JP2007321771A - 有段自動変速機の変速機構 - Google Patents

有段自動変速機の変速機構 Download PDF

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Abstract

【課題】 変速機構の大型化や空転時の引き摺りを招くことなく、最低段の前進第1速時、減速比の設定自由度が高くなり、大きな減速比を得ることができる有段自動変速機の変速機構を提供すること。
【解決手段】 シングルピニオン型の第1遊星歯車組SG1と、ダブルピニオン型の第2遊星歯車組PG3と、を備え、第2キャリアC2と第1サンギヤS1とを第1メンバM1により直結し、第1キャリアC1に出力軸OUTを直結し、前進1速時、第1キャリアC1と第2リングギヤR2とを直結する第1速度線図モードを選択すると共に、第1メンバM1と入力軸INとの間に介装した第1クラッチK1と、第1リングギヤR1とケースTCとの間に介装した第1ブレーキB1と、を締結し、入力軸INから入力される回転駆動力を減速して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する変速制御手段を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の変速機として適用される有段自動変速機の変速機構に関する。
従来、有段自動変速機の変速機構としては、例えば、ダブルピニオン型の第1遊星歯車組と第2遊星歯車組と、を備え、第1メンバ(第2キャリア+第1サンギヤ)と、第1キャリアと、第1リングギヤ(出力)と、第2サンギヤと、第2リングギヤと、の5つの回転要素のうち、第1キャリアと第2リングギヤとを直結する第1速度線図モードと、第1リングギヤと第2リングギヤとを直結する第2速度線図モードと、が選択可能であり、それぞれの速度線図モードにおいて2つの回転要素を拘束することで回転速度関係が決まる2自由度系を構成し、前進1速時、前記第2速度線図モードを選択すると共に、第1メンバと入力軸との間に介装された第1クラッチと、第1キャリアをケースに固定する第2ブレーキを締結し、入力軸から入力される回転駆動力を減速して第1リングギヤから出力軸へと出力するものが知られている。
また、シングルピニオン型の第1遊星歯車組とダブルピニオン型の第2遊星歯車組と、を備え、第1メンバ(第2キャリア+第1サンギヤ)と、第1キャリア(出力)と、第1リングギヤと、第2サンギヤと、第2リングギヤと、の5つの回転要素のうち、第1キャリアと第2リングギヤとを直結する第1速度線図モードと、第1リングギヤと第2リングギヤとを直結する第2速度線図モードと、が選択可能であり、それぞれの速度線図モードにおいて2つの回転要素を拘束することで回転速度関係が決まる2自由度系を構成し、前進1速時、前記第2速度線図モードを選択すると共に、第2サンギヤと入力軸との間に介装された第1クラッチと、第1メンバをケースに固定する第3ブレーキを締結し、入力軸から入力される回転駆動力を減速して第1キャリアから出力軸へと出力するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−214502号公報
しかしながら、特許文献1に記載の有段自動変速機の変速機構のうち、2組の遊星歯車組が共にダブルピニオン型のものにあっては、クラッチ5組とブレーキ2組により前進6速後退2速を達成しているものの、出力軸が設けられるダブルピニオン型遊星歯車組のギヤ比(リングギヤ歯数に対するサンギヤ歯数の比)の設定には限界があるため、最低段の前進第1速時、大きな値による減速比を得ることができない、という問題があった。
一方、シングルピニオン型の第1遊星歯車組とダブルピニオン型の第2遊星歯車組によるものにあっては、前進1速ギヤ比や後退ギヤ比の適正値化は可能であるものの、前進1速のギヤ比が、2組の遊星歯車組のギヤ比の組み合わせにより決まるため、大きな減速比による前進1速ギヤ比を意図した場合、他の変速段でのギヤ比への影響を考慮しつつ、2組の遊星歯車組のギヤ比を調整しながら設定するという手法となり、減速比の設定自由度が低い、という問題があった。
また、シングルピニオン型の第1遊星歯車組とダブルピニオン型の第2遊星歯車組によるものにあっては、クラッチ4組とブレーキ3組により前進6速後退2速を達成したものであり、前進1速時、第3ブレーキの締結により第1メンバ(第2キャリア+第1サンギヤ)をケースに対し固定するものであるため、第3ブレーキには大きな締結トルク容量を必要とし、変速機構の大型化を招くと共に、ブレーキ数増大による空転時の引き摺りによるフリクショントルクも大となってしまう、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、変速機構の大型化や空転時の引き摺りを招くことなく、最低段の前進第1速時、減速比の設定自由度が高くなり、大きな減速比を得ることができる有段自動変速機の変速機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、第1サンギヤと、第1リングギヤと、第1サンギヤと第1リングギヤに噛み合う第1ピニオンと、を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車組と、
第2サンギヤと、第2リングギヤと、第2サンギヤに噛み合う第2ピニオンと、第2ピニオンと第2リングギヤに噛み合う第3ピニオンと、を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車組と、を備え、
前記第1ピニオンを第1キャリアに対して回転可能に支持し、
前記第2ピニオンと前記第3ピニオンとを第2キャリアに対して回転可能に支持し、
前記第2キャリアと前記第1サンギヤとを第1メンバにより直結し、
