JP2007321771A - 有段自動変速機の変速機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シングルピニオン型の第1遊星歯車組SG1と、ダブルピニオン型の第2遊星歯車組PG3と、を備え、第2キャリアC2と第1サンギヤS1とを第1メンバM1により直結し、第1キャリアC1に出力軸OUTを直結し、前進1速時、第1キャリアC1と第2リングギヤR2とを直結する第1速度線図モードを選択すると共に、第1メンバM1と入力軸INとの間に介装した第1クラッチK1と、第1リングギヤR1とケースTCとの間に介装した第1ブレーキB1と、を締結し、入力軸INから入力される回転駆動力を減速して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する変速制御手段を設けた。
【選択図】 図1
Description
第2サンギヤと、第2リングギヤと、第2サンギヤに噛み合う第2ピニオンと、第2ピニオンと第2リングギヤに噛み合う第3ピニオンと、を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車組と、を備え、
前記第1ピニオンを第1キャリアに対して回転可能に支持し、
前記第2ピニオンと前記第3ピニオンとを第2キャリアに対して回転可能に支持し、
前記第2キャリアと前記第1サンギヤとを第1メンバにより直結し、
前記第1キャリアに出力部材を直結し、
前記第1メンバと、前記第1キャリアと、前記第1リングギヤと、前記第2サンギヤと、前記第2リングギヤと、の5つの回転要素のうち、第1キャリアと第2リングギヤとを直結する第1速度線図モードと、第1リングギヤと第2リングギヤとを直結する第2速度線図モードと、が選択可能であり、それぞれの速度線図モードにおいて2つの回転要素を拘束することで回転速度関係が決まる2自由度系を構成し、
摩擦要素として、前記第1メンバと入力部材との間に介装した第1クラッチと、前記第1リングギヤとケースとの間に介装した第1ブレーキと、を有し、
前進1速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に前記第1クラッチと前記第1ブレーキを締結し、前記入力部材から入力される回転駆動力を減速して前記第1キャリアから前記出力部材へと出力する変速制御手段を設けたことを特徴とする。
すなわち、従来技術のように、前進1速時、第3ブレーキの締結により第1メンバ(第2キャリア+第1サンギヤ)をケースに対し固定する場合、第3ブレーキには大きな締結トルク容量を必要とし、変速機構の大型化を招くと共に、ブレーキ数の増大による空転時の引き摺りによるフリクショントルクも大となってしまう。
これに対し、本発明では、第1メンバと入力部材との間には第1クラッチを介装し、前進1速時、第1クラッチの締結により第1メンバを介して入力トルクを伝達するものであるため、第1クラッチの締結トルク容量は、入力トルクを1とした場合、1以上であれば滑りが発生せず、変速機構の大型化を招くことがない。
加えて、従来技術では、前進1速時に第1メンバを反力受け要素として用いているが、本発明では、前進1速時に第1メンバを入力回転要素として用いているため、第3ブレーキに相当するブレーキを省略することができ、空転時の引き摺りによるフリクショントルクを解消できる。
また、前進第1速時、入力部材からの回転駆動力は、第1クラッチの締結により第1メンバを介して第1サンギヤに入力され、第1ブレーキの締結により第1リングギヤがケースに固定され、第1キャリアから出力される。
したがって、前進第1速時、第1サンギヤ入力、第1リングギヤ固定、第1キャリア出力の関係となり、前進1速ギヤ比i1は、シングルプラネタリ型の第1遊星歯車組のギヤ比ρ1(リングギヤ歯数に対するサンギヤ歯数の比)により決まる。
ちなみに、前進1速ギヤ比i1を式であらわすと、i1=1+1/ρ1となり、シングルプラネタリ型の第1遊星歯車組のギヤ比ρ1を、小さい値すればするほど大きな減速比による前進1速ギヤ比i1を得ることができる。
言い換えると、最低段の前進第1速時、第2遊星歯車組のギヤ比ρ2を何ら考慮することなく、シングルプラネタリ型の第1遊星歯車組のギヤ比ρ1のみを設定すれば決まるという、減速比の設定自由度が高くなり、大きな減速比を得ることができる。
この結果、変速機構の大型化や空転時の引き摺りを招くことなく、最低段の前進第1速時、減速比の設定自由度が高くなり、大きな減速比を得ることができる。
図1は実施例1の有段自動変速機の変速機構を示すスケルトン図、図2は実施例1の有段自動変速機の変速機構における各ギヤ段での回転速度関係を示す速度線図、図3は実施例1の有段自動変速機の変速機構における摩擦要素の結合表と減速比の具体例を示す図、である。
