JP4086454B2 - 磁気転写装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録媒体の磁性層に記録データを磁気転写する磁気転写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録媒体に対しデータの読み出しまたは書き込み制御を行う外部記憶装置としてのハードディスクドライブ装置が、広く実用に供されている。ハードディスクドライブ装置における磁気記録媒体においては、一般に、記録/再生ヘッドの磁気記録媒体における各トラックに対する相対位置を検出するために各トラックに対応して所謂、サーボ情報等が書き込まれている。クリーンルームまたはクリーンベンチ内に磁気記録媒体が組み付けられたハードディスクドライブ装置が配されるもとで、そのサーボ情報等は、サーボライタと称されるデータ書込み装置が用いられてその磁気記録媒体に書き込まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようにクリーンルーム内においてデータ書込み装置が用いられてそのサーボ情報等が、その磁気記録媒体の磁性層に書き込まれる場合、磁気記録媒体がクリーンルーム内に搬入されるとき、磁気記録媒体に付着した異物がクリーンルーム内に侵入することを防止するための対策として、磁気記録媒体に対し清浄な空気を吹き付け異物を除去するとともに、クリーンルーム内の清浄度を適正に維持することが行われている。
【0004】
しかし、何らかの原因によりデータ書込み装置における磁気記録媒体に近接する部分に一旦付着した異物を除去しクリーンルーム内から排除することは、容易でない。このような異物が付着した状態を放置することは、記録されるべき磁気記録媒体の汚損にも繋がり妥当でない。
【0005】
以上の問題点を考慮し、本発明は、磁気記録媒体の磁性層に記録データを磁気転写する磁気転写装置であって、データ書込み装置に付着した異物を確実に除去することができ、しかも、複雑な異物除去装置を付加することなく異物を除去することができる磁気転写装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る磁気転写装置は、ディスク供給位置で保持されたディスクを間欠回転運動により円周上の複数の停止位置に順次、停止させる回転テーブルと、ディスク供給位置で、磁気記録媒体またはクリーニング部材を選択的に供給するディスク供給手段と、磁気記録媒体に磁気転写される記録データが形成される転写ディスクを該磁気記録媒体の磁性層に対し密着または離隔させて該記録データを磁気転写し、また、転写ディスクを、転写ディスクに付着した異物を除去するクリーニング部材に対し密着または離隔させる磁気転写部と、ディスク供給手段によりクリーニング部材が供給された場合、回転テーブルを複数の停止位置のうちの磁気転写部に対向する一箇所にのみ停止させる制御部と、を備えて構成される。
【0007】
また、クリーニング部材は、転写ディスクの表面の硬度に比して小なる硬度を有する被覆層を有する円板状部材であってもよい。その被覆層は、研磨されたニッケル燐めっき層でもよい。
【0008】
保持機構部は、所定の清浄度を有することが確認されたクリーニング部材を選択的に保持するものであってもよい。
【0009】
さらに、制御部は、磁気転写部に、クリーニング部材に対し転写ディスクを密着または離隔させる動作を複数回繰り返し行わせるものであってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明に係る磁気転写装置の一例の全体構成を示す。
【0011】
図2においては、磁気転写装置は、所定の清浄度が維持されるクリーンルーム2内に配置されている。
【0012】
磁気転写装置は、例えば、磁気記録媒体としての未記録の磁気ディスク4または磁気転写済の磁気ディスク6を1枚づつ個別に収容するセルを複数有するカセットケース12と、クリーニング部材としてのクリーニング用ディスク8または使用済みのクリーニング用ディスク10を1枚づつ個別に収容するセルを複数有するカセットケース14とが配置されるディスク供給/排出部16と、ディスク供給/排出部16からの各ディスクをそれぞれ順次、保持し後述する転写作業ステージ部20に転送し、または、転写作業ステージ部20からの各ディスクをディスク供給/排出部16に転送するリフトハンドリング部18と、リフトハンドリング部18からの各ディスクに対し一連の工程を経て後述する磁気転写を行うとともに、転写ディスクに対しクリーニング作業を行う磁気転写ステージ20とを主な要素として含んでいる。