前記第1キャリアに出力部材を直結し、
前記第1メンバと、前記第1キャリアと、前記第1リングギヤと、前記第2サンギヤと、前記第2リングギヤと、の5つの回転要素のうち、第1キャリアと第2リングギヤとを直結する第1速度線図モードと、第1リングギヤと第2リングギヤとを直結する第2速度線図モードと、が選択可能であり、それぞれの速度線図モードにおいて2つの回転要素を拘束することで回転速度関係が決まる2自由度系を構成し、
摩擦要素として、前記第1メンバと入力部材との間に介装した第1クラッチと、前記第1リングギヤとケースとの間に介装した第1ブレーキと、を有し、
前進1速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に前記第1クラッチと前記第1ブレーキを締結し、前記入力部材から入力される回転駆動力を減速して前記第1キャリアから前記出力部材へと出力する変速制御手段を設けたことを特徴とする。
よって、本発明の有段自動変速機の変速機構にあっては、前進1速時、変速制御手段において、第1キャリアと第2リングギヤとを直結する第1速度線図モードが選択されると共に、第1メンバと入力部材との間に介装した第1クラッチと第1リングギヤとケースとの間に介装した第1ブレーキとが締結され、入力部材から入力される回転駆動力が減速され第1キャリアから出力部材へと出力される。
すなわち、従来技術のように、前進1速時、第3ブレーキの締結により第1メンバ(第2キャリア+第1サンギヤ)をケースに対し固定する場合、第3ブレーキには大きな締結トルク容量を必要とし、変速機構の大型化を招くと共に、ブレーキ数の増大による空転時の引き摺りによるフリクショントルクも大となってしまう。
これに対し、本発明では、第1メンバと入力部材との間には第1クラッチを介装し、前進1速時、第1クラッチの締結により第1メンバを介して入力トルクを伝達するものであるため、第1クラッチの締結トルク容量は、入力トルクを1とした場合、1以上であれば滑りが発生せず、変速機構の大型化を招くことがない。
加えて、従来技術では、前進1速時に第1メンバを反力受け要素として用いているが、本発明では、前進1速時に第1メンバを入力回転要素として用いているため、第3ブレーキに相当するブレーキを省略することができ、空転時の引き摺りによるフリクショントルクを解消できる。
また、前進第1速時、入力部材からの回転駆動力は、第1クラッチの締結により第1メンバを介して第1サンギヤに入力され、第1ブレーキの締結により第1リングギヤがケースに固定され、第1キャリアから出力される。
したがって、前進第1速時、第1サンギヤ入力、第1リングギヤ固定、第1キャリア出力の関係となり、前進1速ギヤ比i1は、シングルプラネタリ型の第1遊星歯車組のギヤ比ρ1(リングギヤ歯数に対するサンギヤ歯数の比)により決まる。
ちなみに、前進1速ギヤ比i1を式であらわすと、i1=1+1/ρ1となり、シングルプラネタリ型の第1遊星歯車組のギヤ比ρ1を、小さい値すればするほど大きな減速比による前進1速ギヤ比i1を得ることができる。
言い換えると、最低段の前進第1速時、第2遊星歯車組のギヤ比ρ2を何ら考慮することなく、シングルプラネタリ型の第1遊星歯車組のギヤ比ρ1のみを設定すれば決まるという、減速比の設定自由度が高くなり、大きな減速比を得ることができる。
この結果、変速機構の大型化や空転時の引き摺りを招くことなく、最低段の前進第1速時、減速比の設定自由度が高くなり、大きな減速比を得ることができる。
以下、本発明の有段自動変速機の変速機構を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の有段自動変速機の変速機構を示すスケルトン図、図2は実施例1の有段自動変速機の変速機構における各ギヤ段での回転速度関係を示す速度線図、図3は実施例1の有段自動変速機の変速機構における摩擦要素の結合表と減速比の具体例を示す図、である。
実施例1の有段自動変速機の変速機構は、図1に示すように、ギヤトレーンとして、シングルピニオン型の第1遊星歯車組PG1と、ダブルピニオン型の第2遊星歯車組PG2と、を備えている。
前記第1遊星歯車組PG1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1に噛み合う第1ピニオンP1と、を有する。
前記第2遊星歯車組PG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、第2リングギヤR2に噛み合う第2ピニオンP2と、該第2ピニオンP2と第2リングギヤR2に噛み合う第3ピニオンP3と、を有する。
そして、前記第1ピニオンP1を第1キャリアC1に対して回転可能に支持し、前記第2ピニオンP2と前記第3ピニオンP3とを第2キャリアC2に対して回転可能に支持し、前記第2キャリアC2と前記第1サンギヤS1とを第1メンバM1により直結している。
また、前記第1キャリアC1に出力軸OUT(出力部材)を直結している。
実施例1のギヤトレーンは、出力軸OUTと連結している2個の回転要素のうち、片方を変速段によって解放する出力軸セミ切換え型による2遊星の多段自動変速機用遊星歯車列を構成している。
すなわち、前記第1メンバM1と、前記第1キャリアC1と、前記第1リングギヤR1と、前記第2サンギヤS2と、前記第2リングギヤR2と、の5つの回転要素のうち、第1キャリアC1と第2リングギヤR2とを直結する第1速度線図モード(図2の上部速度線図を参照)と、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とを直結する第2速度線図モード(図2の下部速度線図を参照)と、が選択可能であり、それぞれの速度線図モードにおいて2つの回転要素を拘束することで回転速度関係が決まる2自由度系を構成している。
