JPH059617A - モリブデン酸化物中のタングステンの除去方法 - Google Patents

モリブデン酸化物中のタングステンの除去方法

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JPH059617A
JPH059617A JP18946491A JP18946491A JPH059617A JP H059617 A JPH059617 A JP H059617A JP 18946491 A JP18946491 A JP 18946491A JP 18946491 A JP18946491 A JP 18946491A JP H059617 A JPH059617 A JP H059617A
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JP
Japan
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molybdenum oxide
ammonium molybdate
moo
removing tungsten
tungsten
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP18946491A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Tsuchiya
満 土屋
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Tokyo Tungsten Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Tungsten Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 MoO3 中のWが容易に除去でき,W以外の
不純物元素も同時又は連続工程内で容易に除去できるモ
リブデン酸化物中からのタングステンの除去方法を提供
することにある。 【構成】 処理前のpH値は,6.5〜7.5の範囲内
にあるWを含有するモリブデン酸アンモニウム溶液を鉱
酸を用いて酸性となるようにpH2.5〜4.5の範囲
内で,溶液温度が50℃以下であるように調整し,モリ
ブデン酸アンモニウムの結晶を優先的に析出させ,モリ
ブデン酸化物中のWの分離を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,高純度モリブデン粉末
(以下,Mo粉と呼ぶ)を精製する方法に関し,詳しく
は,IC用のMoSixスパッタリングターゲット用の
原料あるいはMoスパッタリングターゲット用の原料と
して用いられる高純度Mo粉に精製するためのモリブデ
ン酸化物中からのタングステンの除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,高純度Mo粉は,IC用のMoS
ixスパッタリングターゲット用の原料やMoスパッタ
リングターゲット用の原料として用いられており,より
高純であることが要求されている。表1は従来の市販品
のMo粉または三酸化モリブデン(MoO3 )原料粉末
の純度を示している。
【0003】
【表1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし,前述の表1に
示したように,市販の高純度Mo粉を見てみると,タン
グステン(W)を除く不純物の合計が10ppm 以下であ
るようなものでも,Wは100〜200ppm 含有されて
いる。また,高純度Mo粉の原料となる市販のMoO3
中(純度99.95%以上)のW含有量を調査すると1
00〜200ppm 位でありWを除く他の元素は,精製さ
れているが,Wは除去されていないことがわかる。この
モリブデン原料粉中のWの除去は非常に難しく,実験室
ベースでは除去する方法はあるが,商業ベースではない
と言っも過言ではない。そこで,本発明の技術的課題
は,MoO3 中のWが容易に除去でき,W以外の不純物
元素も同時又は連続工程内で容易に除去できるモリブデ
ン酸化物中からのタングステンの除去方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,Wを含
有するモリブデン酸アンモニウム溶液を鉱酸を用いて酸
性となるようにpH調整し,モリブデン酸アンモニウム
の結晶を優先的に析出させ,モリブデン酸化物中のWの
分離を行うことを特徴とするモリブデン酸化物中のタン
グステンの除去方法が得られる。本発明によれば,前記
pH調整値は,2.5〜4.5の範囲内であることを特
徴とするモリブデン酸化物中のタングステンの除去方法
が得られる。本発明によれば,前記モリブデン酸アンモ
ニウム溶液の処理前のpH値は,6.5〜7.5の範囲
内にあり,当該モリブデン酸アンモニウム溶液中のMo
3 濃度は200〜350g/リットルであることを特
徴とするモリブデン酸化物中のタングステンの除去方法
が得られる。本発明によれば,前記pH調整時の溶液温
度は,50℃以下であることを特徴とするモリブデン酸
化物中のタングステンの除去方法が得られる。本発明に
おいて,pH調整値を2.5〜4.5の範囲内であると
限定した理由は,pHが2.5より酸性側においては,
得られるモリブデン酸アンモニウム結晶中のW含有量が
多くなるからであり,pHが4.5よりアルカリ性側に
おいては,MoO3 の回収率が悪くなるからである。ま
た,本発明において,処理前のモリブデン酸アンモニウ
ム溶液中のMoO3 は200〜350g/リットルと限
定したのは,これ以外の範囲であると低濃度側では,M
oO3 の回収率が著しく低下し,それに伴い,W濃度が
高くなり,また,高濃度側ではMoO3 の回収率は良く
なるが,濃度が高いためにWが共沈してW濃度が高くな
る。そのため,MoO3 濃度200〜350g/リット
ルが最も効率的な分離ができるからである。更に,本発
明において,pH調整時の溶液温度は,50℃以下と限
定したのは,モリブデン酸アンモニウム結晶は,水に対
する溶解度が非常に高く濃度が高くなる程,溶解度が高
くなり,そのためMoO3 の回収率も悪くなり,それに
つれWの含有量も多くなるためである。
【0006】
【作用】本発明においては,Wを含有するMoO3 をア
ンモニア水で溶解し,得られたモリブデン酸アンモニウ
ム溶液のpHを鉱酸で調整し,MoとWの両者のアンモ
