JP3341095B2 - 光硬化性レジストインキ組成物 - Google Patents

光硬化性レジストインキ組成物

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JP3341095B2 JP34349293A JP34349293A JP3341095B2 JP 3341095 B2 JP3341095 B2 JP 3341095B2 JP 34349293 A JP34349293 A JP 34349293A JP 34349293 A JP34349293 A JP 34349293A JP 3341095 B2 JP3341095 B2 JP 3341095B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無電解メッキによりプ
リント配線板を製造する際に使用される光硬化性レジス
トインキとして好適な光硬化性レジストインキ組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板、特に両面スルーホール
配線板の製造法として、スルーホール内壁に無電解メッ
キをした後、電気メッキし、表裏をエッチングしてパタ
ーンを形成するサブトラクト法が広く用いられてきた。
しかしながら、近年、高密度配線が要求され、スルーホ
ール径も小さくなるにつれ、スルーホールメッキ及び表
裏の回路形成をすべて無電解メッキで形成するアディテ
ィブ法(特にフルアディティブ法)が多く採用されるよ
うになってきた。そして、このアディティブ法では、無
電解メッキレジストインキが使用される。無電解メッキ
レジストインキ組成物には次の様な特性が要求される。 (1)無電解メッキレジストインキの粘性が経時で変化
する事なく安定した印刷性が得られること。粘性が変化
すると、その都度スクリーン印刷条件を変化させなけれ
ばならなくなる。 (2)スクリーン印刷、硬化後、微細パターンの再現性
(解像性)が良いこと。再現性が悪い場合には、配線密
度を上げる事が出来ないだけでなく、ショート、断線等
の原因にもなる。 (3)無電解メッキレジストインキの硬化ができるだけ
低温、短時間で行なわれること。高温、長時間の場合は
工程時間が長くなるばかりでなく基材の熱による寸法変
化、反り等が起りやすい。 (4)硬化したレジスト膜の耐化学薬品性、即ち、耐粗
化液性、耐無電解メッキ液性が十分あること。耐粗化液
性が劣る場合には、レジスト膜上に銅が析出しやすく、
いわゆる「銅フリ」現象を起しやすい。また、耐無電解
メッキ液性が劣る場合は、無電解メッキ液中に溶出した
物質により析出した銅の伸び率が低下する等の障害が生
じる。
【0003】従来、無電解メッキレジスト組成物とし
て、熱硬化型のエポキシ樹脂組成物(特開昭54−01
3574、特開昭58−009398、特開昭59−1
17196、特開昭63−162775、特開平1−9
2376号公報等参照)が知られている。しかしなが
ら、熱硬化型エポキシ樹脂組成物は、スクリーン印刷に
よってパターン印刷を行った後、加熱してゲル化する迄
の間の粘度低下により、解像性が低下しやすい、加熱硬
化に長時間を要するという欠点があった。これらの欠点
を改良する目的で、光ラジカル重合系及び光カチオン重
合系の光硬化型無電解メッキレジストが提案されてい
る。この場合、光ラジカル重合系としては、特開昭60
−121443号等の無電解メッキレジスト組成が開示
されている。しかしながら、光ラジカル重合系にはアク
リル酸エステル系のモノマー、オリゴマーが使用されて
いるため、高アルカリ、高温の無電解メッキ液中に長時
間浸漬されるとエステル基が加水分解された分解生成物
や、未反応モノマーが無電解メッキ液中に溶出し、液が
汚染され、メッキされた銅の物性が低下するという欠点
がある。一方、光カチオン重合系としては、特開昭64
−54442号公報に無電解メッキレジストインキ組成
物が開示されている。光カチオン重合触媒を用いる場合
には、フィラーの種類によって光重合が阻害されること
