JP3309847B2 - 磁気転写装置 - Google Patents

磁気転写装置

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JP3309847B2
JP3309847B2 JP2000125744A JP2000125744A JP3309847B2 JP 3309847 B2 JP3309847 B2 JP 3309847B2 JP 2000125744 A JP2000125744 A JP 2000125744A JP 2000125744 A JP2000125744 A JP 2000125744A JP 3309847 B2 JP3309847 B2 JP 3309847B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク装
置やフロッピー(登録商標)ディスク装置に用いられる
磁気ディスクの製造過程の中で磁気転写を行う磁気転写
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、磁気記録再生装置は、小型でかつ
大容量のものを実現するために、高記録密度化の傾向に
ある。
【0003】現在、代表的な磁気ディスク装置であるハ
ードディスクドライブの分野においては、既に面記録密
度が10Gbit/sqinを越える装置が商品化され
ており、数年後には、面記録密度が20Gbit/sq
inの装置の実用化が予測されるほどの急峻な技術の進
歩が認められる。
【0004】このような高記録密度を可能とした技術的
背景には、線記録密度の向上もさることながら、わずか
数μmのトラック幅の信号をSN良く再生できる磁気抵
抗素子型ヘッドに依るところが大である。
【0005】また、高記録密度に伴い磁気記録媒体に対
する浮動磁気スライダの浮上量の低減化も要求されてき
ており、浮上中も何らかの要因でディスク/スライダの
接触が発生する可能性が増大している。このような状況
下において、記録媒体にはより平滑性が要求されてきて
いる。
【0006】さて、ヘッドが狭トラックを正確に走査す
るためにはヘッドのトラッキングサーボ技術が重要な役
割を果たしている。このようなトラッキングサーボ技術
を用いた現在のハードディスクドライブでは、磁気記録
媒体に一定の角度間隔でトラッキング用サーボ信号やア
ドレス情報信号、再生クロック信号等が記録された領域
を設け(以下、プリフォーマット記録という。)、ドラ
イブ装置は、ヘッドから一定時間間隔で再生されるこれ
らの信号によりヘッドの位置を検出し修正して、ヘッド
が正確にトラック上を走査することを可能にしている。
【0007】ここで、上述のように、サーボ信号やアド
レス情報信号、再生クロック信号等はヘッドが正確にト
ラック上を走査するための基準信号となるものであるか
ら、その書き込み(以下、フォーマティングと記す)に
は高い位置決め精度が必要である。現在のハードディス
クドライブでは、光干渉を利用した高精度位置検出装置
を組み込んだ専用のサーボ装置(以下サーボライタ)を
用いて記録ヘッドを位置決めしてフォーマティングが行
われている。
【0008】しかしながら、上記サーボライタによるフ
ォーマティングには以下の課題が存在する。
【0009】第1に、磁気ヘッドによる記録は、基本的
に磁気ヘッドと磁気記録媒体との相対移動に基づく線記
録であり、多数のトラックにわたって信号を書き込む必
要があるため、サーボライタによる方法では、プリフォ
ーマット記録に多大な時間を要するとともに、生産性を
あげるためには高価な専用のサーボライタが複数台必要
であり、プリフォーマット記録が高コストとなってい
た。
【0010】また、第2に、多くのサーボライタの導
入、維持管理には多額のコストがかかる。これらの課題
はトラック密度が向上し、トラック数が多くなるほど深
刻である。
【0011】そこで、フォーマティングをサーボライタ
ではなく、予め全てのサーボ情報が書き込まれたマスタ
と呼ばれるディスクとフォーマティングすべき磁気ディ
スクを重ね合わせ外部から転写用のエネルギーを与える
ことによりマスタの情報を磁気ディスクに一括転写する
方式が提案されている。
【0012】その一例として、特開平10−40544
号公報に示された磁気転写装置があげられる。
【0013】同公報には、基体の表面に、情報信号に対
するパターン形状で強磁性材料からなる磁性部を形成し
てマスター情報坦体とし、このマスター情報坦体の表面
を、強磁性薄膜あるいは強磁性粉塗布層が形成されたシ
ート状もしくはディスク状磁気記録媒体の表面に接触さ
せ、所定の磁界をかけることにより、マスター情報坦体
に形成した情報信号に対応するパターン形状の磁化パタ
ーンを磁気記録媒体に記録する方法が開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる従来
の磁気転写装置を用いた情報信号の記録においては、マ
スター情報坦体に設けられた情報信号に対応する配列パ
ターンを磁化パターンとして磁気記録媒体に一括記録す
る方法であるが、磁気記録媒体表面全体に亘って均一に
安定して高密度の情報信号が記録されることが重要であ
る。
【0015】しかし、上記従来の磁気転写装置において
は、磁気記録媒体5の表面もしくはマスタ情報担体4の
凸部6に異常突起や異物が存在する場合、両者が接触す
ることによって磁気記録媒体の表面に陥没部が発生す
る。
【0016】図12は従来の磁気転写方法において磁気
記録媒体5とマスタ情報担体4の凸部6とを接触させた
後の磁気記録媒体5の表面形状を示す図であり、中央の
丸印は異常突起により出来た陥没部である。また図13
は、この陥没部の断面を測定した図である。
【0017】図13において、磁気記録媒体表面より5
