JP3341261B2 - ギヤダンパー,該ギヤダンパーを備えた回動機構及び該回動機構を備えた記録情報再生装置。 - Google Patents

ギヤダンパー,該ギヤダンパーを備えた回動機構及び該回動機構を備えた記録情報再生装置。

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JP3341261B2
JP3341261B2 JP26782299A JP26782299A JP3341261B2 JP 3341261 B2 JP3341261 B2 JP 3341261B2 JP 26782299 A JP26782299 A JP 26782299A JP 26782299 A JP26782299 A JP 26782299A JP 3341261 B2 JP3341261 B2 JP 3341261B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F9/00Springs, vibration-dampers, shock-absorbers, or similarly-constructed movement-dampers using a fluid or the equivalent as damping medium
    • F16F9/10Springs, vibration-dampers, shock-absorbers, or similarly-constructed movement-dampers using a fluid or the equivalent as damping medium using liquid only; using a fluid of which the nature is immaterial
    • F16F9/12Devices with one or more rotary vanes turning in the fluid any throttling effect being immaterial, i.e. damping by viscous shear effect only

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回動部材に連繋
されて、その回動部材の回動エネルギーをオイルの粘性
抵抗で吸収し、回動部材の作動を円滑且つ緩やかにする
ギヤダンパーと、このギヤダンパーを構成部品とする回
動機構と、この回動機構を構成要素とするカセットテー
プレコーダやコンパクトディスクプレーヤ等の記録情報
再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図28に示すような、カセット
テープレコーダ23のカセットテープを装着するカセッ
トホルダ17は、カセットテープレコーダ本体24に支
軸28を介して回動可能に取り付けられ、再生時にカセ
ットテープレコーダ本体24にロックされており、カセ
ットテープ取り出し時にロックが解除されると、バネ部
材(弾性部材)20のバネ力Fで付勢されてカセット取
り出し位置まで回動するようになっている。このカセッ
トテープ取り出し時、カセットホルダ17がバネ部材2
0のバネ力Fで回動付勢されて、そのカセットホルダ1
7がストッパ21に勢い良く衝突して停止するため、衝
撃音が発生したり、振動が発生していた。
【0003】そこで、このような不具合を解消するた
め、図29に示すように、カセットテープレコーダ本体
24に図26〜図27に示すようなギヤダンパー30を
取り付け、このギヤダンパー30に設けられた歯車の一
例としての平歯車31に噛み合う扇形ギヤ32をカセッ
トホルダ17に固定して、カセットホルダ17の回動エ
ネルギーをギヤダンパー30内部のオイル33の粘性抵
抗で吸収して、カセットホルダ17を円滑且つ緩やかに
作動させる構成のものが案出されている。
【0004】ここで、図26〜図27に示すギヤダンパ
ー30は、カセットテープレコーダ本体24に固定され
るブラケット34と、このブラケット34の支持軸35
に回動可能に係合される回転体36とを備えており、ブ
ラケット34と回転体36との間には粘性の高いオイル
(シリコングリース等)33を充填するための環状の隙
間37が形成され、回転体36の外周にはカセットホル
ダ17の扇形ギヤ32に噛み合う平歯車31が形成され
ている。
【0005】そして、このギヤダンパー30は、図29
に示すように、カセットホルダ17が回動すると、扇形
ギヤ32に噛み合う平歯車31を備えた回転体36が回
動し、その回転体36にオイルの粘性抵抗が作用するこ
とになり、カセットホルダ17の回動エネルギーを吸収
することが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなギヤダンパ
ー30は、回転体36に形成されたギヤが平歯車31で
あるため、回転体36をブラケット34の支持軸35か
ら抜く方向へ力(スラスト力)が作用することはほとん
どないが、カセットホルダ17の開閉動作を繰り返し行
ううちに、回転体36が振動等の影響を受けて支持軸3
5から抜け出る方向へ移動する虞のあることが指摘され
ていた。
【0007】そこで、本発明は、回転体がブラケットか
ら簡単に離脱することのないようにしたギヤダンパー、
該ギヤダンパーを備えた回動機構及び該回動機構を備え
たカセットテープレコーダやコンパクトディスクプレー
ヤ等の記録情報再生装置を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るギ
ヤダンパーは、外周に歯車が形成された回転体と、この
回転体を回動できるように支持するブラケットとを備
え、前記回転体と前記ブラケットとの間に介在させたオ
イルの粘性抵抗を前記回転体に作用させるようになって
