JP3333835B2 - 次亜燐酸塩化合物の製造方法 - Google Patents

次亜燐酸塩化合物の製造方法

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JP3333835B2 JP26436898A JP26436898A JP3333835B2 JP 3333835 B2 JP3333835 B2 JP 3333835B2 JP 26436898 A JP26436898 A JP 26436898A JP 26436898 A JP26436898 A JP 26436898A JP 3333835 B2 JP3333835 B2 JP 3333835B2
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    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B25/00Phosphorus; Compounds thereof
    • C01B25/16Oxyacids of phosphorus; Salts thereof
    • C01B25/165Hypophosphorous acid; Salts thereof

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、次亜燐酸ニッケル
またはアンモニウムの製造に関する。より特定すると、
本発明は、かかる次亜燐酸塩(hypophosphite)を製造す
る連続方法に関する。更に特定すると、本発明は、かか
る次亜燐酸塩を製造する結晶化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】次亜燐酸ニッケル及びアンモニウムのよ
うなカチオン次亜燐酸塩化合物は、無電解ニッケルめっ
き浴において、ナトリウム及び硫酸イオンをこれらの浴
から除去するとともに浴の寿命を高めるために、次亜燐
酸とともに使用されてきた、どちらかというと高価な物
質である。次亜燐酸ニッケルまたはアンモニウムの製造
方法のコストの増大を妥当なものにして、これを商業的
に利用することができるようにするために、本譲受人に
譲渡されたごく最近の米国特許第5,522,972号
をはじめとする種々の方法が提供されている。
【0003】更に、結晶化処理を利用して次亜燐酸ニッ
ケルを製造する技術の開発に向けて努力が続けられてい
る。かかる技術は、次亜燐酸を水酸化ニッケルもしくは
炭酸ニッケルあるいは他の適宜のニッケル化合物と反応
させるものである。しかしながら、この方法は、コスト
が高く、次亜燐酸の利用が制限されるとともに、商業的
に使用する場合には、硫酸ニッケルと比べてこれらのニ
ッケル化合物は高価であるという問題がある。
【0004】チェコ国特許第139,245号および同
第152,901号には、高価な次亜燐酸を使用しない
次亜燐酸ニッケルを製造する方法が記載されている。こ
れらの特許においては、硝酸ニッケルの水溶液が、水性
次亜燐酸ナトリウムと混合される。次亜燐酸ニッケル
は、この混合物では溶解度の最も低い物質であって容易
に分離されるので、溶液から晶出する。ろ液は、廃棄物
として廃棄されるものと考えられる。これは、次亜燐酸
ニッケルを製造する極めて簡単な方法である。しかしな
がら、充分な量の次亜燐酸ナトリウムと次亜燐酸ニッケ
ルがろ液中に残ってしまうので、この方法は極めて高価
なものとなってしまう。このように、これらの高価な物
質は廃棄物の流れの中に廃棄されてしまうので、高価な
掃除処理が必要となる。同様の処理が、日本国の特開平
9−2809号及び9−2810号に開示されている
が、これらの先行技術では、水酸化ニッケルまたは炭酸
ニッケルを40乃至80℃の次亜燐酸水溶液と接触させ
てから冷却して、次亜燐酸ニッケル生成物を晶出させる
とともに、塩化ニッケルを次亜燐酸ナトリウムと接触さ
せて次亜燐酸ニッケルを形成する。これらの方法ではい
