JP3334431B2 - 歯車変速装置 - Google Patents

歯車変速装置

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JP3334431B2
JP3334431B2 JP14565195A JP14565195A JP3334431B2 JP 3334431 B2 JP3334431 B2 JP 3334431B2 JP 14565195 A JP14565195 A JP 14565195A JP 14565195 A JP14565195 A JP 14565195A JP 3334431 B2 JP3334431 B2 JP 3334431B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等、車両用の歯
車変速装置に係り、特に自動車用トランスミッションの
いわゆるスーパ−LOWとよばれる最低速機構や六速の
変速機構を具えた連結構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図2に、自動車用トランスミッション
(以下T/Mと略称する)の歯車連結構造図を示す。こ
の例に示す歯車変速装置は前進5段、リバース(後退)
1段の変速装置であり、図の数値(1)〜(5)は変速
段を示す。
【0003】図2において、11はエンジン(図示せ
ず)に連結される入力軸、12は該入力軸11と平行に
配設された出力軸、35は出力軸12に軸着された出力
ギヤ34に噛合されるデファレンシャルギヤである。
【0004】13は第1段駆動ギヤ、14、15、1
6、17は夫々第2、3、4、5段駆動ギヤであり、第
1段、第2段、第5段駆動ギヤ13、14、17が入力
軸11に軸着され、他の駆動ギヤは回転自在に軸支され
ている。19は第3段、第4段駆動ギヤ係脱操作用の同
期連結装置(以下シンクロという)である。
【0005】21は第1段被駆動ギヤ、23、24、2
5、26は夫々第2、3、4、5段被駆動ギヤであり、
図2に明らかなように、これら第1〜第5段被駆動ギヤ
21、23、24、25、26は前記第1段〜第5段駆
動ギヤ13、14、15、16、17に夫々噛合されて
いる。
【0006】また、前記第1段、第2段、第5段被駆動
ギヤ21、23、26は出力軸12に回転可能に軸支さ
れ、第3段〜第4段被駆動ギヤ24、25は出力軸12
に軸着されている。22は第1段、第2段被駆動ギヤ2
1、23係脱用の同期装置である
【0007】38は入力軸11に軸着されたリバース駆
動ギヤ、36は入力軸11と平行に配設されたリバース
アイドラ軸、37はリバースアイドラ軸に回転可能に軸
支されたリバースアイドラギヤ、28は出力軸12に回
転可能に軸支されたリバースギヤ、29は該リバースギ
ヤ28と出力軸12とを係脱するリバースシンクロであ
る。また、30、31、32、33は軸受である。
【0008】63は入力軸11に軸着されたスーパーL
OW駆動ギヤ、61は出力軸12に回転可能に軸支され
たスーパーLOWギヤ、62は該スーパーLOWギヤ6
1と出力軸12とを係脱するスーパーLOWシンクロで
ある。
【0009】さて前記のように構成された従来の自動車
用T/Mにおいて、最低速(スーパーLOW)運転時に
は、スーパーLOWシンクロ62を操作してスーパーL
OWギヤ61と出力軸12とを連結する。
【0010】これにより、入力軸11の回転は、スーパ
ーLOW駆動ギヤ63を介してスーパーLOWギヤ61
に伝達され、さらにスーパーLOWシンクロ62を経て
出力軸12に伝達され、該出力軸12はスーパーLOW
駆動ギヤ63の歯数Z1 とスーパーLOWギヤ61の歯
数Z2 との比Z1 /Z2 に減速せしめられて回転する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の歯車変速装