いる。そして、前記回転体と前記ブラケットのいずれか
一方に他方へ向かって延びる支持軸が形成され、前記支
持軸に相対回動できるように係合される有底筒状の軸受
け穴が前記回転体と前記ブラケットのいずれか他方に形
成されている。又、前記回転体と前記ブラケットのいず
れか一方の他方に対向する面側には前記軸受け穴と同芯
の環状溝が形成される一方、前記回転体と前記ブラケッ
トのいずれか他方には前記環状溝に相対回動できるよう
に係合する環状筒部が前記支持軸と同芯に形成されてい
る。又、前記支持軸の先端面とこの先端面に対向する前
記軸受け穴の底面の少なくとも一方に、前記先端面又は
前記底面から凹む連続した側壁を持つ油溜め用凹部が形
成されている。そして、前記環状溝と前記環状筒部の隙
間や前記軸受け穴と前記支持軸の隙間にオイルを介在さ
せると共に、前記油溜め用凹部にオイルを充填するよう
になっている。
【0009】このような構成の本発明によれば、回転体
がブラケットから離脱する方向に僅かに移動すると、支
持軸の先端面と軸受け穴の底面が離れるため、油溜め用
凹部内に充填されたオイルが軸受け穴の底面に引っ張ら
れて変形し、そのオイルの変形抵抗が回転体に作用す
る。又、上記のように、オイルが軸受け穴の底面に引っ
張られて変形すると、軸受け穴の底面と支持軸の先端面
との間に真空状態の空間が生じるため、回転体の外表面
と軸受け穴内とで圧力差が生じ、その圧力差で回転体が
ブラケット側へ引き寄せられる。従って、本発明によれ
ば、上記オイルの変形抵抗と、回転体の外表面と軸受け
穴内の圧力差の相乗効果によって、回転体がブラケット
から離脱するのを効果的に阻止することが可能になる。
加えて、本発明は、油溜め用凹部に充填されたオイルを
支持軸と軸受け穴の隙間に補給することが可能になる。
【0010】又、請求項2の発明に係るギヤダンパー
は、請求項1の発明において、前記環状筒部の先端面と
この先端面に対向する前記環状溝の底面の少なくとも一
方に油溜め用凹部が形成され、この油溜め用凹部にオイ
ルが収容されたことを特徴としている。
【0011】このような構成の本発明によれば、ブラケ
ットの支持軸の先端面とこの先端面に対向する軸受け穴
の底面の少なくとも一方に形成された油溜め用凹部内の
オイルの変形抵抗が回転体に作用すると共に、環状筒部
の先端面とこの先端面に対向する環状溝の底面の少なく
とも一方に形成された油溜め用凹部内のオイルの変形抵
抗が回転体に作用するので、回転体をブラケット側に引
き寄せる力が前記請求項1のギヤダンパーよりも大きく
なり、より一層効果的に回転体の抜けを防止することが
可能になる。又、本発明のギヤダンパーによれば、環状
筒部と環状溝の隙間には、環状筒部の先端面とこの先端
面に対向する環状溝の底面の少なくとも一方に形成され
た油溜め用凹部からオイルが補給されるので、前記請求
項1のギヤダンパーの効果と相俟ってより一層確実にダ
ンパー機能を発揮する。
【0012】又、請求項3の発明に係るギヤダンパー
は、請求項1又は2の発明において、前記回転体の前記
ブラケットに対向する面側の最外周に外側筒状部が前記
軸受け穴と同芯に形成される一方、この外側筒状部に相
対回動できるように係合する立ち上がり壁が前記ブラケ
ットの環状筒部の外側に形成されている。そして、前記
外側筒状部と前記立ち上がり壁のいずれか一方に係合用
凸部が形成され、この係合用凸部に係合する係合用凹部
が前記外側筒状部と前記立ち上がり壁のいずれか他方に
形成されたことを特徴としている。
【0013】このような構成の本発明によれば、外側筒
状部と立ち上がり壁のいずれか一方に形成された係合用
凸部を、外側筒状部と立ち上がり壁のいずれか他方に形
成された係合用凹部に係合することにより、回転体をブ
ラケットに回動可能に組み付けることができる。その結
果、回転体をブラケットから分離する方向に力が作用し
ても、回転体の移動が係合用凸部と係合用凹部の係合部
分で阻止される。又、この係合用凸部と係合用凹部の係
合部分が、環状溝と環状筒部の隙間や軸受け穴と支持軸
の隙間及び油溜め用凹部に介在させたオイルの漏出を阻
止する。
【0014】又、請求項4の発明に係るギヤダンパー
は、請求項1又は2の発明において、前記環状溝と前記
環状筒部の対向する面のいずれか一方に係合用凸部が形
成され、この係合用凸部に係合する係合用凹部が前記環
状溝と前記環状筒部の対向する面のいずれか他方に形成
されたことを特徴としている。
【0015】このような構成の本発明によれば、回転体
がブラケットから離脱するのを防止できることはもちろ
んのこと、請求項3のギヤダンパーのような立ち上がり
壁を別途形成しなくてもよく、ギヤダンパーの構造が簡
素化する。
【0016】又、請求項5の発明に係るギヤダンパー
は、請求項1又は2の発明において、前記支持軸の外周
面と前記軸受け穴の内周面のいずれか一方に係合用凸部
が形成され、この係合用凸部に係合する係合用凹部が前
記支持軸の外周面と前記軸受け穴の内周面のいずれか他
方に形成されたことを特徴としている。
【0017】このような構成の本発明によれば、請求項
4のギヤダンパーと同様に、回転体がブラケットから離
脱するのを防止することができることはもちろんのこ
と、ギヤダンパーの構造の簡素化を図ることができる。
【0018】又、請求項6の発明に係るギヤダンパー
は、請求項1又は2の発明において、前記ブラケットの
前記環状筒部の外側に油溜め溝が形成されたことを特徴
としている。
【0019】このように構成された本発明によれば、回
転体とブラケットの間に充填されたオイルが外部に漏出
しても、その漏出したオイルを油溜め溝内に収容するこ
とが可能になり、漏出したオイルでギヤダンパーの周囲
を汚すことがない。
【0020】又、請求項7の発明に係るギヤダンパー
は、上記請求項1〜6のいずれかに記載された発明にお
いて、前記歯車が平歯車であることを特徴としている。
