JP3336885B2 - 押出成形装置 - Google Patents

押出成形装置

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JP3336885B2 JP31921096A JP31921096A JP3336885B2 JP 3336885 B2 JP3336885 B2 JP 3336885B2 JP 31921096 A JP31921096 A JP 31921096A JP 31921096 A JP31921096 A JP 31921096A JP 3336885 B2 JP3336885 B2 JP 3336885B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
などの押出プレスによる押出成形に際して、フィックス
ダミイブロックに対して着脱容易な構造の2つ割のシー
ルブロックで閉じると同時に、前記シールブロックのコ
ンテナ側に配設したシール部材を押圧手段にて押圧した
後、ビレットが押出される前にコンテナとビレット間の
空気をコンテナの外に脱気し、ビレットに空気を含むこ
となく、効果的に無駄なく押出すための改善された押出
成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンテナ内径よりも少し小径のビレット
をコンテナ内に入れた後、コンテナ内でビレットを後方
の押出ステムでダイスに押当て、いわゆるアプセットす
ると、ビレットが押しつぶされコンテナとビレットの間
の空気が圧縮される。この圧縮された空気を放出するた
めに押出ステムとコンテナを僅かに後退させ、ダイスと
コンテナの隙間から上記の圧縮空気を抜いて、再度コン
テナと押出ステムを前進させて押出しを開始する。この
ようにして圧縮された空気を抜くガス抜き工程をバープ
サイクルと呼んでいるが、この工程があることにより、
押出サイクルに無駄な時間が発生する。
【0003】また、この方法だと、バープサイクルで脱
気してコンテナをダイスに押付けたとき、コンテナ内面
とビレット外面の間に、皮1枚程度の薄い状態で空気が
大気圧で残っており、十分な脱気は行なわれていない。
【0004】そこで、ビレットの押出しに際しいかに残
留空気の除去を容易かつ確実に行なえるように、例えば
実公昭55−19605号公報には、2つ割のシールブ
ロックをコンテナの軸線方向と直角な方向に開閉自在に
設け、シールブロックを閉じたときシールブロックの内
面を押出ステムの外面に密接させ得るようにしたものが
記載されている。
【0005】このような2つ割のシールブロックは押出
ステム側のコンテナ端面の上下部に固着されたガイドプ
レートに沿って開閉するようになっており、さらに押出
ステムとコンテナとの間を密封するためのシールパッキ
ンが、カバープレートとシールブロック間および押出ス
テムとシールブロックの内面間にそれぞれ配設された構
成とするとともに、コンテナ1の内面の押出ステム3側
の上部に脱気溝12を設けて脱気し易いようになってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した実
公昭55−19605号公報のものについては、次のよ
うな問題があった。すなわち、 2つ割シールブロックはコンテナ端面に配設された
ガイドプレートに沿って開閉されるが、シールブロック
の開閉の際シールブロックとガイドプレート間に介在し
てあるシールパッキンはコンテナ側からの受熱とコンテ
ナ内に滞留している間に加熱された空気の保有熱によっ
て高温(例えば300℃以上)に晒されるとともに、ガ
イドプレート間で常時擦るためにシールパッキンの劣化
が酷く、シール材の寿命が短かいうえに、シール材の交
換に時間がかかり生産効率が低くなるといった問題があ
る。
【0007】 また、ビレットの押出しを完了した押
出ステムがビレット押出し前の元の位置に戻る際に押出
ステムの先端に設けたフィックスダミイブロックによっ
てコンテナライナの内周面に付着したアルミニウム粕を
フィックスダミイブロックの外周面によって掻き取るた
めアルミニウム粉の粕がガイドプレートの溝に落下しシ
ールブロックの開閉が不十分となるためシール性が悪く
なる。
【0008】 コンテナの内面、いわゆるコンテナラ
イナ内面の押出ステム側の上部に脱気溝が刻設されてい
るため、こうしたコンテナを別の目的に使用しようとす
ると、使用上の制限がでて汎用機として使用することが
できず、脱気溝の無いコンテナライナ内面のものと一々
交換しなければならず、このようなコンテナライナの交
換に多大な交換時間を費やすこととなる。 ビレットのアプセット時にコンテナライナに大きな
外力が作用するが、脱気溝が刻設されているために、こ
の脱気溝の刻設部分に集中応力が作用して機械的強度が
低下するといった問題がある。
