JP3333760B2 - 建築板及びその施工構造 - Google Patents

建築板及びその施工構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建物の壁面などを化
粧するために用いられる建築板、及びその施工構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】天然石板や窯業板などの建築板を建物の
壁面などに留め付ける工法として、従来から、埋め込み
モルタルや接着剤などで躯体側に固定的に取り付けるい
わゆる湿式工法と、ビス留めあるいは留め付け金具を用
いて係止していくいわゆる乾式工法が知られている。湿
式工法は留め付けが安定する反面、モルタルや接着剤の
硬化時間が長く、工事日数が長くなる場合が多い。一
方、乾式工法は施工は比較的簡単であり工期も短い利点
があるが、ビス留めの場合には、ビスの頭を目隠しする
ことが必要となり、また、留め付け金具を用いる場合に
は、その受け部に建築板を乗せた状態で留め付けるため
に、建築板を乗せる工程と留め付け金具を留め付ける工
程の2工程の作業が必要となる。
【0003】より改良された留め付け金具として、図1
0に示す形態のものが用いられている。この留め付け金
具50は、係止部51として上方に傾斜したフック片5
2と下方に傾斜したフック片53とを有しており、既に
取り付けられた下位の建築板60Aの雄実部61Aの先
端に前記下方に傾斜したフック片53を係止した状態
で、留め付け金具50をビスや釘55により建物躯体5
6に固定し、その後で、上位の建築板60Bの下辺に形
成した凹溝(雌実部)61Bを前記上方に傾斜したフッ
ク片52に係止することにより、上下の建築板60A、
60Bを留め付けている。
【0004】近年、建築板の種類も多様化しており、例
えば、図11に示すような比較的小形で厚みが厚く(例
えば、35×220×455mm程度のもの)、かつ、
天然石の石積み感を表出させるような造形性の高い建築
板60が市場に出るようになってきている。そのような
建築板の製法としては、押し出し成形法や鋳型内への流
し込み成形法などが用いられるが、特に、鋳型内への流
し込み成形法によれば、彫りの深い表面凹凸模様が形成
できるため、極めて造形性の高い外壁材を製造すること
ができる。従来、このような建築板の下地材への留め付
けは、長尺状の建築板の場合と同様、通常、図10に示
したような留め付け金具を用いて行っている。そのため
に、建築板の少なくとも上辺部と下辺部には、留め付け
金具の前記上方に傾斜したフック片52及び下方に傾斜
したフック片53とが係合するための切り込み溝63が
形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に窯業系小形建築板の留め付け施工に当たっては、1枚
の建築板の大きさが比較的小形であるために、建物の壁
面全体をカバーしようとすれば、建築板の使用個数が必
然的に多くなる。そして、留め付け施工に際しては、前
記のように、一つ一つの建築板に形成された前記切り込
み溝63に前記留め付け金具の上方及び下方に傾斜した
フック片52、53を差し込む作業、建物の下地材に留
め付け金具を留め付けていく作業の二段階の作業が必要
とされるとともに、建築板自体は小形とはいうものの、
質感を出すために厚物となっており、重量的には結構重
たいものであることが加わって、留め付けの作業能率
は、高いものとはなっていない。
【0006】それとは別に、このような厚みがありかつ
造形性に富んだ建築板は、上下方向に多段に配置したと
きに、その横目地部分、すなわち上辺部と下辺部との間
にある程度の隙間を残して留め付け、その空間域が見る
ものの視覚に入り込むようにして奥行き感(ボリューム
感)を持たせるように留め付けることが喜ばれる場合が
多い。しかし、上記のような構造の留め付け金具を用い
て留め付ける場合には、そのような間隔を持たせて留め
付けることは困難であり、可能であるとしても、留め付
け金具のフック片及びそのために建築板に形成される切
り込み溝が目に入ることとなり、違和感が生じ高い意匠
性を出すことはできない。
【0007】本発明は、従来の留め付け金具を用いた建
築板の施工方法及び施工構造の持つ上記のような不都合
を解消することを目的としており、より具体的には、下