【0013】
ディスク供給/排出部16におけるカセットケース12および14は、図1に示されるように、並設されており、それぞれ、複数のセル12aおよび14aを有している。カセットケース12におけるリフトハンドリング部18側の一方のカセットケース12のセル12aには、それぞれ、1枚の未記録の磁気ディスク4が収容されている。また、他方のカセットケース12のセル12aには、それぞれ、1枚の磁気転写済の磁気ディスク6が収容されている。磁気ディスク4および磁気ディスク6は、それぞれ、その透孔の中心軸線が共通直線上に配されるように収容されている。
【0014】
カセットケース14におけるリフトハンドリング部18側の一方のカセットケース14のセル14aには、それぞれ、1枚の未使用のクリーニング用ディスク8が収容されている。また、他方のカセットケース14のセル14aには、それぞれ、1枚の使用済のクリーニング用ディスク10が収容されている。
【0015】
クリーニング用ディスク8は、例えば、図4に示されるように、その中央に透孔8aを有する環状の板状部材とされる。クリーニング用ディスク8は、例えば、アルミニウム合金材料で作られる基材がメッキ処理された後、所定の表面粗さの表面部が形成されるように研磨加工が施されている。そのメッキ処理は、例えば、所定の膜厚のNiPメッキとされる。クリーニング用ディスク8における後述する転写ディスクに密着する表面部分の硬度は、その転写ディスクの表面部の硬度に比して小とされる。なお、その基材は、プラスチック材料または他の合金材料であってもよい。
【0016】
磁気ディスク6は、クリーニング用ディスク8の直径と同一の直径を有する環状の板状部材とされる。磁気ディスク6は、例えば、アルミニウム合金材料で作られる基材の表層部に保護層および記録データが磁気転写される磁性層が形成されるものである。
【0017】
ディスク供給/排出部16には、カセットケース12および14に隣接してキャリアロボット22が設けられている。キャリアロボット22は、例えば、多関節型のロボットとされ、1枚の磁気ディスク4および磁気転写済の磁気ディスク6、または、1枚のクリーニング用ディスク8および使用済のクリーニング用ディスク10を、それぞれ、そのハンド部で保持し各カセットケースとリフトハンドリング部18との相互間において後述する検査ステージ24を経由して双方向に移送するものとされる。
【0018】
キャリアロボット22は、予め所定の動作プログラムに対応するティーチングがなされた後、後述する制御ユニットにより動作制御されることにより、そのハンド部で所定の動作経路に従い各ディスクを移送するものとされる。
【0019】
検査ステージ24には、既知の構造を有する異物検出装置としての外観検査装置が配されている。光学式の外観検査装置は、例えば、レーザ式外観検査装置とされ、1枚の磁気ディスク4またはクリーニング用ディスク8の表面部に所定量以上付着した粉塵等の異物を検出し、判定出力信号を後述する制御ユニットに送出するものとされる。レーザ式外観検査装置は、例えば、レーザビームを披検査面部に照射する検査光学系と、その披検査面部からの反射ビームの光量と基準となるビームの光量との比較により所定以上の異物の有無を判断し、判定出力信号を後述する制御ユニットに送出する観察光学系とを含むものとされる。
【0020】
リフトハンドリング部18は、例えば、キャリアロボット22のハンド部により保持された1枚のディスクが載置される保持部を有するリフト機構LFと、そのリフト機構の保持部によって所定の受け渡し位置まで上昇せしめられたディスクの透孔に係合することによりそのディスクを把持する一対のチャッキング部を有するハンドリング部HDとを含んで構成されている。
【0021】
