JP3334168B2 - 半導体集積回路装置の製造方法 - Google Patents

半導体集積回路装置の製造方法

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JP3334168B2
JP3334168B2 JP17963492A JP17963492A JP3334168B2 JP 3334168 B2 JP3334168 B2 JP 3334168B2 JP 17963492 A JP17963492 A JP 17963492A JP 17963492 A JP17963492 A JP 17963492A JP 3334168 B2 JP3334168 B2 JP 3334168B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体集積回路装置とそ
の製造方法に関し、特に自己整合型の超高速バイポーラ
トランジスタとIIL素子を同一半導体基板上に形成す
るものである。
【0002】
【従来の技術】高速ECL(Emitter-Coupled Logic)
回路や、アナログ回路等の他のバイポーラ回路は同一チ
ップ上に集積するることが容易である。このため、ディ
ジタル回路とアナログ回路とを共存させた集積回路にI
IL(Integrated Injection Logic)素子が広く用いら
れている。
【0003】図3にIIL素子の回路構成図を示す。I
IL素子を構成する縦型トランジスタは、通常の縦型ト
ランジスタと異なり、キャリアが逆方向に動く。通常の
縦型トランジスタは、表面に近い高濃度の拡散層からエ
ミッタ、ベース、コレクタと配列されている。これに対
してIIL素子の縦型トランジスタは、表面に近い高濃
度の拡散層からコレクタ、ベース、エミッタと配列され
ている。すなわち、IIL素子の縦型トランジスタは通
常の縦型トランジスタと比べて逆方向構造を持ってい
る。IIL素子はこのような逆方向構造を持つ縦型NP
Nトランジスタ1と、横型PNPトランジスタ2とで構
成された論理素子である。
【0004】横型PNPトランジスタ2は、逆方向構造
を持つ縦型NPNトランジスタ1のベースをコレクタと
する複合構造になっている。ここでPNPトランジスタ
2は、NPNトランジスタ1のベースに電荷を注入する
インジェクタ3として働く。また縦型NPNトランジス
タ1はインバータとして動作する。
【0005】ところで近年バイポーラトランジスタは、
自己整合技術を用いて微細化が図られ、高速のECL回
路を実現できることが、特公平2−108451号公報
に記述されている。この内容について図面を用いて以下
に説明する。
【0006】図4(a)〜(d)は、従来の自己整合技
術を用いたNPNバイポーラトランジスタの製造方法を
説明するための工程順断面図である。
【0007】シリコン基板11の表面に埋め込みコレク
タ層12を形成する。この後、シリコン基板11上にエ
ピタキシャル層13を成長する。次に素子分離用のLO
COS膜14をエピタキシャル層13表面の所定領域に
形成する。この後、ベース引出し電極15となるポリシ
リコン膜と、続いて酸化膜16を全面に成長する。さら
に、イオン注入により不純物であるボロンをベース引出
し電極15となるポリシリコン膜に導入する。フォトリ
ソグラフィで用いられるレジストをマスクに酸化膜16
とベース引出し電極15となるポリシリコン膜を選択的
にエッチング除去する。このようにしてエピタキシャル
層13表面の真性ベース領域17を露出させる(図4
(a))。
【0008】次に、窒化膜18を酸化膜16と真性ベー
ス領域17との上に成長する。この後、熱処理によりベ
ース引出し電極15であるポリシリコン膜から不純物の
ボロンをエピタキシャル層13表面の真性ベース領域1
7の周辺部に導入し、外部ベース層19を形成する(図
4(b))。
【0009】さらに、全面にポリシリコン膜を成長す
る。この後、このポリシリコン膜を異方性エッチングす
る。このエッチングによってベース引出し電極であるポ
リシリコン膜15の側壁にポリシリコンサイドウォール
20を形成する。このポリシリコンサイドウォール20
をマスクに窒化膜18をエッチング除去する。次に、ベ
ース引出し電極15であるポリシリコン膜と自己整合的
にエミッタ引出し電極部開口21を形成する(図4
(c))。
【0010】最後に、全面にポリシリコン膜を成長す
る。この後、ポリシリコン膜をフォトリソグラフィで形
成したレジストをマスクにエッチングする。これによっ
てエミッタ引出し電極22が形成される。その後、エミ
ッタ引出し電極22にイオン注入を用いて不純物である
ボロンを導入する。この後、熱処理を施しボロンをエミ
ッタ引出し電極部開口21を通して、エピタキシャル層
13表面の真性ベース領域17に導入する。以上のよう
にして真性ベース層23が形成される。さらにエミッタ
引出し電極22にイオン注入を用いて不純物である砒素
を導入する。この後、熱処理により不純物の砒素をエミ
ッタ引出し電極部開口21を通して真性ベース層23中
に導入する。これによってエミッタ層24が形成される
(図4(d))。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、
ベース引出し電極15にポリシリコン膜を用いて自己整
合的にベース引出し電極15とエミッタ引出し電極開口
21およびエミッタ層24を形成している。また、エミ
ッタ引出し電極22であるポリシリコン膜から不純物を
拡散させて真性ベース層23を形成する。ところが、上
記した従来のトランジスタの構造を用いて、ECL回路
や高周波のリニア回路と、IIL素子とを同一基板上に
集積化しようとすると、次の点が問題となる。
【0012】自己整合技術を用いて超高速の動作をする
トランジスタを形成し、別の工程でIIL素子を形成す
ることになる。この場合、工程数が増加し、製造コスト
が高くつき、生産上の歩留まりを低下させる。
【0013】このような理由から、IIL素子を構成し
ている逆方向構造を持つ縦型トランジスタも自己整合技
術を用いて形成する必要がある。逆方向構造を持つ縦型
トランジスタのエミッタである真性ベース層下にはエピ
タキシャル層13が形成されている。エピタキシャル層
13の不純物濃度は、埋め込みコレクタ層12や真性ベ
ース層23のそれに比べて低い。このため、エピタキシ
ャル層13の低い不純物濃度である領域の厚さが厚くな
ると、キャリア注入効率が低くなり、電流増幅率を低下
させる。このためIIL素子の動作は不安定なものにな
る。
【0014】また、低い不純物濃度である領域の厚さが
厚くなると、IIL素子を動作させる場合、逆方向構造
の縦型トランジスタのエミッタ層となるエピタキシャル
層13に蓄積される少数キャリアが増加する。IIL素
子の動作速度は、この少数キャリアの充放電で決まる。
このためIIL素子の動作速度は低下する。