地材への留め付けを一回の工程で終えることとができ、
それにより、留め付け作業の施工性を大きく改善するこ
とのできる建築板及びその施工構造を得ることにある。
他の目的は、建築板の木口面を積極的に表出することに
より厚物の表現が有効にできるようにし、それにより、
意匠性の高い留め付け構造を容易に得ることのできる建
築板及びその施工構造を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明による建築板は、鋳型を用いて成形された窯
業系の建築板であって、留め付け金具が、その一部を露
出し、その一部を建築板内に埋没した状態で建築板に一
体に固定されており、前記露出部が留め付けプレート部
とされていることを特徴とする。上記構成の建築板で
は、建築板本体と留め付け金具がその製造過程において
既に一体化されており、留め付けの施工現場では、所定
の留め付け位置に当該建築板を置いた後、建築板に一体
に固定された留め付け金具の留め付けプレート部をビス
などで建物の下地材に留め付け施工するのみで、留め付
け作業は終了する。従来のように、建築板の切り込み溝
に留め付け金具を挿嵌していく作業は不要であり、留め
付けの施工性は大きく向上する。
【0009】また、建築板の切り込み溝に留め付け金具
を挿嵌していく作業が不要であることは、そのような切
り込み溝を建築板の木口面(側面)に形成する必要がな
いことを意味し、結果として、当該建築板の木口面を積
極的に表出することを可能とする。それにより、厚物の
表現を効果的に表現した意匠性の高い留め付け構造を容
易に得ることができる。本発明による建築板は、鋳型を
用いて成形される。成形に際して、鋳型に流し込む材料
中に一部が埋没し一部が露出するようにして、鋳型内に
留め付け金具をセットした後に、従来同様の鋳型成形工
程を行うことで、容易に本発明に係る建築板を製造する
ことができる。従って、建築板の製造工程が格別複雑に
なることもない。
【0010】好ましい態様において、建築板は平面視で
ほぼ矩形状であり、対向する2辺からそれぞれ外側に向
けて留め付け金具の前記留め付けプレート部が延出して
いる。このように対向する2辺、例えば、上辺と下辺か
ら留め付けプレート部を対称的に延出させておくことに
より、建築板を上下反転させて留め付け施工することが
可能となり、施工の自由度が大きくなる。ビス留めをす
るのは、建築板の上辺側に延出する留め付けプレートだ
けであってよい。
【0011】より好ましくは、前記対向する2辺から延
出する前記留め付けプレート部は、前記建築板内に埋没
した部分により連続状態とされ、それにより一つの留め
付け金具を構成している。好ましくは、一枚の建築板に
複数個の前記留め付け金具が一体に固定される。このよ
うな形状の留め付け金具を用いることにより、鋳型への
留め付け金具のセッティングは容易となり、建築板の鋳
込み製造は一層簡素化される。また、建物下地材への建
築板の留め付けも安定する。
【0012】好ましい態様において、前記複数個の留め
付け金具は、その埋設した部分を繋ぐ支杆により互いに
連接されている。また、好ましくは、留め付け金具にお
ける前記埋設した部分は一部に波打ちした箇所を有して
いる。また、好ましくは、留め付け金具における前記埋
設した部分は、側方に延びる補助支杆を備えている。こ
のようにすることにより、鋳型内での留め付け金具の位
置を安定させるとともに、成形後の建築板の留め付け時
の荷重に対する留め付け金具の強度を向上かつ安定させ
ることができる。前記支杆や補助支杆は、留め付け金具
の材料と同じ材料で作られていてもよく、別に材料で作
ったものを熔着など適宜の手段により固着したものであ
ってもよい。
【0013】好ましい態様において、建築板の裏面に
は、隣接する建築板の前記留め付けプレート部が入り込
むための凹所が形成される。この様な凹所を設けること
により、隣接する建築板を基準平面に沿った姿勢で、か
つ、所定の位置ずれ(ピッチ)でもって留め付けていく
ことが一層容易となる。好ましい態様において、前記留
め付けプレート部の全部又は一部は、建築板の表面側に
向けた折れ曲がり部を有しており、かつ、建築板の裏面
には、隣接する建築板の前記折れ曲がり部が入り込むた
めの凹溝が形成されている。このようにすることによ
