JP2524035B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP2524035B2
JP2524035B2 JP3291194A JP29119491A JP2524035B2 JP 2524035 B2 JP2524035 B2 JP 2524035B2 JP 3291194 A JP3291194 A JP 3291194A JP 29119491 A JP29119491 A JP 29119491A JP 2524035 B2 JP2524035 B2 JP 2524035B2
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彰弘 神田
光男 田中
健裕 平井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はIIL(Integrated Inj
ection Logic)と、縦型NPNトランジスタおよび縦型
PNPトランジスタとを集積した半導体装置及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体装置としては、例えば特開
昭59−141261号公報に示されている。
【0003】(図11)はこの従来の半導体装置のII
Lの構造断面図を示すものである。(図11)におい
て、1はP型半導体基板、5はIILのエミッタ領域の
一部で縦型NPNトランジスタのコレクタ埋込み層と同
時に形成されたN+型埋込み層である。6は分離領域の
一部で縦型PNPトランジスタのコレクタ埋込み層と同
時に形成されたP+型埋込み層である。9はN型エピタ
キシャル層、10、12はそれぞれ分離領域の一部およ
びIILのベース領域の一部で縦型PNPトランジスタ
のコレクタ領域と同時に形成されたP-型拡散層であ
る。14はIILのエミッタ領域の一部となるN+型拡
散層、17、18はそれぞれIILのインジェクタおよ
びベース領域の一部で縦型NPNトランジスタのベース
領域と同時に形成されたP型拡散層である。20、11
0はそれぞれIILのコレクタおよびエミッタ領域の一
部で縦型PNPトランジスタのベース領域と同時に形成
されたN型拡散層である。23はIILのコレクタコン
タクト領域で縦型NPNトランジスタのエミッタ領域と
同時に形成されたN+型拡散層である。
【0004】以上のように構成された従来の半導体装置
においては、IILのベースとなるP-型拡散層12が
縦型PNPトランジスタのコレクタ領域と同時に形成さ
れた低濃度の拡散層であるために、エミッタ注入効率が
高くなり、電流増幅率を大きくすることができる。
【0005】また、エミッタ・コレクタ間耐圧を低下さ
せることなく、さらにIILの高速化を図った従来の半
導体装置としては、例えば特開平2−58865号公報
に示されている。
【0006】(図12)はこの従来の半導体装置のII
Lの構造断面図を示すものである。(図12)におい
て、1はP型半導体基板、4は縦型NPNトランジスタ
のコレクタ埋込み層となるN+型埋込み層、5はN+型埋
込み層4と同時に形成されたIILのエミッタ領域の一
部となるN+型埋込み層である。6は分離領域の一部で
+型埋込み層、8はP+型埋込み層6と同時に形成され
たIILのベース領域の一部となるP+型埋込み層であ
る。9はN型エピタキシャル層、10は分離領域の一
部となるP-型拡散層、17、18はそれぞれIILの
インジェクタおよびベース領域の一部で縦型NPNトラ
ンジスタのベース領域16と同時に形成されたP型拡散
層である。24、111はそれぞれIILのエミッタコ
ンタクト領域およびコレクタ領域で、縦型NPNトラン
ジスタのエミッタ領域21およびコレクタコンタクト領
域22と同時に形成されたN+型拡散層である。112
はIILのベース領域の一部となるP型拡散層、113
はIILのエミッタ領域の一部となるN+型拡散層であ
る。
【0007】以上のように構成された従来の半導体装置
においては、P+型埋込み層8とP型拡散層112でI
ILのベースを形成していることにより、エミッタ・コ
レクタ間耐圧を低下させることなく、IILの高速化を
図ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来の半導体装置、例えば特開昭59−141261
号公報に示される半導体装置においては、P-型拡散層
12が接するIILのエミッタがP-型拡散層12より
も低濃度のエピタキシャル層9であるために、電流増幅
率を大幅に向上させることができない。また、デバイス
の高速化、高密度化を図るためにエピタキシャル層9の
厚さを薄くした場合に、当然のことながらP-型拡散層
12も浅くする必要があり、これに伴いIILのベース
幅が薄くなるために低い電圧でコレクタ・エミッタ間が
パンチスルー状態となり、IILが正常に動作しなくな
る。これを避けるためにP-型拡散層12の濃度を高く
するとIILの電流増幅率が低下し、さらにP-型拡散
層12と同時に形成される縦型PNPトランジスタのコ
レクタ領域の濃度が高くなるために、アーリー電圧が低
下するという問題点を有していた。
【0009】また、特開平2−58865号公報に示さ
れる半導体装置においては、IILのコレクタ領域11
1を縦型NPNトランジスタのエミッタ領域21と同時
に形成しており、縦型NPNトランジスタの特性を維持
するには接合深さをあまり深くすることができず、コレ
クタ領域111直下のIILのベース幅を薄くすること
ができないために、IILの電流増幅率の向上あるいは
IILの高速化を図るのに限界があるという問題点を有
していた。本発明は上記課題を解決するもので、高速、
高密度、高耐圧のIILを形成でき、しかも縦型NPN
トランジスタおよび縦型PNPトランジスタをも同一ウ
ェーハ上に集積した半導体装置およびその製造方法を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、一導電型の半導体基板に形成された逆導
電型の第1埋込み層と、前記第1埋込み層に形成され、
第1埋込み層よりも低濃度の一導電型の第2埋込み層
と、前記第1、第2埋込み層を含む前記半導体基板上に
形成された逆導電型の半導体層と、前記半導体層に形成
され、前記第2埋込み層に接する一導電型の第1拡散層
と、前記第1拡散層に単数個あるいは複数個形成され、
