JP3336285B2 - 自然石連結マット、その作成方法および敷設方法 - Google Patents

自然石連結マット、その作成方法および敷設方法

Info

Publication number
JP3336285B2
JP3336285B2 JP06523699A JP6523699A JP3336285B2 JP 3336285 B2 JP3336285 B2 JP 3336285B2 JP 06523699 A JP06523699 A JP 06523699A JP 6523699 A JP6523699 A JP 6523699A JP 3336285 B2 JP3336285 B2 JP 3336285B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
natural stone
net
mat
natural
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP06523699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000226833A (ja
Inventor
豊 安永
政司 南本
英史 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maeda Kosen Co Ltd
Original Assignee
Maeda Kosen Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=27298718&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3336285(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Maeda Kosen Co Ltd filed Critical Maeda Kosen Co Ltd
Priority to JP06523699A priority Critical patent/JP3336285B2/ja
Publication of JP2000226833A publication Critical patent/JP2000226833A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3336285B2 publication Critical patent/JP3336285B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Revetment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多自然型の河川護
岸(低水護岸や高水護岸)や湖沼護岸、河川敷または盛
土法面などに使用される自然石連結マットに関する。
【0002】
【従来の技術】近代の護岸などの工事はコンクリート製
堤防で両岸を囲ったり、さらには河川敷までコンクリー
トで固める工法が用いられてきたが、かかる護岸工事を
施した河川は自然生態系を破壊し、自己浄化作用を乏し
くするとともに、自然の景観機能を壊わすなど環境を悪
化させ種々の公害問題などを起こすようになってきた。
このため、環境保全上からも、自然生態系を変えること
なく、天然自然に近い状態を出来るだけ保ちつつ、本来
の目的とする水の溢流、決壊などの生じる恐れの少ない
護岸工事が望まれているのが現状である。
【0003】かかる現状から、最近では河川護岸、盛土
法面などの施工方法として自然石を積み上げる工法が多
く採られるようになってきた。すなわち、自然石をかみ
合わせ敷設および積み上げ敷設などの空石積工法と、地
盤面に捨てコンクリートを行なって自然石を固定敷設す
るねり石積工法などがあるが、いずれの工法も施工が特
殊で職人が時間をかけ敷設しており、コストおよび時間
上からも問題がある。また、上記のように多自然型護岸
や多自然型盛土法面が要望されており、自然石と植生お
よび植栽の組み合わせが必須の要件になりつつある。
【0004】このような自然石と植生を組み合わせた護
岸工法として、堤の斜面に植生マットを敷き、その上に
金網を張って固定するとともに、この金網上にアンカー
を挿入固着した自然石を多数個載置し、固着したアンカ
ーを上記金網にステンレス線材などにより連結して石を
固定するものが提案されている(特開平9−23571
5号公報)。この工法は、前述の多自然型護岸を形成す
るのに好適な方法であるが、植生マット、金網、自然石
などの施工部材を個々に運んで、現場で組立や固定など
を行う必要があり、時間的に長時間を要するうえ、コス
ト的にも、また多大な労力を要し、特に自然石の金網へ
