JP3336704B2 - 水現像性感光性樹脂組成物 - Google Patents

水現像性感光性樹脂組成物

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JP3336704B2
JP3336704B2 JP28452593A JP28452593A JP3336704B2 JP 3336704 B2 JP3336704 B2 JP 3336704B2 JP 28452593 A JP28452593 A JP 28452593A JP 28452593 A JP28452593 A JP 28452593A JP 3336704 B2 JP3336704 B2 JP 3336704B2
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性樹脂組成物に関
する。より詳しくは、水による膨潤が少なく強度低下、
寸法変化が小さいにもかかわらず、水による現像が可能
な感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、感光性樹脂組成物は、フォトレジ
スト、インキ、印刷版等に広く利用されているが、フォ
トレジストや印刷版の多くが、現像時に有機溶剤を使用
している。近年、作業時の安全性、健康上の問題に加え
環境に及ぼす有機溶剤の影響が問題となっており、安全
上問題がない水による現像が可能な感光性樹脂組成物が
望まれている。このような要求に対し、例えば水溶性ポ
リマーをベース材料とした感光性樹脂組成物が提案され
ている。しかしながら、従来知られている水現像性感光
性樹脂組成物は、水に対する親和性が高く、膨潤による
強度低下や寸法の変化が生じ、その結果、例えばレジス
トの寸法精度の低下や印刷版の耐刷性、印刷品質の低下
を招くなどの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題に
鑑みてなされたものであり、水に対する膨潤が少なく、
強度低下や寸法の変化が少ないのもかかわらず、水現像
性を有している感光性樹脂組成物を提供することを目的
としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (1)脂肪族共役ジエンからなる構成成分10〜95
モル%、1個の付加重合可能な基を有し、かつ、カル
ボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基か
らなる官能基の群から選ばれた1種の官能基を含有する
単量体からなる構成成分0.1〜30モル%、少なく
とも2個の付加重合可能な基を有する単量体からなる構
成成分0.1〜20モル%、及び1個の付加重合可能
な基を有する、前記以外の単量体からなる構成成分0
〜70モル%にラジカル開始剤を添加して乳化重合又は
懸濁重合を行うことにより得られる粒子状共重合体、 (2)ハードセグメントおよびソフトセグメントより
主としてなり、セグメントの一方または双方に、カルボ
キシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基から
なる官能基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を
含有し、かつ、ハードセグメントが、20℃以上のガ
ラス転移点を有する熱可塑性非エラストマー状重合体ブ
ロックであり、ソフトセグメントが、10℃以下のガラ
ス転移点を有するエラストマー状重合体からなる官能基
含有ブロック状共重合体、 (3)光重合性不飽和単量体、 (4)光重合開始剤を含有することを特徴とする水現像
性感光性樹脂組成物を要旨とするものである。
【0005】本発明において、官能基含有ブロック共重
合体が、芳香族ビニル系重合体からなる熱可塑性非エラ
ストマー状重合体ブロックと、水素添加されたジエン系
重合体からなるエラストマー状重合体ブロックとからな
り、ブロックの一方または双方に、カルボキシル基、ア
ミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基からなる官能基の
群から選ばれた少なくとも1種の官能基を含有したもの
が特に好ましい。
【0006】以下、本発明を詳細に説明するが、これに
より本発明の目的、構成および効果が明確になるであろ
う。 成分(1) まず、本発明の水現像性感光性樹脂組成物を構成する第
1の成分である粒子状共重合体(以下成分(1)とい
う)は、脂肪族共役ジエンからなる構成成分、1個
の付加重合可能な基を有し、かつ、カルボキシル基、ア
ミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基からなる官能基の
群から選ばれた1種の官能基を含有する単量体からなる
構成成分、少なくとも2個の付加重合可能な基を有す
る単量体からなる構成成分を本質的成分とし、必要に応
じて1個の付加重合可能な基を有する、前記以外の
単量体からなる構成成分からなる粒子状共重合体であ
る。成分(1)の脂肪族共役ジエンには、例えばブタ
ジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン、クロロプレ
ンなどが挙げられる。の含有量は、10〜95モル%
で、好ましくは30〜90モル%である。の含有量が
10モル%未満では、光硬化した後の組成物重合体の強
度が低い。また、95モル%を越えると感光性樹脂組成
物の水現像性が劣る。
【0007】成分(1)の官能基を含有する単量体に
は、カルボキシル基含有単量体の例として、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、テトラコン酸やコハク酸、フマル酸等のジカルボン
酸と付加重合性基を有する不飽和アルコールとのハーフ
エステル等が挙げられ、アミノ基含有単量体の例とし
て、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリ
ル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジエ
チルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノ
エチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノプロピル、
ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノメ
チル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド等が挙げられ、ヒドロキシル基含有
単量体の例として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポ
リアルキレングリコール(アルキレングリコールの繰り
返し単位2〜12)のモノ(メタ)アクリレート等が挙
げられ、エポキシ基含有単量体の例としては、(メタ)
アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等が
挙げられる。
【0008】上記の官能基の種類は、目的に応じ任意
に選択することが可能だが、カルボキシル基もしくはア