前記第2埋込み層に接する逆導電型の第2拡散層と、前
記第1拡散層に対して横方向に離間した位置に形成され
た一導電型の第3拡散層とを少なくとも具備し、前記第
1埋込み層をIILのエミッタとし、前記第2埋込み層
と前記第1拡散層をIILのベースとし、前記第2拡散
層をIILのコレクタとし、前記第3拡散層をIILの
インジェクタとし、コレクタ直下のベースの不純物濃度
がエミッタの不純物濃度よりも低く、しかもベースの不
純物濃度がエミッタからコレクタに向かって単調に減少
している半導体装置とするものである。
【0011】一導電型の半導体基板に形成された逆導電
型の第1埋込み層と、前記第1埋込み層に形成され、第
1埋込み層よりも低濃度の一導電型の第2埋込み層と、
前記第1、第2埋込み層を含む前記半導体基板上に形成
された逆導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層に
形成され、前記第2埋込み層に接する一導電型の第1拡
散層と、前記第1拡散層に単数個あるいは複数個形成さ
れ、前記第2埋込み層に接する逆導電型の第2拡散層
と、前記第1拡散層に対して横方向に離間した位置に形
成された一導電型の第3拡散層と、前記第1半導体層に
形成され、前記第1拡散層と前記第3拡散層の側面のう
ち対向する側面を除く他の側面を囲むように形成された
溝部と、前記溝部の側壁に形成された絶縁膜と、前記溝
部内に充填され、前記溝部の底面で前記第1埋込み層に
接続された逆導電形の第2半導体層とを少なくとも具備
し、前記第1埋込み層をIILのエミッタとし、前記第
2埋込み層と前記第1拡散層をIILのベースとし、前
記第2拡散層をIILのコレクタとし、前記第3拡散層
をIILのインジェクタとし、前記第2半導体層をII
Lのエミッタ引出し電極とし、コレクタ直下のベースの
不純物濃度がエミッタの不純物濃度よりも低く、しかも
ベースの不純物濃度がエミッタからコレクタに向かって
単調に減少している半導体装置とするものである。
【0012】一導電型の半導体基板に形成された逆導電
型の第1埋込み層と、前記第1埋込み層に形成され、第
1埋込み層よりも低濃度の一導電型の第2埋込み層と、
前記第1、第2埋込み層を含む前記半導体基板上に形成
された逆導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層に
形成され、前記第2埋込み層に接する一導電型の第1拡
散層と、前記第1拡散層に単数個あるいは複数個形成さ
れ、側壁に絶縁膜を有し、内部に逆導電型の第2半導体
層が充填された溝部と、前記溝部の直下の前記第2埋込
み層に接し、前記溝部の底面において前記第2半導体層
に接続されてなる逆導電型の第2拡散層と、前記第1拡
散層に対して横方向に離間した位置に形成された一導電
型の第3拡散層とを少なくとも具備し、前記第1埋込み
層をIILのエミッタとし、前記第2埋込み層と前記第
1拡散層をIILのベースとし、前記第2拡散層をII
Lのコレクタとし、前記第3拡散層をIILのインジェ
クタとし、前記第2半導体層をIILのコレクタ引出し
電極とし、コレクタ直下のベースの不純物濃度がエミッ
タの不純物濃度よりも低く、しかもベースの不純物濃度
がエミッタからコレクタに向かって単調に減少している
半導体装置とするものである。
【0013】一導電型の半導体基板に逆導電型の第1埋
込み層を形成する工程と、前記第1埋込み層に一導電型
の第2埋込み層を形成する工程と、前記第1、第2埋込
み層を含む前記半導体基板上に逆導電型の半導体層を形
成する工程と、前記半導体層に前記第2埋込み層に接す
る一導電型の第1拡散層を形成する工程と、前記第1拡
散層に単数個あるいは複数個の逆導電型の第2拡散層を
形成する工程と、前記第1拡散層に対して横方向に離間
した位置に一導電形の第3拡散層を形成する工程とを少
なくとも有し、前記第1埋込み層をIILのエミッタと
し、前記第2埋込み層と前記第1拡散層をIILのベー
スとし、前記第2拡散層をIILのコレクタとし、前記
第3拡散層をIILのインジェクタとし、前記第2埋込
み層に接するように前記第2拡散層を形成し、コレクタ
直下のベースの不純物濃度がエミッタの不純物濃度より
も低く、しかもベースの不純物濃度がエミッタからコレ
クタに向かって単調に減少するようにしている半導体装
置の製造方法とするものである。
【0014】一導電型の半導体基板に逆導電型の第1埋
込み層を形成する工程と、前記第1埋込み層に一導電型
の第2埋込み層を形成する工程と、前記第1、第2埋込
み層を含む前記半導体基板上に逆導電型の第1半導体層
を形成する工程と、前記第1半導体層に前記第2埋込み
層に接する一導電型の第1拡散層を形成する工程と、前
記第1拡散層に前記第2埋込み層に接する単数個あるい
は複数個の逆導電型の第2拡散層を形成する工程と、前
記第1拡散層に対して横方向に離間した位置に一導電形
の第3拡散層を形成する工程と、前記第1半導体層に前
記第1埋込み層まで到達する溝部を形成し、前記第1拡
散層と前記第3拡散層の側面のうち対向する側面を除く
他の側面を囲む工程と、前記溝部の側壁にのみ絶縁膜を
形成する工程と、前記溝部内に逆導電形の第2半導体層
を充填し、前記溝部の底面で前記第1埋込み層に接続す
る工程を少なくとも有し、前記第1埋込み層をIILの
エミッタとし、第2埋込み層と前記第1拡散層をIIL
のベースとし、前記第2拡散層をIILのコレクタと
し、前記第3拡散層をIILのインジェクタとし、前記
第2半導体層をIILのエミッタ引出し電極とし、コレ
クタ直下のベースの不純物濃度がエミッタの不純物濃度
よりも低く、しかもベースの不純物濃度がエミッタから
コレクタに向かって単調に減少するようにしている半導
体装置の製造方法とするものである。
【0015】一導電型の半導体基板に逆導電型の第1埋
込み層を形成する工程と、前記第1埋込み層に一導電型
の第2埋込み層を形成する工程と、前記第1、第2埋込
み層を含む前記半導体基板上に逆導電型の第1半導体層
を形成する工程と、前記第1半導体層に前記第2埋込み
層に接する一導電型の第1拡散層を形成する工程と、前
記第1拡散層に対して横方向に離間した位置に一導電形
の第3拡散層を形成する工程と、前記第1拡散層に前記
第2埋込み層にほぼ達する単数個あるいは複数個の溝部
を形成する工程と、前記溝部の側壁にのみ絶縁膜を形成
する工程と、前記溝部内に逆導電形の第2半導体層を充