の固定は面倒なうえ、時間と熟練を要し、かつ確実性に
充分でない問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような現状に鑑み、多自然型護岸や多自然型盛土法面の
造成において、護岸表土や盛土法面表土がコンクリー
ト、自然石により分断されることがなく、植生による自
然回復をきわめて容易にし、かつ施工速度の向上と省力
化による大幅な工期短縮を可能にする自然石連結構造体
である。さらに、本発明の目的は、上記構造体を、容易
に、短時間で、手間をかけずに作成し、敷設する方法で
もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、以
下の構成からなるものである(1)高分子樹脂を含んで構成されるジオテキスタイル
からなるネット状体の片面側に自然石を固着した自然石
連結マットであって、その固着手段が、ネット状体の片
面側に自然石を配置し、該ネット状体の他面側から該自
然石にスペーサーを介してアンカープレートを被せ、ア
ンカーを打ち込んで、ネット状体と自然石とを固着する
か、あるいは、自然石が該自然石の底部に接着されたロ
ープ、紐状体もしくはベルトによりネット状体の他面側
で締結固定されている、自然石連結マット。 (2)ジオテキスタイルが少なくとも経線に補強用芯材
を埋設した芯材補強ネットである(1)記載の自然石連
結マット。 (3)ジオテキスタイルがメッシュ状織編物を樹脂で固
めた樹脂固めネットである(1)記載の自然石連結マッ
ト。 (4)ネット面にヘチマ繊維状の植生基盤材を敷設して
いる(1)〜(3)いずれかに記載の自然石連結マッ
ト。 (5)ネット状体の周辺部に孔開きベルト部を有する
(1)〜(4)いずれかに記載の自然石連結マット。 (6)アンカーが金属拡張アンカーまたはケミカルアン
カーからなるあと施工アンカーである(1)記載の自然
石連結マット。(7) 上記(1)〜(6)のいずれか記載の自然石連結
マットを、型枠内で作成し、枠蓋を使用して、自然石を
ネットの上側にする自然石連結マットの作成方法。(8) 上記(1)〜(6)のいずれか記載の自然石連結
マットを、吊り下げ金具に懸架用部材を介して掛着し、
吊り下げ金具を持ち上げて上記マットを吊り下げ、移動
して所定位置に敷設する敷設工法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、上記のように護岸表土
や盛土法面表土にコンクリート壁、あるいはコンクリー
トブロックの如きものを使用したり、また自然石を一つ
一つ積み上げ敷設していく石積工法によるものでなく、
予め多数の自然石が連結固定された自然石連結構造体を
表土に直接敷設するものである。このため、作業はきわ
めて効率的であり、的確かつ迅速に施工が行え、大幅な
工期短縮が可能になるとともに、コスト上からも大きな
メリットがある。また、表土は、樹脂ネットと接してい
るため、植生、植栽植が貫通し、根がネットに絡んだ状
態で活着し植生補強が行えると同時に、自然生態系の復
元が容易に可能となる。
【0008】本発明に係わる樹脂製ネット(ジオテキス
タイル)は、主として、経線に芯材を埋設し補強した芯
材補強ネット、および格子状織編物を樹脂コーテングし
て固めた樹脂固めネットからなるものが使用される。芯
材補強ネットは、高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリアミド、ポリエステルなどの熱可塑性合成樹脂
を押し出し機の細孔から押し出してネット状に成形させ
た数mm〜十数cm、好ましくは6mm〜15cmの目
合いを有する経線および緯線からなるネットであり、経
線にはアラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ア
モルファス金属繊維、炭素繊維などの補強用の長繊維か
らなる芯材が埋設されている。
【0009】また、樹脂固めネットは、合成繊維の格子
状織編物を樹脂で固めて成形したもので、重量が300
〜1,000g/m2、引張強度が4〜15tf/m、
伸度が15%程度、目合が2〜50mmのものが好まし
い。この場合、緯糸を構成する合成繊維には、ポリエス
テル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポ
リアミド繊維などの汎用繊維が単独で使用される。経糸
は、通常、上記汎用繊維が用いられるが、アラミド繊
維、超高分子量ポリエチレン繊維、アモルファス金属繊
維、炭素繊維などの高強力を有する補強用繊維を合糸さ
せてもよい。この樹脂固めネットは、格子状織編物を合
成樹脂、ゴムあるいは瀝青材料などのエマルジョン液、
溶液あるいは溶融物により、浸漬法、コーティング法な
どによって処理して仕上げることにより成形される。な
お、芯材補強ネットおよび樹脂固めネットには、上記ア
ラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維などの補強用
繊維は、経線や経糸に限らず、緯線や緯糸に入れてもよ
いことは言うまでもない。
【0010】本発明の自然石連結マットの大きさとして
は、幅2〜3m、長さ2〜10m程度が一般的に利用さ
れるが、これに限られるものではないし、必要に応じて
縫合などによって幅、長さ方向を延設して使用すること
ができる。また、必要に応じてネットに上記したような
補強繊維(布)やベルト材の如き材料で縦方向、横方向
もしくはクロス状または格子状に補強材を組み込んでも
よい。
【0011】また、本発明の自然石連結マットは、運搬
あるいは作業時に保持するための吊り用単管挿入ループ
を有してもよい。その場合、補強のため、ネット状体の
周辺部は目合を増加させたり、補強材を組み込んでもよ
い。上記吊り用単管挿入ループは、運搬あるいは作業時
に保持する目的で、吊り下げ金具に懸架用部材を介して
掛着されるためにも使用されるが、敷設時に、隣接した
自然石連結マット同士あるいは護岸表土や盛土法面表土
への固定に使用してもよい。締結する手段としては、金
属製または合成樹脂製などの、ロープ、ワイヤー、紐、
ベルト、鎖などで、締結してもよく、リング体あるいは
板状体などの固定金具を用いて緊結することもできる。
勿論、緊結したうえで接着剤で固着してもよい。
【0012】さらに、本発明のヘチマ繊維状植生基盤材
は、ヘチマ繊維状の如く相互に絡み合った構造に形成さ
れた捲縮剛毛糸から構成されるもので、通常、低融点合
成樹脂を被覆した合成樹脂製の剛毛糸を捲縮付与し、該
剛毛糸の各接点を熱固定して形成される。例えば、繊度
4,900デニールのポリエステル製の剛毛糸に融点1
40〜160℃のポリブタジエン系樹脂を表面塗装して
得られる繊度10,000デニールの被覆剛毛糸を押し
込みローラーにて押し込み箱に押し込むことにより捲縮
付与する。次に、この捲縮付与された捲縮剛毛糸を、密
度0.05g/cm2で加圧充填してヘチマ繊維状の多
孔質構造を形成し、この後、被覆樹脂のみが溶融する温
度で加熱し、捲縮剛毛糸の各接点を熱固定することによ
って造られる。また、本発明のヘチマ繊維状植生基盤材
は、熱可塑性合成樹脂糸条もしくは線条の多数を下向き
のノズルより紡出して自然落下させ、これらの糸条もし
くは線条が溶融状態を呈している間にこれらを一部冷却
水中に浸漬して、斜状に配した1対のコンベヤーで挟ん
で上記糸条もしくは線条の下降速度より遅く引き取るこ
とにより、各溶融糸条もしくは線条を摺曲して相互に立
体網状に点接着集合させ、その後直ちにこれを上記コン
ベヤーにより冷却水中に導入して固化することによって
も造られる。剛毛糸の素材としては、ポリエステルのほ
か、ナイロン6やナイロン6,6などのポリアミド、ポ
リプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンな
ど、この他の合成樹脂が使用できる。
【0013】被覆樹脂もポリブタジエン系に限定されな
いとともに、捲縮剛毛糸の繊度も約2,500〜10,
000デニール程度の任意のものが利用可能である。ま
た、捲縮剛毛糸の密度は、上記0.05g/cm2に限
らず、約0.035〜0.060g/cm2程度のもの
であれば任意選定可能であり、捲縮剛毛糸の糸構造も鞘
成分/芯成分としてナイロン/ポリエステル、ポリエチ
レン/ナイロン、ポリブチレンテレフタレート/ポリエ
チレンテレフタレート、ポリ塩化ビニール/ポリエステ
ル、ポリブロピレン/ポリエステルなどの低融点成分/
高融点成分を組み合わせた、いわゆるシースコア型複合
繊維ばかりでなく、一方の成分(低融点成分)/他方の
成分(高融点成分)の構成として、ポリブチレンテレフ
タレート/ポリエチレンテレフタレートなどの性質の類
似する2種の合成繊維成分をサイドバイサイド型に連続
成型してなるいわゆるサイドバイサイド複合繊維とする
こともできる。なお、捲縮剛毛糸の各接点の固定は、熱
固定によるものに限らず、接着剤による固定も利用可能
である。
【0014】さらに、本発明の自然石連結マットには、
孔開きベルト部をネット状体の周辺部に有していてもよ
い。上記孔開きベルト部は、多数の孔が開けられたベル
ト状の合成繊維からなる織編物により構成されている。
ベルト状の合成繊維からなる織編物としては、重量が3
00〜3,000g/m2、引張強度が3〜30tf/
m、伸度が5〜30%、目合が1〜50mmの織物が好
ましい。この場合、合成繊維には、上記樹脂固めネット
の経糸、緯糸に使用される素材と同様のものが使用でき
る。なお、上記樹脂固めネットの経糸と同様に、経糸、
緯糸に、高強力を有する補強用繊維を合糸させてもよ
い。また、強度補強のため、ポリエチレン繊維、ポリプ
ロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアラミド繊維、
炭素繊維、ガラス繊維、スチール繊維、ナイロン繊維な
どのフィラメント状の芯材が埋設されていてもよく、合
成樹脂フィルムがコーティングしてあってもよい。
【0015】孔開きベルトの幅としては、5〜15cm
がよく、好ましくは8〜10cmである。また、孔の大
きさは5〜20cm、孔の間隔は5〜20cmが良い。
孔の開口法としては、機械穿孔や熱穿孔が挙げられる。
また、孔の周りの処理は、ハトメ、熱溶融や溶融、接着
剤処理、縫合や縫製処理などが挙げられ、織編物のほつ
れ防止の点から、熱溶融や溶融が好ましいが、無処理の
ままでもよい。上記孔開きベルトの孔は、運搬あるいは
作業時に保持するため、吊り下げ金具に懸架用部材を介
して掛着されるためにも使用されるが、吊り用単管挿入
ループと同様に、敷設時に、隣接した自然石連結マット
同士あるいは敷設法面上の根石または岩盤とを締結する
ために使用してもよい。
【0016】上記孔開きベルト部をネット状体の周辺部
に設ける方法としては、ネット状体とは別に作成したベ
ルト状の合成繊維からなる織編物の、縫合、熱融着、接
着剤による接着方法などが挙げられるが、強度、費用、
耐久性の点から、縫製による固定が好ましい。縫合の場
合は、ネット状体と孔開きベルトを重ね合わせ、その重
ね合わせた部分を、ミシン糸で縫合して連結する。ミシ
ン糸としては、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの合成繊維か
らなるフィラメント糸、スパン糸およびそのタスラン糸
などの加工糸などが挙げられる。ミシン糸の総繊度は5
00〜9,000デニール、好ましくは1,000〜
3,000デニール、引張強度は5gf/デニール以
上、好ましくは7gf/デニール以上である。
【0017】重ね合わせ部の縫い方としては、3本針な
どの環縫いでも、本縫いなどでもよい。使用するネット
状体の引っ張り強度、伸度に応じ、ミシン糸、縫い本
数、縫い目ピッチを設定するのが好ましい。縫い目ピッ
チは、5〜50目/100mm、好ましくは10〜30
目/100mmであり、5目/100mm未満である
と、連結強度に劣り、一方、50目/100mmを超え
ると、ネット状体の強度が減少する恐れがある。針間距
離、ネット状体の重ね合わせ幅は、適宜選択することが
できる。また、上記孔開きベルト部をネット状体の周辺
部に設ける方法として、ネット状体の周辺部の目合を増
加させたり、周辺部に補強材を組み込んで、上記孔開き
ベルト部を作成してもよい。
【0018】本発明の自然石連結マットは、型枠内に自
然石を配置し、アンカーボルト、ロープ、紐状体もしく
はベルトにより、ネット状体の片面側に自然石を固着し
て作成することができる。そして、作成した型枠内の自
然石連結マットは、型枠に枠蓋を締結し、上下に転回す
ることで、自然石をネットの上側にする。上記型枠は、
作成する自然石連結マットとほぼ同じ位の大きさを有
し、自然石連結マットを収納して作業できる強度のある
ものなら、どのようなものでもよい。また上記枠蓋は、
型枠に対応する大きさであり、その片側に、クッション
材を有する物である。クッション材としては、ゴム弾性
体、発泡成形体などが挙げられ、費用などの点から、古
タイヤやタイヤなども好ましい。
【0019】本発明の自然石連結マットは、運搬あるい
は作業時に保持するため、吊り下げ金具に懸架用部材を
介して掛着される。上記吊り下げ金具の形状、材質、強
度などは、運搬あるいは作業時に、自然石連結マット
を、充分支えることのできるものであれば、どのような
ものでもよい。また、上記懸架用部材としては、運搬あ
るいは作業時に、自然石連結マットを、充分支えること
のできるものであれば、どのようなものでもよい。具体
的には、金属または合成樹脂製の鎖、ロープ、ベルトな
どが挙げられ、強度、費用、作業性、耐久性の点から、
好ましくは金属製鎖および金属製ワイヤーである。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0021】図1および図2は本発明の実施例を示す自
然石連結マットの表面図と裏面図である。図において、
1はジオテキスタイルからなるマット本体で、ネット状
に形成された芯材補強樹脂ネット20を含んで構成され
る。8は、運搬あるいは作業時に保持するための吊り用
単管挿入ループである。該ネット20は高密度ポリエチ
レンを押し出し機からネット状に押し出し成型したもの
で、図3に示す如く、20mmの目合いを有し、縦線
(経線)21に総デニール10,000デニールのアラ
ミド長繊維22が補強用の芯材として埋設されている。
23は横線(緯線)である。なお、芯材は全てが埋設さ
