JP2017141923A - 変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造の簡素化を維持しながら、より一層の軸長短縮を図ることができる技術を提供すること。
【解決手段】第1および第2副軸6,8を入力軸2および出力軸4に平行に配置する。第1副軸6には、軸方向に摺動可能なリバースアイドラギヤGIを設け、第2副軸8には、1速被駆動ギヤG1’に噛み合う第1中間ギヤ14およびリバースアイドラギヤGIに噛み合い可能な第2中間ギヤ16を設ける。また、1−2速シンクロ装置S1のカップリングスリーブ34にリバースアイドラギヤGIと噛み合い可能な歯部Grev’を設ける。1速および2速被駆動ギヤG1’,G2’間に対応する領域外から1速および2速被駆動ギヤG1’,G2’間に対応する領域内にリバースアイドラギヤGIを摺動することにより、後進変速段が確立される。当該構成により、構造の簡素化を維持しながら、軸長短縮を図ることができる。
【選択図】図5
【解決手段】第1および第2副軸6,8を入力軸2および出力軸4に平行に配置する。第1副軸6には、軸方向に摺動可能なリバースアイドラギヤGIを設け、第2副軸8には、1速被駆動ギヤG1’に噛み合う第1中間ギヤ14およびリバースアイドラギヤGIに噛み合い可能な第2中間ギヤ16を設ける。また、1−2速シンクロ装置S1のカップリングスリーブ34にリバースアイドラギヤGIと噛み合い可能な歯部Grev’を設ける。1速および2速被駆動ギヤG1’,G2’間に対応する領域外から1速および2速被駆動ギヤG1’,G2’間に対応する領域内にリバースアイドラギヤGIを摺動することにより、後進変速段が確立される。当該構成により、構造の簡素化を維持しながら、軸長短縮を図ることができる。
【選択図】図5
Description
本発明は、変速機に関する。
実公平6−14100号公報(特許文献1)には、後進変速段の切り替え機構として選択摺動式を採用した変速機が記載されている。当該変速機では、1速および2速被駆動ギヤを出力軸に選択的に固定するカップリングスリーブの外周面にリバース被駆動ギヤを形成すると共に、当該1速および2速被駆動ギヤ間に対応する空間領域内にリバースアイドラギヤを配置し、リバースアイドラギヤを当該空間領域内で軸方向移動させて、リバース被駆動ギヤと入力軸上に固定配置されたリバース駆動ギヤとをリバースアイドラギヤを介して噛み合わせることにより後進変速段を確立している。
当該変速機によれば、後進変速段の切り替え機構として選択摺動式を採用しているため、構造の簡素化を図ることができると共に、リバース被駆動ギヤをカップリングスリーブの外周面に設ける構成であるため、専用のリバース被駆動ギヤを出力軸に別途設ける構成に比べて軸長短縮を図ることができる。
しかしながら、上述した変速機では、1速および2速被駆動ギヤ間に対応する空間領域内においてリバースアイドラギヤを摺動させる必要があり、当該リバースアイドラギヤとその周囲に配置された1速および2速駆動ギヤや1速および2速被駆動ギヤとの干渉や、カップリングスリーブの軸方向移動の際のリバース被駆動ギヤとリバースアイドラギヤとの干渉を回避するための軸方向スペースを確保する必要があり、軸長短縮という点において、なお改良の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、構造の簡素化を維持しながら、より一層の軸長短縮を図ることができる技術を提供することを目的とする。
本発明の変速機は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る第1の変速機の好ましい形態によれば、回転軸と、出力軸と、第1副軸と、第2副軸と、第1および第2前進変速段用駆動ギヤと、第1および第2前進変速段用被駆動ギヤと、選択固定部材と、アイドラギヤと、第1中間ギヤと、第2中間ギヤと、を備えるように構成されている。回転軸は、原動機の出力軸に接続可能に構成されている。出力軸は、当該回転軸に平行に配置されている。第1副軸は、回転軸および出力軸に平行に配置されている。第2副軸は、回転軸、出力軸および第1副軸に平行に配置されている。第1および第2前進変速段用駆動ギヤは、回転軸と一体回転するように当該回転軸に支持されている。第1および第2前進変速段用被駆動ギヤは、出力軸に回転自在に支持されると共に、第1および第2前進変速段用駆動ギヤと噛合うように構成されている。選択固定部材は、出力軸と一体回転するように構成されると共に、出力軸に対して軸方向に移動可能に構成され、当該軸方向に移動されることにより第1および第2前進変速段用被駆動ギヤを出力軸に選択的に固定可能に構成されている。また、選択固定部材は、第1および第2前進変速段用被駆動ギヤ間に配置されると共に、アイドラギヤと噛み合い可能に構成された歯部を有している。アイドラギヤは、第1副軸に支持されている。また、アイドラギヤは、出力軸に直交する直線に関し、当該直線に沿う方向の一方側から見たときの仮想投影面上における第1および第2前進変速段用被駆動ギヤの各投影領域間に構成される内側領域と当該各投影領域間の外側に構成される外側領域との間を軸方向移動可能なように構成されている。第1中間ギヤは、第2副軸に支持されている。第2中間ギヤは、第1中間ギヤと一体回転するように当該第2副軸に支持されると共に、第1前進変速段用被駆動ギヤと噛み合うように構成されている。そして、アイドラギヤが外側領域から内側領域に軸方向移動されることにより、アイドラギヤと歯部および第1中間ギヤとが噛み合い、後進変速段が確立されるように構成されている。
ここで、本発明における「回転軸は、原動機の出力軸に接続可能に構成されている」態様としては、典型的には、回転軸がクラッチを介して原動機の出力軸に間接的に接続される態様がこれに該当するが、回転軸が原動機の出力軸にギヤ機構やチェーンあるいはベルトなどの伝動部材を介して間接的に接続される態様や、回転軸が原動機の出力軸に直接接続される態様を好適に包含する。また、本発明における「外側領域」は、第1および第2前進変速段用被駆動ギヤの各投影領域を含む概念である。さらに、本発明における「アイドラギヤが外側領域から内側領域に軸方向移動される」態様としては、典型的には、アイドラギヤが第1副軸上を軸方向移動される態様がこれに該当するが、アイドラギヤが第1副軸と一体的に軸方向移動される態様を好適に包含する。なお、アイドラギヤが外側領域に移動された際には、アイドラギヤの全部が外側領域に配置されている必要はなく、軸方向移動される選択固定部材とアイドラギヤとが干渉しない限りにおいて、アイドラギヤの少なくとも一部が内側領域に配置される構成としても良い。
本発明によれば、後進変速段でないとき、即ち、前進変速段が確立されている状態であるとき、あるいは、いずれの変速段も確立されていない中立状態であるときには、後進変速段を確立するための構成要素であるアイドラギヤの少なくとも一部が仮想投影面上における第1および第2前進変速段用被駆動ギヤの各投影領域間に構成される内側領域ではなく、各投影領域間の外側に構成される外側領域に配置される構成であるため、選択固定部材の軸方向移動の際に選択固定部材とアイドラギヤとが干渉しないようにアイドラギヤを配置することができる。これにより、内側領域内でアイドラギヤを軸方向移動させる構成に比べて第1および第2前進変速段用被駆動ギヤの軸方向間隔を短縮することができるため、軸長の短縮を図ることができる。
もとより、後進変速段が所謂選択摺動式であるため、構造簡素化の維持を図ることができる。また、アイドラギヤと噛み合う歯部を選択固定部材に設ける構成であるため、アイドラギヤと噛み合う専用のギヤを出力軸に別途設ける構造に比べて、軸長の短縮を図ることができる。
本発明に係る第2の変速機の好ましい形態によれば、回転軸と、出力軸と、第1副軸と、第2副軸と、第1、第2および第3前進変速段用駆動ギヤと、第1、第2および第3前進変速段用被駆動ギヤと、選択固定部材と、アイドラギヤと、第1中間ギヤと、第2中間ギヤと、を備えるように構成されている。回転軸は、原動機の出力軸に接続可能に構成されている。出力軸は、当該回転軸に平行に配置されている。第1副軸は、回転軸および出力軸に平行に配置されている。第2副軸は、回転軸、出力軸および第1副軸に平行に配置されている。第1、第2および第3前進変速段用駆動ギヤは、回転軸と一体回転するように当該回転軸に支持されている。第1、第2および第3前進変速段用被駆動ギヤは、出力軸に回転自在に支持されると共に、第1、第2および第3前進変速段用駆動ギヤと噛合うように構成されている。選択固定部材は、出力軸と一体回転するように構成されると共に、出力軸に対して軸方向に移動可能に構成され、当該軸方向に移動されることにより第1および第2前進変速段用被駆動ギヤを出力軸に選択的に固定可能に構成されている。また、選択固定部材は、第1および第2前進変速段用被駆動ギヤ間に配置されると共に、アイドラギヤと噛み合い可能に構成された歯部を有している。アイドラギヤは、第1副軸に支持されている。また、アイドラギヤは、出力軸に直交する直線に関し、当該直線に沿う方向の一方側から見たときの仮想投影面上における第1および第2前進変速段用被駆動ギヤの各投影領域間に構成される内側領域と当該各投影領域間の外側に構成される外側領域との間を軸方向移動可能なように構成されている。第1中間ギヤは、第2副軸に支持されている。第2中間ギヤは、第1中間ギヤと一体回転するように第2副軸に支持されると共に、第3前進変速段用被駆動ギヤと噛み合うように構成されている。そして、アイドラギヤが外側領域から内側領域に軸方向移動されることにより、アイドラギヤと歯部および第1中間ギヤとが噛み合い、後進変速段が確立されるように構成されている。