【0021】このように構成された本発明によれば、回
転体に形成された歯車が平歯車であるため、回転体の回
動時に、回転体にスラスト力が作用するのを防止するこ
とが可能となる。
【0022】又、上記請求項1〜6のいずれかに記載さ
れた発明において、前記歯車は、前記回転体を前記ブラ
ケット側へ押圧するようなスラスト力が生じる歯を備え
たことを特徴としている。
【0023】このような構成によれば、歯車の歯によっ
て生じるスラスト力は、回転体がブラケットから離脱す
るのを阻止する方向に作用する。
【0024】又、請求項9の発明に係る回動機構は、固
定側支持部に回動可能に支持された回動部材と、この回
動部材を所定位置にロックするロック手段と、前記回動
部材を常時一定方向へ付勢する弾性部材と、この弾性部
材の弾性力で回動する前記回動部材の回動量を規制する
ストッパと、前記固定側支持部と前記回動部材の一方に
前記ブラケットが固定される上記請求項1〜7の発明の
いずれかのギヤダンパーと、前記固定側支持部と前記回
動部材の他方に固定されて前記ギヤダンパーの歯車に噛
み合うギヤと、を備えたことを特徴としている。
【0025】このような構成の回動機構は、弾性部材で
付勢されて回動する回動部材の回転エネルギーをギヤダ
ンパーのオイルの粘性抵抗で吸収し、回動部材の作動を
円滑且つ緩やかにすることができる。その結果、回動部
材とストッパの衝突音が抑制され、回動部材とストッパ
の衝突に起因する振動を低減することが可能になる。
又、本発明の回動機構は、請求項1〜6のいずれかに記
載されたギヤダンパーを備えているため、ギアダンパー
を繰り返し作動させても、ギヤダンパーの回転体とブラ
ケットの離脱を効果的に防止できるようになっているた
め、長期間確実に作動する。
【0026】又、請求項10の発明に係る記録情報再生
装置は、請求項9記載の回動機構と、この回動機構の回
動部材に装着された記録媒体から記録情報を再生する再
生手段と、を備えたことを特徴としている。
【0027】このような構成の本発明によれば、回動機
構を長期間繰り返し作動させても、回動機構を構成する
ギヤダンパーの回転体とブラケットが離脱するようなこ
とがなく、回動機構を構成するギヤダンパーが作動不良
を生じるようなことがないため、長期間確実に記録情報
を再生することができ、本装置に対する信頼性を向上さ
せることができる。尚、記録媒体とは、カセットテープ
やコンパクトディスク等の情報を記録することができる
ものをいう。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳述する。
【0029】[第1の実施の形態]図1〜図6は、本発
明の第1の実施の形態に係るギヤダンパー1を示すもの
である。これらの図に示すように、ギヤダンパー1は、
ブラケット2と、このブラケット2に相対回動できるよ
うに組み付けられる回転体3とを備えている。尚、ブラ
ケット2及び回転体3は、共に合成樹脂を射出成形する
ことにより所望の形状に形成されている。
【0030】回転体3は、その上部外周側に平歯車4が
形成されている。そして、この回転体3の裏面(下面)
3a側には、その中心部に有底筒状の軸受け穴5と、こ
の軸受け穴5の外周側で且つこの軸受け穴5と同芯の環
状溝6が複数形成されている。又、この回転体3の下部
には外側筒状部7が形成され、その外周端には環状の係
合用凸部8が形成されている。
【0031】ブラケット2は、上記回転体3の軸受け穴
5に相対回動できるように嵌合する支持軸10が形成さ
れると共に、この支持軸10の外周側で且つこの支持軸
10と同芯の環状筒部11が複数形成されている。そし
て、このブラケット2の支持軸10は、回転体3の軸受
け穴5との間に所定の隙間が生じるような太さに形成さ
れており、軸受け穴5の底面5aに当接する先端面10
aに油溜め用凹部12が形成されている。又、ブラケッ
ト2の環状筒部11は、回転体3の環状溝6に相対回動
できるように係合されるようになっており、環状溝6の
壁面6aとの間に所定の隙間が生じるように形成されて
いる。そして、環状筒部11の外側には、支持軸10と
同芯の環状の立ち上がり壁13が形成されている。この
立ち上がり壁13は、環状筒部11よりも高さが低くな
るように形成されており、その内周面に回転体3の係合
用凸部8に係合する係合用凹部14が形成されるように
なっている。ここで、係合用凹部14は、立ち上がり壁
13の内周面に形成された環状突起部15の下方に位置
し、図1及び図6に示すように、回転体3をブラケット
2に組み付ける際に、環状突起部15を乗り越えた回転
体3の係合用凸部8に係合する。
【0032】図7は、回転体3の係合用凸部8とブラケ
ット2の係合用凹部14の係合状態を示す図である。こ
の図7に示すように、係合用凸部8の上下両端には斜面
部8a,8bが形成されており、又、環状突起部15の
上下両端にも斜面部15a,15bが形成されている。
尚、係合用凸部8と係合用凹部14の係合を円滑に行う
ようにするには、立ち上がり壁13又は外側筒状部7の
少なくとも一方が弾性変形できるようになっている必要
がある。このように構成すれば、回転体3とブラケット
2の組立・分解を円滑にすることが可能になる。
【0033】ここで、支持軸10と軸受け穴5との間の
隙間19a、環状筒部11と環状溝6との間の隙間19
b及び油溜め用凹部12には、シリコングリース等の粘
性が高いオイル16が充填されている。従って、回転体
3がブラケット2に対して回動すると、オイル16の粘
性抵抗が回転体3に作用することになる。その結果、例
えば、図29に示すように、ギヤダンパー1の回転体3
の平歯車4がカセットホルダ(回動部材)17の扇形ギ
ヤ18に噛み合う場合には、バネ部材20で付勢された
カセットホルダ17の回動エネルギーを回転体3に作用
するオイルの粘性抵抗で吸収することができ、カセット
ホルダ17を円滑且つ緩やかに作動させることができ
