折率層とする。具体的には、高屈折率層が、例えば、高屈折率成分として第1の金属酸化物を、また、低屈折率層が低屈折率成分として第2の金属酸化物を含有している場合、これらの積層膜における膜厚方向での金属酸化物濃度プロファイルを測定し、その組成によって、高屈折率層または低屈折率層とみなすことができる。積層膜の金属酸化物濃度プロファイルは、スパッタ法を用いて表面から深さ方向へエッチングを行い、XPS表面分析装置を用いて、最表面を0nmとして、0.5nm/minの速度でスパッタし、原子組成比を測定することで観測することが出来る。また、高屈折率成分または低屈折率成分に金属酸化物粒子が含有されておらず、高屈折率層または低屈折率層の一方が水溶性樹脂(有機バインダー)のみから形成されている積層体においても、同様にして、水溶性樹脂(有機バインダー)濃度プロファイルにて、例えば、膜厚方向での炭素濃度を測定することにより混合領域が存在していることを確認し、さらにその組成をEDXにより測定することで、スパッタでエッチングされた各層が、高屈折率層または低屈折率層とみなすことができる。
光学反射層は、高屈折率層および低屈折率層が交互に積層された積層体(ユニット)を少なくとも1つ以上有する構成であればよい。高屈折率層および低屈折率層の層数(屈折率層の総数)は、特に制限はないが、好ましくは6〜2000(すなわち、3〜1000ユニット)であり、より好ましくは10〜1500(すなわち、5〜750ユニット)であり、さらに好ましくは10〜1000(すなわち、5〜500ユニット)である。層数が2000を超えるとヘイズが発生しやすく、6未満であると所望の反射率に達しないことがある。
光学反射層において、高屈折率層の屈折率はより高い方が好ましい。具体的には、屈折率が、好ましくは1.70〜2.50であり、より好ましくは1.80〜2.20であり、さらに好ましくは1.90〜2.20である。また、低屈折率層の屈折率はより低い方が好ましい。具体的には、屈折率が、好ましくは1.10〜1.60であり、より好ましくは1.30〜1.55であり、さらに好ましくは1.30〜1.50である。なお、本明細書において、高屈折率層および低屈折率層の屈折率は、後述の実施例に記載の方法により測定された値を採用するものとする。
光学反射層においては、高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差を大きく設計することが、少ない層数で反射率を高くすることができる観点から好ましい。高屈折率層および低屈折率層から構成されるユニットの少なくとも1つにおいて、隣接する高屈折率層と低屈折率層との屈折率差は好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.2以上であり、さらに好ましくは0.25以上である。光学反射層が高屈折率層および低屈折率層のユニットを複数有する場合には、全てのユニットにおける高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が上記好適な範囲内にあることが好ましい。ただし、光学反射層の最表層や最下層に関しては、上記好適な範囲外の構成であってもよい。
特定波長領域の反射率は、隣接する2層(高屈折率層と低屈折率層)の屈折率差と積層数で決まり、屈折率差が大きいほど、少ない層数で同じ反射率を得られる。この屈折率差と必要な層数については、市販の光学設計ソフトを用いて計算することができる。例えば、赤外反射率(赤外遮蔽率)90%以上を得るためには、屈折率差が0.1より小さいと、100層を超える積層が必要になり、生産性が低下するだけでなく、積層界面での散乱が大きくなり、透明性が低下する。反射率の向上と層数を少なくする観点からは、屈折率差に上限はないが、実質的には1.4程度である。
隣接した層界面での反射は、層間の屈折率差に依存するのでこの屈折率差が大きいほど、反射率が高まる。また、単層膜でみたとき層表面における反射光と、層底部における反射光の光路差を、n・d=波長/4、で表される関係にすると位相差により反射光を強めあうよう制御でき、反射率を上げることができる。ここで、nは屈折率、またdは層の物理膜厚、n・dは光学膜厚である。この光路差を利用することで、反射を制御できる。この関係を利用して、各層の屈折率と膜厚を制御して、可視光や、近赤外光の反射を制御する。即ち、各層の屈折率、各層の膜厚、各層の積層のさせ方で、特定波長領域の反射率をアップさせることができる。
本形態の光学反射フィルムは反射率をアップさせる特定波長領域を変えることにより、可視光反射フィルムや近赤外線反射フィルムとすることができる。即ち、反射率をアップさせる特定波長領域を可視光領域に設定すれば可視光線反射フィルムとなり、近赤外領域に設定すれば近赤外線反射フィルムとなる。また、反射率をアップさせる特定波長領域を紫外光領域に設定すれば、紫外線反射フィルムとなる。本形態の光学反射フィルムを遮熱フィルムに用いる場合は、(近)赤外反射(遮蔽)フィルムとすればよい。赤外反射フィルムの場合、JIS R3106:1998で示される可視光領域の550nmでの透過率が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、75%以上であることがさらに好ましい。また、1200nmでの透過率が35%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。かような好適な範囲となるように光学膜厚とユニットを設計することが好ましい。また、波長900nm〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
(低屈折率層と高屈折率層)
本明細書において、「高屈折率層」および「低屈折率層」なる用語は、隣接した2層の屈折率差を比較した場合に、屈折率が高い方の屈折率層を高屈折率層とし、低い方の屈折率層を低屈折率層とすることを意味する。したがって、「高屈折率層」および「低屈折率層」なる用語は、光学反射フィルムを構成する各屈折率層において、隣接する2つの屈折率層に着目した場合に、各屈折率層が同じ屈折率を有する形態以外のあらゆる形態を含むものである。
屈折率層の1層あたりの厚み(乾燥後の厚み)は、20〜1000nmであることが好ましく、50〜500nmであることがより好ましく、100〜300nmであることがさらにより好ましく、100〜200nmであることが特に好ましい。屈折率層の1層あたりの厚みは、ダイスの押出口におけるフィルム厚さ方向の幅を変更すること、および/または延伸条件により、調節することができる。なお、積層体を延伸する場合は、上記膜厚は延伸後の厚さを示す。
(ポリマー)
低屈折率層及び高屈折率層はポリマー材料を含む。屈折率層を形成するのがポリマー材料であれば、塗布やスピンコートなどの成膜方法が選択可能となる。これらの方法は簡便であり、基材の耐熱性を問わないので選択肢が広く、特に樹脂基材に対して有効な成膜方法といえる。たとえば塗布型ならばロール・ツー・ロール法などの大量生産方式が採用でき、コスト面でもプロセス時間面でも有利になる。また、ポリマー材料を含む膜はフレキシブル性が高いため、生産時や運搬時に巻き取りを行っても、これらの欠陥が発生しづらく、取扱性に優れているという長所がある。
屈折率層に含まれるポリマーは、特に制限されず、特表2002−509279号公報(米国特許第6,049,419号明細書に相当する)に記載のものを用いることができる。具体例としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびその異性体(例えば、2,6−、1,4−、1,5−、2,7−および2,3−PEN)、ポリアルキレンテレフタレート(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、およびポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリイミド(例えば、ポリアクリルイミド)、ポリエーテルイミド、アタクチックポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリレート(例えば、ポリイソブチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、およびポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリアクリレート(例えば、ポリブチルアクリレート、およびポリメチルアクリレート)、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、アセチルセルロース、セルロースプロピオネート、アセチルセルロースブチレート、および硝酸セルロース)、ポリアルキレンポリマー(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン、ポリイソブチレン、およびポリ(4−メチル)ペンテン)、フッ素化ポリマー(例えば、パーフルオロアルコキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、およびポリクロロトリフルオロエチレン)、塩素化ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニリデンおよびポリ塩化ビニル)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリエーテルアミド、アイオノマー樹脂、エラストマー(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレンおよびネオプレン)、ならびにポリウレタンが挙げられる。