JP2916807B2 - 電子放出素子、電子源、画像形成装置及び、それらの製造方法 - Google Patents

電子放出素子、電子源、画像形成装置及び、それらの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、冷陰極型の電子放出素子、該素子を複数有
する電子源、該電子源を用いた画像形成装置及び、それ
らの製造方法に関する。
[従来の技術] 従来、簡単な構造で電子の放出が得られる素子とし
て、例えばエム アイ エリンソン(M.I.Elinson)等
によって発表された冷陰極素子が知られている[ラシオ
エンジニアリング エレクトロン フィジックス(Ra
dio Eng. Electron Phys.)第10巻,1290〜1296頁,1965
年]。
これは、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜内に
平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を
利用するもので、一般には表面伝導形電子放出素子と呼
ばれている。
この表面伝導形電子放出素子としては、前記エリンソ
ン等により開発されたSnO2(Sb)薄膜を用いたもの、Au
薄膜によるもの[ジー・ディトマー“スイン ソリド
フィルムス”(G.Dittmer:“Thin Solid Films"),9巻
317頁,(1972年)]、ITO薄膜によるもの[エム ハ
ートウェル アンド シージーフォンスタッド“アイイ
ーイーイートランス”イーディーコンファレン(M.Hart
well and C.G.Fonstad;“IEEE Trans.ED Conf.")519
頁,(1975年)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久
他:“真空”第26巻,第1号,22頁,(1983年)]など
が報告されている。
これらの表面伝導形電子放出素子の典型的な素子構成
を第11図に示す。同図において、112及び113は電気的接
続を得るための電極、110は電子放出材料で形成される
薄膜、111は基板、115は電子放出部を示す。
従来、これらの表面伝導形電子放出素子においては、
電子放出を行う前に予めフォーミングと呼ばれる通電処
理によって電子放出部を形成する。即ち、前記電極112
と電極113の間に電圧を印加する事により、薄膜110に通
電し、これにより発生するジュール熱で薄膜110を局所
的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な
状態にした電子放出部115を形成することにより電子放
出機能を得ている。
なお、電気的に高抵抗状態とは、薄膜110の一部に、
0.5μm〜5μmの亀裂を有し、かつ亀裂内が、いわゆ
る島構造を有する不連続状態膜をいう。島構造とは一般
に数十Åから数μm径の微粒子が基板111にあり、各微
粒子は空間的に不連続で電気的に連続な膜をいう。
従来、表面伝導形電子放出素子は上述高抵抗不連続膜
に電極112,113により電圧を印加し、素子表面に電流を
流すことにより、上述微粒子より電子を放出せしめるも
のである。
しかしながら、上記の様な従来の通電によるフォーミ
ング素子には次のような問題点があった。
1) 電子放出部となる海島構造の設計が不可能なた
め、素子の改良が難しく、素子間のばらつきも生じやす
い。
2) フォーミング工程の際に生じるジュール熱が大き
い為、基盤が破壊しやすくマルチ化が難しい。
3) 島の材料が金、銀、SnO2、ITO等に限定された仕
事関数の小さい材料が使えないため、大電流を得ること
ができない。
以上のような問題点があるため、表面伝導形電子放出
素子は、素子構造が簡単であるという利点があるにもか
かわらず、産業上積極的に応用されるには至っていなか
った。
本発明者等は上記間題点を鑑みて検討した結果、特願
昭63-107570号,特願昭63-110480号において、電極間に
微粒子膜を配置しこれに通電処理を施すことにより電子
放出部を設ける新規な表面伝導形電子放出素子を提案し
た。この新規な電子放出素子の構成図を第12図に示す。