【0015】上記問題点に鑑み、本発明の目的は、工程
数や製造コストを増やさず、また高速で安定動作のでき
るIIL素子を持つ半導体集積回路を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の半導体集積回路装置は、第1導電型の半導体
基板上に、順方向構造を持つ第1の縦型半導体素子と、
IIL素子の内の逆方向構造を持つ第2の縦型半導体素
子とから少なくとも構成され、前記第1の縦型半導体素
子の第2導電型のエミッタ層と、前記第2の縦型半導体
素子の第2導電型のコレクタ層と、前記第1の縦型半導
体素子の第1導電型の外部べース層と、前記第2の縦型
半導体素子の第1導電型のベースコンタクト層とで構成
され、前記エミッタ層と前記外部ベース層が自己整合的
に形成され、前記コレクタ層と前記ベースコンタクト層
が自己整合的に形成されている。
【0017】また、第1導電型の半導体基板上に形成さ
れた第2導電型の半導体層と、前記半導体層中の第1と
第2の半導体素子領域の周辺部に形成された2つの第1
導電型の第1の拡散層と、前記第1の拡散層の引出し電
極として形成された第1導電型の第1の多結晶半導体膜
と、前記第1の拡散層間に形成された第2導電型の第2
の拡散層と、前記第2の拡散層の引出し電極として形成
された第2導電型の第2の多結晶半導体膜を備え、前記
第1の半導体素子領域には前記第1の拡散層の接合深さ
より浅く形成された第1導電型の第3の拡散層と、前記
第2の半導体素子領域には前記第1の拡散層の深さより
深く形成された第1導電型の第4の拡散層である。
【0018】上記課題を解決するために本発明の半導体
集積回路装置の製造方法は、第1導電型の半導体基板上
に第2導電型の半導体層を形成する工程と、前記半導体
層の第1の半導体素子領域に第1導電型の第1の拡散層
を形成する工程と、前記半導体基板上に第1の多結晶半
導体膜を形成する工程と、前記第1の多結晶半導体膜上
に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の多結晶半
導体膜に第1導電型の第1の不純物を導入する工程と、
前記第1の絶縁膜と前記第1の多結晶半導体膜とを選択
的にエッチング除去し、第1の開口を形成する工程と、
少なくとも前記第1の開口内に第2の絶縁膜を形成する
工程と、前記第1の不純物を前記半導体層に導入し、第
1導電型の第2の拡散層を形成する工程と、前記第2の
絶縁膜に第2の開口を形成する工程と、前記第2の開口
内に第2の多結晶半導体膜を成長する工程と、前記第1
の半導体素子領域以外の第2の半導体素子領域の前記第
2の多結晶半導体膜に選択的に第1導電型の第2の不純
物を導入する工程と、前記第2の開口を通して前記第2
の不純物を前記半導体層に導入し、第3の拡散層を形成
する工程と、すべての前記第2の多結晶半導体膜に第2
導電型の第3の不純物を導入する工程と、前記第2の開
口を通して前記第3の不純物を前記半導体層に導入し、
第2導電型の第4の拡散層を形成する工程を備えてい
る。
【0019】
【作用】本発明の半導体集積回路とその製造方法による
と、IIL素子を構成する逆方向構造を持つ縦型トラン
ジスタのベース引出し電極やコレクタ層を、それぞれ自
己整合技術を用いて順方向構造を持つ通常の縦型トラン
ジスタのベース引出し電極やエミッタ層と同じ工程で形
成できる。
【0020】これによって、自己整合技術を用いて順方
向構造を持つ縦型トランジスタとIIL素子とを同一基
板上に集積化することができる。
【0021】また、従来の技術に示した自己整合技術を
用いた超高速の動作ができる順方向構造の縦型トランジ
スタでは、ポリシリコン膜で形成されたエミッタ電極か
ら不純物を拡散させてベース層を形成する。しかし、本
発明の製造方法では、IIL素子を構成する逆方向構造
を持つ縦型トランジスタの真性ベース層の接合の深さ
が、順方向構造を持つ縦型トランジスタのものより深く
形成することができる。
【0022】したがって、逆方向構造を持つ縦型トラン
ジスタの真性ベース層下に形成されたエピタキシャル層
の低い不純物濃度を持つ領域を薄くできる。
【0023】このようにエピタキシャル層の低い不純物
濃度を持つ領域を薄くできるので、逆方向構造を持つ縦
型トランジスタの電流増幅率を低下させることがない。
【0024】さらに、少数キャリアが蓄積されることが
ないので、IIL素子を高速で動作させることができ
る。
【0025】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の一実施例の半導体集積回路の断面
図である。
【0026】比抵抗10Ωcm程度のP型シリコン基板
31上には、おもに次の3つの領域で構成されている。
1つは、極めて薄い厚さのベースを持ち、超高速での動
作が可能な順方向構造を持つ縦型NPNトランジスタ3
2が形成された領域。2つは、IIL素子の逆方向構造
を持つ縦型NPNトランジスタ33が形成された領域。
3つは、IIL素子のインジェクタとなる横型PNPト
ランジスタ34が形成された領域である。
【0027】P型シリコン基板31を用いると、超高速
の縦型NPNトランジスタ32や、IIL素子で高速の
動作が要求される縦型NPNトランジスタ33を、NP
N型を持つトランジスタで構成できる。このためキャリ
アの移動度が、NPNトランジスタよりPNPトランジ
スタの方が高くなるためである。また、各不純物の拡散
速度の関係からNPNトランジスタの方が、浅いエミッ
タ・ベース接合を形成できる。このため素子の動作速度
を高速にできる。
【0028】シリコン基板31表面の所定領域に、N型
埋め込み層35が形成されている。埋め込み層35は、
NPNトランジスタ32のN型埋め込みコレクタ層35
aと、NPNトランジスタ33の埋め込みエミッタ層3
5bとで構成されている。
【0029】ここで、NPNトランジスタ33の埋め込
みエミッタ層35bは、IIL素子のPNPトランジス
タ34のベース引出しを兼ねている。この埋め込み層3
5の接合深さは1〜2μmで、そのシート抵抗は50〜
100Ω/□である。
【0030】この埋め込み層35の接合深さが2μm以
上になると、寄生の接合容量が大きくなる。これは素子
が高速で動作するのを妨げる。シート抵抗が100Ω/
□以上になると、寄生抵抗が大きくなり、素子が高速で
動作するのを妨げる。接合深さが1μm以下、あるいは
シート抵抗が50Ω/□以下にしようとすると、埋め込
み層35の表面濃度が3×1019cm-3を越える。埋め
込み層35を形成した後に施される熱処理によって埋め
込み層35内の不純物が上部へせり上がる。これによっ
て素子の耐圧は劣化してしまう。
【0031】次に、シリコン基板31上にはN型エピタ
キシャル層36が成長されている。エピタキシャル層3
6の膜厚は1μmで、その比抵抗は0.5Ωcm程度に
してある。エピタキシャル層36の膜厚は、0.6〜1.