変速時に締結・解放の制御が行われる摩擦要素としては、図1に示すように、前記第1メンバM1と入力軸IN(入力部材)との間に介装した第1クラッチK1と、前記第1キャリアC1と前記第2リングギヤR2との間に介装した第2クラッチK2と、前記第1リングギヤR1と前記第2リングギヤR2との間に介装した第3クラッチK3と、前記第1リングギヤR1と入力軸INとの間に介装した第4クラッチK4と、前記第2サンギヤS2と入力軸INとの間に介装した第5クラッチK5と、前記第1リングギヤR1とケースTCとの間に介装した第1ブレーキB1と、前記第2サンギヤS2とケースTCとの間に介装した第2ブレーキB2と、を設けている。なお、前記第1ブレーキB1とは並列の位置関係により、前進1速時に作動するワンウェイクラッチOWCを設けている。
前記入力軸INには、動力源(エンジン等)からの回転駆動力が、トルクコンバータT/CまたはロックアップクラッチL/Cを介して入力される。
そして、ギヤトレーンのうち、締結により第1速度線図モードと第2速度線図モードとのいずれかを選択するのが、第2クラッチK2、第3クラッチK3である。
ギヤトレーンのうち、締結によりいずれの回転要素に回転駆動力を入力させるかを選択するのが、第1クラッチK1、第4クラッチK4、第5クラッチK5である。
ギヤトレーンのうち、締結によりいずれの回転要素を反力受けとするかを選択するのが、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2である。
前記出力軸OUTには、出力ギヤ等が設けられ、図外のディファレンシャルやドライブシャフトを介して駆動輪へ回転駆動力が伝達される。
各ギヤ段での前記摩擦要素の結合(締結)の関係を、図2の速度線図及び図3の結合表により説明する(変速制御手段)。
前進1速時、図3に示すように、第1クラッチK1と第2クラッチK2と第1ブレーキB1を締結し、ワンウェイクラッチOWCを作動する。第2クラッチK2の締結により、第1キャリアC1と第2リングギヤR2とを直結する第1速度線図モードとされ、入力軸INからの回転駆動力は、第1メンバM1を介して第1サンギヤS1に入力される。また、第1リングギヤR1は、第1ブレーキB1の締結とワンウェイクラッチOWCの作動によりケースTCに固定される。
よって、前進1速時、図2の第1速度線図モード(1)に示すように、第1サンギヤS1に入力された回転駆動力を減速して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する。
前進2速時、図3に示すように、第1クラッチK1と第2クラッチK2と第2ブレーキB2を締結する。第2クラッチK2の締結により、第1キャリアC1と第2リングギヤR2とを直結する第1速度線図モードとされ、入力軸INからの回転駆動力は、第2キャリアC2に入力される。また、第2サンギヤS2は、第2ブレーキB2の締結によりケースTCに固定される。
よって、前進2速時、図2の第1速度線図モード(2)に示すように、第2キャリアC2に入力された回転駆動力を減速し、第2リングギヤR2及び第2クラッチK2を介して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する。
前進3速時、図3に示すように、第1クラッチK1と第3クラッチK3と第2ブレーキB2を締結する。第3クラッチK3の締結により、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とを直結する第2速度線図モードとされ、入力軸INからの回転駆動力は、第1メンバM1(第1サンギヤS1+第2キャリアC2)に入力される。また、第2サンギヤS2は、第2ブレーキB2の締結によりケースTCに固定される。
よって、前進3速時、図2の第2速度線図モード(3)に示すように、第1メンバM1に入力された回転駆動力を減速して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する。
前進4速時、図3に示すように、第1クラッチK1と第3クラッチK3と第4クラッチK4を締結する。第3クラッチK3の締結により、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とを直結する第2速度線図モードとされ、入力軸INからの回転駆動力は、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2に入力されると共に、第1メンバM1(第1サンギヤS1+第2キャリアC2)に入力される。
よって、前進4速時、図2の第2速度線図モード(4)に示すように、入力軸INからの回転速度を減速することも増速することもなく、変速比=1により第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する。
前進5速時、図3に示すように、第3クラッチK3と第4クラッチK4と第2ブレーキB2を締結する。第3クラッチK3の締結により、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とを直結する第2速度線図モードとされ、入力軸INからの回転駆動力は、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2に入力される。また、第2サンギヤS2は、第2ブレーキB2の締結によりケースTCに固定される。
よって、前進5速時、図2の第2速度線図モード(5)に示すように、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2に入力された回転駆動力を増速して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する。