ずれも、廃棄物の流れの中には、ニッケル及び次亜燐酸
イオンとともに、上記したチェコ国特許に記載のように
硝酸ニッケルが使用される場合には硝酸ナトリウムが、
あるいはこの日本国公開特許のように塩化ニッケルが使
用される場合には塩化ナトリウムのような対応するナト
リウム塩が含まれることになる。更にまた、チェコ国特
許には、硫酸ニッケルを使用することができると記載さ
れているが、この場合にも、硫酸ナトリウムがニッケル
及び次亜燐酸イオンとともに廃棄物の流れの中に存在す
ることになる。
【0005】従って、かかるカチオン次亜燐酸塩を製造
するための、より簡単で、一層経済的でかつより効率的
な方法に関する研究が続けられてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、環境汚染を
引き起こすことがなく、しかも経済性を高めることがで
きる次亜燐酸塩ニッケルまたはアンモニウムの製造方法
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、これら
の及び他の目的は、次亜燐酸ニッケルまたはアンモニウ
ムの製造方法により達成されることが判った。この方法
は、次亜燐酸ナトリウムを硫酸ニッケルまたはアンモニ
ウムと組み合わせて硫酸ナトリウム及び次亜燐酸ニッケ
ルまたはアンモニウムをつくる工程と、前記硫酸ナトリ
ウムを含む溶液の温度を下げて前記硫酸ナトリウムを晶
出する工程とを備えることを特徴とする構成に係る。
【0008】本発明に係る方法の一の実施の形態によれ
ば、この方法は、硫酸ナトリウムを含む溶液の前記温度
を約−10℃乃至10℃に下げる工程を含む。
【0009】本発明に係る方法の別の実施の形態によれ
ば、硫酸ナトリウムを含む溶液は組み合わせ工程の直接
生成物からなる。別の実施の形態においては、硫酸ナト
リウムを含む溶液は組み合わせ工程の間接生成物からな
る。
【0010】本発明に係る方法の好ましい実施の形態に
よれば、次亜燐酸ナトリウムを硫酸ニッケルと組み合わ
せて硫酸ナトリウムと次亜燐酸ニッケルとをつくる工程
と、硫酸ナトリウムを含む溶液の温度を下げて硫酸ナト
リウムを晶出する工程とを備えることを特徴とする次亜
燐酸ニッケルの製造方法が提供されている。
【0011】本発明のこの方法の一の実施の形態によれ
ば、この方法は、次亜燐酸ニッケルを硫酸ナトリウムか
ら分離して硫酸ナトリウムを含む廃棄物流を提供する工
程を備え、廃棄物流は硫酸ナトリウムを含む溶液からな
り、更にこの廃棄物流の温度を下げて、硫酸ナトリウム
を晶出するとともにニッケル、ナトリウム及び次亜燐酸
のイオンを含むろ液流を提供する工程を備える。好まし
くは、この方法は、結晶化工程で得られたろ液流をリサ
イクルする工程と、ニッケル、ナトリウム及び次亜燐酸
のイオンを組み合わせ工程に含ませる工程を更に備え
る。
【0012】本発明のこの方法の別の実施の形態によれ
ば、晶出した硫酸ナトリウムを水に溶解し、溶解した硫
酸ナトリウムにアルカリ金属水酸化物を加えて硫酸ナト
リウムのpHを約8乃至10に上げることにより水酸化
ニッケルを沈降させ、水酸化ニッケルを硫酸イオンを含
む酸に溶解して硫酸ニッケルを提供し、硫酸ニッケルを
組み合わせ工程にリサイクルすることにより、硫酸塩結
晶に存在する可能性のある少量のニッケルが回収され
る。好ましくは、酸は硫酸からなる。
【0013】本発明に係る方法の別の実施の形態によれ
ば、次亜燐酸アンモニウムの製造方法が提供されてい
る。この方法は、次亜燐酸ナトリウムを硫酸アンモニウ
ムと組み合わせて硫酸ナトリウムと次亜燐酸アンモニウ
ムとをつくる工程と、硫酸ナトリウムを含む溶液の温度
を下げて硫酸ナトリウムを晶出することにより、アンモ
ニウム及び次亜燐酸のイオンを含むろ液流を提供する工
程とを備える。
【0014】本発明のこの方法の一の実施の形態によれ
ば、硫酸ナトリウムを含む溶液は組み合わせ工程の直接
生成物からなる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、ニッケルまたはアンモ