前記第1遊星歯車組PG1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1に噛み合う第1ピニオンP1と、を有する。
前記第2遊星歯車組PG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、第2リングギヤR2に噛み合う第2ピニオンP2と、該第2ピニオンP2と第2リングギヤR2に噛み合う第3ピニオンP3と、を有する。
また、前記第1キャリアC1に出力軸OUT(出力部材)を直結している。
すなわち、前記第1メンバM1と、前記第1キャリアC1と、前記第1リングギヤR1と、前記第2サンギヤS2と、前記第2リングギヤR2と、の5つの回転要素のうち、第1キャリアC1と第2リングギヤR2とを直結する第1速度線図モード(図2の上部速度線図を参照)と、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とを直結する第2速度線図モード(図2の下部速度線図を参照)と、が選択可能であり、それぞれの速度線図モードにおいて2つの回転要素を拘束することで回転速度関係が決まる2自由度系を構成している。
前記入力軸INには、動力源(エンジン等)からの回転駆動力が、トルクコンバータT/CまたはロックアップクラッチL/Cを介して入力される。
そして、ギヤトレーンのうち、締結により第1速度線図モードと第2速度線図モードとのいずれかを選択するのが、第2クラッチK2、第3クラッチK3である。
ギヤトレーンのうち、締結によりいずれの回転要素に回転駆動力を入力させるかを選択するのが、第1クラッチK1、第4クラッチK4、第5クラッチK5である。
ギヤトレーンのうち、締結によりいずれの回転要素を反力受けとするかを選択するのが、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2である。
前記出力軸OUTには、出力ギヤ等が設けられ、図外のディファレンシャルやドライブシャフトを介して駆動輪へ回転駆動力が伝達される。
よって、前進1速時、図2の第1速度線図モード(1)に示すように、第1サンギヤS1に入力された回転駆動力を減速して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する。
よって、前進2速時、図2の第1速度線図モード(2)に示すように、第2キャリアC2に入力された回転駆動力を減速し、第2リングギヤR2及び第2クラッチK2を介して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する。
よって、前進3速時、図2の第2速度線図モード(3)に示すように、第1メンバM1に入力された回転駆動力を減速して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する。
よって、前進4速時、図2の第2速度線図モード(4)に示すように、入力軸INからの回転速度を減速することも増速することもなく、変速比=1により第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する。
よって、前進5速時、図2の第2速度線図モード(5)に示すように、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2に入力された回転駆動力を増速して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する。
よって、前進6速時、図2の第1速度線図モード(6)に示すように、第1リングギヤR1に入力された回転駆動力を増速して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する。
よって、後退速時、図2の第2速度線図モード(R)に示すように、第2サンギヤS2に入力された回転駆動力を減速すると共に逆転して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する。
ここで、各歯車の歯数は、
ZS1=23、ZR1=76、ZP1=29、ZS2=40、ZR2=79、ZP2=17、ZP3=17
であり、第1遊星歯車組PG1のギヤ比ρ1=ZS1/ZR1=0.382、第2遊星歯車組PG2のギヤ比ρ2=ZS2/ZR2=0.506とする事例により説明する。
i1=1+1/ρ1
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進1速時の減速比i1は、i1=3.621となる。
i2=1/(1−ρ2)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進2速時の減速比i2は、i2=2.026となる。