前進6速時、図3に示すように、第2クラッチK2と第4クラッチK4と第2ブレーキB2を締結する。第2クラッチK2の締結により、第1キャリアC1と第2リングギヤR2とを直結する第1速度線図モードとされ、入力軸INからの回転駆動力は、第1リングギヤR1に入力される。また、第2サンギヤS2は、第2ブレーキB2の締結によりケースTCに固定される。
よって、前進6速時、図2の第1速度線図モード(6)に示すように、第1リングギヤR1に入力された回転駆動力を増速して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する。
後退速時、図3に示すように、第3クラッチK3と第5クラッチK5と第1ブレーキB1を締結する。第3クラッチK3の締結により、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とを直結する第2速度線図モードとされ、入力軸INからの回転駆動力は、第2サンギヤS2に入力される。また、第1リングギヤR1は、第1ブレーキB1の締結によりケースTCに固定される。
よって、後退速時、図2の第2速度線図モード(R)に示すように、第2サンギヤS2に入力された回転駆動力を減速すると共に逆転して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する。
次に、図3により実施例1での減速比の具体例を説明する。
ここで、各歯車の歯数は、
ZS1=23、ZR1=76、ZP1=29、ZS2=40、ZR2=79、ZP2=17、ZP3=17
であり、第1遊星歯車組PG1のギヤ比ρ1=ZS1/ZR1=0.382、第2遊星歯車組PG2のギヤ比ρ2=ZS2/ZR2=0.506とする事例により説明する。
前進1速時の減速比i1は、
1=1+1/ρ1
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進1速時の減速比i1は、i1=3.621となる。
前進2速時の減速比i2は、
2=1/(1−ρ2
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進2速時の減速比i2は、i2=2.026となる。
前進3速時の減速比i3は、
3=(1+ρ1)(1+ρ1−ρ2
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進3速時の減速比i3は、i3=1.521となる。
前進4速時の減速比i4は、
4=1
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入するまでもなく、
前進4速時の減速比i4は、i4=1.000となる。
前進5速時の減速比i5は、
5=1−ρ1ρ2/(1+ρ1−ρ2
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進5速時の減速比i5は、i5=0.779となる。
前進6速時の減速比i6は、
6=1−ρ1ρ2/(1−ρ2
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進6速時の減速比i6は、i6=0.609となる。
後退速時の減速比iRは、
R=1−(1+ρ1−ρ2)/(ρ1ρ2
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
後退速時の減速比iRは、iR=-3.530となる。
次に、作用を説明する。
市販の6速自動変速機や7速自動変速機は、遊星歯車3組、摩擦要素5組以上で構成されている。
遊星歯車構造の基本である回転要素数と回転自由度数の観点に立ち返り、さらに簡素な構造の6速自動変速機や7速自動変速機を追求してみたところ、遊星歯車2組、摩擦要素6〜7組の構成が最小の構成であることが判った。
この最小の構成と思われる構造について、発想の原点から分類してみると、「5要素2自由度型」と「出力軸セミ切換え型」の2種類の遊星歯車列が挙げられる。なお、FF用として全長短縮を目的として平行軸噛み合い歯車を追加した2軸方式(主軸と副軸の両方で変速)とする案もあるが、平行軸噛み合い歯車で受け渡しする際の軸受けスペースが思いのほか大きくなり、重量・コストの面で不利である。
そこで、1軸上で完結する上記「5要素2自由度型」と「出力軸セミ切換え型」の具体的な構造を優先的に発掘することとした。
このうち、「出力軸セミ切換え型」であって、出力軸OUTと連結している2個の回転要素のうち、片方を変速段によって解放する2遊星の多段自動変速機用遊星歯車列として、ダブルピニオン型の遊星歯車組を2組用いたものと、ダブルピニオン型の遊星歯車組とシングルピニオン型の遊星歯車組を用いたものが既に知られている(特開2003−214502号公報参照)。
上記ダブルピニオン型の第1遊星歯車組Pfと第2遊星歯車組Prと用いたものは、図4(A)に示すように、第1メンバ(第2キャリア+第1サンギヤ)と、第1キャリアと、第1リングギヤ(出力)と、第2サンギヤと、第2リングギヤと、の5つの回転要素のうち、第1キャリアと第2リングギヤとを直結する第1速度線図モードと、第1リングギヤと第2リングギヤとを直結する第2速度線図モードと、が選択可能であり、それぞれの速度線図モードにおいて2つの回転要素を拘束することで回転速度関係が決まる2自由度系を構成し、前進1速時、図4(B)に示すように、第4クラッチC4を締結して第2速度線図モードを選択すると共に、第1メンバと入力軸との間に介装された第1クラッチC1と、第1キャリアをケースに固定する第2ブレーキB2を締結し、入力軸INから入力される回転駆動力を減速して第1リングギヤから出力軸OUTへと出力するようにしている。