ニウム塩のようなカチオン塩(cationic salt)の濃厚溶
液を次亜燐酸ナトリウムの濃厚溶液と混合することによ
り次亜燐酸ニッケル及びアンモニウムのようなカチオン
次亜燐酸化合物を製造する先行技術の方法を改良しよう
とする試みからなされたものである。先行技術において
は、かかる系が硫酸ニッケルのようなニッケル塩の潜在
的な使用を提案している場合でも、これらの系はいずれ
も、硝酸ナトリウム及び硫酸ナトリウムのような塩をニ
ッケルまたはアンモニウムと次亜燐酸のイオンとともに
含む廃棄物の流れを形成するので、潜在的な環境問題を
引き起こすとともに、これらの系を経済的な観点から実
施不能としかつ経済的な観点から許容することができな
いものとしている。しかしながら、本発明によれば、形
成される廃棄物の流れは再使用することができるので、
環境を破壊する、許容することができない溶液を含む廃
棄物流の発生をなくすとともに、次亜燐酸ニッケルの場
合には、ニッケルと次亜燐酸の双方のイオンを取り出し
て再使用することができる。
【0016】かくして、本発明の方法は、ニッケルまた
はアンモニウム硫酸塩の特定の濃厚溶液と次亜燐酸ナト
リウムの濃厚溶液をもって開始するものであり、硫酸塩
は本発明方法において有用であるように特に選定されて
いる。即ち、本発明の方法においては、硫酸ニッケルま
たはアンモニウムが使用される。これらの塩により、次
亜燐酸ニッケルまたはアンモニウムが得られ、しかも硫
酸ナトリウムとともに所望の次亜燐酸ニッケル及びアン
モニウムが無電解めっき処理において使用することがで
きる状態で得られる。かくして、硫酸ナトリウムは、次
亜燐酸アンモニウム製造の場合には直接得られ、あるい
は次亜燐酸ニッケルの製造の場合には結晶化即ち晶出後
に生ずるろ液または廃棄物の流れの中において得られ
る。従って、本発明の方法は、無電解めっき処理におい
て使用されるべき次亜燐酸ニッケルまたはアンモニウム
の形成に関して特に使用されるものである。かくして、
この方法により得られる最終次亜燐酸化合物中に不純物
が含まれる場合には、不純物は化合物が使用されるべき
無電解めっき溶液を害するものであってはならない。硫
酸ニッケルまたはアンモニウム塩を利用することによ
り、硫酸ナトリウムが得られる。かくして、硫酸ナトリ
ウムの形成は、本発明の重要な要素である。即ち、硫酸
ナトリウムは、例えば0℃のときには、30℃のときと
比べて、水に対する溶解度が何倍も低くなる化合物であ
る。従って、硫酸ナトリウムを晶出させるのに必要とさ
れるのは、この硫酸塩を晶出させるのに充分な程度まで
温度を下げることだけである。実際に、硫酸ナトリウム
は、0℃の溶解度が約11g/100ccであるのに対
し、30℃では約92.7g/100ccである。30
℃の溶解度と比べて0℃では8倍以上も溶解度が低いと
いうことは、本発明の方法において重要な要素となって
いる。これは、硫酸リチウムまたはカリウムのようなア
ルカリ金属硫酸塩と比較した場合にも当てはまる。
【0017】更にまた、本発明に従って得られる次亜燐
酸ニッケル及びアンモニウム化合物は、不純物として少
量の硫酸イオンを必然的に含む。しかしながら、本発明
の生成物は無電解めっき処理において使用することを目
的とするので、少量の硫酸イオンが存在しても、得られ
る無電解めっき溶液を害するものではなく、従って、か
かるめっき処理に充分に許容される。
【0018】硫酸ニッケルまたはアンモニウムの濃厚溶
液は、約200g/l乃至1200g/lの硫酸塩、好
ましくは約500g/l乃至1200g/lの硫酸塩、
最も好ましくは約600g/l乃至1200g/lの硫
酸塩の溶液であるのが好ましい。これに対し、次亜燐酸
ナトリウムの濃厚溶液は一般に、約250g/l乃至1
000g/lの次亜燐酸ナトリウム、好ましくは約50
0g/l乃至1000g/lの次亜燐酸ナトリウム、最
も好ましくは約700g/l乃至1000g/lの次亜