ミノ基のいずれかを含有する単量体が、水現像性感光性
樹脂組成物の特性を幅広い範囲で容易に制御できるため
に好ましい。の含有量は、0.1〜30モル%で、好
ましくは0.5〜20モル%である。0.1モル%以下
では得られる感光性樹脂組成物の水現像性が乏しく、3
0モル%を越えると得られる組成物が硬く脆くなり、い
ずれも好ましくない。成分(1)のには、例えばエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレングリコー
ルジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレ
ート、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,4ーブタ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6ーヘキサン
ジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。こ
れらの少なくとも2個の付加重合可能な基を有する単量
体は、単独あるいは2種以上混合して用いることができ
る。
【0009】の含有量は0.1〜20モル%で、好ま
しくは0.5〜10モル%である。が0.1モル%未
満では組成物の水現像性が劣り、また、20モル%を越
えると粒子状重合体と光重合性単量体との相溶性が悪く
加工性が悪化し、光硬化した後の重合体組成物の強度低
下が著しい。成分(1)の1個の付加重合可能な基を
有する、前記以外の単量体には、例えばスチレン、α
ーメチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリ
ル、ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、(メタ)ア
クリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、nープロピル(メタ)アクリレ
ート、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート等を挙
げることができる。成分(1)は、平均粒子径20〜1
000nm粒子状であることが好ましい。平均粒子径が
20nm未満では光硬化後の組成物の反発弾性が劣る傾
向にあり、1000nmを越えると光硬化後の組成物の
強度が劣る傾向にあり、いずれも好ましくない。この粒
子状重合体は、粒子表面を親水化し、粒子内部を疎水化
することによって、水現像性感光性樹脂組成物の耐水性
と水現像性が更に向上する。
【0010】成分(1)は、ラジカル開始剤を用いた乳
化重合法あるいは懸濁重合法により粒子状共重合体とし
て製造されるが、粒子の大きさ、粒子サイズの均一さか
ら乳化重合法を用いるのが望ましい。各単量体やラジカ
ル開始剤などの重合薬剤は、反応開始時に全量添加して
も良いし、反応開始後任意に分けて添加してもよい。重
合は0〜80℃において酸素を除去した反応器中で行わ
れるが、反応途中で温度や攪拌などの操作条件を任意に
変更することができる。重合方式は連続式、回分式のい
ずれも可能である。ラジカル開始剤としては、ベンゾイ
ンペルオキシド、クメンハイドロペルオキシド、パラメ
ンタンハイドロペルオキシド、ラウロイルペルオキシド
などの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルで代
表されるジアゾ化合物、過硫酸カリウムで代表される無
機化合物、有機化合物一硫酸鉄の組合せで代表されるレ
ドックス系触媒などが用いられる。
【0011】成分(2) 本発明の水現像性感光性樹脂組成物を構成する第2の成
分であるブロック状共重合体(以下、成分(2)とい
う)は、ハードセグメントおよびソフトセグメントよ
り主としてなり、セグメントの一方または双方に、カル
ボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基か
らなる官能基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基
を含有し、かつ、ハードセグメントが、20℃以上の
ガラス転移点を有する熱可塑性非エラストマー状重合体
ブロックであり、ソフトセグメントが、10℃以下のガ
ラス転移点を有するエラストマー状重合体からなる官能
基含有ブロック状共重合体である。前記の(2)官能基
含有ブロック共重合体は、その中のハードセグメントが
芳香族ビニル系重合体、特にスチレン重合体からなり、
ソフトセグメントがジエン系重合体、特にブタジエン重
合体またはイソプレン重合体からなるものが好ましい。
さらに、前記ソフトセグメントは、一部または全部が水
素化されたジエン系重合体からなるものが好ましい。
【0012】本発明において、(1)粒子状共重合体
は、カルボキシル基またはアミノ基を官能性基として含
有し、(2)官能基含有ブロック共重合体は、(1)粒
子状共重合体がカルボキシル基を含有する場合はアミノ
基を、アミノ基を含有する場合はカルボキシル基を官能
基として含有したものが好ましい。共重合体中に上記官
能基を導入する方法に関しては特に制限はなく、上記官
能基を含有し、かつ1個の付加重合可能な基を含有する
単量体を他の単量体成分と共に共重合する方法、或い
は、予め上記要件を満たすブロック状共重合体製造に
要する一連の合成過程を経た後、グラフト反応により上
記官能基を共重合体中に導入する等、公知の手法を用い
ることができる。
【0013】成分(2)中に導入する官能基の種類は、
目的に応じ任意に選択することができる。成分(2)の
共重合体を構成するハードセグメントは、20℃以上の
ガラス転移点を有する熱可塑性の非エラストマー状重合
体ブロックである。ハードセグメント構成する単量体成
分の好ましい例には、ビニル芳香族化合物が挙げられ
る。具体的には、スチレン、t−ブチルスチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジメチル−
p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−ア
ミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられ、
特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。ハード
セグメントは、上記ビニル芳香族化合物と上記の官能基
を含有する単量体との共重合を行うことによっても得る
ことができる。また、上記のガラス転移温度領域の範囲
内で、共役ジエン化合物やその他の単量体成分との共重
合を行って得ることができる。
【0014】ソフトセグメントは、10℃以下のガラス
転移点を有するエラストマー状重合体ブロックである。
ソフトセグメントを構成する単量体成分の好ましい例と
して共役ジエン化合物が挙げられる。具体的には、1,
3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,
3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−
1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5
