JP4998075B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車に搭載される自動変速機、特にその変速機構の構造に関し、自動車用変速機の技術分野に属する。
自動車に搭載される自動変速機は、トルクコンバータを介してエンジン出力回転が入力される変速機構の動力伝達経路を複数の摩擦要素の選択的締結によって切り換えることにより、減速比の異なる複数の変速段を達成するように構成されたものであるが、近年、自動車の走行性能の向上や燃費性能の向上等を目的として変速段を多段化する傾向にあり、例えば特許文献1及び特許文献2には前進6速を達成する自動変速機が開示されている。
これらの自動変速機は、3つのシングルピニオン型プラネタリギヤセットと、クラッチやブレーキでなる5つの摩擦要素とを備えており、この摩擦要素の選択的締結によって前進6速と後退速とが実現されるようになっている。
特開2002−310246公報 特開2003−035341公報
ところが、自動車の各車種や仕様において各変速段のギヤ比が異なる自動変速機を搭載する場合、変速機構を構成するプラネタリギヤセットのキャリヤ、サンギヤ、リングギヤ、およびピニオンを各自動車に対応して異なるものに設計して製作しなければならない。すなわち、自動変速機において、各自動車に対して共通に使用できる部品が減少する。これに対処して、各自動車に対して共通に使用できる部品を多くすると、各変速段のギヤ比が異なる自動車それぞれに対応できない、言い換えるとギヤ比選択(ギヤリング)の自由度が小さくなる。
そこで、本発明は、部品の変更数を小さく抑制しつつ各変速段のギヤ比の選択の自由度が高い自動変速機を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、ケース内に入力軸と同軸上に出力部材が配置され、少なくとも5個の摩擦要素と、シングルピニオン型プラネタリギヤセットでなる第1、第2、第3ギヤセットとを備え、少なくとも前進6速を達成する自動変速機であって、第1ギヤセットのリングギヤと第2ギヤセットのキャリヤ、第2ギヤセットのリングギヤと第3ギヤセットのキャリヤ、第3ギヤセットのリングギヤと第1ギヤセットのキャリヤをそれぞれ連結し、該第3ギヤセットのリングギヤ及び第1ギヤセットのキャリヤを前記出力部材に連結すると共に、該第3ギヤセットのサンギヤを固定して、キャリヤから前記入力軸の回転を入力することにより、リングギヤから出力部材に回転を増速して出力するオーバードライブの6速を形成するように構成し、かつ、該第3ギヤセットのピニオンを、同一軸心上に大径部と小径部とを有する段付きピニオンとし、サンギヤとリングギヤの一方を該段付きピニオンの大径部に、他方を該段付きピニオンの小径部にそれぞれ噛み合わせると共に、前記第1ギヤセットのサンギヤを固定し、かつ、前記入力軸と第2ギヤセットのサンギヤとを断接する第1クラッチと、前記入力軸と第2ギヤセットのリングギヤ及び第3ギヤセットのキャリヤとを断接する第2クラッチと、前記入力軸と第3ギヤセットのサンギヤとを断接する第3クラッチと、前記ケースと第3ギヤセットのサンギヤとを断接する第1ブレーキと、前記ケースと第2ギヤセットのリングギヤ及び第3ギヤセットのキャリヤとを断接する第2ブレーキとを備え、前記第1クラッチ及び第2ブレーキを締結することにより1速を形成し、前記第1クラッチ及び第1ブレーキを締結することにより2速を形成し、前記第1クラッチ及び第3クラッチを締結することにより3速を形成し、前記第1クラッチ及び第2クラッチを締結することにより4速を形成し、前記第2クラッチ及び第3クラッチを締結することにより5速を形成し、前記第2クラッチ及び第1ブレーキを締結することにより前記6速を形成することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の自動変速機において、前記第3ギヤセットの段付きピニオンの大径部に前記サンギヤを、小径部に前記リングギヤをそれぞれ噛み合わせると共に、該段付きピニオンの小径部に噛み合う第2のサンギヤと、該第2のサンギヤと前記ケースとを断接する第3ブレーキとを備え、前記第2クラッチ及び第3ブレーキを締結することにより7速を形成することを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、ケース内に入力軸と同軸上に出力部材が配置され、6個の摩擦要素と、シングルピニオン型プラネタリギヤセットでなる第1、第2、第3ギヤセットとを備え、前進7速を達成する自動変速機であって、第1ギヤセットのリングギヤと第2ギヤセットのキャリヤ、第2ギヤセットのリングギヤと第3ギヤセットのキャリヤ、第3ギヤセットのリングギヤと第1ギヤセットのキャリヤをそれぞれ連結し、該第3ギヤセットのリングギヤ及び第1ギヤセットのキャリヤを前記出力部材に連結すると共に、該第3ギヤセットのサンギヤを固定して、キャリヤから前記入力軸の回転を入力することにより、リングギヤから出力部材に回転を増速して出力するオーバードライブの6速を形成するように構成し、かつ、該第3ギヤセットのピニオンを、同一軸心上に大径部と小径部とを有する段付きピニオンとすると共に、前記入力軸と第2ギヤセットのサンギヤとを連結し、かつ、前記入力軸と第2ギヤセットのリングギヤ及び第3ギヤセットのキャリヤとを断接する第1クラッチと、前記入力軸と第3ギヤセットのサンギヤとを断接する第2クラッチと、前記ケースと第1ギヤセットのサンギヤとを断接する第1ブレーキと、前記ケースと第3ギヤセットのサンギヤとを断接する第2ブレーキと、前記ケースと第2ギヤセットのリングギヤ及び第3ギヤセットのキャリヤとを断接する第3ブレーキとを備え、前記第1ブレーキ及び第3ブレーキを締結することにより1速を形成し、前記第1ブレーキ及び第2ブレーキを締結することにより2速を形成し、前記第1ブレーキ及び第2クラッチを締結することにより3速を形成し、前記第1ブレーキ及び第1クラッチを締結することにより4速を形成し、前記第1クラッチ及び第2クラッチを締結することにより5速を形成し、前記第1クラッチ及び第2ブレーキを締結することにより前記6速を形成し、さらに、前記第3ギヤセットの段付きピニオンの大径部に前記サンギヤを、小径部に前記リングギヤをそれぞれ噛み合わせると共に、該段付きピニオンの小径部に噛み合う第2のサンギヤと、該第2のサンギヤと前記ケースとを断接する第4ブレーキとを備え、前記第1クラッチ及び第4ブレーキを締結することにより7速を形成することを特徴とする。