置にあっては、スーパーLOW駆動ギヤ63、スーパー
LOWギヤ61及びスーパーLOWシンクロ62から成
る最低速(スーパーLOW)機構60を入力軸11及び
出力軸12の反デファレンシャル歯車35側に連設して
いるので、T/Mの全長がこの最低速機構60の取付け
長さ分(図2のS寸法)だけ増大する。
【0012】このため、特にエンジン、T/M等のパワ
ープラントが横置き構造のF.F車、R.R車の場合は
車両幅が増大し、車両の小型コンパクト化、低燃費化の
障害となっている。
【0013】また、スーパーLOW機構60は1段減速
式であるので減速比が大きく採れず、所望の減速比を得
るには入力軸11と出力軸12と軸間距離を大きく採ら
ざるを得ず、この面からも車両の小型コンパクト化が阻
害される。これは前記スーパーLOW機構60の代りに
5段変速に更に一速の増速歯車を設け、6段変速の自動
変速機構を成立させる場合も同様であり、図5に示すよ
うに、入力軸11の一側には同期装置71を介して第6
段の駆動ギヤ72を軸着し、一方前記駆動ギヤ72は出
力軸12側に軸着された被駆動ギヤ73が噛合されてい
る。かかる従来技術においても、第6段の駆動ギヤ72
と被駆動ギヤ73を夫々入力軸11と出力軸12の一端
側に軸着させるために、必然的に該軸11、12、即ち
自動変速装置全体の長さが長くなる。
【0014】本発明の目的は、入力軸と出力軸とが平行
に配置され、複数段の前進速度段と後退(リバース)速
度と最低速機構とを備えた歯車変速装置において、最低
速機構若しくは6速機構の構成、配置を改良することに
より、入、出力軸方向の長さを増大することなく最低速
機構や6速機構の設置を可能とし、車両の軽量、コンパ
クト化及びこれによりもたらされる低燃費化を実現した
歯車変速装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は前記問題点を解
決するため、駆動源からの駆動力が伝達される入力軸
と、同入力軸と平行に設置され動力伝達系に連結される
出力軸と、上記入力軸に固設された第1ギヤ、上記出力
軸に相対回転可能に支持され上記第1ギヤと噛合する第
2ギヤ、上記第2ギヤと上記出力軸とを選択的に連結す
る第1連結手段を有し、上記第1連結手段を連結状態と
して上記駆動源からの駆動力を上記入力軸、上記第1ギ
ヤ及び上記第2ギヤを介して上記出力軸に伝達すること
により第1前進変速段を達成する第1変速ギヤ組と、
記入力軸に相対回転可能に支持された第3ギヤ、上記出
力軸に固設され上記第3ギヤと噛合する第4ギヤ、上記
第3ギヤと上記入力軸とを選択的に連結する第2連結手
段を有し、上記第2連結手段を連結状態として上記駆動
力を上記入力軸、上記第3ギヤ及び上記第4ギヤを介し
て上記出力軸に伝達することにより第2前進変速段を達
成する第2変速ギヤ組と、を備え、上記第1変速ギヤ組
と上記第2変速ギヤ組を含む複数の変速ギヤ組を軸方向
に並設して、当該複数の変速ギヤ組により複数の前進変
速段を達成する歯車変速装置において、上記入力軸及び
上記出力軸と平行に配設される第3の軸と、上記第3の
軸に相対回転可能に支持されて上記第1ギヤと上記第3
ギヤとの何れか一方のギヤと噛合する第1中間ギヤと、
上記第3の軸に固設されて上記第1ギヤと上記第3ギヤ
との何れか他方のギヤと噛合する第2中間ギヤと、上記
第1中間ギヤと上記第3の軸とを選択的に連結する第3
連結手段とを有し、上記第3連結手段を連結状態として
上記駆動力を上記入力軸、上記第1ギヤ、上記第1ギヤ
と噛合する上記第1中間ギヤ若しくは第2中間ギヤの一
の中間ギア、上記第3の軸、上記第3ギヤ と噛合する上
記第1中間ギヤ若しくは第2中間ギヤの他の中間ギア、
上記第3ギヤ及び上記第4ギヤを介して上記出力軸に伝
達することにより上記複数の前進変速段とは異なる最低