る。従って、カセットホルダ17がストッパ21に当接
して停止する際に生じる衝撃力は、ギヤダンパー1を使
用しない従来例よりも格段に小さくなり、衝突音の発生
や振動の発生を効果的に抑制することができる。尚、図
29に示す回動機構22は、カセットテープレコーダ
(記録情報再生装置)23のカセットホルダ17に適用
されたものであり、ギヤダンパー1のブラケット2がカ
セットテープレコーダ本体(固定側支持部)24に固定
されており、ロック手段25でカセットホルダ17を再
生位置に保持し、ロック手段25を解除するとカセット
ホルダ17がバネ部材20のバネ力Fを受けて回動する
ようになっている。ここで、バネ部材20は、その一端
がカセットテープレコーダ本体24側に固定され、その
他端がカセットホルダ17を図中反時計回り方向へ押圧
するようになっている。ここで、この図29に示すカセ
ットテープレコーダ23は、再生位置において、図外の
再生手段により、カセットホルダ17に装着された図外
のカセットテープ(記録媒体)の記録情報を再生するよ
うになっている。
【0034】以上のように構成された本実施の形態によ
れば、油溜め用凹部12内に充填されたオイルが軸受け
穴5の底面5aに引っ張られて変形し、軸受け穴5の底
面5aと支持軸10の先端面10aとの間に真空状態の
空間が生じて回転体3の外表面と軸受け穴5内とで圧力
差が生じ、この圧力差に起因して回転体3がブラケット
2側へ引き寄せられることと、回転体3の係合用凸部8
とブラケット2の係合用凹部14が凹凸係合しているこ
との相乗効果により、回転体3をブラケット2から取り
外す方向の力(スラスト力)が作用しても、回転体3が
ブラケット2から離脱して作動不良を生じるようなこと
がない。従って、本実施の形態のギヤダンパー1は、ど
のような形態で使用されても、回転体3に作用する回動
エネルギーをオイル16の粘性抵抗で吸収することがで
きる。
【0035】又、本実施の形態に係るギヤダンパー1
は、ブラケット2の支持軸10の先端面10aに形成さ
れた油溜め用凹部12にオイル16が充填されているた
め、支持軸10と軸受け穴5との間の隙間19aのオイ
ル16が不足する場合には油溜め用凹部12からオイル
16を供給することが可能になる。その結果、本実施の
形態に係るギヤダンパー1は、油溜め用凹部12を形成
しない形態に比較し、回転体3に確実にオイル16の粘
性抵抗を作用させることができ、ギヤダンパー1に対す
る信頼性を向上させることができる。尚、隙間19a,
19bは、オイルの粘性やその他の設計条件等を考慮し
て最適の寸法に設定される。又、本実施の形態におい
て、平歯車4の回動を案内できるものであれば扇形ギヤ
18に限られず、平歯車等のギヤを適宜変更使用するこ
とができる。
【0036】[第2の実施の形態]図8〜図9は、本発
明の第2の実施の形態に係るギヤダンパー1を示すもの
である。これらの図に示す本実施の形態に係るギヤダン
パー1は、前記第1の実施の形態において示した係合用
凸部8と係合用凹部14を省略した態様である。尚、回
転体3をブラケット2から離脱させる方向に作用する力
が特別に大きいものでない限り、このような態様でも通
常の場合は実用上十分である。
【0037】即ち、図9に示すように、ギヤダンパー1
の回転体3がブラケット2から離脱する方向へ移動する
と、支持軸10の先端面10aの油溜め用凹部12内に
充填したオイル16が軸受け穴5の底面5aに引っ張ら
れて変形し、オイル16の変形抵抗が回転体3に作用す
る。その結果、回転体3がブラケット2から離脱するの
をオイル16の変形抵抗で阻止することが可能になる。
又、図9に示すように、回転体3がブラケット2から離
脱する方向へ僅かに移動し、油溜め用凹部12内のオイ
ル16が変形すると、軸受け穴5と支持軸10の先端面
10aとの間に真空領域26が発生する。その結果、回
転体3の外表面と軸受け穴5の真空領域26との圧力差
によって回転体3がブラケット2側へ引きつけられ、回
転体3がブラケット2から離脱するのを防止することが
可能になる。
【0038】[第3の実施の形態]図10〜図11は、
本発明の第3の実施の形態に係るギヤダンパー1を示す
ものである。これらの図に示すように、本実施の形態に
係るギヤダンパー1は、ブラケット2の立ち上がり壁1
3の外周側に支持軸10と同芯に環状の油溜め溝27が
形成されている。このような構成の本実施の形態によれ
ば、回転体3の環状溝6とブラケット2の環状筒部11
との間の隙間からオイル16が流出しても、その流出し
たオイル16を油溜め溝27内に収容することができ
る。従って、本実施の形態によれば、流出したオイル1
6でギヤダンパー1の周囲を汚すことがない。
【0039】[第4の実施の形態]図12は、本発明の
第4の実施の形態に係るギヤダンパー1を示すものであ
る。即ち、本実施の形態のギヤダンパー1は、回転体3
の軸受け穴5の底面5aに油溜め用凹部12が形成さ
れ、この油溜め用凹部12内にオイル16が収容された
ものである。
【0040】このような構成のギヤダンパー1は、油溜
め用凹部12がブラケット2の支持軸10の先端面10
aに形成された前記第2の実施の形態と同様の作用・効
果を得ることができる。
【0041】[第5の実施の形態]図13は、本発明の
第5の実施の形態に係るギヤダンパー1を示すものであ
る。即ち、本実施の形態のギヤダンパー1は、ブラケッ
ト2の支持軸10の先端面10aに油溜め用凹部12a
が形成されると共に、回転体3の軸受け穴5の底面5a
に油溜め用凹部12bが形成され、両油溜め用凹部12
a,12b内にオイルが収容されている。
【0042】このような構成のギヤダンパー1は、上記
のように、ブラケット2側の油溜め用凹部12aと回転
体3側の油溜め用凹部12bにオイルが収容されるた
め、前記第2の実施の形態や第4の実施の形態のギヤダ