填する工程と、前記第2半導体層から逆導電型の不純物
を拡散し、前記第2埋込み層に接する逆導電型の第2拡
散層を形成する工程とを少なくとも有し、前記第1埋込
み層をIILのエミッタとし、第2埋込み層と前記第1
拡散層をIILのベースとし、前記第2拡散層をIIL
のコレクタとし、前記第3拡散層をIILのインジェク
タとし、前記第2半導体層をIILのコレクタ引出し電
極とし、コレクタ直下のベースの不純物濃度がエミッタ
の不純物濃度よりも低く、しかもベースの不純物濃度が
エミッタからコレクタに向かって単調に減少するように
している半導体装置の製造方法とするものである。
【0016】
【作用】本発明は上記した構成により、IILのベース
濃度よりもそれに接するエミッタ濃度を高くすることが
できるために、エミッタ注入効率が高くなり、電流増幅
率を大幅に向上させることができる。また、縦型PNP
トランジスタのコレクタ領域の濃度を高くすることな
く、IILのベース濃度を高くすることができるため
に、デバイスの高速化、高密度化を図るためにエピタキ
シャル層の厚さを薄くした場合でも、縦型PNPトラン
ジスタのアーリー電圧を低下させることなくIILのコ
レクタ・エミッタ間耐圧を高く維持することができる。
また、IILのコレクタを深く形成でき、従ってIIL
のベース幅を狭くできるために、IILの高速化を図る
ことができ、高速、高密度、高耐圧のIIL、縦型PN
Pトランジスタ、縦型NPNトランジスタを一体化した
半導体装置を実現することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を実施例1〜3に分け
て図1〜図10に基づいて説明する。
【0018】(実施例1)(図1)〜(図3)は本発明
の実施例における半導体装置の製造工程断面図を示すも
のである。
【0019】比抵抗が例えば10〜20Ω・cmのP型
(111)半導体基板1に燐を40keV、1×1013
/cm2の条件でイオン注入した後、例えば1200゜C
120分程度の熱処理を行い、縦型PNPトランジスタ
のコレクタ領域と半導体基板1を分離するためのN型埋
込み層2を形成する。次に例えばレジストをマスクにし
て砒素を60keV、1×1015/cm2の条件でイオ
ン注入した後、900゜C30分程度の熱処理を行い、縦
型NPNトランジスタのコレクタ埋込み層となるN+
埋込み層4およびIILのエミッタ領域の一部となるN
+型埋込み層5を形成する。次に例えばレジストをマス
クにしてボロンを40keV、1×1014/cm2の条
件でイオン注入した後、1100゜C180分程度の熱処
理を行い、縦型PNPトランジスタのコレクタ埋込み層
となるP+型埋込み層7、IILのベース領域の一部と
なるP+型埋込み層8および素子分離領域の一部で下部
分離領域となるP+型埋込み層6を形成する。この場
合、不純物の拡散係数が砒素、ボロン、燐の順に大きく
なるために、埋込み層の深さはN+型埋込み層4、5、
+型埋込み層6、7、8、N型埋込み層2の順に深く
なる(図1)。次に半導体基板1上に、例えば比抵抗が
1Ω・cm、厚さが2.5μm程度のN型エピタキシャ
ル層9を形成する。次に例えばレジストをマスクにして
ボロンを80keV、2×1012/cm2の条件でイオ
ン注入した後、1100゜C100分程度の熱処理を行
い、縦型PNPトランジスタのコレクタ領域の一部とな
るP型拡散層11、IILのベース領域の一部となる
型拡散層12および素子分離領域の一部で上部分離
領域となるP型拡散層10を形成する。この場合、不
純物の拡散係数が砒素、ボロン、燐の順に大きくなるた
めに、埋込み層の持ち上がりはN+型埋込み層4、5、
+型埋込み層6、7、8、N型埋込み層2の順に大き
くなる。このため、IILにおいてP+型埋込み層8が
+型埋込み層5の上にはみだし、P型拡散層12と接
続されてIILのベース領域が形成されることになる。
次に例えばレジストをマスクにして燐を80keV、3
×1015/cm2の条件でイオン注入した後、950゜C
30分程度の熱処理を行い、さらに1000゜C145分
程度の熱処理を行い、縦型NPNトランジスタのコレク
タウォール領域となるN+型拡散層13、IILのエミ
ッタ領域の一部となるN+型拡散層14およびIILの
コレクタ領域となるN+型拡散層31を形成する(図
2)。次に例えばレジストをマスクにしてボロンを30
keV、2×1013/cm2の条件でイオン注入した
後、900゜C30分程度の熱処理を行い、縦型NPNト
ランジスタのベース領域となるP型拡散層16、IIL
のインジェクタ領域となるP型拡散層17、IILのベ
ース領域の一部となるP型拡散層18、および素子分離
領域の一部となるP型拡散層15を形成する。次に例え
ばレジストをマスクにして燐を80keV、3.6×1
13/cm2の条件でイオン注入し、縦型PNPトラン
ジスタのベース領域となるN型拡散層19を形成する。
次に縦型PNPトランジスタのコレクタコンタクト、ベ
ースコンタクトおよびエミッタとなる領域上、縦型NP
Nトランジスタのコレクタコンタクト、ベースコンタク
トおよびエミッタとなる領域上、IILのインジェクタ
コンタクト、コレクタコンタクト、ベースコンタクトお
よびエミッタコンタクトとなる領域上に多結晶シリコン
膜(ここでは図示していない)を形成した後、例えばレ
ジストをマスクにして縦型PNPトランジスタのベース
コンタクトとなる領域上、縦型NPNトランジスタのコ
レクタコンタクトおよびエミッタとなる領域上、IIL
のコレクタコンタクトおよびエミッタコンタクトとなる
領域上の多結晶シリコン膜中に砒素を60keV、1×
1016/cm2の条件でイオン注入し、その後950゜C
60分程度の熱処理を行って多結晶シリコン膜から砒素
を拡散し、縦型PNPトランジスタのベースコンタクト
領域となるN+型拡散層25、縦型NPNトランジスタ
のコレクタコンタクト領域となるN+型拡散層22およ
びエミッタ領域となるN+型拡散層21、IILのコレ
クタコンタクト領域となるN+型拡散層23およびエミ
ッタコンタクト領域となるN+型拡散層24を形成す
る。次に、例えばレジストをマスクにして縦型NPNト
ランジスタのベースコンタクトとなる領域上、縦型PN
Pトランジスタのコレクタコンタクトおよびエミッタと
なる領域上、IILのインジェクタコンタクトおよびベ
ースコンタクトとなる領域上の多結晶シリコン膜中にボ