コポリマー、例えば、PENのコポリマー[例えば、(a)テレフタル酸もしくはそのエステル、(b)イソフタル酸もしくはそのエステル、(c)フタル酸もしくはそのエステル、(d)アルカングリコール、(e)シクロアルカングリコール(例えば、シクロヘキサンジメタノールジオール)、(f)アルカンジカルボン酸、および/または(g)シクロアルカンジカルボン酸(例えば、シクロヘキサンジカルボン酸)と2,6−、1,4−、1,5−、2,7−、および/または2,3−ナフタレンジカルボン酸またはそれらのエステルとのコポリマー]、ポリアルキレンテレフタレートのコポリマー[例えば、(a)ナフタレンジカルボン酸もしくはそのエステル、(b)イソフタル酸もしくはそのエステル、(c)フタル酸もしくはそのエステル、(d)アルカングリコール、(e)シクロアルカングリコール(例えば、シクロヘキサンジメタノールジオール)、(f)アルカンジカルボン酸、および/または(g)シクロアルカンジカルボン酸(例えば、シクロヘキサンジカルボン酸)と、テレフタル酸もしくはそのエステルとのコポリマー]、並びにスチレンコポリマー(例えば、スチレン−ブタジエンコポリマー、およびスチレン−アクリロニトリルコポリマー)、4,4−ビス安息香酸およびエチレングリコールも適している。さらに、各層はそれぞれ、2種またはそれ以上の上記のポリマーまたはコポリマーのブレンド(例えば、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)とアタクチックポリスチレンとのブレンド)を包含してよい。本形態において、高屈折率層および低屈折率層を形成するポリマーの好ましい組み合わせとしては、PEN/PMMA、PET/PMMA、PE/PMMA、PE/ポリフッ化ビニリデン、PEN/ポリフッ化ビニリデン、PEN/PET、PEN/ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
屈折率層に含まれるポリマーの重量平均分子量は、10000〜1000000程度であり、50000〜800000であることが好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した値を採用する。
また、屈折率層中、ポリマーの含有量は、各屈折率層の全固形分に対して、例えば、30〜100質量%であり、好ましくは50〜100質量%であり、より好ましくは70〜100質量%である。
上記形態において、光学反射層は溶融押出成形によって形成されうる。より具体的には、例えば特表2002−509279号公報(米国特許第6,049,419号明細書に相当する)に記載されるように、樹脂を溶融して得られた溶融樹脂を、(多層)押出しダイスよりキャスティングドラム上に押出した後、急冷する。この際、溶融樹脂の押出し冷却後、樹脂シートを延伸させてもよい。塗布法や溶液流涎法のような溶媒を用いる方法と異なり、溶融押出成形によれば溶媒を用いずに光学反射層を形成することができる。従って、溶融押出成形により光学反射層を形成することは、製造効率の観点から利点がある。上記形態に係る光学反射フィルムは、第1のポリマーを含有する高屈折率層と第2のポリマーを含有する低屈折率層とが同時に積層される、多層押出しによって光学反射層が形成されたものであることが好ましい。
また、他の一形態によると、高屈折率層および低屈折率層に含まれるポリマーは、バインダーとして機能する水溶性高分子化合物であることが好ましい。すなわち、本発明の一形態に係る光学反射フィルムは、高屈折率層および低屈折率層の少なくとも1層が、水溶性高分子化合物を含む。高屈折率層および低屈折率層は、水溶性高分子化合物を含むことで、有機溶剤による環境上の問題を解決することができ、また塗膜の柔軟性も達成することができる。なお、高屈折率層および低屈折率層に含有されるポリマーは、同じ構成成分であってもよく、異なる構成成分であってもよいが、異なることが好ましい。水溶性高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコールおよびその誘導体(ポリビニルアルコール系樹脂)、ゼラチン、または増粘多糖類などが挙げられる。なかでも、塗布ムラや膜厚均一性(ヘイズ)などの向上効果の観点から、水溶性高分子化合物として、ポリビニルアルコールおよびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。ポリマーは、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、ポリマーは、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
ポリマーは特に制限されず、WO2012/128109、特開2013−121567号公報、特開2013−148849号公報等の、高屈折率層および低屈折率層に使用される公知のポリマーが同様にして使用できる。具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他、各種の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上であることが好ましく、平均重合度が1,500〜5,000であることが特に好ましい。また、鹸化度は、70〜100mol%であることが好ましく、80〜99.9mol%であることが特に好ましい。
変性ポリビニルアルコールとしては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、ノニオン変性ポリビニルアルコール、エチレン変性ポリビニルアルコール、ビニルアルコール系ポリマーが挙げられる。また、酢酸ビニル系樹脂(例えば、株式会社クラレ製「エクセバール」)、ポリビニルアルコールにアルデヒドを反応させて得られるポリビニルアセタール樹脂(例えば、積水化学工業株式会社製「エスレック」)、シラノール基を有するシラノール変性ポリビニルアルコール(例えば、株式会社クラレ製「R−1130」)、分子内にアセトアセチル基を有する変性ポリビニルアルコール系樹脂(例えば、日本合成化学工業株式会社製「ゴーセファイマー(登録商標)Z/WRシリーズ」)等もポリビニルアルコール系樹脂に含まれる。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号公報および同63−307979号公報に記載されているようなビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、および特開平7−285265号公報に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載されているような疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体、シラノール基を有するシラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基やカルボニル基、カルボキシル基などの反応性基を有する反応性基変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1級〜第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を鹸化することにより得られる。