ここで、本発明における「回転軸は、原動機の出力軸に接続可能に構成されている」態様としては、典型的には、回転軸がクラッチを介して原動機の出力軸に間接的に接続される態様がこれに該当するが、回転軸が原動機の出力軸にギヤ機構やチェーンあるいはベルトなどの伝動部材を介して間接的に接続される態様や、回転軸が原動機の出力軸に直接接続される態様を好適に包含する。また、本発明における「外側領域」は、第1および第2前進変速段用被駆動ギヤの各投影領域を含む概念である。さらに、本発明における「アイドラギヤが外側領域から内側領域に軸方向移動される」態様としては、典型的には、アイドラギヤが第1副軸上を軸方向移動される態様がこれに該当するが、アイドラギヤが第1副軸と一体的に軸方向移動される態様を好適に包含する。
本発明によれば、後進変速段でないとき、即ち、前進変速段が確立されている状態であるとき、あるいは、いずれの変速段も確立されていない中立状態であるときには、後進変速段を確立するための構成要素であるアイドラギヤが仮想投影面上における第1および第2前進変速段用被駆動ギヤの各投影領域間に構成される内側領域ではなく、各投影領域間の外側に構成される外側領域に配置される構成であるため、選択固定部材の軸方向移動の際に選択固定部材とアイドラギヤとの干渉を生ずることがない。これにより、第1および第2前進変速段用被駆動ギヤの軸方向間隔を選択固定部材とアイドラギヤとの干渉を考慮した長さに設定する必要がない。この結果、軸長短縮を図ることができる。
もとより、後進変速段が所謂選択摺動式であるため、構造簡素化の維持を図ることができる。また、アイドラギヤと噛み合う歯部を選択固定部材に設ける構成であるため、アイドラギヤと噛み合う専用のギヤを出力軸に別途設ける構造に比べて、軸長の短縮を図ることができる。
本発明に係る第1の変速機の更なる形態によれば、回転軸、出力軸、第1副軸および第2副軸を支持するように構成されたケース部材をさらに備えている。そして、後進変速段が確立された状態において、第1前進変速段用駆動ギヤと第1前進変速段用被駆動ギヤとの噛み合いにより第1前進変速段用被駆動ギヤに作用する第1の力および第1前進変速段用被駆動ギヤと第2中間ギヤとの噛み合いにより第1前進変速段用被駆動ギヤに作用する第2の力が互いに打ち消し合う方向に作用する配置となるように回転軸、出力軸、第1副軸および第2副軸がケース部材に支持されている。
本形態によれば、第1前進変速段用駆動ギヤと第1前進変速段用被駆動ギヤとの噛み合いや、第1前進変速段用被駆動ギヤと第2中間ギヤとの噛み合いに伴って、第1前進変速段用被駆動ギヤを介して当該第1前進変速段用被駆動ギヤを回転自在に支持する軸受部材に入力される負荷の低減を図ることができる。
本発明に係る第2の変速機の更なる形態によれば、回転軸、出力軸、第1副軸および第2副軸を支持するように構成されたケース部材をさらに備えている。そして、後進変速段が確立された状態において、第3前進変速段用駆動ギヤと第3前進変速段用被駆動ギヤとの噛み合いにより第3前進変速段用被駆動ギヤに作用する第1の力および第3前進変速段用被駆動ギヤと第2中間ギヤとの噛み合いにより第3前進変速段用被駆動ギヤに作用する第2の力が互いに打ち消し合う方向に作用する配置となるように回転軸、出力軸、第1副軸および第2副軸がケース部材に支持されている。
本形態によれば、第3前進変速段用駆動ギヤと第3前進変速段用被駆動ギヤとの噛み合いや、第3前進変速段用被駆動ギヤと第2中間ギヤとの噛み合いに伴って、第3前進変速段用被駆動ギヤを介して当該第3前進変速段用被駆動ギヤを回転自在に支持する軸受部材に入力される負荷の低減を図ることができる。
第1および第2の力が互いに打ち消し合う方向に作用する配置とされる本発明に係る第1および第2の変速機の更なる形態によれば、原動機からの加速トルクによって出力軸が駆動される際の第1および第2の力が、互いに打ち消し合う方向に作用する配置となるように回転軸、出力軸、第1副軸および第2副軸がケース部材に支持されている。ここで、本発明における「加速トルク」とは、原動機側から回転軸を駆動する所謂ドライブトルクがこれに該当する。
一般に、出力軸側から回転軸を駆動するコーストトルクによって原動機の出力軸が連れ回される所謂コースト状態よりも、原動機側から回転軸を駆動するドライブトルクによって出力軸が駆動される所謂ドライブ状態の方が、ギヤの噛合い時に当該ギヤに作用する力が大きくなる。本形態によれば、当該ギヤに作用する力が大きくなるドライブ状態において、第1前進変速段用被駆動ギヤや第3前進変速段用被駆動ギヤを回転自在に支持する軸受部材に入力される負荷の低減効果を顕著なものとすることができる。
本発明に係る第1および第2の変速機の更なる形態によれば、回転軸は、原動機の出力軸の回転方向と同じ回転方向に回転されるように構成されている。また、第1および第2副軸は、前記回転軸の中心と前記出力軸の中心とを結ぶ仮想直線を挟んで前記回転軸の回転方向先側の領域に配置されるようにケース部材に支持されている。そして、後進変速段が確立された際、車両の右側から回転軸を見た場合に、時計回りとなる方向に回転軸が回転されることにより車両が後進走行するように構成されている。ここで、本発明における「車両の右側」は、車両の前進方向に向かって右側として規定される。
本形態によれば、所謂フロントエンジン・フロントドライブ(FF)式の車両に搭載されるFF車用の手動変速機において、回転軸にドライブトルクが作用した際の第1および第2の力の作用方向が互いに打ち消し合う方向となるように回転軸、第1および第2副軸が配置されるため、第1前進変速段用被駆動ギヤや第3前進変速段用被駆動ギヤを回転自在に支持する軸受部材に入力される負荷の低減を図ることができる。
本発明に係る第1および第2の変速機の更なる形態によれば、選択固定部材を作動させる作動部材をさらに備えている。また、当該作動部材は、変速機が車両に搭載された状態における鉛直下方部に配置されている。そして、アイドラギヤ、第1中間ギヤおよび第2中間ギヤが出力軸を挟んで作動部材とは反対側となる鉛直上方部に配置されるように第1および第2副軸がケース部材に支持されている。
本形態によれば、鉛直下方部に作動部材が配置された変速機において、第1および第2副軸の合理的な配置を実現することができる。
本発明に係る第1および第2の変速機の更なる形態によれば、回転軸は、原動機の出力軸の回転方向と異なる回転方向に回転されるように構成されている。また、第1および第2副軸は、原動機が配置された側とは反対側から第1および第2副軸を見た場合に、回転軸の中心と前記出力軸の中心とを結ぶ仮想直線を挟んで回転軸の回転方向先側の領域に配置されるようにケース部材に支持されている。そして、後進変速段が確立された際、原動機が配置された側とは反対側から回転軸を見た場合に、反時計回りとなる方向に回転軸が回転されることにより車両が後進走行するように構成されている。
本形態によれば、所謂フロントエンジン・リアドライブ(FR)式の車両に搭載されるFR車用の手動変速機において、回転軸にドライブトルクが作用した際の第1および第2の力の作用方向が互いに打ち消し合う方向の配置となるため、第1前進変速段用被駆動ギヤや第3前進変速段用被駆動ギヤを回転自在に支持する軸受部材に入力される負荷の低減を図ることができる。
本発明に係る第1および第2の変速機の更なる形態によれば、選択固定部材を作動させる作動部材をさらに備えている。また、回転軸と出力軸とは略鉛直方向に並んで配置されている。さらに、作動部材は、原動機側から回転軸を見た場合に仮想直線を挟んで右側に配置されている。そして、アイドラギヤ、第1中間ギヤおよび第2中間ギヤが原動機側から回転軸を見た場合に仮想直線を挟んで左側に配置されるように第1および第2副軸がケース部材に支持されている。
本形態によれば、原動機側から回転軸を見た場合に仮想直線を挟んで右側に作動部材が配置された変速機において、第1および第2副軸の合理的な配置を実現することができる。
