JP3337456B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法Info
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Description
置やフロッピーディスク装置に用いられる磁気ディスク
の製造方法、特に磁気転写に適した磁気ディスクに関す
るものである。
大容量のものを実現するために、高記録密度化の傾向に
ある。
ィスクドライブの分野においては、既に面記録密度が1
0Gbit/sqinを越える装置が商品化されてお
り、数年後には、面記録密度が20Gbit/sqin
の装置の実用化が予測されるほどの急峻な技術の進歩が
認められる。
背景には、線記録密度の向上もさることながら、わずか
数μmのトラック幅の信号をSN良く再生できる磁気抵
抗素子型ヘッドに依るところが大である。
する浮動磁気スライダの浮上量の低減化も要求されてき
ており、浮上中も何らかの要因でディスク/スライダの
接触が発生する可能性が増大している。このような状況
下において、記録媒体にはより平滑性が要求されてきて
いる。
るためにはヘッドのトラッキングサーボ技術が重要な役
割を果たしている。このようなトラッキングサーボ技術
を用いた現在のハードディスクドライブでは、磁気記録
媒体に一定の角度間隔でトラッキング用サーボ信号やア
ドレス情報信号、再生クロック信号等が記録された領域
を設け(以下、プリフォーマット記録という。)、ドラ
イブ装置は、ヘッドから一定時間間隔で再生されるこれ
らの信号によりヘッドの位置を検出し修正して、ヘッド
が正確にトラック上を走査することを可能にしている。
ス情報信号、再生クロック信号等はヘッドが正確にトラ
ック上を走査するための基準信号となるものであるか
ら、その書き込み(以下、フォーマティングと記す)に
は高い位置決め精度が必要である。現在のハードディス
クドライブでは、光干渉を利用した高精度位置検出装置
を組み込んだ専用のサーボ装置(以下サーボライタ)を
用いて記録ヘッドを位置決めしてフォーマティングが行
われている。
ォーマティングには以下の課題が存在する。
に磁気ヘッドと磁気記録媒体との相対移動に基づく線記
録であり、多数のトラックにわたって信号を書き込む必
要があるため、サーボライタによる方法では、プリフォ
ーマット記録に多大な時間を要するとともに、生産性を
あげるためには高価な専用のサーボライタが複数台必要
であり、プリフォーマット記録が高コストとなってい
た。
入、維持管理には多額のコストがかかる。これらの課題
はトラック密度が向上し、トラック数が多くなるほど深
刻であった。
ではなく、予め全てのサーボ情報が書き込まれたマスタ
と呼ばれるディスクとフォーマティングすべき磁気ディ
スクを重ね合わせ外部から転写用のエネルギーを与える
ことによりマスタの情報を磁気ディスクに一括転写する
方式が提案されている。
号公報に示された磁気転写装置があげられる。
するパターン形状で強磁性材料からなる磁性部を形成し
てマスター情報坦体とし、このマスター情報坦体の表面
を、強磁性薄膜あるいは強磁性粉塗布層が形成されたシ
ート状もしくはディスク状磁気記録媒体の表面に接触さ
せ、所定の磁界をかけることにより、マスター情報坦体
に形成した情報信号に対応するパターン形状の磁化パタ
ーンを磁気記録媒体に記録する方法が開示されている。
の磁気転写装置を用いた情報信号の記録においては、マ
スター情報坦体に設けられた情報信号に対応する配列パ
ターンを磁化パターンとして磁気記録媒体に一括記録す
る方法であるが、磁気記録媒体表面全体に亘って均一に
安定して高密度の情報信号が記録されることが重要であ
る。
は、磁気記録媒体とマスタ情報担体との間に異常突起や
異物が存在する場合、両者が接触することによって磁気
記録媒体の表面に陥没部が発生する。
記録媒体とマスタ情報担体とを接触させ磁気転写を行っ
た後の磁気記録媒体の表面形状を示す図であり、中央の
丸印は異常突起により出来た陥没部である。また図13
は、この陥没部の断面を測定した図である。
0nm程度窪んだ陥没部のまわりには20nm程度の微
小突起が存在していることがわかる。
の磁気記録媒体表面からの浮上量としては通常20nm