2μm程度で使用される。ここでエピタキシャル層36
の膜厚が厚いと、素子が動作する速度は低くなる。逆に
エピタキシャル層36の膜厚が薄いと、素子の素子耐圧
が低下してしまう。
【0032】エピタキシャル層36は、NPNトランジ
スタ32ではコレクタとして、NPNトランジスタ33
ではエミッタとして、PNPトランジスタ34ではベー
スとして動作する。このため、NPNトランジスタ32
ではエピタキシャル層36のこの部分をN型エピコレク
タと呼ぶ。同様に、NPNトランジスタ3ではそれをエ
ピエミッタと呼ぶ。
【0033】エピタキシャル層36表面には、素子分離
用のLOCOS膜37が形成されている。LOCOS膜
37の膜厚は1〜1.5μmの厚さである。LOCOS
膜37は、NPNトランジスタ32と、NPNトランジ
スタ33やPNPトランジスタ34とを電気的に分離す
るのに設けられている。
【0034】LOCOS膜37の膜厚がエピタキシャル
層36の膜厚より浅いと、シリコン基板31とP型拡散
層間での耐圧が低下する。ここで、P型拡散層は、後述
するNPNトランジスタ32,33のベース層47,4
8、外部ベース層49、ベースコンタクト層50と、P
NPトランジスタ34のエミッタ層51、コレクタ層5
2を指す。さらに、シリコン基板31とエピタキシャル
層36とP型拡散層とで形成される寄生PNPトランジ
スタが構成される。
【0035】寄生PNPトランジスタが形成されると、
シリコン基板31とP型拡散層間とのリーク電流が増加
したり、ラッチアップ現象が生じ、特性が劣化する。
【0036】次に、シリコン基板31上の所定領域に、
P型ポリシリコン膜が形成されている。このポリシリコ
ン膜38は、NPNトランジスタ32のベース引出し電
極38aとして、またNPNトランジスタ33のベース
引出し電極38bとして、さらにはPNPトランジスタ
34のエミッタ引出し電極38cとなるインジェクタ引
出し電極である。ここで、ベース引出し電極38bはP
NPトランジスタ34のコレクタ引出し電極を兼ねてい
る。さらに、ポリシリコン膜38は、NPNトランジス
タ32のベース引出し電極38dとNPNトランジスタ
33のベース引出し電極38eとを構成している。ベー
ス引出し電極38d,38eは、それぞれのベース抵抗
を下げるために設けられている。
【0037】このポリシリコン膜38の膜厚は400n
mで、そのシート抵抗は100Ω/□程度である。ポリ
シリコン膜38の膜厚は300〜500nmで使用され
る。ポリシリコン膜38の膜厚が300nm以下では、
シート抵抗が増加してしまう。逆にポリシリコン膜38
の膜厚が500nm以上では、基板表面の段差が増加す
る。また、ポリシリコン膜38のシート抵抗は70〜1
30Ω/□で使用される。ポリシリコン膜38のシート
抵抗が130Ω/□以上であると、ベース抵抗が増加す
る。このため素子の動作速度は低下してしまう。
【0038】ポリシリコン膜38のシート抵抗が70Ω
/□以下であると、ポリシリコン膜38からの拡散によ
って形成される外部ベース層の不純物濃度が大きくな
り、外部ベース層が深くなる。このため素子の耐圧は低
下してしまい、さらには素子の動作速度は低下する。
【0039】さらにポリシリコン膜38には、1〜1.