本発明に係る第1および第2の変速機の更なる形態によれば、回転軸、出力軸、第1副軸および第2副軸を支持するように構成されたケース部材をさらに備えている。そして、アイドラギヤと第1中間ギヤとの噛み合いによりアイドラギヤに作用する第3の力と、アイドラギヤと歯部との噛み合いによりアイドラギヤに作用する第4の力と、が互いに打ち消し合う方向に作用する配置となるように回転軸、出力軸、第1副軸および第2副軸がケース部材に支持されている。
本形態によれば、アイドラギヤと第1中間ギヤとの噛み合いや、アイドラギヤと歯部との噛み合いに伴ってアイドラギヤを介して第1副軸の支持部やアイドラギヤを第1副軸に回転自在に支持する軸受部材に入力される負荷の低減を図ることができる。
本発明に係る第1および第2の変速機の更なる形態によれば、原動機からの加速トルクによって出力軸が駆動される際の第3および第4の力が、互いに打ち消し合う方向に作用する配置となるよう回転軸、出力軸、第1副軸および第2副軸がケース部材に支持されている。ここで、本発明における「加速トルク」とは、原動機側から回転軸を駆動する所謂ドライブトルクがこれに該当する。
一般に、出力軸側から回転軸を駆動するコーストトルクによって原動機の出力軸が連れ回される所謂コースト状態よりも、原動機側から回転軸を駆動するドライブトルクによって出力軸が駆動される所謂ドライブ状態の方が、ギヤの噛合い時に当該ギヤに作用する力が大きくなる。本形態によれば、当該ギヤに作用する力が大きくなるドライブ状態において、第1副軸の支持部やアイドラギヤを第1副軸に回転自在に支持する軸受部材に入力される負荷の低減効果を顕著なものとすることができる。
本発明に係る第1および第2の変速機の更なる形態によれば、第1副軸が回転軸と第2副軸との間に挟まれた領域に配置されるように構成されている。
本形態によれば、回転軸にドライブトルクが作用した際の第3および第4の力の作用方向が互いに打ち消し合う方向となるように回転軸、第1および第2副軸が配置されるため、第1副軸の支持部やアイドラギヤを第1副軸に回転自在に支持する軸受部材に入力される負荷の低減を図ることができる。
本発明に係る第1および第2の変速機の更なる形態によれば、ケース部材は、変速機が車両に搭載された状態における鉛直下方部に潤滑油を貯留可能に構成されている。そして、アイドラギヤ、第1中間ギヤおよび第2中間ギヤの少なくとも一つの少なくとも一部が潤滑油に浸漬される配置となるように第1および第2副軸がケース部材に支持されている。
本形態によれば、アイドラギヤ、第1中間ギヤおよび第2中間ギヤの少なくとも一つによってケース部材に貯留された潤滑油を掻き上げることができるため、潤滑性能の向上を図ることができる。
本発明に係る第1および第2の変速機の更なる形態によれば、第1および第2前進変速段用被駆動ギヤは、選択固定部材と係合可能な第1および第2係合歯部を有している。また、第1および第2前進変速段用被駆動ギヤの少なくとも一方の回転軸線方向を向く側面のうち選択固定部材に対向する側の側面には、凹み状に凹み状部が設けられている。そして、第1および第2係合歯部の少なくとも一方は、当該凹み状部に配置されるように構成されている。
本形態によれば、選択固定部材と係合可能な第1および第2係合歯部が第1および第2前進変速段用被駆動ギヤの少なくとも一方の回転軸線方向を向く側面に設けられる態様の変速機において、当該第1および第2係合歯部の少なくとも一部が凹み状部に配置される構成であるため、軸長短縮を図ることができる。
本発明によれば、構造の簡素化を維持しながら、より一層の軸長短縮を図ることができる技術を提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
本実施の形態に係る変速機1は、図1に示すように、入力軸2と、変速ギヤ機構TMを介して入力軸2に接続された出力軸4と、入力軸2および出力軸4に平行に配置された第1副軸6および第2副軸8と、出力軸4に接続されたディファレンシャル装置10と、これらを収容する変速機ケース12と、を備えている。変速機1は、フロントエンジン・フロントドライブ(FF)式の車両に搭載されるFF車用の手動変速機として構成されている。変速機ケース12は、本発明における「ケース部材」に対応する実施構成の一例である。
入力軸2は、図1に示すように、ベアリングB1を介して変速機ケース12に回転可能に支持されている。入力軸2の一端部(図1における右側部分)には、クラッチCLがスプライン嵌合などにより取り付けられる。入力軸2には、クラッチCLを介してエンジン90のクランク軸92が接続され、これにより、入力軸2にエンジン90からの動力が入力される。エンジン90は、本発明における「原動機」に対応し、クランク軸92は、本発明における「原動機の出力軸」に対応する実施構成の一例である。また、入力軸2は、本発明における「回転軸」に対応する実施構成の一例である。
出力軸4は、図1に示すように、入力軸2に平行に配置されており、ベアリングB2を介して変速機ケース12に回転可能に支持されている。出力軸4の一端側(図1における右側)には、出力ギヤGOが一体成形されている。また、出力軸4の内部には、軸線方向に貫通する軸内油路2aが形成されており、当該軸内油路2aから径方向に向かって貫通する複数の径方向油路2bが形成されている。
なお、軸内油路2aには、出力軸4を支持する変速機ケース12の壁部のうちエンジン90側に配置された壁部に設けた図示しない油路を介して潤滑油が供給されるように構成されており、軸内油路2aに供給された潤滑油が径方向油路2bを介して後述するニードルベアリングNBやブッシュBS、1−2速用および3−4速用シンクロ装置S1,S2などに供給される。なお、変速機ケース12の壁部のうちエンジン90側に配置された壁部に設けた図示しない油路は、鉛直方向において出力軸4のほぼ真上に相当する位置に設けられている。
変速ギヤ機構TMは、図1に示すように、入力軸2と一体回転可能なように当該入力軸2に固定的に支持された1速ないし4速駆動ギヤG1,G2,G3,G4と、入力軸2に回転自在に支持された5速駆動ギヤG5と、1速ないし4速駆動ギヤG1,G2,G3,G4と噛み合うように出力軸4に回転自在に支持された1速ないし4速被駆動ギヤG1’,G2’,G3’,G4’と、5速駆動ギヤG5と噛み合うように出力軸4に固定的(出力軸4と一体回転可能なよう)に支持された5速被駆動ギヤG5’と、出力軸4に固定的(出力軸4と一体回転可能なよう)に配置された1−2速用シンクロ装置S1および3−4速用シンクロ装置S2と、入力軸2に固定的(入力軸2と一体回転可能なよう)に配置された5速用シンクロ装置S3と、これら1−2速用,3−4速用および5速用シンクロ装置S1,S2,S3に接続されたシフトフォークFと、を備えている。
なお、5速駆動ギヤG5は、図4に示すように、ニードルベアリングNBを介して入力軸2に支持されており、1速被駆動ギヤG1’は、図2に示すように、ニードルベアリングNBを介して出力軸4に支持されており、2速ないし4速被駆動ギヤG2’,G3’,G4’は、図2および図3に示すように、ブッシュBSを介して出力軸4に支持されている。1速および2速駆動ギヤG1,G2は、それぞれ本発明における「第1前進変速段用駆動ギヤ」および「第2前進変速段用駆動ギヤ」に対応し、1速および2速被駆動ギヤG1’,G2’は、それぞれ本発明における「第1前進変速段用被駆動ギヤ」および「第2前進変速段用被駆動ギヤ」に対応する実施構成の一例である。また、シフトフォークFは、本発明における「作動部材」に対応する実施構成の一例である。
1速ないし4速駆動ギヤG1,G2,G3,G4および5速駆動ギヤG5は、図1に示すように、入力軸2のエンジン90側から当該順序で配置されており、出力ギヤGOおよび1速ないし5速被駆動ギヤG1’,G2’,G3’,G4’,G5’は、出力軸4のエンジン90側から当該順序で配置されている。
1速ないし4速被駆動ギヤG1’,G2’,G3’,G4’および5速駆動ギヤG5は、図1に示すように、それぞれクラッチギヤCG1,CG2,CG3,CG4,CG5を有している。クラッチギヤCG1,CG2,CG5は、1速被駆動ギヤG1’、2速被駆動ギヤG2’および5速駆動ギヤG5の回転軸線方向を向く側面のうち各シンクロ装置S1,S3に対向する側面に一体形成されている。クラッチギヤCG1,CG2は、本発明における「係合歯部」に対応する実施構成の一例である。
なお、1速被駆動ギヤG1’の側面には、図2に示すように、凹み状部72が設けられており、クラッチギヤCG1は当該凹み状部72に配置されている。即ち、クラッチギヤCG1は、その一部が1速被駆動ギヤG1’の歯部gと軸線方向においてオーバーラップするように構成されている。これにより、軸長の短縮を図ることができる。
また、クラッチギヤCG3,CG4は、図3に示すように、3速被駆動ギヤG3’および4速被駆動ギヤG4’の回転軸線方向を向く側面のうち3−4速用シンクロ装置S2に対向する側面において、3速被駆動ギヤG3’および4速被駆動ギヤG4’と一体回転可能なように固定されている。