i3=(1+ρ1)(1+ρ1−ρ2)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進3速時の減速比i3は、i3=1.521となる。
i4=1
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入するまでもなく、
前進4速時の減速比i4は、i4=1.000となる。
i5=1−ρ1ρ2/(1+ρ1−ρ2)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進5速時の減速比i5は、i5=0.779となる。
i6=1−ρ1ρ2/(1−ρ2)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進6速時の減速比i6は、i6=0.609となる。
iR=1−(1+ρ1−ρ2)/(ρ1ρ2)
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
後退速時の減速比iRは、iR=-3.530となる。
市販の6速自動変速機や7速自動変速機は、遊星歯車3組、摩擦要素5組以上で構成されている。
遊星歯車構造の基本である回転要素数と回転自由度数の観点に立ち返り、さらに簡素な構造の6速自動変速機や7速自動変速機を追求してみたところ、遊星歯車2組、摩擦要素6〜7組の構成が最小の構成であることが判った。
この最小の構成と思われる構造について、発想の原点から分類してみると、「5要素2自由度型」と「出力軸セミ切換え型」の2種類の遊星歯車列が挙げられる。なお、FF用として全長短縮を目的として平行軸噛み合い歯車を追加した2軸方式(主軸と副軸の両方で変速)とする案もあるが、平行軸噛み合い歯車で受け渡しする際の軸受けスペースが思いのほか大きくなり、重量・コストの面で不利である。
そこで、1軸上で完結する上記「5要素2自由度型」と「出力軸セミ切換え型」の具体的な構造を優先的に発掘することとした。
すなわち、前進1速時、ダブルピニオン型の第1遊星歯車組Pfにおいて、図4(C)に示すように、第1サンギヤ入力、第1キャリア固定、第1リングギヤ出力という関係となり、第1遊星歯車組Pfのギヤ比ρfを設定限界域のρf=0.33としても、前進1速の減速比は3.000となり、例えば、3.500以上の減速比要求があった場合に応えられない。
また、1−6速ギヤ比幅は、前進1速の減速比の値(3.0)が小さいことで、1−6速ギヤ比幅=4.5というように狭い。
さらに、後退のギヤ比はロー/ハイの2段が得られているが、後退のギヤ比は前進1速と同程度が好ましいという観点により検討すると、大き過ぎる(4.5)か小さ過ぎる(2.0)かであり、どちらも適正値とはいえない。
これに対し、実施例1では、第1メンバM1と入力軸INとの間には第1クラッチK1を介装し、前進1速時、第1クラッチK1の締結により第1メンバM1を介して入力トルクを伝達するものであるため、第1クラッチK1の締結トルク容量は、入力トルクを1とした場合、1以上であれば滑りが発生せず、変速機構の大型化を招くことがない。
加えて、従来技術では、前進1速時に第1メンバを反力受け要素として用いているが、実施例1では、前進1速時に第1メンバM1を入力回転要素として用いているため、第3ブレーキB3に相当するブレーキを省略することができ、空転時の引き摺りによるフリクショントルクを解消できる。
したがって、前進第1速時、第1サンギヤ入力、第1リングギヤ固定、第1キャリア出力の関係となり、前進1速ギヤ比i1は、シングルプラネタリ型の第1遊星歯車組PG1のギヤ比ρ1(リングギヤ歯数に対するサンギヤ歯数の比)により決まる。
ちなみに、前進1速ギヤ比i1を式であらわすと、i1=1+1/ρ1となり、シングルプラネタリ型の第1遊星歯車組PG1のギヤ比ρ1を、小さい値すればするほど大きな減速比による前進1速ギヤ比i1を得ることができる。
言い換えると、最低段の前進第1速時、第2遊星歯車組PG2のギヤ比ρ2を何ら考慮することなく、シングルプラネタリ型の第1遊星歯車組PG1のギヤ比ρ1のみを設定すれば決まるという、高い減速比の設定自由度により、大減速比要求に応えて大きな値による減速比を得ることができる。
・摩擦要素数
実施例1での摩擦要素数は、第1クラッチK1、第2クラッチK2、第3クラッチK3、第4クラッチK4、第5クラッチK5、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2による7個であり、この7個の摩擦要素により前進6速後退1速が得られる。
したがって、前進6速後退1速を、遊星歯車2組、摩擦要素数7組という最小の構成により成立させることができる。
また、ブレーキの数が2個と少ないことで、ブレーキ数が3個の場合に比べ、空転時の引き摺りトルクを小さく抑えることができる。