【0009】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、コンテナシールを行なっ
てコンテナ内のビレットを押出す前にコンテナ内の空気
を全て脱気することで、ダイスからビレットを押出す前
にバープサイクルと呼んでいる前記ガス抜き工程の必要
のない押出サイクルを提供するとともに、コンテナシー
ル部品の交換を素早く行って製品サイクルをアップする
ようにした押出成形装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、ビレットの装填されるコンテナライナ
を有するコンテナの押出ステム側端面に設けたリング状
の突起部と、前記押出ステムの軸線方向と交差方向に開
閉自在に設けた2つ割のシールブロックと、前記シール
ブロックを閉じた時前記シールブロックの当接面に貼着
したシール部材と前記シールブロックのコンテナ側端面
に設けたシール部材および前記シールブロックの押出ス
テム側端面に設けたシール部材を介して前記リング状突
起部の側端面と押出ステムの外周面に密接させ得るよう
にし、前記シールブロックの前記リング状の突起部側に
配設したシール部材を前記リング状突起部の側端面に押
圧する押圧手段を押出方向に移動自在に配設した押出成
形装置であって、前記2つ割のシールブロックはシール
材保持ブロックとシール材保持ブロックを保持するシー
ルブロックの本体を成す基盤とから構成されるととも
に、一方フィックスダミイブロックまたは押出ステムと
係合して真空脱気可能なシール材保持ブロックを前記基
盤に対して横方向から摺動自在に配設して重畳着脱可能
とし、装着後は貫通孔に係合ピンを挿入して前記シール
材保持ブロックが外れないように係合ピン後部に配設さ
れた係止板と、前記係止板を回動することによりシール
ブロック本体の後端面に配設された係止板に係止される
ようにした真空脱気装置を有した構成にする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る押出成形装
置の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【0012】図1は本発明に係るシールブロックの要部
拡大正面図、図2はシールブロック本体の正面図、図3
は図2のD〜Dからみた側面図、図4はシール材保持ブ
ロックの正面図、図5は図4のE〜Eからみた側面図、
図6は図5のF〜Fからみた仰瞰図、図7は図1のA〜
Aからみた詳細断面図、図8は図1のB〜Bから見た断
面図、図9は図1のC〜Cから見た断面図、図10は押
出成形装置の系統図、図11は図10のG〜Gからみた
側面図、図12は図11の要部拡大図、図13はシール
ブロックを配設したコンテナの平面図、図14は2つ割
のシールブロック同士の当接面にシール材を貼着した場
合の比較図、図15はコンテナライナ内周面に付着した
アルミニウム粕の掻き取り状態を示す説明図、図16は
ビレットローダの正面図、図17は押圧手段によりシー
ルパッキンを突起部側端面に押する説明図、図18は突
起部の拡大断面図、図19は突起部内面の様々な形状を
示す拡大断面図、図20は断熱シールブロックの取付け
構造を説明する説明図、図21はコンテナ内に装填され
たビレットの加圧押出し状態を示す説明図である。
【0013】図10に示すようにエンドプラテン32側
にコンテナライナ1aとコンテナタイヤ2およびコンナ
テホルダ1cから構成されるコンテナ1を摺動させるコ
ンテナシリンダ33が配設されている。符号36はシリ
ンダ本体の一部を構成するシリンダチューブ、37はピ
ストン、38はピストンロッドである。
【0014】符号3はダイスであって、ダイス3の外周
をダイリング5の内周面に摺動自在に嵌合保持してあ
る。31はコンテナの内周面とビレット13の外周面と
の間の隙間であり、脱気空間でもある。一方、ビレット
13を押込む押出ステム14の先端部にコンテナ1内面
と密接し得るフィックスダミイブロック70が設けられ
ている。
【0015】本実施例では、脱気空間31内の残留空気
を吸引除去するための真空吸引装置60について説明す
る。
【0016】まず、コンテナ1内の押出ステム14側よ
り空気を排除する真空吸引装置60は、図11および図
12に示す如く押出ステム14側のコンテナ1の端面に
配設されている。コンテナ1の押出ステム14側の端面
において、正面外周部が略8角形状を有するとともに、
中央部に押出ステム14と略同径の開口部を設けたシー
ルブロック40を2つ割にし、該シールブロック40
(40R、40L)の後部はそれぞれシリンダ43(4
3R、43L)に係合して前後動自在に設けられたピス
トンロッド43Ra、43Laの先端に固着されてい
る。
【0017】そして、ピストンロッド43Ra、43L
aの前後動に伴って、2つ割のシールブロック40R、
40Lは、上下に配設されたガイドロッド42U(42