0nm程度窪んだ陥没部のまわりには20nm程度の微
小突起が存在している。
【0018】ここで、スライダの磁気記録媒体表面から
の浮上量としては20nm程度であり、それに対して、
磁気記録媒体上に図12(13)に示すような20nm
程度の突起が存在すれば、データ記録再生時に、磁気ヘ
ッドと磁気記録媒体とが接触することになり、かかる場
合、接触した瞬間に磁気ヘッドが飛ばされ、磁気ヘッド
と磁気ディスクのクリアランスが大となり信号の記録再
生性能が低下し、また磁気ヘッドが磁気ディスクと物理
的に接触することにより、磁気ヘッドの寿命が低下した
り、ともすれば磁気記録媒体自体の破損につながる原因
となっていた。
【0019】図14は、かかる従来の磁気転写方法によ
って磁気転写を行った後の磁気記録媒体全体の表面の突
起の状態を光学的に測定した結果を示したものであり、
磁気記録媒体の表面に20nmあるいはそれを越える突
起が多数存在することがわかる。
【0020】このように、従来の磁気転写方法によれ
ば、磁気ディスク上に多数の突起が存在することとな
り、記録再生性能および磁気ヘッド寿命の低下という問
題があり、今後の高記録密度化に伴って磁気ヘッド、デ
ィスク間の浮上量がさらに小さくなればますます深刻な
問題となる。
【0021】本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ
たものであり、磁気ディスクに微小突起が発生せず、信
頼性の高い磁気転写を実現することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために、本発明の磁気転写装置は、磁性膜が少なくと
も片面に形成された磁気転写用マスタを磁気ディスクに
密着させ、外部磁界によって前記磁気ディスクに前記磁
気転写用マスタの磁性膜パターンを磁気転写する磁気転
写装置であって、ディスク欠陥検出手段によって、前記
磁気転写用マスタと密着するディスク表面上の欠陥数或
いは欠陥の大きさが所定の以下であることを検査した
クリーニング用ディスクに対して、前記磁気転写用マス
タを前記クリーニング用ディスクと密着/離間させる操
作を所定の回数繰り返した後、前記クリーニング用ディ
スクを前記磁気ディスクに交換し、前記磁気ディスクと
前記磁気転写用マスタを密着させ、磁気転写を行うこと
を特徴とするものである。これにより、素早く、確実に
磁気転写用マスタに付着している異物を取り除くことが
できる。
【0023】また、本発明の磁気転写装置は、磁性膜が
少なくとも片面に形成された磁気転写用マスタを磁気デ
ィスクに密着させ、外部磁界によって前記磁気ディスク
に前記磁気転写用マスタの磁性膜パターンを磁気転写す
る磁気転写装置であって、前記磁気転写用マスタをクリ
ーニング用ディスクと密着/離間させる操作を行った後
に、ディスク欠陥検出手段によって、前記磁気転写用マ
スタと密着するディスク表面上の欠陥数或いは欠陥の大
きさが所定の以下であることを検査した検査用ディス
クに対して前記磁気転写用マスタを密着させ、その後前
記検査用ディスクに対して、前記ディスク欠陥検出手段
によって、前記磁気転写用マスタと密着するディスク表
面上の欠陥数或いは欠陥の大きさが所定の以下である
ことを検査した後に、前記検査用ディスクを前記磁気デ
ィスクに交換し、前記磁気ディスクに対して、前記磁気
転写用マスタを密着させ、磁気転写を行うことを特徴と
するものである。これにより、磁気転写用マスタの欠陥
検査を極めて簡単で、かつ高精度にできるため、信頼性
の高い磁気転写ディスクを提供し得る。
【0024】また、本発明の磁気転写装置は、磁性膜が
表面に形成された磁気転写用マスタを強磁性膜が形成さ
れた磁気ディスク表面に密着させ、外部磁界により前記
磁気ディスク表面に前記磁気転写用マスタの磁性膜パタ
ーンを磁気転写する工程を行った後に、欠陥検出手段に
よって前記磁気ディスクの欠陥を検査し、欠陥数或いは
欠陥の大きさが所定の値以上であった時に、前記磁気転
写用マスタをクリーニング用ディスクと密着/離間させ
る操作を所定の回数繰り返すことによって前記磁気転写
用マスタに付着した異物を除去することを特徴とするも
のである。これにより、磁気転写用マスタに異物が付着
したかどうかを簡単に、かつ素早く判断し、除去するこ
とが可能となるため、信頼性の高い磁気転写を実現し得
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて、図面を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1〜図11を用いて本発明の実施の
形態における磁気転写装置および磁気記録媒体を製造す
る方法について説明する。
【0026】図1に、本発明の実施の形態の磁気転写を
行う工程のチャートを示す。
【0027】まず、磁気転写用マスタに関する説明を行
う。
【0028】図2は、本発明の実施の形態における磁気
転写用マスタ2の構成を説明するための部分拡大図であ
る。図2において、30は磁気ディスク1に磁気パター
ンを転写するための磁性膜であり、磁性膜30上には磁
気ディスク1に記録されるディジタル情報信号に対応し
たパターン形状で強磁性薄膜からなる磁性部によるマス
ター情報パターンが形成されている。ここで、強磁性薄
膜としては、硬質磁性材料、半硬質磁性材料、軟質磁性
材料を問わず、多くの種類の磁性材料を用いることがで
き、磁気記録媒体にディジタル情報信号を転写記録出来
るものであればよい。例えば、Fe、Co、Fe−Co
合金などを用いることが出来る。
【0029】尚、マスター情報パターンが記録される磁
気ディスク1の種類によらずに十分な記録磁界を発生さ
せるためには、磁性材料の飽和磁束密度が大きいほどよ
い。特に2000エルステッドを越える高保磁力の磁気