−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,
3−オクタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、
工業的に利用でき、また物性の優れた重合体ブロックを
得るには、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−
ペンタジエンが好ましく、より好ましくは、1,3−ブ
タジエン、イソプレンである。成分(2)を構成するソ
フトセグメントは、必要に応じ、上記共役ジエン化合物
と上述の官能基含有化合物との共重合を行うことによっ
ても得ることができ、また上述のガラス転移温度領域の
範囲内でビニル芳香族化合物やその他の単量体成分との
共重合を行う事によっても得ることができる。成分
(2)として用いられる重合体ブロックの構造は、目的
に応じ自由に選択することができるが、好ましくは、下
記(2−1)、(2−2)、(2−3)、もしくは、そ
の水素添加物からなる群から選ばれた少なくとも1種類
から構成される。
【0015】成分(2−1) ビニル芳香族化合物重合体ブロック(A)と、共役ジエ
ン重合体ブロックもしくはビニル芳香族化合物と共役ジ
エンとのランダム共重合体ブロック(B)とからなる
(A)−(B)ブロック共重合体、または、これに必要
に応じてビニル芳香族化合物と共役ジエンのうちビニル
芳香族化合物が漸増するテーパープロック(C)とから
なる(A)−(B)−(C)ブロック共重合体、もしく
はビニル芳香族重合体ブロック(A)からなる(A)−
(B)−(A)ブロック共重合体、或いは、前記(A)
−(B)ブロック共重合体、(A)−(B)−(C)ブ
ロック共重合体、あるいは(A)−(B)−(A)ブロ
ック共重合体を、カップリング剤残基を介して下記一般
式で表されるような、重合体分子鎖が延長または分岐さ
れたブロック共重合体であってもよい。 〔(A)−(B)〕n−X, 〔(A)−(B)−(C)〕n−X,または 〔(A)−(B)−(A)〕n−X (式中、nは2〜4の整数、Xはカップリング剤残基を
示す。)
【0016】全モノマー中のビニル芳香族化合物/共役
ジエンの割合は、重量比で5から0/95〜40、好ま
しくは7〜50/93〜50である。ビニル芳香族化合
物の含有量が5重量%未満では、得られる(水添)共重
合体ブロックを配合する場合混練り分散性に劣り、一
方、ビニル芳香族化合物の含有量が60重量%を越える
場合、得られる組成物の硬度が上昇し、いずれも好まし
くない。また、ビニル芳香族化合物重合体ブロック
(A)と必要に応じて構成されるテーパーブロック
(C)成分中のビニル芳香族化合物の結合含量の合計量
は、ブロック共重合体全体の3〜50重量%、好ましく
は5〜40重量%、さらに好ましくは7〜30重量%、
かつ(A)成分は少なくとも3重量%、好ましくは5〜
15重量%である。前記(A)成分あるいは(A)成分
と(C)成分との合計量が3重量%未満では、得られる
(水添)共重合体ブロックを配合した場合、混練り分散
性に劣るものとなり、一方50重量%を越えるとえられ
る組成物の硬度が上昇し、いずれも好ましくない。
【0017】さらに、共役ジエン重合体もしくはビニル
芳香族化合物と共役ジエンとのランダム共重合体ブロッ
ク(B)中の共役ジエン部分のビニル結合含量は40%
を越える量、好ましくは60%以上、さらに好ましくは
70%以上、特に好ましくは80%以上である。このビ
ニル結合含量が40%以下では、配合組成物に対する柔
軟改良性効果が低下する。また、成分(2−1)製造に
際して用いられるカップリング剤としては、たとえは、
アジピン酸ジエチル、ジビニルベンゼン、テトラクロロ
ケイ素、ブチルトリクロロケイ素、テトラクロロスズ、
ブチルトリクロロスズ、ジメチルクロロケイ素、テトラ
クロロゲルマニウム、1,2−ジブロムエタン、1,4
−クロルメチルベンゼン、ビス(トリクロルシリル)エ
タン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネー
ト、1,2,4−ベンゼントリイソシアネートなどが挙
げられる。
【0018】本発明の成分(2−1)を上記共重合体ブ
ロックの水素添加により得る場合は、ブロック(B)の
共役ジエン部分の二重結合の少なくとも70%、好まし
くは80%以上、さらに好ましくは85%以上が水添さ
れて飽和されていることが好ましく、70%未満では用
途によっては耐熱性に劣る場合もある。本発明の成分
(2−1)は、数平均分子量が3万〜80万、好ましく
は4万〜70万であり、3万未満では、配合組成物の機
械的強度が低下し、一方70万を越えると、得られる組
成物の水現像性が低下し、いずれも好ましくない。組成
中に導入する官能基の種類としては上記の通り、カルボ
キシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基から
なる官能基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を
含有する化合物であれば、目的に応じ、後述する範囲内
で任意に選択することができる。成分(2−1)製造に
際しての官能基の導入は、上記重合体ブロック(A)、
(B)、(C)を構成する単量体成分の一部として共重
合により導入する、または、予め上記共重合体ブロック
を製造した後、付加反応により官能基を導入する等、公
知の方法を用いて行うことができるが、得られる水現像
性感光性樹脂組成物の特性を幅広い範囲で容易に制御で
きるという点から、付加反応により官能基を導入する方
法が現実的であり好ましい。
【0019】成分(2−2) 成分(2−2)はビニル芳香族化合物90〜100重量
%と脂肪族共役ジエン化合物10〜0重量%とからなる
重合体ブロック(D)、ビニル結合含量が30〜90モ
ル%の脂肪族共役ジエン重合体ブロック(E)、ビニル
結合含量が30モル%未満の脂肪族共役ジエン重合体ブ
ロック(F)からなる、(D)−(E)ブロック共重合
体、(D)−(E)−(F)ブロック共重合体もしくは
(D)−(E)−(D)ブロック共重合体、或いは、前
記(D)−(E)ブロック共重合体、(D)−(E)−
(F)ブロック共重合体、あるいは(D)−(E)−
(D)ブロック共重合体を、カップリング剤残基を介し
て下記一般式で表されるような、重合体分子鎖が延長ま
たは分岐されたブロック共重合体であってもよい。 〔(D)−(E)〕n−X, 〔(D)−(E)−(F)〕X〔(D)−(E)〕, 〔(D)−(E)−(F)〕n−X,または 〔(D)−(E)−(D)〕n−X (式中、nは2〜4の整数、Xはカップリング剤残基を
示す。)
【0020】上記重合体ブロック(D)はビニル芳香族
化合物の重合体ブロックまたは芳香族ビニル化合物が9
0重量%以上の共役ジエンとの共重合体ブロック(D)
のビニル芳香族化合物含量が90重量%未満では、得ら
れる組成物の強度が低下し好ましくない。重合体ブロッ
ク(D)の成分(2−2)に占める含量は、10〜50
重量%である。重合体ブロック(D)の含量が10重量
%以下では、得られる組成物の強度の改良が不充分であ
り、一方50重量%を越えると、得られる組成物の硬度
が上昇し、いずれも好ましくない。重合体ブロック