UR、42UL)、42D(42DR、42DL)に沿
ってコンテナ1の軸線方向と直角な方向に開閉自在とな
っている。
【0018】また、2つ割のシールブロック40R、4
0Lの各当接面40A近傍の上部には一対の上部ガイド
脚62(62R、62L)が対向配設されている。そし
て、上部ガイド脚62(62R、62L)にガイドロッ
ド42U(42UR、42UL)が各々固設され、挿通
環64(64UR、64UL)を挿通した状態でシール
ブロック40(40R、40L)を接離自在となってい
る。
【0019】他方、2つ割のシールブロック40(40
R、40L)の下部にも上部ガイド脚62と同様に各シ
ールブロック40R、40Lの当接面40A近傍に対向
配置された一対の下部ガイド脚63(63R、63L)
にガイドロッド42D(42DR、42DL)が各々固
設され、挿通環64(64DR、64DL)を挿通した
状態でシールブロック40(40R、40L)を接離自
在になっている。
【0020】そして、図11に鎖線で示す如くシールブ
ロック40R、40Lが閉じたとき、シールブロック4
0R、40L同士の当接面40Aからの空気侵入を防止
するためにシールパッキン46(シート状のシール材)
が貼着してある。
【0021】こうしたシールパッキン46は耐熱性と弾
力性を有する例えばスポンジ状のシール材が望ましく、
シリコンゴムスポンジシートやフッソゴムスポンジシー
トのようなものがよい。
【0022】さらに、シールブロック40R、40Lを
閉じたとき、シールブロック40R、40Lの当接面4
0Aに貼着したシールパッキン46同士ならびにシール
ブロック40R、40Lのコンテナ1側端面に設けたシ
ールパッキン41を介して後述する突起部80の端面
と、また、シールパッキン44を介してフィックスダミ
イブロック70または押出ステム14の外周面にそれぞ
れ密接させるようになっている。
【0023】このようなシールパッキン41、44、4
6のうち、シールパッキン41、44の材質は比較的硬
質の紐状シリコンゴムや紐状フッソゴムのような耐熱性
高変形許容、材質が好ましい。また、一方シールパッキ
ン46は前記シールパッキン41、44と比べてスポン
ジ状の軟質ゴム、例えばシリコンゴムスポンジシートや
フッソゴムスポンジシートなどのような耐熱性スポンジ
状材質が好ましい。なお、シールパッキン41および4
4は、1つのみ配設するのてはなく、図8に示すよう
に、それぞれ離間して2重的に配設して、真空脱気時に
外部から空気が進入しないようにしているが、これに限
定することなく3重あるいはそれ以上にすると脱ガスが
徹底される。
【0024】特に、図14に示す如く、2つ割シールブ
ロック40R、40Lをフィックスダミイブロック70
または押出ステム14に対して閉じるとき、フィックス
ダミイブロック70および押出ステム14の外周面とシ
ールパッキン44間の摩擦でシールパッキン44が図1
4(b)のように矢印方向に引張られ当接面40Aの端
部に隙間Sが生じることとなる。
【0025】このため、図14(a)に示す如く2つ割
のシールブロック40R、40Lの当接面40Aのシー
ルパッキン46にスポンジ状の軟質ゴム(各厚さ3m
m)を貼着すると、シールブロック40R、40Lを閉
じることによりシールパッキン46は圧縮されるため
に、圧縮されたシールパッキン46の自由端部はフィッ
クスダミイブロック70および押出ステム14側に突出
ようとして前記のような隙間Sの生じることが防止され
ることとなるのである。
【0026】次に、開閉装置140の構造について説明
する。まず、前記シールブロック40(40R、40
L)は、シールブロック40の本体を成す基盤142
(142R、142L)とシール材としてのシールパッ
キン41、44を保持するシール材保持ブロック58
(58R、58L)とから構成されている。当該開閉装
置140はシールブロック40(40R、40L)、押
圧手段144および係合ピン158から構造されてい
る。正面が略8角形を有し、2つ割りにされて接離自在
に構成された基盤142(142R、142L)と、前
記基盤142と同様に分割構成されたシール材保持ブロ
ック58(58R、58L)とが重畳配設されている。
【0027】該基盤142(142R、142L)は前
述した上部ガイド脚62(62R、62L)および下部
ガイド脚63(63R、63L)に固着されている。図
11に示す如く、基盤142は2分割された左右対象の
構成を有し、左右の基盤142R、142Lのそれぞれ
上下には押圧シリンダ148が装着されている。図7に
示すように、該押圧シリンダ148のシリンダロッド1
49の先端部には押圧手段144が螺着されている。該
押圧手段144は図7に示すように、基部ブロック14
4a、細径部144bおよび押圧部144cから構成さ
れている。
【0028】図2はシールブロック本体を成す基盤14