リフト機構LFの保持部は、各ディスクの外周縁部における所定の数箇所に係合されるV字状の溝を有している。その保持部に載置されたディスクは、その透孔の中心軸線の延在方向がカセットケース12および14内のディスクの配列方向に沿った方向となるように保持される。リフト機構LFの保持部は、図示が省略される駆動機構により、所定のタイミングで所定の受け渡し位置と待機位置との間を昇降動せしめられる。
【0022】
ハンドリング部HDの一対のチャッキング部は、そのリフト機構LFに対し進退するテーブル上に配されている。一対のチャッキング部は、リフト機構LFまたは後述するインデックス機構に対向する所定位置で順方向または逆方向に180°回動可能に支持されている。ハンドリング部HDのテーブルは、各ディスクの受け渡しに応じた所定のタイミングでリフト機構LF近傍とインデックス機構近傍との間を往復動せしめられる。
【0023】
従って、ハンドリング部HDの一対のチャッキング部は、リフト機構LF近傍位置において、インデックス機構からの各ディスクを、一方のチャッキング部でリフト機構LFに対し受け渡すとともに、リフト機構LFからのディスクを他方のチャッキング部で受け取る動作を行う。また、ハンドリング部HDの一対のチャッキング部は、インデックス機構近傍において、インデックス機構からの各ディスクを一方のチャッキング部で受け取るとともに、リフト機構LFからの各ディスクを他方のチャッキング部でインデックス機構に受け渡す動作を行う。
【0024】
磁気転写ステージ20は、回動可能に支持される回転テーブル26の同一円周上に円周方向に沿って均等に90°間隔で4箇所に配され1枚のディスクを選択的に吸着保持、または保持したものを離すハンド部28A、28B、28C、および、28Dを含んで構成されている。
【0025】
回転テーブル26は、図示が省略される駆動部により図1の矢印の示す方向に90°ごとに間欠的に回動せしめられる。
【0026】
ハンド部28Bに対向する外側となる周囲には、保持されたディスクの回転中心位置のハンド部28B(把持部)中心位置に対する相対位置を検出し、検出出力信号を送出する位置センサ30が配されている。なお、位置センサ30は、例えば、ハンド部28Bにおける紙面に垂直方向の座標軸と、保持されるディスクの平面内におけるそれに直交する座標軸とによる直交座標系において二次元相対的位置を検出するものとされる。
【0027】
ハンド部28Cに対向する外側となる周囲には、ハンド部28Cに吸着保持される各ディスクの残留磁化を消磁させる磁石を有する消磁ユニット32が配設されている。
【0028】
ハンド部28Dの対向する外側となる周囲には、ハンド部28Dに保持される磁気ディスク4に対し磁気転写を行う転写ディスク34を備える磁気転写ユニット42が設けられている。
【0029】
磁気転写ユニット42は、図1に示されるように、転写ディスク34を保持するスライドテーブル部38と、スライドテーブル部38全体を矢印Zの示す方向に進退させるべく案内するガイドベース36とを含んで構成されている。
【0030】
スライドテーブル部38は、図1における矢印Xの示す方向(紙面に対し略垂直方向)または矢印Yの示す方向に移動可能に支持され、図示が省略される駆動用モータの出力側に連結されている。
【0031】
その駆動用モータが作動状態とされる場合、スライドテーブル部38は、転写ディスク34を図1における矢印Xの示す方向または矢印Yの示す方向に移動させる。
【0032】
ガイドベース36には、スライドテーブル部38全体を矢印Zの示す方向に進退させる駆動用モータ40が設けられている。駆動用モータ40の出力側は、例えば、ボールねじを介してスライドテーブル部38に連結されている。
【0033】
転写ディスク34における磁気転写されるべき磁気ディスク4に対向する端面には、例えば、図3に示されるように、シリコンで作られた表層部34aに磁気ディスク4の記録データ領域に対応し放射状に設けられた複数の溝に埋設される転写層34bi(i=1〜n,nは整数)が形成されている。転写層34biは、例えば、コバルトで形成されている。なお、各溝および転写層34biは、例えば、エッチング処理が利用されて形成されている。転写層34biは、その半径方向に沿った所定の中心側寄りのトラック位置34TIから外側寄りのトラック位置34TOまでの範囲で形成されている。転写層34biには、転写されるべきサーボ情報等を含む記録データが形成されている。