れている必要はなく、一部が露出状態にあってもよい。
【0022】なお、該ネット20は、図4に示す格子状
織物を樹脂コーテングして固めた樹脂固めネット30で
あってもよい。図4において、合成繊維製の格子状織物
31は経糸32が2本の絡み糸33a、33bから形成
されている特殊な織物であり、緯糸34には1本の合撚
糸35が用いられている。このように、本発明に係る樹
脂ネットは、ネット状もしくはメッシュ状に形成された
構造であるため、植生、植栽植が貫通し、根がネット糸
に絡むことで活着し、植生補強に効果的である。この場
合、樹脂固めネットでは目合いは2.0〜50.0mm
程度、好ましくは5.0〜10.0mmのものがよい。
図4に示す例は、特殊な織物からなる樹脂固めネットで
あるが、本発明は、これに限定されるものではないこと
は言うまでもない。
【0023】図5に示すように、このネット20(3
0)上には、該ネット20(30)に径が20〜80c
m程度の自然石2がアンカー3と爪付きアンカープレー
ト4などを介して多数個連結され固定されている。アン
カー3は、自然石2のほぼ中央部に穿設された孔7に打
ち込まれて固定されている。自然石に穿設される孔は、
径の大きな自然石の場合、複数個あってもよい。自然石
に穿設される孔の径は、2.4〜20.4mm、好まし
くは4.4〜9.4mm、深さは、15〜150mm、
好ましくは30〜90mmである。本発明のアンカー3
は、あと施工アンカーでもよく、あと施工アンカーは、
アンカーを打ち込むことにより、先端部が拡開する種類
のものが使用されるが、これに限定されるものではな
く、ケミカルアンカーのように接着剤により固着するも
のを使用してもよい。アンカー3の径は、2.0〜2
0.0mm、好ましくは4.0〜9.0mm、長さは、
10〜145mm、好ましくは25〜85mmである。
【0024】図5において、ネット20(30)への自
然石2の取り付けは、固定位置の自然石2に対応して、
ネットの他面側から、不織布、樹脂、ゴム板などのスペ
ーサー5を介して、亜鉛板、メッキ鉄板、ステンレス板
などの金属製、または、超高分子量ポリエチレン、ポリ
カーボネートなどの樹脂製爪付きアンカープレート4を
被せ、アンカー3を打ち込んで、亜鉛メッキを施した鉄
製、またはステンレス製固定キャップや、亜鉛メッキを
施した鉄製、またはステンレス製ナットなどの締め付け
部材6により固着されている。
【0025】アンカーを打ち込むことにより、先端部が
拡開するアンカーとしては、図6に例示するような金属
拡張アンカーが挙げられる。図6(a)、図6(i)
は、芯棒打ち込み式アンカーであり、芯棒50を打ち込
むと拡張部が開く。図6(b)は、内部コーン打ち込み
式アンカーであり、内部コーン53を打ち込むと拡張部
が開く。図6(c)は、本体打ち込み式アンカーであ
り、本体51を打ち込むと拡張部が開く。図6(d)
は、スリーブ打ち込み式アンカーであり、スリーブ55
を打ち込むと拡張部が開く。図6(e)、図6(f)、
図6(g)、図6(h)は、それぞれ、テーパーボルト
式、コーンナット式、ダブルナット式、ウェッジ式の、
アンカーでありナット52を締めると拡張部が開く。
【0026】また、図7に示すように、ガラス容器など
の破壊し易い容器に硬化性樹脂成分と硬化剤とを分離し
て収容したアンカー固着用カプセルを自然石に穿設され
た孔7中に挿入し、次いで、アンカー3を打ち込むこと
により容器を破壊するとともに、硬化性樹脂成分と硬化
剤とを混合して樹脂を硬化させて接着剤58とし、アン
カー3が接着剤58によりアンカーホールに固着される
ケミカルアンカーも、本発明において使用できる。上記
接着剤58は、アンカー固着用カプセルを使用せず、硬
化性樹脂成分と硬化剤とを混合しながら、直接、孔7中
に注入してもよい。
【0027】図8は、自然石固定の他の例を示す要部拡
大図で、自然石2の下面中央部に紐状体、ベルトもしく
はロープ9を接着剤10で固着したものである。このロ
ープ9を樹脂ネットに締結して固定するものである(ネ
ットに固定したものは図示せず)。通常はネットに直接
取り付けるが、リング体あるいは板状体などの固定金具
などを用いて緊結することもできる。勿論、緊結したう
えで接着剤で固着してもよい。このようにロープなどで
固定したものは、アンカーによるものと同様、連結が簡
単かつ迅速で、配置や配列の変更も容易に行える。
【0028】また、本発明に係わる樹脂製ネットはヘチ
マ繊維状植生基盤材を敷設することで、植生根がきわめ
て活着し易くなると同時に表土の流出を防止するという
大きなメリットを有する。ヘチマ繊維状植生基盤材は上
記の如く、捲縮付与された剛毛糸を、例えば加圧圧縮し
た後、各接点を接合したヘチマ繊維状に絡み合った構造
体である。図9は、このヘチマ繊維状植生基盤材40を
ネット上に設けた例を示す要部拡大図である。ヘチマ繊