前進変速段又は最高前進変速段のいずれかの前進変速段
を達成することを特徴とする。
【0016】即ち例えば、上記最低前進変速段を達成す
る場合は、上記第1前進変速段は、上記第2前進変速段
よりも低速段であり、又上記副変速機構は、最高前進変
速段(例えば6速機構)を達成する場合は上記第1前進
変速段は、上記第2前進変速段よりも高速段である。
【0017】次に最低速機構と6速機構(最高前進変速
)を具現化する場合に分けて詳細に説明する。最低速
機構を具現化する場合は、第1段、第2段の低速ギヤを
軸支した低速軸を入、出力軸と平行に配置し、入力軸に
軸支される変速ギヤの1つをアイドラギヤとして利用し
て、低速2段減速を可能としたもので、その具体的構成
は次の通りである。
【0018】第1段低速ギヤが回転可能に軸支され第2
段低速ギヤが軸着された低速軸を上記入力軸と平行に配
置し、前記低速軸に前記第1段低速ギヤと該低速軸とを
係脱する低速シンクロを装着し、前記第1段低速ギヤを
前記入力軸に軸着された駆動ギヤの1つに噛合し、前記
第2段低速ギヤを入力軸に回転可能に軸支された前記第
1段低速ギヤ側よりも高速段側の駆動ギヤに噛合してこ
の駆動ギヤをアイドラギヤとして出力軸に軸着された被
駆動ギヤに前記第2段低速ギヤの回転力を伝達するよう
に構成する。尚、本明細書においては、軸支とは回転自
在に軸に支持される事、軸着とは固定状態で軸に支持さ
れる事をさす。そして支持とは両者を含む。
【0019】さらに、好ましくは、前記構成において、
前記第1段低速ギヤを入力軸の入力端側に配置された第
1段駆動ギヤに噛合せしめるとともに、前記第2段低速
ギヤを入力軸に回転可能に軸支された第3段駆動ギヤに
噛合せしめるのがよい。
【0020】これにより、低速シンクロにより第1段低
速ギヤと低速軸とを連結すると、入力軸の回転は第1段
駆動ギヤから第1段低速ギヤに伝達され、ここで1段目
の減速がなされ、第1段低速ギヤから低速シンクロを介
して低速軸に伝達される。さらに低速軸の回転は第2段
低速ギヤからアイドラギヤの機能を果たす第3弾駆動ギ
ヤを介して第3段被駆動ギヤに伝達され、ここで2段目
の減速がなされ、出力軸に伝達される。これにより出力
軸は前記2段の減速により最低速に減速されて回転せし
められる。
【0021】また、低速ギヤ群及び低速シンクロを装備
した低速軸を入力軸と平行に配置したので、従来のもの
のように低速機構を入、出力軸の軸端に連設する必要が
なく、低速機構を設けることによるT/M全長の増加が
回避され、殊にF.F車、R.R車においては、車幅を
増加することなしに低速機能が得られ車体の小型コンパ
クト化が促進される。また、2段減速の低速機構がある
ので、従来の1段減速に較べ減速比が大きく採れ、さら
に小型化が促進される。さらに入力軸に軸支された駆動
ギヤを第2段減速のアイドラギヤとして利用できるの
で、コンパクトな構造で以て所望の低速機能を得ること
ができる。
【0022】又デファレンシャルギアをハウジング内に
組込んだ例えばF・F車等に組込まれる歯車変速装置に
おいて、前記出力軸に支持された対応する被駆動ギヤ
と、前記低速軸に支持された第1段及び第2段低速ギヤ
を、夫々前記入力軸に支持された対応する駆動ギアに支
持させるとともに、その歯合位置が前記入力軸の隣接す
る象限位置に設定、具体的には第1象限と第2象限、第
2象限と第3象限、第3象限と第4象限、第4象限と第
1象限のように軸心を中心として90°縦横割りした隣
接する象限位置で歯合するように構成することにより、
省スペース化を図りながら、言換えれば前記装置ハウジ
ングの内容積が増大化することなく達成し得る。
【0023】従って殊にエンジン及びT/Mを横置きに
配置するF.F車、R.R車においては、車幅が大幅に
減少せしめられ、車両の小型コンパクト化、低燃費化が
実現できる。
【0024】6速機構を具現化する場合も同様で、図4