【0034】
図1において、スライドテーブル部38における矢印XおよびYの示す方向の移動量は、後述する制御ユニットにより、上述の位置センサ30からの検出出力信号に基づいて転写ディスク34の中心位置と磁気ディスク4の中心位置とが一致するように制御される。
【0035】
また、スライドテーブル部38における矢印Zの示す方向の移動量は、予め設定された値に応じて制御ユニットにより、図1に二点鎖線で示されるように、転写ディスク34の転写層34biと磁気ディスク4の磁性層と、あるいは、クリーニング用ディスク8の表面とが密着するように制御される。また、スライドテーブル部38は、転写ディスク34の転写層34biが密着した状態から磁気ディスク4の磁性層、あるいは、クリーニング用ディスク8に対し離隔し初期位置に戻るように制御される。
【0036】
なお、その転写ディスク34により、記録データが磁気ディスク4の磁性層に磁気転写される原理、転写方法および動作内容の詳細については、特開平10−40544号公報に記載された内容と同様とされる。
【0037】
さらに、本発明に係る磁気転写装置の一例においては、キャリアロボット22、スライドテーブル部38、および、回転テーブル部26の動作制御を行う制御ユニット50が備えられている。
【0038】
制御ユニット50には、生産管理を行うホストコンピュータ52からの磁気転写されるべき磁気ディスクの種類、枚数、および、クリーニング用ディスクの使用枚数をあらわすデータ、位置センサ30からの検出出力信号に基づく位置ずれをあらわす偏差データ、磁気転写を行う磁気転写モード、または、転写ディスク34をクリーニングするクリーニングモードをあらわすモードデータ、作業開始または終了をあらわすデータ等を含む制御データ群DQが供給される。また、制御ユニット50には、検査ステージ24からの磁気ディスク4またはクリーニング用ディスク8が良品であることをあらわす判定信号Sjが供給される。
【0039】
制御ユニット50は、上述のホストコンピュータ52からの偏差データ、各ディスクに対応する判定信号Sjがあらわすデータおよび、動作プログラムデータ等を記憶するメモリ部50mを備えている。
【0040】
制御ユニット50は、制御データ群DQに基づいて磁気転写モードであると判断する場合、キャリアロボット22にカセットケース12内の磁気ディスク4を取り出し、それを検査ステージ24に移送させるべく、制御信号Cnを形成しそれをキャリアロボット制御部54に供給する。キャリアロボット制御部54は、制御信号Cnに基づいて所定の動作プログラムに従いキャリアロボット22に作業を行わせるように制御信号を供給する。これにより、キャリアロボット22は、1枚の磁気ディスク4を取り出しそれを検査ステージ24に移送する。
【0041】
検査ステージ24は、その磁気ディスク4について所定の検査を行う。その磁気ディスク4が良品である場合,検査ステージ24は、判定信号Sjを送出する。一方、磁気ディスク4が不良品の場合、検査ステージ24は、ホストコンピュータ50に次の磁気ディスク4の移送を要求する。
【0042】
制御ユニット50は、判定信号Sjに基づくデータに応じてキャリアロボット22にその良品である磁気ディスク4を検査ステージ24からリフトハンドリング部18に移送させるべく、制御信号Cnを形成しそれをキャリアロボット制御部54に供給する。
【0043】
これにより、磁気ディスク4は、リフトハンドリング部18により、ハンド部28Aに対向する位置まで移送された後、ハンド部28Aにより吸着保持される。
【0044】
次に、制御ユニット50は、所定のタイミングで回転テーブル部26を90°ごと間欠的に矢印の示す方向に回動させるべく、制御信号Cinを形成しそれをインデックス機構制御部56に供給する。インデックス機構制御部56は、所定の動作プログラムに従い所定のタイミングで回転テーブル26を断続的に回転させ、位置センサ30、消磁ユニット32、および、スライドテーブル部38に対向する位置を経た後、初期位置に戻すべく、制御信号を形成しそれを回転テーブル駆動部60に供給する。なお、磁気ディスク4を保持したハンド部28Aが位置センサ30に対向した位置に到達したとき、順次、続いて供給される4枚目までの磁気ディスク4がそれぞれ、ハンド部28D、28C,28Bにより保持されることとなる。