り、隣接する建築板相互の位置決めを一層容易化するこ
とができる。
【0014】なお、本発明に係る建築板は、鋳型を用い
て成形された窯業系の建築板であればよく、形状や大き
さに特に制限はない。しかし、前記したように、比較的
小形の建築板であり、かつ、彫りの深い表面凹凸模様が
形成されるような建築板である場合に、本発明は、特に
有効となる。また、建築板本体の材料も窯業系の材料で
あればよく、特に制限はない。例えば、モルタル、コン
クリートのような材料であってよい。表面模様や塗装材
料なども当然に任意である。本発明は、さらに、上記し
たいずれかの建築板を、前記一体に固定された留め付け
金具の前記留め付けプレート部を利用して、建物の壁面
に留め付け固定したことを特徴とする建築板の留め付け
施工構造をも開示する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の好ましい実施の形態を説明する。図1は、本発明によ
る建築板の一例を示す斜視図であり、図1aは表面から
見た状態を、図1bは裏面から見た状態を示している。
図2は、図1でのII−II線による断面図である。建
築板10は、後に詳述するように、鋳型を用いて成形さ
れた窯業系の建築板であり、限定されるものではない
が、例えば、寸法が35mm×220mm×455mm
程度の平面視で矩形状のものであり、表面及び場合によ
っては側面には、天然石の石積み感を表出させるような
造形性の高い模様11が形成されている。また、建築板
10の裏面側は、軽量化の目的で、凹陥部12とされて
いる。
【0016】建築板10には、留め付け金具20が、そ
の一部を露出し、その一部を建築板10内に埋没した状
態で建築板10に一体に固定されており、前記露出部が
留め付けプレート部21a,21bとされている。すな
わち、この例において、留め付け金具20はステンレス
鋼板などから板金加工されるものであり、建築板10の
裏面で露出し、その上辺部13からさらに上方に延出す
る第1の留め付けプレート部21aと、その下辺部14
からさらに下方に延出する第2の留め付けプレート部2
1bと、前記第1と第2の留め付けプレート部21a,
21bとを接続する概略U字状をなす接続部材22とか
ら形成されている。そして、前記第1と第2の留め付け
プレート部21a,21bの裏面は、建築板10の裏面
と同じ平面をなすようにされており、接続部材22は、
図2に示すように、全体が建築板10の中に埋設されて
いる。そして、前記第1と第2の留め付けプレート部2
1a,21bには留め付けビス用の孔23が形成されて
おり、該孔23の表面側は、図示しない留め付けビスの
頭部が入り込めるように、拡径部24(図2参照)とさ
れている。
【0017】図示の例では、2本の前記留め付け金具2
0が所定の間隔Paをおいて平行に一体に固定されてい
る。すなわち、図7に示すように、この例では、一方の
留め付け金具20aが、建築板10の左辺から、当該建
築板10の横幅Wを8等分した幅P(W/8)だけ右方
に入った位置にその中心線を置くようにして固定されて
おり、他方の留め付け金具20bは、建築板10の右辺
から前記幅Pだけ左方に入った位置にその中心線を置く
ようにして固定されている。従って、2本の前記留め付
け金具20の間隔Paは6×Pである。建築板10の裏
面における上辺域と下辺域には、左辺から3×Pの位
置、及び、5×Pの位置にその中心線を置くようにし
て、計4個の凹所15が形成されており、各凹所15の
深さ及び幅は、留め付け金具20の前記第1と第2の留
め付けプレート部21a,21bが入り込むことのでき
る大きさとされている。
【0018】次に、上記建築板10の製造方法の一例を
説明する。製造には、図3に示すように、鋳型30と凹
陥部形成用蓋材40とが用いられる。鋳型30は、好ま
しくはウレタン系樹脂成形品であり、凹陥部形成用蓋材
40はステンレス、あるいはABS、PVC、PEなど
の硬質樹脂で作られる。鋳型30は、前記建築板10の
外面形状を発現する凹陥状の鋳型面31を有し、かつ、
パーティング面である上辺面32と下辺面33には、前
記した留め付け金具20の第1と第2の留め付けプレー
ト部21a,21bのそれぞれの先端部が入り込む第1
と第2の切り欠き34a,34bが形成されている。こ
の例において、前記第1と第2の切り欠き34a,34