(E)の成分(2−2)に占める含量は、30〜90重
量%である。成分(2−2)中の重合体ブロック(E)
の含量が30重量%未満では、柔軟性が低下し、一方9
0重量%を越えると加工性が低下し、いずれも好ましく
ない。また、重合体ブロック(E)に占めるビニル結合
含量は30〜90%、好ましくは40〜70%であっ
て、水素化を行う場合は共役ジエン部分の二重結合を7
0%以上水素化された共役ジエン重合体ブロックであ
る。重合体ブロック(E)は、共役ジエン部分の二重結
合が100%水素化されると、エチレン、ブテン−1が
ランダムに共重合された重合体ブロックとなる。重合体
ブロック(E)が水素化されたものである場合、水素化
前の共役ジエンブロックのうち、ポリブタンにおいて、
ビニル結合含量が30%未満では、水素化されるとポリ
エチレン連鎖が生成し、ゴム的性質が失われ、一方、9
0%を越えると、水素化されるとガラス転移温度が高く
なり、ゴム的性質が失われていずれも好ましくない。
【0021】成分(2−2)を構成する重合体ブロック
(F)は、その含量は5〜30重量%、好ましくは8〜
25重量%である。成分(2−2)中の重合体ブロック
(F)の含量が5重量%未満では、機械的強度が低下
し、一方30重量%を越えると、柔軟性が劣り、いずれ
も好ましくない。また、重合体ブロック(F)に占める
ビニル結合含量は30%未満、好ましくは3〜20%で
あり、水素添加を行った後成分(2−2)として用いる
場合には重合体ブロック(F)のジエン成分に由来する
二重結合を70%以上水素化させることが望ましい。重
合体ブロック(F)中の水素添加前のビニル結合含量が
30%以上では、水素化されると得られる配合物の強度
が低下し、好ましくない。
【0022】成分(2−2)の数平均分子量は、3〜8
0万、好ましくは4〜70万であり、3万未満では得ら
れる組成物の機械的強度が低下し、一方80万を越える
と加工性および水現像性が低下し、いずれも好ましくな
い。また、成分(2−2)製造に際し用いられるカップ
リング剤は、成分(2−1)で使用されるものと同様の
ものを使用できる。成分(2−2)製造に際しての官能
基の導入は、上記重合体ブロック(D)、(E)、
(F)を構成する単量体成分の一部として共重合により
導入する、または、予め上記共重合体ブロックを製造し
た後、付加反応により官能基を導入する等、公知の方法
を用いて行うことができるが、得られる水現像性感光性
樹脂組成物の特性を幅広い範囲で容易に制御できるとい
う点から、付加反応により官能基を導入する方法が現実
的であり好ましい。
【0023】成分(2−3) 成分(2−3)は、ビニル結合含量が20%以下である
ポリブタジエン重合体ブロック(G)と、共役ジエン重
合体ブロックあるいはビニル芳香族化合物−共役ジエン
共重合体ブロックであって、共役ジエン部分のビニル結
合含量が25〜95%である重合体ブロック(H)から
なり、かつブロック構造が〔(G)−(H)−(G)〕
pまたは〔(G)−(H)〕q(ただし、pは1以上、
qは2以上の整数を示す)で表される直鎖状あるいは分
岐状のブロック共重合体の共役ジエン部分の二重結合を
70%以上水素添加することによって得られるものであ
る)、あるいは、前記(G)−(H)−(G)ブロック
共重合体あるいは(G)−(H)ブロック共重合体を、
カップリング剤残基を介して前記(G)、(H)のうち
少なくとも一つの重合単位ブロックからなる重合体と結
合し、例えば下記一般式で表される重合体分子鎖が延長
または分岐されたブロック共重合体であってもよい。 〔(G)−(H)〕n−X 〔(G)−(H)−(G)〕n−X (式中、n、Xは前記に同じ)
【0024】成分(2−3)中のブロック(G)は、水
素添加により通常の低密度ポリエチレン(LDPE)に
類似の構造を示す結晶性のブロックとなる。ブロック
(G)中のビニル結合含量は20%以下であるが、好ま
しくは18%以下、さらに好ましくは15%以下であ
る。ブロック(G)のビニル結合含量が20%を越える
と、水素添加後の結晶融点の降下が著しく、配合組成物
の力学的性質が劣るために好ましくない。ブロック
(H)は、共役ジエン重合体ブロックあるいはビニル芳
香族化合物−共役ジエン共重合体ブロックであり、水素
添加によりゴム状のエチレン−ブテン共重合体ブロック
あるいはビニル芳香族化合物−エチレン−ブテン共重合
体と類似の構造を示す重合体ブロックとなる。ブロック
(H)に使用されるビニル芳香族化合物の使用量は、ブ
ロック(H)を構成する単量体の35重量%以下、好ま
しくは30重量%以下、さらに好ましくは25重量%以
下であり、35重量%を越えるとブロック(H)のガラ
ス転移温度が上昇し、配合組成物の硬度が上昇するため
好ましくない。
【0025】ブロック(H)のブタジエン部分のビニル
結合含量は、25〜95%、好ましくは25〜75%、
さらに好ましくは25〜55%である。25%未満ある
いは95%を越えると、水素添加後、それぞれポリエチ
レン連鎖、ポリブテン−1連鎖に由来する結晶構造を示
し、得られる配合組成物の硬度が上昇し、好ましくな
い。成分(2−3)中に占めるブロック(G)およびブ
ロック(H)の比率は、通常、ブロック(G)5〜90
重量%、好ましくは10〜85重量%、ブロック(H)
95〜10重量%、好ましくは90〜15重量%であ
る。ブロック(G)が5重量%未満、ブロック(H)が
95重量%を越える場合には、結晶性の重合体ブロック
が不足し、配合組成物の強度が劣るため好ましくない。
また、ブロック(G)が90重量%を越え、ブロック
(H)が10重量%未満の場合には、得られる組成物の
硬度が上昇し、好ましくない。成分(2−3)は、ブロ
ック(G)およびブロック(H)のブタジエン部分の二
重結合の少なくとも70%、好ましくは80%以上、さ
らに好ましくは90〜100%が水添されて飽和されて
いることが望ましい。70%未満では、得られる組成物
の強度が劣るものとなる。
【0026】成分(2−3)の数平均分子量は、3〜8
0万、好ましくは4〜70万であり、更に好ましくは1
0〜50万であり、3万未満では得られる組成物の機械
的強度が低下し、一方80万を越えると配合組成物の成
形加工性および水現像性が低下し、いずれも好ましくな
い。成分(2−3)製造に際し用いられるカップリング
剤は、前記成分(2−1)製造時に使用される化合物と
同様のものが挙げられる。成分(2−3)製造に際して
の官能基の導入は、上記重合体ブロック(G)、(H)
を構成する単量体成分の一部として共重合により導入す
る、または、予め上記共重合体ブロックを製造した後、
付加反応により官能基を導入する等、公知の方法を用い
て行うことができるが、得られる水現像性感光性樹脂組
成物の特性を幅広い範囲で容易に制御できるという点か
ら、付加反応により官能基を導入する方法が現実的であ
り好ましい。共重合体(2)の配合量は目的に応じて任
意の割合で用いることができるが、好ましくは共重合体
(1)100重量部に対して、0.1〜100重量部の
範囲で使用される。0.1重量部未満では得られる感光
性樹脂の強度が充分でなく、100重量部を越えると、
得られる樹脂組成物の水現像性に劣り、いずれも好まし
くない。
【0027】本発明の構成成分のひとつである光重合性
不飽和単量体(3)としては、スチレン、αーメチルス
チレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、o−メト
キシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシス
チレン、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼ
ン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−ク
ロロスチレン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−
ジメチル−p−アミノスチレン、N,N−ジエチル−p
−アミノスチレン、ビニルピリジンなどの芳香族ビニル
化合物類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアク
リロニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル、α
−メトキシアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニ
トリル、クロトン酸ニトリル、ケイ皮酸ニトリル、イタ
コン酸ジニトリル、マレイン酸ジニトリル、フマル酸ジ
ニトリルなどの不飽和ニトリル化合物類;メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−
プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)
アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)
アクリレート、tertーブチル(メタ)アクリレー
ト、n−アミル(メタ)アクリレート、2ーエチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アク
リレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレ
ート類;
【0028】クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、ク
ロトン酸プロピル、クロトン酸ブチル、ケイヒ酸メチ
ル、ケイヒ酸エチル、ケイヒ酸プロピル、ケイヒ酸ブチ
ル等の不飽和モノカルボン酸エステル類;トリフルオロ
エチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)
アクリレートなどのフルオロアルキル(メタ)アクリレ
ート類;エチレングリコール、1,2−プロパンジオー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール等のアルキレングリコールのモノ−またはジ−(メ
タ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール等のポリアルキレングリコール(ア
ルキレングリコール単体2〜23個)の、モノ−または
ジ−(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−メト
キシプロピル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロ
ピル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メ
タ)アクリレート類;
【0029】メトキシエチレングリコール、メトキシプ
ロピレングリコール、メトキシポリエチレングリコー
ル、エトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプ
ロピレングリコール、エトキシポリプロピレングリコー
ル等のアルコキシアルキレングリコール、アルコキシポ
リアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数
は例えば2〜23)の(メタ)アクリレート類;2−フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ
プロピル(メタ)アクリレート、3−フェノキシプロピ
ル(メタ)アクリレート等のアリロキシアルキル(メ
タ)アクリレート類;フェノキシポリエチレングリコー
ル、フェノキシポリプロピレングリコール等のアリロキ
シポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリレー
ト類;シアノエチル(メタ)アクリレート、シアノプロ
ピル(メタ)アクリレート等のシアノアルキル(メタ)
アクリレート類;グリセリン、1,2,4−ブタントリ
オール、ペンタエリスリトール、トリメチロールアルカ
ン(アルカンの炭素数は例えば1〜3)、テトラメチロ
ールアルカン(アルカンの炭素数は例えば1〜3)等の
多価アルコール類のジ(メタ)アクリレート、トリ(メ
タ)アクリレートまたはテトラ(メ)アタクリレート等
のオリゴ(メタ)アクリレート類、
【0030】3価以上の多価アルコールのポリアルキレ
ングリコール付加物のモノ−またはオリゴ−(メタ)ア
クリレート類;1,4−シクロヘキサンジオール、1、
4−ベンゼンジオール、1、4−ジヒドロキシエチルベ
ンゼン等の環式ポリオールのモノ−またはジ−(メタ)
アクリレート類;2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレート、などのヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート類;グリセロールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート(ポリエチレングリコール単位数は例
えば2〜20)、ポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート(ポリプロピレングリコール単位数は
例えば2〜20)等の(ポリ)アルキレングリコールの
モノ(メタ)アクリレート類;
【0031】グリセロールジ(メタ)アクリレート、
1,2,4−ブタントリオールモノ(メタ)アクリレー
ト、1,2,4−ブタントリオールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールアルカンモノ(メタ)アクリレー
ト(アルカンの炭素数は例えば1〜3)、トリメチロー
ルアルカンジ(メタ)アクリレート(アルカンの炭素数
は例えば1〜3)、テトラメチロールアルカンジ(メ
タ)アクリレート(アルカンの炭素数は例えば1〜
3)、テトラメチロールアルカントリ(メタ)アクリレ
ート(アルカンの炭素数は例えば1〜3)等の3価以上
の多価アルコールの遊離水酸基含有(メタ)アクリレー
ト類;クロトン酸2−ヒドロキシエチル、クロトン酸2
−ヒドロキシプロピル、ケイヒ酸2−ヒドロキシエチ
ル、ケイヒ酸2−ヒドロキシプロピル等の他の不飽和カ
ルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類;N−ヒドロ
キシメチル(メタ)アクリルアミド、N−2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−
ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、クロトン
酸N−ヒドロキシメチルアミド、クロトン酸N−(2−
ヒドロキシエチル)アミド、ケイヒ酸N−ヒドロキシメ
チルアミド、ケイヒ酸N−(2−ヒドロキシエチル)ア
ミド等の水酸基含有不飽和アミド類;
【0032】o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシ
スチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシ−
α−メチルスチレン、m−ヒドロキシ−α−メチルスチ
レン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニ
ルベンジルアルコール等の水酸基含有ビニル芳香族化合
物類;(メタ)アリルアルコール等の不飽和アルコール
類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの
不飽和(モノ)カルボン酸類;(無水)マレイン酸、フ
マル酸、(無水)イタコン酸、シトラコン酸、メサコン
酸等の不飽和ポリカルボン酸(無水物)類;前記不飽和
ポリカルボン酸のモノメチルエステル、モノエチルエス
テル、モノプロピルエステル、モノヘキシルエステル、
モノオクチルエステル、ジメチルエステル、ジエチルエ
ステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステル等の遊
離カルボキシル基含有エステル類;前記不飽和ポリカル
ボン酸のモノニトリル等の遊離カルボキシル基含有ニト
リル類;
【0033】前記不飽和ポリカルボン酸のモノアミド等
の遊離カルボキシル基含有アミド類;前記不飽和ポリカ
ルボン酸のモノ(2−ヒドロキシエチルエステル)、モ
ノ(2−ヒドロキシプロピルエステル)等の遊離カルボ
キシル基含有ヒドロキシアルキルエステル類;前記不飽
和ポリカルボン酸の遊離カルボキシル基含有アミドのN
−ヒドロキシアルキル誘導体の他、フタル酸、コハク
酸、アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸とアリルア
ルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
等の水酸基含有不飽和化合物とのモノエステル等の遊離
カルボキシル基含有エステル類;マレイン酸ジメチル、
マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸
ジオクチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル、フ
マル酸ジオクチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジ
エチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジオクチルな
どの不飽和ジカルボン酸のジエステル類;2−ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、2−ジプロピルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート、3−ジエチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート、2−ジプロピルアミノプロピル
(メタ)アクリレート、3−ジプロピルアミノプロピル
(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリレート類;
【0034】2−ジメチルアミノエトキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ジエチルアミノエトキシエチル
(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルコキシ
アルキル(メタ)アクリレート類;N−(2−ジメチル
アミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジ
エチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−
(2−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミ
ド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アク
リルアミド、N−(2−ジエチルアミノプロピル)(メ
タ)アクリルアミド、N−(3−ジエチルアミノプロピ
ル)(メタ)アクリルアミド等の第三級アミノ基含有
(メタ)アクリルアミド類;アリルグリシジルエーテ
ル、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含
有不飽和化合物 (メタ)アクリルアミド、N,N’ーメチレンビス(メ
タ)アクリルアミド、N,N’ーエチレンビス(メタ)
アクリルアミド、N,N’ーヘキサメチレンビス(メ
タ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)
アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミド、ケイ
ヒ酸アミド等の不飽和アミド類;塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、ケイ皮酸エステル、クロトン酸エステル、ジシクロ
ペンタジエン、エチリデンノルボルネンなどが挙げら
れ、光硬化後の感光性樹脂組成物の物性を自由に設計で
きる。
【0035】光重合性単量体(3)は、目的に応じて任
意の割合で用いることができ、その量に応じてワックス
状から低粘度液体状まで自由に流動性を設計できるが、
好ましくは共重合体(1)100重量部に対し、5〜
1,000重量部、さらに好ましくは10〜500重量
部の範囲で使用される。5重量部未満では得られる樹脂
組成物の強度が劣り、一方、1,000重量部を越える
と、光硬化後の組成物の収縮が大きく、組成物の耐水性
と水現像性の両立が困難であり、また組成物の粘度設計
の自由度が低下し、いずれも好ましくない。
【0036】本発明の水現像性感光性樹脂組成物は、既
に述べた通り、その成分(1)、成分(2)の各成分
に、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポ
キシ基からなる官能基の群から選ばれた少なくとも1種
の官能基を含有することを特徴とし、目的に応じ、任意
の成分に任意の官能基を導入し、その組み合わせにより
組成物を構成することができるが、得られる水現像性感
光性樹脂組成物の特性を幅広い範囲で容易に制御できる
という点から、成分(1)、成分(2)、成分(3)の
うち、少なくとも一種は官能基としてカルボキシル基を
含有し、かつ、少なくとも一種は官能基としてアミノ基
を含有するような組み合わせとなるよう選択することが
好ましい。その場合、配合組成物全体に占めるカルボキ
シル基とアミノ基の比率は、カルボキシル基1モルに対
し、アミノ基を0.1モル以上、さらに好ましくは0.