ディスクや磁性層の厚みの大きいフレキシブルディスク
に対しては、飽和磁束密度が0.8テスラ以下になると
十分な記録を行うことができない場合があるので、一般
的には、0.8テスラ以上、好ましくは1.0テスラ以
上の飽和磁束密度を有する磁性材料が用いられる。
【0030】4は磁気転写用マスタ2の磁性膜16が設
けられている転写面3に設けられた放射状の溝である。
このように構成された磁気転写用マスタ2に対して、ま
ず図1中ST1に示すように、公知の方法、例えばスク
ラブ洗浄によって磁気転写用マスタ2の洗浄を行う。し
かし、現存の洗浄方法では磁気転写用マスタ2の転写面
3に残存する20〜50nm程度の超微小な異物を除去
することができないことが実験により明らかになってき
た。超微小な異物を確実に除去するために実施するST
2の工程について図3および図4を用いて説明する。
【0031】図3は本発明の実施の形態におけるST2
の工程を示す装置の断面図であり、特に離間手段につい
て示している。図4は本発明の実施の形態におけるST
2の工程を示す装置の断面図であり、特に密着手段につ
いて示している。
【0032】図3において、1Aはクリーニング用Ni
Pディスクであり、2はクリーニング用NiPディスク
1Aの表面と密着させるための磁気転写用マスタディス
クである。
【0033】3は磁気転写用マスタ2におけるクリーニ
ング用NiPディスク1Aとの接触面であり、接触面3
には磁気転写用マスタ2の中心から放射状に広がった溝
4が設けられてある。図5は磁気転写用マスタ2におけ
るクリーニング用NiPディスク1Aとの接触面3を示
した図であり、図5に示すように、溝4は磁気転写用マ
スタ2の中心から放射状に広がっている。本実施の形態
では、溝の深さは5μm程度に設定している。5は、磁
気転写用マスタ2の中心部に固着されたボスであり、ク
リーニング用NiPディスク1Aの内周孔に勘合させる
ことによってクリーニング用NiPディスク1Aと磁気
転写用マスタ2とのセンタリングを行っている。また、
クリーニング用NiPディスク1Aの内周孔とボス5と
の間には所定の隙間51(図6参照)が設けられてお
り、空気の流れが可能なように構成されている。
【0034】図3中6は、クリーニング用NiPディス
ク1Aを支持するための支持台であり、中心部に空気を
流すための通気孔7が設けられてある。8は磁気転写用
マスタ2とクリーニング用NiPディスク1Aの間の空
気を排出、圧送するための空気通路、9は空気通路8か
ら空気を排出するための空気排出口、10は空気排出口
に接続された吸引ポンプ、11は空気の排出を制御する
排気弁である。また、12は空気通路8に空気を圧送す
るための給気ポンプ、13は空気の給気を制御する給気
弁である。給気ポンプ12には、0.01μmのエアー
フィルタが設けられており、0.01μm以上の異物が
空気通路8に圧送されないように構成されている。14
は、磁気転写用マスタ2を保持するための保持アームで
あり、保持アーム14に設けられた貫通孔から空気を吸
引することによって(図示せず)磁気転写用マスタ2を
吸着している。
【0035】まず、図3を使用して離間手段について説
明する。排気弁11を閉じて給気弁13を開放した状態
で吸引ポンプ12を動作させることによって、空気を空
気通路8に流し込む。すると通気孔7には図3の矢印A
で示したように上方向に空気が圧送される。このことに
より、通気孔7に圧送された空気は、ボス5を上方向に
押し上げ、さらに矢印Bに示すように、空気は溝4に圧
送される。溝4に圧送された空気は溝4を通って磁気転
写用マスタ2の中心から外周へ向かって放射状に広が
る。そして、さらに溝4から磁気転写用マスタ2とクリ
ーニング用NiPディスク1Aとの隙間を通って大気へ
と抜ける。この空気の流れにより、磁気転写用マスタ2
やクリーニング用NiPディスク1Aの表面に付着して
いた微細な異物は空気とともに大気へと排出されること
になる。
【0036】この時の時間経過と、磁気転写用マスタ2
とクリーニング用NiPディスク1Aとで挟まれた空間
(以下、空間Sと称す)の気圧との関係を示すのが図7
で、同図で時間経過が約3秒のあたりから空間Sの気圧
が101.3kPaから瞬間的に上昇し、その後約1秒
間は130kPaほどの気圧を保持している期間が、上
記に示した磁気転写用マスタ2とクリーニング用NiP
ディスク1Aが離間している状態に相当する。
【0037】このとき、クリーニング用NiPディスク
1Aと磁気転写用マスタ2との間の隙間はできる限り小
さく設定するほうが好ましい。本実施例では約0.5m
mに設定している。このことによって、クリーニング用
NiPディスク1Aと磁気転写用マスタ2との間の空気
の流れは速くなるため、両者の間に存在する微細な異物
を確実に大気へと排出することができる。
【0038】次に、密着手段について図4を用いて説明
する。
【0039】前述した離間手段で動作させた給気ポンプ
12をまず停止させ、給気弁13を閉じる。そして、保
持アーム14に取り付けられた空気の吸引を解除させる
ことによって磁気転写用マスタ2を保持アーム14から
離す。すると、磁気転写用マスタ2は重力によって下方
向に移動し、ボス5がクリーニング用NiPディスク1
Aの内周孔と勘合した状態でクリーニング用NiPディ
スク1Aに載置される。その後、排気弁11を開き、排
気ポンプ10を作動させる。すると、図3の矢印Cに示
したように通気孔7の空気が下方向に排出されるため、
溝4内部の空気もクリーニング用NiPディスク1Aの
内周孔とボス5との隙間を通って排出されることにな
り、クリーニング用NiPディスク1Aによって閉じら
れた溝4の空間の圧力は大気圧よりも低くなる。従っ
て、クリーニング用NiPディスク1Aはほぼ大気圧1
5により磁気転写用マスタ2に押しつけられる。その結