そして、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動変速機において、前記入力軸の一方の端部を駆動源に連結し、該駆動源側から前記第1、第2、第3ギヤセットをこの順に配置すると共に、第1ギヤセットの駆動源側に前記出力部材を配置したことを特徴とする。
以上のように構成したことにより、本願各請求の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、3つのシングルピニオン型プラネタリギヤセットの中の1つの第3ギヤセットのピニオンが同一軸心上に大径部と小径部とを有する段付きピニオンにされ、サンギヤとリングギヤの一方が段付きピニオンの大径部に噛合され、他方が小径部に噛合される。これにより、第3ギヤセットにおいて段付きピニオンとサンギヤまたはリングギヤの少なくとも一方とを変更するだけで、言い換えるとキャリヤを変更せず、6速のギヤ比が異なる自動変速機が実現される。すなわち、部品の変更数を小さく抑制しつつギヤ比の設定、変更の自由度が高くなる。
特に、この発明によれば、前述に記載のギヤ比選択の自由度が高い、前進6速の自動変速機が、3つのシングルピニオン型プラネタリギヤセットと、3つのクラッチと、2つのブレーキとを用いて実現される。
また、請求項2に記載の発明によれば、前述に記載の3つのクラッチと2つのブレーキを有する前進6速の自動変速機は、第3ギヤセットの段付きピニオンの大径部にサンギヤを、小径部にリングギヤをそれぞれ噛合するとともに、段付きピニオンの小径部に噛み合う第2のサンギヤと、第2のサンギヤとケースとを断接する第3ブレーキとが備えられ、第2クラッチ及び第3ブレーキを締結して7速を形成することにより、前進7速の実現が可能になる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、3つのシングルピニオン型ギヤセットと、2つのクラッチと3つのブレーキを有するギヤ比選択の自由度が高い前進6速の自動変速機が、第3ギヤセットの段付きピニオンの大径部にサンギヤを、小径部にリングギヤをそれぞれ噛合するとともに、段付きピニオンの小径部に噛み合う第2のサンギヤと、第2のサンギヤとケースとを断接する第4ブレーキとを備え、第1クラッチ及び第4ブレーキを締結して7速を形成することにより、前進7速の自動変速機とされる
そして、請求項4に記載の発明によれば、第1、第2、第3ギヤセットのうち、最も駆動源に近い位置に配置された第1ギヤセットのさらに駆動源側に出力部材が配置されることにより、出力部材が駆動源に近接することになる。これにより、当該自動変速機を含むパワーユニットがコンパクト化され、車載時のレイアウト性が向上する。
つまり、入力軸が当該自動車の車幅方向に配置される横置き式の自動変速機の場合、出力部材によりカウンタドライブ機構を介して駆動される差動装置が該変速機の駆動源側、即ちトルクコンバータの近傍に配置されるのが通例であるが、請求項4に記載の発明によれば、出力部材が駆動源に近接することにより、該出力部材と差動装置との間も近くなる。したがって、前記カウンタドライブ機構がコンパクト化され、該機構を介して連結される自動変速機と差動装置とを一体化してパワーユニットを構成する場合に、これをコンパクトに構成することができ、車載時のレイアウト性が向上することになる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る自動変速機の構成を示す骨子図であって、この自動変速機1は、フロントエンジンフロントドライブ車等のエンジン横置き式自動車に適用されるもので、主たる構成要素として、エンジン出力軸2に取り付けられたトルクコンバータ3と、該トルクコンバータ3の出力回転が入力軸4を介して入力される変速機構5とを有し、該変速機構5が入力軸4の軸心上に配置された状態で、変速機ケース6に収納されている。
そして、該変速機構5の出力回転が、同じく入力軸4の軸心上に配置された出力ギヤ7からカウンタドライブ機構8を介して差動装置9に伝達され、左右の車軸9a、9bが駆動されるようになっている。
前記トルクコンバータ3は、エンジン出力軸2に連結されたケース3aと、該ケース3a内に固設されたポンプ3bと、該ポンプ3bに対向配置されて該ポンプ3bにより作動油を介して駆動されるタービン3cと、該ポンプ3bとタービン3cとの間に介設され、かつ、前記変速機ケース6にワンウェイクラッチ3dを介して支持されてトルク増大作用を行うステータ3eと、前記ケース3aとタービン3cとの間に設けられ、該ケース3aを介してエンジン出力軸2とタービン3cとを直結するロックアップクラッチ3fとで構成されている。そして、タービン3cの回転が前記入力軸4を介して変速機構5に伝達されるようになっている。
一方、前記変速機構5は、第1、第2、第3プラネタリギヤセット(以下、単に「第1、第2、第3ギヤセット」という)10、20、30を有し、これらが前記変速機ケース6に設けられた中間壁6aの反トルクコンバータ側において、該中間壁6a側から順に配置されていると共に、該中間壁6aと第1ギヤセット10との間に前記出力ギヤ7が配置されている。
また、変速機構5を構成する摩擦要素として、前記中間壁6aのトルクコンバータ側に、第1クラッチ41と第2クラッチ42とが配置されていると共に、変速ケース6内の反トルクコンバータ側の端部には、第3クラッチ43と第1ブレーキ51とが配置されており、さらに、これらと第3ギヤセット30との間には、第2ブレーキ52とワンウェイクラッチ61とが並列に配置されている。