エチレン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開2009−107324号公報、特開2003−248123号公報、特開2003−342322号公報、特願2013−206813などに記載されるものが使用できる。または、エクセバール(商品名:株式会社クラレ製)等の市販品を使用してもよい。
ビニルアルコール系ポリマーとしては、エクセバール(商品名:株式会社クラレ製)やニチゴーGポリマー(商品名:日本合成化学工業株式会社製)などが挙げられる。
なお、上述のポリビニルアルコールは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ポリビニルアルコールは合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、1,000〜200,000であることが好ましく、3,000〜60,000であることがより好ましい。なお、本明細書において、「重量平均分子量」の値は、静的光散乱法、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)、TOFMASSなどによって測定した値を採用するものとする。水溶性高分子化合物の重量平均分子量が上記範囲にあると、湿式成膜法における塗布が可能となり、生産性を向上させることができることから好ましい。
屈折率層における水溶性高分子化合物の含有量は、屈折率層の全固形分に対して、5〜75質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましい。水溶性高分子化合物の含有量が5質量%以上であると、湿式成膜法で屈折率層を形成する場合に、塗布して得られた塗膜の乾燥時に、膜面が乱れによる透明性の劣化を防止できることから好ましい。一方、水溶性高分子化合物の含有量が75質量%以下であると、屈折率層中に金属酸化物粒子を含有する場合に好適な含有量となり、低屈折率層と高屈折率層との屈折率差を大きくできることから好ましい。なお、本明細書において、水溶性高分子化合物の含有量は、蒸発乾固法の残固形分より求められる。具体的には、光学反射フィルムを95℃の熱水に2時間浸し、残ったフィルムを除去した後、熱水を蒸発させ、得られた固形物の量を水溶性高分子化合物量とする。この際、IR(赤外分光)スペクトルにおいて1700〜1800cm−1、900〜1000cm−1、および800〜900cm−1の領域にそれぞれ1つずつピークが見られる場合、その水溶性高分子化合物はポリビニルアルコールであると断定することができる。
(金属酸化物粒子)
本形態の光学反射フィルムにおける低屈折率層または高屈折率層の少なくとも一方は、金属酸化物(粒子)を含有してもよい。金属酸化物粒子を含有することで各屈折率層間の屈折率差を大きくすることができ、反射特性が向上する。低屈折率層および高屈折率層の双方が金属酸化物粒子を含有することにより、屈折率差をより大きくすることができる。金属酸化物粒子を含むことにより、積層数を低減することができ、薄膜とすることができる。層数を減らすことで、生産性が向上し、積層界面での散乱による透明性の減少を抑制することができる。
金属酸化物粒子としては、金属酸化物を構成する金属が、Li、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Rb、Sr、Y、Nb、Zr、Mo、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Ta、Hf、W、Ir、Tl、Pb、Bi及び希土類金属からなる群より選ばれる1種または2種以上の金属である金属酸化物を用いることができる。
(高屈折率層中の金属酸化物粒子)
高屈折率層に用いる金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化バリウム、酸化インジウム、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズ、酸化鉛、ならびにこれら酸化物より構成される複酸化物であるニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム、アルミニウム・マグネシウム酸化物(MgAl)などが挙げられる。
また、金属酸化物粒子として、希土類酸化物を用いることもでき、具体的には、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム等も挙げられる。
高屈折率層に用いられる金属酸化物粒子としては、屈折率が1.90以上の金属酸化物粒子が好ましく、例えば、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛等を挙げることができる。中でも、透明でより屈折率の高い高屈折率層を形成することのできることから、酸化チタンが好ましく、特にルチル型(正方晶形)酸化チタン粒子を用いることが好ましい。高屈折率層に用いられる金属酸化物粒子は、1種単独であってもよいし、2種以上併用してもよい。
また、金属酸化物粒子は、平均粒径が100nm以下であることが好ましく、4〜50nmであることがより好ましい。
高屈折率層で用いられる金属酸化物粒子に用いられる金属酸化物粒子の平均粒径は、30nm以下であることが好ましく、1〜30nmであることがより好ましく、5〜15nmであることがさらに好ましい。平均粒径が上記範囲であれば、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
本発明において、酸化チタン粒子は、酸化チタンゾルの表面を変性して水または有機溶剤等に分散可能な状態にしたものを用いることが好ましい。水系の酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報、特開昭63−17221号公報等に記載された事項を参照にすることができる。
高屈折率層で用いられる金属酸化物粒子に用いられる酸化チタンの平均粒径は、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、ヘイズ値が低く可視光透過率に優れる観点から1〜30nmであることがさらに好ましく、1〜20nmであることがより好ましい。なお、ここで平均粒径とは、粒子そのものをレーザー回折散乱法、動的光散乱法、あるいは電子顕微鏡を用いて観察する方法や、屈折率層の断面や表面に現れた粒子像を電子顕微鏡で観察する方法により、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、それぞれd1、d2・・・di・・・dkの粒径を持つ粒子がそれぞれn1、n2・・・ni・・・nk個存在する粒子状の金属酸化物の集団において、粒子1個当りの体積をviとした場合に、平均粒径mv={Σ(vi・di)}/{Σ(vi)}で表される体積で重み付けされた体積平均粒径である。
また本発明において、酸化チタンが含ケイ素の水和酸化物で被覆されたコアシェル粒子の形態であってもよい。当該コアシェル粒子は、酸化チタン粒子の表面を、コアとなる酸化チタンに含ケイ素の水和酸化物からなるシェルが被覆してなる構造を有する。かようなコアシェル粒子を高屈折率層に含有させることで、シェル層の含ケイ素の水和酸化物と水溶性樹脂との相互作用により、低屈折率層と高屈折率層との層間混合が抑制されうる。ここで、「被覆」とは、酸化チタン粒子の表面の少なくとも一部に、含ケイ素の水和酸化物が付着されている状態を意味する。すなわち、金属酸化物粒子として用いられる酸化チタン粒子の表面が、完全に含ケイ素の水和酸化物で被覆されていてもよく、酸化チタン粒子の表面の一部が含ケイ素の水和酸化物で被覆されていてもよい。被覆された酸化チタン粒子の屈折率が含ケイ素の水和酸化物の被覆量により制御される観点から、酸化チタン粒子の表面の一部が含ケイ素の水和酸化物で被覆されることが好ましい。以下ではこのような被覆された酸化チタン粒子を「シリカ変性酸化チタン粒子」とも称する。
含ケイ素の水和酸化物で被覆された酸化チタン粒子の酸化チタンはルチル型であってもアナターゼ型であってもよいが、ルチル型がより好ましい。これは、ルチル型の酸化チタン粒子が、アナターゼ型の酸化チタン粒子より光触媒活性が低いため、高屈折率層や隣接した低屈折率層の耐候性が高くなり、さらに屈折率が高くなるためである。
本明細書における「含ケイ素の水和酸化物」とは、無機ケイ素化合物の水和物、有機ケイ素化合物の加水分解物および/または縮合物のいずれでもよいが、本形態の効果を得るためにはシラノール基を有することがより好ましい。
