JP3335026B2 - 配線用接続装置 - Google Patents

配線用接続装置

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JP3335026B2
JP3335026B2 JP01103895A JP1103895A JP3335026B2 JP 3335026 B2 JP3335026 B2 JP 3335026B2 JP 01103895 A JP01103895 A JP 01103895A JP 1103895 A JP1103895 A JP 1103895A JP 3335026 B2 JP3335026 B2 JP 3335026B2
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浩二 東出
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラグの接触子が挿入
接続される配線用接続装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の配線用接続装置として、相手方
接続装置としてのプラグの接触子としての栓刃がコンセ
ントに開口した挿入口に挿入されるコンセントが広く用
いられている。このようなコンセントでは、コンセント
に挿入された栓刃を挿入方向に交差する方向から挟持す
る刃受けばねを備えた構成が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成では、栓刃の電気的接続と機械的結合とを刃受けばね
で兼用しており、刃受けばねが比較的大きなばね力で栓
刃を挟持しているものであるから、栓刃の抜き差しの際
に刃受けばねとの間に作用する摩擦力が大きくなり、接
続解除時のプラグの抜き差しに大きな力が必要になる。
したがって、プラグの差込み時には栓刃の挿入量が不十
分になることがあり、またプラグに接続された電線を足
などで引掛けたとすると、プラグがコンセントから抜け
難く、特にプラグが斜め方向に引っ張られた場合にはプ
ラグが一層抜け難くなるので、過大な張力が作用するこ
とによる電線に過大な張力が作用して電線が断線すると
いう不具合が生じることがある。
【0004】本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、一対の開閉子の片
開きを防止して防塵性等を向上させることができる配線
用接続装置を提供するにあり、さらに他の目的とすると
ころは、コンセントの磁石部に金属片などの異物が万一
吸引した場合でも、プラグの接触子を挿入口から挿入し
ても接触子と刃受けばねとの電気的接続を阻止できる配
線用接続装置を提供するにあり、さらに他の目的とする
ところは、プラグの刃受けばねと第2のプラグの栓刃と
の機械的結合力を高めることができる配線用接続装置を
提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、プラグBの接触子82が挿入される挿入
口23が開口したコンセントA内に、挿入口23を通し
て挿入された接触子82の先端面に弾接する受け金44
と、受け金44を外部回路に電気的に接続する端子40
と、挿入口23と受け金44との間に位置して接触子8
2の挿入時に挿入口23を開放する位置に移動し且つ接
触子82の非挿入時に挿入口23を閉塞する位置に移動
する開閉子60a,60bと、開閉子60a,60bを
挿入口23を閉塞する方向に向けてばね力を付加する復
帰ばね64とが夫々納装されて成る配線用接続装置であ
って、コンセントAの前壁20aにはプラグBに設けた
2個の接触子82が個別に挿入される2個の挿入口23
が形成され、コンセントA内には1つの回転軸27を中
心に回転自在とされ且つ両先端側に互いに突き合わせら
れる一対の腕部62a,62bを有する一対の開閉子6
0a,60bが2個の挿入口23と受け金44との間に
納装され、該回転軸27は、2個の挿入口23から2個
の接触子82が挿入された時のみ一対の開閉子60a,