燐酸ナトリウムを含む。硫酸ニッケルまたはアンモニウ
ムの濃度は、より多量の次亜燐酸ニッケルまたはアンモ
ニウムが得られるように、できるだけ高いことが好まし
い。次亜燐酸ナトリムの濃度は、多量の次亜燐酸イオン
を溶液に加えることができるように、できるだけ高いこ
とが同様に望ましい。
【0019】本発明の各実施の形態においては、硫酸ナ
トリウムの濃厚溶液を含む溶液を得る。一の実施の形態
においては、次亜燐酸アンモニウムの製造の場合には、
硫酸ナトリウム溶液は、次亜燐酸ナトリウムをアンモニ
ウムカチオンの硫酸塩と接触させることにより直接得ら
れる。一方、次亜燐酸ニッケルの製造の場合には、次亜
燐酸ニッケルは、硫酸ナトリウムを含む廃棄物流を得る
ために最初の結合即ち組み合わせ工程により得られる次
亜燐酸ニッケル化合物を含む溶液から最初に分離され
る。本発明により次に処理されるのは、硫酸ナトリウム
のこの濃厚溶液である。しかしながら、いずれの場合に
も、最初の結合即ち組み合わせ工程の直接の結果物とし
て得られる硫酸ナトリウム流または次亜燐酸ニッケルの
分離後に得られるろ液流の温度は、約10℃乃至−10
℃の温度まで下げて、溶液からアルカリ金属硫酸塩を晶
出する。
【0020】硫酸ナトリウムの場合には、硫酸ナトリウ
ムは上記したように溶液を冷却することにより溶液から
容易に分離されるので、極めて簡単で著しく経済的な工
程が提供される。かくして、温度を充分に下げることに
より、即ち、温度が下がるにつれて、晶出量が多くな
り、硫酸ナトリウムの不純物は溶液から容易に晶出して
集められる。
【0021】次亜燐酸アンモニウムを得る本発明のこの
実施の形態においては、次亜燐酸ナトリウムを硫酸アン
モニウムと組み合わせることにより、硫酸ナトリウムと
次亜燐酸アンモニウムの溶液が得られるが、この溶液で
は硫酸アンモニウムが溶解度が最も低い物質となる。従
って、上記したように温度を下げることにより、硫酸ナ
トリウムを溶液から直ちに晶出することができるのがこ
の実施の形態なのである。従って、これらの硫酸ナトリ
ウム結晶のろ過後は、ろ液は、少量の硫酸ナトリウムで
ごくわずかに汚染された所望の最終次亜燐酸アンモニウ
ムを含むことになる。この量は、無視し得るものであ
り、無電解めっき浴における次亜燐酸アンモニウムの意
図する使用を妨げるものではない。硫酸ナトリウム結晶
自体は、無視し得るだけの量のアンモニウム及び次亜燐
酸イオンを含むが、これらのイオンは非毒性であり、従
って、廃棄物の流れとして廃棄することができる。
【0022】一方、次亜燐酸ニッケルを製造する本発明
の実施の形態においては、次亜燐酸ナトリウムと硫酸ニ
ッケルと組み合わせると、次亜燐酸ニッケルと硫酸ナト
リウムの溶液が得られ、この溶液では次亜燐酸ニッケル
が最も溶解度の低い物質となる。この場合には、次亜燐
酸ニッケルの結晶の最初の分離は、混合物を周囲の温度
よりも低い温度まで冷却することにより行うことができ
る。しかしながら、存在する硫酸ナトリウムのような不
純物の存在を最小にするために、周囲温度または室温を
使用するのが最も好ましい。即ち、この場合には、次亜
燐酸ニッケルは、この方法において得られる混合物にお
いて最もかつ極めて溶解度の低い塩であるので、溶液か
ら容易に晶出させることができ、温度を低下させると、
この処理を促進させる可能性があるが、硫酸ナトリウム
のような、より溶解度の高い化合物の晶出を招く可能性
もある。いずれにしても、これらの結晶は次のろ過によ
り分離することができる。かかるろ過自体は、従来の態
様で行うことができ、この方法全体の主たる目的物であ
る、回収された次亜燐酸ニッケルを取り出して、無電解
ニッケルめっき処理などにおいて利用することができ
る。
【0023】この場合における次亜燐酸ニッケル化合物
のろ過により、硫酸ナトリウムの濃厚溶液を含むろ液が
得られる。このろ液はまた、ある程度の量のニッケルと
次亜燐酸のイオンも含む。本発明に従って次に再使用さ
れかつ取り出されるのは、硫酸ナトリウム溶液のこの流