維状植生基盤材40は原則として自然石とネットの間に
配するが、場合によっては下面にすることも可能であ
る。また、ネット全面に被覆してもまたは部分的に配し
てもよい。
【0029】次に、本発明の自然石連結マットを、型枠
内で作成し、枠蓋を使用して、自然石をネットの上側に
する方法、および作成した自然石連結マットを吊り下げ
金具に懸架用部材を介して掛着し、吊り下げ金具を持ち
上げて、上記マットを吊り下げ、移動して所定位置に敷
設する敷設工法の一例を図10〜15を使用して説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
図11〜15では、自然石連結マット1(2m×2m)
のネット状体の周辺部に、多数の孔12を有する孔開き
ベルト11が付いている。図10に示すように、型枠6
1内に自然石2を周りから密に詰める。石の大きさは、
径20〜50cmが好ましく、石の密度は、4〜15個
/m2(16〜60個/4m2)が好ましい。ドリルに
て、径6.4mmの孔7を開け、その孔7に接着剤を注
入する。図11に示すように、図10の型枠61内の自
然石2の上に、型枠と同様の形状大きさのネット20を
被せる。ネットの上側から、不織布のスペーサー5を介
して、鋼板の爪付きアンカープレート4を被せ、径6.
0mm、長さ60mmの拡張アンカーを挿入し、ハンマ
ーでアンカーを打ち込んで、締め付け部材により固着し
て、本発明の自然石連結マット1を作成する。通常、自
然石を16〜60個連結した自然石連結マット(2m×
2m)の場合、重さは、0.8〜2.0トンである。
【0030】図12に示すように、クッション材62を
下にして、枠蓋63を、矢印方向に沿って、自然石連結
マット1の上に載せる。なお、図12においては、クッ
ション材62としてタイヤを使用している。そして、型
枠61と枠蓋63とを締結し、型枠61を持ち上げて、
枠蓋63、自然石連結マット1、型枠61の3層を裏返
し、型枠61と枠蓋63との締結を解き、図13に示す
ように、型枠61を、矢印方向に沿って引き上げて、取
り除く。図14に示すように、自然石連結マット1の孔
開きベルト部に、吊り下げ金具64を懸架用部材65を
介して掛着し、クレーンなどにより吊り下げ金具64を
矢印方向に沿って垂直に上昇させて、自然石連結マット
1を懸架し、運搬、敷設する。なお、懸架用部材を取り
付ける孔開きベルト部の孔の数は、作業性、バランス、
自然石連結マットの大きさ、形状などにより適宜選択で
きる。図14においては、12個である。
【0031】本発明の自然石連結マット1を水平面に敷
設する場合は、図14に示すように懸架用部材65は同
一の長さで良い。しかし、図15に示すように、敷設法
面70が傾斜している場合、懸架用部材65の長さを吊
り下げ金具64に結合する位置に従って変化させると、
敷設時には、懸架した自然石連結マット1を矢印方向に
沿って垂直に降下させるだけでよく、作業が容易にな
る。上記本発明の自然石連結マット1の作成、敷設に要
する時間は、自然石を27個連結した自然石連結マット
(2m×2m)の場合、35〜40分であった。
【0032】自然石連結マットは、その固定方法などに
より種々の形態、形状、特性などの異なったものが得ら
れるので、造成すべき護岸表土や盛土法面表土の条件、
状態に応じて比較的伸縮性のあるものや剛性の強いもの
が適宜使用される。また、種類の異なる樹脂ネットやポ
リマーグリッド、不織布のようなジオテキスタイルを組
み合わせ、あるいは数枚重ねて利用することが可能であ
る。前述の如く、本発明に係る樹脂ネット、特に芯材補
強樹脂ネットはその強度が大きいことから、ネットに入
り込んだ表土に拘束されて一体化し強大な抵抗力を生じ
る、いわゆるインターロッキング効果を発揮し、表土に
強固に固定される。なお、護岸表土や盛土法面表土への
固定は、杭やアンカーなどの打ち込みにより迅速かつ正
確に固定される。なお、通常は、護岸表土や盛土法面表
土には自然石連結マットを順次敷設し連結固定して行わ
れるが、必要に応じて固定された自然石連結マットのネ
ット上に栗石や土をある程度被せてもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、多自然型護岸や多自然
型盛土法面の造成において、護岸表土や盛土法面表土が
コンクリート、自然石により分断されることがなく、植
生補強の上から非常に効果的で、植栽植や植生による自
然回復をきわめて容易にし、且つ施工速度の向上と省力
化による大幅な工期短縮を可能にするという顕著な効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す表面図である。
【図2】図1の裏面図である。
【図3】図1のネット部分の拡大平面図である。