1−2速用シンクロ装置S1は、1速および2速被駆動ギヤG1’,G2’間に配置されており、1速および2速被駆動ギヤG1’,G2’の回転数を出力軸4に同期させるように構成されている。1−2速用シンクロ装置S1は、図2に示すように、シンクロハブ32と、カップリングスリーブ34と、シンクロナイザリング36と、を備えている。シンクロハブ32は、出力軸4にスプライン嵌合などによって固定されている。カップリングスリーブ34は、シンクロハブ32の外周に当該シンクロハブ32と同軸配置されており、シンクロハブ32に対して一体回転可能かつ軸方向(図2の左右方向)移動可能なように構成されている。カップリングスリーブ34の外周面には、シフトフォークFが係合される環状溝34aと、後述するリバースアイドラギヤGIと噛み合うことができるように構成された歯部Grev’と、が形成されている。
カップリングスリーブ34が1速被駆動ギヤG1’側に軸方向移動されることにより、当該カップリングスリーブ34とクラッチギヤCG1とが係合して、1速被駆動ギヤG1’が出力軸4に固定される。また、カップリングスリーブ34が2速被駆動ギヤG2’側に軸方向移動されることにより、当該カップリングスリーブ34とクラッチギヤCG2とが係合して、2速被駆動ギヤG2’が出力軸4に固定される。カップリングスリーブ34は、本発明における「選択固定部材」に対応する実施構成の一例である。
3−4速用シンクロ装置S2は、3速および4速被駆動ギヤG3’,G4’間に配置されており、3速および4速被駆動ギヤG3’,G4’の回転数を出力軸4に同期させるように構成されている。また、5速用シンクロ装置S3は、5速駆動ギヤG5のエンジン90側とは反対側に配置されており、入力軸2の回転数を5速駆動ギヤG5の回転数に同期させるように構成されている。3−4速用および5速用シンクロ装置S2,S3は、図3および図4に示すように、カップリングスリーブ34に変えてカップリングスリーブ35を備える点を除いて、基本的には1−2速用シンクロ装置S1と同様の構成をしている。カップリングスリーブ35の外周面には、シフトフォークFが係合される環状溝35aが形成されている。なお、3−4速用シンクロ装置S2のシンクロハブ32は、図3に示すように、出力軸4にスプライン嵌合などによって固定されており、5速用シンクロ装置S3のシンクロハブ32は、図4に示すように、入力軸2にスプライン嵌合などによって固定されている。
3−4速用シンクロ装置S2のカップリングスリーブ35が3速被駆動ギヤG3’側に軸方向移動されることにより、当該カップリングスリーブ35とクラッチギヤCG3とが係合して、3速被駆動ギヤG3’が出力軸4に固定され、3−4速用シンクロ装置S2のカップリングスリーブ35が4速被駆動ギヤG4’側に軸方向移動されることにより、当該カップリングスリーブ35とクラッチギヤCG4とが係合して、4速被駆動ギヤG4’が出力軸4に固定される。また、5速用シンクロ装置S3のカップリングスリーブ35が5速駆動ギヤG5側に軸方向移動されることにより、当該カップリングスリーブ35とクラッチギヤCG5とが係合して、5速駆動ギヤG5が入力軸2に固定される。
第1副軸6は、図1および図5に示すように、出力軸4の出力ギヤGOから3−4速用シンクロ装置S2に至る長さとほぼ同じ長さを有するように構成されており、変速機ケース12に固定的に支持されている。当該第1副軸6には、リバースアイドラギヤGIが支持されている。リバースアイドラギヤGIは、第1副軸6に対してブッシュ7を介して回転自在かつ当該第1副軸6上を軸方向移動可能なように構成されている。リバースアイドラギヤGIは、本発明における「アイドラギヤ」に対応する実施構成の一例である。
リバースアイドラギヤGIは、図6に示すように、出力軸4に直交する直線に関し、当該直線に沿う方向の一方側から見たときの仮想投影面上における1速被駆動ギヤG1’および2速被駆動ギヤG2’の投影領域A1,A2の間に構成される内側領域IAと、当該内側領域IAの外側に構成される外側領域OAと、の間で摺動可能なように構成されている。即ち、リバースアイドラギヤGIは、外側領域OAから内側領域IAに摺動された時に、カップリングスリーブ34の歯部Grev’と噛合うように構成されている。
第2副軸8は、図1および図5に示すように、出力軸4のエンジン90側の端部(出力軸4を支持するベアリングB2のうちエンジン90側に配置されたベアリングB2で支持された部分)から3−4速用シンクロ装置S2に至る長さとほぼ同じ長さを有するように構成されており、変速機ケース12にベアリングB3を介して回転可能に支持されている。当該第2副軸8には、出力軸4上の1速被駆動ギヤG1’と噛合うように構成された第1中間ギヤ14と、当該第1中間ギヤ14よりも小径に構成された第2中間ギヤ16と、が一体形成されている。
第2中間ギヤ16は、図6に示すように、内側領域IA内であって1−2速用シンクロ装置S1が配置された出力軸4上の軸方向位置に対応する位置に配置されている。第1中間ギヤ14は、本発明における「第2中間ギヤ」に対応し、第2中間ギヤ16は、本発明における「第1中間ギヤ」に対応する実施構成の一例である。
したがって、リバースアイドラギヤGIが外側領域OAから内側領域IAに摺動された時に、第2中間ギヤ16とリバースアイドラギヤGIとが噛み合うことになる。即ち、第2副軸8は、リバースアイドラギヤGIを介して出力軸4に接続されることになる。これにより、入力軸2の回転は、1速駆動ギヤG1、1速被駆動ギヤG1’および第1中間ギヤ14を介して第2副軸8に伝達され、第2副軸8に伝達された回転は、第2中間ギヤ16、リバースアイドラギヤGIおよび歯部Grev’を介して出力軸4に伝達される。
なお、このときの出力軸4の回転方向は、前進変速段時、即ち、1速ないし5速駆動ギヤG1,G2,G3,G4,G5および1速ないし5速被駆動ギヤG1’,G2’,G3’,G4’,G5’の噛み合いによって回転されるときの出力軸4の回転方向とは逆方向となる。即ち、リバースアイドラギヤGIが外側領域OAから内側領域IAに摺動されて、カップリングスリーブ34の歯部Grev’および第2中間ギヤ16と噛合うことにより後進変速段が確立されることになる。
このように、本実施の形態によれば、後進変速段を確立するために所謂選択摺動式を採用する構成であるため、構造の簡素化を図ることができる。また、リバースアイドラギヤGIと噛合う歯部Grev’を1−2速用シンクロ装置S1のカップリングスリーブ34の外周に一体形成する構成であるため、リバースアイドラギヤGIと噛み合う専用のギヤを出力軸4に別途設ける構造に比べて、軸長の短縮を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、変速機1が後進変速段以外(前進変速段(1速段から5速段のいずれか)、あるいは、前進変速段でも後進変速段でもない中立状態(ニュートラル))のときには、リバースアイドラギヤGIが完全に外側領域OAに配置される構成であるため、1速や2速に変速する際に1−2速用シンクロ装置S1のカップリングスリーブ34が軸方向に移動されたとしても、リバースアイドラギヤGIと干渉を生ずることがない。
したがって、カップリングスリーブ34とリバースアイドラギヤGIとの干渉を考慮して1速および2速被駆動ギヤG1’,G2’間の寸法を設定する必要がなくなるため、1速および2速被駆動ギヤG1’,G2’間の寸法を短縮することができる。これにより、出力軸4の軸長短縮を図ることができると共に、当該出力軸4の軸長短縮に併せて入力軸2の軸長短縮も図ることができる。なお、軸長短縮を図る代わりに空いたスペースに、例えば、6速駆動ギヤおよび6速被駆動ギヤを配置する構成としても良い。当該構成によれば、軸長の増加を抑制しながら変速段の増加を図ることができる。
ディファレンシャル装置10は、図1に示すように、出力ギヤGOと噛み合う大径のリングギヤRGを備えており、左右の車軸WSに生ずる回転数差を吸収しつつ動力を当該左右の車軸WSに分配して伝達するように構成されている。なお、リングギヤRGが回転することにより、変速機ケース12の下方に貯留される潤滑油が掻き上げられる。本実施の形態では、主に当該リングギヤRGが掻き上げた潤滑油を用いて変速機1の各部(ベアリングB1,B2,B3や、ニードルベアリングNB、ブッシュBS、ブッシュ7、各シンクロ装置S1,S2,S3など)を潤滑する。
ここで、このように構成された本実施の形態に係る変速機1では、図7に示すように、当該変速機1が車両に搭載された状態における車両前側(図7の左側)に入力軸2が配置されていると共に、当該入力軸2よりも車両後側(図7の右側)に出力軸4が配置され、さらに、当該出力軸4よりも車両後側(図7の右側)に車軸WSが配置されている。入力軸2、出力軸4および車軸WSは、車両前側から車両後側に向かうに伴い下り傾斜状に配置されている。