程度であり、それに対して、磁気記録媒体上に図12
(13)に示すような20nm程度の突起が存在すれ
ば、データ記録再生時に、磁気ヘッドと磁気記録媒体と
が接触することになり、かかる場合、接触した瞬間に磁
気ヘッドが飛ばされ、磁気ヘッドと磁気記録媒体のクリ
アランスが大となり信号の記録再生性能が低下し、また
磁気ヘッドが磁気記録媒体と物理的に接触することによ
り、磁気ヘッドの寿命が低下したり、ともすれば磁気記
録媒体自体の破損につながる原因となっていた。
って磁気転写を行った後の磁気記録媒体全体の表面の突
起の状態を光学的に測定した結果を示したものであり、
磁気記録媒体の表面に20nmあるいはそれを越える突
起が多数存在することがわかる。
ば、磁気転写後の磁気ディスク上には多数の突起が存在
することとなり、記録再生性能および磁気ヘッド寿命の
低下という問題があり、今後の高記録密度化に伴って磁
気ヘッド、ディスク間の浮上量がさらに小さくなればま
すます深刻な問題となる。
たものであり、磁気ディスクに微小突起が発生せず、信
頼性の高い磁気転写を実現することを目的とする。
るために、本発明の磁気転写装置および磁気記録媒体の
製造方法は、ディスク状基体上に強磁性薄膜からなる磁
性層を形成させて磁気ディスクとする工程1と、前記磁
気ディスクに潤滑剤を形成する工程2と、磁性膜が少な
くとも片面に形成された磁気転写用マスタを前記磁性層
が形成された磁気ディスク表面に密着させ、外部磁界を
印加することにより前記磁気ディスク表面に前記磁気転
写用マスタの磁性膜パターンを磁気転写する工程3と、
前記磁気ディスクの、少なくとも前記磁気転写用マスタ
を密着させる側の表面にバーニッシュ処理を施す工程
4、とを含む磁気記録媒体の製造方法であって、工程
1、工程4、工程2、工程4、工程3の順番で製造する
ことを特徴とするものである。
起や異物が存在しなくなるため、信頼性の高い磁気転写
を実現することが可能となる。
録媒体の製造方法は、磁性膜が少なくとも片面に形成さ
れた磁気転写用マスタを磁気ディスクに密着させる工程
と、外部磁界を印加することによって前記磁気ディスク
に前記磁気転写用マスタの磁性膜パターンを磁気転写す
る工程と、前記磁気ディスク表面上の欠陥を光学的に検
出する欠陥検出工程を有する磁気転写方法であって、前
記磁気ディスク表面上の欠陥数或いは欠陥の大きさが所
定の値以下であることを検査した直後に、磁気転写の工
程を行うことを特徴とするものである。
ク表面に欠陥が発生することのない、信頼性の高い磁気
転写を実現することが可能となる。
は、前記磁気ディスク表面から所定の距離だけ浮上して
前記磁気ディスク上を検査用ヘッドが走査することによ
り前記磁気ディスク上の欠陥を検出する工程を含む磁気
記録媒体の製造方法であって、欠陥検出工程は磁気転写
工程の後に行うことを特徴とするものである。
ク表面に欠陥が発生することのない、信頼性の高い磁気
転写方法を実現することが可能となり、ひいては表面に
欠陥の発生しない磁気ディスクの提供を可能ならしめる
ものである。
いて、図面を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1〜図11を用いて本発明の実施の
形態における磁気転写装置および磁気記録媒体を製造す
る方法について説明する。
工程を含んだ磁気ディスクの製造工程のチャートを示
す。
る。
転写用マスタ2の構成を説明するための部分拡大図であ
る。
気パターンを転写するための磁性膜であり、磁性膜30
上には磁気ディスク1に記録されるディジタル情報信号
に対応したパターン形状で強磁性薄膜からなる磁性部に
よるマスター情報パターンが形成されている。
料、半硬質磁性材料、軟質磁性材料を問わず、多くの種
類の磁性材料を用いることができ、磁気記録媒体にディ
ジタル情報信号を転写記録出来るものであればよい。例
えば、Fe、Co、Fe−Co合金などを用いることが
出来る。
気ディスク1の種類によらずに十分な記録磁界を発生さ
せるためには、磁性材料の飽和磁束密度が大きいほどよ
い。特に2000エルステッドを越える高保磁力の磁気
ディスクや磁性層の厚みの大きいフレキシブルディスク
に対しては、飽和磁束密度が0.8テスラ以下になると