2の正面図であるが、略コ字状を形成しており、上下に
押圧シリンダ取付座170が設けられている。そして、
押圧シリンダ取付座170に隣接して係合ピン装着基台
172が配設されるとともに、基盤142の中央部分に
も押圧シリンダ取付座170が配設されている。
【0029】一方、前記基盤142に対してシール材保
持ブロック58を横方向から摺動させながら重畳装着し
た後、シール材保持ブロック58が外れないようになっ
ている。すなわち、係合ピン158後部の軸心と直交す
る方向に係止板160が固着されており、貫通孔168
(168a、168b、168c)に差し込んで90度
回すことにより、係止板160が係止部162に簡単に
係止されるようになっている。
【0030】図4〜図6に記載されたシール材保持ブロ
ック58(58R、58L)について述べる。シール材
保持ブロック58は突起部80とダミイブロック70に
対して当接した状態となるようにシールブロック40
R、40Lを閉じてコンテナ1内の残留空気を真空脱気
するに際し、シール材としてのシールパッキン41と4
6とを装着可能にシールパッキン装着溝174、176
が刻設してある。そして、シールパッキン装着溝174
にはシールパッキン44が、またシールパッキン装着溝
176にはシールパッキン41が取付けられている。
【0031】シール材保持ブロック58(58R、58
L)の略中央位置には内側にダミイブロック70または
押出ステム14と当接可能に半円形状を有したシール材
装着基台182が配設してあり、また外側には突片17
8が固着してある。突片178を固着することにより、
基盤142に対してシール材保持ブロック58を横方向
から摺動させながら重畳装着した際に、当該突片178
を基盤142(142R、142L)の略中央位置に穿
設した貫通孔180に嵌入させて、押圧シリンダ148
による押圧手段144の前後動の際に相互にズレを生じ
ないように、係合ピン158を貫通孔168に挿入させ
た後、ロック可能な構造になっている(図8)。
【0032】さらに、シール材保持ブロック58の両端
部には切欠け状の貫通孔150が設けられ、基盤142
に対して横方向からシール材保持ブロック58を出し入
れして短時間のうちに着脱を行うために、当該切欠け状
の貫通孔150には該貫通孔径より小径の細径部144
bが係合可能になっている。図17に示すように、押圧
シリンダ148に給排する空圧により各基盤142に配
設された押圧手段144を構成する基部ブロック144
aを製品押出方向に押圧力Fを作用させ、シールパッキ
ン41を突起部80の端面に押圧することにより、高い
シール性を保持できるようになっている。
【0033】また、前記押圧手段144を押出方向に前
後進させるに際しては、図1に示すように、基盤142
とシール材保持ブロック58間の前後動がスムースに移
動可能なように押出方向に向かってガイドライナ154
が配設してある。
【0034】本発明の特徴であるシールブロック40
(40R、40L)を構成するシール材保持ブロック5
8(58R、58L)と基盤142(142R、142
L)を係合ピン158の着脱によって簡単に分解取り外
しができ、特に交換頻度の高いシールパッキン41、4
4、46の破損や磨耗などによって素早く予備のシール
材保持ブロック58(58R、58L)と短時間、例え
ば3〜4分で交換することで引続き製品押出しが可能で
あるため、生産性の低下にはほとんど影響を及ばさない
のである。
【0035】図9に示すように、ビレット13をコンテ
ナ1内に装填した時に、ビレット13とコンテナライナ
1a間に生じる空間部に残留する空気を外部に排除する
ために、シール材保持ブロック58のシール材装着基台
182の後端面(押出ステム14側)にカプラ164が
配設してあり、ここに可撓性配管8aが簡単に着脱可能
になっている。なお、符号166は脱気孔45の途中に
設けられた盲プラグである。
【0036】図11に実線で示す如くシールブロック4
0R、40Lが後退限まで後退した開状態時には、後述
するビレットローダ111がビレット13を載置した状
態で出入可能なようになっている。
【0037】シールブロック40R、40Lの一部には
各々脱気穴45を設け、脱気穴45には可撓性配管8a
の一端が接続してあり、他端は電磁切替弁90を介して
固定配管8bが配設され、真空タンク20に連続してあ
る。
【0038】図7および図18に示す如く、コンテナ1
の押出ステム14側端面のコンテナライナ1aの外周面
にインローで接してコンテナタイヤ2にコンテナライナ
1aと同心円状の凹部50を形成し、ここに符号47で
示すドーナツ形状の断熱材が嵌め込まれている。この断
熱材47の上に断面が押出ステム14側に向かってL字
形状に突設した突起部80を有した嵌合部材51が一定
ピッチにて配設されたボルト52によって装着されてい
る。
【0039】また、符号56はリング状突部であり、断