また、第1および第2副軸6,8は、図8に示すように、入力軸2および出力軸4の中心を通る仮想直線VLを挟んで、入力軸2の回転方向先側の領域、言い換えると、当該仮想直線VLよりも図8の上側の領域に配置されている。
そして、入力軸2および出力軸4の中心を通る仮想直線VLを挟んで鉛直下方側にシフトフォークFが配置される。即ち、第1および第2副軸6,8とシフトフォークFとは、仮想直線VLを挟んで互いに反対側となるように配置されている。このような配置とすることにより、変速機ケース12内という制約のあるスペースにおけるシフトフォークF、第1副軸6および第2副軸8の合理的な配置を実現することができる。なお、第1副軸6は、図7に示すように、入力軸2と第2副軸8との間に挟まれた領域に配置されている。
次に、こうして構成された変速機1が後進変速段で作動する際に、各ギヤ(1速駆動ギヤG1、1速被駆動ギヤG1’、第1および第2中間ギヤ14,16、リバースアイドラギヤGI、歯部Grev’)の噛み合いによって生ずる噛み合い荷重の様子について説明する。なお、本実施の形態では、図8に示すように、入力軸2は、エンジン90が配置された側(本実施の形態においては車両の右側)とは反対側から見たときに、反時計回りに回転される。結果として、後進変速段では車軸WSは時計回りに回転し、本実施の形態に係る変速機1を搭載した車両は後進方向(図8の右方向)に走行する。
後進変速段では、入力軸2の回転は、図8に示すように、まず、1速駆動ギヤG1を介して1速被駆動ギヤG1’に伝達される。ここで、1速被駆動ギヤG1’は、後進変速段においては、出力軸4に対して回転自在な状態となっているため、1速被駆動ギヤG1’は出力軸4上を空転する。当該1速被駆動ギヤG1’に伝達された回転は、第1中間ギヤ14を介して第2副軸8に伝達される。
第2副軸8に伝達された回転は、第2中間ギヤ16を介してリバースアイドラギヤGIに伝達され、当該リバースアイドラギヤGIに伝達された回転は、歯部Grev’を介して出力軸4に伝達される。そして、出力軸4に伝達された回転は、出力ギヤGOを介してリングギヤRGに伝達され、ディファレンシャル装置10を介して車軸WSに伝達される。
ここで、本実施の形態では、1速駆動ギヤG1と1速被駆動ギヤG1’との噛み合いに伴い1速被駆動ギヤG1’に作用する噛み合い荷重が、図8の右上方を向く方向に作用する(以下、「第1の力f1」という。)。また、1速被駆動ギヤG1’と第1中間ギヤ14との噛み合いに伴い1速被駆動ギヤG1’に作用する噛み合い荷重は、第2副軸8が仮想直線VLを挟んで入力軸2の回転方向先側の領域(仮想直線VLよりも図8の上側の領域)に配置されているため、図8の左下方を向く方向に作用する(以下、「第2の力f2」という。)。なお、第1および第2の力f1,f2は、ギヤの噛み合いにより発生する接線方向荷重と径方向荷重との合力として規定される。
このように、本実施の形態では、第1の力f1と第2の力f2が、互いに打ち消し合う方向に作用する構成であるため、これら第1および第2の力f1,f2の発生に伴って1速被駆動ギヤG1’に作用する負荷を低減することができる。これにより、1速被駆動ギヤG1’を支持するニードルベアリングNBの耐久性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、第2中間ギヤ16とリバースアイドラギヤGIとの噛み合いに伴いリバースアイドラギヤGIに作用する噛み合い荷重が、図8の左下方を向く方向に作用する(以下、「第3の力f3」という。)。さらに、リバースアイドラギヤGIと歯部Grev’との噛み合いに伴いリバースアイドラギヤGIに作用する噛み合い荷重は、第1および第2副軸6,8が仮想直線VLを挟んで入力軸2の回転方向先側の領域(仮想直線VLよりも図8の上側の領域)に配置されていると共に第1副軸6が入力軸2と第2副軸8との間に挟まれた領域に配置されているため、図8の右上方を向く方向に作用する(以下、「第4の力f4」という)。なお、第3および第4の力f3,f4は、ギヤの噛み合いにより発生する接線方向荷重と径方向荷重との合力として規定される。
このように、本実施の形態では、第3の力f3と第4の力f4が、互いに打ち消し合う方向に作用する構成であるため、これら第3および第4の力f3,f4の発生に伴ってリバースアイドラギヤGIを支持するブッシュ7に作用する負荷を低減することができる。これにより、ブッシュ7の耐久性の向上を図ることができる。
本実施の形態では、変速機1が前進変速段(1速段から5速段のいずれか)、あるいは、中立状態(ニュートラル)のときには、リバースアイドラギヤGIが完全に外側領域OAに配置される構成としたが、軸方向移動されるカップリングスリーブ34と干渉しない限りにおいて、変速機1が前進変速段(1速段から5速段のいずれか)、あるいは、中立状態(ニュートラル)のときに、リバースアイドラギヤGIの一部が内側領域IAに配置される構成としても良い。
本実施の形態では、第1副軸6が、入力軸2と第2副軸8との間に挟まれた領域に配置される構成としたが、図9に示すように、第2副軸8が、入力軸2と第1副軸6との間に挟まれた領域に配置される構成としても良い。当該構成によっても、第1の力f1と第2の力f2が、互いに打ち消し合う方向に作用する構成であるため、これら第1および第2の力f1,f2の発生に伴って1速被駆動ギヤG1’に作用する負荷を低減することができる。これにより、1速被駆動ギヤG1’を支持するニードルベアリングNBの耐久性の向上を図ることができる。
なお、当該構成の場合、図9に示すように、第2副軸8が出力軸4の鉛直方向の真上に位置することがないように配置することにより、変速機ケース12の壁部に設けた図示しない油路を介した出力軸4の軸内油路2a内への潤滑油供給を容易に実現することができる。
本実施の形態では、入力軸2および出力軸4の中心を通る仮想直線VLよりも上側の領域に第1および第2副軸6,8を配置する構成としたが、これに限らない。例えば、図10に例示する変形例の変速機100に示すように、第1および第2副軸6,8を仮想直線VLよりも下側の領域に配置する構成としても良い。なお、当該変形例の変速機100では、第2副軸8が入力軸2と第1副軸6との間に挟まれた領域に配置されている。
当該構成によれば、第3の力f3と第4の力f4が、互いに打ち消し合う方向に作用する構成であるため、これら第3および第4の力f3,f4の発生に伴ってリバースアイドラギヤGIを支持するブッシュ7に作用する負荷を低減することができる。これにより、ブッシュ7の耐久性の向上を図ることができる。
また、リングギヤRGの回転に伴って掻き上げられる潤滑油に加えて、リバースアイドラギヤGIや第1および第2中間ギヤ14,16の回転に伴って潤滑油が掻き上げられる構成であるため、変速機100の各部(ベアリングB1,B2,B3や、ニードルベアリングNB、ブッシュBS、ブッシュ7、各シンクロ装置S1,S2,S3など)へ供給される潤滑油量の増加を図ることができる。これにより、潤滑性を向上することができる。
変形例の変速機100では、第2副軸8を入力軸2と第1副軸6との間に挟まれた領域に配置する構成としたが、図11に例示する変形例の変速機200に示すように、第1副軸6を入力軸2と第2副軸8との間に挟まれた領域に配置する構成としても良い。
当該構成では、ギヤの噛み合い荷重の打ち消し合いによるニードルベアリングNBの耐久性の向上やブッシュ7の耐久性の向上は期待できないものの、リングギヤRGの回転に伴って掻き上げられる潤滑油に加えて、リバースアイドラギヤGIや第1および第2中間ギヤ14,16の回転に伴って潤滑油が掻き上げられる構成であるため、変速機1の各部(ベアリングB1,B2,B3や、ニードルベアリングNB、ブッシュBS、ブッシュ7、各シンクロ装置S1,S2,S3など)へ供給される潤滑油量の増加を図ることができる。これにより、潤滑性を向上することができる。
本実施の形態では、1速被駆動ギヤG1’および第1中間ギヤ14を噛み合わせると共に、外側領域OAから内側領域IAにリバースアイドラギヤGIを摺動させて当該リバースアイドラギヤGIとカップリングスリーブ34の歯部Grev’および第2中間ギヤ16を噛み合わせることにより後進変速段を確立する構成としたが、これに限らない。
例えば、図12の変形例の変速機300に例示すように、2速被駆動ギヤG2’および第1中間ギヤ14を噛み合わせると共に、外側領域OAから内側領域IAにリバースアイドラギヤGIを摺動させて当該リバースアイドラギヤGIとカップリングスリーブ34の歯部Grev’および第2中間ギヤ16を噛合わせることにより後進変速段を確立する構成としても良い。
この場合、1速および2速駆動ギヤG1,G2は、それぞれ本発明における「第2前進変速段用駆動ギヤ」および「第1前進変速段用駆動ギヤ」に対応し、1速および2速被駆動ギヤG1’,G2’は、それぞれ本発明における「第2前進変速段用被駆動ギヤ」および「第1前進変速段用被駆動ギヤ」に対応する実施構成の一例である。