前記第1〜第3ギヤセット10、20、30は、シングルピニオン型プラネタリギヤセットであって、サンギヤ11、21、31と、これらのサンギヤ11、21、31にそれぞれ噛み合った各複数のピニオン12、22、32と、これらのピニオン12、22、32をそれぞれ支持するキャリヤ13、23、33と、ピニオン12、22、32にそれぞれ噛み合ったリングギヤ14、24、34とで構成されている。
3つのギヤセット10、20、30において、第1ギヤセット10のピニオン12と第2ギヤセット20のピニオン22は段なしのピニオンであるが、第3ギヤセット30のピニオン32は、同一軸心上にサンギヤ31と噛み合う大径部32aとリングギヤ34と噛み合う小径部32bとを有する、段付きピニオンにされている。
そして、第1ギヤセット10のサンギヤ11は、前記変速機ケース6の中間壁6aに設けられたボス部6bに固定されていると共に、第1ギヤセット10のリングギヤ14は第2ギヤセット20のキャリヤ23に、第2ギヤセット20のリングギヤ24は第3ギヤセット30のキャリヤ33に、第3ギヤセット30のリングギヤ34は第1ギヤセット10のキャリヤ13に、それぞれ連結されている。
また、第2ギヤセット20のサンギヤ21は、前記第1クラッチ41を介して入力軸4に断接可能に連結されていると共に、該第2ギヤセット20のリングギヤ24及び第3ギヤセット30のキャリヤ33は、前記第2クラッチ42を介して入力軸4に断接可能に連結されており、また、第3ギヤセット30のサンギヤ31は、前記第3クラッチ43を介して入力軸4に断接可能に連結されている。
さらに、第3ギヤセット30のサンギヤ31は、第1ブレーキ51を介して変速機ケース6に断接可能に連結されていると共に、第2ギヤセット20のリングギヤ24及びこれに連結された第3ギヤセット30のキャリヤ33は、並列に配置された第2ブレーキ52及びワンウエィクラッチ61を介して変速機ケース6に断接可能に連結されている。
以上の構成により、この変速機構5によれば、第1〜第3クラッチ41〜43、及び第1、第2ブレーキ51、52の締結状態の組み合わせにより、前進6速と後退速とが得られるようになっており、その組み合わせと変速段の関係を表1に示す。なお、第2ブレーキ52はエンジンブレーキを作動させる1速でのみ締結され、エンジンブレーキを作動させない1速では、ワンウェイクラッチ61がロックすることにより1速を形成する。
Figure 0004998075
次に、各変速段における変速機構5の動力伝達状態を説明する。
まず、1速では、図2に示すように、第1クラッチ41が締結し、ワンウェイクラッチ61がロックした状態にある。また、エンジンブレーキが作動する1速では、第2ブレーキ52も締結される。
このとき、入力軸4の回転は第1クラッチ41を介して第2ギヤセット20のサンギヤ21に入力されるが、該第2ギヤセット20のリングギヤ24は第2ブレーキ52及びワンウェイクラッチ61を介して変速機ケース6に固定されているので、入力回転は減速された上で正方向(入力回転と同一方向)の回転としてキャリヤ23から出力され、第1ギヤセット10のリングギヤ14に入力される。
また、第1ギヤセット10においては、サンギヤ11が固定されているので、前記リングギヤ14への入力回転がさらに減速され、キャリヤ13から正方向の回転として出力ギヤ7に出力される。これにより、減速比の大きな1速が得られる。
次に、2速では、図3に示すように、第1クラッチ41と第1ブレーキ51とが締結され、入力軸4の回転は、1速の場合と同様に、第2ギヤセット20のサンギヤ21に入力され、該第2ギヤセット20のキャリヤ23から第1ギヤセット10のリングギヤ14に出力される。そして、該第1ギヤセット10で減速された上で、キャリヤ13から正方向の回転として出力ギヤ7に出力される。
その場合に、この第1ギヤセット10のキャリヤ13からの出力回転は、第1ブレーキ51によりサンギヤ31が固定された第3ギヤセット30のリングギヤ34に伝達され、該第3ギヤセット30で減速された上でキャリヤ33から第2ギヤセット20のリングギヤ24に伝達され、該リングギヤ24が比較的低速で正方向に回転する。
したがって、第2ギヤセット20のリングギヤ24が固定される1速に比較して、該第2ギヤセット20におけるサンギヤ21からキャリヤ23への回転の減速比が小さくなる。これにより、1速より減速比の小さな2速が得られる。
次に、3速では、図4に示すように、第1クラッチ41と第3クラッチ43とが締結され、入力軸4の回転は、1速及び2速の場合と同様に、第2ギヤセット20のサンギヤ21に入力され、該第2ギヤセット20のキャリヤ23から第1ギヤセット10のリングギヤ14に出力される。そして、該第1ギヤセット10により減速された上で、キャリヤ13から正方向の回転として出力ギヤ7に出力される。
その場合に、この第1ギヤセット10のキャリヤ13からの出力回転は、2速の場合と同様に、第3ギヤセット30のリングギヤ34に伝達された後、該第3ギヤセット30のキャリヤ33から第2ギヤセット20のリングギヤ24に伝達され、該リングギヤ24が正方向に回転することになるが、3速では、第3ギヤセット30のサンギヤ31に、第3クラッチ43を介して入力軸4の回転が入力されており、したがって、該第3ギヤセット30におけるキャリヤ33の回転が、サンギヤ31が固定される2速の場合に比べて増速され、これに伴って、第2ギヤセット20のリングギヤ24の回転も2速の場合に比べて増速される。
その結果、第2ギヤセット20のサンギヤ21からキャリヤ23への回転の減速比が2速よりも小さくなり、これにより、2速より減速比の小さな3速が得られる。
次に、4速では、図5に示すように、第1クラッチ41と第2クラッチ42とが締結され、入力軸4の回転は、第1クラッチ41を介して第2ギヤセット20のサンギヤ21に入力されると同時に、第2クラッチ42を介して該第2ギヤセット20のリングギヤ24にも入力される。そのため、第2ギヤセット20は全体が入力軸4と一体的に回転し、キャリヤ23から第1ギヤセット10のリングギヤ14に入力回転と同一速度の正方向の回転が伝達される。