が良く知られているが、特開昭64−54442号に使
用されているタルクも光重合を阻害し、硬化したレジス
ト膜の硬度が十分に出ないという欠点がある。特開昭6
4−54442号ではエポキシ基を含まないアルコール
性水酸基含有化合物を使用している為、耐化学薬品性が
十分でなく、「銅フリ」を起しやすく、無電解メッキ液
を汚染するという欠点がある。
【0004】特開平3−160071号公報には、前記
した従来の技術に見られる欠点を克服するために、下記
成分〔A〕〜〔D〕を含有してなる光硬化性レジストイ
ンキ組成物が提案されている。 〔A〕;1分子中に少なくとも2個のグリシジルエーテ
ル基を有し、該グリシジルエーテル基が直接芳香環に結
合したエポキシ樹脂 〔B〕;脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合
物 〔C〕;光カチオン重合触媒 〔D〕;表面疎水化シリカ粉末 この組成物は、本出願人の出願に係るものであるが、本
発明者らは、この組成物について種々研究を重ねたとこ
ろ、この組成物の場合、光透過性及び樹脂との密着性に
劣る表面疎水化シリカ粉末を用いていることから、その
インク組成物を黒色に着色すると、その組成物の光硬化
性が阻害され、その組成物から得られる光硬化膜は、そ
の硬化度が不十分になり、耐化学薬品性に劣るようにな
るとともに、その組成物をインキとして用い、プリント
配線基板上にスクリーン印刷し、光硬化させた後、強酸
性の粗化液と接触させたときに、その光硬化膜の侵蝕に
より、シリカ粉末の脱落が起り、光硬化膜表面が粗面に
なり、銅フリ現象を生じやすくなる等の問題のあること
が見出された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エポキシ樹
脂を含む光硬化性レジストインキ組成物において、黒色
に着色した場合でもシリカ脱落の生じにくい光硬化膜を
与える組成物を提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、〔A〕分子中に少な
くとも2個のグリシジルエーテル基を有し、該グリシジ
ルエーテル基が直接芳香環に結合したエポキシ樹脂、
〔B〕脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合
物、〔C〕光カチオン重合触媒、〔D〕親水性シリカ微
粉末及び〔E〕非イオン系界面活性剤を含有する組成物
であって、該組成物中の粘度(25℃)が40〜140
Pa・Sの範囲内にあり、かつ該組成物のチクソ値が
1.2〜2の範囲内にあることを特徴とする光硬化性レ
ジストインキが提供される。以下、本発明についてさら
に詳細に説明する。
【0007】(1)成分〔A〕 本発明においては、成分〔A〕として分子中に少なくと
も2個のグリシジルエーテル基を有し、該グリシジルエ
ーテル基が直接芳香環に結合したエポキシ樹脂を用い
る。このようなものとしては、例えば、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD
型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格型
エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等
がある。これらのものは、ビスフェノール類、フェノー
ルノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂とエピ
クロルヒドリンとをアルカリ触媒の存在下で反応して得
られるものであり、単独系又は混合系で使用できる。市
販品の例としは、例えば、以下のものが挙げられる。エ
ピコート807、エピコート825、エピコート82
8、エピコート834、エピコート1001、エピコー
ト1004、エピコート152、エピコート157(以
上、油化シェルエポキシ株式会社製品)、D.E.R.
331、D.E.R.337、D.E.R.661、
D.E.R.664、D.E.N.431、D.E.