5μm幅の開口39が形成されている。この時、ポリシ
リコン膜38の幅が1μm以下であると、そのパターン
形成における加工バラツキが起こりやすくなり、素子特
性にばらつきが生じる。1.5μm以上であれば容量が
増加し、素子の動作速度を低下させる。
【0040】開口39の内壁には、膜厚50〜120n
mの窒化膜40が形成されている。ここで窒化膜40の
膜厚が50nm以下であると、素子の動作速度を低下さ
せる寄生容量が増加する。また、電気的に絶縁させるこ
とが困難で、素子の信頼性を低下させることになる。一
方、膜厚が120nm以上であれば膜の応力によって、
素子特性が劣化してしまう。
【0041】NPNトランジスタ32、33のそれぞれ
のコンタクトが形成される領域の窒化膜40は除去され
ており、下地のシリコン基板31が露出している。
【0042】この時、PNPトランジスタ34の領域に
ある窒化膜40は除去されずに残存している。
【0043】窒化膜40の側壁上にはポリシリコン膜が
形成されている。NPNトランジスタ32とNPNトラ
ンジスタ33とPNPトランジスタ34のそれぞれのコ
ンタクトが形成される領域のポリシリコン膜は除去さ
れ、ポリシリコンサイドウォール41が形成されてい
る。ここでNPNトランジスタ32とNPNトランジス
タ33とに形成された窒化膜40の開口幅とこのポリシ
リコン膜の開口幅とは等しく形成されている。このポリ
シリコンサイドウォール41の幅は約200nm程度で
ある。
【0044】ここでポリシリコンサイドウォール41の
幅は、各拡散層の不純物濃度プロファイルや加工設備の
精度に合わせて最適化が必要である。ここで、各拡散層
は後述する外部ベース層49、真性ベース層47、エミ
ッタ層53、ベースコレクタ層50、コレクタ層54を
指す。もしポリシリコンサイドウォール41の膜厚が厚
いと、素子の耐圧が低下してしまう。また、ベース抵抗
が増加する。膜厚が薄いと素子の動作速度が遅くなる。
ここで、ベース抵抗は、真性ベース層47の抵抗、詳細
には真性ベース層47と外部ベース層49との重なり合
った領域の抵抗を指す。
【0045】図面では、PNPトランジスタ34やLO
COS膜37上にポリシリコンサイドウォール41が形
成されているが、ここには必ずしも形成する必要はな
い。
【0046】このようにポリシリコンサイドウォール4
1と窒化膜40とが開口された部分は、NPNトランジ
スタ32のエミッタ引出し部開口42とNPNトランジ
スタ33のコレクタ引出し部開口43となる。
【0047】ここで、エミッタ引出し部開口42やコレ
クタ引出し部開口43は、ベース引出し電極38a,3
8bまでの距離が約300nm程度である。すなわち、
それぞれの開口周囲のどの位置においても等距離になる
ように自己整合的に形成されている。
【0048】エミッタ引出し部開口42とコレクタ引出
し部開口43には、それぞれエミッタ引出し電極44と
コレクタ引出し電極45とが形成されている。エミッタ
引出し電極44とコレクタ引出し電極45とは、膜厚3
00nm程度のポリシリコン膜で形成されている。ポリ
シリコン膜の膜厚は200〜350nmを用いることが
できる。この膜厚が350nmより厚いと、電極の抵抗
が増加してしまう。一方、膜厚が200nmより薄い
と、NPNトランジスタ32の電流増幅率が低下する。
また、膜厚が薄いと、電極の抵抗を下げるためにこのポ
リシリコン膜にイオン注入した際、そのイオンがポリシ
リコン膜を突き抜け、シリコン基板31内の素子が形成
される領域に導入されてしまう。
【0049】この時、ベース引出し電極38a,38
b,38d,38eの一部上に膜厚200nmのCVD
酸化膜46が、その周辺に窒化膜40が形成されてい
る。これによって、ベース引出し電極38a,38b,
38d,38eとエミッタ引出し電極44あるいはコレ
クタ引出し電極45とが電気的に分離されている。
【0050】CVD酸化膜46の膜厚には、150〜3
00nmにするのがよい。膜厚が薄いと寄生容量が増加
してしまう。また、膜厚が厚いと基板表面の段差が大き
くなってしまう。
【0051】エピタキシャル層36中には、NPNトラ
ンジスタ32のP型真性ベース層47が形成されてい
る。真性ベース層47の接合深さは0.15μm程度
で、その表面濃度は1×1019cm-3程度である。真性
ベース層47の接合深さは0.1〜0.20μm程度が最
適である。これより薄いと素子の耐圧が低下してしま
う。また、これより厚いと素子が動作速度が遅くなって
しまう。
【0052】また、真性ベース層47の表面濃度は5×
1018〜2×1019cm-3の間で用いるのがよい。これ
より表面濃度が小さいと、素子の耐圧が低下してしま
い、真性ベース層47のベース抵抗が増加する。表面濃
度が高いと、NPNトランジスタ32の電流増幅率が低
下し、その動作速度が低下してしまう。
【0053】さらにエピタキシャル層36中には、NP
Nトランジスタ33のP型ベース層48が形成されてい
る。ベース層48の接合深さは0.5μm程度で、その
表面濃度は(1〜3)×1017cm-3である。ベース層
48の接合深さは0.4〜0.7μmが適切である。これ
よりも浅い接合深さでは、低い不純物濃度を持つエピタ
キシャル層36の厚さが厚くなってしまう。これが厚い
と、素子の動作速度が低下してしまうとともに、素子の
動作マージンを低下してしまう。逆に接合深さが深い
と、接合容量が増加し、やはり素子が動作速度を低くし
てしまう。すなわちエピタキシャル層36の厚さを制御
するためには、ベース層48の接合深さを精度よく制御
することが必要である。
【0054】同様にベース層48の不純物濃度について
も重要なファクターである。ベース層48の表面濃度が
1×1017cm-3以下では素子の耐圧は低下してしま
い、製造上のバラツキに対するマージンが小さくなる。
表面濃度が3×1017cm-3以上であれば接合容量が増
加し、素子の動作速度を低下させる。
【0055】また、NPNトランジスタ32のベース引
出し電極38a直下の素子領域には、P型外部べース層
49が形成されている。外部べース層49は、その接合
深さが0.3μm程度で、表面濃度が(1〜3)×10
20cm-3になるように形成されている。外部ベース層4
9の接合深さは0.2〜0.35μmの値に設定するのが
よい。外部ベース層49の表面濃度が1×1020cm-3
以下か、あるいは外部ベース層49の接合深さが0.2
μm以下であれば、ベース抵抗が増加するとともに、素