含ケイ素の水和酸化物の被覆量は、金属酸化物粒子に対して3〜30質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜8質量%である。被覆量が30質量%以下であると、高屈折率層の高屈折率化が容易となり、被覆量が3質量%以上であると、被覆した粒子を安定に形成することができるからである。
酸化チタン粒子を含ケイ素の水和酸化物で被覆する方法としては、従来公知の方法により製造することができ、例えば、特開平10−158015号公報、特開2000−204301号公報、特開2007−246351号公報等に記載された事項を参照することができる。
一般的に、酸化チタン粒子は、粒子表面の光触媒活性の抑制や、溶媒等への分散性を向上する目的で、表面処理が施された状態で使用されることが多く、表面処理としては、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、ジルコニア等、1種またその2種類以上で処理されているものが好ましい。より具体的には、酸化チタン粒子表面をシリカからなる被覆層で覆われ、粒子表面が負電荷を帯びたものや、アルミニウム酸化物からなる被覆層が形成されたpH8〜10で表面が正電荷を帯びたものが知られている。
高屈折率層における金属酸化物粒子の含有量としては、高屈折率層の固形分100質量%に対して、赤外遮蔽の観点および曲面形状のガラスにフィルムを適用した場合の色ムラ低減の観点から、20〜80質量%であることが好ましく、30〜75質量%であることがより好ましく、40〜70質量%であることがさらに好ましい。
(低屈折率層中の金属酸化物粒子)
主に低屈折率層に用いられる金属酸化物粒子としては、金属酸化物粒子として二酸化ケイ素を用いることが好ましく、コロイダルシリカを用いることが特に好ましい。低屈折率層に含まれる金属酸化物粒子(好ましくは二酸化ケイ素)は、その平均粒径が3〜100nmであることが好ましい。一次粒子の状態で分散された二酸化ケイ素の一次粒子の平均粒径(塗布前の分散液状態での粒径)は、3〜50nmであるのがより好ましく、3〜40nmであるのがさらに好ましく、3〜20nmであるのが特に好ましく、4〜10nmであるのが最も好ましい。また、二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。低屈折率層中の金属酸化物の平均粒径は、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
低屈折率層における金属酸化物粒子の含有量としては、低屈折率層の固形分に対して、屈折率の観点から、5〜70質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがさらに好ましい。
コロイダルシリカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるものであり、たとえば、特開昭57−14091号公報、特開昭60−219083号公報、特開昭60−219084号公報、特開昭61−20792号公報、特開昭61−188183号公報、特開昭63−17807号公報、特開平4−93284号公報、特開平5−278324号公報、特開平6−92011号公報、特開平6−183134号公報、特開平6−297830号公報、特開平7−81214号公報、特開平7−101142号公報、特開平7−179029号公報、特開平7−137431号公報、および国際公開第94/26530号パンフレットなどに記載されているものである。この様なコロイダルシリカは合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。コロイダルシリカは、その表面をカチオン変性されたものであってもよく、また、Al、Ca、MgまたはBa等で処理された物であってもよい。
このようなコロイダルシリカは合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、日産化学工業(株)から販売されているスノーテックスシリーズ(スノーテックスOS、OXS、S、OS、20、30、40、O、N、C等)が挙げられる。
(その他の添加物)
各屈折率層は、上記以外にも、例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報および同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号公報、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報および同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有していてもよい。これらの添加物の含有量は、屈折率層の固形分に対して、0.1〜10質量%であることが好ましい。
または、各屈折率層が水溶性高分子化合物を含む場合には、水溶性高分子化合物を硬化させるために、硬化剤を使用することもできる。硬化剤としては、ホウ酸及びその塩、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬、ホウ砂等が挙げられる。屈折率層における硬化剤の含有量は、屈折率層の固形分に対して、1〜10重量%であることが好ましい。
または、各屈折率層は、塗布時の表面張力調整のために、界面活性剤を含んでもよい。ここで、界面活性剤としてアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などを用いることができるが、アニオン系界面活性剤がより好ましい。好ましい化合物としては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホン酸基又はその塩を含有するものが挙げられる。各屈折率層における界面活性剤の含有量は、屈折率層の固形分に対して、0.01〜5質量%であることが好ましい。
本形態の光学反射フィルムは、高屈折率層と低屈折率層とが交互に第1層から第N層(Nは2以上の整数である)まで順次積層されてなる(高屈折率層と低屈折率層との合計がN層である)光学反射層において、ある層(任意の高屈折率層または低屈折率層)の膨張収縮率R[%]を下記数式1で定義したときに、第X層の膨張収縮率Rxと、当該第X層と隣接する第(X+1)層の膨張収縮率R(X+1)との関係が、X=1〜(N−1)の全てにおいて、下記数式2の関係を満たすことを特徴とする。
本明細書において、膨張収縮率R[%]は、20℃での厚さが100nmである単層サンプルを、湿度30%RH下で温度を20℃から85℃へと変化させた際の厚さの変化率に相当し、具体的には、後述の実施例に記載の方法により求められる値を採用する。
上記数式2で定義される膨張収縮率Rxと膨張収縮率R(X+1)との差の絶対値(以下、単に「隣接層間の膨張収縮率差」とも称する)は、必須に2.4%以下であり、好ましくは2.1%以下であり、より好ましくは1.3%以下である。当該隣接層間の膨張収縮率差が2.4%を超えると、十分な耐候性が得られず、膜割れなどが発生しやすくなる。一方、隣接層間の膨張収縮率差の下限値は、特に制限されず、耐候性の観点からは当該差が小さいほど好ましいが、十分な反射率を維持するなどの観点から、0.1%以上であることが好ましい。
隣接層間の膨張収縮率差を上記範囲に制御する方法は特に制限されないが、後述の光学反射フィルムの製造方法で説明するエージング処理を行うことにより、容易に隣接層間の膨張収縮率差を上記範囲に制御することができる。なお、エージング処理を行わずに、各層を構成するポリマーや金属酸化物、その他必要に応じて添加される添加剤の種類や配合量を調整することによって、隣接層間の膨張収縮率差を上記範囲に制御することも可能である。
[基材]
本形態の光学反射フィルムは、上記高屈折率層および低屈折率層を支持するための基材を有することが好ましい。光学反射フィルムの基材としては、種々の樹脂フィルムを用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルムを構成するポリエステルとしては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。
主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの2種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
基材の厚みは、特に制限されないが、10〜300μm、特に20〜150μmであることが好ましい。また、基材は2層以上重ねたものであってもよく、この場合、各層を構成する樹脂は互いに同じでも異なってもよい。