ンパー1よりも多量のオイルを油溜め用凹部12a,1
2b内に収容できる。そのため、回転体3がブラケット
2から離脱する方向へ僅かに移動し、油溜め用凹部12
a,12b内のオイル16が変形すると、軸受け穴5と
支持軸10の先端面10aとの間に生じる真空領域が前
記第2の実施の形態や第4の実施の形態よりも大きくな
る。その結果、回転体3の外表面と軸受け穴5内の圧力
差によって回転体3がブラケット2側へ引きつけられる
力は、前記第2の実施の形態や第4の実施の形態のギヤ
ダンパー1よりも大きくなり、回転体3がブラケット2
から離脱するのをより一層効果的に防止することができ
る。
【0043】[第6の実施の形態]図14〜図15は、
本発明の第6の実施の形態を示すものである。即ち、本
実施の形態のギヤダンパー1は、油溜め用凹部12がブ
ラケット2の支持軸10の先端面10aに形成された前
記第2の実施の形態において、ブラケット2の環状筒部
11の先端に油溜め用凹部12cが形成されており、こ
の油溜め用凹部12c内及び環状筒部11と環状溝6と
の間に十分な量のオイル16が収容されたものである。
【0044】尚、環状筒部11の油溜め用凹部12c
は、図15(a)に示すように、環状筒部11の先端面
の全周にわたり環状に形成するか、または、図15
(b)に示すように、環状筒部11の先端面の周方向に
分割して複数配置するようにしてもよい。
【0045】このような構成の本発明によれば、回転体
3がブラケット2から離脱する方向へ僅かに移動する
と、油溜め用凹部12内のオイル16及び油溜め用凹部
12c内のオイル16の変形抵抗が回転体3に作用し、
回転体3が前記第2の実施の形態の場合よりも大きな力
でブラケット2側に引きつけられる。又、支持軸10と
軸受け穴5との間の隙間には油溜め用凹部12内のオイ
ルが補給され、環状筒部11と環状溝6との間の隙間に
は油溜め用凹部12c内のオイルが補給される。その結
果、ギヤダンパーは、長期間にわたり確実にダンパー機
能を発揮する。
【0046】[第7の実施の形態]図16〜図17は、
本発明の第7の実施の形態を示すものである。即ち、本
実施の形態のギヤダンパー1は、回転体3の軸受け穴5
の底面5aに油溜め用凹部12が形成された前記第4の
実施の形態において、環状溝6の底面に油溜め用凹部1
2dが形成されており、この油溜め用凹部12d及び環
状筒部11と環状溝6との間に十分な量のオイル16が
収容されたものである。
【0047】尚、環状溝6の油溜め用凹部12dは、図
17(a)に示すように、環状溝6の底面の全周にわた
り環状に形成するか、または、図17(b)に示すよう
に、環状溝6の底面の周方向に分割して複数配置するよ
うにしてもよい。
【0048】このような構成の本発明によれば、回転体
3がブラケット2から離脱する方向へ僅かに移動する
と、油溜め用凹部12内のオイル16及び油溜め用凹部
12d内のオイル16の変形抵抗が回転体3に作用し、
回転体3が前記第4の実施の形態の場合よりも大きな力
でブラケット2側に引きつけられる。又、支持軸10と
軸受け穴5との間の隙間には油溜め用凹部12内のオイ
ルが補給され、環状筒部11と環状溝6との間の隙間に
は油溜め用凹部12d内のオイルが補給される。その結
果、ギヤダンパーは、長期間にわたり確実にダンパー機
能を発揮する。
【0049】[第8の実施の形態]図18は、本発明の
第8の実施の形態を示すものである。即ち、本実施の形
態のギヤダンパー1は、ブラケット2の支持軸10の先
端面10aに油溜め用凹部12aが形成されると共に、
回転体3の軸受け穴5の底面5aに油溜め用凹部12b
が形成され、両油溜め用凹部12a,12b内にオイル
が収容されている前記第5の実施の形態において、環状
筒部11の先端面に油溜め用凹部12cが形成されると
共に、環状溝6の底面に油溜め用凹部12dが形成さ
れ、これら油溜め用凹部12c,12d内にオイル16
が収容されている。
【0050】このような構成の本実施の形態によれば、
回転体3がブラケット2から離脱する方向へ僅かに移動
すると、油溜め用凹部12a,12b,12c,12d
内のオイル16の変形抵抗が回転体3に作用し、回転体
3が前記第5の実施の形態の場合よりも大きな力でブラ
ケット2側に引きつけられる。又、支持軸10と軸受け
穴5との間の隙間には油溜め用凹部12a,12b内の
オイルが補給され、環状筒部11と環状溝6との間の隙
間には油溜め用凹部12c,12d内のオイルが補給さ
れる。その結果、ギヤダンパーは、長期間にわたり確実
にダンパー機能を発揮する。
【0051】[第9の実施の形態]図19及び図20
は、本発明の第9の実施の形態を示すものである。これ
らの図に示すギヤダンパー1は、ブラケット2の支持軸
10の外周面に係合用凸部8が形成され、この係合用凸
部8に対向する軸受け穴5の内周面に係合用凸部8に係
合する係合用凹部14が形成されている。このように構
成すれば、前記第1の実施の形態のような立ち上がり壁
13を別途形成しなくてもよく、構造が簡素化する。
【0052】ここで、図19のギヤダンパー1は、支持
軸10の根本部分に係合用凸部8が形成されており、回
転体3をブラケット2に組み付ける際に、係合用凸部8
が軸受け穴5内を移動させる距離が短くなるため、支持
軸10の先端側に係合用凸部8が形成された図20のギ
ヤダンパー1に比較して、回転体3をブラケット2に容
易に組み付けることができる。一方の図20のギヤダン
パー1は、支持軸10の先端側に係合用凸部8が形成さ
れ、回転体3の環状溝6が形成されていない剛性の高い
部分に係合用凹部14が形成されており、この係合用凹
部14に係合用凸部8が係合されるようになっているた
め、係合用凸部8と係合用凹部14の係合により環状壁
3Aを拡径変形させるようなことがなく、環状溝6と環
状筒部11との間の隙間を最適な状態に維持できる。
【0053】尚、係合用凸部8や係合用凹部14の断面