また、図13の変形例の変速機400に例示するように、1−2速用シンクロ装置S1のカップリングスリーブ34をカップリングスリーブ434に替えると共に、3−4速用シンクロ装置S2のカップリングスリーブ35をカップリングスリーブ435に替え、当該カップリングスリーブ435の外周面にリバースアイドラギヤGIと噛み合うことができる歯部Grev’を形成して、3速被駆動ギヤG3’および第1中間ギヤ14を噛み合わせると共に、外側領域OAから内側領域IAにリバースアイドラギヤGIを摺動させて当該リバースアイドラギヤGIとカップリングスリーブ435の歯部Grev’および第2中間ギヤ16を噛合わせることにより後進変速段を確立する構成としても良い。
この場合、3速および4速駆動ギヤG3,G4は、それぞれ本発明における「第1前進変速段用駆動ギヤ」および「第2前進変速段用駆動ギヤ」に対応し、3速および4速被駆動ギヤG3’,G4’は、それぞれ本発明における「第1前進変速段用被駆動ギヤ」および「第2前進変速段用被駆動ギヤ」に対応する実施構成の一例である。
さらに、図14の変形例の変速機500に例示するように、1−2速用シンクロ装置S1のカップリングスリーブ34をカップリングスリーブ534に替えると共に、3−4速用シンクロ装置S2のカップリングスリーブ35をカップリングスリーブ535に替え、当該カップリングスリーブ535の外周面にリバースアイドラギヤGIと噛み合うことができる歯部Grev’を形成して、1速被駆動ギヤG1’および第1中間ギヤ514を噛み合わせると共に、外側領域OAから内側領域IAにリバースアイドラギヤGIを摺動させて当該リバースアイドラギヤGIとカップリングスリーブ535の歯部Grev’および第2中間ギヤ516を噛合わせることにより後進変速段を確立する構成としても良い。
この場合、3速および4速駆動ギヤG3,G4は、それぞれ本発明における「第1前進変速段用駆動ギヤ」および「第2前進変速段用駆動ギヤ」に対応し、3速および4速被駆動ギヤG3’,G4’は、それぞれ本発明における「第1前進変速段用被駆動ギヤ」および「第2前進変速段用被駆動ギヤ」に対応する実施構成の一例である。また、1速駆動ギヤG1は、本発明における「第3前進変速段用駆動ギヤ」に対応し、1速被駆動ギヤG1’は、それぞれ本発明における「第3前進変速段用被駆動ギヤ」に対応する実施構成の一例である。
変形例の変速機400,500の場合には、カップリングスリーブ435,535とリバースアイドラギヤGIとの干渉を考慮して3速および4速被駆動ギヤG3’,G4’間の寸法を設定する必要がなくなるため、3速および4速被駆動ギヤG3’,G4’間の寸法を短縮することができる。
本実施の形態では、1−2速用,3−4速用および5速用シンクロ装置S1,S2,S3を用いて1速ないし4速被駆動ギヤG1’,G2’ ,G3’ ,G4’および5速駆動ギヤG5を出力軸4および入力軸2に固定する構成としたが、これに限らない。例えば、シンクロ機能を有さないドグクラッチを用いて1速ないし4速被駆動ギヤG1’,G2’ ,G3’ ,G4’および5速駆動ギヤG5を出力軸4および入力軸2に固定する構成としても良い。
本実施の形態では、フロントエンジン・フロントドライブ(FF)式の車両に搭載されるFF車用の変速機1に適用したが、フロントエンジン・リヤドライブ(FR)式の車両に搭載されるFR車用の変速機に適用しても良い。
この場合、変速機600は、図15に示すように、入力軸602と、リダクションギヤ列RGM,RGM’を介して入力軸602に接続されたカウンタ軸603と、変速機構TMを介してカウンタ軸603に接続された出力軸604と、カウンタ軸603および出力軸604に平行に配置された第1副軸6および第2副軸8と、から構成される。なお、入力軸602は、図示しないクラッチを介してエンジンのクランク軸(図示せず)に接続されている。また、出力軸604は、入力軸602と同心状に配置されており、一端が当該入力軸602にニードルベアリングNBを介して回転可能に支持されている。
そして、カウンタ軸603および出力軸604は、図16に示すように、鉛直方向に並んで配置されており、第1および第2副軸6,8は、カウンタ軸603の中心と出力軸604の中心とを結ぶ仮想直線VLを挟んでカウンタ軸603の回転方向先側の領域、言い換えると、当該仮想直線VLよりも図16の左側の領域(当該変速機600を搭載した車両の前進走行方向に向かって左側の領域)に配置されている。なお、図示しないシフトフォークは、仮想直線VLを挟んで第1および第2副軸6,8とは反対側となる図16の右側に配置されている。このような配置とすることにより、変速機ケース内という制約のあるスペースにおけるシフトフォークF、第1副軸6および第2副軸8の合理的な配置を実現することができる。なお、第1副軸6は、入力軸602と第2副軸8との間に挟まれた領域に配置されている。入力軸602(より具体的には、エンジンのクランク軸)と異なる方向に回転するカウンタ軸603は、本発明における「回転軸」に対応する実施構成の一例である。
当該変速機600では、カウンタ軸603に、1速、2速および5速駆動ギヤG1,G2,G5が固定的(カウンタ軸603と一体回転可能なよう)に支持されていると共に、3速および4速駆動ギヤG3,G4が回転自在に支持されており、出力軸604に、1速、2速および5速被駆動ギヤG1’,G2’,G5’が回転自在に支持されていると共に、3速および4速被駆動ギヤG3’,G4’が固定的(出力軸604と一体回転可能なよう)に支持されている。
また、1−2速用シンクロ装置S1および5速シンクロ装置S3(入力軸602と出力軸604の直結機能も有する)が出力軸604に配置されており、3−4速用シンクロ装置S2は、カウンタ軸603に配置されている。なお、1−2速用シンクロ装置S1のカップリングスリーブ634の外周面には、リバースアイドラギヤGIと噛み合うことができる歯部Grev’が形成されている。
そして、1速被駆動ギヤG1’と第1中間ギヤ14とを噛み合わせると共に、外側領域OAから内側領域IAにリバースアイドラギヤGIを摺動させて当該リバースアイドラギヤGIとカップリングスリーブ634の歯部Grev’および第2中間ギヤ16を噛み合わせることにより後進変速段が確立されるように構成されている。
なお、変速機600では、エンジンのクランク軸(図示せず)の回転方向と出力軸604の回転方向とが同じ方向に回転することにより、当該変速機600を搭載した車両が前進方向に走行し、エンジンのクランク軸(図示せず)の回転方向と出力軸604の回転方向とが異なる方向に回転することにより、当該変速機600を搭載した車両が後進方向に走行する。
当該構成によれば、本実施形態および他の変形例の変速機1,100,200,300,400,500と同様、出力軸604の軸長短縮を図ることができると共に、当該出力軸604の軸長短縮に併せて入力軸602の軸長短縮も図ることができる。なお、軸長短縮を図る代わりに空いたスペースに、例えば、6速駆動ギヤおよび6速被駆動ギヤを配置する構成として、軸長の増加を抑制しながら変速段の増加を図ることができるという効果も同様に奏することができる。
また、当該構成によれば、1速駆動ギヤG1と1速被駆動ギヤG1’との噛み合いに伴い1速被駆動ギヤG1’に作用する第1の力f1が、図16の左上方を向く方向に作用する。そして、1速被駆動ギヤG1’と第1中間ギヤ14との噛み合いに伴い1速被駆動ギヤG1’に作用する第2の力f2は、第2副軸8が仮想直線VLを挟んで入力軸2の回転方向先側の領域(仮想直線VLよりも図16の左側の領域)に配置されているため、図16の右下方を向く方向に作用する。これにより、第1の力f1と第2の力f2が、互いに打ち消し合う方向に作用する構成であるため、これら第1および第2の力f1,f2の発生に伴って1速被駆動ギヤG1’に作用する負荷を低減することができる。この結果、1速被駆動ギヤG1’を支持するニードルベアリングNBの耐久性の向上を図ることができる。
さらに、第2中間ギヤ16とリバースアイドラギヤGIとの噛み合いに伴いリバースアイドラギヤGIに作用する第3の力f3が、図16の右下方を向く方向に作用する。そして、リバースアイドラギヤGIと歯部Grev’との噛み合いに伴いリバースアイドラギヤGIに作用する第4の力f4は、第1および第2副軸6,8が仮想直線VLを挟んで入力軸2の回転方向先側の領域(仮想直線VLよりも図16の左側の領域)に配置されていると共に第1副軸6が入力軸2と第2副軸8との間に挟まれた領域に配置されているため、図16の左上方を向く方向に作用する。これにより、第3の力f3と第4の力f4が、互いに打ち消し合う方向に作用する構成であるため、これら第3および第4の力f3,f4の発生に伴ってリバースアイドラギヤGIを支持するブッシュ7に作用する負荷を低減することができる。この結果、ブッシュ7の耐久性の向上を図ることができる。