60bの各腕部62a,62bを互いに引き離す方向に
回転させて一対の開閉子60a,60bを各挿入口23
を開放する位置に回転させ、且つ一方の挿入口23から
ピン82′等の異物が挿入された時には一対の開閉子6
0a,60bを各挿入口23を開放する方向と直交する
方向に傾くようにコンセントA内に軸支され、コンセン
トA側には一対の開閉子60a,60bが各挿入口23
を開放する方向と直交する方向に傾いた時に各開閉子6
0a,60bに当接して一対の開閉子60a,60bが
各挿入口23を開放する方向に回転するのを阻止する片
開き防止リブ110を備えて成ることに特徴を有してい
る。
【0006】
【0007】また、プラグBに設けられる接触子82の
根元付近に、プラグBの前壁80aとコンセントAの前
壁20aとの間に金属片等の異物200が侵入している
時にはプラグBの差し込み量を制限してプラグBの接触
子82とコンセントA内の受け金44との電気的な接続
状態を阻止するための短絡防止リブ120が突設されて
成るのが好ましい。
【0008】さらに、プラグBの前壁80aとは反対側
の面に第2のプラグB′の接触子82としての栓刃14
0が挿入される栓刃挿入口141が形成され、プラグB
内にはプラグBの接触子82と電気的に接続する刃受け
ばね142が納装され、該刃受けばね142は第2のプ
ラグB′の栓刃140の幅よりも幅広となった円弧状に
形成され、刃受けばね142の幅方向の一端側に該栓刃
140が挿入される挿入部142aが設けられ、刃受け
ばね142の幅方向の他端側に栓刃140に形成された
孔部145と係脱自在に係止する突部130が突出する
係止部142bが設けられ、第2のプラグB′の栓刃1
40を刃受けばね142の挿入部142aに挿入した後
に第2のプラグB′をその挿入方向Dを軸として一方向
Eに回転させることにより、栓刃140が刃受けばね1
42の係止部142b側に移動して栓刃140の孔部1
45が突部130に係止されて栓刃140と刃受けばね
142との電気的接続が保持されるのが好ましい。
【0009】
【作用】本発明によれば、コンセントAの前壁20aの
中央部にプラグBの接触子82が挿入される挿入口23
を形成し、コンセントAの前壁20aの両端位置に複数
の磁石用貫通孔104を夫々形成し、各磁石用貫通孔1
04を介してコンセントAの前壁20aに露出して配置
される複数の磁石部100をコンセントA内に納装する
と共に、プラグBの接触子82が設けられる面の上記各
磁石部100と対応する位置に鉄などの複数の磁性板1
05を取着したことにより、プラグBの接触子82とコ
ンセントAの受け金44による電気的接続と、磁石部1
00の吸引力による機械的接続との併用によりプラグB
を接続できるので、受け金44が接触子82を挟持しな
い構造であっても受け金44と接触子82との電気的接
続状態が磁石部100の吸引力によって保持され、従っ
て、接続解除時のプラグの抜き差しに要する力を低減で
きる。しかも、プラグBの差込み時にプラグBに接続さ
れた電線を足などで引掛けた場合でも、コンセントA側
の磁石部100からプラグB側の磁性板105が簡単に
外れ、たとえプラグBが斜め方向に引っ張られた場合で
もプラグBが簡単に外れるので、過大な張力が作用する
ことによる電線の断線を防止できるものである。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1及び図2に示すように、コンセントAの器体
1は前面(図2の上面)が開放された合成樹脂製のボデ
ィ10と、ボディ10の前面側に結合されるカバー20
とにより形成される。ボディ10とカバー20とは略コ
字形に形成された金属製の組立枠30により結合され
る。組立枠30は、カバー20の後端部両側面に夫々突
設された鍔片21とボディ10の側面とに跨がるように
形成された組立溝22,12に装着され、組立枠30の
両脚片の先端部に設けられた二股部31が開かれること
によってボディ10およびカバー20に結合される。組
立枠30には一対の取付爪32が突設され、ボディ10