に示すように、第6段の駆動ギヤと被駆動ギヤを同期装
置を介して支持する第3の軸を入、出力軸と平行に配置
し、前記第6段の駆動ギヤを第5段の駆動ギヤと歯合
し、一方前記被駆動ギヤは、入力軸に軸支される変速ギ
ヤの1つをアイドラギヤとして利用して、該アイドラギ
ヤと歯合する事により6速の変速を可能としたものであ
る。
【0025】かかる装置構成によれば、第5段の駆動ギ
ヤに噛み合う第6段の駆動ギヤにて増速され、同期装置
を介して同軸に軸支されている第6段の被駆動ギヤを回
転させる。そして6段の被駆動ギヤは入力軸に軸支され
たアイドラギヤに歯合しているために、該アイドラギヤ
と出力軸側で軸着しているアイドラギヤと同段の被駆動
ギヤにより減速される。従って第6段の駆動ギヤでの増
速とアイドラギヤと同段の被駆動ギヤでの減速により必
要とした増速比が得られる。これにより前記最低速機構
と同様に、T/M全長の増加が回避され、殊にF.F
車、R.R車においては、車幅を増加することなしに低
速機能が得られ車体の小型コンパクト化が促進される。
【0026】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を例示
的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されてい
る構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置などは特
に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれの
みに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。図
1は本発明に係る最低速機構を組込んだ自動車用の歯車
変速装置のスケルトン機構図を示す。同図において、1
1はエンジン(図示せず)に連結される入力軸、12は
該入力軸11と平行に配設された出力軸、35は該出力
軸12に軸着された出力ギヤ34に噛合されるデファレ
ンシャルギヤである。
【0027】13は第1段駆動ギヤ、14、15、1
6、17は夫々第2、3、4、5段駆動ギヤであり、第
1、2、5段駆動ギヤ13、14、17は入力軸11に
軸着され、他の2段の駆動ギヤ15、16は入力軸11
に相対回転可能に軸支されている。19は第3段、第4
段駆動ギヤ15、16を係脱操作するための同期装置で
ある。21は第1段被駆動ギヤ、23、24、25、2
6は第2、3、4、5段被駆動ギヤであり、第1段、第
2段、第5段被駆動ギヤ21、23、26は出力軸12
に相対回転可能に軸支され、他の被駆動ギヤ24、25
は出力軸12に軸着されている。
【0028】そして、前記第1段〜第5段被駆動ギヤ2
1、23、24、25、26は、前記第1段〜第5段駆
動ギヤ13、14、15、16、17に夫々噛合されて
いる。
【0029】22は、第1段被駆動ギヤ21又は第2段
被駆動ギヤ23と出力軸12とを係脱する同期装置であ
る。また、30、31は入力軸11支承用の軸受、3
2、33は出力軸12支承用の軸受である。
【0030】38は入力軸1に軸着されたリバース駆動
ギヤ、36はリバースアイドラ軸、37は該リバースア
イドラ軸36に回転可能に軸支されたリバースアイドラ
ギヤである。また28は出力軸12に回転可能に軸支さ
れたリバースギヤ、29は該リバースギヤ28と出力軸
12とを係脱するリバースシンクロである。
【0031】53は前記入力軸11及び出力軸12に平
行に配置された低速軸であり、該低速軸53にはその一
端に第1段低速ギヤ51が回転可能に軸支され、他端に
第2段低速ギヤ52が軸着されている。そして、前記低
速軸53の第1段低速ギヤ51と第2段低速ギヤ52と
の間の部位には前記第1段低速ギヤ51と低速軸53と
の間を係脱する低速シンクロ54が設けられている。