同図において、122及び123は電極、124は微粒子膜、1
25は電子放出部、121は基板である。
この電子放出素子の特徴としては次のようなことが挙
げられる。
1) 微粒子膜に非常に少ない電流を流すことで電子放
出部を形成できるので素子劣化のない素子が形成でき、
さらに電極の形状を任意に設計できる。
2) 微粒子膜を形成する微粒子自身が電子放出の構成
材となる為、微粒子の材料や形状等の設計が可能とな
り、電子放出特性を変えることができる。
3) 素子の構成材である基板や電極の材料の選択性が
広がる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記発明者等が先に提案した表面伝導
形電子放出素子においては、第12図に示す如く、電極間
の微粒子膜124内に電子放出部125が形成され、該電子放
出部125が電子の放出位置になっているが、実際には、
電子放出部125は0.01μm〜0.5μmの微細な範囲から形
成されており、その位置は、微粒子膜の形成条件や通電
処理の条件等によってばらつきが生じ、電極間の所定の
位置に正確に配置することが困難であった。
第12図に於いて、電子放出部は直線的に描かれている
が、実際には電極122及び123の間でかなり蛇行してお
り、通電条件によりその形態はかなり変化し、電子放出
部の実効的な長さが設計できなかった。
一般に、電極122と123の間隔は0.5μm〜50μmであ
るが、電極間が広くなる程電子放出の位置を制御するこ
とが難しかった。
このような電子放出部の位置のばらつきは、電子放出
素子として応用する場合、電子放出量にばらつきを生
じ、特にこれらの素子を複数配置した面状電子源として
応用する場合には、場所によって電子放出量が変わると
いう問題があった。
面状電子源の有効な応用として、特開昭56-28445号公
報にあるような、面状に展開した複数の電子源と、この
電子源から電子ビームの照射を各々受ける蛍光体ターゲ
ットとを、各々相対向させた薄形の画像形成装置がある
が、この画像形成装置の電子源として上記表面伝導形電
子放出素子を応用すると、各素子の電子放出量が異なる
為、場所によって蛍光体の蛍光輝度が異なり表示むらを
生じていた。
また、上述した第11図に示したような従来の電子放出
素子においては、フォーミングに要するパワーが大きい
為電子放出部や基板の劣化が著しく、電子放出特性や電
子放出部の位置を制御することは不可能であった。
すなわち、本発明の目的とするところは、上述の問題
点を解消し得る電子放出素子、該電子放出素子を複数備
える電子源、該電子源を備える画像形成装置及び、それ
らの製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段及び作用] 上記の目的を達成すべくなされた本発明の構成は以下
の通りである。
すなわち、本発明第1は電子放出素子であって、 絶縁性基板上に設けられた通電により発熱する発熱部材
を覆って、表面が平坦な絶縁性部材が設けられていると
共に、該絶縁性部材の表面には一対の電極が形成されて
おり、前記発熱部材は該一対の電極間の一部に対応する
領域を占めており、しかも前記一対の電極と接続して、
前記発熱部材近傍に電子放出部を有する微粒子膜が形成
されていることを特徴とする電子放出素子と、 絶縁性基板上に設けられた通電により発熱する発熱部材
を覆って、表面に段差部を有する絶縁性部材が設けられ
ていると共に、該絶縁性部材の表面には該段差部を挟ん
で一対の電極が形成されており、前記発熱部材は該一対
の電極間の一部に対応する領域を占めており、しかも前
記一対の電極と接続して、前記段差部近傍に電子放出部
を有する微粒子膜が形成されていることを特徴とする電
子放出素子と、 絶縁性基板上に設けられた通電により発熱する発熱部材
を覆って、表面に段差部を有する絶縁性部材が設けられ
ていると共に、該絶縁性部材の表面には該段差部を挟ん
で一対の電極が形成されており、前記発熱部材は該一対
の電極間の全体に対応する領域を占めており、しかも前
記一対の電極と接続して、前記段差部近傍に電子放出部
を有する微粒子膜が形成されていることを特徴とする電
子放出素子とを提供するものである。
本発明第2は、本発明第1の電子放出素子の製造方法