果、磁気転写用マスタ2に存在する異物はクリーニング
用NiPディスク1Aと磁気転写用マスタ2との間に挟
まれることになる。ここで、クリーニング用NiPディ
スク1Aと磁気転写用マスタ2との硬度を比較すれば、
クリーニング用NiPディスクのほうが硬度が低いた
め、両者に挟まれた異物は磁気転写用マスタ2を傷つけ
ることなく、クリーニング用NiPディスク1A側にめ
り込む、或いは欠陥を生じさせることとなる。また、磁
気転写用マスタ2上に存在する微少な異常突起について
は、クリーニング用NiPディスク1Aと密着すること
により平坦化されることとなる。図7で空間Sの気圧が
30kPaほどの区間が上記密着状態に相当する。
【0040】次に、再度図3に示した離間手段を実施す
る。すなわち、排気弁11を閉じ、給気弁13を開き、
給気ポンプ12を作動させる。すると、図3中矢印A,
Bに示すように空気が圧送され、磁気転写用マスタ2は
空気が圧送する力によって上方向に移動し、保持アーム
14と当接した所で止まる。このとき、矢印Bに示した
ように、空気は溝4を通して磁気転写用マスタ2の中心
から外周側へ放射状に圧送された状態を保っている。そ
のことによって、磁気転写用マスタ2の表面に存在して
いた異物は、給気ポンプ12から圧送された空気と共に
大気へ排出されるか、クリーニング用NiPディスク1
A上に転写される。このように、密着/離間の操作を所
定の回数繰り返すことによって、磁気転写用マスタ2の
表面上に存在する異物を除去することが可能となる。
【0041】ここで、クリーニング用のディスクには潤
滑剤を塗布していないほうが好ましい。これは、通常の
磁気ディスクのように潤滑剤を塗布すると、異物の吸着
性が低下するため、クリーニングディスク側に異物を付
着させにくくなるためである。本実施の形態のように、
潤滑剤を塗布させる前であるNiPディスクを使用する
ことによって、磁気転写用マスタに付着している異物を
確実にクリーニング用ディスクに付着させることが可能
となる。
【0042】また、本実施の形態に示したように、クリ
ーニング用ディスク1Aの硬度は、磁気転写用マスタ2
の硬度よりも小さいほうが好ましい。これは、もしクリ
ーニング用ディスク表面の硬度が磁気転写用マスタ2の
硬度よりも高いとすると、磁気転写用マスタ2の硬度よ
り高く、かつクリーニング用ディスクの硬度よりも低い
異物が磁気転写用マスタ2とクリーニング用ディスクの
間に存在していた場合、クリーニング用ディスク表面の
硬度は異物の硬度よりも高いため、クリーニング用ディ
スク表面に窪みが生じず、逆に異物はより硬度の低い磁
気転写用マスタ2の表面にめり込むことになり、磁気転
写用マスタ2には欠陥が生じる。このようにして磁気転
写用マスタ2に一旦欠陥が生じると、その後の全ての磁
気転写に悪影響を及ぼすこととなる。
【0043】そこで、本実施の形態に示したように、ク
リーニング用ディスク表面の硬度を磁気ディスク表面の
硬度よりも小さくすることによって、磁気ディスク1と
磁気転写用マスタ2とが磁気ディスク1に窪みを発生さ
せることを確実に防止することができる。
【0044】また、本実施の形態では、クリーニング用
ディスクとしてアルミニウムの基板にNiPのめっき層
を塗布させた構成としたが、これに限定されるものでは
なく、例えばCo−Re−P、Co−Ni−P、Co−
Ni−Re−Pのような磁気特性を有したものでもよ
い。磁気特性を有しためっき層を塗布させることによっ
て、以下に示す効果が得られる。すなわち、磁気転写用
マスタ2の表面上に存在する磁性膜に異常突起が存在し
ていた場合、密着/離間の繰り返し動作によって磁性膜
が剥がれることになるが、クリーニング用ディスク1A
の表面に磁気特性を有しためっき層が塗布されている
と、磁性層は確実にクリーニング用ディスク側に付着す
ることになる。
【0045】また、クリーニング用ディスク1Aの磁気
転写用マスタ2と接触する領域Saは、磁気ディスク1
の磁気転写用マスタ2と接触する領域Sbよりも大き
く、かつ、少なくともSaの領域は必ずSbを全て含む
ようにするのがよい。これは、クリーニングされた領域
Saから外れた場所で磁気ディスク1と磁気転写用マス
タ2とが接触すると、磁気ディスク1に異物が付着する
可能性が発生するためである。
【0046】領域Saを領域Sbよりも大きくする方法
としては、まず、クリーニング用ディスク1Aとして磁
気ディスク1よりもサイズの大きなディスクを用いると
よい。
【0047】但し、実用上は、クリーニング用ディスク
も磁気ディスクと同じ製造装置で製造される場合もあ
り、かかる場合は同サイズのディスクとなるため、領域
Saを領域Sbよりも大きくするためには次の方法がと
られる。
【0048】つまり、クリーニング用ディスク1Aを図
3中の支持台6に偏心させて装着し、前述した密着/離
間の動作を1サイクル行う度に回転させれば、磁気転写
用マスタ2に対して、クリーニング用ディスク1Aの位
置が順次ずれることとなり、Sb(磁気ディスク1の磁
気転写用マスタ2と接触する領域)よりも広い領域に対
して吸引/圧送を行うことが出来る。
【0049】次に、磁気転写用マスタ2の表面3に異物
が付着していないかどうかを検査する。検査の方法とし
て、磁気転写用マスタ2の表面3に付着している異物を
直接検査することは極めて困難である。なぜなら、図2
に示したように、磁気転写用マスタ2の表面3には、溝
4による凹凸や磁性膜30による微小な凹凸が存在する
ため、例えば光学的な検査方法では凹凸部の端部で光源
の散乱光が発生するため、この部分を誤って異物と判定
することがあるためである。
【0050】しかし、以下に示す方法によって簡単かつ
確実に磁気転写用マスタ2の表面3に異物が付着してい
ないかどうかを検査することが可能となる。