ロンを30keV、2×1016/cm2の条件でイオン
注入し、その後900゜C45分程度の熱処理を行って多
結晶シリコン膜からボロンを拡散し、縦型NPNトラン
ジスタのベースコンタクト領域となるP+型拡散層2
8、縦型PNPトランジスタのコレクタコンタクト領域
となるP+型拡散層27およびエミッタ領域となるP+
拡散層26、IILのインジェクタコンタクト領域とな
るP+型拡散層29およびベースコンタクト領域となる
+型拡散層30を形成する(図3)。最後に例えばA
L等を用いて電極配線を形成してこの半導体装置は完成
する。
【0020】以上のように本実施例は、縦型PNPトラ
ンジスタのコレクタ埋込み層となる高濃度のP+型埋込
み層7の形成と同時にIILのベース領域となるP+
埋込み層8を形成し、このP+型埋込み層8よりも高濃
度のN+型埋込み層5でIILのエミッタ領域を形成す
ること、および縦型NPNトランジスタのコレクタウォ
ールとなる高濃度のN+型拡散層13の形成と同時にI
ILのコレクタ領域となる高濃度のN+型拡散層31を
形成し、このN+型拡散層31がIILのベース領域と
なるP+型埋込み層8と接するように形成することを特
徴としている。(図4)にIILのコレクタ直下の不純
物濃度プロファイルを示す。このようにIILのベース
濃度よりもそれに接するエミッタ濃度が高くなるように
形成しているために、エミッタ注入効率が高くなり、電
流増幅率を大幅に向上させることができる。さらに、I
ILのベース領域となるP+型埋込み層8が、エミッタ
からコレクタに向かって低くなるように傾斜した不純物
濃度プロファイルとなっているために、この濃度勾配に
より形成された電界によってベース領域中のキャリヤが
加速され、IILの動作スピードが向上する。また、デ
バイスの高速化、高密度化を図るためにエピタキシャル
層の厚さを薄くした場合でも、IILのベース濃度を高
くすることができるため、IILのコレクタ・エミッタ
間がパンチスルー状態になることを防ぎ、耐圧を高くす
ることができる。さらに、IILのベース領域の一部と
なるP型拡散層12の濃度を高くすることなく、言い
替えればP型拡散層12と同時に形成される縦型PN
Pトランジスタのコレクタ領域の一部となるP型拡散
層11の濃度を高くすることなく、IILのベース濃度
を高くすることができるために、縦型PNPトランジス
タのアーリー電圧を低下させることなく、IILのコレ
クタ・エミッタ間耐圧を高くすることができる。また、
縦型NPNトランジスタのコレクタウォールとIILの
コレクタ領域を同時に形成し、このコレクタ領域がII
Lのベース領域となるP+型埋込み層8と接するように
形成しているために、IILのベース幅を狭くすること
でき、IILの高速化を図ることができる。しかも本実
施例によれば従来と同じ工程数で上記のことが実現でき
る。(図5)に本実施例により試作したIILの電流増
幅率およびコレクタ・エミッタ間耐圧を示す。(図6)
に本実施例により試作したIILのゲート遅延時間を示
す。(図5)および(図6)から明らかなように、II
Lの電流増幅率、コレクタ・エミッタ間耐圧およびゲー
ト遅延時間が従来のIILに比べて大幅に向上してい
る。
【0021】(実施例2)(図7)〜(図8)は本発明
の第2の実施例における半導体装置の製造工程断面図を
示すものである。同図において、図中の番号はすべて第
1の実施例の図中の番号に対応している。また、本実施
例は第1の実施例の(図1)までの製造工程が同一のた
め、省略する。
【0022】(図1)の工程の後、半導体基板1上に例
えば比抵抗が1Ω・cm、厚さが2.5μm程度のN
エピタキシャル層9を形成する。次に例えばレジストを
マスクにしてボロンを80keV、2×1012/cm2
の条件でイオン注入した後、1100゜C100分程度の
熱処理を行い、縦型PNPトランジスタのコレクタ領域
の一部となるP型拡散層11、IILのベース領域の
一部となるP型拡散層12および素子分離領域の一部
で上部分離領域となるP型拡散層10を形成する。こ
の場合、不純物の拡散係数が砒素、ボロン、燐の順に大
きくなるために、埋込み層の持ち上がりはN+型埋込み
層4、5、P+型埋込み層6、7、8、N型埋込み層2
の順に大きくなる。このため、IILにおいてP+型埋
込み層8がN+型埋込み層5の上にはみだし、P型拡散
層12と接続されてIILのベース領域が形成されるこ
とになる。次に例えばレジストをマスクにして燐を80
keV、3×1015/cm2の条件でイオン注入した
後、950゜C30分程度の熱処理を行い、さらに100
0゜C145分程度の熱処理を行い、IILのコレクタ領
域となるN+型拡散層31を形成する。次に、例えばレ
ジストをマスクにして異方性エッチングを行ない、縦型
NPNトランジスタのコレクタ引出し電極、及びIIL
のエミッタ引出し電極となる領域に、N+埋込み層4、
5に到達する幅1μm程度の溝部を形成した後、900
゜C20分の熱酸化を行ない、溝部内に50nm程度の酸
化膜101を形成する。この時、IILのベース領域と
なるP型拡散層12およびP+型埋込み層8の側面が溝
部の側壁部の酸化膜101に接するように溝部を形成す
る。その後、溝の底面部の酸化膜を異方性エッチングに
よって除去し、溝部の側壁部にのみ酸化膜101を残
す。次にN型不純物、例えば燐を含む多結晶シリコン膜
を約2μm堆積し、エッチバックあるいはポリッシング
を行なって溝部以外の多結晶シリコン膜を除去し、縦型
NPNトランジスタのコレクタ引出し電極となるN+
多結晶シリコン膜102、およびIILのエミッタ引出
し電極となるN+型多結晶シリコン膜103を形成する
(図7)。この場合、ノンドープの多結晶シリコン膜を
堆積した後、イオン注入法あるいは気相拡散法を用いて
N型不純物を多結晶シリコン膜中に導入してもよい。次
に例えばレジストをマスクにしてボロンを30keV、
2×1013/cm2の条件でイオン注入した後、900゜
C30分程度の熱処理を行い、縦型NPNトランジスタ
のベース領域となるP型拡散層16、IILのインジェ
クタ領域となるP型拡散層17、IILのベース領域の
一部となるP型拡散層18、および素子分離領域の一部
となるP型拡散層15を形成する。この時、インジェク
タ領域となるP型拡散層17の側面がエミッタ引出し電
極となる溝部側壁の酸化膜101に接するように形成す
る。また、縦型NPNトランジスタのベ−ス領域となる
