JP3332891B2 - 電子源及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

電子源及びそれを用いた画像形成装置

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JP3332891B2 JP15098599A JP15098599A JP3332891B2 JP 3332891 B2 JP3332891 B2 JP 3332891B2 JP 15098599 A JP15098599 A JP 15098599A JP 15098599 A JP15098599 A JP 15098599A JP 3332891 B2 JP3332891 B2 JP 3332891B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の電子放出部
を有する電子源及びこの電子源を用いた画像形成装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、簡単な構造で電子の放出が得ら
れる素子として、例えば、エム アイ エリンソン
(M.I.E1inson)等によって発表された冷陰
極素子が知られている[ラジオ エンジニアリング エ
レクトロン フィジィックス(Radio Eng.E
iectron.Phys)第10巻,1290〜12
96頁,1965年]。
【0003】これは、基板上に形成された小面積の薄膜
に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生
ずる現象を利用するもので、一般には表面伝導形電子放
出素子と呼ばれている。
【0004】この表面伝導形電子放出素子としては、前
記エリンソン等により開発されたSnO2(Sb)薄膜
を用いたもの、Au薄膜によるもの[ジー ディトマー
“スイン ソリッド フィルムス”(G.Dittme
r:“Thin So1idFilms”)9巻,31
7頁,(1972年)]、ITO薄膜によるもの[エム
ハートウェル アンド シー ジー フォンスタッド
“アイ イー イー イー トランス” イー ディ
ー コンファレンス(M.Hartwe11and
C.G.Fonstad:“IEEE Trans.E
D Conf.”)519頁,(1975年)]、カー
ボン薄膜によるもの[荒木久他:“真空”,第26巻,
第1号,22頁,(1983年)]などが報告されてい
る。
【0005】これらの表面伝導形電子放出素子の典型的
な素子構成を図9に示す。同図において、14は電気的
接続を得るための電極、13は電子放出材料で形成され
る薄膜、1は基板、15は電子放出部を示す。
【0006】従来、これらの表面伝導形電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に予めフォーミングと呼ば
れる通電加熱処理によって電子放出部を形成する。即
ち、前記一対の電極14の間に電圧を印加することによ
り、薄膜13に通電し、これにより発生するジュール熱
で薄膜13を局所的に破壊,変形もしくは変質せしめ、
電気的に高抵抗な状態にした電子放出部15を形成する
ことにより電子放出機能を得ている。
【0007】しかしながら、上記のような従来の通電加
熱によるフォーミング処理によって製造された電子放出
素子では、通電加熱による薄膜の変化、例えば局所的な
破壊、変形もしくは変質等の程度が同一基板内に形成さ
れる複数の素子間にばらつきがちで、また変化の生じる
場所も一定しない傾向がある。このフォーミングによる
素子では、フォーミングによって膜の一部が高抵抗化
し、この部分では膜内に1μm以下の狭い亀裂ができ、
更に、亀裂の間に小さな島状構造を有する膜となってい
る。フォーミングによる素子では、この亀裂の形状、
幅、及び島の形、大きさがフォーミングの条件を一定に
しても複雑に変化し、定形化することは極めて困難であ
る。このため、電子放出素子として機能させた場合、電
流量や効率、電子の放出場所、放出される電子ビームの
形状等が素子毎にばらついており、特性の揃った素子を
1度に多数個得ることは難しかった。
【0008】更に、フォーミングが完了するまでには、
比較的大電力を必要とするため、同一基板上に多数の素
子を形成し同時にフォーミングを行う場合、大容量の電
源を必要とする。このため、複数の素子を並列に配置し
て配線電極で接続し、線状電子源を作製しようとする
時、同時にフォーミングすることが難しかった。
【0009】以上のような問題点があるため、表面伝導
形電子放出素子は、素子構造が簡単であるという利点が
あるにもかかわらず、産業上積極的に応用されるには至
っていなかった。
【0010】上記問題点を鑑みて検討した結果、特開平
1−105445号公報、特開平1−200532号公
報において、電極間に電子放出体を配置しこれに通電処
理を施すことにより電子放出部を設ける表面伝導形電子
放出素子が提案された。かかる電子放出素子の構成を図
10に示す。
【0011】同図において、18及び20は電極であ
り、特に18は下電極、20は上電極である。また、1
9は絶縁層、16は電子放出体、1は基板である。ま
た、一般に表面伝導形電子放出素子の電極間隔は、0.