一方、シングルピニオン型の第1遊星歯車組Prとダブルピニオン型の第2遊星歯車組Pfとを用いたものは、図5(A)に示すように、第1メンバ(第2キャリア+第1サンギヤ)と、第1キャリア(出力)と、第1リングギヤと、第2サンギヤと、第2リングギヤと、の5つの回転要素のうち、第1キャリアと第2リングギヤとを直結する第1速度線図モードと、第1リングギヤと第2リングギヤとを直結する第2速度線図モードと、が選択可能であり、それぞれの速度線図モードにおいて2つの回転要素を拘束することで回転速度関係が決まる2自由度系を構成し、前進1速時、図5(B)に示すように、第4クラッチC4を締結して第2速度線図モードを選択すると共に、第2サンギヤS2と入力軸INとの間に介装された第1クラッチC1と、第1メンバをケースに固定する第3ブレーキB3を締結し、入力軸INから入力される回転駆動力を減速して第1キャリアから出力軸OUTへと出力するようにしている。
しかし、2組の遊星歯車組が共にダブルピニオン型のものにあっては、図4に示すように、クラッチ5組とブレーキ2組により前進6速後退2速を達成しているものの、出力軸OUTが設けられるダブルピニオン型遊星歯車組のギヤ比(リングギヤ歯数に対するサンギヤ歯数の比)の設定には限界があるため、最低段の前進第1速時、大きな値による減速比を得ることができない、また、後退ギヤ比が適正値とはならない。さらに、1−6速ギヤ比幅も狭い。
すなわち、前進1速時、ダブルピニオン型の第1遊星歯車組Pfにおいて、図4(C)に示すように、第1サンギヤ入力、第1キャリア固定、第1リングギヤ出力という関係となり、第1遊星歯車組Pfのギヤ比ρfを設定限界域のρf=0.33としても、前進1速の減速比は3.000となり、例えば、3.500以上の減速比要求があった場合に応えられない。
また、1−6速ギヤ比幅は、前進1速の減速比の値(3.0)が小さいことで、1−6速ギヤ比幅=4.5というように狭い。
さらに、後退のギヤ比はロー/ハイの2段が得られているが、後退のギヤ比は前進1速と同程度が好ましいという観点により検討すると、大き過ぎる(4.5)か小さ過ぎる(2.0)かであり、どちらも適正値とはいえない。
一方、シングルピニオン型の第1遊星歯車組とダブルピニオン型の第2遊星歯車組によるものにあっては、図5(B),(C)に示すように、前進1速ギヤ比(3.453)や後退ギヤ比(3.482)の適正値化は可能であるものの、前進1速のギヤ比が、2組の遊星歯車組Pf,Prのギヤ比ρf,ρrの組み合わせにより決まるため、大きな減速比による前進1速ギヤ比を意図した場合、他の変速段でのギヤ比への影響を考慮しつつ、2組の遊星歯車組のギヤ比を調整しながら設定するという手法となり、減速比の設定自由度が低い。
また、シングルピニオン型の第1遊星歯車組とダブルピニオン型の第2遊星歯車組によるものにあっては、クラッチ4組とブレーキ3組により前進6速後退2速を達成したものであり、前進1速時、第3ブレーキB3の締結により第1メンバ(第2キャリア+第1サンギヤ)をケースに対し固定するものであるため、第3ブレーキB3には大きな締結トルク容量(入力トルクを1としたとき2.453)を必要とし、変速機構の大型化を招くと共に、ブレーキ数増大による空転時の引き摺りによるフリクショントルクも大となってしまう。
これに対し、実施例1の有段自動変速機の変速機構では、2遊星としてシングルピニオン型の第1遊星歯車組PG1とダブルピニオン型の第2遊星歯車組PG2を用い、前進1速時に第1メンバM1(第2キャリアC2+第1サンギヤS1)を入力回転要素として用いる構成を採用することで、変速機構の大型化や空転時の引き摺りを招くことなく、最低段の前進第1速時、減速比の設定自由度が高くなり、大きな減速比を得ることができるようにした。
すなわち、従来技術のように、前進1速時、第3ブレーキB3の締結により第1メンバ(第2キャリア+第1サンギヤ)をケースに対し固定する場合、第3ブレーキB3には大きな締結トルク容量を必要とし、変速機構の大型化を招くと共に、空転時の引き摺りによるフリクショントルクも大となってしまう。
これに対し、実施例1では、第1メンバM1と入力軸INとの間には第1クラッチK1を介装し、前進1速時、第1クラッチK1の締結により第1メンバM1を介して入力トルクを伝達するものであるため、第1クラッチK1の締結トルク容量は、入力トルクを1とした場合、1以上であれば滑りが発生せず、変速機構の大型化を招くことがない。
加えて、従来技術では、前進1速時に第1メンバを反力受け要素として用いているが、実施例1では、前進1速時に第1メンバM1を入力回転要素として用いているため、第3ブレーキB3に相当するブレーキを省略することができ、空転時の引き摺りによるフリクショントルクを解消できる。
また、前進第1速時、入力軸INからの回転駆動力は、第1クラッチK1の締結により第1メンバM1を介して第1サンギヤS1に入力され、第1ブレーキB1の締結により第1リングギヤR1がケースTCに固定され、第1キャリアC1から出力される。
したがって、前進第1速時、第1サンギヤ入力、第1リングギヤ固定、第1キャリア出力の関係となり、前進1速ギヤ比i1は、シングルプラネタリ型の第1遊星歯車組PG1のギヤ比ρ1(リングギヤ歯数に対するサンギヤ歯数の比)により決まる。
ちなみに、前進1速ギヤ比i1を式であらわすと、i1=1+1/ρ1となり、シングルプラネタリ型の第1遊星歯車組PG1のギヤ比ρ1を、小さい値すればするほど大きな減速比による前進1速ギヤ比i1を得ることができる。
言い換えると、最低段の前進第1速時、第2遊星歯車組PG2のギヤ比ρ2を何ら考慮することなく、シングルプラネタリ型の第1遊星歯車組PG1のギヤ比ρ1のみを設定すれば決まるという、高い減速比の設定自由度により、大減速比要求に応えて大きな値による減速比を得ることができる。
[有段自動変速機の変速機構としての実用性の検討]
・摩擦要素数