十分な記録を行うことができない場合があるので、一般
的には、0.8テスラ以上、好ましくは1.0テスラ以
上の飽和磁束密度を有する磁性材料が用いられる。
けられている接触面3に設けられた放射状の溝である。
このように構成された磁気転写用マスタ2に対して、ま
ず図1中ST1に示すように、公知の方法による洗浄、
例えばスクラブ洗浄を行う。しかし、通常の洗浄方法で
は磁気転写用マスタ2の接触面3に残存する磁性膜30
の微小な異常突起や、20〜50nm程度の超微小な異
物を除去することができないことが実験により明らかに
なってきた。上記課題を解決する方法としてST1の工
程の後にST2の工程、つまり、磁気転写用マスタとク
リーニング用NiPディスクを所定の回数だけ密着/離
間する操作を実施する。ST2の工程については、磁気
ディスクに磁気転写を行うに先立ってクリーニング用N
iPディスクと磁気転写用マスタ間で吸引、圧送を繰り
返すことにより、磁気転写用マスタの表面をバリなく滑
らかに保つことができ、また磁気転写用マスタ表面に残
存している異物をも確実に除去することが可能となる。
いて説明する。図5及び図6は本実施の形態における磁
気転写装置の断面図であり、2は磁気転写用マスタ、1
は磁気ディスクを示し、図5はこれら磁気転写用マスタ
2、磁気ディスク1が離間しているときの状態を、図6
はこれら磁気転写用マスタ2、磁気ディスク1が密着し
ているときの状態を示す。
1のかわりにクリーニング用NiPディスクを装着して
行う。
されたボスで、6は、クリーニング用NiPディスクを
支持するための支持台であり、中心部に空気を流すため
の通気孔7が設けてある。8は磁気転写用マスタ2とク
リーニング用NiPディスクの間の気体を排出、圧送す
るための通路、9は通路8から気体を排出するための気
体排出口、10は気体排出口に接続された吸引ポンプ、
11は気体の排出を制御する排気弁である。また、12
は通路8に気体を圧送するための給気ポンプ、13は気
体の給気を制御する給気弁である。
めの保持アームであり、磁気転写用マスタ2に固着され
ている。保持アーム14はさらにガイド部材16により
上部のボス部を介して垂直方向に摺動自在に位置決めさ
れている。
程について詳細に説明する。
程について説明する。
状態で給気ポンプ12を動作させることによって、気体
を通路8に流し込む。すると通気孔7には図5の矢印A
で示したように上方向に空気が圧送される。このことに
より、通気孔7に圧送された空気は、ボス5を上方向に
押し上げ、さらに矢印Bに示すように、空気は溝4に圧
送される。溝4に圧送された空気は溝4を通って磁気転
写用マスタ2の中心から外周へ向かって放射状に広が
る。そして、さらに溝4から磁気転写用マスタ2とクリ
ーニング用NiPディスクとの隙間を通って大気へと抜
ける。この空気の流れにより、磁気転写用マスタ2やク
リーニング用NiPディスクの表面に付着していた微細
な異物は気体とともに外部へと排出されることになる。
と磁気転写用マスタ2との間の隙間はできる限り小さく
設定するほうが好ましい。本実施例では約0.5mmに
設定している。このことによって、クリーニング用Ni
Pディスクと磁気転写用マスタ2との間の気体の流れは
速くなるため、両者の間に存在する微細な異物を確実に
外部へと排出することができる。
ディスクと磁気転写用マスタ2が密着した状態から磁気
転写用マスタ2が保持アーム14と一体的に0.5mm
上昇した時点で保持アーム14の上面がガイド部材16
の下面と当接することによって、クリーニング用NiP
ディスクと磁気転写用マスタ2間の距離は制御される。
を用いて説明する。
閉じる。すると、クリーニング用NiPディスクを固着
した保持アーム14が自重で下方向に移動し、ボス5が
クリーニング用NiPディスクの内周孔と勘合した状態
でクリーニング用NiPディスクに載置される。その
後、排気弁11を開き、排気ポンプ10を作動させる。
孔7の気体が下方向に排出されるため、溝4内部、即ち
空間Aの気体もクリーニング用NiPディスクの内周孔
とボス5との隙間を通って排出されることになる。
転写用マスタ2の最外周まで抜けている形状ではない
為、最外周のドーナツ状部分では磁気転写用マスタ2と
クリーニング用NiPディスクとは全周にわたり密着し