前進のレーシオカバレッジ(ギヤ比幅)とは、最低段の減速比/最高段の減速比をいい、この値は、大きい値であるほど各前進段でのギヤ比設定自由度が高くなるということができる。
これに対し、実施例1では、同じ第1速度線図モード上において、前進1速時の減速比と前進6速時の減速比を設定することができ、要求値に対し高い自由度により1−6速レーシオカバレッジを設定できる。
また、実施例1では、前進1速の減速比として3.621というように、大きな減速比を設定することができるため、大きな値による前進6速のレーシオカバレッジが得られ、高い自由度による各前進段でのギヤ比設定が可能である。
実施例1での具体的な数値は、前進1速の減速比が3.621で、前進6速の減速比が0.609であるため、1−6速レーシオカバレッジは5.95となる。
そして、前進1速の減速比も1−6速レーシオカバレッジも大きな値とすることができるため、例えば、動力源としてエンジン回転数幅がガソリンエンジンよりも狭く、同排気量で比較した場合にトルクが低いディーゼルエンジンを動力源として搭載した車両の変速機として有用である。
段間差とは、隣接する前進段でのギヤ比の逆数の差をいい、段間差が等しいほど変速にリズム感が出て好ましいとされている。
これに対し、実施例1では、図3に示すように、1-2段間差が0.218、2-3段間差が0.163、3-4段間差が0.343、4-5段間差が0.284、5-6段間差が0.358となり、ほぼ等しいといえる段間差を得た。なお、2-3段間差が0.163であるが、これは平均段間差の60%であり、実用的に許容される範囲内にある。
したがって、前進1速から前進6速までの段間差が、ほぼ等しい段間差となるため、走行時にリズム感のある変速を達成することができる。
後退ギヤ比は、低速で高トルクが要求されるため、実用上、前進1速のギヤ比と同程度とするのが好ましいといわれている。
これに対し、実施例1では、後退ギヤ比として-3.530を得ることができ、前進1速のギヤ比である3.621と同程度のギヤ比を得た。
したがって、実施例1では、後退ギヤ比として、前進1速ギヤ比(3.621)と同程度のギヤ比を得ることができ、実用上、好ましいといわれているギヤ比要求に応えることができる。
遊星歯車で最大回転速度のなるのはピニオンであり、耐久信頼性を確保する上で、このピニオン回転速度が限界回転速度を超えないようにすることが必要である。
これに対し、実施例1の変速機構において、入力回転速度を6000rpmとしたとき、キャリアに対するピニオンの最大回転速度は17500rpmとなり、限界回転速度を超えることはなく、実用上、十分に許容できる回転速度範囲内となる。
変速時、二組の摩擦要素を同時に切換えると、二組の摩擦要素の締結・解放のタイミングやトルクの制御が複雑となるため、簡単である一組の摩擦要素を切換えにより行うのが好ましいとされる。
これに対し、実施例1においては、前進1速から前進6速までの隣接するギヤ段間の変速時、一組の摩擦要素を切換える掛け替え変速により達成できる。
なお、2-4変速、4-6変速の1段飛び変速においては、二組の摩擦要素を同時に切換える二重掛け替え変速となるが、隣接するギヤ段間の変速に比べ発生頻度が極めて低いため、実用上、問題とはならない。
実施例1では、速度線図が1,2,6速(第1速度線図モード)と3,4,5,R速(第2速度線図モード)とで切り替わり、サンギヤやピニオンの歯数に無理がない構成としている。
このため、ギヤトレーンとしては、サンギヤやピニオンの歯数が小さ過ぎず、また、リングギヤの歯数も大き過ぎることがないので、歯の強度面で有利であり、全体の大きさも小さくまとめることができるという特長を持つ。
実施例1の有段自動変速機の変速機構にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
・遊星歯車2組と摩擦要素7組を用いた最小の構成にて前進6速後退1速の変速段が得られる。
・摩擦要素7組の内訳は、クラッチ5組とブレーキ2組であるため、ブレーキ3組を用いる場合に比べ、空転時の引き摺りトルクを低減できる。
・前進6速の段間差として、ほぼ等しい段間差が得られ、リズム感の良い変速を達成できる。
・1−6速レーシオカバレッジとして、各前進段でのギヤ比設定自由度が高い大きな値を確保することができる。
・前進1速から前進6速までの隣接するギヤ段間の変速時、一組の摩擦要素を切換える掛け替え変速により達成できる。
・速度線図が1,2,6速(第1速度線図モード)と3,4,5,R速(第2速度線図モード)とで切り替わり、サンギヤやピニオンの歯数に無理がない構成を採用でき、ギヤトレーンの全体の大きさも小さくまとめることができると共に、歯の強度面で有利である。
S1 第1サンギヤ
R1 第1リングギヤ(回転要素)
P1 第1ピニオン
C1 第1キャリア(回転要素)
PG2 第2遊星歯車組
S2 第2サンギヤ(回転要素)
R2 第2リングギヤ(回転要素)