【0032】前記第1段低速ギヤ51は、これよりも歯
数の少ない前記第1段駆動ギヤ13に噛合され、また第
2段低速ギヤ52は前記第3段駆動ギヤ15に噛合され
ている。また、前記第2段低速ギヤ52の歯数は、これ
と第3段駆動ギヤ15を介して連結される第3段被駆動
ギヤ24の歯数よりも小さく構成される。55、56は
低速軸53を支承する軸受である。これら第1段、第2
段低速ギヤ51、52、低速軸53、低速シンクロ5
4、軸受55、56等により最低速機構を構成する。
【0033】前記のように構成された歯車式変速装置に
おいて、最低速運転時には最低速機構50の低速シンク
ロ54を操作して低速軸53と第1段低速ギヤ51とを
連結する。すると、入力軸11の回転は第1段駆動ギヤ
13から第1段低速ギヤ51に伝達され、ここで式
(1)に示す第1段の減速がなされる。
【0034】 (NL /NI)=(ZI /ZL) …(1) NL:低速軸53の回転数 NI:入力軸の回転数 ZI:第1段駆動ギヤの歯数 ZL:低速ギヤ51の歯数
【0035】前記のようにして第1次減速がなされた低
速軸53の回転(回転数:NL )は、第2段低速ギヤ5
2から、アイドラギヤとして機能する第3段駆動ギヤ1
5を経て第3段被駆動ギヤ24に伝達され、さらに該ギ
ヤ24が軸着された出力軸12へと伝達される。前記第
2段低速ギヤ52から出力軸12への回転伝達時におい
て次の(2)式に示す第2段の減速がなされる。
【0036】 (ND /NL)=(ZL2/ZD3) …(2) ND:出力軸12の回転数 NL:低速軸53の回転数 ZL2:第2段低速ギヤの歯数 ZD3:第3段被駆動ギヤの歯数
【0037】以上のように出力軸12は、入力軸11の
回転数:NI に対し前記(1)、(2)式で示される2
段の減速がなされた回転数:ND で回転せしめられる。
【0038】この実施例においては、図2に示す従来の
ものと比較して明らかなように、第1段、第2段低速ギ
ヤ51、52及び低速シンクロ54を装備した低速軸5
3を1本、入、出力軸11、12と平行に配置したの
で、前記1本の低速軸53を加えるのみで従来のものに
較べて図2に示す長さS相当分T/Mの全長を大幅に短
縮することができる。また、第3段駆動ギヤ15を第2
段減速のアイドラギヤとして利用したので、コンパクト
な構造で以て低速2段減速を実現することができる。
【0039】図3は、デファレンシャルギア35をハウ
ジング10内に組込んだ例えばF・F車等に組込まれる
歯車変速装置の軸に対し直角に切断したハウジング10
内部構成を示し、その概略レイアウト構成を説明する
に、ハウジング10内の図上右方には前記デファレンシ
ャルギア35、その左方のハウジング10中央部に出力
軸12が、又前記入力軸11は、デファレンシャルギア
35の反対側に位置する前記出力軸12の斜め上方位置
に配設されている。
【0040】即ち具体的には出力軸12の第4象限位置
と入力軸11の第2象限位置で、出力軸12に軸支され
た第3段被駆動ギヤ24と入力軸11に軸着された第3
段駆動ギア15とが歯合可能に配設されている。又前記
低速軸53は、デファレンシャルギア35の反対側に位
置する前記出力軸12の水平延長線上に配設されている
とともに、入力軸11の第3象限位置と低速軸53の第
1象限位置で、入力軸11に軸支された第1段及び第3
段駆動ギア13、15と、前記低速軸53に支持された
第1段及び第2段低速ギヤ51、52とを歯合するよう
に構成する。
【0041】これにより前記したように最低速運転時に
は最低速機構50の低速シンクロ54を操作して低速軸
53と第1段低速ギヤ51とを連結することにより、入
力軸11の回転は第1段駆動ギヤ13から第1段低速ギ
ヤ51に伝達され、上式(1)に示す第1次の減速がな
される。
【0042】次に第1次減速がなされた低速軸53の回