た状態となっており、空間Aは密閉された状態となって
おり、その圧力は大気圧よりも低くなる。従って、クリ
ーニング用NiPディスクは大気圧15により磁気転写
用マスタ2に押しつけられることとなる。
上に存在する異物はクリーニング用NiPディスクと磁
気転写用マスタ2との間に挟まれることになる。ここ
で、クリーニング用NiPディスクと磁気転写用マスタ
2との硬度を比較すれば、クリーニング用NiPディス
クの方が硬度が低い材質を用いており、両者間に挟まれ
た異物は磁気転写用マスタ2の表面を傷つけることな
く、クリーニング用NiPディスク側にめり込む、ある
いは欠陥を生じさせることとなる。また、磁気転写用マ
スタ2上に存在する微少な異常突起については、クリー
ニング用NiPディスクと密着することにより平坦化さ
れることとなる。
写用マスタ2の表面をバリなく滑らかに保ち、また磁気
転写用マスタ2表面に残存している異物をも確実に除去
することが可能となる。
明する。
うに、公知の方法で表面に磁性層を形成する。磁性層の
形成については、例えばアルミニウム製の基板上に蒸着
やスパッタ手段のような乾式めっき手段により磁性層を
設ける工程がある。また、通常は磁性層上に蒸着やスパ
ッタ手段のような乾式めっき手段あるいはディッピング
やスピンコート法により保護膜を設ける工程を行うこと
によって磁性層を保護する方法が採られている。
シュを実施する。この内容について図3を用いて説明す
る。図3は本発明の実施の形態におけるテープバーニッ
シュの工程を示す図である。図3において、磁気ディス
ク1を回転させるためのスピンドル55と、磁気ディス
ク1上の突起を除去するためのラッピングテープ56
と、ラッピングテープ56を磁気ディスク1に押し付け
るために空気57を吹き出すノズル58とからなる。
させながらノズル58から空気57を吹き出して、図中
矢印P方向に移送されるラッピングテープ56を磁気デ
ィスク1に押し付け、磁気ディスク1の表面の突起を除
去する。ここで、このバーニッシュ工程に使用されるラ
ッピングテープ56は、砥粒面平均粗さが1.0μmの
ものを用いた。また、ラッピングテープ56が磁気ディ
スク1に押圧する加工圧力を400kPaとした。この
工程により、保護膜形成後の磁気ディスク1の表面に存
在する異常突起を除去することができる。
手段である潤滑剤を形成する工程を実施する。潤滑剤溶
液中に磁気ディスク1を浸けた後に所定の速度で引き上
げることによって潤滑剤を塗布する工程である。
バーニッシュ工程を再度実施する。この工程の構成はS
T4の工程と同じであるが、加工圧力の条件が異なる。
すなわち、図3において、ここではラッピングテープ5
6が磁気ディスク1に押圧する加工圧力を40kPaと
する。
プバーニッシュ工程を行い、さらに、後のテープバーニ
ッシュ工程におけるラッピングテープの磁気ディスクへ
の押圧力を小さくすることにより、潤滑膜形成後の磁気
ディスク1の表面に存在する異物を確実に除去すること
ができる。
とにより、磁気転写前の磁気ディスク1の表面上に異物
や異常突起物が存在することのない、磁気転写に適した
磁気ディスクを作成できることが、実験の結果明らかに
なった。その詳細については図11を用いて後で説明す
る。
について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の実
施の形態におけるST7およびST8の工程を示す図で
ある。図4において、60はクリーンブースであり、
0.01μm以上の異物に対する集塵効率が99.99
99995%のフイルタ61を上部に配置し、クリーン
ブース内に0.01μm以上の異物が混入しない構成と
なっている。このクリーンブース60内に、光学的な検
査方法によって磁気ディスク1の表面に異物が存在しな
いかどうかの検査を実施するためのST7の工程、およ
び磁気転写を実施するためのST8の工程が配置されて
いる。
I方向に、ST6(テープバーニッシュ)の工程後の磁
気ディスク1を収納した搬入カセット62が、クリーン
ブース60内に載置される。
て、カセット62内に収納されていた磁気ディスク1が
取り出され、スピンドル64に載置される。65はレー
ザー光源、66は検出器、67はレーザー光が外部に漏