そして、この回転は、1〜3速の場合と同様に、第1ギヤセット10で減速された上で、キャリヤ13から正方向の回転として出力ギヤ7に出力されるが、その場合に、入力軸4の回転は第2ギヤセット20では減速されていないので、3速の減速比よりも小さな減速比の4速が得られる。
次に、5速では、図6に示すように、第2クラッチ42と第3クラッチ43とが締結され、入力軸4の回転は、第2クラッチ42を介して第3ギヤセット30のキャリヤ33に入力されると同時に、第3クラッチ43を介して該第3ギヤセット30のサンギヤ31にも入力される。そのため、第3ギヤセット30は全体が入力軸4と一体的に回転し、リングギヤ34から出力ギヤ7に入力回転と同一速度の正方向の回転が伝達される。これにより、減速比が1の5速が得られる。
さらに、6速では、図7に示すように、第2クラッチ42と第1ブレーキ51とが締結され、入力軸4の回転は、第2クラッチ42を介して第3ギヤセット30のキャリヤ33に入力される。この第3ギヤセット30のサンギヤ31は、第1ブレーキ51により固定されているから、キャリヤ33に入力された入力回転は増速された上でリングギヤ34から出力され、出力ギヤ7に入力回転より増速された正方向の回転が伝達される。これにより、減速比が1より小さなオーバードライブの6速が得られる。
また、後退速では、図8に示すように、第3クラッチ43と第2ブレーキ52とが締結され、入力軸4の回転は、第3クラッチ43を介して第3ギヤセット30のサンギヤ31に入力される。この第3ギヤセット30のキャリヤ33は、第2ブレーキ52により固定されているから、サンギヤ31に入力された入力回転は、減速された上でリングギヤ34から逆方向の回転として出力され、出力ギヤ7に伝達される。これにより、減速比が大きな後退速が得られる。
以上のような構成によれば、第3ギヤセット30のサンギヤ31がピニオン32の大径部32aに、リングギヤ34がピニオンの小径部32bにそれぞれ噛み合わされている。そのため、ピニオン32とサンギヤ31とリングギヤ34の少なくとも一方とを変更するだけで、言い換えるとキャリヤ33を変更することなく、ギヤ比を一定範囲内で自由に変更することが可能となる。
仮に、第3ギヤセット30のピニオン32が、他のギヤセット10、20のピニオン12、22と同様に段なしのピニオンであって、ギヤ比を一定範囲内で自由に変更する場合、ピニオン、サンギヤとリングギヤの少なくとも一方、およびキャリヤを変更する必要がある。言い換えると、自動車の各車種や仕様において各変速段のギヤ比が異なる自動変速機を搭載する場合、各自動車に対して共通に使用でできる部品が少なくなる。すなわち、段付きピニオンである場合はキャリヤを各自動車において共通にでき、段なしピニオンである場合は各自動車毎に対応するキャリヤを用意する必要がある。
本実施形態によれば、変速機構5の3つのシングルピニオン型プラリネタリギヤセット10、20、30の中、第3ギヤセット30のピニオン32を段付きピニオンとすることにより、部品の変更数が小さく抑制されつつ各変速段のギヤ比の選択の自由度が高い自動変速機が実現される。
なお、例えば自動変速機の製造コストを下げるために、本実施の形態において第1〜第3ギヤセット10、20、30のリングギヤ14、24、34が共通であって、且つ第1ギヤセット10のピニオン12と第2ギヤセット20のピニオン22とが共通にされている場合、第3ギヤセット30のサンギヤ31は、他のギヤセットのサンギヤ11、21に比べて小径になる。
この場合、第3ギヤセット30のピニオン32が段付きピニオンでなくピニオン12およびピニオン22と共通である場合に比べて、6速のオーバードライブ量が小さくなる、すなわち5速との間の減速比差が小さくなるという効果が得られる。
また、図1に示すように、トルクコンバータ3側から順に、第1ギヤセット10、第2ギヤセット20、第3ギヤセットと配置され、出力ギヤ7が第1ギヤセット10のトルクコンバータ3側に配置されていることから、トルクコンバータ3の近傍に配置された差動装置9と出力ギヤ7とが軸方向に接近し、カウンタドライブ機構8を構成するカウンタドライブシャフト8aの長さが短くなる。これにより、該カウンタドライブ機構8を介して連結される自動変速機5と差動装置9とを一体化してパワーユニットを構成する場合に、これをコンパクトに構成することができ、車載時のレイアウト性が向上する。
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、前進6速の第1の実施の形態の自動変速機の改良したものであって、前進7速を実現する自動変速機である。第1の実施の形態の自動変速機とは、第3ギヤセットが異なる。異なる部分を説明する。
図9に示すように、この実施の形態における第3ギヤセット30’は、ピニオンとして、同一軸心上に大径部32a’と小径部32b’とを一体的に設けた段付きピニオンが用いられていると共に、大径部32a’に第1サンギヤ31a’が、小径部32b’に第2サンギヤ31b’とリングギヤ34’とがそれぞれ噛み合わされている。そして、第2サンギヤ31b’と変速機ケース6との間に第3ブレーキ53’が設けられている。なお、その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
この実施の形態においても、表2や図9に示すように、6速では、第2クラッチ42と第1ブレーキ51とが締結され、第1サンギヤ31a’が固定された状態で、入力軸4の回転が第3ギヤセット30’のキャリヤ33’に入力される。したがって、キャリヤ33’への入力回転は増速された上でリングギヤ34’から出力ギヤ7に出力され、減速比が1より小さなオーバードライブの6速が形成される。