熱材47が比較的柔らかい材質で構成されているため、
嵌合部材51を断熱材47の上部に重畳配設した後ボル
ト52によってコンテナタイヤ2の押出ステム14側端
面に装着する際に圧縮変形しないようにストッパの役目
を有するものである。さらに、断熱材47はコンテナ1
内の空気を真空脱気の際に外部からの空気の侵入を防止
するシール材としての機能をも有するようになってい
る。
【0040】また、コンテナタイヤ2の最外部には断熱
押え板48が配設され、前記したボルト52と位相をズ
ラしたピッチサークル位置にて外方からビス54によっ
て装着されている。このように、断熱シールブロック5
5を構成する断熱材47、嵌合部材51、断熱押え板4
8を重畳配設することにより、突起部80の端面の外周
面の温度は約250℃以下となっており、一般にコンテ
ナ1の平均温度が約400℃であるのに対してかなり低
い温度になっている。
【0041】このため、2つ割のシールブロック40の
繰り返し開閉による閉時のシールパッキン41を突起部
80の端面に当接する頻度が高くても熱履歴によってシ
ールパッキン41が劣化しないようにするとともに、コ
ンテナ1側からの熱の一部が熱伝導によって真空吸引装
置60に伝わらないようになっており、さらに、前述し
たシールブロック40R、40Lは断熱材47の上方に
配設した断熱押え板48表面と摺動することなく後退限
位置と前進限位置間を前後移動可能に配設されている。
なお、断熱材47の材質としては、例えばシリカ系の微
細多孔構造のものがよく、断熱シールブロック55とし
ては、例えば工具鋼や耐熱用鋼が用いられる。そして、
断熱押え板48としては、例えば高機能性樹脂が好適で
ある。
【0042】特に、図20(1)に示す汎用機用押出プ
レス装置のコンテナ1の押出ステム14の端面側を、図
20(2)に示すように断熱シールブロック55によっ
て全体的に覆うようにすると、コンテナ2の端面が押出
ステム14側に突設してしまいNO.2ビレットローダ
111bと干渉してしまうため、このような干渉するの
を回避しようとすると、例えば、押出ステム14の長さ
を長くしたり、あるいはビレットローダ111そのもの
を押出ステム14側に移動しなくてはならずビレットロ
ーダ111を大幅に改造する必要が生じる。
【0043】また、断熱シールブロック55によって全
体的に覆うようにすると、製作費用がかかるのみなら
ず、断熱シールブロック55をコンテナタイヤ1aの端
面に取付けるために多くのボルトを開けなければならず
コンテナ1の強度上の問題点がある。
【0044】本実施例において、図20(3)に示すよ
うに単に断熱シールブロック55によってコンテナ2の
端面を全体的に覆うのでなく、コンテナタイヤ1aにド
ーナツ状の凹部50を設けて、ここに断熱シールブロッ
ク55を装着すると断熱押え板48の突起部80の突起
長さが短くてすみ、また、断熱シールブロック55を構
成する断熱押え板48の突起部80と干渉しないような
寸法の短いNO.2ビレットローダ111bのビレット
ライナ111cと交換するようにしたものである。
【0045】本実施例では、さらに図20(1)に示す
ような汎用機用押出プレス装置のコンテナ1に戻す場合
には、断熱シールブロック55を取外すとともに、図2
0(5)のような復旧ブロック57を図示しないボルト
等で適宜取付けることによって達成することができるの
である。
【0046】また、前記断熱押え板48に設けられた突
起部80の内径Yは、図18に示す如くコンテナライナ
1aの内径Xよりも大きく構成されている(Y>X)。
これは、押出時にフィックスダミイブロック70の先端
拡径部49にアルミニウム粕が付着しこの先端拡径部4
9が増径して、仮にコンテナライナ1aの内径Xと同径
になったとしても、突起部80の内径YにおいてX−Y
間の環状隙間が形成してあるためコンテナ1内の空気が
容易に脱気できるようになっている。
【0047】また、押出ステム14でビレット13をコ
ンテナ1内に押込む際に押込みが容易にできるようにし
たものであり、このため、さらに突起部80の押出ステ
ム14側の端面には、突起部80の押出ステム14の端
面からビレット13をコンテナ1内に容易に押込みなが
ら押出ステム14のフィックスダミイブロック70の先
端拡径部49が突起部80の内径をスムースに通過でき
るように、拡径されたテーパがつけてある。さらに、コ
ンテナライナ1aの突起部80側端面にも拡径されたテ
ーパがつけてあり、このテーパ端に引続いて突起部80
の内面に繋がれるようになっている。
【0048】フィックスダミイブロック70の先端拡径
部49が突起部80の内径を通過する場合は、円形形状
の先端拡径部49と円形形状の突起部80の内径間で環
状隙間を形成するが、これに限定することなく、図19
(3)に示すように突起部80の内径に突設部80aを
部分的に設けることにより、押出ステム14間で間欠環