れないようにするためのカバーであり、レーザー光源6
5をスピンドル64によって回転させられている磁気デ
ィスク1上に照射させ、その時に発生する散乱光を検出
器66によって検出することによって、少なくとも磁気
転写を行う前の磁気ディスク1上に存在する異物を検査
する。
れた場合、磁気ディスク1はクリーン用ロボット70に
よってNGカセット(図示せず)に収納される。
上の表面に異物が確認されなかった場合は、ST8の磁
気転写の工程を行う。そのために、クリーン用ロボット
70によって磁気ディスク1は支持台6に載置される。
ク1の表面の検査の方法としては、本実施の形態に示し
たように、散乱光方式を使用するのが好ましい。
ク表面上の異物を検出するのに適した方法であり、磁気
転写の工程の直前にこの工程を行うことによって、異物
の存在しない磁気ディスク1のみを効率的に磁気転写出
来る。
する。この内容については、図5および図6を用いて詳
細に説明する。
の工程を行う装置の断面図であり、磁気転写における磁
気転写用マスタ2と磁気ディスク1が離間した状態を示
している。図6は本発明の実施の形態におけるST8の
工程を行う装置の断面図であり、磁気転写用マスタ2と
磁気ディスク1が密着した状態を示している。
2は磁気ディスク1の表面と密着させるための磁気転写
用マスタである。
スク1との接触面であり、接触面3には磁気転写用マス
タ2の中心から放射状に広がった溝4が設けられてあ
る。
ィスク1との接触面3を示した図であり、図7に示すよ
うに、溝4は磁気転写用マスタ2の中心から放射状に広
がっている。
に設定している。5は、磁気転写用マスタ2の中心部に
固着されたボスであり、磁気ディスク1の内周孔に勘合
させることで磁気ディスク1と磁気転写用マスタ2との
位置決めを行っている。
の間には所定の隙間51(図8参照)が設けられてお
り、空気の流れが可能なように構成されている。6は、
磁気ディスク1を支持するための支持台であり、中心部
に空気を流すための通気孔7が設けられてある。
の間の空気を排出、圧送するための空気通路、9は空気
通路8から空気を排出するための空気排出口、10は空
気排出口に接続された吸引ポンプ、11は空気の排出を
制御する排気弁である。
ための給気ポンプ、13は空気の給気を制御する給気弁
である。給気ポンプ12には、0.01μmのエアーフ
ィルタが設けられており、0.01μm以上の異物が空
気通路8に圧送されないように構成されている。14
は、磁気転写用マスタ2を保持するための保持アームで
あり、保持アーム14に設けられた貫通孔から空気を吸
引することによって(図示せず)磁気転写用マスタ2を
吸着している。16は保持アーム14を上下自在に摺動
させるための保持台である。
明する。排気弁11を閉じて給気弁13を開放した状態
で吸引ポンプ12を動作させることによって、空気を空
気通路8に流し込む。すると通気孔7には図5の矢印A
で示したように上方向に空気が圧送される。このことに
より、通気孔7に圧送された空気は、ボス5を上方向に
押し上げ、さらに矢印Bに示すように、空気は溝4に圧
送される。溝4に圧送された空気は溝4を通って磁気転
写用マスタ2の中心から外周へ向かって放射状に広が
る。そして、さらに溝4から磁気転写用マスタ2と磁気
ディスク1との隙間を通って大気へと抜ける。
と磁気ディスク1とで挟まれた空間(以下、空間Sと称
す)の気圧との関係を示すのが図9であり、同図で時間
経過が約3秒のあたりから空間Sの気圧が101.3k
Paから瞬間的に上昇し、その後約1秒間は130kP
aほどの気圧を保持している期間が、上記に示した磁気
転写用マスタ2と磁気ディスク1が離間している状態に
相当する。
する。給気ポンプ12を停止させ、給気弁13を閉じ
る。すると、磁気転写用マスタ2は重力によって下方向
に移動し、ボス5が磁気ディスク1の内周孔と勘合した
状態で磁気ディスク1に載置される。その後、排気弁1
1を開き、排気ポンプ10を作動させる。すると、図6
の矢印Cに示したように通気孔7の空気が下方向に排出
されるため、溝4内部の空気も磁気ディスク1の内周孔
とボス5との隙間51を通って排出されることになり、
磁気ディスク1によって閉じられた溝4の空間の圧力は