子の耐圧が低下する。また、表面濃度が3×1020cm
-3以上で、外部ベース層49の接合深さが0.35μm
以上であれば、素子の動作速度を低下させる。
【0056】また、NPNトランジスタ33のベース引
出し電極38b直下の素子領域には、NPNトランジス
タ33のP型ベースコンタクト層50が形成されてい
る。ベースコンタクト層50は、接合深さが0.3μm
程度で、表面濃度が(1〜3)×1020cm-3で形成さ
れている。ここで、ベース引出し電極38bは、PNP
トランジスタ34のコレクタ引出し電極を兼ねている。
【0057】ベースコンタクト層50の接合深さと、表
面濃度はNPNトランジスタ32の外部ベース層49と
同時に作るので0.3μmとなる。このためその作製条
件は外部ベース層49の場合と全く同じで、接合深さは
0.2〜0.35μmが適当である。
【0058】PNPトランジスタ34のエミッタ引出し
電極38cとなるインジェクタ引出し電極直下の素子領
域には、PNPトランジスタ34のP型エミッタ層51
とP型コレクタ層52とが形成されている。エミッタ層
51とコレクタ層52との接合深さと、表面濃度はNP
Nトランジスタ32の外部ベース層49と同時に作るの
で、やはり接合深さは0.2〜0.3μmで、表面濃度は
(1〜3)×1020cm-3である。
【0059】以上のように外部べース層49とベース引
出し電極38bとエミッタ引出し電極38c、エミッタ
層51とコレクタ層52とは、全て、それぞれの接合深
さが0.2〜0.3μm程度で、表面濃度が(1〜3)×
1020cm-3である。
【0060】さらに、NPNトランジスタ32のエミッ
タ引出し電極44下に形成されたP型真性ベース層47
中にはN型エミッタ層53が、接合深さ0.05μm
で、表面濃度が3×1020cm-3程度に形成されてい
る。エミッタ層53の接合深さは0.03〜0.08μm
に設定して有る。また、エミッタ層53の表面濃度は
(2〜5)×1020cm-3にするのがよい。エミッタ層
53の表面濃度が2×1020cm-3以下か、あるいは接
合深さが0.03μm以下であれば、寄生抵抗が増大し
てしまい、素子の動作速度が低下する。また、表面濃度
が5×1020cm-3以上か、接合深さが0.08μm以
上であれば、今度は寄生容量が大きくなり、やはり素子
の動作速度が低下する。
【0061】NPNトランジスタ33のコレクタ引出し
電極45下に形成されたベース層48中にはN型コレク
タ層54が形成されている。コレクタ層54は、その接
合深さが0.05μmで、表面濃度が3×1020cm-3
程度である。
【0062】このコレクタ層54はエミッタ層53と同
時に形成されている。このため、接合深さは0.03〜
0.08μmが適当で、表面濃度は(2〜5)×1020
cm-3で用いるのがよい。同様に、その表面濃度が2×
1020cm-3以下か、あるいは接合深さが0.03μm
以下であれば、寄生抵抗が増大し、素子の動作速度が低
下する。また、表面濃度が5×1020cm-3以下か、接
合深さが0.08μm以上であれば、寄生容量が大きく
なり、やはり素子の動作速度が低下する。
【0063】ここで各拡散層の横方向の拡散長は深さ方
向の80%程度である。エミッタ引出し部開口42やコ
レクタ引出し部開口43と、ベース引出し電極38a,
38bとの間隔は300nm程度に保たれている。よっ
て、NPNトランジスタ32の真性ベース層47と外部
べース層49とは、素子の耐圧を低下させることがな
く、寄生抵抗による抵抗の増加が生じないように十分な
不純物濃度を持った状態でオーバーラップさせておく必
要がある。また、それぞれの開口からそれぞれの電極は
所定の距離だけ遠ざけて形成されているので、外部べー
ス層49やベースコンタクト層50が、エミッタ層53
やコレクタ層54の領域に入り込むことを避けることが
できる。外部べース層49やベースコンタクト層50
が、エミッタ層53やコレクタ層54に入り込むと、素
子の耐圧が低下し、さらにはリークが増加する。また、
素子の動作速度も低下する。
【0064】次に、本発明の半導体集積回路の製造方法
の一実施例を図2(a)〜(d)の工程順断面図を用い
て説明する。
【0065】まず図2(a)に示すように、比抵抗10
Ωcm程度で、(111)あるいは(100)のP型シ
リコン基板61表面に、フォトリソグラフィを用いてレ
ジスト(図示せず)の所定領域に窓を開ける。このレジ
ストをマスクとして、砒素あるいはアンチモンのイオン
注入を行う。イオン注入は、ドーズ量(1〜2)×10
15cm-2で、加速エネルギー40〜60keVを用い
た。次に酸素ガスを用いたプラズマアッシングでレジス
トを除去する。この後、温度1200℃で、30分程度
の熱処理を行う。これによって、接合深さが1〜2μm
で、シート抵抗が50〜100Ω/□であるN型埋め込
み層62を形成する。埋め込み層62は、超高速の動作
ができる順方向構造を持つ縦型NPNトランジスタ63
の埋め込みコレクタ層62や、IIL素子の内の横型P
NPトランジスタ65のベース引出しを兼ねた逆方向構
造を持つ縦型NPNトランジスタ64の埋め込みエミッ
タ層となる。
【0066】さらに、シリコン基板61上に厚さ1μ
m、比抵抗0.5Ωcm程度となるN型エピタキシャル
層66を成長する。エピタキシャル層66の形成条件
は、温度は1050℃、圧力は80Torr程度、ガス
はジクロールシラン(SiH2Cl2)とアルシン(As
3)の混合ガスを用いた。
【0067】次に、エピタキシャル層66の上にシリコ
ン窒化膜を形成する。シリコン窒化膜は、ガスにジクロ
ールシランとアンモニア(NH3)の混合ガスを用い
て、減圧CVDによって成長させた。ここではシリコン
窒化膜の膜厚は120nm程度とした。
【0068】次に、シリコン窒化膜上にフォトリソグラ
フィを用いて所定のレジストパターン(図示せず)を設
ける。このレジストパターンをマスクにして、ドライエ
ッチングによってシリコン窒化膜を除去する。ドライエ
ッチングは、ガスにフロンガスと臭素系ガスとの混合ガ
スで行う。このエッチングによって素子分離領域を形成
する位置のシリコン窒化膜が除去される。次に、エピタ
キシャル層66にシリコン溝をドライエッチングを用い
て形成する。ドライエッチングは、六フッ化硫黄(SF
6)ガスで行う。シリコン溝の深さは、エピタキシャル
層66の膜厚の半分より若干大きい程度の深さ、ここで
は0.6μm程度で行う。
【0069】さらに酸素プラズマアッシングを用いてレ
ジストを除去する。この後、圧力が8気圧程度の高圧パ