bは、鋳型面31の左方縁35から右方に前記距離Pの
位置を中心位置として、及び、右方縁36から左方に前
記距離Pの位置を中心位置として、左方縁35及び右方
縁36に平行に形成されている。また、鋳型30の上端
縁37から下端縁38間での距離は、留め付け金具20
の長さLとほぼ同じかそれよりも長めとされている。
【0019】凹陥部形成用蓋材40は、前記鋳型30の
鋳型面31側に覆い被せることのできる大きさであり、
成形時に、鋳型30の前記パーティング面に衝接する表
面板41と四周壁42を備える。表面板41の中央域に
は、前記建築板10の凹陥部12と同じ形状をなす概略
矩形状の第1の凹陥部43が形成されている。さらに、
凹陥部形成用蓋材40を鋳型30に被嵌したときに、鋳
型面31の上縁39aと下縁39bに接する上下の仮想
線44a,44b位置における、鋳型面31の左方縁3
5から3×Pの位置、及び、5×Pの位置にその中心線
を置くようにして、かつ、内側に向けて、計4個の方形
状の第2の凹陥部45が形成されており、各第2の凹陥
部45の深さ及び幅は、建築板10の裏面に形成される
前記計4個の凹所15と同じとされる。
【0020】建築板10の製造プロセスを図6を参照し
て説明する。最初に、セメント、砂などの原料がミキシ
ングされ(601)、それがホッパに供給され(60
2)、ホッパから前記鋳型30内に注入される。その際
に、好ましくは鋳型面31の全面に離型剤が塗布され
(604)、さらに、転写顔料が塗布される(60
5)。また、ホッパへの原料の供給に先立ち、鋳型30
の前記パーティング面に形成した第1と第2の切り欠き
34a,34bに前記第1と第2の留め付けプレート部
21a,21bが乗るようにして、2本の留め付け金具
20,20を載置しておく。
【0021】原料の供給後、前記凹陥部形成用蓋材40
を鋳型30に、その表面板41が鋳型30の前記パーテ
ィング面に衝接するまで、押し付けるようにして被嵌す
る。その後、鋳型30に振動を与えて原料の回り込みを
促し(606)、24時間程度その状態で放置して、原
料の硬化を待つ(607)。図4は、その状態での図3
のIV−IV線での断面図であり、図5はV−V線での
断面図である。図4に示すように、留め付け金具20
は、その一部、すなわち、前記第1と第2の留め付けプ
レート部21a,21bの部分を外部に露出し、それ以
外の部分をすべて原料内に埋設した状態で、建築板に一
体に固定される。硬化後、脱型作業が行われ(60
8)、図1〜図3に示した建築板が得られる。得られた
建築板10は好ましくは2週間程度の自然乾燥に付され
(609)、従来どおりのクリアー塗装などの塗装が施
され(610)、製品となる(611)。
【0022】製造された建築板10の建物への留め付け
は、建物躯体側の適宜の支持部材(横胴縁や縦胴縁な
ど)に対して、一体に固定した留め付け金具20の前記
第1留め付けプレート部21a(すなわち、留め付け時
に上方に位置することとなる留め付けプレート部)を、
そこに形成した留め付け孔23を利用して、ビス55な
どにより直接打ち付けることにより行う。図7は、裏面
から見た留め付け状態を示しており(分かりやすさのた
めに、建物躯体側の支持部材などはすべて省略してい
る)、建築板10は、前記のような位置関係で留め付け
金具20と凹所15とを設けたことから、図示のよう
に、1/2づつ横方向にピッチをずらした状態で、容易
に多段に留め付けることができる。
【0023】すなわち、下段水平方向に建築板10・・
を留め付けた後、左右に隣接する2枚の建築板10a、
10bのビス55が打ち込まれた第1の留め付けプレー
ト部21a、21aを上位の建築板10cの下辺に形成
した2つの凹所15,15に挿入し、当該上位の建築板
10cの下辺に延出する第2の留め付けプレート部21
b,21bを下位の建築板10a,10bの上辺に形成
した凹所15,15に挿入することにより、確実に、横
方向の1/2ピッチづれを確立することができ、その状
態で、上位の建築板10cの第1の留め付けプレート部
21a、21aを下地材(支持部材)にビス55により
打ち付け固定する。以下、同じ作業を繰り返せばよい。
【0024】図8は本発明による建築板の他の実施の形
態を示している。図8aのものでは、2本の留め付け金
具20が一本又は複数本(図示のものでは1本)の扁平