形状は、図19に示すような円弧形状や図20に示す矩
形形状に限られるものでなく、台形状や三角形状等の適
宜形状が選択される。又、係合用凸部8や係合用凹部1
4は、支持軸10や軸受け穴5に環状に形成したり、ま
た、円周方向に分割して複数形成するようにしてもよ
い。又、支持軸10に係合用凹部14を形成し、軸受け
穴5に係合用凸部8を形成するようにしてもよい。
【0054】[その他の実施の形態]尚、上記各実施の
形態は、ブラケット2に支持軸10を形成し、回転体3
に軸受け穴5を形成する態様を例示したが、これに限ら
れず、図21に示すように、回転体3に支持軸10を形
成し、ブラケット2に軸受け穴5を形成するようにして
もよい。そして、支持軸10の先端面10aと軸受け穴
5の底面5aの少なくとも一方に油溜め用凹部12を形
成し、その油溜め用凹部12内にオイル16を充填する
ようにしてもよい。
【0055】又、前記第6〜第8の実施の形態におい
て、油溜め用凹部12c,12dの断面形状は、円弧状
に形成する態様を示したが、これに限られるものでな
く、矩形状やV字状等の適宜形状にすることができる。
【0056】又、前記第6の実施の形態において、油溜
め用凹部12cを環状溝6の底面側に形成したり、ま
た、油溜め用凹部12cを環状筒部11の先端面及び環
状溝6の底面の両側に対向させて形成するようにしても
よい。
【0057】又、前記第7の実施の形態において、油溜
め用凹部12dを環状筒部11の先端面側に形成した
り、また、油溜め用凹部12dを環状筒部11の先端面
及び環状溝6の底面の両側に対向させて形成するように
してもよい。
【0058】又、前記第8の実施の形態において、環状
筒部11側のみに油溜め用凹部12cを形成したり、ま
た、環状溝6側のみに油溜め用凹部12dを形成するよ
うにしてもよい。
【0059】又、係合用凸部8と環状突起部15の形状
は、前記第1の実施の形態の態様に限られず、図22に
示すように、断面略半円形に形成してもよい。
【0060】又、係合用凸部8と環状突起部15の形状
は、図23に示すように、回転体3の下端外周に形成し
た断面略三角形の係合用凸部8をブラケット2の立ち上
がり壁13に形成した断面略三角形の係合用凹部14に
係合するようにしてもよい。
【0061】又、係合用凸部8と環状突起部15の形状
は、図24に示すように、回転体3の下端外周に形成し
た断面略半円形の係合用凸部8をブラケット2の立ち上
がり壁13に形成した断面略半円形の係合用凹部14に
係合するようにしてもよい。
【0062】そして、これら各実施の形態において、係
合用凸部8を立ち上がり壁13側に形成し、係合用凹部
14を回転体3の下端外周に形成するようにしてもよ
い。このような構成であっても、前記第1の実施の形態
と同様に回転体3をブラケット2に円滑に着脱すること
が可能になる。ここで、係合用凸部8と係合用凹部14
は、これらの各実施の形態の断面形状に限られず、回転
体3がブラケット2から離脱するのを防止することがで
きる形状であればよい。
【0063】又、前記第1の実施の形態において、環状
溝6と環状筒部11の対向する面のいずれか一方に係合
用凸部8を形成し、この係合用凸部8に係合する係合用
凹部14を環状溝6と環状筒部11の対向する面のいず
れか他方に形成し、立ち上がり壁13を省略するように
してもよい。このように構成すれば、立ち上がり壁13
を別途形成しなくてもよく、構造が簡素化する。
【0064】又、上記の実施の形態において、ギヤダン
パーをカセットテープレコーダに適用する場合を例に採
って説明したが、これに限られず、コンパクトディスク
プレーヤやその他の記録情報再生装置に適用でき、更
に、記録情報再生装置に限られず、回動機構を備えた様
々な機械や装置に本発明のギヤダンパーを適用すること
ができる。
【0065】更に、上記の各実施の形態において、歯車
として平歯車4を例示したが、これに限られず、回転体
3がブラケット2から離脱する方向と反対の方向(回転
体3をブラケット2に押し付ける方向)へスラスト力が
生じるような歯車(例えば、はすば歯車等)を回転体3
に形成すれば、上記各実施の形態の効果(回転体3の離
脱防止効果)と相俟って、回転体3がブラケット2から
離脱するのをより一層効果的に防止することができる。
【0066】加えて、図25に示すように、軸受け穴5
と環状溝6の間に位置する環状筒部3Aの先端面とこの
環状筒部3Aに係合する環状溝2Aの底面の少なくとも
一方に油溜め用凹部12eを形成し、又、環状溝6間の
環状筒部3Bの先端面とこの環状筒部3Bに係合する環
状溝2Bの底面の少なくとも一方に油溜め用凹部12e
を形成して、各油溜め用凹部12e内にオイル16を充
填するようにしてもよい。
【0067】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るギヤダンパーは、回転体がブラケットから離脱す
る方向に僅かに移動した際に生じるオイルの変形抵抗を
回転体に作用させることができると共に、そのオイルの
変形によって生じる吸引力を回転体に作用させることが
できるため、回転体がブラケットから離脱するのを防止
することができる。加えて、本発明に係るギヤダンパー
は、油溜め用凹部に充填されたオイルを支持軸と軸受け
穴の隙間に補給することが可能であるため、長期間使用
してもオイル不足に起因するダンパー機能の低下を招く
ことがない。
【0068】又、本発明に係るギヤダンパーは、ブラケ
ットの支持軸の先端面とこの先端面に対向する軸受け穴
の底面の少なくとも一方に形成された油溜め用凹部内の
オイルの変形抵抗が回転体に作用すると共に、環状筒部
の先端面とこの先端面に対向する環状溝の底面の少なく
とも一方に形成された油溜め用凹部内のオイルの変形抵
抗が回転体に作用するので、回転体をブラケット側に引
き寄せる力が一層大きくなり、より一層効果的に回転体