【0045】
その際、制御ユニット50は、ハンド28Aに保持された磁気ディスク4がスライドテーブル部38に対向する位置に到達し停止しているとき、スライドテーブル部38に上述の偏差データに基づいて転写ディスク34の中心位置とその磁気ディスク4の中心位置とが互いに一致するように位置調整を行わせ、かつ、駆動用モータ40に、転写ディスク34を磁気ディスク4に密着させるべく、制御信号Ctnを形成しそれを転写ステージ制御部58に供給する。転写ステージ制御部58は、制御信号Ctnに基づいて制御信号を形成しそれを駆動用モータ40を含んでなるテーブル駆動部62に供給する。これにより、所定の磁気転写された磁気ディスク6が得られることとなる。その得られた磁気ディスク6は、ハンド部28Aがさらに回転することによりリフトハンドリング部18に対向する位置まで移動することとなる。
【0046】
続いて、制御ユニット50は、ハンド部28Aからリフトハンドリング部18により保持された磁気ディスク6をカセットケース12に収納すべく、キャリアロボット22に制御信号Cnbを形成しそれをキャリアロボット制御部54に供給する。これにより、磁気ディスク6がキャリアロボット22によりカセットケース12のセル12aに収納されることとなる。それ以降得られる磁気ディスク6は、キャリアロボット22により同様に順次、カセットケース12のセル12aに収納されることとなる。
【0047】
一方、制御ユニット50は、上述の磁気転写モードの前あるいは、終了直後、制御データ群DQに基づいてクリーニングモードであると判断する場合、キャリアロボット22にカセットケース14内のクリーニング用ディスク8を取り出し、それを検査ステージ24に移送させるべく、制御信号Ccを形成しそれをキャリアロボット制御部54に供給する。キャリアロボット制御部54は、制御信号Ccに基づいて所定の動作プログラムに従いキャリアロボット22に作業を行わせるように制御信号を供給する。これにより、キャリアロボット22は、1枚のクリーニング用ディスク8を取り出しそれを検査ステージ24に移送する。
【0048】
検査ステージ24は、そのクリーニング用ディスク8について所定の検査を行う。そのディスク8が良品である場合,検査ステージ24は、判定信号Sjを送出する。一方、そのディスク8が不良品の場合、検査ステージ24は、ホストコンピュータ50に次のクリーニング用ディスク8の移送を要求する。
【0049】
制御ユニット50は、検査ステージ24からの判定信号Sjに基づくデータに応じてキャリアロボット22にその良品であるクリーニング用ディスク8を検査ステージ24からリフトハンドリング部18に移送させるべく、制御信号Ccを形成しそれをキャリアロボット制御部54に供給する。これにより、クリーニングディスク8は、リフトハンドリング部18により、ハンド部28Aに対向する位置まで移送された後、ハンド部28Aにより吸着保持される。
【0050】
次に、制御ユニット50は、所定のタイミングで回転テーブル部26を所定角度、例えば、約270°だけ矢印の示す方向に回動させるべく、制御信号Cicを形成しそれをインデックス機構制御部56に供給する。インデックス機構制御部56は、所定の動作プログラムに従い回転テーブル26を回転させ位置センサ30、消磁ユニット32に対向する位置を通過した後、スライドテーブル部38に対向した位置に停止させるべく、制御信号を形成しそれを回転テーブル駆動部60に供給する。
【0051】