であって、前記微粒子膜に電子放出部を形成する際に、
該微粒子膜に前記一対の電極を介して通電する通電処理
と、前記発熱部材に通電する加熱処理とを施すことを特
徴とする電子放出素子の製造方法である。
本発明第3は、絶縁性基板上に本発明第1の電子放出
素子を複数配置したことを特徴とする電子源である。
本発明第4は、本発明第3の電子源を製造する際に、
複数の電子放出素子を請求項4に記載の方法によって製
造することを特徴とする電子源の製造方法である。
本発明第5は、本発明第3の電子源と、該電子源から
放出された電子の照射により画像を形成する画像形成部
材とを有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明第6は、本発明第5の画像形成装置を製造する
際に、電子源を請求項6に記載の方法によって製造する
ことを特徴とする画像形成装置の製造方法である。
本発明によれば、微粒子膜の下に絶縁性部材を介して
設けた発熱部材を用いて、電子放出部を形成する際の温
度制御を行うことができ、電子放出部の形状の再現性を
高めることができる。特に、上記絶縁性部材の表面に段
差部を形成した場合には、電子放出部を該段差部近傍に
形成でき、形状及び位置の再現性を高めることができ
る。
以下、本発明の構成要素及び作用について詳述する。
本発明に於ける微粒子膜としては、粒径が十数Åから
数μmの導電性微粒子の膜、あるいはこれら導電性微粒
子が分散されたカーボン薄膜等が挙げられる。その材料
はPd,Ag,Au,Ti等の金属、PdO,SnO2等の酸化物導電体等
導電性材料であればどれを用いても構わない。そしてこ
れらの膜はガスデポジション法や分散塗布法等により電
極間に形成される。
第1図は本発明の一実施態様を示す素子構成図であ
る。同図において、11は絶縁性基板、12,13は電極、14
は微粒子膜、15は電子放出部、16は発熱部材、17は絶縁
性部材、18は段差部である。
第1図に示したものでは、発熱部材16が一対の電極1
2,13間の一部に対応する領域を占めるよう、発熱部材16
を電極12,13間の中央部に局部的に設けているが、第3
図に示すように、発熱部材36を一方の電極32側に片寄っ
た領域に設けたり、第4図に示すように、発熱部材47が
電極42,43間の全体に対応する領域を占めるよう、広い
範囲に発熱部材46を設けることもできる。また、第1図
に示したものは絶縁性部材17が段差部18を有するものと
なっているが、第10図に示すように、表面が平坦で段差
部のない絶縁性部材107を形成することもできる。
なお、第1図、第3図及び第4図に示した例では、い
ずれも絶縁性部材17,37,47が段差部18,38,48を有し、か
かる段差部18,38,48を跨いで微粒子膜14,34,44が形成さ
れている。
前記、段差部の高低差は、百数十Åから十数μmの間
であればよく、0.1μmから1μmが実用的で望まし
い。また、段差部の幅は、電子放出部を形成する電極間
隔より狭いことが望ましく、一般には電極間隔の1/2以
下が実用的である。
次に、発熱部材は、通電することにより発熱すれば良
く、導電性材料であればどの材料を用いても構わず、発
熱温度が数十度から数百度程度上昇する材料が好まし
い。さらに、電極12と13の間隔は0.1μmから100μmが
望ましく、一般には0.5μmから10μmが実用的であ
る。
以上のような発熱部材と段差部を有する絶縁性部材上
に設けられた微粒子膜14を通電処理する際、発熱部材に
通電し局所的に加熱もしくは全体を加熱させた後、通電
処理を施す、もしくは通電処理と同時に発熱部材に通電
し局所的に加熱もしくは全体を加熱しながら、微粒子膜
14に通電処理を施すと、第1図に示すように絶縁性部材
により構成された段差部18に沿って電子放出部15が直線
的に形成され、上述従来例のような電子放出部が蛇行す
ることはない。
かかる電子放出部は、段差部材の温度や微粒子材料の
種類、段差部材の種類,厚さ,幅等の形状によって、段
差部の上側あるいは側面のいずれかに形成することがで
きる。
勿論、段差部が曲線であれば電子放出部は段差に沿っ
て曲線に形成されるものである。
通電処理の方法は、微粒子膜に通電することによりそ