01μm〜100μmであり、電子放出部の抵抗は1×
103Ω/□〜1×109Ω/□である。
【0012】この電子放出素子の特徴としては次のよう
なことが挙げられる。
【0013】フォーミングという手段によらないで、
電子放出部の亀裂の形状及び幅を一定にした電子放出素
子を提供することができる。
【0014】電子放出部の亀裂の中の島状構造に相当
するものの構造及び大きさを、一定ならしめる手段を提
供し、それによって特性の揃った電子放出素子を提供す
ることができる。
【0015】第10図に示されるような縦型の構造で
あることから、電子放出部の亀裂に相当するものが絶縁
層3の膜厚で決定され、この膜厚は蒸着法,塗布法,そ
の他によって0.01μmから100μmの範囲まで大
面積で容易に制御して均一に形成できる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記表
面伝導形電子放出素子は、基本的に図9に示される表面
伝導形電子放出素子の一方の電極を絶縁層を介して他方
の電極より高い位置としたもので、上電極と下電極が水
平方向に大きくずれており、しかも単一の電子放出部を
有するものに過ぎない。複数の電子放出部を有する電子
源とする場合、この表面伝導形電子放出素子を複数並べ
て配線電極で接続しなければならず、各素子間のピッチ
をあまり小さくできず、電子放出部を高密度に配置しに
くい問題があった。このため、電子源と、該電子源と対
向して配置された蛍光体とを有する画像形成装置とした
場合に、高精細な画像が得にくいという問題があった。
【0017】本発明は、上記従来の問題点を解消するも
ので、複数の電子放出部を高密度に配置できる電子源と
すると共に、高精細な画像形成装置が得られるようにす
ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、複数
の電子放出部を有する電子源であって、基板上に形成さ
れた、下電極と全体が下電極の直上に位置する上電極と
の間に絶縁層を挟持してなる積層体と、該積層体を構成
する前記絶縁層の両側面に、前記絶縁層を挟むように
置された電子放出部とを有することを特徴とする電子源
を提供するものである。
【0019】また、上記本発明は前記上下電極をつな
ぐ微粒子膜が形成されており、該微粒子膜に前記電子放
出部が形成されていること、前記微粒子膜は、前記積層
体を横断方向に覆っていること、前記微粒子膜が複数箇
所に分かれて配置されていること、前記積層体が前記基
板上に線状に配置されていること、前記積層体が前記基
板上に複数配置されていること、を好ましい態様として
含むものである。
【0020】また、本発明は、電子源と、該電子源と対
向して配置された蛍光体とを有する画像形成装置であっ
て、該電子源が上記いずれかの電子源であることを特徴
とする画像形成装置を提供するものでもある。
【0021】本発明によれば、上下電極間に絶縁層を挟
持して積層体を構成しているので、積層体の設置幅が狭
く、しかもこの積層体間のピッチを小さくすることがで
き、電子放出部を高密度に配置することができる。ま
た、上下電極に挟持された絶縁層の側面に複数の電子放
出部を有するので、素子電極でもある上下電極を配線電
極としても用いることができ、配線電極のスペースを省
略することでも高密度化を図ることができる。更には、
上記の一対の上下電極と絶縁層を同一形状とすることに
より、上下電極を同時に形成することが可能で、最低1
回のパターン形成工程で、複雑な形状の電子放出部を形
成することもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0023】図1は、本発明に係る電子源の基本素子構
成を説明するための参考図である。同図において、1は
基板、2及び4は電気的接続を得るための電極で、特に
2は下電極、4は上電極であり、3は絶縁層(中間絶縁
層)、6は電子放出体である微粒子膜、5は電子放出部
である。本電子放出素子を約2×10-6Torrの真空
中内において電極4,2間に電圧を印加すると、上下電
極4,2間の絶縁層3の端面に配置された微粒子膜6内
の線状部分が電子放出部5となり、この電子放出部5よ
り電子が放出されるものである。
【0024】次に、この電子放出素子の動作について説
明する。図1において、上下電極4,2間の絶縁層3の
