JP2961523B2 - 電子放出素子、電子源及び画像形成装置 - Google Patents

電子放出素子、電子源及び画像形成装置

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JP2961523B2 JP15420597A JP15420597A JP2961523B2 JP 2961523 B2 JP2961523 B2 JP 2961523B2 JP 15420597 A JP15420597 A JP 15420597A JP 15420597 A JP15420597 A JP 15420597A JP 2961523 B2 JP2961523 B2 JP 2961523B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子放出源として用
いられる電子放出素子、詳しくは冷陰極型素子の一つで
ある表面伝導形電子放出素子、該電子放出素子を複数備
える電子源及び、該電子源を用いた画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、簡単な構造で電子の放出が得られ
る素子としては、例えばエム アイエリンソン(M.
I.Elinson)等によって発表された冷陰極素子
が知られている。[ラジオ エンジニアリング エレク
トロン フィジックス(Radio Eng.Elec
tron Phys.)第10巻,1290〜1296
頁,1965年] これは、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜内に平
行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利
用するもので、一般には表面伝導形電子放出素子と呼ば
れている。
【0003】この表面伝導形電子放出素子としては、前
記エリンソン等により開発されたSnO2 (Sb)薄膜
によるもの[ジー・ディトマー ”スイン ソリド フ
ィルムス”(G.Dittmer:”Thin Sol
id Films”),9巻317頁,(1972
年)]、ITO薄膜によるもの[エム ハートウェルア
ンド ジーシーフォンスタッド ”アイイーイーイート
ランス”イーディーコンファレンス(M.Hartwe
ll and C.G.Fonstad;”IEEE
Trans.ED Conf.”)519頁,(197
5年)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久他:”真
空”第26巻,第1号,22頁,(1983年)]など
が報告されている。
【0004】これらの表面伝導形電子放出素子の典型的
な素子構成を図7に示す。同図において231および2
32は電気的接続を得るための電極、233は電子放出
材料で形成される薄膜、234は基板、235は電子放
出部を示す。
【0005】従来、これらの表面伝導形電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に予めフォーミングと呼ば
れる通電処理によって電子放出部を形成する。即ち、前
記電極231と電極232の間に電圧を印加する事によ
り、薄膜233に通電し、これにより発生するジュール
熱で薄膜233を局所的に破壊、変形もしくは変質せし
め、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部235を形
成することにより電子放出機能を得ている。
【0006】なお、電気的に高抵抗状態とは、薄膜23
3の一部に、0.5〜5μmの亀裂を有し、かつ亀裂内
が所謂島構造を有する不連続状態膜をいう。島構造とは
一般に数十Åから数μm径の微粒子が基板234にあ
り、各微粒子は空間的に不連続で電気的に連続な膜をい
う。
【0007】従来、表面伝導形電子放出素子は上述高抵
抗不連続膜に電極231,232により電圧を印加し、
素子表面に電流を流すことにより、上述微粒子より電子
放出せしめるものである。
【0008】しかしながら、上記の様な従来の通電によ
るフォーミング素子には次のような問題点があった。 1)フォーミング工程の際に生じるジュール熱が大きい
為、基盤が破壊しやすくマルチ化が難しい。 2)電子放出部となる島構造の設計が不可能なため、素
子の改良が難しく、素子間のバラツキも生じやすい。 3)島の材料が金、銀、SnO2 、ITO等に限定さ
れ、仕事関数の小さい材料が使えないため、大電流を得
ることができない。
【0009】以上のような問題点があるため、表面伝導
形電子放出素子は、素子構造が簡単であるという利点が
あるにもかかわらず、産業上積極的に応用されるには至
っていなかった。
【0010】本発明者等は上記問題点を鑑みて検討した
結果、特願昭63−107570号,特願昭63−11
0480号に於いて電極間に微粒子膜を配置しこれに通
電処理を施すことにより電子放出部を設ける新規な表面
伝導形電子放出素子を提案した。この新規な電子放出素
子の構成図を図8に示す。
【0011】同図において、241及び242は電極、