N.432(以上ダウ・ケミカル日本株式会社製品)、
エポトートYDF−170、エポトートYDF−200
1、エポトートYD−128、エポトートYD−13
4、エポトートYD−011、エポトートYD−01
4、エポトートR−710、エポトートYDPN−63
8、エポトートYDCN−701(以上東都化成株式会
社製品)。
【0008】(2)成分〔B〕 本発明においては、成分〔B〕として脂肪族ポリオール
グリシジルエーテル化合物を用いる。このようなものと
しては、例えば、(ポリ)エチレングリコール、1,6
−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセ
リンなどのポリオール類とエピクロルヒドリンとをアル
カリ触媒の存在下で反応して得られるもので、好ましく
はエポキシ当量が80〜400のものを用いることがで
きる。その具体例としては、(ポリ)エチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグ
リシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジ
ルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
ソルビトールポリグリシジルエーテル及びこれらのハロ
ゲン化物等が挙げられる。これらは単独系又は混合系で
使用することができる。市販品としては、例えば、以下
のものが挙げられる。エピオールE−100、エピオー
ルNPG−100、エピオールTMP−100、エピオ
ールG−100(以上、日本油脂株式会社製品)、アデ
カグリシロールED−503、ED−505、ED−5
06、ED−507(以上旭電化工業株式会社製品)、
エポライト40E、エポライト200E、エポライト4
00E、エポライト70P、エポライト400P、エポ
ライト1500NP、エポライト1600、エポライト
80MF、エポライト100MF、エポライトFP15
00(以上、共栄社油脂化学工業株式会社製品)。
【0009】(3)成分〔C〕 本発明においては、成分〔C〕として光カチオン重合触
媒を用いるが、このものは、成分〔A〕,〔B〕の光カ
チオン重合開始剤である。このようなものとしては、例
えば、以下のものが挙げられる。 (ジアリルヨードニウム塩)例えば、ジフェニルヨード
ニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨー
ドニウムヘキサフルオロホスフェート、4−クロルフェ
ニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ(4−メ
トキシフェニル)ヨードニウムクロリド、(4−メトキ
シフェニル)フェニルヨードニウム等。 (トリアリールスルホニウム塩)例えば、トリフェニル
スルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルス
ルホニウムヘキサフルオロホスフェート、P−(フェニ
ルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオ
ロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフ
ルオロアンチモネート、4−クロルフェニルジフェニル
スルホニウムヘキサフルオロホスフェート等。 (トリアリールセレニウム塩)例えば、トリフェニルセ
レニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルセ
レニウムヘキサフルオロアンチモネート等。 (その他) (2,4−シクロペンタジエン−1−イル)〔(1−メ
トキシエチル)−ベンゼン〕−アイロン−ヘキサフルオ
ロホスフェート、ジフェニルスルホニウムヘキサフルオ
ロアンチモネート、ジアルキルフェニルスルホニウムヘ
キサフルオロアンチモネート、ジアルキルフェニルスル
ホニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4′−ビス
〔ジ(βヒドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ〕
フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネ
ート、4,4′−ビス〔ジ(βヒドロキシエトキシ)〕
フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェー
ト等。
【0010】(4)成分〔D〕 本発明においては、成分〔D〕として親水性シリカ微粉
末を用いる。このものは組成物に構造粘性を与える。こ
のシリカ微粉末は、その平均粒径が1〜100nm、好
ましくは5〜50nmであることが好ましい。市販品と
しては、例えば、日本アエロジル社製のAEROSIL
130、200、300、380やキャボット社製の
Cab−O−Sil LM−5、M−5、H−5、EH
−5等が挙げられる。