れである。かくして、このろ液流の温度は、上記したよ
うに、約10℃乃至−10℃の温度まで冷却され、溶液
から硫酸ナトリウムを晶出させる。
【0024】この晶出工程において得られるろ液は、更
なるカチオン及び次亜燐酸イオンとともに、少量の硫酸
ナトリウムを含む。この溶液は主として、ナトリウム及
び次亜燐酸のイオンを少量のニッケルイオンとともに含
み、硫酸イオンは、元の次亜燐酸ナトリウムと硫酸ニッ
ケルとの接触工程に戻してリサイクルすることができ
る。次に、追加の硫酸ニッケルと追加の次亜燐酸ナトリ
ムとをリサイクル流と組み合わせ、処理を繰り返すこと
ができる。
【0025】溶液から硫酸ナトリウムを晶出させる結晶
化工程に戻ると、次亜燐酸ニッケル製造の際に得られる
ろ液流の場合には、結晶自体は、不純物として少量のニ
ッケルカチオンを含む。従って、これらの結晶は廃棄物
流として容易には廃棄することができない。かくして、
バッチ式処理の場合には、これらの結晶は多数のバッチ
操作の後に集めて水に別個に溶解させることができる。
これらの結晶に含まれるニッケル不純物を取り出して再
使用するために、かくして得られた溶液は次に以下のよ
うにして処理される。先づ、この溶液のpHを約8乃至
10に高める。これは、水酸化ニッケルを晶出し、次い
でろ過により取り除くことができるようにするために、
水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物を添加
することにより行うのが好ましい。沈降する水酸化ニッ
ケル化合物は次に、硫酸のような硫酸イオンの希釈酸に
溶解して硫酸ニッケルを得て、これを最初の結合即ち組
み合わせ工程に再循環のために戻す。かくして、更なる
使用のために再循環される物質を除いたこの処理全体か
らの残留物だけが、非毒性でありかつ非汚染物質である
硫酸ナトリウムの希釈流となる。
【0026】この場合にも、本発明の方法に従って製造
される次亜燐酸ニッケルまたはアンモニウムは、比較的
純粋であるが、少量の硫酸ナトリウムを少量の次亜燐酸
ナトリウムとともに不純物として含む。しかしながら、
これらの物質は、例えば無電解めっき溶液におけるかか
る次亜燐酸化合物の意図する使用を妨げるものではな
い。
【0027】かくして、次亜燐酸アンモニウムは、本発
明に従って図1に示すようにして製造することができ
る。この場合には、次亜燐酸ナトリウムの濃厚溶液はラ
イン18を介して反応器1に供給され、硫酸アンモニウ
ムの濃厚溶液はライン20を介して反応器1に供給され
る。反応器1はこのようにバッチ式の反応器であり、約
−10℃乃至10℃の温度に保持される。濃縮された次
亜燐酸ナトリウムと硫酸アンモニウムの混合物は、硫酸
ナトリウムと次亜燐酸アンモニウムを形成する。この溶
液においては、硫酸ナトリウムは次亜燐酸アンモニウム
よりも溶解度が低いので、硫酸ナトリウムを反応器1に
おいてこの溶液から晶出させることができる。かくし
て、硫酸ナトリウムはこの溶液から晶出し、ライン2を
介してフィルタ4へ導かれ、ろ過処理される。フィルタ
のケーキはライン12を介して取り出され、ここで、空
気乾燥即ち風乾しあるいは廃棄物流として処理すること
ができる。図1に示すようにこの方法に従って製造され
る次亜燐酸アンモニウムは、ろ液としてライン14を介
して取り出される。かくして、これには、ある程度の硫
酸ナトリウムが含まれるが、この量は以下において説明
するように無電解めっき処理において直接使用すること
ができる程度のものである。
【0028】次に、図2について説明すると、次亜燐酸
ニッケルを本発明に従って製造することができる。かく
して、次亜燐酸ナトリウムの濃厚溶液がライン23を介
して反応器1に供給され、硫酸ニッケルの濃厚溶液がラ
イン21を介して反応器1に供給される。かくして、反
応器1は、室温に保持されるバッチ式反応器である。反
応器1のpHは約1乃至3に保持される。かくして、濃
縮された次亜燐酸ナトリウムと硫酸ニッケルの混合物