基材は、JIS R3106(1998)で示される可視光領域の透過率が85%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。基材が上記透過率以上であることにより、光学反射フィルムとしたときのJIS R3106(1998)で示される可視光領域の透過率を50%以上(上限:100%)にすることができるという点で有利である。
また、上記樹脂等を用いた基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。強度向上、熱膨張抑制の点から延伸フィルムが好ましい。
基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
また、基材は、寸法安定性の点で弛緩処理、オフライン熱処理を行ってもよい。弛緩処理はフィルムの延伸成膜工程中の熱固定した後、横延伸のテンター内、またはテンターを出た後の巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。弛緩処理は処理温度が80〜200℃で行われることが好ましく、より好ましくは処理温度が100〜180℃である。また長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1〜10%の範囲で行われることが好ましく、より好ましくは弛緩率が2〜6%で処理されることである。弛緩処理された基材は、下記のオフライン熱処理を施すことにより耐熱性が向上し、さらに、寸法安定性が良好になる。
基材は、成膜過程で片面または両面にインラインで下引層塗布液を塗布することが好ましい。なお、成膜工程中での下引塗布をインライン下引という。下引層塗布液に使用する樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンイミンビニリデン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂(ポリビニルアルコール)、変性ポリビニルアルコール樹脂(変性ポリビニルアルコール)およびゼラチン等が挙げられ、いずれも好ましく用いることができる。これらの下引層には、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、上記の下引層は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法によりコーティングすることができる。上記の下引層の塗布量としては、0.01〜2g/m(乾燥状態)程度が好ましい。
[その他の機能層]
本形態の光学反射フィルムは、上記光学反射層および基材の他に、さらなる機能の付加を目的として、導電性層、帯電防止層、ガスバリア層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、ハードコート層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、粘着層、接着層、上記高屈折率層および低屈折率層以外の光学遮蔽層(金属層、液晶層)、着色層(可視光線吸収層)、合わせガラスに利用される中間膜層などの機能層の1つ以上を有していてもよい。
なお、光学反射フィルムにおける上記機能層の積層順は、特に制限されない。例えば、窓ガラスの室内側に光学反射フィルムを貼る(内貼り)仕様では、基材表面に、高屈折率層および低屈折率層を積層したユニットを少なくとも1つ含む光学反射層、粘着層の順に積層し、さらにこれらの層が積層されている側とは逆の側の基材表面にハードコート層を塗設する形態が好ましい一例として挙げられる。また、粘着層、基材、光学反射層、ハードコート層の順であってもよく、さらに他の機能層、基材、または赤外吸収剤などを有していてもよい。また、窓ガラスの室外側に本発明の光学反射フィルムを貼る(外貼り)仕様でも好ましい一例を挙げると、基材表面に光学反射層、粘着層の順に積層し、さらにこれらの層が積層されている側とは逆の側の基材表面にハードコート層を塗設する構成である。内貼りの場合と同様に、粘着層、基材、光学反射層、ハードコート層の順であってもよく、さらに他の機能層基材、または赤外吸収剤などを有していてもよい。
〈光学反射フィルムの製造方法〉
本発明に係る光学反射フィルムの製造方法は、特に制限されず、上述の高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニット(光学反射層)を少なくとも1つ形成することができるものであれば、いかなる方法でも用いられうる。
一方、本発明者は、隣接層間の膨張収縮率差を前述の範囲に制御するための一つの方法として、特定のエージング処理を行うことが非常に有効であることを見出した。
すなわち、本発明の一形態に係る光学反射フィルムの製造方法は、高屈折率層と低屈折率層とが積層されたユニットを少なくとも1つ含み、高屈折率層と低屈折率層とが、交互に第1層から第N層(Nは2以上の整数である)まで順次積層されてなる光学反射フィルムの製造方法に関する。当該製造方法は、N層からなる積層体を形成する工程(以下、「工程1」とも称する)と、積層体を、エージングする工程(以下、「工程2」とも称する)とを有する。そして、第1層から第N層までの、各層(各層を構成するポリマー)のガラス転移温度のうちの最小値をTg(min)[℃]としたときに、エージング工程(工程2)において、エージング温度は、Tg(min)[℃]以上、Tg(min)+50[℃]以下であり、エージング時間は、30分間以上であることを特徴とする(以下、「エージング処理条件A」とも称する)。
また、本発明の他の一形態に係る光学反射フィルムの製造方法は、上記エージング工程(工程2)において、エージング温度は、30[℃]以上、Tg(min)[℃]未満であり、エージング時間は、3時間以上であることを特徴とする(以下、「エージング処理条件B」とも称する)。
上記工程1で形成した積層体に対して、工程2でエージング処理条件Aまたはエージング処理条件Bでエージングを行うことにより、エージングを行わない場合と比較して、隣接層間の膨張収縮率差を容易に小さくすることができる。以下、本形態に係る製造方法について説明する。
[工程1]
工程1では、N層からなる積層体を形成する。当該積層体を形成する方法は、特に制限されず、塗布法、押し出し成型法など公知の手法を適宜採用することができる。なかでも、本形態では、各屈折率層を構成するポリマーとしてポリビニルアルコールおよびその誘導体などの水溶性高分子化合物を用いて、塗布法により積層体を形成することが好ましい。具体的には塗布法を用いて積層体を形成する方法として、以下の形態が挙げられる;(1)基材上に、高屈折率層塗布液を塗布し乾燥して高屈折率層を形成した後、低屈折率層塗布液を塗布し乾燥して低屈折率層を形成し、光学反射フィルムを形成する方法;(2)基材上に、低屈折率層塗布液を塗布し乾燥して低屈折率層を形成した後、高屈折率層塗布液を塗布し乾燥して高屈折率層を形成し、光学反射フィルムを形成する方法;(3)基材上に、高屈折率層塗布液と、低屈折率層塗布液とを交互に逐次重層塗布した後乾燥して、高屈折率層、および低屈折率層を含む光学反射フィルムを形成する方法;(4)基材上に、高屈折率層塗布液と、低屈折率層塗布液とを同時重層塗布し、乾燥して、高屈折率層、および低屈折率層を含む光学反射フィルムを形成する方法;などが挙げられる。なかでも、より簡便な製造プロセスとなる上記(4)の方法が好ましい。また、(4)の方法により得られる光学反射フィルムは、各層の密着性が高く、膜剥がれを生じにくい。すなわち、本発明の好ましい一形態に係る光学反射フィルムは、高屈折率層と低屈折率層とが積層されたユニットが、同時重層塗布により形成されてなることを特徴とする。
本形態の製造方法において、高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液は、上述のポリマー、金属酸化物粒子、および溶媒を含みうる。
高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液を調製するための溶媒は、特に制限されないが、水、有機溶媒、またはその混合溶媒が好ましい。本形態では、ポリマーとしてポリビニルアルコールを主として用いることが好ましいが、このように、ポリビニルアルコールを用いることにより、水系溶媒による塗布が可能となる。水系溶媒は、有機溶媒を用いる場合と比較して、大規模な生産設備を必要とすることがないため、生産性の点で好ましく、また環境保全の点でも好ましい。