4モル以上である。アミノ基の比率が0.1モル未満で
は、得られる組成物の水現像性が低下する傾向にあり好
ましくない。
【0037】光重合開始剤(4)としては、通常、光増
感剤として用いられる、例えばジアセチル、ベンジルな
どのαージケトン化合物、ベンゾイン、ピバロインなど
のアシロイン類、ベンインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテルなどのア
シロインエーテル類、アントラキノン、1,4ーナフト
キノンなどの多核キノン類、2,2−ジメトキシフェニ
ルアセトフェノン、トリクロロアセトフェノンなどのア
セトフェノン類、ベンゾフェノン、メチルーoーベンゾ
イルベンゾエートなどのベンゾフェノン類が挙げられ
る。光重合開始剤(4)の添加量は、成分(1)100
重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部であ
り、より好ましくは1〜10重量部である。0.1重量
部未満では十分な硬化を感光性樹脂組成物に与えること
ができず、20重量部を越えて使用しても、光重合開始
剤の全てが反応に関与しないので不経済であるばかり
か、ときには成分(1)、成分(2)、成分(3)との
相溶性が悪く、分散が不均一になる場合がある。
【0038】また、本発明の水現像性感光性樹脂組成物
には、その水現像性を向上させる目的で、カルボキシル
基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基からなる官
能基の群から選ばれた1種を含有する非重合性化合物
を、感光性樹脂組成物全重量の20%以下の範囲で添加
することができる。かかる化合物の例としてエチルアミ
ン、プロピルアミンなどの一級アミン、ジエチルアミ
ン、ジブチルアミンなどの2級アミン、または三級アミ
ンとしてトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプ
ロピルアミン、エチルジメチルアミン、ジエチルメチル
アミンなどのトリアルキルアミン類、トリエタノールア
ミン、トリプロパノールアミンなどのトリアルコールア
ミン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、トリエタノール、トリプロパノール等のアルコ
ール類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の酸類、1,2−
エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン等のエポキ
シ化合物類等を挙げることができる。
【0039】さらに、本発明の感光性樹脂組成物には、
必要に応じて常套の添加剤を、例えば、全感光性樹脂組
成物重量基準で、0.001〜2.0%の熱付加重合禁
止剤を含有させることができる。適当な禁止剤として
は、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエ
ーテル、モノーtーブチルヒドロキノン、カテコール、
p−メトキシフェノール、p−t−ブチルカテコール、
2,6−ジーt−ブチルーp−クレゾール、2,6−ジ
−t−ブチル−m−クレゾール、ピロガロール、β−ナ
フトールなどのヒドロキシ芳香族化合物;ベンゾキノ
ン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、p−トル
キノン、p−キシロキノンなどのキノン類;ニトロベン
ゼン、m−ジニトロベンゼン、2−メチル−2−ニトロ
ソプロパン、α−フェニル−t−ブチルニトロン、5,
5−ジメチル−1−ピロリン−1−オキシド等のニトロ
化合物またはニトロン化合物;
【0040】クロラニル−アミン系、ジフェニルアミ
ン、ジフェニルピクリルヒドラジン、フェノールーαー
ナフチルアミン、ピリジン、フェノチアジンなどのアミ
ン類;ジチオベンゾイルスルフィド、ジベンジルテトラ
スルフィド等のスルフィド類;1,1−ジフェニルエチ
レン、α−メチルチオアクリロニトリル等の不飽和化合
物;チオニンブルー、トルイジンブルー、メチレンブル
ー等のチアジン染料;1,1−ジフェニル−2−ピクリ
ルヒドラジル、1,3,5−トリフェニルフェルダジ
ル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン−1−オキシル、2,6−ジ−t−ブチル−α
−(3,5−ジ−t−ブチル)−4−オキソ−2,5−
シクロヘキサジエン−1−イリデン−p−トリオキシル
等の安定ラジカル等を挙げることができる。これらの熱
付加重合禁止剤は、単独でまたは2種以上を混合して使
用することができる。
【0041】本発明の感光性樹脂組成物は、例えば、成
分(1)、成分(2)、光重合性不飽和単量体(3)お
よび光重合開始剤(4)を、加温しながらニーダー、イ
ンターミキサーなどを用いて十分に攪拌することにより
得られる。このようにして得られた感光性樹脂組成物
は、流動性の無いワックス状、あるいはゴム状から流動
性の優れた低粘度液状まで自由に設計することができ
る。流動性の無い感光性樹脂組成物は、適度の厚みを持
つスペーサーを挟み一定膜厚にするか、ロールコーター
などにより支持体上に塗布するか、圧縮成型、押出成型
などにより一定膜厚の感光性版に加工することができ
る。これにネガフィルムを当てて露光し、未露光部を水
で洗い流すことにより製版できる。また、本発明の感光
性樹脂組成物は、必要に応じて適当な溶媒を加えること
によって粘度を調節可能であり、スピンコートに適する
レジストとして用いることができ、さらに、露光後の未
露光部を水で洗い流すことにより、鮮明な画像を形成す
ることができる。
【0042】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に何ら制約されるものではない。なお、以下の実施
例、比較例の製造条件および評価結果は、表1、表2に
示した。表1、表2中の成分(2)のビニル結合含有量
はモル%、それ以外は重量%である。 実施例1 以下に示す手順に従い、成分(1)及び成分(2)の調
製を行った。 成分(1) ラウリル硫酸ナトリウムを乳化剤とし、過酸化ベンゾイ
ルを重合開始剤としてブタジエン/メタクリル酸/エチ
レングリコールジメタクリレート/アクリル酸エチル
(モル%)=80/6.5/1.0/12.5の割合で
乳化重合した。これを塩化カルシウムを用いて塩凝固
し、乾燥することによって成分(1)の粒子状重合体を
調製した。
【0043】成分(2) 表1に示す水素添加ブロック状共重合体100重量部を
トルエンに溶解し、アクリル酸10重量部、過酸化ベン
ゾイル1.5重量部を添加し、窒素雰囲気下で重合を行
った。これをメタノール中に投入して重合物を沈澱さ
せ、減圧乾燥して成分(2)を調製した。成分(1)1
00重量部に対し、上記成分(2)を10重量部、更に
光重合性不飽和単量体(3)として、ノナエチレングリ
コールメタクリレート20重量部、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート10重量部、N(3−ジメチル
アミノプロピル)アクリルアミド10重量部、光重合開
始剤(4)として2,2−ジメトキシフェニルアセトフ
ェノン3重量部、保存安定剤としてp−t−ブチルカテ
コール0.5重量部を加え、50℃に温調したニーダー
中で30分間攪拌して感光性樹脂組成物を得た。得られ
た樹脂組成物は透明なワックス状であった。
【0044】評価 得られた感光性樹脂組成物を用いて、ポリエステルシー
ト上に厚さ0.5mmの感光性樹脂層を作成した後、日
本電子精機(株)製JOW−A−4P型現像機を用い、