本実施の形態では、リバースアイドラギヤGIは、第1副軸6に対してブッシュ7を介して回転自在かつ当該第1副軸6上を軸方向移動可能なように構成したが、これに限らない。例えば、リバースアイドラギヤGIを第1副軸6に一体形成し、リバースアイドラギヤGIを第1副軸と共に回転かつ軸方向移動する構成としても良い。
本実施の形態では、第1中間ギヤ14および第2中間ギヤ16を第2副軸8に一体形成する構成としたが、これに限らない。例えば、第1中間ギヤ14および第2中間ギヤ16を一体形成すると共に、当該第1および第2中間ギヤ14,16が第2副軸8に回転自在に支持される構成としても良い。
本実施の形態では、エンジン90を駆動源とする車両に搭載される変速機1,100,200,300,400,500,600に適用する構成としたが、モータを駆動源とする車両に搭載される変速機に適用しても良い。
(実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係)
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
1 変速機(変速機)
2 入力軸(回転軸)
2a 軸内油路
2b 径方向油路
4 出力軸(出力軸)
6 第1副軸(第1副軸)
7 ブッシュ
8 第2副軸(第2副軸)
10 ディファレンシャル装置
12 変速機ケース(ケース部材)
14 第1中間ギヤ(第2中間ギヤ)
16 第2中間ギヤ(第1中間ギヤ)
32 シンクロハブ
34 カップリングスリーブ(選択固定部材)
34a 環状溝
35 カップリングスリーブ
35a 環状溝
36 シンクロナイザリング
72 凹み状部(凹み状部)
90 エンジン(原動機)
92 クランク軸(原動機の出力軸)
100 変速機(変速機)
200 変速機(変速機)
300 変速機(変速機)
400 変速機(変速機)
434 カップリングスリーブ
435 カップリングスリーブ(選択固定部材)
500 変速機(変速機)
514 第1中間ギヤ(第2中間ギヤ)
516 第2中間ギヤ(第1中間ギヤ)
534 カップリングスリーブ
535 カップリングスリーブ(選択固定部材)
600 変速機(変速機)
602 入力軸
603 カウンタ軸(回転軸)
604 出力軸(出力軸)
634 カップリングスリーブ(選択固定部材)
635 カップリングスリーブ
TM 変速ギヤ機構
B1 ベアリング
B2 ベアリング
B3 ベアリング
CL クラッチ
GO 出力ギヤ
G1 1速駆動ギヤ(第1前進変速段用駆動ギヤ)
G2 2速駆動ギヤ(第2前進変速段用駆動ギヤ)
G3 3速駆動ギヤ
G4 4速駆動ギヤ
G5 5速駆動ギヤ
G1’ 1速被駆動ギヤ(第1前進変速段用被駆動ギヤ)
G2’ 2速被駆動ギヤ(第2前進変速段用被駆動ギヤ)
G3’ 3速被駆動ギヤ
G4’ 4速被駆動ギヤ
G5’ 5速被駆動ギヤ
S1 1−2速用シンクロ装置
S2 3−4速用シンクロ装置
S3 5速用シンクロ装置
F シフトフォーク(作動部材)
CG1 クラッチギヤ(係合歯部)
CG2 クラッチギヤ(係合歯部)
CG3 クラッチギヤ
CG4 クラッチギヤ
CG5 クラッチギヤ
g 歯部
Grev’ 歯部(歯部)
GI リバースアイドラギヤ(アイドラギヤ)
A1 投影領域(第1前進変速段用被駆動ギヤの投影領域)
A2 投影領域(第2前進変速段用被駆動ギヤの投影領域)
IA 内側領域(内側領域)
OA 外側領域(外側領域)
RG リングギヤ
WS 車軸
VL 仮想直線(仮想直線)
f1 第1の力(第1の力)
f2 第2の力(第2の力)
f3 第3の力(第3の力)
f4 第4の力(第4の力)
NB ニードルベアリング
BS ブッシュ
2 入力軸(回転軸)
2a 軸内油路
2b 径方向油路
4 出力軸(出力軸)
6 第1副軸(第1副軸)
7 ブッシュ
8 第2副軸(第2副軸)
10 ディファレンシャル装置
12 変速機ケース(ケース部材)
14 第1中間ギヤ(第2中間ギヤ)
16 第2中間ギヤ(第1中間ギヤ)
32 シンクロハブ
34 カップリングスリーブ(選択固定部材)
34a 環状溝
35 カップリングスリーブ
35a 環状溝
36 シンクロナイザリング
72 凹み状部(凹み状部)
90 エンジン(原動機)
92 クランク軸(原動機の出力軸)
100 変速機(変速機)
200 変速機(変速機)
300 変速機(変速機)
400 変速機(変速機)
434 カップリングスリーブ
435 カップリングスリーブ(選択固定部材)
500 変速機(変速機)
514 第1中間ギヤ(第2中間ギヤ)
516 第2中間ギヤ(第1中間ギヤ)
534 カップリングスリーブ
535 カップリングスリーブ(選択固定部材)
600 変速機(変速機)
602 入力軸
603 カウンタ軸(回転軸)
604 出力軸(出力軸)
634 カップリングスリーブ(選択固定部材)
635 カップリングスリーブ
TM 変速ギヤ機構
B1 ベアリング
B2 ベアリング
B3 ベアリング
CL クラッチ
GO 出力ギヤ
G1 1速駆動ギヤ(第1前進変速段用駆動ギヤ)
G2 2速駆動ギヤ(第2前進変速段用駆動ギヤ)
G3 3速駆動ギヤ
G4 4速駆動ギヤ
G5 5速駆動ギヤ
G1’ 1速被駆動ギヤ(第1前進変速段用被駆動ギヤ)
G2’ 2速被駆動ギヤ(第2前進変速段用被駆動ギヤ)
G3’ 3速被駆動ギヤ
G4’ 4速被駆動ギヤ
G5’ 5速被駆動ギヤ
S1 1−2速用シンクロ装置
S2 3−4速用シンクロ装置
S3 5速用シンクロ装置
F シフトフォーク(作動部材)
CG1 クラッチギヤ(係合歯部)
CG2 クラッチギヤ(係合歯部)
CG3 クラッチギヤ
CG4 クラッチギヤ
CG5 クラッチギヤ
g 歯部
Grev’ 歯部(歯部)
GI リバースアイドラギヤ(アイドラギヤ)
A1 投影領域(第1前進変速段用被駆動ギヤの投影領域)
A2 投影領域(第2前進変速段用被駆動ギヤの投影領域)
IA 内側領域(内側領域)
OA 外側領域(外側領域)
RG リングギヤ
WS 車軸
VL 仮想直線(仮想直線)
f1 第1の力(第1の力)
f2 第2の力(第2の力)
f3 第3の力(第3の力)
f4 第4の力(第4の力)
NB ニードルベアリング
BS ブッシュ
Claims (14)
- 原動機の出力軸に接続可能に構成された回転軸と、
該回転軸に平行に配置された出力軸と、
前記回転軸および前記出力軸に平行に配置された第1副軸と、
前記回転軸、前記出力軸および前記第1副軸に平行に配置された第2副軸と、
前記回転軸と一体回転するよう該回転軸に支持された第1および第2前進変速段用駆動ギヤと、
前記出力軸に回転自在に支持されると共に、前記第1および第2前進変速段用駆動ギヤと噛み合うよう構成された第1および第2前進変速段用被駆動ギヤと、
前記出力軸と一体回転するよう構成されると共に、前記出力軸に対して軸方向に移動可能に構成され、該軸方向に移動されることにより前記第1および第2前進変速段用被駆動ギヤを前記出力軸に選択的に固定可能に構成された選択固定部材と、
前記第1副軸に支持されたアイドラギヤと
前記第2副軸に支持された第1中間ギヤと、
該第1中間ギヤと一体回転するよう前記第2副軸に支持されると共に、前記第1前進変速段用被駆動ギヤと噛み合うよう構成された第2中間ギヤと、
を備え、
前記選択固定部材は、前記第1および第2前進変速段用被駆動ギヤ間に配置されると共に、前記アイドラギヤと噛み合い可能に構成された歯部を有しており、
前記アイドラギヤは、前記出力軸に直交する直線に関し、該直線に沿う方向の一方側から見たときの仮想投影面上における前記第1および第2前進変速段用被駆動ギヤの各投影領域間に構成される内側領域と該各投影領域間の外側に構成される外側領域との間を軸方向移動可能なように構成されており、
前記アイドラギヤが前記外側領域から前記内側領域に軸方向移動されることにより、該アイドラギヤと前記歯部および前記第1中間ギヤとが噛み合い、後進変速段が確立されるよう構成されている
変速機。 - 原動機の出力軸に接続可能に構成された回転軸と、
該回転軸に平行に配置された出力軸と、
前記回転軸および前記出力軸に平行に配置された第1副軸と、
前記回転軸、前記出力軸および前記第1副軸に平行に配置された第2副軸と、
前記回転軸と一体回転するよう該回転軸に支持された第1、第2および第3前進変速段用駆動ギヤと、
前記出力軸に回転自在に支持されると共に、前記第1、第2および第3前進変速段用駆動ギヤと噛み合うよう構成された第1、第2および第3前進変速段用被駆動ギヤと、
前記出力軸と一体回転するよう構成されると共に、前記出力軸に対して軸方向に移動可能に構成され、該軸方向に移動されることにより前記第1および第2前進変速段用被駆動ギヤを前記出力軸に選択的に固定可能に構成された選択固定部材と、