243は微粒子膜、245は電子放出部、244は基板
である。
【0012】この電子放出素子の特徴としては次のよう
なことが挙げられる。 1)微粒子膜243に非常に少ない電流を流すことで電
子放出部245を形成できるので素子劣化のない素子が
作成でき、さらに電極の形状を任意に設計できる。 2)微粒子膜を形成する微粒子自身が電子放出の構成材
となる為、微粒子の材料や形状等の設計が可能となり、
電子放出特性を変えることができる。 3)素子の構成材である基板244や電極の材料の選択
性が広がる。
【0013】また、従来より、面状に展開した複数の電
子放出素子とこの電子放出素子から放出された電子線の
照射を各々受ける蛍光体ターゲットとを各々相対向させ
た薄形の画像表示装置が存在する。これら電子線ディス
プレイ装置は、基本的に次のような構造からなる。
【0014】図9は従来のディスプレイ装置の概要を示
すものである。251は基板、252は支持体、253
は素子配線電極、254は電子放出部、255は電子通
過孔、256は変調電極、257はガラス板、258は
画像形成部材で、例えば蛍光体、レジスト材等電子が衝
突することにより発光,変色,帯電,変質等する部材か
ら成る。259は蛍光体の輝点である。
【0015】ここで、電子放出部254は薄膜技術によ
り形成され、ガラス基板251とは接触することがない
中空構造を成すものである。素子配線電極253は電子
放出部材と同一の材料を用いて形成しても、別材料を用
いても良く、一般に融点が高く電気抵抗の小さいものが
用いられる。支持体252は絶縁体材料もしくは導電体
材料で形成されている。
【0016】上記電子線ディスプレイ装置は、素子配線
電極253に電圧を印加せしめ中空構造をなす電子放出
部より電子を放出させ、これら電子流を情報信号に応じ
て変調する変調電極256に電圧を印加することにより
電子を取り出し、取り出した電子を加速させ蛍光体25
8に衝突させるものである。また、素子配線電極253
と変調電極256でXYマトリックスを形成せしめ、画
像形成部材たる蛍光体258上に画像表示を行うもので
ある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記本
発明者等が先に提案した表面伝導形電子放出素子におい
ては、図8に示す如く、電極間の微粒子膜243内に電
子放出部245が形成され、該電子放出部245が電子
の放出位置になっているが、実際には、電子放出部24
5は0.01μm〜0.5μmの微細な範囲から形成さ
れており、その位置は、微粒子膜の形成条件や通電処理
の条件等によってばらつきが生じ、電極間の所定の位置
に正確に配置することが困難であった。
【0018】図8に於いて、電子放出部は直線的に描か
れているが、実際には電極241及び242の間でかな
り蛇行しており、通電条件によりその形態はかなり変化
し、電子放出部の実効的な長さが設計できなかった。
【0019】一般に、電極241と電極242の間隔は
0.5μm〜50μmであるが、電極間が広くなる程電
子放出部の位置を制御することが難しかった。
【0020】このような電子放出部の位置のばらつき
は、電子放出素子として応用する場合、電子放出量にば
らつきを生じ、特にこれらの素子を複数配置した面状電
子源として応用する場合には、場所によって電子放出量
が変わるという問題があった。
【0021】面状電子源の有効な応用として、特開昭5
6−28445号公報にあるような、面状に展開した複
数の電子源と、この電子源から電子ビームの照射を各々
受ける蛍光体ターゲットとを、各々相対向させた薄形の
画像形成装置があるが、この画像形成装置の電子源とし
て上記表面伝導形電子放出素子を応用すると、各素子の
電子放出量が異なる為場所によって蛍光体の蛍光輝度が
異なり表示ムラを生じていた。
【0022】また、前述した図7に示したような従来の
電子放出素子においては、フォーミングに要するパワー
が大きい為電子放出部や基板の劣化が著しく、電子放出
特性や電子放出部の位置を制御することは不可能であっ
た。
【0023】すなわち、本発明の目的とするところは、
上述のような問題点を解消し得る電子放出素子、該電子
放出素子を複数備える電子源及び、該電子源を用いた画
像形成装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく成
された本発明の構成は、以下の通りである。
【0025】すなわち、本発明第1は、基板上に対向し
て設けられた一対の電極間に、微粒子膜を備える電子放
出素子において、少なくとも一方の電極は他方の電極
側に突出して部分的に電極間隔を狭める複数の突起部を
有し、前記微粒子膜に、該突起部によって部分的に電極
間隔が狭められた箇所をつなげて連続する電子放出部が
形成されていることを特徴とする電子放出素子にある。
【0026】また、本発明第2は、本発明第1の電子放
出素子を複数配置したことを特徴とする電子源にある。
【0027】さらに、本発明第3は、本発明第2の電子
源と、該電子源から放出された電子の照射により画像を
形成する画像形成部材とを具備することを特徴とする画