前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。これら有機溶媒は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。環境面、操作の簡便性などから、塗布液の溶媒としては、水系溶媒が好ましく、水、または水とメタノール、エタノール、もしくは酢酸エチルとの混合溶媒がより好ましく、水が特に好ましい。
水と少量の有機溶媒との混合溶媒を用いる際、当該混合溶媒中の水の含有量は、混合溶媒全体を100質量%として、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましい。ここで、80質量%以上にすることで、溶媒の揮発による体積変動が低減でき、ハンドリングが向上し、また、99.9質量%以下にすることで、液添加時の均質性が増し、安定した液物性を得ることができるからである。
高屈折率層塗布液中または低屈折率層塗布液中のポリマーの濃度(複数種類のポリマーを用いる場合は、その合計濃度)は、それぞれ0.5〜10質量%であることが好ましい。また、高屈折率層塗布液中または低屈折率層塗布液中の金属酸化物粒子の濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。
高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液の調製方法は、特に制限されず、例えば、ポリマーおよび金属酸化物粒子、さらに必要に応じて添加剤を添加して、撹拌混合する方法が挙げられる。この際、各成分の添加順も特に制限されず、攪拌しながら各成分を順次添加し混合してもよいし、撹拌しながら一度に添加し混合してもよい。
ポリマーとしてポリビニルアルコールを用いて同時重層塗布を行う場合は、高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液に用いるポリビニルアルコールの鹸化度が異なることが好ましい。鹸化度が異なることによって塗布、乾燥工程の各工程において層の混合を抑制することができる。この仕組みはいまだ明らかではないが、鹸化度差に由来する表面張力差によって混合が抑制されていると考えられる。具体的には、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液に用いるポリビニルアルコールの鹸化度の差は3mol%以上が好ましく、より好ましくは8mol%以上が好ましい。すなわち、高屈折率層の鹸化度と低屈折率層の鹸化度との差が3mol%以上であることが好ましく、8mol%以上であることがより好ましい。高屈折率層の鹸化度と低屈折率層の鹸化度との差の上限は、高屈折率層と低屈折率層との層間混合の抑制/防止効果を考慮すると、高いほど好ましいため、特に制限されないが、20mol%以下であることが好ましく、15mol%以下であることがより好ましい。
各屈折率層中で鹸化度の相違を比較する際、各屈折率層が(鹸化度および重合度が異なる)複数のポリビニルアルコールを含む場合には、屈折率層中で最も含有量の高いポリビニルアルコールを比較する。ここで、「屈折率層中で最も含有量が高いポリビニルアルコール」という際には、鹸化度の差が3mol%以内のポリビニルアルコールは同一のポリビニルアルコールであるとし、重合度を算出する。具体的には、鹸化度が90mol%、鹸化度が91mol%、鹸化度が93mol%のポリビニルアルコールが同一層内にそれぞれ10質量%、40質量%、50質量%含まれる場合には、これら3つのポリビニルアルコールは同一のポリビニルアルコールとし、これら3つの混合物をポリビニルアルコール(A)または(B)とするが、このポリビニルアルコール(A)/(B)の鹸化度は、(90×0.1+91×0.4+93×0.5)/1=91.9mol%となる。また、上記「鹸化度の差が3mol%以内のポリビニルアルコール」とは、いずれかのポリビニルアルコールに着目した場合に3mol%以内であれば足り、例えば、90、91、92、94mol%のビニルアルコールを含む場合には、91mol%のビニルアルコールに着目した場合にいずれのポリビニルアルコールも3mol%以内なので、同一のポリビニルアルコールとなる。
同一層内に鹸化度が3mol%以上異なるポリビニルアルコールが含まれる場合、異なるポリビニルアルコールの混合物とみなし、それぞれに重合度と鹸化度を算出する。
例えば、PVA203:5質量%、PVA117:25質量%、PVA217:10質量%、PVA220:10質量%、PVA224:10質量%、PVA235:20質量%、PVA245:20質量%が含まれる場合、最も含有量の多いPVAはPVA217〜245の混合物であり(PVA217〜245の鹸化度の差は3mol%以内なので同一のポリビニルアルコールである)、この混合物がポリビニルアルコール(A)または(B)となる。そして、PVA217〜245の混合物(ポリビニルアルコール(A)/(B))においては、重合度は、(1700×0.1+2000×0.1+2400×0.1+3500×0.2+4500×0.2)/0.7=3200であり、鹸化度は、88%となる。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液の温度は、スライドビード塗布方式を用いる場合は、25〜60℃の温度範囲が好ましく、30〜45℃の温度範囲がより好ましい。また、カーテン塗布方式を用いる場合は、25〜60℃の温度範囲が好ましく、30〜45℃の温度範囲がより好ましい。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度は、特に制限されない。しかしながら、スライドビード塗布方式を用いる場合には、上記の塗布液の好ましい温度の範囲において、5〜160mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは60〜140mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、上記の塗布液の好ましい温度の範囲において、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。このような粘度の範囲であれば、効率よく同時重層塗布を行うことができる。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは2,500〜30,000mPa・sである。
塗布および乾燥方法の条件は、特に制限されないが、例えば、逐次塗布法の場合は、まず、30〜60℃に加温した高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液のいずれか一方を基材上に塗布、乾燥して層を形成した後、もう一方の塗布液をこの層上に塗布、乾燥して積層膜前駆体(ユニット)を形成する。次に、所望の遮蔽性能を発現するために必要なユニット数を、上記方法にて逐次塗布、乾燥して積層させて積層膜前駆体を得る。乾燥する際は、形成した塗膜を、30℃以上で乾燥することが好ましい。例えば、湿球温度5〜50℃、膜面温度5〜100℃(好ましくは10〜50℃)の範囲で乾燥するのが好ましく、例えば、40〜60℃の温風を1〜5秒間吹き付けて乾燥する。乾燥方法としては、温風乾燥、赤外乾燥、マイクロ波乾燥が用いられる。また単一プロセスでの乾燥よりも多段プロセスの乾燥が好ましく、恒率乾燥部の温度<減率乾燥部の温度にするのがより好ましい。この場合の恒率乾燥部の温度範囲は30〜60℃、減率乾燥部の温度範囲は50〜100℃にするのが好ましい。
また、同時重層塗布を行う場合の塗布および乾燥方法の条件は、高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液を30〜60℃に加温して、基材上に高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液の同時重層塗布を行った後、形成した塗膜の温度を好ましくは1〜15℃にいったん冷却し(セット)、その後10℃以上で乾燥することが好ましい。より好ましい乾燥条件は、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件である。例えば、40〜80℃の温風を1〜5秒間吹き付けて乾燥する。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜の均一性向上の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