実施例1での摩擦要素数は、第1クラッチK1、第2クラッチK2、第3クラッチK3、第4クラッチK4、第5クラッチK5、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2による7個であり、この7個の摩擦要素により前進6速後退1速が得られる。
したがって、前進6速後退1速を、遊星歯車2組、摩擦要素数7組という最小の構成により成立させることができる。
また、ブレーキの数が2個と少ないことで、ブレーキ数が3個の場合に比べ、空転時の引き摺りトルクを小さく抑えることができる。
・前進のレーシオカバレッジ
前進のレーシオカバレッジ(ギヤ比幅)とは、最低段の減速比/最高段の減速比をいい、この値は、大きい値であるほど各前進段でのギヤ比設定自由度が高くなるということができる。
これに対し、実施例1では、同じ第1速度線図モード上において、前進1速時の減速比と前進6速時の減速比を設定することができ、要求値に対し高い自由度により1−6速レーシオカバレッジを設定できる。
また、実施例1では、前進1速の減速比として3.621というように、大きな減速比を設定することができるため、大きな値による前進6速のレーシオカバレッジが得られ、高い自由度による各前進段でのギヤ比設定が可能である。
実施例1での具体的な数値は、前進1速の減速比が3.621で、前進6速の減速比が0.609であるため、1−6速レーシオカバレッジは5.95となる。
そして、前進1速の減速比も1−6速レーシオカバレッジも大きな値とすることができるため、例えば、動力源としてエンジン回転数幅がガソリンエンジンよりも狭く、同排気量で比較した場合にトルクが低いディーゼルエンジンを動力源として搭載した車両の変速機として有用である。
・段間差
段間差とは、隣接する前進段でのギヤ比の逆数の差をいい、段間差が等しいほど変速にリズム感が出て好ましいとされている。
これに対し、実施例1では、図3に示すように、1-2段間差が0.218、2-3段間差が0.163、3-4段間差が0.343、4-5段間差が0.284、5-6段間差が0.358となり、ほぼ等しいといえる段間差を得た。なお、2-3段間差が0.163であるが、これは平均段間差の60%であり、実用的に許容される範囲内にある。
したがって、前進1速から前進6速までの段間差が、ほぼ等しい段間差となるため、走行時にリズム感のある変速を達成することができる。
・後退ギヤ比
後退ギヤ比は、低速で高トルクが要求されるため、実用上、前進1速のギヤ比と同程度とするのが好ましいといわれている。
これに対し、実施例1では、後退ギヤ比として-3.530を得ることができ、前進1速のギヤ比である3.621と同程度のギヤ比を得た。
したがって、実施例1では、後退ギヤ比として、前進1速ギヤ比(3.621)と同程度のギヤ比を得ることができ、実用上、好ましいといわれているギヤ比要求に応えることができる。
・キャリアに対するピニオンの最大回転速度
遊星歯車で最大回転速度のなるのはピニオンであり、耐久信頼性を確保する上で、このピニオン回転速度が限界回転速度を超えないようにすることが必要である。
これに対し、実施例1の変速機構において、入力回転速度を6000rpmとしたとき、キャリアに対するピニオンの最大回転速度は17500rpmとなり、限界回転速度を超えることはなく、実用上、十分に許容できる回転速度範囲内となる。
・変速時の摩擦要素の切換え数
変速時、二組の摩擦要素を同時に切換えると、二組の摩擦要素の締結・解放のタイミングやトルクの制御が複雑となるため、簡単である一組の摩擦要素を切換えにより行うのが好ましいとされる。
これに対し、実施例1においては、前進1速から前進6速までの隣接するギヤ段間の変速時、一組の摩擦要素を切換える掛け替え変速により達成できる。
なお、2-4変速、4-6変速の1段飛び変速においては、二組の摩擦要素を同時に切換える二重掛け替え変速となるが、隣接するギヤ段間の変速に比べ発生頻度が極めて低いため、実用上、問題とはならない。
・ギヤトレーンの強度とコンパクト性
実施例1では、速度線図が1,2,6速(第1速度線図モード)と3,4,5,R速(第2速度線図モード)とで切り替わり、サンギヤやピニオンの歯数に無理がない構成としている。
このため、ギヤトレーンとしては、サンギヤやピニオンの歯数が小さ過ぎず、また、リングギヤの歯数も大き過ぎることがないので、歯の強度面で有利であり、全体の大きさも小さくまとめることができるという特長を持つ。
次に、効果を説明する。
実施例1の有段自動変速機の変速機構にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1に噛み合う第1ピニオンP1と、を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車組SG1と、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、第2サンギヤS2に噛み合う第2ピニオンP2と、第2ピニオンP2と第2リングギヤR2に噛み合う第3ピニオンP3と、を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車組PG3と、を備え、前記第1ピニオンP1を第1キャリアC1に対して回転可能に支持し、前記第2ピニオンP2と前記第3ピニオンP3とを第2キャリアC2に対して回転可能に支持し、前記第2キャリアC2と前記第1サンギヤS1とを第1メンバM1により直結し、前記第1キャリアC1に出力軸OUTを直結し、前記第1メンバM1と、前記第1キャリアC1と、前記第1リングギヤR1と、前記第2サンギヤS2と、前記第2リングギヤR2と、の5つの回転要素のうち、第1キャリアC1と第2リングギヤR2とを直結する第1速度線図モードと、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とを直結する第2速度線図モードと、が選択可能であり、それぞれの速度線図モードにおいて2つの回転要素を拘束することで回転速度関係が決まる2自由度系を構成し、摩擦要素として、前記第1メンバM1と入力軸INとの間に介装した第1クラッチK1と、前記第1リングギヤR1とケースTCとの間に介装した第1ブレーキB1と、を有し、前進1速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に前記第1クラッチK1と前記第1ブレーキB1を締結し、前記入力軸INから入力される回転駆動力を減速して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する変速制御手段を設けたため、変速機構の大型化や空転時の引き摺りを招くことなく、最低段の前進第1速時、減速比の設定自由度が高くなり、大きな減速比を得ることができる。