とカバー20とを組立枠30で結合した状態では器体1
の両側面に取付枠(図示せず)に取付けられる取付爪3
2が突設されている。尚、器体1はJIS規格等で埋込
型の配線器具用に規格化されている取付枠に取着するこ
とができる単位寸法の配線器具と同様の形状、寸法に形
成されているのが好ましい。
【0011】カバー20の前壁20aには略円形の一対
の挿入口23が開口している。この一対の挿入口23は
カバー20の前壁20aの中央部に形成されており、カ
バー20の前壁20aの両端位置には筒状の外周壁24
よりも内側寄りの2箇所に2個1組、計2組の磁石用貫
通孔104が各組ごとに離間して開口している。一方、
ボディ10内の後部空間は、仕切リブ11によって4室
1 〜S4 に分割されており、隣接する2室S1 ,S2
には後述する端子40が夫々納装され、他の離間した2
室S3 ,S4 には上記2個の磁石部100が個別に納装
される。各磁石部100は、N極とS極に磁化された2
枚の磁極片101,102を磁石本体103を挟んで積
層して構成されており、各磁石部100の先端がカバー
20の前壁20aに夫々形成された各磁石用貫通孔10
4を介してカバー20の前壁20aの両端位置に夫々露
出して配置されると共に、これら磁石用貫通孔104か
ら露出する2個の磁石部100が後述するプラグBの前
壁80aに取着される2枚の磁性板105を磁気的に吸
引する構造となっている。
【0012】ボディ10内の後部空間の仕切リブ11に
よって仕切られた2室S1 ,S2 に納装される端子40
は、いわゆる速結端子であって、接続片41aを備えた
端子板41と、端子板41との間に電線を保持する鎖錠
ばね42と、端子板41と鎖錠ばね42との間に保持さ
れた電線を外すための解除釦43とを備える。鎖錠ばね
42は帯板の一方の端部を略J字形に曲成して鎖錠片4
2aを形成し、他方の端部を略S字形に曲成して接触片
42bを形成したものであって、鎖錠片42aと接触片
42bとの先端部はほぼ同じ向きに向いている。
【0013】このように形成された鎖錠ばね42は、各
端子板41に対して一対ずつ設けられる。また、鎖錠片
42aおよび接触片42bは接続片41aに対向し、鎖
錠片42aおよび接触片42bと接続片41aとは先端
部が逆向きになるように配置される。したがって、鎖錠
片42aおよび接触片42bと接続片41aとの間に、
接続片41aの先端側から基端側に向かって電線を導入
すると、電線は接触片42bと接続片41aとの間に挟
持されて端子板41との電気的接続がなされ、また鎖錠
片42aが電線に食い込むことによって電線の抜け止め
がなされるのである。器体1の中には、各端子板41に
対応した一対の鎖錠ばね42の鎖錠片42aに跨がるよ
うに解除釦43が配設され、解除釦43に後方から押力
を作用させると鎖錠片41aが接触片41bから離れる
向きに撓んで電線を抜くことができるようにしてある。
ボディ10の後壁には、器体1の内部に各鎖錠ばね42
に対応して電線を導入するための複数の電線挿入孔(図
示せず)が開口するとともに、解除釦43に押力を作用
させるためのマイナスドライバの先端部等を挿入するた
めの複数の外し孔(図示せず)が開口している。
【0014】また、端子板41には、プラグBの接触子
82の先端部が弾接する受け金44が固着されている。
受け金44は端子板41に対してスポット溶接などによ
って固着される固定片44aと、固定片44aの前端に
連続一体に形成され前後方向に伸縮できるように蛇腹状
に蛇行したばね体44bと、プラグBの接触子82の先
端が当接する受け片44cとを連続一体に備える。しか
るに、接触子82が受け片44cの前面(図2の上面)
に接触して挿入力が作用するとばね体44bが撓んでば
ね力が蓄積され、このばね力が接触子82に対する接触
圧として作用するのである。受け片44cには接点材4
5が固着され、接触子82との接触の信頼性を高めるよ
うになっている。接点材45としてはニッケル合金
(いわゆる銀接点)や金を用いる。
【0015】一方、カバー20の後部には保持板50が
装着される。保持板50は、前方に突出するスペーサ片