大気圧よりも低くなる。従って、磁気ディスク1はほぼ
大気圧15により磁気転写用マスタ2に押しつけられ
る。図9で空間Sの気圧が30kPaほどの区間が上記
密着状態に相当する。
動させ、磁気転写用マスタ2に接近させ、その距離が1
mmになった時に矢印D方向への移動を停止し、次に磁
気ディスク1の円周方向、すなわち矢印Eの向きにマグ
ネット20を1回転以上させることにより、転写に必要
な磁界を印可する。以上の方法によって、磁気ディスク
1の表面に磁気転写用マスタ2の表面上に形成されてい
た磁性膜30のパターンが形成される。
は、図4に示すようにクリーン用ロボット71によって
磁気ディスク1が搬出カセット63に収納され、その後
搬出カセット63がクリーンブース60より搬出され
る。
査)の工程とST8(磁気転写)の工程とをクリーンブ
ース60内に一体的に形成させ、ST7による磁気ディ
スク1の表面を検査した直後にST8の工程による磁気
転写を行うことによって、ST7とST8の工程間で磁
気ディスクの表面上に異物が付着することはないため、
磁気転写の工程によって磁気ディスクの表面上に陥没傷
が発生することはない。
の搬送およびST7の工程、ST8の工程で、磁気ディ
スク1の表面を上に向けた構成としているが、例えば磁
気ディスク表面をクリーンブース60内のフイルタ61
に空気の流れに対して直角な方向である縦方向に設置す
るような構成としてもよい。この場合は、空気の流れが
磁気ディスク1の表面と平行になるため、より磁気ディ
スク表面上への異物の付着が発生しにくくなる。
と支持台6とを別々に配置したが、同一の場所でST7
とST8の工程を実施するような構成としても構わな
い。
程について図10を用いて説明するグライドハイトテス
トとは、実際の磁気ディスクと磁気ヘッドの走査時のク
リアランスよりも若干小さいクリアランスをもって、磁
気ディスク上に検出用ヘッドを走査させ、その時、検出
用ヘッドによって衝撃を検出することにより、磁気ディ
スク上の欠陥を検出するテストのことである。
イドハイトテストを行うための装置を説明する斜視図で
ある。図10の装置は、ST8の工程(磁気転写の工
程)を経た後の磁気ディスク1を保持して回転させるス
ピンドル21と、磁気ディスク1をスピンドル21に固
定するクランプ機構22と、グライドハイトテスト用ヘ
ッドスライダ40を備えるヘッド支持機構23と、ヘッ
ド支持機構23をその根元で片持ち支持し、アコーステ
ィックエミッションセンサー25が固着されたガイドア
ーム24と、ヘッド40をヘッド支持機構23及びガイ
ドアーム24を介して磁気ディスク1の記録面上で動か
して位置決めするヘッド位置決め部26と、ヘッド位置
決め部26の動作を制御する位置決め制御部27と、ス
ピンドル21の動作を制御するスピンドル制御部28
と、位置決め制御部27とスピンドル制御部28を制御
するコントローラ29とから構成されている。
ドル制御部28を介して磁気ディスク1を定速回転させ
る。次に、ヘッド位置決め部26を図10中矢印F方向
に移動させるように位置決め制御部27で制御し、磁気
ディスク1とヘッド40との間が所定の距離、すなわち
15nmになった位置で停止させる。この位置の設定方
法を以下に示す。
る時の、磁気ディスク1とヘッド40との間の距離を測
定しておく。そして、磁気ディスク1とヘッド40との
間の距離が15nmとするために移動させるべき距離を
算出し、コントローラ29に記憶させる。コントローラ
29は位置決め制御部27を介してヘッド位置決め部2
6を移動させ、磁気ディスク1とヘッド40との間の距
離を15nmに設定する。ここで磁気ディスク1とヘッ
ド40との間の距離、すなわち15nmは、実際の装置
での記録再生を行う時の浮上量、もしくはそれよりも小
さい値に設定している。
で図10中矢印G方向、すなわち磁気ディスク半径方向
にヘッド40を移動させるように位置決め制御部27に
よって制御し、ST8の工程で磁気転写を行う際に磁気
転写用マスタ2と接触した面に対してグライドハイトテ
ストを行う。
に存在する異常突起、特に、記録再生途中における磁気
ディスクと磁気ヘッドとのクリアランス以上の突起、を
衝突によって発生する過大振動エネルギーを通じてアコ
ースティックエミッションセンサー25によって検出