の抜けを防止することが可能になる。加えて、本発明の
ギヤダンパーは、環状筒部と環状溝の隙間に、環状筒部
の先端面とこの先端面に対向する環状溝の底面の少なく
とも一方に形成された油溜め用凹部からオイルを補給す
ることができるので、前記請求項1のギヤダンパーの効
果と相俟ってより一層確実にダンパー機能を発揮する。
【0069】又、本発明に係るギヤダンパーにおいて、
外側筒状部と立ち上がり壁のいずれか一方に形成された
係合用凸部を、外側筒状部と立ち上がり壁のいずれか他
方に形成された係合用凹部に係合することにより、回転
体をブラケットに回動可能に組み付ける場合、ブラケッ
トから分離する方向に力が作用しても、回転体の移動を
係合用凸部と係合用凹部の係合部分で阻止することがで
きるため、上記ギヤダンパーの効果と相俟って、回転体
がブラケットから離脱するのを一層確実に防止すること
ができる。加えて、本発明に係るギヤダンパーにおい
て、この係合用凸部と係合用凹部の係合部分が、環状溝
と環状筒部の隙間や軸受け穴と支持軸の隙間及び油溜め
用凹部に介在させたオイルの漏出を阻止する。
【0070】又、本発明に係るギヤダンパーにおいて、
回転体の環状溝とブラケットの環状筒部の対向する面の
いずれか一方に係合用凸部が形成され、この係合用凸部
に係合する係合用凹部が前記環状溝と前記環状筒部の対
向する面のいずれか他方に形成される場合は、回転体が
ブラケットから離脱するのを防止することができること
はもちろんのこと、ブラケットに別途立ち上がり壁を形
成する必要がなくなり、全体構造を簡素化することがで
きる。
【0071】又、本発明に係るギヤダンパーにおいて、
支持軸の外周面と前記軸受け穴の内周面のいずれか一方
に係合用凸部が形成され、この係合用凸部に係合する係
合用凹部が前記支持軸の外周面と前記軸受け穴の内周面
のいずれか他方に形成される場合は、回転体がブラケッ
トから離脱するのを防止することができることはもちろ
んのこと、ブラケットに別途立ち上がり壁を形成する必
要がなくなり、全体構造を簡素化することができる。
【0072】又、本発明に係るギヤダンパーにおいて、
ブラケットの環状筒部の外側に油溜め溝が形成される場
合、回転体とブラケットの間に充填されたオイルが外部
に漏出しても、油溜め溝内にその漏出したオイルを収容
することが可能になり、漏出したオイルでギヤダンパー
の周囲を汚すことがない。
【0073】更に、本発明に係るギヤダンパーを備えた
回動機構やこの回動機構を備えた記録情報再生装置は、
上記のように回転体がブラケットから離脱するのを防止
できるため、繰り返し使用されても、長期間確実に作動
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るギヤダンパー
の分解斜視図である。
【図2】同ギヤダンパーの回転体を裏面側から見た斜視
図である。
【図3】同ギヤダンパーの外観斜視図である。
【図4】同ギヤダンパーの平面図である。
【図5】同ギヤダンパーの縦断面図(図4のA1−A1
線に沿って切断して示す断面図)である。
【図6】同ギヤダンパーを分解して示す縦断面図であ
る。
【図7】同ギヤダンパーの回転体とブラケットの係合部
を示す拡大断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るギヤダンパー
の縦断面図である。
【図9】同ギヤダンパーの作動状態図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係るギヤダンパ
ーの平面図である。
【図11】同ギヤダンパーの縦断面図(図10のA2−
A2線に沿って切断して示す断面図)である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係るギヤダンパ
ーの縦断面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態に係るギヤダンパ
ーの縦断面図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態に係るギヤダンパ
ーの縦断面図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態に係るブラケット
の左半分を省略して示す上面図である。図15(a)は
環状筒部の油溜め用凹部の第1例を示す図であり、図1
5(b)は環状筒部の油溜め用凹部の第2例を示す図で
ある。
【図16】本発明の第7の実施の形態に係るギヤダンパ
ーの縦断面図である。
【図17】本発明の第7の実施の形態に係る回転体の左
半分を省略して示す下面図である。図17(a)は環状
溝の油溜め用凹部の第1例を示す図であり、図17
(b)は環状溝の油溜め用凹部の第2例を示す図であ
る。
【図18】本発明の第8の実施の形態に係るギヤダンパ
ーの縦断面図である。
【図19】本発明の第9の実施の形態に係るギヤダンパ
ーの第1例を示す縦断面図である。
【図20】本発明の第9の実施の形態に係るギヤダンパ
ーの第2例を示す縦断面図である。
【図21】本発明の他の実施の形態の第1例を示すギヤ
ダンパーの縦断面図である。
【図22】本発明の他の実施の形態の第2例を示すギヤ
ダンパーの一部拡大図である。
【図23】本発明の他の実施の形態の第3例を示すギヤ
ダンパーの一部拡大図である。
【図24】本発明の他の実施の形態の第4例を示すギヤ
ダンパーの一部拡大図である。
【図25】本発明の他の実施の形態の第5例を示すギヤ
ダンパーの縦断面図である。
【図26】従来のギヤダンパーの平面図である。
【図27】同ギヤダンパーの縦断面図(図16のA3−
A3線に沿って切断して示す断面図)である。
【図28】従来の回動機構の構成図である。
【図29】ギヤダンパーを取り付けた回動機構の構成図
である。
【符号の説明】
1……ギヤダンパー、2……ブラケット、3……回転