51を両側部に備えている。保持板50の周部には係合
フック54が前方に突設されており、係合フック54が
カバー20の内周面に設けた係合部106(図4)に凹
凸係合することによって保持板50がカバー20に結合
される。この保持板50には受け金44に対応する部位
に矩形状に形成された一対の透孔55が開口していると
共に、保持板50はカバー20の前壁20aに対して後
方に離間しており、カバー20と保持板50とに囲まれ
た空間には一対の開閉子60a,60bが配設されてい
る。このようにカバー20に装着される保持板50とカ
バー20との間に開閉子60a,60bを保持すること
によって、組立時にはカバー20に開閉子60a,60
bを組み込むこととなり、開閉子60a,60bや後述
する復帰ばね64をカバー20に組み付けた状態でボデ
ィ10との組立作業が容易に行なえるものである。
【0016】一対の開閉子60a,60bは、軸孔68
a,68bが貫設された部位から夫々一対の腕部62
a,62bが連続一体に突設された形状に形成され、各
腕部62a,62bによってカバー20の前壁20aに
穿孔された各挿入口23を夫々開閉できるようにしてあ
る。すなわち、開閉子60a,60bを前後に重ねた形
でカバー20の回転軸27が軸孔68a,68bに差し
込まれ、腕部62a,62bが互いに突き合わされる位
置と、腕部62a,62bが離れる位置との間で回転自
在になっている。また、腕部62a,62bにおいて互
いに突き合わせたときに合わせ目を形成する部位には、
挿入口23を通して挿入される接触子82の挿入力を両
腕部62a,62bを引き離す向きの回転力に変換する
摺接面65が夫々形成されている。これら摺接面65は
開閉子60a,60bの回転方向において復帰ばね64
のばね力が作用する向きと反対側に向けて傾斜してお
り、接触子82からの挿入力が各摺接面65に作用する
と、開閉子60a,60bは復帰ばね64のばね力に抗
して挿入口23を開く向きに回転するのである。
【0017】さらに、各腕部62a,62bの先端には
突片63a,63bが連続一体に突設され、一方、カバ
ー20の内面には、図3、図5に示すように、開閉子6
0a,60bが傾いたときに挿入口23が開かないよう
に突片63a,63bに当接して開閉子60a,60b
の回転を禁止する片開き防止リブ110が形成されてい
る。したがって、一対の挿入口23の片方から何らかの
部材が挿入されたとしても、回転軸27の遊びによって
開閉子60a,60bが上下に傾して片開き防止リブ1
10に当たることにより開閉子60a,60bの回転が
禁止され、2個の挿入口23が夫々開かないのである。
本実施例では、片開き防止リブ110は図5のようにカ
バー20の内面の左右両側に夫々設けられ、何らかの部
材が片方の挿入口23のみから挿入されて開閉子60
a,60bがいずれの方向に傾いても、左右の片開き防
止リブ110のいずれか一方に当接するようになってい
る。また両方の挿入口23に同時に接触子82が挿入さ
れたときには開閉子60a,60bは傾かないから、開
閉子60a,60bは片開き防止リブ110に当たるこ
となく回転して挿入口23が開放され、挿入口23を通
して挿入された接触子82の先端が保持板50の透孔5
5を通って受け金44に弾接するのである。
【0018】一方、上記コンセントAに接続されるプラ
グBは、図7及び図8に示すように、合成樹脂のような
絶縁材料よりなる直方体状のボディ80Aとカバー80
Bととを備えると共に、カバー80Bの前壁80aには
挿入口300に挿入される一対の接触子82として2本
のピン状の栓刃が突設されている。これにより、一対の
接触子82をコンセントA挿入口23に挿入すれば開閉
子60a,60bが回転して挿入口23が開放され、接
触子82の先端が受け金44に弾接するのである。さら
にプラグBの前壁80aには、コンセントAの磁石部1
00と対応する位置に鉄などの2枚の磁性板105がネ
ジ115にて固着されており、プラグBを差し込んだ時
にコンセントAの磁石部100に該磁性板105が夫々