厚みが0.01μm〜100μmであり、且つ微粒子膜
6がAu,Ag,Cu,Pt,Pd等の金属材料もしく
はそれらの合金、もしくはSnO2,In23,PdO
等の酸化物もしくは前記金属材料、合金、酸化物の混合
物等である場合、上下電極4,2の間に数V〜数100
Vの電圧を印加すると、上下電極4,2間の絶縁層3の
表面に高電界が生じ、電子放出部5の付近から電子が放
出される。電子が放出される印加電圧には閾値があり、
この閾値は上下電極4,2間の距離や微粒子膜6及び上
下電極4,2の材料等に依存する。
【0025】尚、上記電子放出素子から電子が放出され
るメカニズムについては定説はないが、ほぼ以下の如く
であろうと考えられている。
【0026】即ち、狭い絶縁層3間に電圧がかかること
による電界放出や、微粒子膜6から放出された電子が、
島状構造の膜や電極によって回折されたり、散乱された
り、或いは衝突による二次電子放出や、熱電子、ホッピ
ング電子、オージェ電子等が考えられている。
【0027】このように、上記のような電子放出素子に
おいては、図10に示した表面伝導形電子放出素子と同
様、フォーミングという手段によらないで上記亀裂の形
状および幅を一定にした素子を提供することができる。
【0028】次に、上記電子放出素子の製造方法の概略
を図2を用いて説明する。図2において、1は基板、2
及び4は電気的接続を得るための電極で、特に2は下電
極、4は上電極であり、3は絶縁層(中間絶縁層)、7
はレジスト膜である。
【0029】先ず、下電極2となる電極材を、基板1
上全面に成膜する。この電極材は、通常使用される電極
材であれば良く、Ag,Cu,Au,Al,Ni等で、
基板密着性、耐表面酸化性等、電極材としての取り扱い
性が良いものが好ましい。その膜厚は特に限定されるこ
とはないが、通常数100Åから数100μm程度が良
い。
【0030】続いて、絶縁層3及び上電極4を、下電
極2とは一辺のみ端面がずれるように成膜形成する。上
電極4は下電極2と同様の電極材を用い、絶縁層3はS
iO 2,MgO,TiO2,Ta25,Al23等及びこ
れらの積層物や混合物でも良く、厚みは0.01μm〜
100μmであれば良いが、特に0.1〜10μmが好
ましい。また、下電極2に対して、絶縁層3の一辺を下
電極2の内側にずらすのは、下電極2の導通がとれるよ
うにするためである。よって、精密な位置合せは不要
で、例えば蒸着マスク等を用いて端面がずれていれば良
い。
【0031】次に、通常よく用いられるフォトリソ行
程を用いて不要な部分を1度にエッチングで取り除く。
この場合エッチングの方法は、ドライエッチ,イオンミ
リング等、成膜膜面の鉛直方向にのみエッチング進行す
る異方性エッチングの可能なものが好ましい。
【0032】このように、かかる電子放出素子は、上下
電極4,2、と該上下電極4,2間に配置された電子放
出部5の端面が同じであれば良い。すなわち、上下電極
4,2間で位置合せ等のアライメント精度を要するプロ
セスを経なくても、下電極2、絶縁層3、上電極4を順
次基板1の全面に配置し、その後不要な部分のみエッチ
ングを行うことで容易にかつ精度良く電子放出素子を作
ることができる。
【0033】また、電子放出部5となる端面が同一で、
かつ、上下電極4,2が重なっているため、オーバーエ
ッチ等による下電極2のダメージ等の問題もなく、安定
して多数の電子放出素子を作成することができる。
【0034】次に、上下電極4,2間の一端面に電子放
出体である微粒子膜6を配置して電子放出素子とする。
このようにしてできあがった電子放出素子は、図10の
電子放出素子と同様島状構造に相当するものの構造およ
び大きさを一定にでき、また従来例の狭い亀裂に相当す
るものが絶縁層3の膜厚で決定でき、大面積で容易に均
一に形成できる。
【0035】更に、この電子放出素子の電子放出部5を
同一面に多数並列に並べることにより、本発明の電子源
とすることができる。この場合、素子電極でもある上下
電極4,2が配線電極をも兼ねることができる。このた
め、製造方法の容易化も図れる。また、画像表示装置の
電子源とした際、配線電極が不要な分、各々の電子放出
素子間隔を小さくすることができ、より高精細な画像表
示装置を作ることが可能となる。また、配線電極が不要