の一部を高抵抗化して電子放出部を形成するものや、微
粒子膜に通電することによりその一部を低抵抗化して電
子放出部を形成するものがあるがいずれを用いても構わ
ない。
かかる通電処理時に微粒子膜の構造が変わり、上述し
たような不連続な電子放出部が形成される。この時、該
一対の電極を介して通電する通電処理と、発熱部材に通
電し微粒子膜を局所的に若しくは全体的に加熱すること
により、電子放出部形成時の制御が向上し、再現性が高
まる。
また、絶縁性部材に段差部を有する場合には、段差部
の近傍に電子放出部を形成することができる。かかる段
差部が微粒子膜の構造変化にどのような役割を果たして
いるのかは不明であるが、本発明者等は、通電処理の際
に発熱部材による熱が加わり、段差部近傍で温度分布が
不連続になることで、その結果段差部に沿って電子放出
部が形成されるものと推測している。よって、電極間に
段差部を有し発熱部材を設ける以外にも、温度と電界が
不連続となる部材を設ければ同等な効果が得られるもの
と期待できる。
第5図から第7図は、本発明の一実施態様を示す素子
断面図であるが、段差の形状は上述のような階段状の他
にも、第5図に示す発熱部材56上方に位置する絶縁性部
材の一部を断面が凸形状となる構成とするもの、第6図
に示す三角形の絶縁性部材、第7図に示す凹形状の絶縁
性部材等様々なものが考えられ、上述第1図の階段形状
と同等の作用効果がある。つまり、段差部材近傍で温度
分布を不連続にする構造、電界分布が不連続な段差形状
であれば同等の作用効果がある。
以上説明したように、微粒子膜に電子放出部を形成す
る際に、微粒子膜に通電する通電処理と、発熱部材に通
電する加熱処理とを施すことにより、従来例と比較すれ
ば電子放出特性の形状と位置が正確に設計できるので、
電子放出特性の制御が可能であるばかりでなく素子の再
現性が得られるようになる。
前述した複数の電子放出素子を設けた画像形成装置に
於いて、本発明の電子放出素子を用いれば、各素子の電
子放出量が同等となる為、表示むらがない良好な画像が
形成される。
[実施例] 以下に、実施例を用いて、本発明を更に詳述する。
実施例1 第1図は、本実験例の素子構成図であり、第2図はそ
の製造方法を示した説明図である。
先ず、第1図及び第2図を用い、本実施例の電子放出
素子の製造方法を説明する。
.絶縁性基板21として石英基板を用い、有機溶剤等に
より充分洗浄し、真空蒸着技術、フォトリソグラフィー
技術により発熱部材26を形成する。かかる発熱部材26
は、通電することにより発熱する材料であればどのよう
なものであっても構わないが、本実施例ではNi-Cr金属
を用い、部材の幅を2μm、膜厚を2000Åとした。
.次に、絶縁性部材27としてSiO2を用い、絶縁層基板
21上に発熱部材26の電極取り出し部を除く全面にスパッ
タ法により平坦に成膜し、次いでフォトリソグラフィー
技術で段差部28を形成した。本実施例に於ける絶縁性部
材27は、絶縁性を有する材料であればどの材料を用いて
も構わず、部材の厚さは実用的には発熱部材を充分に被
覆し、かつ、段差部28を構成する厚さであれば良く、本
実施例では絶縁性部材の膜厚を2.0μm、段差部の高さ
を0.8μmとした。
.次に、電極23,24を形成した。電極の材料として
は、導電性を有するものでればどのようなものであって
も構わないが、本実施例ではNi金属を用いて形成した。
この電極間隔は実用的には0.5μmから20μmに形成さ
れることが望ましく、本実施例では6μm間隔とし、膜
厚は1000Åとした。
.次に、有機パラジウムを電極23と22の間に分散塗布
する。有機パラジウムは奥野製薬(株)CCP-4230を用い
た。
微粒子を分散したくないところにはテープ又はレジス
ト膜を設け、その後ディッピング法又はスピナー法で有
機パラジウムを塗布する。次にテープ又はレジスト膜を
剥離することにより所定の位置に微粒子膜24を作成し
た。次に300℃で1時間焼成し有機パラジウムを分散
し、パラジウムと酸化パラジウムの混合した微粒子膜を
形成する。微粒子膜の幅Wはどのような値のものでも構
わないが本実施例では1mmとした。このとき、パラジウ
ムと酸化パラジウムの微粒子の径は共に10Å〜150Åで