【0051】つまり、磁気転写用マスタ2の表面3に異
物が付着しているか否かの検査を、磁気転写用マスタ2
の表面を直接検査するのではなく、磁気転写用マスタ2
と検査用NiPディスクを密着させ、磁気転写用マスタ
2表面の形状が反映された検査用NiPディスクの表面
を検査することにより行うものである。詳細は以下に説
明する。
【0052】まず、図1中ST3に示すように、磁気転
写用マスタ2と検査用NiPディスク1Bとを1回だけ
密着させ、離間させる。この時の装置は前述したST2
の工程と同様、図3および図4に示したもので、ST2
の工程と異なるのは、クリーニング用NiPディスク1
Aではなく、検査用NiPディスク1Bを使用する点で
ある。ここで、検査用NiPディスク1B表面の材質と
しては、磁気転写用マスタ2表面よりも硬度の低いもの
を用いることで、磁気転写用マスタ2表面の凹凸が転写
される。
【0053】次に、ST4の工程として検査用NiPデ
ィスク1Bの磁気転写用マスタ2との密着面を光学的な
検査方法、例えばドップラー効果によりディスクの凹凸
面、すなわち欠陥を測定する方法によって所定の深さ以
上の欠陥が存在しないかどうかを検査する。
【0054】ここで、検査用NiPディスク1B表面に
は磁気転写用マスタ2表面の凹凸形状が転写されてお
り、検査用NiPディスク1Bはその表面全体が同一面
であり、磁気転写用マスタ2のような溝がないため、光
学的測定において散乱光の発生がなく、正確な検査を行
うことが出来る。そしてその表面を検査することで、間
接的に磁気転写用マスタ2の検査を行うことが出来る。
【0055】このST4の検査にて所定の深さ以上の欠
陥が存在しなければ、磁気転写用マスタ2に異物が存在
していないと判断する。この方法を採ることによって、
簡単な方法で確実に磁気転写用マスタ2に異物が存在す
るかどうかを判断することが可能となる。
【0056】このST4の検査にて所定の深さ以上の欠
陥が存在しなければ、ST3の工程で使用した磁気転写
用マスタ2をST8の磁気転写の工程で使用する。
【0057】また、ST4の工程の検査にてNGであれ
ば再度ST2の工程にて磁気転写用マスタ2をクリーニ
ングする。
【0058】ここで、クリーニング用NiPディスク1
Aおよび検査用NiPディスク1Bは、ST5の工程お
よびST6の工程に示すように、磁気転写用マスタ2と
のクリーニングを実施する前に光学的な検査を行う。光
学的な検査方法としては、散乱光方式であることが望ま
しい。これは、散乱光方式の検査方法は特にディスク表
面上の異物を検出しやすいためである。クリーニングを
実施する前に光学的な検査を行う理由について、図8を
用いて説明する。
【0059】図8はクリーニング用NiPディスク1A
に対して光学的検査を行い、表面上に異物が存在してい
た場合と異物が存在していない場合とで、磁気転写用マ
スタ2とクリーニング用NiPディスクの密着/離間を
繰り返し行い、その回数とクリーニング用NiPディス
ク表面の欠陥数との関係をグラフにしたものである。
【0060】図8中黒三角印はクリーニング用NiPデ
ィスク表面上に異物が存在していた場合の密着回数と欠
陥との関係を、黒四角印は異物が存在していない場合の
密着回数と欠陥との関係のグラフをそれぞれ示す。
【0061】つまり、まず磁気転写用マスタ2とクリー
ニング用NiPディスクの密着/離間を1回行った後、
クリーニング用NiPディスクの表面に対して光学的検
査を行い、欠陥数をカウントする。測定はTHOT製の
ディスクテスタ4218を用いて行った。この時の欠陥
数を初期の値とする。この時、磁気転写用マスタ2上の
欠陥がクリーニング用NiPディスクに転写されるた
め、クリーニング用NiPディスクの表面の検査を行う
ことで、間接的に磁気転写用マスタ2上の欠陥の状態を
把握出来る。
【0062】次に、磁気転写用マスタ2とクリーニング
用NiPディスクの密着/離間を所定回数行った後、ク
リーニング用NiPディスクを新しいクリーニング用N
iPディスクに交換し、その新しいクリーニング用Ni
Pディスクと磁気転写用マスタ2の密着/離間を1回行
った後に、新しいクリーニング用NiPディスクの表面
に対して光学的検査を行い、欠陥数をカウントする。こ
の欠陥数を、間接的にこの時の磁気転写用マスタ2の欠
陥数とみなすことが出来る。
【0063】図8の結果より、異物が存在しないクリー
ニング用NiPディスクを用いれば、10回の密着/離
間によって、磁気転写用マスタ2上の欠陥数が0となる
のに対し、異物が存在するクリーニング用NiPディス
クを用いれば、欠陥数を0とするためには密着/離間を
1000回繰り返す必要があることがわかる。
【0064】つまり、磁気転写用マスタ2のクリーニン
グ工程(図1中ST2)の前に、クリーニング用NiP
ディスクの検査を行い、異物のないクリーニング用Ni
Pディスクを用いることで、効率的なクリーニングを行
うことが出来る。
【0065】また、ST6の工程に示すように検査用N
iPディスクを密着前に検査するのは、検査用NiPデ
ィスクを磁気転写用マスタ2と接触させることによって
磁気転写用マスタに異物を付着することを未然に防ぐた
めである。
【0066】次に磁気ディスク1の製造方法について説
明する。まず、公知の方法で表面に磁性層を形成する。
磁性層の形成については、例えばアルミニウム製の基板
上に蒸着やスパッタ手段のような乾式めっき手段により
磁性層を設ける工程がある。また、通常は磁性層上に蒸
着やスパッタ手段のような乾式めっき手段あるいはディ
ッピングやスピンコート法により保護膜を設ける工程を
行うことによって磁性層を保護する方法が採られてい
る。
【0067】その後、公知の手段である潤滑剤を形成す
る工程を実施する。潤滑剤溶液中に磁気ディスク1を浸
けた後に所定の速度で引き上げることによって潤滑剤を