状を有した隙間にした構成にしてもよいし、他の隙間形
状にしてもよい。前記したように嵌合部材51の押出ス
テム14側にはコンテナライナ1aの相当位置に正面が
円形状の突起部80が配設され、この突起部80の端面
に対してシールブロック40R、40Lを押し付けたと
きシールパッキン41を介して密封されるようになって
いる。符号20は真空タンク、21は真空ポンプ、22
はモータである。
【0049】さらに、本発明の大きな特徴は2つ割シー
ルブロック40R、40Lが開閉する際に、カバープレ
ートやガイドレールといったものが何もなく、これは前
述したようにシールブロック40R、40Lが開放する
場合には、ガイドロッド42U、42Dが挿通環64
(64UL、64UR、64DL、64DR)にガイド
されながら行なえるためである。
【0050】このため、コンテナタイヤ2とコンテナラ
イナ1aの交換が容易に行なえるのみならず図15に示
すように、ビレット13の押出しを完了した押出ステム
14がビレット13押出し前の元の位置に戻る際に押出
ステム14の先端に設けたフィックスダミイブロック7
0によってコンテナライナ1aの内周面に付着したアル
ミニウム粕をフィックスダミイブロック70の外周面に
よって掻き取ることになっても剥離したアルミニウム粕
が突起部80内周面先端から下方へ落下するだけで、従
来のようにガイドプレートの溝に落下しシールブロック
40の開閉が不十分となってシール性が悪化することは
ないのである。
【0051】次は図11および図16を用いてビレット
ローダ111について説明する。図11および図16に
示すビレットローダ111はNo.1ビレットローダ1
11aとNo.2ビレットローダ111bから構成され
ており、成形素材としてのビレット13をコンテナ1の
ビレット装填口126まで移送供給するものであるが、
これは成形機の片方の側部に設置されたビレットキャリ
ア(図示略)によって送られてくるビレット13を1本
ずつ掴んで、コンテナ1のビレット装填口126まで持
上げ移動するようになっている。なお、No.1ビレッ
トローダ111aとNo.2ビレットローダ111bは
同一構成となっている。
【0052】ビレットキャリア(図示略)によってビレ
ット13がコンテナ1の下部位置に1本ずつ供給される
が、ビレットローダ111はこれを掴み持ってビレット
装填口126に移送されるように構成されている。この
ためビレットローダ111はビレットキャリアに対向し
て配置されており、成形機の押出中心線と直交する平面
に沿って旋回可能に形成されたスイングアーム128を
備えている。
【0053】すなわち、スイングアーム128は、成形
機の下部タイロッド129の外側部に配置された旋回中
心軸130に一端が枢着され、スイング動作時にタイロ
ッド129に干渉しないように拡開V字状に屈曲されて
下部タイロッド129の下部からコンテナ1の下方に延
長されている。そしてスイングアーム128の先端部が
スイング動作によりビレットキャリアの載置台(図示
略)とコンテナ1のビレット装填口126との間を往復
移動するように設定されている。また、スイング動作を
行なわせるために、スイングアーム128には油圧駆動
シリンダ装置132が連結され、その伸縮動作によりス
イングアーム128を駆動するようにしている。
【0054】ここで、上記スイングアーム128の先端
部にはビレット13を掴み持つビレット保持部133が
取付けられている。このビレット保持部133はコンテ
ナ装填位置においてビレット13の下面を支承する台座
134が配設してある。
【0055】なお、押出ステム14側の構造は、フィッ
クスダミイブロック70と押出ステム14とをバイオネ
ットブロック72を介してバイオネット結合した場合
と、フィックスダミイブロック70と押出ステム14と
を直接、ねじ結合する場合とがある。
【0056】本実施例ではフィックスダミイブロック7
0と押出ステム14とをバイオネット結合した場合の構
造について代表して詳述する。
【0057】フィックスダミイブロック70は押出ステ
ム14の前面に固定して設け、かつコンテナライナ1a
内に摺動可能に設けられている。前記押出ステム14の
後端部は、図10に示す如くステムホルダ73とプレッ
シャリング74を介してクロスヘッド75に固定されて
いる。
【0058】押出ステム14の前面には、バイオネット
ブロック72が配設されており、バイオネットブロック
72内の後半部には、外径断面が円状のコネクションロ
ッド76の先端部に設けられたねじに螺合されている。
コネクションロッド76の後端部は大径部76aになっ
ていて、押出ステム14の後端部の穴の中にテーパ面で
係合され、固定されている。
【0059】次に、押出成形装置の作用について説明す
る。
【0060】押しつぶされる状態を図21に示す。図2
1に示すように、まず、コンテナシリンダ33のロッド