イロ酸化を用いて素子分離用のLOCOS膜67を形成
する。LOCOS膜67は、シリコン窒化膜をマスクに
して成長させると、選択的に形成することができる。こ
の時、LOCOS膜67の膜厚は1〜1.5μmとし
た。
【0070】このようにシリコン溝にLOCOS膜67
を形成すると、シリコン基板61にまで到達するための
LOCOS膜67の膜厚は、シリコン溝のない場合の半
分程度の厚さにできる。この時、LOCOS膜67の底
面はエピタキシャル層66の底面より下に位置する。こ
のようにLOCOS膜67の膜厚が、通常の半分の厚さ
でよいので、LOCOS膜67の作成時の酸化時間を短
くできる。このため、酸化時の熱処理による埋め込み層
62からエピタキシャル層67に不純物がせり上がるこ
とを抑えることができる。
【0071】また、通常LOCOS膜67を成長させる
と、酸化されたシリコンは膨張する。シリコン溝が設け
られていると、形成されたLOCOS膜67の上面はエ
ピタキシャル層66表面とほぼ一致する。すなわちLO
COS膜67がシリコン溝内に充填される。このためL
OCOS膜67の形成によって生じる基板表面の凹凸を
抑えることができる。表面に凹凸があると、後の工程で
行われる異方性エッチングで、凹部や段差部に被エッチ
ング材料が残存する。
【0072】ここで、高圧でのパイロ酸化法を使用して
いる理由は、パイロ酸化では、1200℃程度の高温で
酸化するのと同程度あるいはそれ以上の酸化速度を実現
できる。このため、埋め込み層62の不純物が熱処理に
よってエピタキシャル層66へせり上がり、拡散するの
を抑えることができる。このようにエピタキシャル層6
6へ不純物が拡散するのを抑えれば、素子の耐圧が低下
することを避けることができる。
【0073】さらに、リン酸液を用いてシリコン窒化膜
を除去する。この後、LOCOS膜67に囲まれた素子
領域のうち、IIL素子の内のNPNトランジスタ64
を形成する素子領域に、ボロンのイオン注入を行う。こ
のイオン注入は、フォトリソグラフィを用いて形成され
たレジストをマスクにして、選択的に注入される。この
イオン注入条件は、加速エネルギーが100〜160k
eVで、ドーズ量が5×1012〜2×1013cm-2程度
である。この後、酸素プラズマアッシングを用いてレジ
ストを除去する。次に、窒素ガス雰囲気で温度900℃
で、30分程度のアニール処理を行う。この結果、NP
Nトランジスタ64のベース層68が形成される。
【0074】次に図2(b)のように、NPNトランジ
スタ63のベース引出し電極、NPNトランジスタ64
のベース引出し電極、インジェクタ引出し電極となるポ
リシリコン膜69を形成する。ポリシリコン膜69は、
シランガスを用いた減圧CVDにより、膜厚400nm
程度に形成する。続いてポリシリコン電極間の絶縁膜と
なる酸化膜70を膜厚250nm程度成長させる。酸化
膜70は、ジクロールシランガスとN2Oガスとの混合
ガスを用いて減圧CVDにより形成する。
【0075】その後、NPNトランジスタ63の外部べ
ース層、NPNトランジスタ64のベースコンタクト
層、PNPトランジスタ65のエミッタ層およびコレク
タ層の不純物拡散源となるボロンをイオン注入する。イ
オン注入は、ドーズ量1×10 16cm-2で、加速エネル
ギー60keV程度で行う。このような条件でイオン注
入を行うと、ボロンは、酸化膜37を通りこしてポリシ
リコン膜69にイオン注入される。
【0076】ここで酸化膜70を形成した後、ポリシリ
コン膜69へイオン注入を行うのは、エピタキシャル層
66表面にボロンが導入されるのを防止するためであ
る。すなわち、酸化膜70を減圧CVDを用いて成長す
る場合、温度800℃程度の熱処理が行われる。この
時、ポリシリコン膜69にすでにボロンがイオン注入さ
れていると、そのボロンは固相拡散し、エピタキシャル
層66表面に導入される。ボロンが導入されると、NP
Nトランジスタ63、64では、後の工程で浅いベース
層を形成しようとしても、ベース層が深くなる。これに
よって素子の高周波特性が低下してしまう。また、PN
Pトランジスタ65では、導入されたボロンによってコ
レクタ・エミッタ間のリークが発生し易くなる。
【0077】次に、1〜2μm幅に開口されたレジスト
パターン(図示せず)をマスクに、CHF3、アンモニ
ア、酸素との混合ガス中で、ドライエッチングを行い酸
化膜70を除去する。さらに、連続してSF6とC2Cl
5との混合ガスを用いてポリシリコン膜69を異方性
エッチングし、除去する。このようにして各ポリシリコ
ン電極を形成すると同時に、NPNトランジスタ63、
64のベースとなる領域71とPNPトランジスタ65
のベースとなる領域72を開口する。次に、レジストパ
ターンを酸素プラズマアッシングで除去する。この後、
全面に膜厚120nmのシリコン窒化膜73を成長す
る。シリコン窒化膜73は、ジクロールシランとアンモ
ニアとの混合ガスを用いて減圧CVDで成長させる。
【0078】シリコン窒化膜73は、各ポリシリコン電
極間を電気的に絶縁する。このため信頼性上十分な膜厚
が必要となる。しかし、膜厚が厚過ぎるとシリコン窒化
膜73の応力によって素子特性が劣化する。したがって
十分な絶縁特性を有し、応力による劣化が生じないシリ
コン窒化膜73の膜厚は、50〜120nmである。
【0079】その後、窒素ガス雰囲気中で、温度100
0℃程度で、30〜60分の熱処理を行う。これによっ
てポリシリコン膜69中のボロン不純物はエピタキシャ
ル層66の表面に拡散する。このようにしてNPNトラ
ンジスタ63、64のベースコンタクト層やPNPトラ
ンジスタ65のエミッタ層およびコレクタ層となるP +
型拡散層74が形成される。各々の拡散層は、接合深さ
が0.3μm程度で、表面濃度は(1〜3)×1020
-3程度である。
【0080】次に図2(c)に示すように、シリコン窒
化膜73の全表面にポリシリコン膜を成長させる。ポリ
シリコン膜は、シランガスを用いた減圧CVDで、膜厚
200〜300nm程度の厚さで成長させる。この後、
ポリシリコン膜に極めて異方性の高いエッチングを行
う。異方性エッチングは、SF6とCCl4との混合ガス
中で行うことにより実現できる。このようにしてポリシ
リコンサイドウォール75が形成される。このポリシリ
コンサイドウォール75と、フォトリソグラフィを用い
て形成したレジスト(図示せず)をマスクに、CF4
CHBr3とO2との混合ガス中でシリコン窒化膜73を