像形成装置にある。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成要素及び作用
について詳述する。
【0029】本発明に於ける微粒子膜としては、粒径が
十数Åから数μmの導電性微粒子の膜、あるいはこれら
導電性微粒子が分散されたカーボン薄膜等が挙げられ
る。その材料はPd,Ag,Au,Ti等の金属、Pd
O,SnO2 等の酸化物導電体等導電性材料であればど
れを用いても構わない。そしてこれらの膜はガスデポジ
ション法や分散塗布法等により電極間に形成される。
【0030】図1は本発明第1の一実施態様を示す素子
構成図である。同図において、1は絶縁性基板、3と4
は電極、5は微粒子膜である。
【0031】従来の電子放出素子は、電極3と4の間隔
Gが放出幅W全域にわたって一定であるが、本発明第1
では、電極間にさらに電界集中を起こしやすい部分を予
め設けておくことで、微粒子膜5に形状の定まった電子
放出部6が形成される。電極3と4の間隔は、通常の電
子放出素子の場合は、0.1μm〜100μmが望まし
く、一般には0.5μm〜20μmが実用的であるが、
上記の様にして電界集中部位を設ければ10μm〜10
0μmの範囲が実用的となる。
【0032】また、上記電界集中部位の形成方法として
は、図2に示されるように相対向する電極3,4の一部
に、電極間隔をさらに狭めるような突起部(突出した電
極)101を予め作り込むことが最も容易である。この
電界集中部に沿って電子放出部6が形成されるため、本
発明第1に於いて突起部101間の距離gと突起部10
1の幅wの関係はg≦wが望ましく、具体的にはgは
0.5μm〜5μmが実用的である。
【0033】また、電極間隔を部分的に狭める突起部1
01を複数設けておくことで、複数の突起部101のそ
れぞれによって電極間隔が狭められた箇所をつなげて連
続して電子放出部6が形成され、ほぼ電子放出部6の形
状・位置を規定できる。なお、突起部101のピッチP
と電極3,4の間隔Gとの関係はP<Gが望ましい。
【0034】以上のように、電極間がさらに狭くなるよ
うな電極の突起を複数設けることで電子放出部の形状及
び位置を設計でき、従来例のように電子放出部が不規則
に蛇行することはなくなる。
【0035】通電処理の方法は、微粒子膜に通電するこ
とよりその一部を高抵抗化して電子放出部を形成するも
のや、その一部を低抵抗化して電子放出部を形成するも
のがあるがいずれを用いても構わない。
【0036】かかる通電処理時に微粒子膜の構造が変わ
り、上述したような電子放出部が形成される。本発明第
1に於いて実際、突起部101がこの構造変化にどのよ
うな役割を果たしているかは不明であるが、本発明者等
は突起部101で温度分布或いは電界分布が不連続とな
り、それが原因で突起部に沿って電子放出部が形成され
るものと推測している。
【0037】従って、本発明第1に於いて、前記突出し
た電極の形状によって電子放出部の形態が変化し、例え
ば図2に示したように、複数の突起部を直線状に設ける
ことにより、電子放出部も直線状に形成され、電子放出
部の位置と形状を制御した電子放出素子が容易に実現で
きる。
【0038】このように本発明第1の電子放出素子にお
いては、従来例と比較すれば電子放出素子の形状と位置
が正確に設計できるので、電子放出特性の制御が可能で
あるばかりでなく素子の再現性が得られるようになる。
【0039】次に、本発明第1の電子放出素子を複数配
置した電子源及び、かかる電子源を用いた画像形成装置
の概略構成例を図6に示す。
【0040】同図において、81は絶縁性基板、82,
83は電極、84は微粒子膜、85は電子放出部であ
り、これらにより面状電子源86が形成されている。
【0041】本面状電子源は、図1に示した本発明第1
の電子放出素子を複数配置したもので、特に電極82と
電極83の間に電子放出素子を並列に配置した線電子源
を数本基板に規則正しく設けたものである。
【0042】また、87はグリッド電極、88は電極通
過孔、89はガラス基板、90は画像形成部材であると
ころの蛍光体、91はアルミニウム材からなるメタルバ
ック、92はフェースプレート、93は蛍光体の輝点で
ある。
【0043】フェースプレート92は透明なガラス板8
9の上に蛍光体90が一様に塗布され、さらにその上に
メタルバック91を設けたものである。
【0044】グリッド電極87は複数のライン電極群か
らなり、面状電子源86の電極群と直角方向に配置され
る。電子通過孔88は電子放出部85のほぼ鉛直上に設
けられ、グリッド電極87を信号電極、線電子源群を走
査電極として、XYマトリックス駆動を行い画像を形成
するものである。
【0045】以上、画像形成装置について説明してきた
が、電子ビーム応用装置としては他にも記録装置,記憶
装置,電子ビーム猫画装置等の様々な装置があり、本発
明の電子放出素子はこれら装置へも好適に利用すること
ができる。
【0046】本発明の画像形成装置に用いる画像形成部
材は、電子放出素子から放出された電子線の照射によっ
て発光,変色,帯電,変質或いは変形等を起こす材料よ
り形成されたものであれば、いかなるものであっても良