あったが本発明はこれに限るものではない。
.次に、発熱部材26に通電して発熱させ、部材26の表
面で約50℃となった時点で通電を停止し、その直後に電
極23をマイナス側、電極22をプラス側となるように電源
に接続し、微粒子膜24に通電処理を行った。その結果、
第2図に示すように段差28の上端部に沿って電子放出部
25が形成できた。
ここで通電処理前の微粒子膜の厚さは数十Åから200
Åが実用的であるがこれに限るものではない。なお、こ
のときの微粒子膜のシート抵抗は103〜1010Ω/□程度
である。
尚、微粒子膜24の膜厚は、段差部を含めて電極間でほ
ぼ均一であると考えられる。
本実施例では、通電処理に於いて電流の流れる向きを
電極22から電極23側にしたが、本実施例に於ては電流の
流れる向きに関係なく、再現良く上述した位置に電子放
出部を形成できる。
本実施例の電子放出素子を発熱部材及び段差部を設け
ていない従来の電子放出素子と比較したところ、電子放
出量及び電子放出効率に於いてはほぼ同等の値が得られ
た。次に電子放出部の形状を比較すると従来の素子は1m
mの幅にわたって大きく蛇行しているにもかかわらず、
本実施例の電子放出素子は段差部に沿ってほぼ直線的に
電子放出部が形成できた。電子放出部の位置が正確に設
定できることは、応用を考えると非常に重要な意味があ
る。例えば、素子から放出された電子を偏向及び変調す
るにあたって、その正確な制御をする為には電子放出部
の位置が正確に配置されている必要がある。よって、本
実施例の素子は実用的には非常に有効な素子を提供する
ものである。
また、段差部の位置を変えることにより、それに伴な
って容易に電子放出部を変えることができる。本実施例
の電子放出素子は位置設計が容易な表面伝導形電子放出
素子を提供するものである。
また、発熱部材26は、段差部28の近傍のみならず、先
にも述べた様に第3図、第4図に示すごとく、段差部近
傍もしくは全体を加熱できる構造であればよく、絶縁性
部材からなる段差部形状は、第5図で示す凸形形状、第
6図で示す三角形形状、第7図で示す凹形形状等でも同
様の電子放出素子を作成することができる。
実施例2 第8図は本実施例の素子構成図である。本実施例は、
実施例1とほぼ同等の形状を成すものであるが、微粒子
膜84をガスデポジション法で作成したものである。
次に、本実施例の製造方法を説明する。
.実施例1−に同じ。
.実施例1−に同じ。
.実施例1−に同じ。
.次に、微粒子膜を所定の位置に形成する為に金属マ
スクを電極82と83の間に配置し、ガスデポジション法で
微粒子膜84を作成した。その材質は、Au,Ag,Ti,Sn,Pd等
の金属またはその他のどのような導電性微粒子を用いて
も構わないが、本実施例ではPbを用いた。また、その粒
径は50Å〜150Åであったが本実施例はこれによるもの
ではない。
.実施例1−と同一。
以上の工程により、本実施例の電子放出部85は、第8
図に示すように段差88側面に形成された。これはガスデ
ポジション法による微粒子の作成法に基づくものと考え
られる。本実施例ではガスデポジション法で微粒子を基
板とほぼ直角方向から吹き付けている為に段差部の側面
で微粒子膜の厚さが薄く形成され、通電処理により段差
88の側面に形成されたものと推測する。
本実施例は、実施例1と同様な検討をした結果、同等
な効果があった。
実施例3 第9図は、本実施例の画像形成装置を示す構成図であ
る。本実施例の面状電子源は、実施例1の電子放出素子
を複数配列したもので、とくに電極92と電極93の間に電
子放出素子を並列に配置した線電子源を複数本基板に規
則正しく設けたものである。
同図において、99はグリッド電極,910は電子通過孔,9
13はガラス板,912は蛍光体,911はアルミニュム材からな
るメタルバック,914はフェースプレート,915は蛍光体の
輝点である。
本実施例において、グリッド電極99は複数のライン電
極群からなり、面状電子源の電極群と直角方向に配置さ
れる。電子通過孔910は電子放出部95のほぼ鉛直上に設
けられ、グリッド電極99を信号電極、線電子源群を走査
電極として、XYマトリックス駆動を行い画像を形成する
ものである。