【0011】(5)成分〔E〕 本発明においては、成分〔E〕として非イオン系界面活
性剤を用いる。このものは、組成物の粘着性を低下さ
せ、その印刷に際しての版離れを容易なものとする。こ
の成分〔E〕としては、特に、HLB値が10以下のも
のの使用が有利であり、このようなHLB値のものを用
いると、レベリング性と消泡性のバランスの良好なイン
キを得ることができる。非イオン系界面活性剤の具体例
としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル
類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタ
ンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタン
アルキルエステル類等がある。市販品としては、花王株
式会社製のレオドール、エマゾール、東邦化学工業株式
会社製のソルボン、日本乳化剤株式会社製のNewco
l等がある。
【0012】本発明の組成物は前記した成分〔A〕〜
〔E〕からなるものであるが、必要により、エポキシ基
を含む反応性希釈剤、着色剤、充填剤、消泡剤、レベリ
ング剤、溶剤等を使用することができる。また、成分
〔C〕の光カチオン重合触媒の成分〔A〕,〔B〕への
相溶性を向上させる目的で、光カチオン重合触媒をアセ
トニトリル、プロピレンカーボネート等に溶解して使用
することができる。エポキシ基を含む反応性希釈剤とし
ては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、メチルフ
ェニルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエー
テル、エポキシシクロヘキシルメチルエポキシシクロヘ
キサンカルボキシレート等が挙げられる。着色剤として
は、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー等
の有機顔料、酸化チタン、群青、黄鉛、カーボンブラッ
ク等の無機顔料、染料等が挙げられる。充填剤として
は、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸カル
シウム、クレー等が挙げられる。消泡剤としては、シリ
コンオイル、レベリング剤としてはフッ素系界面活性
剤、シリコーン系界面活性剤、アクリル共重合体等を挙
げることができる。さらに溶剤として、ケトン系溶剤、
エステル系溶剤、セロソルブ系溶剤、芳香族系溶剤等が
挙げられる。
【0013】本発明の組成物において、成分〔A〕と成
分〔B〕の配合比は、両者の合計重量に対し、成分
〔A〕が90〜40重量%、成分〔B〕が10〜60重
量%、好ましくは成分〔A〕が85〜50重量%、成分
〔B〕が15〜50重量%である。成分〔C〕は成分
〔A〕と〔B〕の合計100重量部に対し0.1〜10
重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。成分
〔D〕は成分〔A〕と〔B〕の合計100重量部に対し
0.1〜3重量部、好ましくは0.5〜2.5重量部で
ある。成分〔E〕は成分〔A〕と〔B〕の合計量100
重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜
4重量部である。本発明の組成物において、成分〔A〕
が多く、成分〔B〕が少ない場合、組成物として粘度が
高くなり過ぎ、印刷できなくなるばかりでなく、硬化膜
の密着性が悪く、かつ、硬化膜が硬くて、脆くなり、基
材が曲った場合に硬化膜にクラックが入ったり、基材よ
り剥離したりする。成分〔A〕が少なく成分〔B〕が多
い場合、硬化膜の耐化学薬品性が低下する。成分〔C〕
が少ない場合は、硬化速度が遅くなり実用的でない。成
分〔C〕が多い場合は、硬化速度の向上はこれ以上望め
なく、重合反応に関与しないカチオンが残留し、無電解
メッキ液を汚染する。成分〔D〕が少ない場合は、チキ
ソ性が付与できず、スクリーン印刷時のパターン再現性
が劣る。成分〔D〕が多い場合、チキソ性が強くなり過
ぎるとともに、チキン性の終日安定性が悪くなり、スク
リーン印刷時気泡が残り、「銅フリ」を起すようにな
る。
【0014】本発明の組成物は、親水性シリカ微粉末を
非イオン系界面活性剤とともに配合成分として用いると
ともに、40〜140Pa・S、好ましくは40〜12
0Pa・Sの範囲の高粘度を有することを特徴とする。
このような高粘度の組成物は、粘着性が高すぎ、印刷適
性に劣るものと考えられていたため、従来は、光硬化性
レジストインク組成物としては全く考慮されなかったも
のである。また、親水性シリカ微粉末は、比較的少量の
使用により組成物に高いチキソ性を与え、しかも表面粗
水化シリカ微粉末に比べて、光透過性にすぐれかつ樹脂
との密着性にすぐれているものの、組成物の印刷適性と
保存安定性の両方を満足させることが困難であるため、
その使用は好ましくないものと考慮されていたものであ
る。