塗布する工程である。以上が磁気ディスク1の製造方法
である。
【0068】次に、ST7の工程に示すように、光学的
な検査方法によって磁気ディスク1の表面に異物が存在
しないかどうかの検査を実施する。ここで、検査の方法
としては散乱光方式を使用するのが好ましい。散乱光方
式の検査方法は、ディスク表面上の異物を検出するのに
適した方法であるため、この工程の後に実施する磁気転
写の直前に異物を確実に除去するためには、この方法を
採るのがよい。勿論、既存の磁気ディスク1を入手し、
ST7の工程で光学的な検査を実施する方法を採っても
よい。
【0069】次に、ST8の工程である磁気転写を実施
する。この内容について図9および図10を用いて説明
する。磁気転写の構成に関しては図3とほぼ同じであ
り、図9は磁気転写における磁気転写用マスタ2と磁気
ディスク1間の離間工程を示している。この時の時間経
過と磁気転写用マスタ2と磁気ディスク1とで挟まれた
空間(以下、空間Sと称す)の気圧との関係を示すのが
図7で、同図で時間経過が3秒のあたりから空間Sの気
圧が101.3kPaから瞬間的に上昇し、その後約1
秒間は130kPaほどの気圧を保持している期間が、
上記に示した磁気転写用マスタ2と磁気ディスク1が離
間している状態に相当する。次に、吸引による密着工程
について図10を用いて説明する。
【0070】給気ポンプ12を停止させ、給気弁13を
閉じる。すると、磁気ディスク1を固着した保持アーム
14が自重で下方向に移動し、ボス5が磁気ディスク1
の内周孔と勘合した状態で磁気ディスク1に載置され
る。その後、排気弁11を開き、排気ポンプ10を作動
させる。すると、図10の矢印Cに示したように通気孔
7の気体が下方向に排出されるため、溝4内部、すなわ
ち空間Sの気体も磁気ディスク1の内周孔とボス5との
隙間を通って排出されることになる。
【0071】そのことにより、磁気転写用マスタ2と磁
気ディスク1とは全周にわたり密着した状態となってお
り、その圧力は大気圧よりも低くなる。従って、磁気デ
ィスク1は大気圧15により磁気転写用マスタ2に押し
付けられることとなる。
【0072】図7で空間Sの気圧が30kPaほどの区
間が上記密着状態に相当する。
【0073】その後、図10に示すようにマグネット2
0を矢印D方向に移動させ、磁気転写用マスタ2に接近
させ、その距離が1mmになった時に矢印D方向への移
動を停止し、次に磁気ディスク1の円周方向、すなわち
矢印Eの向きにマグネット20を1回転以上させること
により、転写に必要な磁界を印可する。
【0074】その後、再び図9に示した離間工程によっ
て磁気転写用マスタ2と磁気ディスク1とを離間させ
る。
【0075】次にST9の工程について図11を用いて
説明する。図11は本発明の実施の形態におけるグライ
ドハイトテストを行うための装置を説明する斜視図であ
る。
【0076】グライドハイトテストとは、実際の磁気デ
ィスクと磁気ヘッドの走査時のクリアランスよりも若干
小さいクリアランスをもって、磁気ディスク上に検出用
ヘッドを走査させ、その時、検出用ヘッドによって衝撃
を検出することにより、磁気ディスク上の欠陥を検出す
るテストのことである。
【0077】図11の装置は、ST8の工程(磁気転
写)を経た後の磁気ディスク1を保持して回転させるス
ピンドル21と、磁気ディスク1をスピンドル21に固
定するクランプ機構22と、グライドハイトテスト用ヘ
ッドスライダ40を備えるヘッド支持機構23と、ヘッ
ド支持機構23をその根元で片持ち支持し、アコーステ
ィックエミッションセンサー25が固着されたガイドア
ーム24と、ヘッド40をヘッド支持機構23及びガイ
ドアーム24を介して磁気ディスク1の記録面上で動か
して位置決めするヘッド位置決め部26と、ヘッド位置
決め部26の動作を制御する位置決め制御部27と、ス
ピンドル21の動作を制御するスピンドル制御部28
と、位置決め制御部27とスピンドル制御部28を制御
するコントローラ29とから構成されている。
【0078】まず、コントローラ29によって、スピン
ドル制御部28を介して、磁気ディスク1を定速回転さ
せる。次に、ヘッド位置決め部26を図11中F方向に
移動させるように位置決め制御部27で制御し、磁気デ
ィスク1とヘッド40との間が所定の距離、すなわち1
5nmになった位置で停止させる。この位置の設定方法
を以下に示す。
【0079】予めヘッド位置決め部26がある位置にあ
る時の、磁気ディスク1とヘッド20との間の距離を測
定しておく。そして、磁気ディスク1とヘッド40との
間の距離が15nmとするために移動させるべき距離を
算出し、コントローラ29に記憶させる。コントローラ
29は位置決め制御部27を介してヘッド位置決め部2
6を移動させ、磁気ディスク1とヘッド40との間の距
離を15nmに設定する。ここで磁気ディスク1とヘッ
ド40との間の距離、すなわち15nmは、実際の装置
での記録再生を行う時の浮上量、もしくはそれよりも若
干小さい値に設定している。
【0080】その後、磁気ディスク1を回転させた状態
で図11中G方向、すなわち磁気ディスク半径方向にヘ
ッド40を移動させるように位置決め制御部27によっ
て制御し、少なくともST8の工程で磁気転写を行う際
に磁気転写用マスタ2と接触した面に対してグライドハ
イトテストを行う。
【0081】このことによって、磁気ディスク1の表面
に存在する異常突起、特に、記録再生途中における磁気
ディスクと磁気ヘッドとのクリアランス以上の突起、を
衝突によって発生する過大振動エネルギーを通じてアコ
ースティックエミッションセンサー25によって検出
し、異常突起の存在を検出するものである。ここで、1
枚の磁気ディスク1において1個以上の異常突起が存在
すれば不良ディスクと判断し、図1中ST2で示すよう