吸引されることにより、プラグBとコンセントAとの機
械的接続が行なわれるものであり、またプラグBを引っ
張ると磁石部100から磁性板105が外れてプラグB
を簡単に外せるようになっている。
【0019】また、プラグBの接触子82の根元には、
図6に示すように、プラグBの前壁80aとカバー20
の前壁20aとの間に金属片等の異物200が侵入して
いる時にはプラグBの差し込み量を制限してプラグBの
接触子82とコンセントA内の受け金44との電気的な
接続状態を阻止するための短絡防止リブ120が突設さ
れており、この短絡防止リブ120によって磁石部10
0に金属片などの異物200を吸着した場合でも、2本
の接触子82の極間で短絡が起きないようにしてある。
尚図6では、開閉子60a,60b等の図示が省略して
ある。
【0020】さらに、プラグBの前壁80aとは反対側
の面には、図9に示すように、第2のプラグB′の接触
子としての栓刃140が挿入される栓刃挿入口141が
形成されており、プラグB内にはプラグBの接触子82
と電気的に接続された刃受けばね142が納装される。
この刃受けばね142は第2のプラグB′の栓刃140
の幅よりも幅広となった円弧状に形成され、刃受けばね
142の幅方向の一端側に該栓刃140が挿入される挿
入部142aが設けられ、刃受けばね142の幅方向の
他端側に栓刃140に形成された孔部145と係脱自在
に係止する突部130が突出する係止部142bが設け
られ、第2のプラグB′の栓刃140を刃受けばね14
2の挿入部142aに挿入した後に第2のプラグB′を
挿入方向Dを軸として一方向E(図9のマークPで示
す。)に回転させることにより、栓刃140が刃受けば
ね142の係止部142b側に移動して栓刃140の孔
部145が突部130に係止され、栓刃140と刃受け
ばね142との電気的接続が保持されるようになってい
る。
【0021】しかして、上記構成によれば、図1及び図
7に示すように、カバー20の前壁20aの中央部に挿
入口23を形成し、カバー20の前壁20aの両端位置
に2個の磁石用貫通孔104を夫々形成し、各磁石用貫
通孔104を介して前壁20aに露出して配置される2
個の磁石部100をコンセントA内に納装すると共に、
プラグBの接触子82が設けられる面の上記各磁石部1
00と対応する位置に鉄などの2個の磁性板105を取
着したから、プラグBの接触子82とコンセントAの受
け金44による電気的接続と、磁石部100の吸引力に
よる機械的接続との併用によりプラグBを接続できるの
で、受け金44が接触子82を挟持しない構造であって
も受け金44と接触子82との電気的接続状態が磁石部
100の吸引力によって保持され、従って、接続解除時
のプラグの抜き差しに要する力を低減できる。しかも、
プラグBの差込み時にプラグBに接続された電線を足な
どで引掛けた場合でも、コンセントA側の磁石部100
からプラグB側の磁性板105が簡単に外れ、たとえプ
ラグBが斜め方向に引っ張られた場合でもプラグBが簡
単に外れるので、過大な張力が作用することによる電線
の断線を防止できる。また、磁石部100とこれに吸引
される磁性板105とをコンセントA側とプラグB側と
に夫々2個配設し、さらに2個の磁石部100をカバー
20の前壁20aの両端位置に離間して位置させている
ので、互いに離れて位置する磁石部100に対して金属
片などの異物が吸着され難くなり、異物吸着による短絡
が起こり難く、安全性を確保できる。
【0022】また、図5(a)(b)のようにコンセン
トAの2個の挿入口23からプラグBの2個の接触子8
2が同時に挿入された時のみ一対の開閉子60a,60
bは傾かずに、復帰ばね64のばね力に抗して2個の挿
入口23を開放する方向に回転できるが、プラグBを差
し込むという意志を持たない限り、開閉子60a,60
bは確実に閉塞されるものである。つまり図5(c)の
ように片側の挿入口23のみからピン82′や他の異物
が挿入された時には一対の開閉子60a,60bに傾き
が生じて開閉子60a,60bが片開き防止リブ110