転は、第2段低速ギヤ52から、アイドラギヤとして機
能する第3段駆動ギヤ15を経て第3段被駆動ギヤ24
に伝達され、さらに該ギヤ24が軸着された出力軸12
へと伝達されることになる。従って、入力軸11を結果
的に中継軸として利用する事が出来、この結果省スペー
ス化を図りながら、而も前記装置ハウジングの内容積が
増大化することなく達成し得る。
【0043】これにより、特にF.F車、R.R車のよ
うにパワープラントが横置きに装備される自動車におい
て、車体の軽量、コンパクト化と、これに伴う低燃費化
が実現される。
【0044】尚、前記実施例は5段変速について示して
いるが、4段、6段変速の車両についても、本発明は前
記実施例の場合と同様、容易に適用できる。
【0045】図4は本発明に係る6速機構を組込んだ自
動車用の歯車変速装置のスケルトン機構図を示す。図4
は図5のスケルトン機構の第1段〜第5段及びリバース
用の変速機構と同様であり、従って図5との差異を中心
に説明する。前記図4に示すように、入、出力軸11、
12と平行に第3の軸80が、両端に配置された軸受8
1、81により支持されており、そして該第3の軸80
には入力軸11に軸着されている第5段の駆動ギヤ17
に歯合されている第6段の駆動ギヤ82が軸着してお
り、更に該第3の軸80には同期装置83を介して被駆
動ギヤ84が回転可能に軸支されている。
【0046】そして前記第6段の被駆動ギヤ84は、入
力軸11に軸支される第3段駆動ギヤ15をアイドラギ
ヤとして利用するために歯合している。そして前記アイ
ドラギヤと利用された第3段駆動ギヤ15は出力軸12
側に軸着されている第3段被駆動ギヤ24に歯合されて
いる。
【0047】かかる装置構成によれば、第5段の駆動ギ
ヤ17に噛み合う第6段の駆動ギヤ82にて増速され、
同期装置83を介して同軸80に軸支されている第6段
の被駆動ギヤ84を回転させる。
【0048】そして6段の被駆動ギヤ84は入力軸11
に軸支された第3段駆動ギヤ15に歯合しているため
に、該第3段駆動ギヤ15を介して出力軸12側で軸着
している第3段被駆動ギヤ24により減速される。従っ
て第6段の駆動ギヤ82での増速と第3段駆動ギヤ15
を介して同段の被駆動ギヤ24での減速により必要とし
た増速比が得られる。
【0049】これにより前記最低速機構と同様に、T/
M全長の増加が回避され、殊にF.F車、R.R車にお
いては、車幅を増加することなしに低速機能が得られ車
体の小型コンパクト化が促進される。
【0050】又本実施例も入力軸11を結果的に中継軸
として利用する事が出来、この結果前記実施例と同様に
入力軸11の周囲に第3の軸を配設できるために、図3
と同様なレイアウト構成を取る事が出来るために、省ス
ペース化を図りながら、而も前記装置ハウジングの内容
積が増大化することなく達成し得る。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、低速機構
や6速機構を入、出力軸の軸端に設ける必要がなく、低
速機構や6速機構を設けることによるT/M全長の増加
が回避され、殊にF.F車、R.R車においては、車幅
を増加することなしに低速軸1本を前記のように増設す
るのみで低速機能が得られ車体の小型コンパクト化が促
進される。
【0052】また、低速機構においては2段減速の低速
機構であるので、従来の1段減速に較べ減速比が大きく
採れ、さらに小型化が促進される。さらに低速機構や6
速機構のいずれも入力軸に軸支された駆動ギヤをアイド
ラギヤとして利用できるので、コンパクトな構造で所望
の低速機能を得ることができる。
【0053】更に本発明はハウジングの内容積が増大化
することなく、前記効果を円滑に達成し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る最低速機構を組込んだ自