でありかつ上下電極4,2が同形状であることから、複
雑で細かい形状の電子放出部5をも容易に形成すること
ができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0037】参考例 図1において、1は石英の基板、2,4は素子電極で2
は下電極,4は上電極である。3は絶縁層、5は電子放
出部、6は微粒子膜である。
【0038】以下、製造方法について説明する。
【0039】最初に充分脱脂、洗浄を行った25.4
mm×38.1mm(1inch×1.5inch)角
の石英の基板1上全面に、通常よく用いられる真空成膜
技術により下電極2を形成した。電極材料としては、膜
厚50ÅのCrを下引き層とした膜厚950ÅのNiを
用いた。
【0040】次に、スパッタ法を用いて、絶縁層3で
あるSiO2を5000Å蒸着マスクを用いて必要な部
分に配置し、その後下電極2と同様の方法で上電極4を
形成した。
【0041】この後、通常用いられるフォトリソエッ
チング技術を用いて、図1のような形状となるように、
上下電極4,2及び絶縁層3を同時にイオンミーリング
処理し、不要な部分を一気にエッチングした。
【0042】この上に、有機Pd化合物溶液(奥野製
薬工業社製)を分散塗布し、300℃で13分間の熱処
理を行うことにより、上下電極4,2間に電子放出体で
ある微粒子膜6を形成した。
【0043】このようにして得られた複数個の電子放出
素子を約2×10-6Torrの真空容器内に入れ、それ
ぞれの上下電極2,4間に14Vの電圧を印加し、更に
電子放出素子から5mm鉛直上に1KVの電圧を印加し
た蛍光体基板を配置したところ、ビームサイズの揃った
輝点が見られた。
【0044】このように、本例の電子放出素子では、従
来例の狭い亀裂に相当するものが絶縁層3の膜厚で決定
され、この膜厚は蒸着法,塗布法,その他によって0.
01μmから100μmの範囲まで大面積で容易に制御
して均一に形成できる。また、電子放出部5を形成する
電子放出体として、本例では有機Pd化合物溶液をスピ
ンコートすることで配置したが、Au,Ag等の有機金
属化合物でも良く、また電子放出体の配置は、上記有機
金属化合物溶液へのディッピングや、上記金属の微粒子
のガスデポジション法による配置で行っても良い。更に
は、上記有機金属化合物溶液をSiO2液体コーティン
グ材(東京応化工業製OCD)に混合したものを下電極
2を配した基板1上に塗布焼成し、上電極4を配置した
後、これらを形成することにより、電子放出体である微
粒子を含むSiO2の絶縁層3の端面を得てもよい。
【0045】即ち、薄膜を通電加熱により島状構造とな
す従来の例と異なり、電子放出部5を形成するものが微
粒子であることにより、特性の揃った電子放出素子を容
易に多数個作ることが可能となった。
【0046】実施例1 図3は、本実施例に係る電子源の一部を示す概略的説明
図である。尚、図4(a)は図3中のA−A断面図であ
り、図4(b)は図3中のB−B断面図である。1は石
英基板、2,4は素子電極(2は下電極、4は上電極)
であり、かつ配線電極としての役割も果たす。3及び1
7は絶縁層(3は中間絶縁層、17は被服絶縁層)、5
は電子放出部である。
【0047】以下、製造方法を述べる。
【0048】最初に、一般に良く用いられる真空堆積
法を用いて、下引き層としてCrを50Å蒸着した後、
Niを950Åの厚みに基板1の全面に下電極2の材料
として蒸着した。
【0049】次に、スパッタ法を用いて、絶縁層3と
してSiO2を5000Å成膜し、更にその上に下引き
層としてCrを50Åの厚みに蒸着した後、Niを95
0Åの厚みに上電極4の材料として一面に蒸着した。
【0050】この上に、通常用いられるフォトリソエ
ッチング技術を用いて、図3に見られるような線状の形
状となるように、上下電極4,2及び絶縁層3を同時に
イオンミーリング処理し、不要な部分を一気にエッチン
グした。この製造方法は、上下電極4,2及び絶縁層3
を1度のフォトリソエッチング工程を通すことにより容
易に成形でき、しかも電子放出部5の位置が絶縁層3の
膜厚で決定でき、上下電極4,2間のショート等の心配
もないことから、容易に安定した電子放出をする電子放
出素子が得られる。
【0051】更に、この上に、絶縁をとるためにSi
2液体コーティング材(東京応化工業製OCD)をス