フェースプレート914は透明なガラス板913の上に蛍光
体912が一様に塗布され、さらにその上にメタルバック9
11を設けたものである。
本実施例の画像形成装置に於いて、電極92と電極93に
14Vの電圧を印加することにより各電子放出部95から電
子を放出させ、グリッド電極99に適当な電圧を印加する
ことにより電子を引き出し蛍光体912に電子を衝突させ
た。本画像形成装置は、当然ながら真空度1×10-5Torr
〜1×10-7Torrの環境下に置かれ、蛍光体に500〜5000V
の電圧を印加した。
本実験において、発熱部材及び段差部を設けない電子
源を用いて構成した同様な画像形成装置と比較したとこ
ろ次のような結果を得た。
(1).本実施例は各電子放出部から放出される電子量
が等しいので明るさが均一な表示画面が得られた。
(2).本実施例は各電子放出部の位置が正確に定まっ
ているので蛍光体上の輝点もほぼ同一な形状で規則正し
い配列であった。
それに比べ発熱部材及び段差部を設けない電子源を用
いて構成した画像形成装置は、輝点の形状と輝点のピッ
チが場所によって異なっていた。
このことから本実施例は、カラー画像、高精細画像を
得るのに効果がある。
以上、本実施例は画像形成装置についてのみ説明して
きたが、画像形成部材としては、蛍光体の他にレジスト
材や薄膜金属のような電子ビームが衝突することにより
状態が変化する全ての部材が含まれ、電子ビーム応用装
置としては、記録装置,記憶装置,電子ビーム描画装置
等の様々な装置があり、本発明は電子放出素子が複数配
置された面状電子源を用いた画像形成装置であれば同等
の効果がある。
実施例4 第10図は、本実施例の素子構成図である。本実施例は
段差部形状を有しない構成にし、それ以外は実施例1と
同様な構成,形状,製造方法により作成した。以上の工
程により、本実施例の電子放出素子の電子放出部105
は、第10図に示すように任意の場所に形成することは出
来なかったものの、電極102,103の間にほぼ直線上に形
成され、従来例のごとく、電子放出部が蛇行することな
く、さらには発熱部材のみの作用効果で再現性よく電子
放出部を形成することが出来た。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、微粒子膜の下
に絶縁性部材を介して設けた発熱部材を用いて、電子放
出部を形成する際の温度制御を行うことができ、電子放
出部の形状の再現性を高めることができ、特に、絶縁性
部材の表面に段差部を形成した場合には、電子放出部の
形状及び位置の再現性を高めることができ、次のような
効果がある。
(1).電子放出量や電子放出効率等の電子特性が制御
できるだけでなく、素子間で特性のばらつきの少ない素
子製造が可能になった。
(2).画像形成装置として均一な発光輝度の画像表示
が得られる。
(3).電子放出部の位置一が正確に定まるので、画像
形成装置として蛍光体の輝点形状が均一な画像表示が得
られるようになった。
(4).電子放出部の位置が正確に定まるので、画像形
成装置として変調電極の形状設計や制御系が簡易になる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例1に於ける電子放出素子の構
成図である。 第2図は、本発明の実施例1に於ける電子放出素子の製
造方法を示した工程図である。 第3図,第4図,第5図,第6図,第7図は、本発明の
他の実施態様を示す説明図である。 第8図は、本発明の実施例2に於ける電子放出素子の構
成図である。 第9図は、本発明の実施例3に於ける画像形成装置の説
明図である。 第10図は、本発明の実施例4に於ける電子放出素子の構
成図である。 第11図は、従来の通電加熱によって作成された電子放出
素子の構成図である。 第12図は、従来の微粒子膜又は微粒子を含む薄膜導電体
を通電処理することにより作成された電子放出素子の構
成図である。 11,21,31,41,51,61,71,81,91,101,111,121……絶縁性基
板 12,22,32,42,52,62,72,82,92,102,112,122,13,23,33,4