【0015】一般的に、インキ組成物が良好な印刷適性
を有するためには、その組成物は、粘度が低くチキソ値
が高いか又は粘度が高くチキソ値が低いという粘度とチ
キソ値のバランスがとれていることが必要である。親水
性シリカ微粉末を含む組成物の場合、保存安定性が悪
く、組成物のチキソ値及び粘度に経時変化を生じるた
め、前記バランスをとることは非常に困難であった。即
ち、親水性シリカ微粉末を多く使用すれば、良好な印刷
適性を得るのに十分な粘度とチキソ値を有する組成物を
得ることができるが、この場合には、組成物の粘度とチ
キソ値が経時変化し、結局、印刷適性の劣った組成物に
なってしまう。本発明者らは、この親水性シリカ微粉末
を含む組成物は、その粘度を高くかつチキソ値を低く保
持するとともに、非イオン系界面活性剤を配合するとき
には、経時によってもその粘度及びチキソ値の大幅な変
化がなく、かつ良好な印刷適性を有することを見出し
た。本発明はこのような知見に基づいて完成されたもの
である。
【0016】本発明組成物の粘度及びチキソ値は、エポ
キシ樹脂の種類とその配合量、脂肪族ポリオールポリグ
リシジルエーテル化合物の種類とその配合量、親水性シ
リカ微粉末の配合量、非イオン系界面活性剤の種類と配
合量等によって調節することができる。本発明の場合、
粘土は、エポキシ樹脂の種類とその配合量及び脂肪族ポ
リオールポリグリシジルエーテル化合物の種類とその配
合量によって調節することは好ましい方法である。
【0017】本発明の組成物は、プリント配線基板の製
造に際して用いられる光硬化性インクとして好適のもの
である。本発明の組成物を用いて配線基板を製造するに
は、先ず、本発明の組成物を無電解メッキ用基材にスク
リーン印刷した後紫外線等の活性エネルギー線を照射す
ることにより硬化させる。この場合、活性エネルギー照
射による硬化後、加熱処理を行なうことによって硬化物
特性をさらに向上させることができる。この場合の加熱
処理は、通常、100〜170℃で2〜30分間加熱す
ることによって行われる。次に、前記のようにして得た
基板を、析出した銅の密着性を向上させる目的で強酸性
の粗化液中に浸漬し、銅が析出すべき部分の基材の接着
剤層を粗化する。この後、強アルカリ性の無電解メッキ
液中に浸漬して銅をレジスト部分以外に析出させ、配線
パターンを形成する。
【0018】
【発明の効果】本発明の組成物は、前記したように芳香
族多官能エポキシ樹脂の成分〔A〕、脂肪族ポリオール
ポリグリシジルエーテル化合物の成分〔B〕、光カチオ
ン重合開始剤の成分〔C〕、親水性シリカの成分〔D〕
及び非イオン系界面活性剤の成分〔E〕を含むことを特
徴とし、無電解メッキ法によりプリント配線板の製造の
際に使用される光硬化性無電解メッキレジストインキと
して好適のものである。本発明の組成物において、成分
〔A〕の芳香族多官能エポキシ樹脂は、光硬化性に優
れ、架橋密度の大きな強靱な硬化膜を形成する。成分
〔B〕の脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合
物は、組成物の粘度を調整することができるとともに、
硬化膜に柔軟性を与える。成分〔A〕及び成分〔B〕は
ともにエステル結合等の加水分解結合を含まないので、
その硬化膜は、耐無電解メッキ液に対する耐久性に優れ
ている。成分〔C〕の光カチオン重合触媒は活性エネル
ギー線照射によってカチオンを発生し、成分〔A〕、成
分〔B〕のエポキシ基を開環重合させる光重合開始剤で
ある。成分〔D〕の親水性シリカは、光透過性と樹脂と
の密着性にすぐれ、少量の使用により組成物に粘性及び
チキソ性を付与し、硬化膜をパターン再現性に優れたも
のとする。即ち、本発明の組成物は、光透過性、保存安
定性(粘性の経時安定性)、微細パターンの再現性に優
れ、硬化時間も速く、耐化学薬品性にすぐれた硬化膜を
与える。本発明の組成物を使用することによって、無電
解メッキ法により、高密度、高精度なプリント配線板を
製造することができる。
【0019】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明を説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
以下における「部」は「重量部」を意味する。
【0020】実施例1〜3、比較例1〜5 (1)光硬化性レジストインキ組成物の調製 成分〔A〕、成分〔B〕を均一に溶解混合した後、成分
〔C〕、成分〔D〕、成分〔E〕及び各種添加剤を加え
均一に混合し、三本ロールを用いて混練して調製した。 (2)粘性の経時安定性 組成物を褐色のポリ瓶に入れて40℃の恒温槽中に30
日間保存したものの粘度を25℃でトキメック社製B8
R型回転粘度計No.7ローターを使用し、50rpmで
粘度を測定。粘度の変化は初期値の10%以内が良い。 (3)パターン再現性 無電解メッキ用紙フェノール基材(日立化成工業社製、
「ACL−141」)に回路幅、回路間隔ともに100
μmのパターンを有する300メッシュのポリエステル