体、3a……裏面、4……平歯車(歯車)、5……軸受
け穴、5a……底面、6,2A,2B……環状溝、7…
…外側筒状部、8……係合用凸部、10……支持軸、1
0a……先端面、11,3A,3B……環状筒部、1
2,12a,12b,12c,12d,12e……油溜
め用凹部、13……立ち上がり壁、14……係合用凹
部、16……オイル、17……カセットホルダ(回動部
材)、18……扇形ギヤ(ギヤ)、19a,19b……
隙間、20……バネ部材(弾性部材)、21……ストッ
パ、22……回動機構、23……カセットテープレコー
ダ(記録情報再生装置)、24……カセットテープレコ
ーダ本体(固定側支持部)、25……ロック手段、27
……油溜め溝
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 9/00 - 9/58 G11B 33/02

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周に歯車が形成された回転体と、この
    回転体を回動できるように支持するブラケットとを備
    え、前記回転体と前記ブラケットとの間に介在させたオ
    イルの粘性抵抗を前記回転体に作用させるギヤダンパー
    において、 前記回転体と前記ブラケットのいずれか一方に他方へ向
    かって延びる支持軸が形成され、 前記支持軸に相対回動できるように係合される有底筒状
    の軸受け穴が前記回転体と前記ブラケットのいずれか他
    方に形成され、 前記回転体と前記ブラケットのいずれか一方の他方に対
    向する面側には前記軸受け穴と同芯の環状溝が形成され
    る一方、前記回転体と前記ブラケットのいずれか他方に
    は前記環状溝に相対回動できるように係合する環状筒部
    が前記支持軸と同芯に形成され、 前記支持軸の先端面とこの先端面に対向する前記軸受け
    穴の底面の少なくとも一方に、前記先端面又は前記底面
    から凹む連続した側壁を持つ油溜め用凹部が形成され、 前記環状溝と前記環状筒部の隙間や前記軸受け穴と前記
    支持軸の隙間にオイルを介在させると共に、前記油溜め
    用凹部にオイルを充填したことを特徴とするギヤダンパ
    ー。
  2. 【請求項2】 前記環状筒部の先端面とこの先端面に対
    向する前記環状溝の底面の少なくとも一方に油溜め用凹
    部が形成され、この油溜め用凹部にオイルが収容された
    ことを特徴とする請求項1記載のギヤダンパー。
  3. 【請求項3】 前記回転体の前記ブラケットに対向する
    面側の最外周に外側筒状部が前記軸受け穴と同芯に形成
    される一方、この外側筒状部に相対回動できるように係
    合する立ち上がり壁が前記ブラケットの環状筒部の外側
    に形成され、 前記外側筒状部と前記立ち上がり壁のいずれか一方に係
    合用凸部が形成され、この係合用凸部に係合する係合用
    凹部が前記外側筒状部と前記立ち上がり壁のいずれか他
    方に形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の
    ギヤダンパー。
  4. 【請求項4】 前記環状溝と前記環状筒部の対向する面
    のいずれか一方に係合用凸部が形成され、この係合用凸
    部に係合する係合用凹部が前記環状溝と前記環状筒部の
    対向する面のいずれか他方に形成されたことを特徴とす
    る請求項1又は2記載のギヤダンパー。
  5. 【請求項5】 前記支持軸の外周面と前記軸受け穴の内
    周面のいずれか一方に係合用凸部が形成され、この係合
    用凸部に係合する係合用凹部が前記支持軸の外周面と前
    記軸受け穴の内周面のいずれか他方に形成されたことを
    特徴とする請求項1又は2記載のギヤダンパー。
  6. 【請求項6】 前記ブラケットの前記環状筒部の外側に
    油溜め溝が形成されたことを特徴とする請求項1又は2
    記載のギヤダンパー。
  7. 【請求項7】 前記歯車が平歯車であることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載のギヤダンパー。
  8. 【請求項8】 前記歯車は、前記回転体を前記ブラケッ
    ト側へ押圧するようなスラスト力が生じる歯を備えたこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のギ
    ヤダンパー。
  9. 【請求項9】 固定側支持部に回動可能に支持された回
    動部材と、この回動部材を所定位置にロックするロック
    手段と、前記回動部材を常時一定方向へ付勢する弾性部
    材と、この弾性部材の弾性力で回動する前記回動部材の
    回動量を規制するストッパと、前記固定側支持部と前記
    回動部材の一方に前記ブラケットが固定される請求項1
    〜7のいずれか1項に記載のギヤダンパーと、前記固定
    側支持部と前記回動部材の他方に固定されて前記ギヤダ
    ンパーの歯車に噛み合うギヤと、を備えたことを特徴と
    する回動機構。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の回動機構と、この回動
    機構の回動部材に装着された記録媒体から記録情報を再
    生する再生手段と、を備えたことを特徴とする記録情報
    再生装置。
JP26782299A 1999-06-07 1999-09-21 ギヤダンパー,該ギヤダンパーを備えた回動機構及び該回動機構を備えた記録情報再生装置。 Expired - Lifetime JP3341261B2 (ja)

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