は、ライン3において次亜燐酸ニッケル化合物含有溶液
を形成する。次に、次亜燐酸ニッケルが周囲温度のこの
溶液から晶出され、フィルタ5においてろ過処理され
る。フィルタのケーキは空気乾燥するのが好ましく、そ
のためにライン7を介して取り出される。このようにし
て、この方法の生成物、即ち、次亜燐酸ニッケル自体
は、無電解めっき溶液などにおいて使用するためにライ
ン7を介して取り出される。この結晶化工程において得
られるろ液はライン9を介して反応器11に給送され、
ここでろ液は開放容器内で処理され、pHの制御を行う
ことなく−10℃乃至10℃の温度に冷却される。かく
して、硫酸ナトリウムはろ液流から晶出し、ライン13
を介してフィルタ15に供給され、ろ過処理に供され
る。フィルタのケーキはライン17を介して取り出さ
れ、空気乾燥に供され、以下に説明するようにして使用
することができる。フィルタ15において得られるろ液
流は、次亜燐酸ナトリウムとともに、少量のニッケル及
び硫酸のイオンを含み、反応器1におけるはじめの接触
工程へライン19を介して戻されてリサイクルされる。
この時点で、上記したほかに、ライン17を介して取り
出された硫酸ナトリウムの結晶を水に溶解することがで
き、pHをアルカリ金属の水酸化物を加えて約8乃至1
0に調整し、水酸化ニッケルを沈降させることができ
る。次に、この水酸化ニッケルをろ過処理して集め、硫
酸イオンを含む稀酸に溶解し、硫酸イオンのカチオン塩
のリサイクルのために反応器1における最初の工程に戻
される。ここで得られたろ液は、主として硫酸ナトリウ
ムの希釈流からなるが、廃棄することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上のように、次亜燐酸ナト
リウムを硫酸ニッケルまたはアンモニウムと組み合わせ
て硫酸ナトリウムと次亜燐酸ニッケルまたはアンモニウ
ムを形成し、次いで、この硫酸ナトリウムを含む溶液の
温度を下げて硫酸ナトリウムを晶出するように構成され
ているので、環境汚染を引き起こすことがなく、しかも
経済性を高めることができる。
【0030】以下、本発明を、実施例により更に説明す
る。
【0031】実施例I 次亜燐酸ニッケルを、本発明の方法に従って一連の操作
を実施することにより得た。この一連の操作において
は、700g/lの次亜燐酸ナトリウムの濃厚溶液を、
600g/lの硫酸ニッケル水和物の濃厚溶液と、ほぼ
室温の全容積が1350mlのバッチにおいて最初に接
触させた。pHは1乃至3であった。次に、次亜燐酸ニ
ッケル生成物を周囲温度で晶出させ、フィルタケーキを
空気乾燥即ち風乾させた。この結晶化工程で得られたろ
液は、開放容器において別々に処理され、pH制御を行
うことなく0℃乃至5℃の温度に冷却した。かくして晶
出した硫酸ナトリウムをろ過処理し、次亜燐酸ナトリウ
ムをリサイクルするための、少量の硫酸ニッケルイオン
を含むろ液流を得た。この流れを最初の接触工程に戻し
てリサイクルに供した。次に、結晶を水に溶解し、pH
を水酸化ナトリウムで8乃至10に調整し、水酸化ニッ
ケルを沈降させた。次に、水酸化ニッケルをろ過処理し
て集め、稀硫酸に溶解し、次亜燐酸ナトリウム及び硫酸
ニッケルとともに最初の組み合わせ工程に戻してリサイ
クルに供した。この処理の操作を別個に5回行って得ら
れた結果を、各成分の量から表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】本発明を特定の実施の形態について説明し
たが、これらの実施の形態は、本発明を単に例示するも
のである。従って、数多くの修正を例示した実施の形態
に関して行うことができるとともに、特許請求の範囲に
記載の本発明の精神と範囲とから逸脱することなく他の
構成をとることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法の一の実施の形態を示す概略
図である。
【図2】本発明に係る方法の別の実施の形態を示す概略
図である。