スクリーンを用いて印刷、ついで、高圧水銀灯(80w
/cm×3灯)を用い、ベルトスピード3m/分の速度
で紫外線照射して硬化させた。硬化膜のパターン幅が9
0〜110μmの範囲にあるものが合格。 (印刷機条件) スキージ硬度 80° スキージ角度 70° スキージ速度 120mm/秒 ギャップ 1.5mm 印刷温度 25℃
【0021】(4)耐化学薬品性 前記(3)で調製した硬化基板に下記の内容で、粗化及
び無電解メッキを行なった後、「銅フリ」を観察した。
硬化膜上の「銅フリ」が無いものが合格。 (粗化液組成) 三酸化クロム 30g/l 濃硫酸 300ml/l フッ化ナトリウム 30g/l (浸漬条件) 粗化液温度 40℃ 浸漬時間 15分 撹拌 空気撹拌 (無電解メッキ液組成) 硫酸銅 8g/l エチレンジアミン4酢酸 30g/l 37%ホルマリン液 3ml/l ポリエチレングリコール 15ml/l 2−2′ジピリジル 20ml/
l 水酸化ナトリウム pH12.8量(25
℃) 水 全体で1リットルにする量 (浸漬条件) 無電解メッキ液温度 70℃ 浸漬時間 20時間 撹拌 空気撹拌
【0022】(5)粘度及びチキソ値 トキメック社製B8R回転粘度計No.7ローターを使
用し、25℃で5rpm及び50rpmでの回転5分後
の粘度を測定した。5rpmの粘度値を50rpmの粘
度値で割った値をチキソ値として表わす。 (6)版離れ性 前記(3)のパターン再現性試験の場合と同じ条件で印
刷したとき、スキージ通過後直ちに被印刷物(基材)と
スクリーン版裏面が離れるのを、「版離れ良好」とし、
一方、1秒以上離れないものを、「版離れ不良」とす
る。
【0023】以上の試験結果を表1に示す。なお、表1
に示した成分の具体的内容は以下の通りである。 エピコート828:油化シェルエポキシ社製、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂 エピコート1004:油化シェルエポキシ社製、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹 脂エピコート154:油化シェルエポキシ社製、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂 EOCN103:日本化薬社製、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂 エポライト100MF:共栄社油脂化学工業社製、トリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテル アデカグリシロールED−503:旭電化工業社製、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル AEROSIL R−202:日本アエロジル社製、ポ
リジメチルシロキサン処理シリカ(平均粒径14nm) AEROSIL#300:日本アエロジル社製、微粉末
未処理の親水性シリカ(平均粒径7nm) 光カチオン触媒:4,4′−ビス〔ジ(βヒドロキシエ
トキシ)フェニルスルフォニオ〕フェニルスルフィド−
ビス−ヘキサフルオロアンチモネートの50%溶液 レオドールSP−L10:非イオン系界面活性剤、花王
社製、HLB:8.6、化合物名:ソルビタンモノオレ
エート レオドールSP−010:非イオン系界面活性剤、花王
社製、HLB:4.3、化合物名:ソルビタンモノラウ
レート レオドールSP−030:非イオン系界面活性剤、花王
社製、HLB:1.8、化合物名:ソルビタントリオレ
エート ポリオイル110:消泡剤、日本ゼオン社製、 MA−100:黒色着色剤、カーボンブラック、三菱化
成工業社製
【0024】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−273226(JP,A) 特開 平5−188593(JP,A) 特開 平5−171084(JP,A) 特開 平3−160071(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20 C08G 59/00 - 59/72 G03F 7/038 H05K 3/00 - 3/46

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔A〕分子中に少なくとも2個のグリシ
    ジルエーテル基を有し、該グリシジルエーテル基が直接
    芳香環に結合したエポキシ樹脂、〔B〕脂肪族ポリオー
    ルポリグリシジルエーテル化合物、〔C〕光カチオン重
    合触媒、〔D〕親水性シリカ微粉末及び〔E〕非イオン
    系界面活性剤を含有する組成物であって、該組成物中の
    粘度(25℃)が40〜140Pa・Sの範囲内にあ
    り、かつ該組成物のチクソ値が1.2〜2の範囲内にあ
    ることを特徴とする光硬化性レジストインキ組成物。
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