な横向き支杆25により一体に連接されている。図8b
のものでは、留め付け金具20の埋没部である前記概略
U字状をなす接続部材22の水平部22aが波打ち状と
されている。また、図8cのものでは、前記概略U字状
をなす接続部材22の水平部22aに複数本の横向きの
補助支杆26・・が一体に取り付けてある。このように
することにより、鋳型30内での留め付け金具20の位
置を安定させるとともに、成形後の建築板10の留め付
け時の荷重に対する留め付け金具20の強度を向上かつ
安定させることができる。なお、前記支杆25や補助支
杆26は、留め付け金具20と同じ材料で作られていて
もよく、別の材料で作ったものを熔着など適宜の手段に
より固着したものであってもよい。
【0025】さらに図示しないが、留め付け金具20の
埋没部にパンチングメタルのように多数のパンチ孔を形
成したもの、波打ち状に代えてあるいはそれに加えてね
じれを加えたもの、アリ溝のような凹溝を形成したもの
なども、留め付け金具20の安定性と保持力の向上のた
めに有効である。また、図示の例では、留め付けプレー
ト部はすべて上下の端部(長手方向の端部)から露出し
ているが、施工現場によっては、左右の端部(短手方向
の端部)から露出させた方が留め付けに都合がよい場合
もあり得る。そのような場合には、当然に左右の端部
(短手方向の端部)から留め付けプレート部を露出させ
たものが用いられる。場合によっては、上下及び左右の
端部の双方から留め付けプレート部を露出させた建築板
が有効に用いられる場合もあり得る。いずれにしろ、本
発明の建築板において、留め付けプレート部の露出方向
や露出位置、及び、その個数は任意であり、制限はな
い。
【0026】図9は本発明による建築板のさらに他の実
施の形態を示している。ここでは、前記2本の留め付け
金具20の下方に位置する前記第2の留め付けプレート
部21bの下端部が、建築板10の表面側に向けた折れ
曲り片21cとされており、一方、当該建築板10の上
辺裏面に形成した凹所15には、上下に建築板10を隣
接して配置したときに、前記第2の留め付けプレート部
21bの下端部の折れ曲り片21cが入り込むことので
きる凹溝16が形成されている。他の構成は、図1に示
したもの同じである。このような構成とすることによ
り、上下に隣接する建築板相互の位置決めを一層容易化
することができる。
【0027】上記の説明は、本発明による建築板及びそ
の施工構造の好ましい実施の形態の説明であって、本発
明は他に多くの変形例が存在する。例えば、留め付け金
具は一つの建築板に2本固定したものを説明したが、建
築板の大きさや取り付け態様によっては、1本であって
よく、3本以上であってもよい。また、留め付け金具2
0と凹所15との個数と位置関係とを、建築板同士が横
方向に1/2ピッチのずれで配列されるものを示した
が、1/3ピッチ、1/4ピッチなど他のピッチがとれ
るように留め付け金具20と凹所15との個数と位置関
係とを定めうることは容易に理解されよう。
【0028】さらに、建物下地材の取付面に裏面が密着
しない状態で建築板10を留め付けることが許される場
合には、留め付け金具20の第1と第2の留め付けプレ
ート部21a,21bを建築板10の裏面と同一平面と
なるように建築板側に埋め込むことは必要なく、同時
に、前記凹所15を設けることも不要である。また、建
築板の対向する2辺からそれぞれ外側に向けて第1と第
2の留め付けプレート部を延出させているのは、建築板
を上下反転して留め付け施工することを可能とし、それ
により、施工の自由度を増すためのものであって、その
必要がない場合には、建築板の上辺側に延出する留め付
けプレートのみを設けるようにしてもよい。上下両方に
留め付けプレート部を延出させる場合であっても、それ
を一つの留め付け金具でもって行うことは必須でなく、
所要の固定強度が得られる場合には、上下それぞれ別部
材でもって、留め付けプレートを形成することもでき
る。
【0029】
【発明の効果】本発明による建築板及び施工構造は、下
地材への留め付けを一回の工程で終えることができ、そ
れにより、留め付け作業の施工性を大きく改善すること
ができる。また、建築板の木口面を積極的に表出するこ
とにより厚物の表現が有効にできるようになり、それに