側に圧油を供給し、ピストン37を左方向に移動させ、
ダイス3から離れているコンテナ1を前進させてダイス
3とコンテナ1とを当接する。
【0061】この動作が終了すると、次いでビレット1
3を載置した状態でビレットローダ111が上昇し押出
ステム14を前進(図21(1))させると、ビレット
13はコンテナ1内に押込まれる(図21(2))。そ
して、ビレット13の後端部がコンテナ1内の押出ステ
ム14側端面側に近い位置まで押込まれる、この時、コ
ンテナ1とダイス3とビレット13間の脱気空間31と
真空吸引装置60が連通されるようにする。
【0062】この状態でシリンダ43を作動させて2つ
割のシールブロック40を閉じた後、4つの押圧シリン
ダ148に空油を導入して、押圧手段144を同調させ
てシールブロック40を嵌合部材51の一旦部を形成す
る突起部80の端面側に押しつけると、シールパッキン
41は突起部80の端面側に強く押し付けられると同時
にシールパッキン44は押出ステム14に当接させ、押
出ステム14とコンテナ1との間を密封するとともに、
真空吸引装置60を起動し電磁切替弁90を励磁してコ
ンテナ1内と真空タンク20とを通気可能な状態下にて
真空吸引が行なわれる(図21(3))。
【0063】押出ステム14側の密閉空気は2つ割シー
ルブロック40の一部に設けられている脱気穴45を通
り、配管8a上の電磁切替弁90からさらに配管8bを
介して真空タンク20へ吸引排出される。こうして、シ
ールブロック40の脱気穴45から素早く十分に脱気さ
れる。
【0064】真空タンク20内はすでに真空ポンプ21
により例えば0〜5Torrの真空状態にある。先に、
押出ステム14の前進に伴いビレット13がコンテナ1
内に押込まれるが、この押込み時にフィックスダミイブ
ロック70の先端拡径部49がシールブロック40を通
過するとともにシールブロック40を閉にするのであ
る。
【0065】この状態で電磁切替弁90を励磁するとコ
ンテナ1内の残存エアは真空タンク20により真空吸引
が開始されると0.2〜0.5秒程度でコンテナ1内は
5〜30Torrになる。そして、さらに押出ステム1
4を前進し、ビレット13の先端部がダイス3に当たる
とサイドシリンダ内の圧油が所定圧力になった時点でメ
インシリンダ(図示なし)に切替えアプセットを完了す
るのである(図21(4))。
【0066】この後、押出ステム14は休むことなく前
進を続けビレット13は押しつぶされる。次に引続いて
押出しに入り、ダイス3から製品が押出されるのであ
る。ビレット13のアプセット完了後、押出ステム14
の前進に伴って製品押出しが開始されてから適宜な時間
(ビレット13の押出し開始前の初期長さから例えば1
/3ぐらい押出した状態)経過後に脱気動作を停止し、
次いで押圧シリンダ148に空油を導入して押圧手段を
後退させる。引続きシールブロック40(40R、40
L)を開放し、直ちに元の後退限位置まで戻るのであ
る。その後も押出ステム14による押出しが行なわれ、
押出しが完了すると押出ステム14を後退させ次成形サ
イクルに入る。
【0067】シールパッキン41、44、46などの破
損や磨耗などによって所望の真空度が保持できなくなっ
た時は、素早く予備のシール材保持ブロック58R、5
8Lと交換する必要がある。この場合、まず3つの係止
板160が係止部162から外れる位置までそれぞれ回
転させて抜き取る。引続き破損等を受けたシール材保持
ブロック58を取り出し、予備のシール材保持ブロック
58を新たに差し込んで基盤142とシール材保持ブロ
ック58とを重畳装着した後、係合ピン158を差し込
み、3つの係止板160が係止部162に係合されるま
で回動させることで、再度押出ステム14の前進による
ビレット13の押出し作業が開始可能となる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明では コンテナの押出ステム側端面に配設した2つ割のシ
ールブロックを押出ステムの軸線方向と交差方向に閉じ
るとともに、コンテナの突起部端面に押圧手段をより強
く押圧することによりシールが十分で真空度が高く、脱
気が十分に行なえる。 2つ割のシールブロックのシール時間が短いためア
イドル時間が短かい。 2つ割のシールブロックを閉じるときはリング状の
突起部端面と押出ステム外周部に当接する直前までは離
間しており、シールパッキンの寿命が長い。 ビレットを押出し後、押出ステムを後退させる際に
フィックスダミイブロックの外周面によってアルミニウ
ム粕を掻き取ってコンテナ外方へ落下しても、2つ割ブ
ロックを溝などに沿って開放していないためアルミニウ
ム粕が詰まることがなく高いシール性が保持できる。 従来のようにバープサイクルを行なう必要がないの
で、アイドルタイムの短縮が図れる。 真空度を保ためのシールパッキンが劣化、破損ある