また、表2や図10に示すように、前記第1ブレーキ51を解放し、第3ブレーキ53’を締結すれば、第2サンギヤ31b’が固定された状態で、入力軸4の回転が第3ギヤセット30’のキャリヤ33’に入力され、前記の場合と同様に、増速された上でリングギヤ34’から出力ギヤ7に出力される。
この状態を前記6速の場合と比較すると、前記第2サンギヤ31b’は、段付きピニオンの小径部32b’に噛み合わされているから、6速で固定される第1サンギヤ31a’よりも径が大きく、したがって、キャリヤ33’からリングギヤ34’への回転の増速比が6速の場合より大きくなる。これにより、減速比が6速よりも小さなオーバードライブの7速が形成されることになる。
本実施の形態によれば、第2サンギヤ31b’と第3ブレーキ53’の追加のみで前進6速の第1の実施の形態の自動変速機を前進7速の自動変速機に変更することができる。
Figure 0004998075
(第3の実施の形態の基本構成を備えた参考例
次に、後述する第3の実施の形態の基本構成を備えた参考例について説明する。本参考例は、第1の実施の形態の自動変速機が5つの摩擦要素として3つのクラッチと2つのブレーキとを有するものであったのに対し、2つのクラッチと3つのブレーキとを有する自動変速機である。
図11は本参考例に係る自動変速機の構成を示す骨子図であって、この自動変速機101は、フロントエンジンフロントドライブ車等のエンジン横置き式自動車に適用されるもので、主たる構成要素として、エンジン出力軸102に取り付けられたトルクコンバータ103と、該トルクコンバータ103の出力回転が入力軸104を介して入力される変速機構105とを有し、該変速機構105が入力軸104の軸心上に配置された状態で、変速機ケース106に収納されている。
そして、該変速機構105の出力回転が、同じく入力軸104の軸心上に配置された出力ギヤ107からカウンタドライブ機構108を介して差動装置109に伝達され、左右の車軸109a、109bが駆動されるようになっている。
前記トルクコンバータ103、は、第1および第2の実施の形態のトルクコンバータ3と同一であるため説明は省略する。
一方、前記変速機構105は、第1、第2、第3プラネタリギヤセット(以下、単に「第1、第2、第3ギヤセット」という)110、120、130を有し、これらが前記変速機ケース106に設けられた中間壁106aの反トルクコンバータ側において、該中間壁106a側から順に配置されていると共に、該中間壁106aと第1ギヤセット110との間に前記出力ギヤ107が配置されている。
また、変速機構5を構成する摩擦要素として、前記中間壁6aのトルクコンバータ側に、第1ブレーキ151が配置されていると共に、変速ケース106内の反トルクコンバータ側の端部には、第1クラッチ141、第2クラッチ142、および第2ブレーキ152が配置されており、さらに、これらと第3ギヤセット130との間には、第3ブレーキ153とワンウェイクラッチ161とが並列に配置されている。
第1〜第3ギヤセット110、120、130は、シングルピニオン型プラネタリギヤセットであって、サンギヤ111、121、131と、これらのサンギヤ111、121、131にそれぞれ噛み合った各複数のピニオン112、122、132と、これらのピニオン112、122、132をそれぞれ支持するキャリヤ113、123、133と、ピニオン112、122、132にそれぞれ噛み合ったリングギヤ114、124、134とで構成されている。
3つのギヤセット110、120、130において、第1ギヤセット110のピニオン112と第2ギヤセット120のピニオン122は段なしのピニオンであるが、第3ギヤセット130のピニオン132は、同一軸心上にサンギヤ131と噛み合う大径部132aとリングギヤ134と噛み合う小径部132bとを有する、段付きピニオンにされている。
そして、第1ギヤセット110のサンギヤ111は、第1ブレーキ151を介してケース106に断接可能に連結されていると共に、第1ギヤセット110のリングギヤ114は第2ギヤセット120のキャリヤ123に、第2ギヤセット120のリングギヤ124は第3ギヤセット130のキャリヤ133に、第3ギヤセット130のリングギヤ134は第1ギヤセット110のキャリヤ113に、それぞれ連結されている。第1ギヤセット110のキャリヤ113と出力ギヤ107が連結されている。
また、第2ギヤセット120のサンギヤ121は入力軸104に連結されている。第2ギヤセット120のリングギヤ124と第3ギヤセット130のキャリヤ133は第1クラッチ141を介して入力軸104に断接可能に連結されている。
第2ギヤセット120のリングギヤ124及びこれに連結された第3ギヤセット130のキャリヤ133は、並列に配置された第3ブレーキ153及びワンウエィクラッチ161を介してケース106に断接可能に連結されている。
以上の構成により、この変速機構105によれば、第1、第2クラッチ141、142、及び第1〜第3ブレーキ151〜153の締結状態の組み合わせにより、前進6速と後退速とが得られるようになっており、その組み合わせと変速段の関係を表3に示す。なお、第3ブレーキ153はエンジンブレーキを作動させる1速でのみ締結され、エンジンブレーキを作動させない1速では、ワンウェイクラッチ161がロックすることにより1速を形成する。
Figure 0004998075
次に、各変速段における変速機構105の動力伝達状態を説明する。
まず、1速では、図12に示すように、第1ブレーキ151が締結し、ワンウェイクラッチ161がロックした状態にある。また、エンジンブレーキが作動する1速では、第3ブレーキ153も締結される。
このとき、入力軸104の回転は第2ギヤセット120のサンギヤ121に入力されるが、該第2ギヤセット120のリングギヤ124は第3ブレーキ152及びワンウェイクラッチ161を介してケース106に固定されているので、入力回転は減速された上で正方向(入力回転と同一方向)の回転としてキャリヤ123から出力され、第1ギヤセット110のリングギヤ114に入力される。