P型拡散層16の側面がコレクタ引出し電極となる溝部
側壁の酸化膜101に接するように形成する。次に例え
ばレジストをマスクにして燐を80keV、3.6×1
13/cm2の条件でイオン注入し、縦型PNPトラン
ジスタのベース領域となるN型拡散層19を形成する。
次に縦型PNPトランジスタのコレクタコンタクト、ベ
ースコンタクトおよびエミッタとなる領域上、縦型NP
Nトランジスタのコレクタコンタクト、ベースコンタク
トおよびエミッタとなる領域上、IILのインジェクタ
コンタクト、コレクタコンタクト、ベースコンタクトお
よびエミッタコンタクトとなる領域上に多結晶シリコン
膜(ここでは図示していない)を形成した後、例えばレ
ジストをマスクにして縦型PNPトランジスタのベース
コンタクトとなる領域上、縦型NPNトランジスタのコ
レクタコンタクトおよびエミッタとなる領域上、IIL
のコレクタコンタクトおよびエミッタコンタクトとなる
領域上の多結晶シリコン膜中に砒素を60keV、1×
1016/cm2の条件でイオン注入し、その後950゜C
60分程度の熱処理を行って多結晶シリコン膜から砒素
を拡散し、縦型PNPトランジスタのベースコンタクト
領域となるN+型拡散層25、縦型NPNトランジスタ
のコレクタコンタクト領域となるN+型拡散層104お
よびエミッタ領域となるN+型拡散層21、IILのコ
レクタコンタクト領域となるN+型拡散層23およびエ
ミッタコンタクト領域となるN+型拡散層105を形成
する。次に、例えばレジストをマスクにして縦型NPN
トランジスタのベースコンタクトとなる領域上、縦型P
NPトランジスタのコレクタコンタクトおよびエミッタ
となる領域上、IILのインジェクタコンタクトおよび
ベースコンタクトとなる領域上の多結晶シリコン膜中に
ボロンを30keV、2×10 16/cm2の条件でイオ
ン注入し、その後900゜C45分程度の熱処理を行って
多結晶シリコン膜からボロンを拡散し、縦型NPNトラ
ンジスタのベースコンタクト領域となるP+型拡散層2
8、縦型PNPトランジスタのコレクタコンタクト領域
となるP+型拡散層27およびエミッタ領域となるP+
拡散層26、IILのインジェクタコンタクト領域とな
るP+型拡散層29およびベースコンタクト領域となる
+型拡散層30を形成する(図8)。最後に例えばA
l等を用いて電極配線を形成してこの半導体装置は完成
する。以上のように本実施例は、第1の実施例における
特徴に加えて、側壁部に酸化膜101が形成され、内部
にN+型多結晶シリコン膜103を充填された溝部をI
ILのエミッタ引出し電極とし、IILのインジェクタ
となるP型拡散層17の側面、ベ−スとなるP型拡散層
18の側面、P型拡散層12の側面、及びP+型埋込み
層8の側面が、酸化膜101で囲まれるように形成して
いることを特徴としている。このため、第1の実施例に
おける利点に加えて、IILのベースとエミッタ間の寄
生容量を大幅に低減でき、デバイスの動作速度の向上を
図ることができるという利点がある。また、IILのエ
ミッタとインジェクタあるいはエミッタとベースの間
に、お互いが接しないようにするためのマージンを取る
必要がないために、デバイスのサイズを縮小でき、高密
度化を図ることができる。
【0023】(実施例3)(図9)〜(図10)は本発
明の第3の実施例における半導体装置の製造工程断面図
を示すものである。同図において、図中の番号はすべて
第1の実施例の図中の番号に対応している。また、本実
施例は第1の実施例の(図1)までの製造工程が同一の
ため、省略する。
【0024】(図1)の工程の後、半導体基板1上に例
えば比抵抗が1Ω・cm、厚さが2.5μm程度のN
エピタキシャル層9を形成する。次に例えばレジストを
マスクにしてボロンを80keV、2×1012/cm2
の条件でイオン注入した後、1100゜C100分程度の
熱処理を行い、縦型PNPトランジスタのコレクタ領域
の一部となるP型拡散層11、IILのベース領域の
一部となるP型拡散層12および素子分離領域の一部
で上部分離領域となるP型拡散層10を形成する。こ
の場合、不純物の拡散係数が砒素、ボロン、燐の順に大
きくなるために、埋込み層の持ち上がりはN+型埋込み
層4、5、P+型埋込み層6、7、8、N型埋込み層2
の順に大きくなる。このため、IILにおいてP+型埋
込み層8がN+型埋込み層5の上にはみだし、P型拡散
層12と接続されてIILのベース領域が形成されるこ
とになる。次に例えばレジストをマスクにして燐を80
keV、3×1015/cm2の条件でイオン注入した
後、950゜C30分程度の熱処理を行い、さらに100
0゜C145分程度の熱処理を行い、縦型NPNトランジ
スタのコレクタウォール領域となるN+型拡散層13、
IILのエミッタ領域の一部となるN+型拡散層14を
形成する。次に例えばレジストをマスクにしてボロンを
30keV、2×1013/cm2の条件でイオン注入し
た後、900゜C30分程度の熱処理を行い、縦型NPN
トランジスタのベース領域となるP型拡散層16、II
Lのインジェクタ領域となるP型拡散層17、IILの
ベース領域の一部となるP型拡散層18、および素子分
離領域の一部となるP型拡散層15を形成する。次に、
例えばレジストをマスクにして異方性エッチングを行な
い、IILのコレクタ引出し電極となる領域に、P+
込み層8にほぼ到達する幅1μm程度の溝部を形成した
後、900゜C20分の熱酸化を行ない、溝部内に50n
m程度の酸化膜106を形成する。その後、溝の底面部
の酸化膜を異方性エッチングによって除去し、溝部の側
壁部にのみ酸化膜106を残す。次にN型不純物、例え
ば燐を含む多結晶シリコン膜を堆積し、エッチバックあ
るいはポリッシングを行なって溝部以外の多結晶シリコ
ン膜を除去し、IILのコレクタ引出し電極となる溝部
にN+型多結晶シリコン膜107を形成する(図9)。
この場合、ノンドープの多結晶シリコン膜を堆積した
後、イオン注入法あるいは気相拡散法を用いてN型不純
物を多結晶シリコン膜中に導入してもよい。また、II
Lのコレクタ引出し電極を形成した後に、縦型NPNト
ランジスタのベース領域となるP型拡散層16、IIL
のインジェクタ領域となるP型拡散層17、IILのベ
ース領域の一部となるP型拡散層18、および素子分離
領域の一部となるP型拡散層15を形成してもよい。次
に例えばレジストをマスクにして燐を80keV、3.