30℃の温水中でブラッシングすることにより感光性樹
脂層が消滅するまでに要する時間を測定した。また、前
記樹脂版を、日本電子精機(株)製露光機(JE−A3
−SS)を用いて6分間露光した後、JIS K630
1に準拠して、引張強度、破断伸びおよび反発弾性を測
定した。その結果、得られた組成物は水現像性および樹
脂版強度がともに優れるとともに、破断伸びおよび反発
弾性が良好であり、優れた特性バランスを有していた。
【0045】実施例2 表1の2(2−2)に示した水素添加ブロック状共重合
体存在下にアクリル酸の重合を行い、成分(2)の調製
を実施した以外は実施例1と同様の手順に従い、感光性
樹脂組成物の製造を行った。得られた組成物は、水現像
性および樹脂版強度が共に優れ、さらに破断伸びおよび
反発弾性が良好であり、優れた特性バランスを有してい
た。
【0046】実施例3 表1の2(2−3)に示した水素添加ブロック状共重合
体100重量部をトルエンに溶解し、アクリル酸10重
量部、過酸化ベンゾイル1.5重量部を添加し、窒素雰
囲気下でアクリル酸の重合を行い、成分(2)の調製を
実施した以外は実施例1と同様の手順に従い、感光性樹
脂組成物の製造を行った。得られた組成物は、水現像性
および樹脂版強度が共に優れ、さらに破断伸びおよび反
発弾性が良好であり、優れた特性バランスを有してい
た。
【0047】実施例4 ポリスチレン−水素添加ポリイソプレン−ポリスチレン
(スチレン含有量13重量%:クラレ(株)製セプトン
2043)の存在下にアクリル酸の重合を行い、成分
(2)の調製を実施した以外は実施例1と同様の手順に
従い、感光性樹脂組成物の製造を行った。得られた組成
物は、水現像性および樹脂版強度がともに優れると共
に、破断伸びおよび反発弾性が良好であり、優れた特性
バランスを有していた。
【0048】実施例5 成分(1)としてブタジエン/メタクリル酸ジエチルア
ミノエチル/エチレングリコールジメタクリレート/ア
クリル酸エチル(モル%)=80/6.5/1.0/1
2.5からなる粒子状共重合体を用いた。ポリスチレン
−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン(スチレン含
有量29重量%:シェル化学製クレイトンG1650)
存在下にアクリル酸の重合を行い、成分(2)の調製を
実施した。これらを成分(1)、成分(2)として用
い、実施例1と同様の手順に従い、感光性樹脂組成物の
製造を行った。得られた組成物は、水現像性および樹脂
版強度が共に優れ、さらに破断伸びおよび反発弾性が良
好であり、優れた特性バランスを有していた。
【0049】実施例6 ポリスチレン−水素添加ポリイソプレン−ポリスチレン
(スチレン含有量13重量%:クラレ(株)製セプトン
2043)の存在下に、メタクリル酸ジエチルアミノエ
チルを用いて重合を行い、成分(2)の調製を実施した
以外は実施例1と同様の手順に従い、感光性樹脂組成物
の製造を行った。得られた組成物は水現像性および樹脂
版強度が共に優れ、さらに破断伸びおよび反発弾性が良
好であり、優れた特性バランスを有していた。
【0050】比較例1 成分(2)を配合しなかったこと以外は実施例1と同様
の手順に従い、感光性樹脂組成物の製造を行った。成分
(2)を配合しない場合、得られた組成物は水現像性に
優れた特性を示すものの、樹脂版強度、破断伸びおよび
反発弾性に劣る結果となった。
【0051】比較例2 成分(2)としてポリスチレン−ポリブタジエン−ポリ
スチレンブロック共重合体(日本合成ゴム(株)製:J
SR TR2000)を用い、官能基付加の処理をせず
に、実施例1と同様の手順に従い、感光性樹脂組成物の
製造を行った。成分(2)に代わり、官能基を含有しな
い未水添ブロック状共重合体を配合すると、得られた組
成物は水現像性、樹脂版強度、破断伸びおよび反発弾性
に劣る結果となった。
【0052】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂組成物は、水現像性
および露光後の樹脂版強度が共に優れ、破断伸度および
反発弾性が良好であり、また樹脂版の透明性も良く、優
れた特性バランスを有する。しかも、これらの組成物
は、流動性のないワックス状ないしゴム状から低粘度の
液状まで自由に調節することができ、また加工性も良好
である。本発明の感光性樹脂組成物は、感光性印刷版や
レジスト材料として、フォトレジスト、製版等の分野に
おいて、感光性材料として極めて好適に使用できるほ
か、感光性インキ、感光性塗料、感光性接着剤、光成形
材料等、広く感光性材料として利用することができる。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−204139(JP,A) 特開 昭63−70242(JP,A) 特開 平5−165216(JP,A) 特開 平4−212158(JP,A) 特開 平4−20549(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/033 G03F 7/00 502 G03F 7/027 G03F 7/038

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)脂肪族共役ジエンからなる構成
    成分10〜95モル%、1個の付加重合可能な基を有
    し、かつ、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル
    基、エポキシ基からなる官能基の群から選ばれた1種の
    官能基を含有する単量体からなる構成成分0.1〜30
    モル%、少なくとも2個の付加重合可能な基を有する
    単量体からなる構成成分0.1〜20モル%、及び
    個の付加重合可能な基を有する、前記以外の単量体か
    らなる構成成分0〜70モル%にラジカル開始剤を添加
    して乳化重合又は懸濁重合を行うことにより得られる
    子状共重合体、 (2)ハードセグメントおよびソフトセグメントより
    主としてなり、セグメントの一方または双方に、カルボ
    キシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基から
    なる官能基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を
    含有し、かつ、ハードセグメントが、20℃以上のガ
    ラス転移点を有する熱可塑性非エラストマー状重合体ブ
    ロックであり、ソフトセグメントが、10℃以下のガラ
    ス転移点を有するエラストマー状重合体ブロックからな
    る官能基含有ブロック状共重合体、 (3)光重合性不飽和単量体、 (4)光重合開始剤、を含有することを特徴とする水現
    像性感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 官能基含有ブロック共重合体が、芳香族
    ビニル系重合体からなる熱可塑性非エラストマー状重合
    体ブロックと、水素添加されたジエン系重合体からなる
    エラストマー状重合体ブロックとからなり、ブロックの
    一方または双方に、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロ
    キシル基、エポキシ基からなる官能基の群から選ばれた
    少なくとも1種の官能基を含有したものであることを特
    徴とする請求項第1項記載の水現像性感光性樹脂組成
    物。
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