【図4】ネット部分の他の実施例を示す拡大平面図であ
る。
【図5】図1の自然石固定の一部断面拡大図である。
【図6】本発明の実施例に使用する金属拡張アンカー例
の側面図である。
【図7】本発明の実施例の自然石固定に、ケミカルアン
カーを使用した断面拡大図である。
【図8】本発明の実施例を示す自然石固定の要部拡大図
である。
【図9】本発明の他の実施例を示す自然石固定の一部断
面拡大図である。
【図10】本発明の自然石連結マットの作成法を示す斜
視図である。
【図11】本発明の自然石連結マットが作成された状態
の斜視図である。
【図12】本発明の自然石連結マットを枠蓋を使用し
て、自然石をネットの上側にする準備段階の概略図であ
る。
【図13】本発明の自然石連結マットの自然石を、ネッ
トの上側にした状態の概略図である。
【図14】本発明の自然石連結マットの敷設工法におい
て、水平法面への移動の概略図である。
【図15】本発明の自然石連結マットの敷設工法におい
て、傾斜法面への敷設の概略図である。
【符号の説明】
1 マット本体 2 自然石 3 アンカー 7 孔 8 吊り用ループ 9 ロープ 11 孔開きベルト 20 芯材補強ネット 40 ヘチマ繊維状植生基盤材 50 芯棒 51 アンカー本体 53 コーン 54 テーパー付きボルト 55 スリーブ 56 テーパー部 57 ウェッジ 61 型枠 63 枠蓋 64 吊り下げ金具 65 懸架用部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−204847(JP,A) 特開 平9−235715(JP,A) 特開 平10−212718(JP,A) 実開 平7−12526(JP,U) 登録実用新案3016222(JP,U) 特公 昭61−18602(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 3/12 E02D 17/20 103

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子樹脂を含んで構成されるジオテキ
    スタイルからなるネット状体の片面側に自然石を固着し
    た自然石連結マットであって、その固着手段が、ネット
    状体の片面側に自然石を配置し、ネット状体の他面側か
    ら自然石にスペーサーを介してアンカープレートを被
    せ、アンカーを打ち込んで、ネット状体と自然石とを固
    着するか、あるいは、自然石が該自然石の底部に接着さ
    れたロープ、紐状体もしくはベルトによりネット状体の
    他面側で締結固定されている、自然石連結マット。
  2. 【請求項2】 ジオテキスタイルが少なくとも経線に補
    強用芯材を埋設した芯材補強ネットである請求項1記載
    の自然石連結マット。
  3. 【請求項3】 ジオテキスタイルがメッシュ状織編物を
    樹脂で固めた樹脂固めネットである請求項1記載の自然
    石連結マット。
  4. 【請求項4】 ネット面にヘチマ繊維状の植生基盤材を
    敷設している請求項1〜3いずれかに記載の自然石連結
    マット。
  5. 【請求項5】 ネット状体の周辺部に孔開きベルト部を
    有する請求項1〜4いずれか1項記載の自然石連結マッ
    ト。
  6. 【請求項6】 アンカーが金属拡張アンカーまたはケミ
    カルアンカーからなる施工アンカーである請求項記載
    の自然石連結マット。
  7. 【請求項7】 請求項1〜のいずれか記載の自然石連
    結マットを、型枠内で作成し、枠蓋を使用して、自然石
    をネットの上側にする自然石連結マットの作成方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜のいずれか記載の自然石連
    結マットを、吊り下げ金具に懸架用部材を介して掛着
    し、吊り下げ金具を持ち上げて上記マットを吊り下げ、
    移動して所定位置に敷設する敷設工法。
JP06523699A 1998-08-24 1999-03-11 自然石連結マット、その作成方法および敷設方法 Expired - Lifetime JP3336285B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06523699A JP3336285B2 (ja) 1998-08-24 1999-03-11 自然石連結マット、その作成方法および敷設方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23668598 1998-08-24
JP10-339223 1998-11-30
JP33922398 1998-11-30
JP10-236685 1998-11-30