また、第1ギヤセット110においては、サンギヤ111が第1ブレーキ151を介してケース106に固定されているので、前記リングギヤ114への入力回転がさらに減速され、キャリヤ113から正方向の回転として出力ギヤ107に出力される。これにより、減速比の大きな1速が得られる。
次に、2速では、図13に示すように、第1ブレーキ151と第2ブレーキ152とが締結され、入力軸4の回転は、1速の場合と同様に、第2ギヤセット120のサンギヤ121に入力され、該第2ギヤセット120のキャリヤ123から第1ギヤセット110のリングギヤ114に出力される。そして、該第1ギヤセット110で減速された上で、キャリヤ113から正方向の回転として出力ギヤ107に出力される。
その場合に、この第1ギヤセット110のキャリヤ113からの出力回転は、第2ブレーキ152によりサンギヤ131が固定された第3ギヤセット130のリングギヤ134に伝達され、該第3ギヤセット130で減速された上でキャリヤ133から第2ギヤセット120のリングギヤ124に伝達され、該リングギヤ124が比較的低速で正方向に回転する。
したがって、第2ギヤセット120のリングギヤ124が固定される1速に比較して、該第2ギヤセット120におけるサンギヤ121からキャリヤ123への回転の減速比が小さくなる。これにより、1速より減速比の小さな2速が得られる。
次に、3速では、図14に示すように、第1ブレーキ151と第2クラッチ142とが締結され、入力軸104の回転は、1速及び2速の場合と同様に、第2ギヤセット120のサンギヤ121に入力され、該第2ギヤセット120のキャリヤ123から第1ギヤセット110のリングギヤ114に出力される。そして、該第1ギヤセット110により減速された上で、キャリヤ113から正方向の回転として出力ギヤ107に出力される。
その場合に、この第1ギヤセット110のキャリヤ113からの出力回転は、2速の場合と同様に、第3ギヤセット130のリングギヤ134に伝達された後、該第3ギヤセット130のキャリヤ133から第2ギヤセット120のリングギヤ124に伝達され、該リングギヤ124が正方向に回転することになるが、3速では、第3ギヤセット130のサンギヤ131に、第2クラッチ142を介して入力軸104の回転が入力されており、したがって、該第3ギヤセット130におけるキャリヤ133の回転が、サンギヤ131が固定される2速の場合に比べて増速され、これに伴って、第2ギヤセット120のリングギヤ124の回転も2速の場合に比べて増速される。
その結果、第2ギヤセット120のサンギヤ121からキャリヤ123への回転の減速比が2速よりも小さくなり、これにより、2速より減速比の小さな3速が得られる。
次に、4速では、図15に示すように、第1ブレーキ151と第1クラッチ141とが締結され、入力軸104の回転は、第2ギヤセット120のサンギヤ121に入力されると同時に、第1クラッチ141を介して該第2ギヤセット120のリングギヤ124にも入力される。そのため、第2ギヤセット120は全体が入力軸104と一体的に回転し、キャリヤ123から第1ギヤセット110のリングギヤ114に入力回転と同一速度の正方向の回転が伝達される。
そして、この回転は、1〜3速の場合と同様に、第1ギヤセット110で減速された上で、キャリヤ113から正方向の回転として出力ギヤ107に出力されるが、その場合に、入力軸104の回転は第2ギヤセット120では減速されていないので、3速の減速比よりも小さな減速比の4速が得られる。
次に、5速では、図16に示すように、第1クラッチ141と第2クラッチ142とが締結され、入力軸104の回転は、第1クラッチ141を介して第3ギヤセット130のキャリヤ133に入力されると同時に、第2クラッチ142を介して該第3ギヤセット130のサンギヤ131にも入力される。そのため、第3ギヤセット130は全体が入力軸104と一体的に回転し、リングギヤ134から出力ギヤ107に入力回転と同一速度の正方向の回転が伝達される。これにより、減速比が1の5速が得られる。
さらに、6速では、図17に示すように、第1クラッチ141と第2ブレーキ152とが締結され、入力軸104の回転は、第1クラッチ141を介して第3ギヤセット130のキャリヤ133に入力される。この第3ギヤセット130のサンギヤ131は、第2ブレーキ152により固定されているから、キャリヤ133に入力された入力回転は増速された上でリングギヤ134から出力され、出力ギヤ107に入力回転より増速された正方向の回転が伝達される。これにより、減速比が1より小さなオーバードライブの6速が得られる。
また、後退速では、図18に示すように、第2クラッチ142と第3ブレーキ153とが締結され、入力軸104の回転は、第2クラッチ142を介して第3ギヤセット130のサンギヤ131に入力される。この第3ギヤセット130のキャリヤ133は、第3ブレーキ153により固定されているから、サンギヤ131に入力された入力回転は、減速された上でリングギヤ134から逆方向の回転として出力され、出力ギヤ107に伝達される。これにより、減速比が大きな後退速が得られる。
以上のような構成によれば、第3ギヤセット130のサンギヤ131がピニオン132の大径部132aに、リングギヤ134がピニオンの小径部132bにそれぞれ噛み合わされている。そのため、ピニオン132とサンギヤ131とリングギヤ134の少なくとも一方とを変更するだけで、言い換えるとキャリヤ133を変更することなく、ギヤ比を一定範囲内で自由に変更することが可能となる。
仮に、第3ギヤセット130のピニオン132が、他のギヤセット110、120のピニオン112、122と同様に断なしのピニオンであって、ギヤ比を一定範囲内で自由に変更する場合、ピニオン、サンギヤとリングギヤの少なくとも一方、およびキャリヤを変更する必要がある。言い換えると、自動車の各車種や仕様において各変速段のギヤ比が異なる自動変速機を搭載する場合、各自動車に対して共通に使用でできる部品が少なくなる。すなわち、段付きピニオンである場合はキャリヤを各自動車において共通にでき、段なしピニオンである場合は各自動車毎に対応するキャリヤを用意する必要がある。