(2) 摩擦要素として、前記第1メンバM1と入力軸INとの間に介装した第1クラッチK1と、前記第1リングギヤR1と入力軸INとの間に介装した第4クラッチK4と、前記第1リングギヤR1とケースTCとの間に介装した第1ブレーキB1と、前記第2サンギヤS2とケースTCとの間に介装した第2ブレーキB2と、を設け、前記変速制御手段は、前進1速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に第1クラッチK1と第1ブレーキB1を締結し、前進6速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に第4クラッチK4と第2ブレーキB2を締結するため、同じ第1速度線図モード上での前進1速時の減速比と前進6速時の減速比の設定により、要求値に対し高い自由度により1−6速レーシオカバレッジを設定できると共に、前進1速の減速比を大きな減速比に設定した場合、大きな値による1−6速レーシオカバレッジが得られ、高い自由度による各前進段でのギヤ比設定を行うことができる。
(3) 摩擦要素として、前記第1メンバM1と入力軸INとの間に介装した第1クラッチK1と、前記第1キャリアC1と前記第2リングギヤR2との間に介装した第2クラッチK2と、前記第1リングギヤR1と前記第2リングギヤR2との間に介装した第3クラッチK3と、前記第1リングギヤR1と入力軸INとの間に介装した第4クラッチK4と、前記第2サンギヤS2と入力軸INとの間に介装した第5クラッチK5と、前記第1リングギヤR1とケースTCとの間に介装した第1ブレーキB1と、前記第2サンギヤS2とケースTCとの間に介装した第2ブレーキB2と、を設け、前記第2クラッチK2の締結により第1キャリアC1と第2リングギヤR2とを直結する第1速度線図モードを選択し、前記第3クラッチK3の締結により第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とを直結する第2速度線図モードを選択し、前記変速制御手段は、前進1速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に第1クラッチK1と第1ブレーキB1を締結し、前進2速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に第1クラッチK1と第2ブレーキB2を締結し、前進3速時、前記第2速度線図モードを選択すると共に第1クラッチK1と第2ブレーキB2を締結し、前進4速時、前記第2速度線図モードを選択すると共に第1クラッチK1と第4クラッチK4を締結し、前進5速時、前記第2速度線図モードを選択すると共に第4クラッチK4と第2ブレーキB2を締結し、前進6速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に第4クラッチK4と第2ブレーキB2を締結し、後退速時、前記第2速度線図モードを選択すると共に第5クラッチK5と第1ブレーキB1を締結するため、下記に列挙する効果を併せて得ることができる。
・遊星歯車2組と摩擦要素7組を用いた最小の構成にて前進6速後退1速の変速段が得られる。
・摩擦要素7組の内訳は、クラッチ5組とブレーキ2組であるため、ブレーキ3組を用いる場合に比べ、空転時の引き摺りトルクを低減できる。
・前進6速の段間差として、ほぼ等しい段間差が得られ、リズム感の良い変速を達成できる。
・1−6速レーシオカバレッジとして、各前進段でのギヤ比設定自由度が高い大きな値を確保することができる。
・前進1速から前進6速までの隣接するギヤ段間の変速時、一組の摩擦要素を切換える掛け替え変速により達成できる。
・速度線図が1,2,6速(第1速度線図モード)と3,4,5,R速(第2速度線図モード)とで切り替わり、サンギヤやピニオンの歯数に無理がない構成を採用でき、ギヤトレーンの全体の大きさも小さくまとめることができると共に、歯の強度面で有利である。
以上、本発明の有段自動変速機の変速機構を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、前進6速後退1速の変速段を得る変速機構の例を示したが、要するに、シングルピニオン型の第1遊星歯車組PG1とダブルピニオン型の第2遊星歯車組PG2を用い、前進1速時、第1キャリアC1と第2リングギヤR2とを直結する第1速度線図モードを選択すると共に第1メンバM1と入力軸INとの間に介装した第1クラッチK1と、第1リングギヤR1とケースTCとの間に介装した第1ブレーキB1と、を締結し、入力軸INから入力される回転駆動力を減速して第1キャリアC1から出力軸OUTへと出力する変速制御手段を設けたものであれば、具体的構成は実施例1に限定されることはない。
実施例1では、エンジン車へ適用した有段自動変速機の変速機構の例を示したが、エンジン車以外にもハイブリッド車や電気自動車等の有段自動変速機の変速機構としても適用することができる。