いが、その一例として蛍光体,レジスト材料等が挙げら
れる。とりわけ、画像形成部材として蛍光体が用いられ
る場合には、形成される画像は発光(蛍光)画像であ
る。
【0047】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて更に詳述す
る。
【0048】実施例1 本実施例では以下に述べる様にして、図3に示されるよ
うな電子放出素子を作製した。尚、図3は素子の部分拡
大図であり、全体図は図1と同様である。
【0049】十分脱脂洗浄を行ったガラス基板上に、
通常のフォトリソグラフィ技術を用いてリフトオフ用レ
ジストを形成した後、真空蒸着によって電極3,4を形
成した。用いた電極材料はTi〜50Å,Ni〜950
Åであり、同図に示したように、電極幅は300μm、
電極3,4間の距離は10μmである。また電極3,4
に付加された突起部101間の距離を2μm,突起部1
01の幅を5μm,突起部101のピッチを10μmと
して形成した。
【0050】次に、で形成した電極基板上に、全面
にわたってCr薄膜〜1000Åを真空蒸着により形成
した後、微粒子膜5を設ける部分のCr薄膜のみをエッ
チング除去した。
【0051】次にまでで得られた電極基板上に、有
機パラジウム化合物を含む有機溶媒(奥野製薬工業製
キャタペーストccp)を回転塗布した後、大気中30
0℃,10分間の焼成を行い、電極3,4間にPd微粒
子から成る膜厚のほぼ均一な微粒子膜5を形成した。
【0052】最後に、で形成したCr薄膜を全てエ
ッチング除去して電子放出素子を完成した。
【0053】以上の様にして得られた電子放出素子の電
極3をプラス側、電極4をアース側となるように電源を
接続し、微粒子膜5に通電処理を行った。その結果、図
3に示したように、電極3,4に付加した突起部101
によって電極間隔が狭められた箇所をつなげて直線状に
電子放出部6が形成された。
【0054】ここで通電処理前の微粒子膜の厚さは数十
Åから200Åが実用的であるがこれに限るものではな
い。尚、このときの微粒子膜のシート抵抗は103 〜1
8Ω/□程度である。
【0055】本実施例では、通電処理に於いて電流の流
れる向きを電極3側から電極4側にしたが、本実施例に
於いては電流の流れる向きに関係なく、再現性良く上述
した位置に電子放出部を形成できた。
【0056】比較例 比較例として、図4に示されるような電子放出素子を作
製した。尚、図4は素子の部分拡大図であり、全体図は
図1と同様である。本比較例では、電極3,4の幅は実
施例1と同様に300μmであるが、突起部101を設
けないため、電極間隔が10μmで一定である。
【0057】本素子を実施例1と同様、電極3をプラス
側、電極4をアース側として通電処理を行ったところ、
図4に模式的に示しているように、10μmの電極間で
大幅に蛇行した電子放出部が形成された。
【0058】また、同様にして形成した他の素子に、同
様にして通電処理を行っても電子放出部の形状に再現性
は無く、各素子間の電子放出量にばらつきが生じた。
【0059】実施例2 本実施例では図5に示される様な電子放出素子を作製し
た。尚、図5は素子の部分拡大図であり、全体図は図1
と同様である。
【0060】本実施例は、実施例1と同様に、電極3,
4に突起部101を対向するように設けた構成である
が、電極3,4の間隔を100μmまで拡大した構成と
なっている。また、突起部101のピッチを50μm〜
1mmまで種々変化させた(図5はそのうちの1つを示
している)。
【0061】次に本実施例の電子放出素子の製造方法を
説明する。
【0062】十分脱脂洗浄を行ったガラス基板上に、
通常のフォトリソグラフィ技術を用いてリフトオフ用レ
ジストを形成した後、真空蒸着によって電極3,4を形
成した。用いた電極材料はTi〜50Å,Ni〜950
Åであり、同図に示したように、電極幅は300μm、
電極3,4間の距離は100μmである。また電極3,
4に付加された突起部101間の距離を2μm,突起部
101の幅を5μm,突起部101のピッチを50μm
〜1mmとして形成した。
【0063】次にで得られた基板の所定の位置に微
粒子膜5を形成するために、金属マスクを電極3,4上
に配置し、ガスデポジション法で微粒子膜5を作製し
た。材質はAu,Ag,Ti,Sn,Pd等の金属ある
いはその他の導電性材料を用いることも可能であるが、
実施例1と同様Pdを用いた。
【0064】こうして得られた素子を実施例1と同様に
通電処理を行い、電子放出部6の形態を観察したとこ
ろ、突起部101のピッチが200μm程度までは、ほ
ぼ直線状の電子放出部が得られるが、200μmを超え
ると図5に示したように突起間で、やや蛇行がみられ
た。また、蛇行と同時に、放出幅の増大も現れた。
【0065】しかし、特性的には特に著しい劣化はな
く、電極3,4の間隔が100μmまでは応用可能であ
ることが判った。
【0066】実施例3 本実施例では、図3に示したような実施例1の電子放出
素子を複数個配置して面状電子源を形成し、これを用い
て図6に示すような画像形成装置を作製した。
【0067】本実施例の画像形成装置に於いて、電極8