6×1013/cm2の条件でイオン注入し、縦型PNP
トランジスタのベース領域となるN型拡散層19を形成
する。次に縦型PNPトランジスタのコレクタコンタク
ト、ベースコンタクトおよびエミッタとなる領域上、縦
型NPNトランジスタのコレクタコンタクト、ベースコ
ンタクトおよびエミッタとなる領域上、IILのインジ
ェクタコンタクト、コレクタコンタクト、ベースコンタ
クトおよびエミッタコンタクトとなる領域上に多結晶シ
リコン膜(ここでは図示していない)を形成した後、例
えばレジストをマスクにして縦型PNPトランジスタの
ベースコンタクトとなる領域上、縦型NPNトランジス
タのコレクタコンタクトおよびエミッタとなる領域上、
IILのコレクタコンタクトおよびエミッタコンタクト
となる領域上の多結晶シリコン膜中に砒素を60ke
V、1×1016/cm2の条件でイオン注入し、その後
950゜C60分程度の熱処理を行って多結晶シリコン膜
から砒素を拡散し、縦型PNPトランジスタのベースコ
ンタクト領域となるN+型拡散層25、縦型NPNトラ
ンジスタのコレクタコンタクト領域となるN+型拡散層
22およびエミッタ領域となるN+型拡散層21、II
Lのコレクタコンタクト領域およびエミッタコンタクト
領域となるN+型拡散層108、24を形成する。この
時、同時にN+型多結晶シリコン膜107から燐が拡散
され、コレクタ引出し電極となる溝部の底部に、P+
込み層8に接するようにN+型拡散層109が形成され
る。次に、例えばレジストをマスクにして縦型NPNト
ランジスタのベースコンタクトとなる領域上、縦型PN
Pトランジスタのコレクタコンタクトおよびエミッタと
なる領域上、IILのインジェクタコンタクトおよびベ
ースコンタクトとなる領域上の多結晶シリコン膜中にボ
ロンを30keV、2×1016/cm2の条件でイオン
注入し、その後900゜C45分程度の熱処理を行って多
結晶シリコン膜からボロンを拡散し、縦型NPNトラン
ジスタのベースコンタクト領域となるP+型拡散層2
8、縦型PNPトランジスタのコレクタコンタクト領域
となるP+型拡散層27およびエミッタ領域となるP+
拡散層26、IILのインジェクタコンタクト領域とな
るP+型拡散層29およびベースコンタクト領域となる
+型拡散層30を形成する(図10)。最後に例えば
Al等を用いて電極配線を形成してこの半導体装置は完
成する。
【0025】以上のように本実施例は、第1の実施例に
おける特徴に加えて、側壁部に酸化膜106が形成さ
れ、内部にN+型多結晶シリコン膜107が充填された
溝部をIILのコレクタ引出し電極としていることを特
徴としている。このため、第1の実施例における利点に
加えて、IILのベースとコレクタ間の寄生容量を大幅
に低減でき、デバイスの動作速度の向上を図ることがで
きるという利点がある。また、コレクタ引出し電極とな
る溝部の側面に酸化膜107が形成されていることによ
り、燐が横方向に拡散することがないのでIILの複数
のコレクタとコレクタの間を最小ルールまで近ずけても
耐圧が低下することがなく、デバイスのサイズを縮小で
き、高密度化を図ることができる。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明は、縦型PNPトラ
ンジスタのコレクタ埋込み層となる高濃度のP+型埋込
み層の形成と同時にIILのベース領域となるP+型埋
込み層を形成し、このP+型埋込み層よりも高濃度のN+
型埋込み層でIILのエミッタ領域を形成することによ
り、IILのベース濃度よりもそれに接するエミッタ濃
度が高くできるために、エミッタ注入効率が高くなり、
電流増幅率を大幅に向上させることができる。また、デ
バイスの高速化、高密度化を図るためにエピタキシャル
層の厚さを薄くした場合でも、IILのベース濃度を高
くすることができるため、IILのコレクタ・エミッタ
間がパンチスルー状態になることを防ぎ、耐圧を高くす
ることができる。さらに、IILのベース領域の一部と
なるP型拡散層の濃度を高くすることなく、言い替え
れば、同時に形成される縦型PNPトランジスタのコレ
クタ領域の一部となるP型拡散層の濃度を高くするこ
となく、IILのベース濃度を高くすることができるた
めに、縦型PNPトランジスタのアーリー電圧を低下さ
せることなく、IILのコレクタ・エミッタ間耐圧を高
くすることができる。さらに、IILのベース領域とな
るP+型埋込み層が、エミッタからコレクタに向かって
低くなるように傾斜した不純物濃度プロファイルとなっ
ていることにより、この濃度勾配により形成された電界
によってベース領域中のキャリヤが加速されるために、
IILの動作スピードを向上することができる。さら
に、縦型NPNトランジスタのコレクタウォールの形成
と同時にIILのコレクタ領域を形成し、このコレクタ
領域がIILのベース領域となるP+型埋込み層と接す
るように形成しているために、IILのベース幅を狭く
することでき、IILの高速化を図ることができ、従来
と同じ工程数で高速、高密度、高耐圧のIIL、縦型P
NPトランジスタ、縦型NPNトランジスタを一体化し
た半導体装置を提供することができる。
【0027】さらに加えて、第2の実施例によれば、側
壁部に酸化膜101が形成され、内部にN+型多結晶シ
リコン膜103を充填された溝部をIILのエミッタ引
出し電極とし、IILのインジェクタとなるP型拡散層
17の側面、ベ−スとなるP型拡散層18の側面、P
型拡散層12の側面、及びP+型埋込み層8の側面が、
酸化膜101で囲まれるように形成していることによ
り、IILのベースとエミッタ間の寄生容量を大幅に低
減でき、デバイスの動作速度の向上を図ることができ
る。また、IILのエミッタとインジェクタあるいはエ
ミッタとベースの間に、お互いが接しないようにするた
めのマージンを取る必要がないために、デバイスのサイ
ズを縮小でき、高密度化を図ることができ、高速、高密
度、高耐圧のIIL、縦型PNPトランジスタ、縦型N
PNトランジスタを一体化した半導体装置を提供するこ
とができる。
【0028】さらに加えて、第3の実施例によれば、側
壁部に酸化膜106が形成され、内部にN+型多結晶シ
リコン膜107が充填された溝部をIILのコレクタ引
出し電極としていることにより、IILのベースとコレ
クタ間の寄生容量を大幅に低減でき、デバイスの動作速
度の向上を図ることができる。また、コレクタ引出し電
極となる溝部の側面に酸化膜107が形成されているこ
とにより、燐が横方向に拡散することがないのでIIL
の複数のコレクタとコレクタの間を最小ルールまで近ず
けても耐圧が低下することがなく、デバイスのサイズを
縮小でき、高密度化を図ることができ、高速、高密度、
高耐圧のIIL、縦型PNPトランジスタ、縦型NPN
トランジスタを一体化した半導体装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における第1の製造工程断面
【図2】本発明の一実施例における第2の製造工程断面
【図3】本発明の一実施例における第3の製造工程断面
【図4】本発明の一実施例におけるIILのコレクタ直
下の不純物分布の概念図
【図5】本発明の一実施例におけるIILの電流増幅率
およびコレクタ・エミッタ間耐圧を示すグラフ
【図6】本発明の一実施例におけるIILのゲート遅延