に引っ掛かるため、一対の開閉子60a,60bは回転
することができず、挿入口23が開放されてしまうのを
防止できる。従って、一対の開閉子60a,60bの片
開きを片開き防止リブ110にて防止することにより、
防塵性が良く、しかも例えば子供の悪戯などによりピン
や針等が挿入された時にも挿入口23は開放されないの
で、片方の挿入口23にのみからは異物を挿入できず、
感電防止を図ることができる。
【0023】また、コンセントAの磁石部100に金属
片などの異物200(図6)が万一吸引した場合には、
短絡防止リブ120によってプラグBの差し込み量が制
限され、接触子82は受け金44に電気的に接続され
ず、異物200による極間の短絡防止を図ることができ
るものである。また本実施例では、接触子82の挿入力
によって2つの開閉子60a,60bが両側に開くよう
にしたから、接触子82に対して開閉子60a,60b
から作用する両開閉子60a,60bの回転方向の分力
が相殺され、開閉子60a,60bからの力による接触
子82の傾きを防止することができる。すなわち、例え
ば1個の開閉子60a又は60bの一方だけを回転軸2
7に回転自在に設けた場合では、接触子82に対して回
転方向の分力が作用するから、接触子82が傾きやすく
挿入感触に違和感が生じることがあるが、本実施例の構
成ではこのような違和感が生じないのであり、挿入感触
が向上する。さらに、復帰ばね64として、平面視コ字
状の1枚の板ばねを用いたから、部品点数が少なく簡単
な構成で開閉子60a,60bを閉じてピン等の異物の
侵入を防止できると共に、一対の開閉子60a,60b
を1個の復帰ばね64で挿入口23を閉じる向きにばね
付勢しているのであって、各開閉子60a,60bごと
に別々に復帰ばねを設ける場合よりも部品点数が削減さ
れるものである。
【0024】さらに本実施例では、磁石部100による
プラグBの吸引構造に加えて、プラグBの前壁80aと
は反対側の面に第2のプラグB′の栓刃140が挿入さ
れる栓刃挿入口141を形成し、第2のプラグB′の栓
刃140を刃受けばね142の挿入部142aに挿入し
た状態で第2のプラグB′をその挿入方向Dを軸として
一方向Eに回転させることにより、第2のプラグB′の
栓刃140が刃受けばね142の係止部142bに移動
して栓刃140に設けた孔部145に対して刃受けばね
142に設けた突部130が係止するように構成してあ
るので、プラグBと第2のプラグB′との機械的結合力
を高めることができる。しかも、第2のプラグB′の差
込み時に第2のプラグB′に接続された電線を足などで
引掛けた場合でも、プラグBは磁石部100の吸引力で
コンセントAに機械的接続されているにすぎないため、
第2のプラグB′はプラグBと一体的にコンセントAか
ら簡単に外れることができるので、過大な張力が作用す
ることによる電線の断線を防止できる。しかも、通常の
プラグBの栓刃140に設けられている孔部145が係
止する突部130を刃受けばね142に設けるだけでよ
いので、既存のプラグBを本発明の配線接続装置の第2
のプラグB′としてそのまま使用できるものである。
【0025】尚、磁石部100及び磁性板105の数は
2個に限定されるものではなく、カバー20の前壁20
aの両端側及びプラグBの前壁80aの両端側に夫々離
れて3個以上配設するような構造であってもよい。
【0026】
【発明の効果】上述のように、請求項1の発明では、プ
ラグの接触子が挿入される挿入口が開口したコンセント
内に、挿入口を通して挿入された接触子の先端面に弾接
する受け金と、受け金を外部回路に電気的に接続する端
子と、挿入口と受け金との間に位置して接触子の挿入時
に挿入口を開放する位置に移動し且つ接触子の非挿入時
に挿入口を閉塞する位置に移動する開閉子と、開閉子を
挿入口を閉塞する方向に向けてばね力を付加する復帰ば
ねとが夫々納装されて成る配線用接続装置であって、
ンセントの前壁にはプラグに設けた2個の接触子が個別
に挿入される2個の挿入口が形成され、コンセント内に
は1つの回転軸を中心に回転自在とされ且つ両先端側に