ピンナーでスピンコートし、400℃で焼成したものを
再びフォトリソエッチング技術を用いて不要部分のOC
Dをウエットエッチして取り除き、絶縁層17とした。
【0052】この上に有機Pd化合物溶液(奥野製薬
工業製)を全面に分散塗布し、熱処理を加えて微粒子膜
6を形成した。
【0053】このようにして得られた線状電子源に、参
考例と全く同様に真空中で電圧を印加したところ、絶縁
層17で覆われていない所から電子が放出した。即ち、
複数の電子放出素子の素子電極を配線電極でつないで電
圧を印加したのと同様の効果をより簡単な製法で作った
電子源で得ることができた。
【0054】また、配線電極を省くことができるため、
より高密度に電子放出部5を配置することができた。
【0055】実施例2 図5は、本実施例に係る電子源の一部を示す概略的説明
図であり、図6は図5のC−C断面図である。本図中、
1は石英の基板、2,4は素子電極(2は下電極,4は
上電極)であり、かつ配線電極としての役割も果たす。
3は絶縁層、5は電子放出部、6は微粒子膜である。
【0056】かかる電子放出素子の製造については、最
初に実施例1と同様にして、一対の上下電極4,2間に
絶縁層3を形成し、次にフォトリソエッチング技術を用
いて電子放出部5としたい部分にPd微粒子をパターニ
ングした。
【0057】このようにして得られた線状電子源に、参
考例と同様に真空中で電圧を印加したところ、全ての電
子放出素子の電子放出部5から電子が放出するのを蛍光
体上の輝点スポットにより確認することができた。ま
た、この輝点は輝度のばらつきも少なかった。更に、配
線電極を省くことができたため、より高密度に電子放出
部5を配置することができた。即ち、より簡単な製法に
より、電子源として用いられる多数の電子放出素子を安
定して作製でき、その上高密度に並べることが可能であ
った。
【0058】実施例3 図7は、本発明に係る画像表示装置の一実施例の一部を
示す概略的説明図である。本装置の構成要素である電子
源としては、実施例2で示した線状電子源を用いた。ま
た、8は変調電極、9は電子通過孔、10はフェースプ
レート、11は蛍光体、12は蛍光体の輝点である。
【0059】本図において、複数の線状電子源群と変調
電極群を、絶縁を保持したまま直交させた。更に、線状
電子源群の各電子源ごとに変調電極8の電子通過孔9を
各電子源鉛直上へ位置するように設けてある。次に、画
像形成部材である蛍光体11を有するフェースプレート
10を電子源から5mm離して設け、画像表示装置を作
製した。
【0060】かかる画像表示装置を約2×10-6Tor
rの真空容器内に入れ、上下電極4,2間に14Vの電
圧を印加し、フェースプレート10に設けた透明電極
(不図示)に1KVの電圧を印加することにより、順次
ライン状に線状電子源より電子を放出させ、変調電極8
に適当な電圧を任意に印加することにより、線状電子源
の任意の電子源から電子を引き出し、変調電極8中の電
子通過孔9を通過して蛍光体11に電子を衝突きせ、蛍
光体11上の輝点12として任意の画像を表示すること
ができた。
【0061】また、この画像表示装置の電子源の製造方
法は、実施例2と同様非常に容易であると共に、従来例
に見られるフォーミング時の素子ダメージ等もなく、安
定な電子放出が認められた。更に、本電子放出素子は上
下電極4,2が配線電極をも兼ねる構造となっているこ
とから、一定面積内により多数配置することができ、よ
り高精細な画像を得ることができた。
【0062】実施例4 図8は、本発明に係る画像形成装置の他の実施例の一部
を示す概略的説明図である。本図中、1は石英の基板、
2,4は素子電極(2は下電極,4は上電極)、3は絶
縁層、10はフェースプレート、11は蛍光体、12は
蛍光体の輝点である。
【0063】本実施例では、実施例2と同様にして下電
極2、絶縁層3、上電極4を図8に見られるような文字
形状に作製し、この3層の端面及び近傍にPd微粒子を
パターニンクし、電子放出部5とした。
【0064】このようにして得られた電子源を、約2×
10-6Torrの真空容器中に入れ、それぞれの電子放
出素子の上下電極4,2間に独立に電圧を印加すること
により、蛍光体11上に任意の電子源の形状と同じ文字
の形状をした輝点のできることが確認できた。