ここで、前記セットとは、冷風等を塗膜に当てて温度を下げるなどの手段により、塗膜組成物の粘度を高め、各層間および各層内の物質の流動性を低下させたり、またゲル化する工程のことを意味する。冷風を塗布膜に表面から当てて、塗布膜の表面に指を押し付けたときに指に何もつかなくなった状態を、セット完了の状態と定義する。
塗布した時点から、冷風を当ててセットが完了するまでの時間(セット時間)は、5分間以内であることが好ましく、2分間以内であることがより好ましい。また、下限の時間は特に制限されないが、45秒間以上の時間をとることが好ましい。セット時間が短すぎると、層中の成分の混合が不十分となる虞がある。一方、セット時間が長すぎると、金属酸化物粒子の層間拡散が進み、高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が不十分となるおそれがある。なお、高屈折率層と低屈折率層との間の中間層の高弾性化が素早く起こるのであれば、セットさせる工程は設けなくてもよい。
セット時間の調整は、ポリビニルアルコールの濃度、金属酸化物粒子の濃度を調整したり、ゼラチン、ペクチン、寒天、カラギ−ナン、ゲランガム等の各種公知のゲル化剤など、他の成分を添加することにより調整することができる。
冷風の温度は、0〜25℃であることが好ましく、5〜10℃であることがより好ましい。また、塗膜が冷風に晒される時間は、塗膜の搬送速度にもよるが、好ましくは10〜360秒、より好ましくは10〜300秒間、さらに好ましくは10〜120秒間である。
高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液の塗布厚は、上記で示したような好ましい乾燥時の厚みとなるように塗布すればよい。
[工程2]
工程2では、上記工程1で形成した積層体をエージングする。本発明者の検討によると、前述のエージング処理条件Aおよびエージング処理条件Bの2種類のエージング処理条件により、隣接層間の膨張収縮率差を効果的に小さくすることができる。
(エージング処理条件A)
エージング処理条件Aは、積層体における、第1層から第N層までの、各層のガラス転移温度のうちの最小値をTg(min)[℃]としたときに、エージング温度をTg(min)[℃]以上、Tg(min)+50[℃]以下、エージング時間を30分間以上とすることを特徴とする。好ましくは、エージング温度をTg(min)[℃]以上、Tg(min)+35[℃]以下、エージング時間を30分間〜6日間とする。エージング温度をTg(min)[℃]以上とすることにより、比較的短時間で隣接層間の膨張収縮率差を効果的に小さくすることができる。一方、Tg(min)+50[℃]以下とすることにより、Tg(min)+50[℃]超の温度でエージングを行う場合に生じうる、ポリマー材料の結晶性に起因する隣接層間の膨張収縮率差の増大を抑制することができる。なお、本明細書において、各層のガラス転移温度Tgは、後述の実施例に記載の方法により求められる値を採用するものとする。
(エージング処理条件B)
エージング処理条件Bは、積層体における、第1層から第N層までの、各層のガラス転移温度のうちの最小値をTg(min)[℃]としたときに、エージング温度を30[℃]以上、Tg(min)[℃]未満、エージング時間を3時間以上とすることを特徴とする。好ましくは、エージング温度を45[℃]以上、Tg(min)−5[℃]以下、エージング時間を12時間〜15日間とする。エージング温度を30[℃]以上とすることにより、隣接層間の膨張収縮率差を効果的に小さくすることができる。一方、Tg(min)未満とすることにより、熱に弱いPETなどにも対応できるため、基板を構成する樹脂の選択肢が増える;粘着層などの他の機能層を設けた後にエージング処理を行う場合においても、他の機能層への悪影響を抑えることができる。なお、本明細書において、各層のガラス転移温度Tgは、後述の実施例に記載の方法により求められる値を採用するものとする。
上記のエージング処理を行うと、エージング処理を行わない場合よりも、隣接層間の膨張収縮率差が小さくなる。よって、反射率を確保するため(すなわち、屈折率差を大きくするため)に、各屈折率層を構成するポリマー材料や金属酸化物粒子の種類や配合量に制限がある場合であっても、隣接層間の膨張収縮率差を小さくすることができるため、容易に耐候性に優れた光学反射フィルムを製造することができる。
〈光学反射フィルムの用途〉
本形態の光学遮蔽フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等の長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、熱線遮蔽効果を付与する熱線遮蔽フィルム等の窓貼用フィルムや、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。また、自動車用の合わせガラスなどのガラスとガラスとの間に挟む、自動車用フィルムとしても好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」または「%」の表示を用いるが、特記しない限り、「質量部」または「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われた。
〈光学反射フィルムの作製〉
〔高屈折率層用塗布液の調製〕
はじめに、ルチル型酸化チタンを含有する酸化チタンゾル分散液を調製した。
(シリカ変性酸化チタン粒子の分散液の調製)
シリカ変性酸化チタン粒子(ルチル型)の分散液は、以下のように調製した。
硫酸チタン水溶液を公知の方法により熱加水分解して、酸化チタン水和物を得た。得られた酸化チタン水和物を水に懸濁させて、酸化チタン水和物の水性懸濁液(TiO濃度:100g/L)10Lを得た。これに、水酸化ナトリウム水溶液(濃度10mol/L)30Lを撹拌下で添加し、90℃に昇温して、5時間熟成した。得られた溶液を塩酸で中和し、濾過、水洗することで、塩基処理チタン化合物を得た。
次に、塩基処理チタン化合物をTiO濃度20g/Lになるよう純水に懸濁させて撹拌した。撹拌下、TiO量に対し0.4mol%の量のクエン酸を添加した。95℃まで昇温し、濃塩酸を塩酸濃度が30g/Lとなるように加え、液温を維持して3時間撹拌した。ここで、得られた混合液のpH及びゼータ電位を測定したところ、25℃におけるpHは1.4、ゼータ電位は+40mVであった。また、ゼータサイザーナノ(マルバーン社製)により粒径測定を行ったところ、体積平均粒径は35nm、単分散度は16%であった。また、酸化チタンゾル液を105℃で3時間乾燥させて粒子紛体を得て、日本電子データム株式会社製、JDX−3530型を用いてX線回折の測定を行い、ルチル型粒子であることを確認した。
上記ルチル型酸化チタン粒子を含む20.0質量%の酸化チタンゾル水系分散液1kgに純水1kgを添加して、10.0質量%の酸化チタンゾル水系分散液を調製した。
上記10.0質量%の酸化チタンゾル水系分散液の0.5kgに、純水2kgを加えた後、90℃に加熱した。その後、SiO濃度が2.0質量%のケイ酸水溶液0.1kgを徐々に添加した。得られた分散液をオートクレーブ中、175℃で18時間加熱処理を行い、限外濾過を用いて脱塩、さらに濃縮することで、SiOで被覆されたルチル型構造を有する酸化チタンを含む、20質量%(被覆SiOを除く酸化チタンの質量比)のシリカ変性酸化チタン粒子の分散液(ゾル水分散液)を得た。このとき、シリカの被覆量は酸化チタン粒子に対して4質量%であった。また、ゼータサイザーナノ(マルバーン社製)によりシリカ変性酸化チタン粒子(ルチル型)の粒径測定を行ったところ、体積平均粒径は35nm、単分散度は16%であった。
(高屈折率層用塗布液の調製)
上記のようにして得られた20質量%のシリカ変性酸化チタン粒子(ルチル型)の分散液400質量部に対して、10質量%のポリビニルアルコール溶液(PVA−102、重合度200、鹸化度99mol%、株式会社クラレ製)135質量部、4質量%のポリビニルアルコールの溶液(PVA−124、重合度2400、鹸化度99mol%、株式会社クラレ製)135質量部、および5質量%の界面活性剤の溶液(アンヒトールHD、花王株式会社製)3質量部を45℃で順に添加し、最後に純水で1000質量部とし、高屈折率層用塗布液を調製した。高屈折率層用塗布液を用いて形成された単層屈折率を下記の測定方法により測定したところ、屈折率は1.82であった。
(単層屈折率の測定)