互いに突き合わせられる一対の腕部を有する一対の開閉
子が2個の挿入口と受け金との間に納装され、該回転軸
は、2個の挿入口から2個の接触子が挿入された時のみ
一対の開閉子の各腕部を互いに引き離す方向に回転させ
て一対の開閉子を各挿入口を開放する位置に回転させ、
且つ一方の挿入口からピン等の異物が挿入された時には
一対の開閉子を各挿入口を開放する方向と直交する方向
に傾くようにコンセント内に軸支され、コンセント側に
は一対の開閉子が各挿入口を開放する方向と直交する方
向に傾いた時に各開閉子に当接して一対の開閉子が各挿
入口を開放する方向に回転するのを阻止する片開き防止
リブを備えているから、コンセントの2個の挿入口から
プラグの2個の接触子が同時に挿入された時のみ一対の
開閉子は傾かずに、復帰ばねのばね力に抗して2個の挿
入口を開放する方向に回転できるが、仮りに片側の挿入
口のみからピンや他の異物が挿入された時には一対の開
閉子に傾きが生じて開閉子が片開き防止リブに引っ掛か
るため、一対の開閉子は回転することができず、挿入口
が開放されてしまうのを防止できる。従って、一対の開
閉子の片開きを片開き防止リブにて防止することによ
り、防塵性が良く、そのうえ子供の悪戯などによって片
側の挿入口からピン等が挿入された時にも開閉子は回転
できず、挿入口は開放されないので、感電防止を図るこ
とができ、安全である。
【0027】
【0028】また請求項2の発明では、請求項1のプラ
グに設けられる接触子の根元付近に、プラグの前壁とコ
ンセントの前壁との間に金属片等の異物が侵入している
時にはプラグの差し込み量を制限してプラグの接触子と
コンセント内の受け金との電気的な接続状態を阻止する
ための短絡防止リブが突設されて成るから、請求項1又
は請求項2記載の効果に加えて、コンセントの磁石部に
金属片などの異物が万一吸引した場合には、短絡防止リ
ブによってプラグの差し込み量が制限されてプラグの接
触子を受け金に電気的に接続できなくなり、異物による
極間の短絡防止を図ることができる。
【0029】さらに請求項3の発明では、請求項1のプ
ラグの前壁とは反対側の面に第2のプラグの接触子とし
ての栓刃が挿入される栓刃挿入口が形成され、プラグ内
にはプラグの接触子と電気的に接続する刃受けばねが納
装され、該刃受けばねは第2のプラグの栓刃の幅よりも
幅広となった円弧状に形成され、刃受けばねの幅方向の
一端側に該栓刃が挿入される挿入部が設けられ、刃受け
ばねの幅方向の他端側に栓刃に形成された孔部と係脱自
在に係止する突部が突出する係止部が設けられ、第2の
プラグの栓刃を刃受けばねの挿入部に挿入した後に第2
のプラグをその挿入方向を軸として一方向に回転させる
ことにより、栓刃が刃受けばねの係止部側に移動して栓
刃の孔部が突部に係止されて栓刃と刃受けばねとの電気
的接続が保持されるから、請求項1記載の効果に加え
て、プラグの刃受けばねと第2のプラグの栓刃との機械
的結合力を高めることがで、また第2のプラグの差込み
時に第2のプラグに接続された電線を足などで引掛けた
場合でも、プラグは磁石部の吸引力によりコンセントに
機械的接続されているにすぎないため、プラグと第2の
プラグとがコンセントから容易に外れ、過大な張力が作
用することによる電線の断線を防止できる。しかも、通
常のプラグの栓刃に設けられている孔部に係止する突部
を刃受けばねに設けるだけでよいので、既存のプラグを
本発明の配線接続装置の第2のプラグとしてそのまま使
用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本発明の一実施例のコンセン
トの正面図、一部破断した平面図、一部破断した側面図
である。
【図2】同上のコンセントの分解斜視図である。
【図3】(a)〜(c)は同上の片開き防止リブの動作
を説明する正面図、平面断面図、正面断面図である。
【図4】同上のカバーを下面から見た斜視図である。
【図5】(a)(b)は同上の開閉子の回転動作を説明
する断面図及び平面図、(c)は同上の開閉子の回転が
阻止された状態の断面図である。