時間のゲート電流依存性を示すグラフ
【図7】本発明の二実施例における第1の製造工程断面
【図8】本発明の二実施例における第2の製造工程断面
【図9】本発明の三実施例における第1の製造工程断面
【図10】本発明の三実施例における第2の製造工程断
面図
【図11】従来の半導体装置の断面構造図
【図12】従来の半導体装置の断面構造図
【符号の説明】
1 P型半導体基板 2 N型埋込み層(縦型PNPトランジスタのコレクタ
と基板間の分離領域) 3 N型埋込み層(IILのコレクタおよびエミッタ領
域の一部) 4 N+型埋込み層(縦型NPNトランジスタのコレク
タ埋込み層) 5 N+型埋込み層(IILのエミッタ領域の一部) 6 P+型埋込み層(素子分離領域の一部となる下部分
離領域) 7 P+型埋込み層(縦型PNPトランジスタのコレク
タ埋込み層) 8 P+型埋込み層(IILのベース領域の一部) 9 N型エピタキシャル層 10 P型拡散層(素子分離領域の一部となる上部分
離領域) 11 P型拡散層(縦型PNPトランジスタのコレク
タ領域の一部) 12 P型拡散層(IILのベース領域の一部) 13 N+型拡散層(縦型NPNトランジスタのコレク
タウォール領域) 14 N+型拡散層(IILのエミッタ領域の一部) 15 P型拡散層(素子分離領域の一部) 16 P型拡散層(縦型NPNトランジスタのベース領
域) 17 P型拡散層(IILのインジェクタ領域) 18 P型拡散層(IILのベース領域の一部) 19 N型拡散層(縦型PNPトランジスタのベース領
域) 20 N型拡散層(IILのコレクタ領域) 21 N+型拡散層(縦型NPNトランジスタのエミッ
タ領域) 22 N+型拡散層(縦型NPNトランジスタのコレク
タコンタクト領域) 23 N+型拡散層(IILのコレクタコンタクト領
域) 24 N+型拡散層(IILのエミッタコンタクト領
域) 25 N+型拡散層(縦型PNPトランジスタのベース
コンタクト領域) 26 P+型拡散層(縦型PNPトランジスタのエミッ
タ領域) 27 P+型拡散層(縦型PNPトランジスタのコレク
タコンタクト領域) 28 P+型拡散層(縦型NPNトランジスタのベース
コンタクト領域) 29 P+型拡散層(IILのインジェクタコンタクト
領域) 30 P+型拡散層(IILのベースコンタクト領域) 31 N+型拡散層(IILのコレクタ領域) 101 酸化膜 102 N+型多結晶シリコン膜(縦型NPNトランジ
スタのコレクタ引出し電極) 103 N+型多結晶シリコン膜(IILのエミッタ引
出し電極) 104 N+型拡散層(縦型NPNトランジスタのコレ
クタコンタクト領域) 105 N+型拡散層(IILのエミッタコンタクト領
域) 106 酸化膜 107 N+型多結晶シリコン膜(IILコレクタ引出
し電極) 108 N+型拡散層(IILのコレクタコンタクト領
域) 109 N+型拡散層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中谷 昌弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−128742(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一導電型の半導体基板に形成された逆導電
    型の第1埋込み層と、前記第1埋込み層に形成され、第
    1埋込み層よりも低濃度の一導電型の第2埋込み層と、
    前記第1、第2埋込み層を含む前記半導体基板上に形成
    された逆導電型の半導体層と、前記半導体層に形成さ
    れ、前記第2埋込み層に接する一導電型の第1拡散層
    と、前記第1拡散層に単数個あるいは複数個形成され、
    前記第2埋込み層に接する逆導電型の第2拡散層と、前
    記第1拡散層に対して横方向に離間した位置に形成され
    た一導電型の第3拡散層とを少なくとも具備し、前記第
    1埋込み層をIILのエミッタとし、前記第2埋込み層
    と前記第1拡散層をIILのベースとし、前記第2拡散
    層をIILのコレクタとし、前記第3拡散層をIILの
    インジェクタとし、コレクタ直下のベースの不純物濃度
    がエミッタの不純物濃度よりも低く、しかもベースの不
    純物濃度がエミッタからコレクタに向かって単調に減少
    していることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】一導電型の半導体基板に形成された逆導電
    型の第1埋込み層と、前記第1埋込み層に形成され、第
    1埋込み層よりも低濃度の一導電型の第2埋込み層と、
    前記第1、第2埋込み層を含む前記半導体基板上に形成
    された逆導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層に
    形成され、前記第2埋込み層に接する一導電型の第1拡
    散層と、前記第1拡散層に単数個あるいは複数個形成さ
    れ、前記第2埋込み層に接する逆導電型の第2拡散層
    と、前記第1拡散層に対して横方向に離間した位置に形
    成された一導電型の第3拡散層と、前記第1半導体層に
    形成され、前記第1拡散層と前記第3拡散層の側面のう
    ち対向する側面を除く他の側面を囲むように形成された
    溝部と、前記溝部の側壁に形成された絶縁膜と、前記溝
    部内に充填され、前記溝部の底面で前記第1埋込み層に
    接続された逆導電形の第2半導体層とを少なくとも具備
    し、前記第1埋込み層をIILのエミッタとし、前記第
    2埋込み層と前記第1拡散層をIILのベースとし、前
    記第2拡散層をIILのコレクタとし、前記第3拡散層
    をIILのインジェクタとし、前記第2半導体層をII
    Lのエミッタ引出し電極とし、コレクタ直下のベースの
    不純物濃度がエミッタの不純物濃度よりも低く、しかも
    ベースの不純物濃度がエミッタからコレクタに向かって
    単調に減少していることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】一導電型の半導体基板に形成された逆導電
    型の第1埋込み層と、前記第1埋込み層に形成され、第
    1埋込み層よりも低濃度の一導電型の第2埋込み層と、
    前記第1、第2埋込み層を含む前記半導体基板上に形成
    された逆導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層に
    形成され、前記第2埋込み層に接する一導電型の第1拡
    散層と、前記第1拡散層に単数個あるいは複数個形成さ
    れ、側壁に絶縁膜を有し、内部に逆導電型の第2半導体
    層が充填された溝部と、前記溝部の直下の前記第2埋込
    み層に接し、前記溝部の底面において前記第2半導体層
    に接続されてなる逆導電型の第2拡散層と、前記第1拡
    散層に対して横方向に離間した位置に形成された一導電
    型の第3拡散層とを少なくとも具備し、前記第1埋込み
    層をIILのエミッタとし、前記第2埋込み層と前記第
    1拡散層をIILのベースとし、前記第2拡散層をII
    Lのコレクタとし、前記第3拡散層をIILのインジェ