【0065】このような曲線部分を持つ形状や複雑な形
状の電子放出部5を作るには、従来のような構造の素子
では難しいが、本発明においては、かかる形状の電子放
出部5を容易に再現性良く作製することが可能である。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
上下電極4,2間に絶縁層3を挟持して積層体を構成し
ており、積層体の設置幅が狭くてすむため、この積層体
間のピッチを小さくすることができ、電子放出部5を高
密度に配置することができる。また、上下電極4,2に
挟持された絶縁層3の側面に複数の電子放出部5を有す
るので、素子電極でもある上下電極4,2を配線電極と
しても用いることができ、配線電極のスペースを省略す
ることでも高密度化を図ることができる。更には、上記
の一対の上下電極4,2と絶縁層3を同一形状とするこ
とにより、上下電極4,2を同時に形成することが可能
で、最低1回のパターン形成工程で、複雑な形状の電子
放出部5を形成することもできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的素子構成を説明するための参考
図である。
【図2】図1に示される電子放出素子の製作方法の概略
工程図である。
【図3】実施例1に係る電子源の概略図である。
【図4】図3に示される電子源の断面図である。
【図5】実施例2に係る電子源の概略図である。
【図6】図5に示される電子源の断面図である。
【図7】実施例3に係る画像表示装置の概略図である。
【図8】実施例4に係る画像表示装置の概略図である。
【図9】従来の表面伝導形電子放出素子の典型的な概略
図である。
【図10】素子電極が上下に位置する従来の表面伝導形
電子放出素子の概略図である。
【符号の説明】
1 基板 2,18 下電極 3,17,19 絶縁層 4,20 上電極 5,15 電子放出部 6 微粒子膜 7 レジスト膜 8 変調電極 9 電子通過孔 10 フェースプレート 11 蛍光体(画像形成部材) 12 蛍光体の輝点 13 薄膜 14 電極 16 電子放出体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 征四郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 審査官 村田 尚英 (56)参考文献 特開 平1−105445(JP,A) 特開 平1−296532(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/316 H01J 29/40 H01J 31/12

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子放出部を有する電子源であっ
    て、 基板上に形成された、下電極と全体が下電極の直上に位
    置する上電極との間に絶縁層を挟持してなる積層体と、 該積層体を構成する前記絶縁層の両側面に、前記絶縁層
    を挟むように配置された電子放出部とを有することを特
    徴とする電子源。
  2. 【請求項2】 前記上下電極をつなぐ微粒子膜が形成さ
    れており、該微粒子膜に前記電子放出部が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の電子源。
  3. 【請求項3】 前記微粒子膜は、前記積層体を横断方向
    に覆っていることを特徴とする請求項に記載の電子
    源。
  4. 【請求項4】 前記微粒子膜が複数箇所に分かれて配置
    されていることを特徴とする請求項3記載の電子源。
  5. 【請求項5】 前記積層体が前記基板上に線状に配置さ
    れていることを特徴とする請求項1〜いずれかに記載
    の電子源。
  6. 【請求項6】 前記積層体が前記基板上に複数配置され
    ていることを特徴とする請求項1〜いずれかに記載の
    電子源。
  7. 【請求項7】 電子源と、該電子源と対向して配置され
    た蛍光体とを有する画像形成装置であって、該電子源が
    請求項1〜いずれかの電子源であることを特徴とする
    画像形成装置。
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