し、異常突起の存在を検出するものである。
個以上の異常突起が存在すれば不良ディスクと判断し、
図1中ST2で示すように、磁気転写用マスタ2のクリ
ーニングを開始させる。
は、OKディスクと判断し、次の工程であるST10を
実施する。ST10の工程は、磁気ディスク1の表面、
特にST8の工程(磁気転写の工程)によって磁気転写
用マスタ2と接触した面の上の欠陥を検査する工程であ
り、図1中ST7の工程と同様の方法にて磁気ディスク
1の表面に対して光学的に欠陥検査を行う。
図1に示すように、磁気転写用マスタ2のクリーニング
を開始させる。欠陥が見つからなかった場合は、磁気デ
ィスク1をハードディスク装置に組み込む。
転写の際に磁気ディスクへの欠陥がなく、かつ信号の劣
化も発生しない高信頼性の磁気転写を実現することが可
能となる。
11は、各種磁気ディスク製造工程において、磁気転写
を行った磁気ディスクに対して市販の光学的な検査方法
を用いて欠陥数を測定した結果、および信号欠陥検査を
実施した結果を示している。
で工程を表示している。
ない通常の磁気ディスクの欠陥数を1とした時の欠陥数
の相対的な平均値を示している。
て記録された信号に対する再生評価を行い、磁気転写を
実施していない通常の磁気ディスクのリードライト時の
信号出力を検査し、ドロップアウトが発生した欠陥数を
基準に、○、△、×で相対的な評価を行った。
よび図6で示した方法で行った。また、サンプル6、
7、8に関しては、磁気転写を行う前に散乱光方式によ
る光学的な検査を行い、検査で欠陥が見つからなかった
磁気ディスクに対してのみ磁気転写を行っている。光学
的な検査装置と磁気転写装置は、本実施の形態の図4で
示したように、一体的に構成し、光学的な検査の直後に
磁気転写を行う構成とした。
に異物が検出された確率は、サンプル6が5%、サンプ
ル7が0%、サンプル8が0%である。また、磁気転写
用マスタ2はST1(磁気転写用マスタの洗浄工程)お
よびST2(磁気転写用マスタとクリーニング用ディス
クの密着/離間)の工程を実施することによって接触面
3上には微小異物や異常突起物は存在していない状態で
実験を行った。
プル8の結果より明らかなように、磁気転写の直前に光
学的な検査を実施することによって、磁気転写による磁
気ディスク表面上の欠陥数、信号欠陥は、共に、磁気転
写を実施しない通常の磁気ディスクのレベルと同等であ
ることがわかった。逆に、他の工程の結果より明らかな
ように、磁気転写を実施する前に光学的な検査を行わな
い場合、磁気ディスク表面上の欠陥、信号欠陥共に通常
の磁気ディスクよりも悪化することがわかった。
ク表面上に異物が存在した場合、磁気転写によって磁気
ディスク表面上に陥没傷が発生することになり、サンプ
ル1やサンプル4やサンプル5に示すように、いったん
磁気ディスクに陥没傷が発生すると、その後はテープバ
ーニッシュの工程によって磁気ディスク表面上の欠陥を
ある程度回復させることはできるものの、信号欠陥に関
しては回復させることは困難であることがわかる。
ープバーニッシュによって削りとることは可能である
が、陥没部分を平坦にするまでの効果はないため、信号
を再生する時にスペーシングが発生して信号出力の低下
を伴うため、信号の欠陥として現れることによるもので
ある。
トテストや、ヘッドバーニッシュ等、ヘッドによって磁
気ディスク表面を走査させると磁気ディスク表面に異物
が付着しやすくなる。
さようとすると、ヘッドを所定の位置、例えば磁気ディ
スクとヘッド間のスペーシングが15nmの位置に移動
させた時、ヘッドの浮上量が安定するまでの間、どうし
ても磁気ディスクとヘッドとが物理的に接触する現象が
発生する。磁気ディスクとヘッドとの衝突が発生する
と、摩耗によって、磁気ディスク表面に傷が発生した
り、摩耗粉が付着する。この問題は、今後の高記録密度
化実現に向けた低浮上量化が進むにつれてますます深刻
な問題となってくる。
をヘッドが走査する工程はないほうが好ましい。
プル3、サンプル6は磁気転写を実施する前に磁気ディ
スク表面にヘッドを走査させた場合であり、サンプル
4、サンプル5、サンプル7、サンプル8は磁気転写を
行う前に磁気ディスク表面にヘッドを走査させなかった
場合である。