    クタとし、前記第2半導体層をIILのコレクタ引出し
    電極とし、コレクタ直下のベースの不純物濃度がエミッ
    タの不純物濃度よりも低く、しかもベースの不純物濃度
    がエミッタからコレクタに向かって単調に減少している
    ことを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】一導電型の半導体基板に逆導電型の第1埋
    込み層を形成する工程と、前記第1埋込み層に一導電型
    の第2埋込み層を形成する工程と、前記第1、第2埋込
    み層を含む前記半導体基板上に逆導電型の半導体層を形
    成する工程と、前記半導体層に前記第2埋込み層に接す
    る一導電型の第1拡散層を形成する工程と、前記第1拡
    散層に単数個あるいは複数個の逆導電型の第2拡散層を
    形成する工程と、前記第1拡散層に対して横方向に離間
    した位置に一導電形の第3拡散層を形成する工程とを少
    なくとも有し、前記第1埋込み層をIILのエミッタと
    し、前記第2埋込み層と前記第1拡散層をIILのベー
    スとし、前記第2拡散層をIILのコレクタとし、前記
    第3拡散層をIILのインジェクタとし、前記第2埋込
    み層に接するように前記第2拡散層を形成し、コレクタ
    直下のベースの不純物濃度がエミッタの不純物濃度より
    も低く、しかもベースの不純物濃度がエミッタからコレ
    クタに向かって単調に減少するようにしていることを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】第1埋込み層の形成と同時に縦型NPNト
    ランジスタにおけるコレクタ埋込み層を形成し、第2埋
    込み層の形成と同時に素子分離領域における下部分離領
    域および縦型PNPトランジスタにおけるコレクタ埋込
    み層を形成し、第1拡散層の形成と同時に素子分離領域
    における上部分離領域および縦型PNPトランジスタに
    おけるコレクタ領域を形成し、第2拡散層の形成と同時
    に縦型NPNトランジスタにおけるコレクタウォール領
    域を形成し、第3拡散層の形成と同時に縦型NPNトラ
    ンジスタにおけるベース領域を形成することを特徴とす
    る請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】一導電型の半導体基板に逆導電型の第1埋
    込み層を形成する工程と、前記第1埋込み層に一導電型
    の第2埋込み層を形成する工程と、前記第1、第2埋込
    み層を含む前記半導体基板上に逆導電型の第1半導体層
    を形成する工程と、前記第1半導体層に前記第2埋込み
    層に接する一導電型の第1拡散層を形成する工程と、前
    記第1拡散層に前記第2埋込み層に接する単数個あるい
    は複数個の逆導電型の第2拡散層を形成する工程と、前
    記第1拡散層に対して横方向に離間した位置に一導電形
    の第3拡散層を形成する工程と、前記第1半導体層に前
    記第1埋込み層まで到達する溝部を形成し、前記第1拡
    散層と前記第3拡散層の側面のうち対向する側面を除く
    他の側面を囲む工程と、前記溝部の側壁にのみ絶縁膜を
    形成する工程と、前記溝部内に逆導電形の第2半導体層
    を充填し、前記溝部の底面で前記第1埋込み層に接続す
    る工程を少なくとも有し、前記第1埋込み層をIILの
    エミッタとし、第2埋込み層と前記第1拡散層をIIL
    のベースとし、前記第2拡散層をIILのコレクタと
    し、前記第3拡散層をIILのインジェクタとし、前記
    第2半導体層をIILのエミッタ引出し電極とし、コレ
    クタ直下のベースの不純物濃度がエミッタの不純物濃度
    よりも低く、しかもベースの不純物濃度がエミッタから
    コレクタに向かって単調に減少するようにしていること
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】第1埋込み層の形成と同時に縦型NPNト
    ランジスタにおけるコレクタ埋込み層を形成し、第2埋
    込み層の形成と同時に素子分離領域における下部分離領
    域および縦型PNPトランジスタにおけるコレクタ埋込
    み層を形成し、第1拡散層の形成と同時に素子分離領域
    における上部分離領域および縦型PNPトランジスタに
    おけるコレクタ領域を形成し、第3拡散層の形成と同時
    に縦型NPNトランジスタにおけるベース領域を形成
    し、IILのエミッタ引出し電極の形成と同時に、縦型
    NPNトランジスタにおけるコレクタ引出し電極とな
    る、側壁に絶縁膜を有し、内部に第2半導体層が充填さ
    れた溝部を形成することを特徴とする請求項6記載の半
    導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】一導電型の半導体基板に逆導電型の第1埋
    込み層を形成する工程と、前記第1埋込み層に一導電型
    の第2埋込み層を形成する工程と、前記第1、第2埋込
    み層を含む前記半導体基板上に逆導電型の第1半導体層
    を形成する工程と、前記第1半導体層に前記第2埋込み
    層に接する一導電型の第1拡散層を形成する工程と、前
    記第1拡散層に対して横方向に離間した位置に一導電形
    の第3拡散層を形成する工程と、前記第1拡散層に前記
    第2埋込み層にほぼ達する単数個あるいは複数個の溝部
    を形成する工程と、前記溝部の側壁にのみ絶縁膜を形成
    する工程と、前記溝部内に逆導電形の第2半導体層を充
    填する工程と、前記第2半導体層から逆導電型の不純物
    を拡散し、前記第2埋込み層に接する逆導電型の第2拡
    散層を形成する工程とを少なくとも有し、前記第1埋込
    み層をIILのエミッタとし、第2埋込み層と前記第1
    拡散層をIILのベースとし、前記第2拡散層をIIL
    のコレクタとし、前記第3拡散層をIILのインジェク
    タとし、前記第2半導体層をIILのコレクタ引出し電
    極とし、コレクタ直下のベースの不純物濃度がエミッタ
    の不純物濃度よりも低く、しかもベースの不純物濃度が
    エミッタからコレクタに向かって単調に減少するように
    していることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】第1埋込み層の形成と同時に縦型NPNト
    ランジスタにおけるコレクタ埋込み層を形成し、第2埋
    込み層の形成と同時に素子分離領域における下部分離領
    域および縦型PNPトランジスタにおけるコレクタ埋込
    み層を形成し、第1拡散層の形成と同時に素子分離領域
    における上部分離領域および縦型PNPトランジスタに
    おけるコレクタ領域を形成し、第3拡散層の形成と同時
    に縦型NPNトランジスタにおけるベース領域を形成す
    ることを特徴とする請求項8記載の半導体装置の製造方
    法。
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