参考例によれば、変速機構105の3つのプラリネタリギヤセット110、120、130の中、第3ギヤセット130のピニオン132を段付きピニオンとすることにより、部品の変更数が小さく抑制されつつ各変速段のギヤ比の選択の自由度が高い自動変速機が実現される。
なお、第1の実施の形態と同様に、例えば自動変速機の製造コストを下げるために、本参考例において第1〜第3ギヤセット110、120、130のリングギヤ114、124、134が共通であって、且つ第1ギヤセット110のピニオン112と第2ギヤセット120のピニオン122とが共通にされている場合、第3ギヤセット130のサンギヤ131は、他のギヤセットのサンギヤ111、121に比べて小径になる。
この場合、第3ギヤセット130のピニオン132が段付きピニオンでなくピニオン112および1ピニオン22と共通である場合に比べて、6速のオーバードライブ量が小さくなる、すなわち5速との間の減速比差が小さくなるという効果が得られる。
第3の実施の形態)
本実施の形態は、前進6速の前記参考例に係る自動変速機改良したものであって、前進7速を実現する自動変速機である。前記参考例の自動変速機とは、第3ギヤセットが異なる。異なる部分を説明する。
図19に示すように、この実施の形態における第3ギヤセット130’は、ピニオンとして、同一軸心上に大径部132a’と小径部132b’とを一体的に設けた段付きピニオンが用いられていると共に、大径部132a’に第1サンギヤ131a’が、小径部132b’に第2サンギヤ131b’とリングギヤ134’とがそれぞれ噛み合わされている。そして、第2サンギヤ131b’と変速機ケース106との間に第4ブレーキ154’が設けられている。なお、その他の構成は前記参考例と同じである。
この実施の形態においても、表4や図19に示すように、6速では、第1クラッチ141と第2ブレーキ152とが締結され、第1サンギヤ131a’が固定された状態で、入力軸104の回転が第3ギヤセット130’のキャリヤ133’に入力される。したがって、キャリヤ133’への入力回転は増速された上でリングギヤ134’から出力ギヤ107に出力され、減速比が1より小さなオーバードライブの6速が形成される。
また、表4や図20に示すように、前記第2ブレーキ152を解放し、第4ブレーキ154’を締結すれば、第2サンギヤ131b’が固定された状態で、入力軸104の回転が第3ギヤセット130’のキャリヤ133’に入力され、前記の場合と同様に、増速された上でリングギヤ134’から出力ギヤ107に出力される。
この状態を前記6速の場合と比較すると、前記第2サンギヤ131b’は、段付きピニオンの小径部132b’に噛み合わされているから、6速で固定される第1サンギヤ131a’よりも径が大きく、したがって、キャリヤ133’からリングギヤ134’への回転の増速比が6速の場合より大きくなる。これにより、減速比が6速よりも小さなオーバードライブの7速が形成されることになる。
本実施の形態によれば、第2サンギヤ131b’と第4ブレーキ154’の追加のみで前進6速の前記参考例の自動変速機を前進7速の自動変速機に変更することができる。
以上、3つの実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図1(図3)に示すように出力ギヤ7(107)は、変速機ケース6(106)の中間壁6a(106)の反コンバータ3(103)側であるが、これに限定されない。図21に第3の実施の形態の改良例示すように、出力ギヤ207を中間壁206aのコンバータ側(反第1ギヤセット210側)に配置してもよい。
この場合、上述の実施の形態のように出力ギヤを中間壁の反コンバータ側に配置する場合に比べて、出力ギヤがコンバータ側に近づくので、トルクコンバータの近傍に配置された差動装置と出力ギヤとが軸方向に接近し、カウンタドライブ機構を構成するカウンタドライブシャフト8aの長さが上述の実施の形態に比べてさらに短くなる。これにより、該カウンタドライブ機構を介して連結される自動変速機と差動装置とを一体化してパワーユニットを構成する場合に、これをさらにコンパクトに構成することができ、車載時のレイアウト性が向上する。
以上のように、本発明に係る自動変速機は、複数のギヤセットの中の1つのギヤセットのピニオンを段付きピニオンとするため、該自動変速機は、段付きピニオンとこれと噛み合うサンギヤとリングギヤの一方を変更するだけで、部品の変更数を小さく抑制しつつ異なるギヤ比を実現することができる。したがって、自動車産業もしくは自動車用変速機の製造産業の分野において好適に利用される可能性がある。
本発明の第1の実施の形態に係る自動変速機の骨子図である。 同自動変速機の1速の状態を示す要部骨子図である。 同じく2速の状態を示す要部骨子図である。 同じく3速の状態を示す要部骨子図である。 同じく4速の状態を示す要部骨子図である。 同じく5速の状態を示す要部骨子図である。 同じく6速の状態を示す要部骨子図である。 同じく後退速の状態を示す要部骨子図である。 第2の実施の形態に係る自動変速機の6速の状態を示す要部骨子である。 同じく7速の状態を示す要部骨子である。 本発明の参考例に係る自動変速機の骨子図である。 同自動変速機の1速の状態を示す要部骨子図である。 同じく2速の状態を示す要部骨子図である。 同じく3速の状態を示す要部骨子図である。 同じく4速の状態を示す要部骨子図である。 同じく5速の状態を示す要部骨子図である。 同じく6速の状態を示す要部骨子図である。 同じく後退速の状態を示す要部骨子図である。 第3の実施の形態に係る自動変速機の6速の状態を示す要部骨子である。 同じく7速の状態を示す要部骨子である。 第3の実施の形態の改良例である。
符号の説明
1 自動変速機
4 入力軸
7 出力部材(出力ギヤ)
10 第1ギヤセット