2と電極83に14Vの電圧を印加することにより各電
子放出部85から電子を放出させ、グリッド電極87に
適当な電圧を印加することにより電子を引きだし、メタ
ルバック91に500〜5000Vの電圧を印加し、画
像形成部材であるところの蛍光体90に電子を衝突させ
た。本画像形成装置は、真空度1×10-5Torr〜1
×10-7Torrの真空容器内に形成されている。
【0068】本実施例の画像形成装置では、次のような
結果が得られた。 1.各電子放出部から放出される電子量が等しいので明
るさが均一な表示画面が得られた。 2.各電子放出部の位置が正確に定まっているので蛍光
体の輝点93もほぼ同一な形状で規則正しい配列であっ
た。
【0069】一方、電子放出素子の一対の電極に突起部
を設けない従来の電子源を用いた画像形成装置では、輝
点の形状と輝点のピッチが場所によって異なっていた。
このことから本実施例は、カラー画像、高精細画像を得
るのに好適である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば電
子放出部の形状及び位置を設計することができ、次のよ
うな効果がある。
【0071】1.電子放出量や電子放出効率等の電子特
性が制御でき、さらに素子間で特性のバラツキの少ない
素子製造が可能となる。
【0072】2.画像形成装置として均一な発光輝度の
画像表示が得られる。
【0073】3.電子放出部の位置が正確に定まるの
で、画像形成装置として蛍光体の輝点形状が均一な画像
表示が得られる。
【0074】4.電子放出部の位置が正確に定まるの
で、画像形成装置として変調電極の形状設計や制御系が
簡易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の電子放出素子の特徴を説明するた
めの全体構成図である。
【図2】本発明第1の電子放出素子の特徴を説明するた
めの部分拡大図である。
【図3】本発明第1の電子放出素子の一例を示す部分拡
大図である。
【図4】比較例で作製した電子放出素子の電子放出部の
拡大図である。
【図5】本発明第1の電子放出素子の別の例を示す部分
拡大図である。
【図6】図3の電子放出素子を複数個用いて作製した画
像形成装置の概略構成図である。
【図7】従来の電子放出素子の構成図である。
【図8】微粒子膜及び微粒子を含む薄膜導電体を通電処
理することにより作製された従来の電子放出素子の構成
図である。
【図9】従来のディスプレイ装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 3,4 電極 5 微粒子膜 6 電子放出部 81 絶縁性基板 82,83 電極 84 微粒子膜 85 電子放出部 86 面状電子源 87 グリッド電極 88 電子通過孔 89 ガラス板 90 蛍光体 91 メタルバック 92 フェースプレート 93 蛍光体の輝点 101 突起部(突出した電極)
フロントページの続き (72)発明者 野村 一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 鱸 英俊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 金子 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 野間 敬 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−296531(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 1/30,9/02 H01J 31/12,29/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に対向して設けられた一対の電極
    間に、微粒子膜を備える電子放出素子において、 少なくとも一方の電極は他方の電極側に突出して部分
    的に電極間隔を狭める複数の突起部を有し、前記微粒子
    膜に、該突起部によって部分的に電極間隔が狭められた
    箇所をつなげて連続する電子放出部が形成されているこ
    とを特徴とする電子放出素子。
  2. 【請求項2】 前記電極の突起部の形状が、矩形若しく
    は台形状であることを特徴とする請求項1に記載の電子
    放出素子。
  3. 【請求項3】 表面伝導形電子放出素子であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の電子放出素子。
  4. 【請求項4】 基板上に、請求項1〜3のいずれかに記
    載の電子放出素子を複数配置したことを特徴とする電子
    源。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の電子源と、該電子源か
    ら放出された電子の照射により画像を形成する画像形成
    部材とを具備することを特徴とする画像形成装置。
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