エッチングする。このようにして、NPNトランジスタ
63のエミッタ引出し部開口76およびNPNトランジ
スタ64のコレクタ引出し部開口77が、ベース引出し
電極となるポリシリコン膜69と開口周囲のどの位置に
おいても等距離になるように、自己整合的に形成する。
【0081】ここでエミッタ引出し部開口76とコレク
タ引出し部開口77とを自己整合的に形成するのに、シ
リコン窒化膜73とポリシリコンサイドウォール75と
の2重層にしている。この理由は、NPNトランジスタ
63のエミッタ接合やNPNトランジスタ64のコレク
タ接合をシリコン窒化膜73で覆うと、その保護膜とし
ての効果が期待できる。すなわちシリコン窒化膜73を
形成した、それ以後の工程で形成された膜や外部雰囲気
から不純物がNPNトランジスタ63のエミッタ接合の
周辺部に侵入するのを防止できる。エミッタ接合の周辺
の表面近傍に存在する界面準位にこの不純物がトラップ
されると、素子の電流増幅率が劣化する等、素子の信頼
性に悪影響を及ぼす。また、ポリシリコンの熱膨張率が
シリコン基板と等しいので、ポリシリコンサイドウォー
ル75の応力はシリコン窒化膜73のそれよりはるかに
小さい。このためシリコン窒化膜73を極力薄くし、そ
の厚さ分をポリシリコンサイドウォール75で補う。こ
れによって、シリコン窒化膜73の応力による素子の信
頼性を劣化させることがない。
【0082】最後に図2(d)のように、ポリシリコン
膜で、NPNトランジスタ63のエミッタ引出し電極と
NPNトランジスタ64のコレクタ引出し電極となるポ
リシリコン電極78を形成する。ポリシリコン膜は、シ
ランガスを用いて減圧CVDで、膜厚300nm程度に
成長する。さらにポリシリコン電極78は、ポリシリコ
ン膜をフォトリソグラフィで用いたレジストをマスクに
SF6とC2ClF5との混合ガスを用いてエッチング
し、形成する。
【0083】その後、ポリシリコン電極78の領域を開
口するのに用いたレジストパターンをマスクに、ポリシ
リコン電極78中にボロンをイオン注入する。
【0084】この後、酸素プラズマアッシングによりレ
ジストを除去する。次に、窒素雰囲気中で熱処理を行
う。この熱処理によって、ポリシリコン電極78中のボ
ロン不純物はエミッタ引出し部開口76とコレクタ引出
し部開口77とを通して、エピタキシャル層66表面に
拡散される。エピタキシャル層66表面に拡散したボロ
ンによって、NPNトランジスタ63のP型ベース層7
9が形成される。
【0085】さらに、ポリシリコン電極78の領域を開
口するように露光現像したレジストパターンを形成す
る。このレジストパターンをマスクとして、ポリシリコ
ン電極78中に砒素をイオン注入する。イオン注入は、
加速エネルギーを40〜80keVで、ドーズ量を5×
1015〜2×1016cm-2で行う。
【0086】この後、酸素プラズマアッシングによりレ
ジストを除去する。次に、窒素雰囲気中で熱処理を行
う。この熱処理によって、ポリシリコン電極78中の砒
素不純物はエミッタ引出し部開口76とコレクタ引出し
部開口77とを通して、エピタキシャル層66表面に拡
散される。エピタキシャル層66表面に拡散した砒素に
よって、NPNトランジスタ63のN型エミッタ層とI
IL素子の内のNPNトランジスタ64のN型コレクタ
層となるN+拡散層80を形成する。
【0087】ここで、NPNトランジスタ63のポリシ
リコン電極78中にボロンをイオン注入する場合、ボロ
ンがポリシリコン電極78を突き抜けないようにする。
このためイオン注入条件は、加速エネルギーを30ke
V以下とし、そのドーズ量を(2〜4)×1014cm-2
としている。この後、温度900〜950℃で、30〜
60分程度熱処理することで、表面濃度が1×1019
-3程度で、拡散深さが0.1〜0.15μm程度のNP
Nトランジスタ63のP型ベース層79が形成される。
【0088】またN+拡散層80は、熱処理が温度90
0℃で、30分程度であれば、表面濃度を3×1020
-3程度とし、その深さを0.05μm以下に形成でき
る。各拡散層の横方向の拡散長は深さ方向の約80%程
度となるので、P+拡散層74は、エミッタ引出し部開
口76の周囲でベース層79と十分な不純物濃度を持っ
た状態で、オーバーラップさせることができる。また同
時に、N+拡散層80とP+拡散層74とが接合されるの
を防ぐことができる。この両拡散層74、80は、不純
物濃度が高いので、それらが接合すると、トンネル電流
が発生する。このため、逆バイアス状態では、リーク電
流が発生し、順バイアス状態では、素子の電流増幅率の
直線性が低下してしまう。これを防ぐためには、一方の
拡散層の不純物濃度が1×1018cm-3以下であること
が望ましい。
【0089】以上のように、NPNトランジスタ63の
ポリシリコン電極78中にイオン注入したボロンを、熱
処理を用いてエミッタ引出し部開口76を通して拡散さ
せ、P型ベース層79を形成している。このため、NP
Nトランジスタ63のベース層79を極めて浅くでき
る。
【0090】また、ポリシリコン膜69を異方性ドライ
エッチングすることで、NPNトランジスタのベース領
域71にダメージが発生する。ポリシリコン膜69の異
方性ドライエッチングは、NPNトランジスタ63のベ
ース引出し電極、PNPトランジスタ65のコレクタ引
出し電極を兼ねたNPNトランジスタ64のベース引出
し電極、PNPトランジスタ65のエミッタ引出し電極
となるインジェクタ引出し電極を形成するのに用いられ
ている。このようにベース領域71に形成されたダメー
ジは、ベース層79を形成する際のイオン注入によっ
て、基板内部にまで及ぶようになる。これが拡散層の接
合にまで及んだ場合、接合が逆バイアスされると、リー
ク電流が増加したり、製造上歩留りが低下するような問
題が生じる。
【0091】ポリシリコン膜からの拡散を用いることに
よりこれを避けることができる。IIL素子を構成する
NPNトランジスタ64のベース層68をイオン注入で
形成する工程も、同様の理由でポリシリコン膜69の異
方性ドライエッチングによるポリシリコン電極形成の工
程の前に置かなければならない。
【0092】また、NPNトランジスタ64のベース層
68は、比較的深く形成する。このためNPNトランジ
スタ63と同様にポリシリコン電極78中からのボロン
拡散で形成すると、極めて浅いベース層68が形成され
る。ベース層68が浅ければ、エミッタとなる低い不純
物濃度を持つエピタキシャル層66の厚さが厚くなる。