いは磨耗して、取り替える必要が生じた時の交換時間が
短いために、生産効率が低下しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシールブロックの要部拡大正面図
である。
【図2】シールブロック本体の正面図である。
【図3】図2のD〜Dからみた側面図である。
【図4】シール材保持ブロックの正面図である。
【図5】図4のE〜Eからみた側面図である。
【図6】図5のF〜Fからみた仰瞰図である。
【図7】図1のA〜Aからみた詳細断面図である。
【図8】図1のB〜Bから見た断面図である。
【図9】図1のC〜Cから見た断面図である。
【図10】押出成形装置の系統図である。
【図11】図10のG〜Gからみた側面図である。
【図12】図11の要部拡大図である。
【図13】シールブロックを配設したコンテナの平面図
である。
【図14】2つ割のシールブロック同士の当接面にシー
ル材を貼着した場合の比較図である。
【図15】コンテナライナ内周面に付着したアルミニウ
ム粕の掻き取り状態を示す説明図である。
【図16】ビレットローダの正面図である。
【図17】押圧手段によりシールパッキンを突起部側端
面に押する説明図である。
【図18】突起部の拡大断面図である。
【図19】突起部内面の様々な形状を示す拡大断面図で
ある。
【図20】断熱シールブロックの取付け構造を説明する
説明図である。
【図21】コンテナ内に装填されたビレットの加圧押出
し状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 コンテナ 2 コンテナタイヤ 3 ダイス 13 ビレット 14 押出ステム 20 真空タンク 21 真空ポンプ 31 脱気空間 32 エンドプラテン 33 コンテナシリンダ 40(40R、40L) シールブロック 41、44、46 シールパッキン 42 ガイドプレート 45 脱気穴 47 断熱材 48 断熱押え板 50 凹部 51 嵌合部材 55 断熱性シールブロック 56 リング状突部 57 復旧ブロック 58(58R、58L) シール材保持ブロック 60 真空吸引装置 70 フィックスダミイブロック 80 突起部 90 電磁切替弁 111(111a、111b) ビレットローダ 126 ビレット装填口 128 スイングアーム 129 下部タイロッド 130 旋回中心軸 132 油圧駆動シリンダ装置 133 ビレット保持部 134 台座 140 開閉装置 142(142R、142L) 基盤(シールブロック
本体) 144 押圧手段 144a 基部ブロック 144b 細径部 144c 押圧部 146 係合ピン 148 押圧シリンダ 150 貫通孔 154 ガイドライナ 160 係止板 162 係止部 164 カプラ 168(168a、168b、168c) 貫通孔 170 押圧シリンダ取付座 172 係合ピン装着基台 174 シールパッキン装着溝(シールパッキン44
用) 176 シールパッキン装着溝(シールパッキン41
用) 178 突片 180 貫通孔 182(182R、182L) シール材装着基台

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビレットの装填されるコンテナライナを
    有するコンテナの押出ステム側端面に設けたリング状の
    突起部と、前記押出ステムの軸線方向と交差方向に開閉
    自在に設けた2つ割のシールブロックと、前記シールブ
    ロックを閉じた時前記シールブロックの当接面に貼着し
    たシール部材と前記シールブロックのコンテナ側端面に
    設けたシール部材および前記シールブロックの押出ステ
    ム側端面に設けたシール部材を介して前記リング状突起
    部の側端面と押出ステムの外周面に密接させ得るように
    し、前記シールブロックの前記リング状の突起部側に配
    設したシール部材を前記リング状突起部の側端面に押圧
    する押圧手段を押出方向に移動自在に配設した押出成形
    装置であって、前記2つ割のシールブロックはシール材
    保持ブロックとシール材保持ブロックを保持するシール
    ブロックの本体を成す基盤とから構成されるとともに、
    一方フィックスダミイブロックまたは押出ステムと係合
    して真空脱気可能なシール材保持ブロックを前記基盤に
    対して横方向から摺動自在に配設して重畳着脱可能と
    し、装着後は貫通孔に係合ピンを挿入して前記シール材
    保持ブロックが外れないように係合ピン後部に配設され
    た係止板と、前記係止板を回動することによりシールブ
    ロック本体の後端面に配設された係止板に係止されるよ
    うにした真空脱気装置を有したことを特徴とする押出成
    形装置。
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