P2 第2ピニオン
P3 第3ピニオン
C2 第2キャリア
M1 第1メンバ(回転要素)
IN 入力軸(入力部材)
OUT 出力軸(出力部材)
TC ケース
K1 第1クラッチ
K2 第2クラッチ
K3 第3クラッチ
K4 第4クラッチ
K5 第5クラッチ
B1 第1ブレーキ
B2 第2ブレーキ
OWC ワンウェイクラッチ
T/C トルクコンバータ
L/C ロックアップクラッチ
Claims (3)
- 第1サンギヤと、第1リングギヤと、第1サンギヤと第1リングギヤに噛み合う第1ピニオンと、を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車組と、
第2サンギヤと、第2リングギヤと、第2サンギヤに噛み合う第2ピニオンと、第2ピニオンと第2リングギヤに噛み合う第3ピニオンと、を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車組と、を備え、
前記第1ピニオンを第1キャリアに対して回転可能に支持し、
前記第2ピニオンと前記第3ピニオンとを第2キャリアに対して回転可能に支持し、
前記第2キャリアと前記第1サンギヤとを第1メンバにより直結し、
前記第1キャリアに出力部材を直結し、
前記第1メンバと、前記第1キャリアと、前記第1リングギヤと、前記第2サンギヤと、前記第2リングギヤと、の5つの回転要素のうち、第1キャリアと第2リングギヤとを直結する第1速度線図モードと、第1リングギヤと第2リングギヤとを直結する第2速度線図モードと、が選択可能であり、それぞれの速度線図モードにおいて2つの回転要素を拘束することで回転速度関係が決まる2自由度系を構成し、
摩擦要素として、前記第1メンバと入力部材との間に介装した第1クラッチと、前記第1リングギヤとケースとの間に介装した第1ブレーキと、を有し、
前進1速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に前記第1クラッチと前記第1ブレーキを締結し、前記入力部材から入力される回転駆動力を減速して前記第1キャリアから前記出力部材へと出力する変速制御手段を設けたことを特徴とする有段自動変速機の変速機構。 - 請求項1に記載された有段自動変速機の変速機構において、
摩擦要素として、前記第1リングギヤと前記入力部材との間に介装した第4クラッチと、前記第2サンギヤと前記ケースとの間に介装した第2ブレーキと、を設け、
前記変速制御手段は、前進1速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に前記第1クラッチと前記第1ブレーキを締結し、前進6速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に前記第4クラッチと前記第2ブレーキを締結することを特徴とする有段自動変速機の変速機構。 - 請求項1に記載された有段自動変速機の変速機構において、
摩擦要素として、前記第1キャリアと前記第2リングギヤとの間に介装した第2クラッチと、前記第1リングギヤと前記第2リングギヤとの間に介装した第3クラッチと、前記第1リングギヤと前記入力部材との間に介装した第4クラッチと、前記第2サンギヤと前記入力部材との間に介装した第5クラッチと、前記第1リングギヤと前記ケースとの間に介装した第1ブレーキと、前記第2サンギヤと前記ケースとの間に介装した第2ブレーキと、を設け、
前記第2クラッチの締結により前記第1キャリアと前記第2リングギヤとを直結する第1速度線図モードを選択し、前記第3クラッチの締結により前記第1リングギヤと前記第2リングギヤとを直結する第2速度線図モードを選択し、
前記変速制御手段は、前進1速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に前記第1クラッチと前記第1ブレーキを締結し、前進2速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に前記第1クラッチと前記第2ブレーキを締結し、前進3速時、前記第2速度線図モードを選択すると共に前記第1クラッチと前記第2ブレーキを締結し、前進4速時、前記第2速度線図モードを選択すると共に前記第1クラッチと前記第4クラッチを締結し、前進5速時、前記第2速度線図モードを選択すると共に前記第4クラッチと前記第2ブレーキを締結し、前進6速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に前記第4クラッチと前記第2ブレーキを締結し、後退速時、前記第2速度線図モードを選択すると共に前記第5クラッチと前記第1ブレーキを締結することを特徴とする有段自動変速機の変速機構。
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