実施例1の有段自動変速機の変速機構を示すスケルトン図である。 実施例1の有段自動変速機の変速機構における各ギヤ段での回転速度関係を示す速度線図である。 実施例1の有段自動変速機の変速機構における摩擦要素の結合表と減速比の具体例を示す図である。 従来技術の有段自動変速機の変速機構のうちダブルピニオン型の第1遊星歯車組と第2遊星歯車組を用いた従来例1によるスケルトン図・摩擦要素作動表・速度線図を示す図である。 従来技術の有段自動変速機の変速機構のうちシングルピニオン型の第1遊星歯車組とダブルピニオン型の第2遊星歯車組を用いた従来例2によるスケルトン図・摩擦要素作動表・速度線図を示す図である。
符号の説明
PG1 第1遊星歯車組
S1 第1サンギヤ
R1 第1リングギヤ(回転要素)
P1 第1ピニオン
C1 第1キャリア(回転要素)
PG2 第2遊星歯車組
S2 第2サンギヤ(回転要素)
R2 第2リングギヤ(回転要素)
P2 第2ピニオン
P3 第3ピニオン
C2 第2キャリア
M1 第1メンバ(回転要素)
IN 入力軸(入力部材)
OUT 出力軸(出力部材)
TC ケース
K1 第1クラッチ
K2 第2クラッチ
K3 第3クラッチ
K4 第4クラッチ
K5 第5クラッチ
B1 第1ブレーキ
B2 第2ブレーキ
OWC ワンウェイクラッチ
T/C トルクコンバータ
L/C ロックアップクラッチ

Claims (3)

  1. 第1サンギヤと、第1リングギヤと、第1サンギヤと第1リングギヤに噛み合う第1ピニオンと、を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車組と、
    第2サンギヤと、第2リングギヤと、第2サンギヤに噛み合う第2ピニオンと、第2ピニオンと第2リングギヤに噛み合う第3ピニオンと、を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車組と、を備え、
    前記第1ピニオンを第1キャリアに対して回転可能に支持し、
    前記第2ピニオンと前記第3ピニオンとを第2キャリアに対して回転可能に支持し、
    前記第2キャリアと前記第1サンギヤとを第1メンバにより直結し、
    前記第1キャリアに出力部材を直結し、
    前記第1メンバと、前記第1キャリアと、前記第1リングギヤと、前記第2サンギヤと、前記第2リングギヤと、の5つの回転要素のうち、第1キャリアと第2リングギヤとを直結する第1速度線図モードと、第1リングギヤと第2リングギヤとを直結する第2速度線図モードと、が選択可能であり、それぞれの速度線図モードにおいて2つの回転要素を拘束することで回転速度関係が決まる2自由度系を構成し、
    摩擦要素として、前記第1メンバと入力部材との間に介装した第1クラッチと、前記第1リングギヤとケースとの間に介装した第1ブレーキと、を有し、
    前進1速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に前記第1クラッチと前記第1ブレーキを締結し、前記入力部材から入力される回転駆動力を減速して前記第1キャリアから前記出力部材へと出力する変速制御手段を設けたことを特徴とする有段自動変速機の変速機構。
  2. 請求項1に記載された有段自動変速機の変速機構において、
    摩擦要素として、前記第1リングギヤと前記入力部材との間に介装した第4クラッチと、前記第2サンギヤと前記ケースとの間に介装した第2ブレーキと、を設け、
    前記変速制御手段は、前進1速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に前記第1クラッチと前記第1ブレーキを締結し、前進6速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に前記第4クラッチと前記第2ブレーキを締結することを特徴とする有段自動変速機の変速機構。
  3. 請求項1に記載された有段自動変速機の変速機構において、
    摩擦要素として、前記第1キャリアと前記第2リングギヤとの間に介装した第2クラッチと、前記第1リングギヤと前記第2リングギヤとの間に介装した第3クラッチと、前記第1リングギヤと前記入力部材との間に介装した第4クラッチと、前記第2サンギヤと前記入力部材との間に介装した第5クラッチと、前記第1リングギヤと前記ケースとの間に介装した第1ブレーキと、前記第2サンギヤと前記ケースとの間に介装した第2ブレーキと、を設け、
    前記第2クラッチの締結により前記第1キャリアと前記第2リングギヤとを直結する第1速度線図モードを選択し、前記第3クラッチの締結により前記第1リングギヤと前記第2リングギヤとを直結する第2速度線図モードを選択し、
    前記変速制御手段は、前進1速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に前記第1クラッチと前記第1ブレーキを締結し、前進2速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に前記第1クラッチと前記第2ブレーキを締結し、前進3速時、前記第2速度線図モードを選択すると共に前記第1クラッチと前記第2ブレーキを締結し、前進4速時、前記第2速度線図モードを選択すると共に前記第1クラッチと前記第4クラッチを締結し、前進5速時、前記第2速度線図モードを選択すると共に前記第4クラッチと前記第2ブレーキを締結し、前進6速時、前記第1速度線図モードを選択すると共に前記第4クラッチと前記第2ブレーキを締結し、後退速時、前記第2速度線図モードを選択すると共に前記第5クラッチと前記第1ブレーキを締結することを特徴とする有段自動変速機の変速機構。
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