サンプル1では磁気転写前にヘッドで磁気ディスク表面
を走査し、その時に発生した欠陥を磁気転写後のテープ
バーニッシュ工程である程度抑制できたものの、信号欠
陥まで回復させることができず、また、サンプル6では
磁気転写前にヘッドで磁気ディスク表面を走査したにも
拘わらず良い結果が出ているが、これは、磁気転写に先
だつ光学的検査の工程で欠陥が検出されたためであり、
欠陥発生率もサンプル7及び8が0%なのに対し、サン
プル6は5%となっている。
磁気ディスクの製造方法としては、本実施の形態に示し
た方法である、サンプル7或いはサンプル8が良いこと
がわかる。サンプル7では、磁気転写後にテープバーニ
ッシュを実施しているが、これを省略した工程であるサ
ンプル8と同等レベルであるため、本実施の形態では磁
気転写後のテープバーニッシュ工程は省略している。
ッタ、テープバーニッシュ、潤滑剤塗布、テープバーニ
ッシュの工程の後に磁気転写を行うため、信頼性の高い
磁気転写を実現することが可能となる。
に光学的な検査方法によって磁気ディスク表面を測定
し、磁気ディスク表面に欠陥がないことを確認した直後
に磁気転写を行う構成としたため、磁気転写によって磁
気ディスクに陥没傷を与えることのない、信頼性の高い
磁気転写を実現することが可能となる。
前にヘッドバーニッシュやグライドハイトテストのよう
なヘッド走査を行っていないので、磁気転写によって磁
気ディスク表面に陥没傷を与えることのない、信頼性の
高い磁気転写を実現することが可能となる。
検査)の工程とST8(磁気転写)の工程を一体的にす
る方法として、同一のクリーンブース内に配置した構成
としたが、これに限定されるものではなく、2つのクリ
ーンブースを重ね合わせることによって一体的な構成と
しても、超低発塵タイプのクリーンルーム内で装置自体
を一体的に構成させても同等の効果を発揮する。
に磁気ディスクの表面を横置きの構成としたが、より異
物が付着しにくくするために縦置きの構成としてもよ
い。この場合、ST8の工程(磁気転写の工程)の際
に、図6に示した磁気転写用マスタ2を磁気ディスク側
に付勢する手段として、本実施の形態では重力を利用し
たが、縦置きの場合は、保持アーム14と保持台16と
の間に付勢用バネを設けて、磁気転写用マスタ2を磁気
ディスク1側に付勢させるような構成とすれば、同等の
効果が得られる。
タ、テープバーニッシュ、潤滑剤塗布、テープバーニッ
シュの工程の後に磁気転写を行うため、信頼性の高い磁
気転写を実現することが可能となる。
に光学に磁気ディスク表面を測定し、磁気ディスク表面
に欠陥がないことを確認した直後に磁気転写を行う構成
としたため、信頼性の高い磁気転写を実現することが可
能となる。
前にヘッドバーニッシュやグライドハイトテストのよう
なヘッド走査を行っていないので、信頼性の高い磁気転
写を実現することが可能となる。
工程のチャートを示す図
分拡大図
を示した図
説明する斜視図
との関係を示す図
果を示す図
測定方法で測定した結果を示す図
Claims (2)
- 【請求項1】 ディスク状基体上に強磁性薄膜からなる
磁性層を形成させて磁気ディスクとする工程1と、 前記磁気ディスクに潤滑剤を形成する工程2と、 磁性膜が少なくとも片面に形成された磁気転写用マスタ
を前記磁性層が形成された磁気ディスク表面に密着さ
せ、外部磁界を印加することにより前記磁気ディスク表
面に前記磁気転写用マスタの磁性膜パターンを磁気転写
する工程3と、 前記磁気ディスクの、少なくとも前記磁気転写用マスタ
を密着させる側の表面にバーニッシュ処理を施す工程
4、とを含む磁気記録媒体の製造方法であって、 工程1、工程4、工程2、工程4、工程3の順番で製造
することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項2】 工程1の後のバーニッシュ処理を施す工
程4による前記磁気ディスクへの押し付け力は、工程2
の後のバーニッシュ処理を施す工程4による押し付け力
よりも強いことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒
体の製造方法。
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