その際、制御ユニット50は、ハンド部28Aに保持されたクリーニング用ディスク8がスライドテーブル部38に対向する位置に到達し停止しているとき、駆動用モータ40に、転写ディスク34をクリーニング用ディスク8に対し複数回、密着および離隔させることを繰り返すべく、制御信号Ctcを形成しそれを転写ステージ制御部58に供給する。転写ステージ制御部58は、制御信号Ctcに基づいて制御信号を形成しそれを駆動用モータ40を含んでなるテーブル駆動部62に供給する。これにより、転写ディスク34において転写層34aと他の部分との境界部分に形成されるバリ等の異物が、クリーニング用ディスク8の表層部に食い込まれて保持され除去される。このように除去されるのは、クリーニング用ディスク8の表層部の硬度が転写ディスク34の転写層34aおよびその他の部分の硬度に比して小であり、また、クリーニング用ディスク8の表層部の表面粗さが、転写ディスク34の転写層34aおよびその他の部分の表面粗さに比して平滑にかつ精度よく仕上げられているので除去されるのである。
【0052】
その使用されたクリーニング用ディスク10は、ハンド部28Aがさらに回転することによりリフトハンドリング部18に対向する位置まで移動することとなる。
【0053】
続いて、制御ユニット50は、ハンド部28Aからリフトハンドリング部18により保持されたクリーニング用ディスク10をカセットケース14に収納すべく、キャリアロボット22に制御信号Ccbを形成しそれをキャリアロボット制御部54に供給する。これにより、クリーニング用ディスク10がキャリアロボット22によりカセットケース14のセル14aに収納されることとなる。それ以降、使用済みのクリーニング用ディスク10は,同様に順次,カセットケース14のセル14aに収納されることとなる。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように,本発明に係る磁気転写装置によれば、磁気転写部が転写ディスクを、転写ディスクに付着した異物を除去するクリーニング部材に対し密着または離隔させるので磁気転写部に付着した異物を確実に除去することができ、しかも、複雑な異物除去装置を付加することなく異物を除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気転写装置の一例の構成を模式的に示す構成図である。
【図2】本発明に係る磁気転写装置の一例の全体構成を概略的に示す斜視図である。
【図3】本発明に係る磁気転写装置の一例に用いられる転写ディスクの各転写層を示す平面図である。
【図4】本発明に係る磁気転写装置の一例に用いられるクリーニング用ディスクの外観を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る磁気転写装置の一例に備えられる制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
4 磁気ディスク
8 クリーニング用ディスク
20 磁気転写ステージ
28A,28B,28C,28D ハンド部
34 転写ディスク
38 スライドテーブル部
50 制御ユニット
Claims (5)
- ディスク供給位置で保持されたディスクを間欠回転運動により円周上の複数の停止位置に順次、停止させる回転テーブルと、
前記ディスク供給位置で、磁気記録媒体またはクリーニング部材を選択的に供給するディスク供給手段と、
磁気記録媒体に磁気転写される記録データが形成される転写ディスクを該磁気記録媒体の磁性層に対し密着または離隔させて該記録データを磁気転写し、また、該転写ディスクを、該転写ディスクに付着した異物を除去するクリーニング部材に対し密着または離隔させる磁気転写部と、
前記ディスク供給手段により前記クリーニング部材が供給された場合、前記回転テーブルを前記複数の停止位置のうちの前記磁気転写部に対向する一箇所にのみ停止させる制御部と、
を具備して構成される磁気転写装置。 - 前記クリーニング部材は、前記転写ディスクの表面の硬度に比して小なる硬度を有する被覆層を有する円板状部材であることを特徴とする請求項1記載の磁気転写装置。
- 前記被覆層は、研磨されたニッケル燐めっき層であることを特徴とする請求項2記載の磁気転写装置。
- 前記保持機構部は、所定の清浄度を有することが確認された前記クリーニング部材を選択的に保持することを特徴とする請求項1記載の磁気転写装置。
- 前記制御部は、前記磁気転写部に、前記クリーニング部材に対し該転写ディスクを密着または離隔させる動作を複数回繰り返し行わせることを特徴とする請求項1記載の磁気転写装置。
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