より、意匠性の高い留め付け構造を容易に得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による建築板の一例を示す斜視図であ
り、図1aは表面から見た状態を、図1bは裏面から見
た状態を示している。
【図2】図1でのII−II線による断面図。
【図3】鋳型を用いての本発明の建築板の製造方法の説
明に供される図。
【図4】図3でのIV−IV線による断面図。
【図5】図3でのV−V線による断面図。
【図6】建築板の製造工程を説明するフロー図。
【図7】本発明による建築板の施工構造の一例を説明す
る背面から見た図。
【図8】本発明による建築板の他の実施の形態を示す
図。
【図9】本発明による建築板のさらに他の実施の形態を
示す図。
【図10】建築板の留め付けに用いる留め付け金具の一
例を説明するのに供される図。
【図11】建築板の一例を示す表面側斜視図。
【符号の説明】
10、10a、10b、10c…建築板、11…表面凹
凸模様、13…上辺、14…下辺、12…凹陥部、15
…凹所、16…凹溝、20、20b…留め付け金具、2
1a、21b…留め付けプレート部、21c…折れ曲が
り片、22…接続部材、22a…接続部材22の水平
部、23…留め付け孔、24…拡径部、25…支杆、2
6…補助支杆、30…鋳型、31…鋳型面、32…上辺
面、33…下辺面、34a,34b…切り欠き、35…
左方縁、36…右方縁、37…上端縁、38…下端縁、
39a…上縁、39b…下縁、40…凹陥部形成用蓋
材、41…表面板、42…四周壁、43…凹陥部、44
a…上の仮想線、44b…下の仮想線、45…凹陥部、
50…留め付け金具、51…係止部、52,53…フッ
ク片、55…ビス(図10においては、釘)、56…建
築躯体、60、60A、60B…建築板、61A…雄実
部、61B…凹溝(雌実部)、63…切り込み溝、L…
留め付け金具20の長さ、W…建築板10の横幅、P…
W/8、Pa…留め付け金具20の間隔

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面視でほぼ矩形状であり、鋳型を用い
    て成形された窯業系の建築板であって、少なくとも1つ
    の留め付け金具が、その一部を建築板材料内部に埋没さ
    せた状態で建築板が成形されることにより建築板と一体
    に固定されており、該各留め付け金具の対向する端部が
    建築板の対向する2辺からそれぞれ外側に向けて露出
    し、該露出部が留め付けプレート部とされている建築板
    であって該建築板は裏面に凹陥部を有し、前記留め付け金具の該
    建築板内部に埋設した部分は前記凹陥部を避けるように
    該建築板内部で折り曲げられている ことを特徴とする建
    築板。
  2. 【請求項2】 複数個の前記留め付け金具、その埋設
    した部分を繋ぐ支杆により互いに連接されていることを
    特徴とする請求項1記載の建築板。
  3. 【請求項3】 前記留め付け金具における前記埋設した
    部分は、一部に波打ちした箇所を有することを特徴とす
    る請求項1または2記載の建築板。
  4. 【請求項4】 前記留め付け金具における前記埋設した
    部分は、側方に延びる補助支杆を備えることを特徴とす
    る請求項1ないし3いずれか記載の建築板。
  5. 【請求項5】 建築板の裏面には、隣接する建築板の前
    記留め付けプレート部が入り込むための凹所が形成され
    ていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載
    の建築板。
  6. 【請求項6】 前記留め付けプレート部の全部又は一部
    は、建築板の表面側に向けた折れ曲がり部を有してお
    り、かつ、建築板の裏面には、隣接する建築板の前記折
    れ曲がり部が入り込むための凹溝が形成されていること
    を特徴とする請求項記載の建築板。
  7. 【請求項7】 請求項1ないしいずれか記載の建築板
    を、前記一体に固定された留め付け金具の前記留め付け
    プレート部を利用して、建物の壁面に留め付け固定した
    ことを特徴とする建築板の留め付け施工構造。
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