屈折率を測定するため、基材上に屈折率層用塗布液(上記高屈折率層用塗布液または下記低屈折率層用塗布液)を単層で塗布したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに裁断した後、下記の方法に従って屈折率を求めた。日立製の分光光度計 U−4100(固体試料測定システム)を用いて、各サンプルの測定面とは反対側の面(裏面)を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率の測定を行い、得られた値より屈折率を求めた。
〔低屈折率層用塗布液の調製〕
10質量%の酸性コロイダルシリカの水溶液(スノーテックスOXS、平均一次粒径:4〜6nm、日産化学工業株式会社製)430質量部、3質量%のホウ酸水溶液85質量部、純水182質量部、ポリビニルアルコールの4質量%水溶液(PVA−220、重合度:2000、鹸化度:87mol%、株式会社クラレ製)300質量部と、5質量%の界面活性剤の溶液(アンヒトールHD、花王株式会社製)3質量部とを45℃でこの順に添加、混合し、低屈折率層塗布液を調製した。低屈折率層用塗布液を用いて形成された単層屈折率を上記「単層屈折率の測定」で記載した方法により測定したところ、屈折率は1.48であった。
[実施例1]
10層重層塗布可能なスライドビード(スライドホッパー)塗布装置を用いて、上記高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液を、40℃に保温しながら、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製A4300、両面易接着層、長さ200m×幅210mm)上に積層した。このとき、最上層(最表層)、最上層から9層目および110層目(10層目が最下層)は低屈折率層とし、それ以外は高屈折率層と低屈折率層とがそれぞれ交互になるように、計10層の同時重層塗布を行った。この際、乾燥時の膜厚は、最下層が1510nm、最上層が10nm、最下層および最上層以外の低屈折率層の各層が150nm、および高屈折率層の各層が150nmになるように調整した。
塗布直後、5℃の冷風を吹き付けて増粘させた。増粘後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させた。
その後、相対湿度30%RHの大気下で、下記表1に記載のエージング温度、エージング条件でエージング処理を行い、光学反射フィルムを完成させた。
[実施例2〜17]
エージング温度およびエージング時間をそれぞれ表1に記載の温度および時間に変更した以外は、実施例1と同様の方法で光学反射フィルムを作製した。
[実施例18]
同時重層塗布に代えて、各層を1層ずつ塗布、増粘、乾燥させる操作を繰り返し、高屈折率層と低屈折率層と計10層を積層させた。これ以外は、実施例1と同様の方法で光学反射フィルムを作製した。
[比較例1]
エージング処理を行なわず20℃以下、相対湿度30%RHの暗所で50時間保管したこと以外は、実施例1と同様の方法で光学反射フィルムを作製した。
[比較例2]
同時重層塗布の際に、最上層(最表層)から順に、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層となる計3層としたこと、ならびに、エージング処理を行なわず、20℃以下、相対湿度30%RHの暗所で50時間保管したこと以外は、実施例1と同様の方法で光学反射フィルムを作製した。
〈各種物性の測定および光学反射フィルムの評価〉
(単層サンプルの作製)
基板上に各塗布液(高屈折率層用塗布液または低屈折率層用塗布液)を滴下し、400rpmで5秒間、2000rpm60秒間スピンコート成膜を行った。その後、70℃に加熱したホットプレート上に5分間放置し、乾燥させることにより、基板上に均一な薄膜(20℃における厚さ100nm)を形成し、各層の単層サンブルを作製した。
(膨張収縮率Rの測定)
上記単層サンブルについて、各実施例および比較例に記載のエージング条件にてエージング処理を行った。その後、膜厚変位・分子間相互作用測定装置(コニカミノルタ社製、MI−Affinity LCR−01)を用い、相対湿度30%RH下での温度20℃〜85℃の膜厚を測定した。得られた結果より、各層の膨張収縮率R(%)を算出し、各層間の膨張収縮率Rの差の絶対値(%)を求めた。
(ガラス転移温度(Tg)の測定)
上記単層サンプルについて、島津製作所製DSC−60を用いて、−30〜200℃まで、10℃/分の条件で昇温させ、比熱の変化からTgを測定し、Tg(min)を求めた。
(耐候性評価)
厚さ3mmの青色ガラスに、光学反射フィルムを粘着剤層を介して貼り付けてサンプルを作製した。カーボンアーク灯を用いたサンシャインウェザーメーター(SWOM)を利用し、上記サンプルを、照度250W/cm、温度40℃、湿度50%RHの環境下に曝露した。そして、曝露後にフィルムに膜割れが発生したかどうかを目視にて確認し、フィルム全体に明らかに膜割れが発生するまでの時間を評価した。
(密着性評価)
光学反射フィルムを20℃で1日間放置した後、密着性評価を行った。密着性は、JIS K5600−5−6(1999)に記載のクロスカット(碁盤の目)法により、下記基準で評価した。
○:剥がれ無し
×:剥がれ発生
結果を下記表1に示す。
表1の結果より、本発明の光学反射フィルムは、優れた耐候性を有することが示された。
また、実施例17と実施例18とを比較すると、単層を積み重ねて積層体を作製した実施例18では密着性が不十分であったものの、同時重層塗布を用いて作製した実施例17では、十分な密着性が発揮されること分かった。

Claims (6)

  1. 高屈折率層と低屈折率層とが積層されたユニットを少なくとも1つ含み、
    前記高屈折率層及び前記低屈折率層は、ポリビニルアルコールおよびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
    前記高屈折率層と前記低屈折率層とは、交互に第1層から第N層(Nは2以上の整数である)までが順次積層されてなる光学反射フィルムであって、
    ある層の膨張収縮率R[%]を下記数式1で定義したときに、第X層の膨張収縮率Rxと、当該第X層と隣接する第(X+1)層の膨張収縮率R(X+1)との関係が、X=1〜(N−1)の全てにおいて、下記数式2の関係を満たす、光学反射フィルム。

  2. 前記膨張収縮率Rxと前記膨張収縮率R (X+1) との差の絶対値は2.1%以下である、請求項1に記載の光学反射フィルム。
  3. 前記膨張収縮率Rxと前記膨張収縮率R (X+1) との差の絶対値は1.3%以下である、請求項に記載の光学反射フィルム。
  4. 高屈折率層と低屈折率層とが積層されたユニットを少なくとも1つ含み、
    前記高屈折率層と前記低屈折率層とが、交互に第1層から第N層(Nは2以上の整数である)まで順次積層されてなる光学反射フィルムの製造方法であって、
    N層からなる積層体を形成する工程と、
    前記積層体を、エージングする工程と、を有し、
    第1層から第N層までの、各層のガラス転移温度のうちの最小値をTg(min)[℃]としたときに、
    前記エージング工程において、エージング温度は、Tg(min)[℃]以上、Tg(min)+50[℃]以下であり、エージング時間は、30分間以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載の光学反射フィルムの製造方法。
  5. 高屈折率層と低屈折率層とが積層されたユニットを少なくとも1つ含み、
    前記高屈折率層と前記低屈折率層とが、交互に第1層から第N層(Nは2以上の整数である)まで順次積層されてなる光学反射フィルムの製造方法であって、
    N層からなる積層体を形成する工程と、
    前記積層体を、エージングする工程と、を有し、
    第1層から第N層までの、各層のガラス転移温度のうちの最小値をTg(min)[℃]としたときに、
    前記エージング工程において、エージング温度は、45[℃]以上、Tg(min)[℃]未満であり、エージング時間は、3時間以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載の光学反射フィルムの製造方法。
  6. 前記N層からなる積層体を形成する工程は、前記高屈折率層と前記低屈折率層とが積層されたユニットを同時重層塗布により形成する工程を含む、請求項4または5に記載の製造方法。
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