ニウム塩の析出を調整することにより,モリブデン酸ア
ンモニウム結晶を優先的に精製沈殿させ,MoとWとを
容易に分離する。
【0007】
【実施例】以下,本発明の実施例について,説明する。 (実施例1)190ppm のWを含有するMoO3 250
gを0.5当量のアンモニア水で溶解し,不溶解物を濾
過した後,純水で1リットルに調整し,MoO3 250
g/リットルの溶液とし,常温で3N−HClを添加
し,pHを調整し,モリブデン酸アンモニウムの沈殿を
生成させた。得られたモリブデン酸アンモニウム中のW
含有量とMoO3 回収率とを調べた結果を表2に示す。
【0008】
【表2】
【0009】表2に示すように,pHを低くすれば,M
oO3 の回収率は高くなるが,同時にWも沈殿するの
で,W含有量が上昇する。したがって,pHの値は,
2.5〜4.5の範囲内が好ましい。
【0010】(実施例2)190ppm のWを含有するM
oO3 250gを0.5当量のアンモニア水で溶解し,
不溶解物を濾過後,純水を添加し,MoO3 濃度を10
0g/リットル,250g/リットル,350g/リッ
トル,500g/リットルに調整し,常温で3N−HC
lを添加し,pHを2.7に調整し,モリブデン酸アン
モニウムの沈殿を生成させた。得られた沈殿物からのモ
リブデン酸アンモニウム中のW含有量とMoO3 回収率
とを調べた結果を表3に示す。
【0011】
【表3】
【0012】表3で示すように,MoO3 の250〜3
50g/リットルの範囲内の溶液が,W含有量において
少なく,MoO3 回収率において,多いことが判明し
た。(実施例3)190ppm のWを含有するMoO3
50gを0.5当量のアンモニア水で溶解し,不溶解物
を濾過後,純水を添加し,MoO3 濃度を250g/リ
ットルに調整し,pH調整時の温度で常温,60℃,8
0℃で夫々行い,pHを2.7に調整し,モリブデン酸
アンモニウムの沈殿を生成させた。得られたモリブデン
酸アンモニウム中のW含有量とMoO3 回収率を調べた
結果を表4に示す。
【0013】
【表4】
【0014】表4に示すように,高温になると水に対す
るMoO3 の溶解度が上昇し,回収率が低下するととも
に,W含有量も高くなる。尚,表4中で常温のものは,
pH調整後は,反応熱で45℃になっていた。したがっ
て,pH調整時の溶液の温度は,50℃以下であること
が好ましいことが判明した。
【0015】(実施例4)190ppm のWを含有するM
oO3 350gを0.5当量のアンモニア水で溶解し,
不溶解物を濾過後,純水を添加し,MoO3 濃度を35
0g/リットルに調整し,3N−HClでpHを3.8
に調整し,モリブデン酸アンモニウムを沈殿させ,濾別
し,その沈殿を0.5当量のアンモニアで溶解後,Mo
3 濃度を350g/リットルに調整し,3N−HCl
でpHを3.8に調整し,再度モリブデン酸アンモニウ
ムを沈殿させ精製した。この方法を繰り返すことによ
り,W含有量が10ppm 以下になり,他の不純物も除去
できた。また,含有量が10ppm 以下になったモリブデ
ン酸アンモニウムをHClによって分解し,H2 MoO
4 にし,それを濾過,乾燥することにより高純度のMo
3 が得られた。その結果を表5及び表6に示す。
【0016】
【表5】
【0017】
【表6】
【0018】
【発明の効果】以上,説明したように,市販の高純度M
o粉でもWを除く他の元素の合計は10ppm 以下であっ
てもWは100〜200ppm 含有していたが,本発明に
よれば,分離が困難であったMo中のWが容易に除去で
きるようになり,又MoO3 の回収率が高く,したがっ
て高純度なMoO3 が得られる。本発明によれば,Mo
中のWを除く処理方法で,その他の除去しにくい元素も
除去できるので効率的に精製が行うことができるので,
工業化が容易である。本発明によれば,同時または連続
工程でW及び他の不純物を除去できるので,MoO3
品質を向上させるとともに製造コストを低減することが
できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Wを含有するモリブデン酸アンモニウム
    溶液を鉱酸を用いて酸性となるようにpH調整し,モリ
    ブデン酸アンモニウムの結晶を優先的に析出させ,モリ
    ブデン酸化物中のWの分離を行うことを特徴とするモリ
    ブデン酸化物中のタングステンの除去方法。
  2. 【請求項2】 請求項1のモリブデン酸化物中のタング
    ステンの除去方法において,前記pH調整値は,2.5
    〜4.5の範囲内であることを特徴とするモリブデン酸
    化物中のタングステンの除去方法。
  3. 【請求項3】 請求項1のモリブデン酸化物中の酸化物
    の除去方法において,前記モリブデン酸アンモニウム溶
    液の処理前のpH値は,6.5〜7.5の範囲内にあ
    り,当該モリブデン酸アンモニウム溶液中のMoO3
    度は200〜350g/リットルであることを特徴とす
    るモリブデン酸化物中のタングステンの除去方法。
  4. 【請求項4】 請求項1のモリブデン酸化物中のタング
    ステンの除去方法において,前記pH調整時の溶液温度
    は,50℃以下であることを特徴とするモリブデン酸化
    物中のタングステンの除去方法。
JP18946491A 1991-07-04 1991-07-04 モリブデン酸化物中のタングステンの除去方法 Withdrawn JPH059617A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007073574A1 (de) * 2005-12-28 2007-07-05 Wojnar, Henrik Verfahren zur molybdän-aufreinigung
CN101880780A (zh) * 2010-06-04 2010-11-10 中南大学 一种钨钼酸盐混合溶液分离提取钨钼的方法
CN102041390A (zh) * 2010-11-19 2011-05-04 江西稀有金属钨业控股集团有限公司 一种从除钼渣中回收钨的方法
JP2020051916A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 末松 久幸 放射性同位元素Mo−99の製造方法とターゲット材料

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