に磁気転写用マスタ2のクリーニングを開始させる。
【0082】また、異常突起が検出されなかった場合
は、OKディスクと判断し、次の工程であるST10を
実施する。
【0083】ST10の工程は、磁気ディスク1の表面
上の欠陥を検査する工程であり、磁気ディスク1の表面
に対して光学的に欠陥検査を行う。この検査にて、欠陥
が見つかった場合は、図1に示すように、ST2の工程
にて磁気転写用マスタ2のクリーニングを開始させる。
欠陥が見つからなかった場合は、磁気ディスク1をハー
ドディスク装置に組み込む。
【0084】このように、磁気転写の工程を繰り返して
いる最中に磁気転写用マスタ2に異物が付着したかどう
かを判断する方法として、磁気転写後の磁気ディスク1
の表面に対して欠陥を検査し、欠陥が発見された時に磁
気転写用マスタをクリーニングし、再検査するという方
法を採ることによって、磁気転写用マスタ2に異物が付
着したかどうかを簡単に、かつ素早く判断し、除去する
ことが可能となるため、信頼性の高い磁気転写を実現し
得る。
【0085】以上のように本実施の形態によれば、光学
検査によって表面を異物がないことを確認したディスク
と、磁気転写用マスタとを密着/離間することによって
クリーニングする方法を採ったため、効率よく確実に磁
気転写用マスタをクリーニングすることができる。
【0086】また、本実施の形態によれば、磁気転写用
マスタの表面上に異物がなくなったかどうかを密着後の
ディスクを検査する方法を採ったため、マスタディスク
の洗浄度合いを簡単に、かつ正確に判断することができ
る。
【0087】また、本実施の形態によれば、磁気転写の
工程を繰り返している最中に磁気転写用マスタ2に異物
が付着したかどうかを判断する方法として、磁気転写後
の磁気ディスク1の表面に対して欠陥を検査し、欠陥が
発見された時に磁気転写用マスタをクリーニングし、再
検査するという方法を採ったので、磁気転写用マスタ2
に異物が付着したかどうかを簡単に、かつ素早く判断
し、除去することが可能となるため、信頼性の高い磁気
転写を実現し得る。
【0088】なお、本発明の実施の形態においては、磁
気転写用マスタ2の洗浄後にST2の工程を行う方法を
採ったが、ST1の工程を省略してST2から実施して
も磁気転写用マスタ2のクリーニング効果は十分に発揮
される。
【0089】また、ST2の工程とST8の工程を同一
の装置で実施してもよい。
【0090】また、本発明の実施の形態においては、磁
気転写用マスタ2と磁気ディスク1との位置合わせをボ
ス5を使用して行う方法を採ったが、これに限定される
ものではなく、例えば磁気転写用マスタ2を保持する保
持アーム14に移動可能なステージを設け、光学的な方
法によって磁気ディスク1と磁気転写用マスタ2との位
置合わせを行う方法を採ってもよい。
【0091】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、光学検査
によって表面を異物がないことを確認したディスクと、
磁気転写用マスタとを密着/離間することによってクリ
ーニングする方法を採ったため、効率よく確実に磁気転
写用マスタをクリーニングすることができる。
【0092】また、本実施の形態によれば、磁気転写用
マスタの表面上に異物がなくなったかどうかを密着後の
ディスクを検査する方法を採ったため、マスタディスク
の洗浄度合いを簡単に、かつ正確に判断することができ
る。
【0093】また、本実施の形態によれば、磁気転写の
工程を繰り返している最中に磁気転写用マスタ2に異物
が付着したかどうかを判断する方法として、磁気転写後
の磁気ディスク1の表面に対して欠陥を検査し、欠陥が
発見された時に磁気転写用マスタをクリーニングし、再
検査するという方法を採ったので、磁気転写用マスタ2
に異物が付着したかどうかを簡単に、かつ素早く判断
し、除去することが可能となるため、信頼性の高い磁気
転写を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における磁気転写を行う工
程のチャート
【図2】本発明の実施の形態における磁気転写用マスタ
の構成を説明するための部分拡大図
【図3】本発明の実施の形態におけるST2の工程を示
す装置の断面図
【図4】本発明の実施の形態におけるST2の工程を示
す装置の断面図
【図5】本発明の実施の形態における磁気転写用マスタ
におけるクリーニング用NiPディスクとの接触面を示
した図
【図6】本発明の実施の形態におけるボスの詳細図
【図7】本発明の実施の形態における空間Sの気圧と経
過時間との関係を示す図
【図8】本発明の実施の形態における磁気ディスク表面
の欠陥数と繰り返し密着回数との関係を示す図
【図9】本発明の実施の形態における磁気転写の工程を
示す図
【図10】本発明の実施の形態における磁気転写の工程
を示す図
【図11】本発明の実施の形態におけるグライドハイト
テストを行うための装置を説明する斜視図
【図12】従来の磁気転写後の磁気ディスク表面観察結
果を示す図
【図13】従来の磁気ディスクの陥没部の断面図
【図14】従来の磁気転写後の磁気ディスク表面を光学
的な測定方法で測定した結果を示す図
【符号の説明】
1 磁気ディスク 1A クリーニング用NiPディスク 1B 検査用NiPディスク 2 磁気転写用マスタ 3 マスタの転写面
フロントページの続き (56)参考文献 特開2001−14666(JP,A) 特開2001−357523(JP,A) 特開2001−167434(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/86 G11B 5/82

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性膜が少なくとも片面に形成された磁