前記第1副軸に支持されたアイドラギヤと
前記第2副軸に支持された第1中間ギヤと、
該第1中間ギヤと一体回転するよう前記第2副軸に支持されると共に、前記第3前進変速段用被駆動ギヤと噛み合うよう構成された第2中間ギヤと、
を備え、
前記選択固定部材は、前記第1および第2前進変速段用被駆動ギヤ間に配置されると共に、前記アイドラギヤと噛み合い可能に構成された歯部を有しており、
前記アイドラギヤは、前記出力軸に直交する直線に関し、該直線に沿う方向の一方側から見たときの仮想投影面上における前記第1および第2前進変速段用被駆動ギヤの各投影領域間に構成される内側領域と該各投影領域間の外側に構成される外側領域との間を軸方向移動可能なように構成されており、
前記アイドラギヤが前記外側領域から前記内側領域に軸方向移動されることにより、該アイドラギヤと前記歯部および前記第1中間ギヤとが噛み合い、後進変速段が確立されるよう構成されている
変速機。 - 前記回転軸、前記出力軸、前記第1副軸および前記第2副軸を支持するよう構成されたケース部材をさらに備え、
前記後進変速段が確立された状態において、前記第1前進変速段用駆動ギヤと前記第1前進変速段用被駆動ギヤとの噛み合いにより前記第1前進変速段用被駆動ギヤに作用する第1の力および前記第1前進変速段用被駆動ギヤと前記第2中間ギヤとの噛み合いにより前記第1前進変速段用被駆動ギヤに作用する第2の力が互いに打ち消し合う方向に作用する配置となるよう前記回転軸、前記出力軸、前記第1副軸および前記第2副軸が前記ケース部材に支持されている
請求項1に記載の変速機。 - 前記回転軸、前記出力軸、前記第1副軸および前記第2副軸を支持するよう構成されたケース部材をさらに備え、
前記後進変速段が確立された状態において、前記第3前進変速段用駆動ギヤと前記第3前進変速段用被駆動ギヤとの噛み合いにより前記第3前進変速段用被駆動ギヤに作用する第1の力および前記第3前進変速段用被駆動ギヤと前記第2中間ギヤとの噛み合いにより前記第3前進変速段用被駆動ギヤに作用する第2の力が互いに打ち消し合う方向に作用する配置となるよう前記回転軸、前記出力軸、前記第1副軸および前記第2副軸が前記ケース部材に支持されている
請求項2に記載の変速機。 - 前記原動機からの加速トルクによって前記出力軸が駆動される際の前記第1および第2の力が、互いに打ち消し合う方向に作用する配置となるよう前記回転軸、前記出力軸、前記第1副軸および前記第2副軸が前記ケース部材に支持されている
請求項3または4に記載の変速機。 - 前記回転軸は、前記原動機の出力軸の回転方向と同じ回転方向に回転されるよう構成されており、
前記第1および第2副軸は、前記原動機が配置された側とは反対側から前記第1および第2副軸を見た場合に、前記回転軸の中心と前記出力軸の中心とを結ぶ仮想直線を挟んで前記回転軸の回転方向先側の領域に配置されるよう前記ケース部材に支持されており、
前記後進変速段が確立された際、前記原動機が配置された側とは反対側から前記回転軸を見た場合に反時計回りとなる方向に該回転軸が回転されることにより前記変速機を搭載した車両が後進走行するよう構成されている
請求項5に記載の変速機。 - 前記選択固定部材を作動させる作動部材をさらに備え、
該作動部材は、前記変速機が前記車両に搭載された状態における鉛直下方部に配置されており、
前記アイドラギヤ、前記第1中間ギヤおよび前記第2中間ギヤが前記出力軸を挟んで前記作動部材とは反対側となる鉛直上方部に配置されるよう前記第1および第2副軸が前記ケース部材に支持されている
請求項6に記載の変速機。 - 前記回転軸は、前記原動機の出力軸の回転方向と異なる回転方向に回転されるよう構成されており、
前記第1および第2副軸は、前記回転軸の中心と前記出力軸の中心とを結ぶ仮想直線を挟んで前記回転軸の回転方向先側の領域に配置されるよう前記ケース部材に支持されており、
前記後進変速段が確立された際、前記原動機側から前記回転軸を見た場合に反時計回りとなる方向に該回転軸が回転されることにより前記変速機が搭載された車両が後進走行するよう構成されている
請求項5に記載の変速機。 - 前記選択固定部材を作動させる作動部材をさらに備え、
前記回転軸と前記出力軸とは略鉛直方向に並んで配置されており、
前記作動部材は、前記原動機側から前記回転軸を見た場合に前記仮想直線を挟んで右側に配置されており、
前記アイドラギヤ、前記第1中間ギヤおよび前記第2中間ギヤが前記原動機側から前記回転軸を見た場合に前記仮想直線を挟んで右側に配置されるよう前記第1および第2副軸が前記ケース部材に支持されている
請求項8に記載の変速機。 - 前記回転軸、前記出力軸、前記第1副軸および前記第2副軸を支持するよう構成されたケース部材をさらに備え、
前記後進変速段が確立された状態において、前記アイドラギヤと前記第1中間ギヤとの噛み合いにより前記アイドラギヤに作用する第3の力と、前記アイドラギヤと前記歯部との噛み合いにより前記アイドラギヤに作用する第4の力と、が互いに打ち消し合う方向に作用する配置となるよう前記回転軸、前記出力軸、前記第1副軸および前記第2副軸が前記ケース部材に支持されている
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の変速機。 - 前記原動機からの加速トルクによって前記出力軸が駆動される際の前記第3および第4の力が、互いに打ち消し合う方向に作用する配置となるよう前記回転軸、前記出力軸、前記第1副軸および前記第2副軸が前記ケース部材に支持されている
請求項10に記載の変速機。 - 前記第1副軸が前記回転軸と前記第2副軸との間に挟まれた領域に配置されるよう構成されている請求項11に記載の変速機。
- 前記ケース部材は、前記変速機が車両に搭載された状態における鉛直下方部に潤滑油を貯留可能に構成されており、
前記アイドラギヤ、前記第1中間ギヤおよび前記第2中間ギヤの少なくとも一つの少なくとも一部が前記潤滑油に浸漬される配置となるよう前記第1および第2副軸が前記ケース部材に支持されている
請求項1ないし12のいずれか1項に記載の変速機。 - 前記第1および第2前進変速段用被駆動ギヤは、前記選択固定部材と係合可能な第1および第2係合歯部を有しており、
前記第1および第2前進変速段用被駆動ギヤの少なくとも一方の回転軸線方向を向く側面のうち前記選択固定部材に対向する側の側面には、凹み状に凹み状部が設けられており、
前記第1および第2係合歯部の少なくとも一方は、前記凹み状部に配置されるよう構成されている
請求項1ないし13のいずれか1項に記載の変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016024452A JP2017141923A (ja) | 2016-02-12 | 2016-02-12 | 変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016024452A JP2017141923A (ja) | 2016-02-12 | 2016-02-12 | 変速機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017141923A true JP2017141923A (ja) | 2017-08-17 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016024452A Ceased JP2017141923A (ja) | 2016-02-12 | 2016-02-12 | 変速機 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017141923A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7091884B2 (ja) | 2018-06-29 | 2022-06-28 | スズキ株式会社 | 自動変速機 |
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JPH08312732A (ja) * | 1995-05-19 | 1996-11-26 | Mitsubishi Motors Corp | 歯車変速装置 |
JP2009036227A (ja) * | 2007-07-31 | 2009-02-19 | Mazda Motor Corp | 変速機 |
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2016
- 2016-02-12 JP JP2016024452A patent/JP2017141923A/ja not_active Ceased
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