JP06523699A JP3336285B2 (ja) 1998-08-24 1999-03-11 自然石連結マット、その作成方法および敷設方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000226833A JP2000226833A (ja) 2000-08-15
JP3336285B2 true JP3336285B2 (ja) 2002-10-21

Family

ID=27298718

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06523699A Expired - Lifetime JP3336285B2 (ja) 1998-08-24 1999-03-11 自然石連結マット、その作成方法および敷設方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3336285B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4916253B2 (ja) * 2006-08-28 2012-04-11 ユニチカ株式会社 土木資材の施工方法
CN101713182B (zh) * 2009-11-18 2011-06-08 河海大学 垂直驳岸活枝捆生态护岸成型方法
KR102072070B1 (ko) * 2019-07-15 2020-01-31 주식회사 타이슨 스톤네트의 제조방법과 제조장치 및 이를 통해 제작된 스톤네트
CN114561965B (zh) * 2022-03-04 2024-01-09 广东东升实业集团有限公司 一种挂网客土喷混植生施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000226833A (ja) 2000-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW387961B (en) Binding composite braid fabric
US6305876B1 (en) Material and construction method of prevention of scour for the underwater structure
CA2229939A1 (en) Bonded composite knitted structural textiles
JP3714885B2 (ja) 法面、壁面、岸面等の保護構造
JP3336285B2 (ja) 自然石連結マット、その作成方法および敷設方法
JP2002069969A (ja) 土木用蛇篭
JP2002363990A (ja) 法面緑化工法
KR100874961B1 (ko) 보강토 옹벽용 철망
GB2334739A (en) A geoengineering construction
JP6676462B2 (ja) 堤防補強工法
JP3964192B2 (ja) 被覆材、被覆材の製作方法、洗掘防止構造、洗掘防止工法
JP4264162B2 (ja) 河川植生護岸工法と河川植生護岸
JP4947847B2 (ja) 補強盛土用シート
JPH10159102A (ja) 法面、壁面等の保護構造
JP2000152719A (ja) 緑化植生袋体および浅水域法面の緑化植生保護工法
JP2711477B2 (ja) 盛土の補強構造
JP2002004245A (ja) 芝生護岸工法
JPH07197438A (ja) 土木用材料
JP2001348833A (ja) ふとん篭用篭体
JP3631377B2 (ja) 水中にコンクリート構造物を形成する方法
JP2003082634A (ja) 築堤工事用コンテナバッグ及び築堤工事用材
JP2579179Y2 (ja) ジオテキスタイル連結用ベルト
JP3140391B2 (ja) 壁 体
JP2001193036A (ja) マットおよびマットを用いた護岸・護床・根固め工法
JP3133185B2 (ja) 表面が人工芝状とされたコンクリート成型用布帛製型枠

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020723

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110802

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110802

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130802

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term