3,53,63,73,83,93,103,113,123……電極 14,24,34,44,54,64,74,84,94,104,124……微粒子膜 15,25,35,55,55,65,75,85,95,105,115,125……電子放出
部 16,26,36,46,56,66,76,86,96,106……発熱部材 17,27,37,47,57,67,77,87,97,107……絶縁性部材 18,28,38,48,58,68,78,88,98……段差部 99……グリッド電極、910……電子通過孔 911……メタルバック、912……蛍光体 913……ガラス板、914……フェースプレート 915……蛍光体の輝点、110……薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 小野 治人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 鱸 英俊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 1/30,9/02 H01J 29/04,31/12

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基板上に設けられた通電により発熱
    する発熱部材を覆って、表面が平坦な絶縁性部材が設け
    られていると共に、該絶縁性部材の表面には一対の電極
    が形成されており、前記発熱部材は該一対の電極間の一
    部に対応する領域を占めており、しかも前記一対の電極
    と接続して、前記発熱部材近傍に電子放出部を有する微
    粒子膜が形成されていることを特徴とする電子放出素
    子。
  2. 【請求項2】絶縁性基板上に設けられた通電により発熱
    する発熱部材を覆って、表面に段差部を有する絶縁性部
    材が設けられていると共に、該絶縁性部材の表面には該
    段差部を挟んで一対の電極が形成されており、前記発熱
    部材は該一対の電極間の一部に対応する領域を占めてお
    り、しかも前記一対の電極と接続して、前記段差部近傍
    に電子放出部を有する微粒子膜が形成されていることを
    特徴とする電子放出素子。
  3. 【請求項3】絶縁性基極上に設けられた通電により発熱
    する発熱部材を覆って、表面に段差部を有する絶縁性部
    材が設けられていると共に、該絶縁性部材の表面には該
    段差部を挟んで一対の電極が形成されており、前記熱部
    材は該一対の電極間の全体に対応する領域を占めてお
    り、しかも前記一対の電極と接続して、前記段差部近傍
    に電子放出部を有する微粒子膜が形成されていることを
    特徴とする電子放出素子。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の電子放出
    素子の製造方法であって、前記微粒子膜に電子放出部を
    形成する際に、該微粒子膜に前記一対の電極を介して通
    電する通電処理と、前記発熱部材に通電する加熱処理と
    を施すことを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  5. 【請求項5】絶縁性基板上に請求項1〜3のいずれかに
    記載の電子放出素子を複数配置したことを特徴とする電
    子源。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の電子源を製造する際に、
    複数の電子放出素子を請求項4に記載の方法によって製
    造することを特徴とする電子源の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項5に記載の電子源と、該電子源から
    放出された電子の照射により画像を形成する画像形成部
    材とを有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の画像形成装置を製造する
    際に、電子源を請求項6に記載の方法によって製造する
    ことを特徴とする画像形成装置に製造方法。
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