【図6】同上の短絡防止リブの動作を説明する断面図で
ある。
【図7】同上のプラグの分解斜視図である。
【図8】(a)〜(d)は同上のプラグの正面図、平面
図、一部破断した側面図、背面図である。
【図9】(a)(b)は同上の第2のプラグを接続する
場合の説明図である。
【符号の説明】
20a 前壁 23 挿入口 27 回転軸 40 端子 44 受け金 60a,60b 開閉子 62a,62b 腕部 64 復帰ばね 82 接触子 100 磁石部 104 磁石用貫通孔 105 磁性板 110 片開き防止リブ 120 短絡防止リブ 130 突部 140 栓刃 141 栓刃挿入口 142 刃受けばね A コンセント B プラグ B′ 第2のプラグ D 挿入方向 E 一方向
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 25/00 H01R 13/52 H01R 13/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラグの接触子が挿入される挿入口が開
    口したコンセント内に、挿入口を通して挿入された接触
    子の先端面に弾接する受け金と、受け金を外部回路に電
    気的に接続する端子と、挿入口と受け金との間に位置し
    て接触子の挿入時に挿入口を開放する位置に移動し且つ
    接触子の非挿入時に挿入口を閉塞する位置に移動する開
    閉子と、開閉子を挿入口を閉塞する方向に向けてばね力
    を付加する復帰ばねとが夫々納装されて成る配線用接続
    装置であって、コンセントの前壁にはプラグに設けた2
    個の接触子が個別に挿入される2個の挿入口が形成さ
    れ、コンセント内には1つの回転軸を中心に回転自在と
    され且つ両先端側に互いに突き合わせられる一対の腕部
    を有する一対の開閉子が2個の挿入口と受け金との間に
    納装され、該回転軸は、2個の挿入口から2個の接触子
    が挿入された時のみ一対の開閉子の各腕部を互いに引き
    離す方向に回転させて一対の開閉子を各挿入口を開放す
    る位置に回転させ、且つ一方の挿入口からピン等の異物
    が挿入された時には一対の開閉子を各挿入口を開放する
    方向と直交する方向に傾くようにコンセント内に軸支さ
    れ、コンセント側には一対の開閉子が各挿入口を開放す
    る方向と直交する方向に傾いた時に各開閉子に当接して
    一対の開閉子が各挿入口を開放する方向に回転するのを
    阻止する片開き防止リブを備えて成ることを特徴とする
    配線用接続装置。
  2. 【請求項2】 プラグに設けられる接触子の根元付近
    に、プラグの前壁とコンセントの前壁との間に金属片等
    の異物が位置している時にはプラグの差し込み量を制限
    してプラグの接触子とコンセント内の受け金との電気的
    な接続状態を阻止するための短絡防止リブが突設されて
    成ることを特徴とする請求項1記載の配線用接続装置。
  3. 【請求項3】 プラグの前壁とは反対側の面に第2のプ
    ラグの接触子としての栓刃が挿入される栓刃挿入口が形
    成され、プラグ内にはプラグの接触子と電気的に接続す
    る刃受けばねが納装され、該刃受けばねは第2のプラグ
    の栓刃の幅よりも幅広となった円弧状に形成され、刃受
    けばねの幅方向の一端側に該栓刃が挿入される挿入部が
    設けられ、刃受けばねの幅方向の他端側に栓刃に形成さ
    れた孔部と係脱自在に係止する突部が突出する係止部が
    設けられ、第2のプラグの栓刃 を刃受けばねの挿入部に
    挿入した後に第2のプラグをその挿入方向を軸として一
    方向に回転させることにより、栓刃が刃受けばねの係止
    部側に移動して栓刃の孔部が突部に係止されて栓刃と刃
    受けばねとの電気的接続が保持されることを特徴とする
    請求項1記載の配線用接続装置。
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