動車用歯車変速装置の構成図。
【図2】従来例を示す図1応当図。
【図3】デファレンシャルギアをハウジング内に組込ん
だ図1に示す自動車用歯車変速装置の内部構成を示す。
【図4】本発明の他の実施例に係る6速機構を組込んだ
自動車用歯車変速装置の構成図。
【図5】従来例を示す図1応当図。
【符号の説明】
10 ハウジング 11 入力軸 12 出力軸 13 第1段駆動ギヤ 15 第3段駆動ギヤ 21 第1段被駆動ギヤ 24 第3段被駆動ギヤ 50 最低速機構 51 第1段低速ギヤ 52 第2段低速ギヤ 53 低速軸 54 低速シンクロ(同期連結装置) 82 第6段の駆動ギヤ 83 同期装置 84 第6段の被駆動ギヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 3/00 - 3/78

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源からの駆動力が伝達される入力軸
    と、 同入力軸と平行に設置され動力伝達系に連結される出力
    軸と、 上記入力軸に固設された第1ギヤ、上記出力軸に相対回
    転可能に支持され上記第1ギヤと噛合する第2ギヤ、上
    記第2ギヤと上記出力軸とを選択的に連結する第1連結
    手段を有し、上記第1連結手段を連結状態として上記駆
    動源からの駆動力を上記入力軸、上記第1ギヤ及び上記
    第2ギヤを介して上記出力軸に伝達することにより第1
    前進変速段を達成する第1変速ギヤ組と、 上記入力軸に相対回転可能に支持された第3ギヤ上記
    出力軸に固設され上記第3ギヤと噛合する第4ギヤ
    記第3ギヤと上記入力軸とを選択的に連結する第2連結
    手段を有し、上記第2連結手段を連結状態として上記駆
    動力を上記入力軸、上記第3ギヤ及び上記第4ギヤを介
    して上記出力軸に伝達することにより第2前進変速段を
    達成する第2変速ギヤ組と、を備え、上記第1変速ギヤ組と上記第2変速ギヤ組を含む複数の
    変速ギヤ組を軸方向に並設して、当該複数の変速ギヤ組
    により複数の前進変速段を達成する 歯車変速装置におい
    て、上記入力軸及び上記出力軸と平行に配設される第3の軸
    と、上記第3の軸に相対回転可能に支持されて上記第1
    ギヤと上記第3ギヤとの何れか一方のギヤと噛合する第
    1中間ギヤと、上記第3の軸に固設されて上記第1ギヤ
    と上記第3ギヤとの何れか他方のギヤと噛合する第2中
    間ギヤと、上記第1中間ギヤと上記第3の軸とを選択的
    に連結する第3連結手段とを有し、上記第3連結手段を
    連結状態として上記駆動力を上記入力軸、上記第1ギ
    ヤ、上記第1ギヤと噛合する上記第1中間ギヤ若しくは
    第2中間ギヤの一の中間ギア、上記第3の軸、上記第3
    ギヤと噛合する上記第1中間ギヤ若しくは第2中間ギヤ
    の他の中間ギア、上記第3ギヤ及び上記第4ギヤを介し
    て上記出力軸に伝達することにより上記複数の前進変速
    段とは異なる最低前進変速段又は最高前進変速段のいず
    れかの前進変速段を達成する ことを特徴とする歯車変速
    装置。
  2. 【請求項2】上記最低前進変速段を達成する請求項1記
    載の歯車変速装置において、上記第1前進変速段は、上
    記第2前進変速段よりも低速段であることを特徴とする
    請求項1記載の歯車変速装置。
  3. 【請求項3】上記最高前進変速段を達成する請求項1記
    載の歯車変速装置において、上記第1前進変速段は、上
    記第2前進変速段よりも高速段であることを特徴とする
    請求項1記載の歯車変速装置。
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