13 キャリヤ
14 リングギヤ
20 第2ギヤセット
23 キャリヤ
24 リングギヤ
30 第3ギヤセット
31 サンギヤ
32 ピニオン(段付きピニオン)
32a 大径部
32b 小径部
33 キャリヤ
34 リングギヤ
41 第1クラッチ
42 第2クラッチ
43 第3クラッチ
51 第1ブレーキ
52 第2ブレーキ

Claims (4)

  1. ケース内に入力軸と同軸上に出力部材が配置され、少なくとも5個の摩擦要素と、シングルピニオン型プラネタリギヤセットでなる第1、第2、第3ギヤセットとを備え、少なくとも前進6速を達成する自動変速機であって、
    第1ギヤセットのリングギヤと第2ギヤセットのキャリヤ、第2ギヤセットのリングギヤと第3ギヤセットのキャリヤ、第3ギヤセットのリングギヤと第1ギヤセットのキャリヤをそれぞれ連結し、
    該第3ギヤセットのリングギヤ及び第1ギヤセットのキャリヤを前記出力部材に連結すると共に、
    該第3ギヤセットのサンギヤを固定して、キャリヤから前記入力軸の回転を入力することにより、リングギヤから出力部材に回転を増速して出力するオーバードライブの6速を形成するように構成し、かつ、
    該第3ギヤセットのピニオンを、同一軸心上に大径部と小径部とを有する段付きピニオンとし、
    サンギヤとリングギヤの一方を該段付きピニオンの大径部に、他方を該段付きピニオンの小径部にそれぞれ噛み合わせると共に、
    前記第1ギヤセットのサンギヤを固定し、かつ、
    前記入力軸と第2ギヤセットのサンギヤとを断接する第1クラッチと、
    前記入力軸と第2ギヤセットのリングギヤ及び第3ギヤセットのキャリヤとを断接する第2クラッチと、
    前記入力軸と第3ギヤセットのサンギヤとを断接する第3クラッチと、
    前記ケースと第3ギヤセットのサンギヤとを断接する第1ブレーキと、
    前記ケースと第2ギヤセットのリングギヤ及び第3ギヤセットのキャリヤとを断接する第2ブレーキとを備え、
    前記第1クラッチ及び第2ブレーキを締結することにより1速を形成し、
    前記第1クラッチ及び第1ブレーキを締結することにより2速を形成し、
    前記第1クラッチ及び第3クラッチを締結することにより3速を形成し、
    前記第1クラッチ及び第2クラッチを締結することにより4速を形成し、
    前記第2クラッチ及び第3クラッチを締結することにより5速を形成し、
    前記第2クラッチ及び第1ブレーキを締結することにより前記6速を形成することを特徴とする自動変速機。
  2. 前記請求項1に記載の自動変速機において、
    前記第3ギヤセットの段付きピニオンの大径部に前記サンギヤを、小径部に前記リングギヤをそれぞれ噛み合わせると共に、
    該段付きピニオンの小径部に噛み合う第2のサンギヤと、
    該第2のサンギヤと前記ケースとを断接する第3ブレーキとを備え、
    前記第2クラッチ及び第3ブレーキを締結することにより7速を形成することを特徴とする自動変速機。
  3. ケース内に入力軸と同軸上に出力部材が配置され、6個の摩擦要素と、シングルピニオン型プラネタリギヤセットでなる第1、第2、第3ギヤセットとを備え、前進7速を達成する自動変速機であって、
    第1ギヤセットのリングギヤと第2ギヤセットのキャリヤ、第2ギヤセットのリングギヤと第3ギヤセットのキャリヤ、第3ギヤセットのリングギヤと第1ギヤセットのキャリヤをそれぞれ連結し、
    該第3ギヤセットのリングギヤ及び第1ギヤセットのキャリヤを前記出力部材に連結すると共に、
    該第3ギヤセットのサンギヤを固定して、キャリヤから前記入力軸の回転を入力することにより、リングギヤから出力部材に回転を増速して出力するオーバードライブの6速を形成するように構成し、かつ、
    該第3ギヤセットのピニオンを、同一軸心上に大径部と小径部とを有する段付きピニオンとすると共に、
    前記入力軸と第2ギヤセットのサンギヤとを連結し、かつ、
    前記入力軸と第2ギヤセットのリングギヤ及び第3ギヤセットのキャリヤとを断接する第1クラッチと、
    前記入力軸と第3ギヤセットのサンギヤとを断接する第2クラッチと、
    前記ケースと第1ギヤセットのサンギヤとを断接する第1ブレーキと、
    前記ケースと第3ギヤセットのサンギヤとを断接する第2ブレーキと、
    前記ケースと第2ギヤセットのリングギヤ及び第3ギヤセットのキャリヤとを断接する第3ブレーキとを備え、
    前記第1ブレーキ及び第3ブレーキを締結することにより1速を形成し、
    前記第1ブレーキ及び第2ブレーキを締結することにより2速を形成し、
    前記第1ブレーキ及び第2クラッチを締結することにより3速を形成し、
    前記第1ブレーキ及び第1クラッチを締結することにより4速を形成し、
    前記第1クラッチ及び第2クラッチを締結することにより5速を形成し、
    前記第1クラッチ及び第2ブレーキを締結することにより前記6速を形成し、さらに、
    前記第3ギヤセットの段付きピニオンの大径部に前記サンギヤを、小径部に前記リングギヤをそれぞれ噛み合わせると共に、
    該段付きピニオンの小径部に噛み合う第2のサンギヤと、
    該第2のサンギヤと前記ケースとを断接する第4ブレーキとを備え、
    前記第1クラッチ及び第4ブレーキを締結することにより7速を形成することを特徴とする自動変速機。
  4. 前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動変速機において、
    前記入力軸の一方の端部を駆動源に連結し、
    該駆動源側から前記第1、第2、第3ギヤセットをこの順に配置すると共に、
    第1ギヤセットの駆動源側に前記出力部材を配置したことを特徴とする自動変速機。
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