これによって素子の動作速度が低下してしまう。
【0093】以上ことから、ベース電極を形成した後、
イオン注入を用いてNPNトランジスタ64のベース層
68を形成すると、イオン注入に伴うダメージの問題が
生じる。一方、イオン注入に代わってポリシリコン膜か
らの拡散によって形成する場合にも、ベース層68の深
さが浅くなるという問題が生じる。ここで本実施例のよ
うに、イオン注入によってNPNトランジスタ64のベ
ース層68を形成した後、ベース電極を形成すること
で、ダメージやベース層の深さに関する問題を解決でき
るのである。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように本発明の半導体集積
回路とその製造方法によると、IIL素子を構成する逆
方向縦型トランジスタも自己整合プロセスで形成でき、
自己整合型の超高速トランジスタとIIL素子を同一チ
ップ上に集積化することができる。また、このIIL素
子を構成する逆方向縦型トランジスタのベース層は、ポ
リシリコンエミッタ電極からの不純物拡散で形成した自
己整合型の超高速トランジスタの極浅ベース層よりも接
合を深く形成でき、逆方向縦型トランジスタのエミッタ
を構成するベース層下の低濃度エピタキシャル層部を小
さくできる。したがって、逆方向縦型トランジスタでエ
ミッタとなるベース層下の低濃度エピタキシャル層部が
関係した、逆方向縦型トランジスタの電流増幅率低下
や、少数キャリアの蓄積に伴うIILの高速動作の低下
を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の半導体集積回路の構成を示
す断面図
【図2】同半導体集積回路の製造方法を示す工程順断面
【図3】従来のIIL素子の構成を示す回路図
【図4】従来の自己整合型の超高速トランジスタの構成
とその製造方法を示す工程順断面図
【符号の説明】
31 シリコン基板 32、33 NPNトランジスタ 34 PNPトランジスタ 35 埋め込み層 35a コレクタ層 35b エミッタ層 36 エピタキシャル層 37 LOCOS膜 38 ポリシリコン膜 38a、38b、38d、38e ベース引出し電極 38c エミッタ引出し電極 39 開口 40 窒化膜 41 ポリシリコンサイドウォール 42 エミッタ引出し部開口 43 コレクタ引出し部開口 44 エミッタ引出し電極 45 コレクタ引出し電極 46 CVD酸化膜 47 真性ベース層 48 P型ベース層 49 外部べース層 50 ベースコンタクト層 51 エミッタ層 52 コレクタ層 53 エミッタ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/33 - 21/331 H01L 21/8222 - 21/8228 H01L 21/8232 H01L 27/06 - 27/06 101 H01L 27/08 - 27/08 101 H01L 27/082 H01L 29/68 - 29/737

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板上に第2導電型
    の半導体層を形成する工程と、前記半導体層の第1の半
    導体素子領域に第1導電型の第1の拡散層を形成する工
    程と、前記半導体基板上に第1の多結晶半導体膜を形成
    する工程と、前記第1の多結晶半導体膜上に第1の絶縁
    膜を形成する工程と、前記第1の多結晶半導体膜に第1
    導電型の第1の不純物を導入する工程と、前記第1の絶
    縁膜と前記第1の多結晶半導体膜とを選択的にエッチン
    グ除去し、第1の開口を形成する工程と、少なくとも前
    記第1の開口内に第2の絶縁膜を形成する工程と、前記
    第1の不純物を前記半導体層に導入し、第1導電型の第
    2の拡散層を形成する工程と、前記第2の絶縁膜に第2
    の開口を形成する工程と、前記第2の開口内に第2の多
    結晶半導体膜を成長する工程と、前記第1の半導体素子
    領域以外の第2の半導体素子領域の前記第2の多結晶半
    導体膜に選択的に第1導電型の第2の不純物を導入する
    工程と、前記第2の開口を通して前記第2の不純物を前
    記半導体層に導入し、第3の拡散層を形成する工程と、
    すべての前記第2の多結晶半導体膜に第2導電型の第3
    の不純物を導入する工程と、前記第2の開口を通して前
    記第3の不純物を前記半導体層に導入し、第2導電型の
    第4の拡散層を形成する工程を備えたことを特徴とする
    半導体集積回路装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1導電型の半導体基板上に第2導電型
    の半導体層を形成する工程と、前記半導体層の第1の半
    導体素子領域に第1導電型の第1の拡散層を形成する工
    程と、前記半導体基板上に第1の多結晶半導体膜を形成
    する工程と、前記第1の多結晶半導体膜上に第1の絶縁
    膜を形成する工程と、前記第1の多結晶半導体膜に第1
    導電型の第1の不純物を導入する工程と、前記第1の絶
    縁膜と前記第1の多結晶半導体膜とを選択的にエッチン
    グ除去し、第1の開口を形成する工程と、少なくとも前
    記第1の開口内に第2の絶縁膜を形成する工程と、前記
    第1の不純物を前記半導体層に導入し、第1導電型の第
    2の拡散層を形成する工程と、前記第2の絶縁膜上に第
    2の多結晶半導体膜を形成する工程と、前記第2の絶縁
    膜と前記第2の多結晶半導体膜に第2の開口を形成する
    工程と、少なくとも前記第2の開口内に第3の多結晶半
    導体膜を成長する工程と、前記第1の半導体素子領域以
    外の第2の半導体素子領域の前記第3の多結晶半導体膜
    に選択的に第1導電型の第2の不純物を導入する工程
    と、前記第2の開口を通して前記第2の不純物を前記半
    導体層に導入し、第3の拡散層を形成する工程と、すべ
    ての少なくとも前記第3の多結晶半導体膜に第2導電型
    の第3の不純物を導入する工程と、前記第2の開口を通
    して前記第3の不純物を前記半導体層に導入し、第2導
    電型の第4の拡散層を形成する工程を備えたことを特徴
    とする半導体集積回路装置の製造方法。
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