    気転写用マスタを磁気ディスクに密着させ、外部磁界を
    印加することにより前記磁気ディスクに前記磁気転写用
    マスタの磁性膜パターンを磁気転写する磁気転写方法で
    あって、 ディスク欠陥を検出する検査工程を有し、 クリーニング用ディスク表面を前記検査工程で検査し、
    欠陥数或いは欠陥の大きさが所定の値以下であることを
    検査した後に、 前記クリーニング用ディスクに対して、前記磁気転写用
    マスタを密着/離間させる操作を所定の回数繰り返し、 その後、前記磁気ディスクと前記磁気転写用マスタを密
    着させ、磁気転写を行うことを特徴とする磁気転写方
    法。
  2. 【請求項2】 磁性膜が少なくとも片面に形成された磁
    気転写用マスタを磁気ディスクに密着させ、外部磁界を
    印加することにより前記磁気ディスクに前記磁気転写用
    マスタの磁性膜パターンを磁気転写する磁気転写方法で
    あって、 ディスク欠陥を検出する検査工程を有し、 前記磁気転写用マスタをクリーニング用ディスクに対し
    て、密着/離間させる操作を所定の回数繰り返した後、 前記磁気転写用マスタとの密着面上の欠陥数或いは欠陥
    の大きさが所定の値以下であることを前記検査工程によ
    り検査をした検査用ディスクに対して前記磁気転写用マ
    スタを密着させ、 前記検査用ディスクに対して、前記検査工程による欠陥
    検査を行い、表面上の欠陥数或いは欠陥の大きさが所定
    の値以下であった場合には前記磁気ディスクと前記磁気
    転写用マスタを密着させ、磁気転写を行うことを特徴と
    する磁気転写方法。
  3. 【請求項3】 磁性膜が少なくとも片面に形成された磁
    気転写用マスタを磁気ディスクに密着させ、外部磁界を
    印加することにより前記磁気ディスクに前記磁気転写用
    マスタの磁性膜パターンを磁気転写する磁気転写方法で
    あって、 ディスク欠陥を検出する検査工程を有し、 前記磁気転写用マスタとの密着面上の欠陥数或いは欠陥
    の大きさが所定の値以下であることを前記検査工程によ
    り検査をしたクリーニング用ディスクに対して前記磁気
    転写用マスタを密着/離間させる操作を所定の回数繰り
    返した後、 前記磁気転写用マスタとの密着面上の欠陥数或いは欠陥
    の大きさが所定の値以下であることを前記検査工程によ
    り検査をした検査用ディスクに対して前記磁気転写用マ
    スタを密着させ、 その後、前記検査用ディスクに対して、前記検査工程に
    よる欠陥検査を行い、 表面上の欠陥数或いは欠陥の大きさが所定の値以下であ
    った場合にはその後前記磁気ディスクと前記磁気転写用
    マスタを密着させ、磁気転写を行うことを特徴とする磁
    気転写方法。
  4. 【請求項4】 磁性膜が少なくとも片面に形成された磁
    気転写用マスタを磁気ディスクに密着させ、外部磁界を
    印加することにより前記磁気ディスクに前記磁気転写用
    マスタの磁性膜パターンを磁気転写する磁気転写方法で
    あって、 ディスク欠陥を検出する検査工程を有し、 前記磁気ディスクに前記磁気転写用マスタの磁性膜パタ
    ーンを磁気転写した後に、 前記検査工程により前記磁気ディスクの欠陥を検査し、
    欠陥数或いは欠陥の大きさが所定の値以上であった場合
    にはその後、前記磁気転写用マスタをクリーニング用デ
    ィスクと密着/離間させる操作を所定の回数繰り返すこ
    とを特徴とする磁気転写方法。
  5. 【請求項5】 密着/離間の操作は、磁気転写用マスタ
    とクリーニング用ディスク間の気体を吸引し、あるいは
    前記磁気転写用マスタと前記クリーニング用ディスク間
    に気体を流入させることにより行うことを特徴とする請
    求項1又は2又は4記載の磁気転写方法。
  6. 【請求項6】 磁気転写用マスタの硬度は磁気ディスク
    およびクリーニング用ディスクの硬度よりも高いことを
    特徴とする請求項1又は2又は4記載の磁気転写方法。
  7. 【請求項7】 クリーニング用ディスクの硬度は、磁気
    ディスクの硬度よりも低いことを特徴とする請求項1又
    は2又は4記載の磁気転写方法。
  8. 【請求項8】 前記磁気転写用マスタと前記クリーニン
    グ用ディスクとを密着させる領域は、前記磁気転写用マ
    スタから前記磁気ディスクへ磁気転写する際の磁気転写
    領域を含むことを特徴とする請求項1又は2又は4記載
    の磁気転写方法。
  9. 【請求項9】 前記マスタディスクと潤滑剤の塗布され
    ていない前記クリーニング用ディスクとの密着、離間を
    繰り返すことにより、前記マスタディスク上の異物を除
    去することを特徴とする請求項1又は2又は4記載の磁
    気転写方法。
  10. 【請求項10】 前記クリーニング用ディスクの表面に
    めっき膜を予め塗布させたことを特徴とする請求項1又
    は2又は4記載の磁気転写方法。
  11. 【請求項11】 前記めっき膜は磁気特性を有している
    ことを特徴とする請求項10記載の磁気転写方法。
  12. 【請求項12】 磁気転写を行う前の磁気ディスク表面
    の欠陥を前記検査工程により検査し、欠陥数或いは欠陥
    の大きさが所定の値以下であった場合にはその直後に、
    前記磁気ディスクと前記磁気転写用マスタを密着させ、
    磁気転写を行うことを特徴とする請求項1乃至11に記
    載の磁気転写方法。
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