【符号の説明】
1 反応器 2 ライン 3 ライン 4 フィルタ 5 フィルタ 7 ライン 9 ライン 11 反応器 12 ライン 13 ライン 14 ライン 15 フィルタ 17 ライン 18 ライン 19 ライン 20 ライン 21 ライン 23 ライン
フロントページの続き (72)発明者 ジェイソン・ディー.・ホロウィッツ アメリカ合衆国11557ニューヨーク州ヒ ューレット,イー.・ロッカウェイ・ロ ード・28 審査官 大工原 大二 (56)参考文献 特開 平9−2810(JP,A) 特開 平9−2809(JP,A) 特表 平11−513350(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 25/165 C23C 18/52 C01D 5/00 CA(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次亜燐酸ナトリウムを硫酸ニッケルと組み
    合わせて硫酸ナトリウム及び次亜燐酸ニッケルをつくる
    工程と、前記次亜燐酸ニッケルを前記硫酸ナトリウムか
    ら分離して前記硫酸ナトリウムを含む廃棄物流を提供す
    る工程と、前記硫酸ナトリウムを含む廃棄物流の温度を
    下げて前記硫酸ナトリウムを晶出してニッケル、ナトリ
    ウム及び次亜燐酸のイオンを含むろ液流を提供する工程
    とを備えることを特徴とするカチオン次亜燐酸塩化合物
    の製造方法。
  2. 【請求項2】前記硫酸ナトリウムを含む前記廃棄物流の
    溶液は前記組み合わせ工程の間接生成物からなることを
    特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記次亜燐酸ニッケルを前記硫酸ナトリウ
    ムから分離する前記工程はほぼ室温で行われることを特
    徴とする請求項に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記硫酸ナトリウムを晶出する前記工程は
    ニッケル及び次亜燐酸のイオンを含むろ液流を提供する
    ものであり、かつ、前記ろ液流を前記組み合わせ工程に
    リサイクルする工程を含むことを特徴とする請求項
    記載の方法。
  5. 【請求項5】前記晶出した硫酸ナトリウムを水に溶解す
    る工程と、溶解した硫酸ナトリウムにアルカリ金属水酸
    化物を加えて前記晶出した硫酸ナトリウムのpHを約8
    乃至10に上げることにより水酸化ニッケルを沈降させ
    る工程と、前記水酸化ニッケルを硫酸イオンを含む酸に
    溶解して前記硫酸ニッケルを提供する工程と、前記硫酸
    ニッケルを前記組み合わせ工程にリサイクルする工程と
    を更に備えることを特徴とする請求項に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記酸は硫酸からなることを特徴とする請
    求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】次亜燐酸ナトリウムを硫酸アンモニウムと
    組み合わせて硫酸ナトリウムと次亜燐酸アンモニウムと
    をつくる工程と、前記硫酸ナトリウムを含む溶液の温度
    を下げて前記硫酸ナトリウムを晶出する工程とを備える
    ことを特徴とするカチオン次亜燐酸塩化合物の製造方
    法。
  8. 【請求項8】前記硫酸ナトリウムを晶出する前記工程は
    アンモニウム及び次亜燐酸のイオンを含むろ液流を提供
    することを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記硫酸ナトリムを含む前記溶液は前記組
    み合わせ工程の直接生成物であることを特徴とする請求
    項7に記載の方法。
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