JPH052984A - 表面伝導形電子放出素子、電子放出装置及び画像形成装置 - Google Patents

表面伝導形電子放出素子、電子放出装置及び画像形成装置

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JPH052984A
JPH052984A JP3180573A JP18057391A JPH052984A JP H052984 A JPH052984 A JP H052984A JP 3180573 A JP3180573 A JP 3180573A JP 18057391 A JP18057391 A JP 18057391A JP H052984 A JPH052984 A JP H052984A
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JP
Japan
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electron
emitting
emission
electrodes
electron emission
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Application number
JP3180573A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Takeda
俊彦 武田
Yoshikazu Sakano
嘉和 坂野
Ichiro Nomura
一郎 野村
Tetsuya Kaneko
哲也 金子
Hidetoshi Suzuki
英俊 鱸
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/316Cold cathodes having an electric field parallel to the surface thereof, e.g. thin film cathodes
    • H01J2201/3165Surface conduction emission type cathodes

Landscapes

  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面伝導形電子放出素子を用いて、その放出
電子をターゲットに照射させ発光画像等を形成するよう
な場合において、特にかかる素子をマルチ配列にした際
の部分的な故障による発光むら、あるいは故障部位のリ
ペアといった手間を解消し、寿命の向上を図り安定した
画像を提供することにある。 【構成】 電極間に複数の電子放出部が電極を挟んで複
数設けられた表面伝導形電子放出素子を、複数電気的に
並列に接続配置し、かつ、各表面伝導形電子放出素子の
電子放出部間に位置する相対応する電極同士を接続して
共通電極とした電子放出装置、を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面伝導形放出素子及
びそれを用いた電子放出装置、さらにはかかる電子放出
装置を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、簡単な構造で電子の放出が得られ
る素子として、例えばエム アイ エリンソン(M.
I.Elinson)等によって発表された冷陰極素子
が知られている[ラジオ エンジニアリング エレクト
ロン フィジックス(RadioEng.Electr
on Phys.)第10巻,1290〜1296頁,
1965年]。
【0003】これは、基板上に形成された小面積の薄膜
に、膜内に平行に電流を流すことにより、電子放出が生
ずる現象を利用するもので、一般には表面伝導形電子放
出素子と呼ばれている。
【0004】この表面伝導形電子放出素子としては、前
記エリンソン等により開発されたSnO2(Sb)薄膜
を用いたもの、Au薄膜によるもの[ジー・ディトマー
“スイン ソリド フィルムス”(G.Dittme
r:“Thin SolidFilms”),9巻 3
17頁,(1972年)]、ITO薄膜によるもの[エ
ム ハートウェル アンド シージーフォンスタッド
“アイイーイーイートランス“イーディーコンファレン
(M.Hartwell and C.G.Fonst
ad;“IEEE Trans.ED Conf.”)
519頁,(1975年)]、カーボン薄膜によるもの
[荒木久他:“真空”第26巻,第1号,22頁,(1
983年)]などが報告されている。
【0005】これらの表面伝導形電子放出素子の典型的
な素子構成を、図6に示す。同図において、1及び2は
電気的接続を得るための電極、3は電子放出材料で形成
される薄膜、4は基板、5は電子放出部を示す。
【0006】従来、これらの表面伝導形電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に予めフォーミングと呼ば
れる通電加熱処理によって電子放出部5を形成してい
る。即ち、前記電極1と電極2の間に電圧を印加するこ
とにより、薄膜3に通電し、これにより発生するジュー
ル熱で薄膜3を局所的に破壊、変形もしくは変質せし
め、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部5を形成す
ることにより電子放出機能を得ている。
【0007】なお、電気的に高抵抗状態とは、薄膜3の
一部に、0.5μm〜5μmの亀裂を有し、かつ亀裂内
がいわゆる島構造を有する不連続状態膜をいう。島構造
とは一般に数十Åから数μm径の微粒子が基板4にあ
り、各微粒子は空間的に不連続で電気的に連続な膜をい
う。
【0008】従来、表面伝導形電子放出素子は上述高抵
抗不連続膜に電極1,2により電圧を印加し、素子表面
に電流を流すことにより、上述微粒子より電子を放出せ
しめるものである。
【0009】しかしながら、上記の様な従来の通電加熱
によるフォーミング素子には、次のような問題点があっ
た。1)電子放出部となる海島構造の設計が不可能なた
め、素子の改良が難しく、素子間のばらつきも生じやす
い。2)フォーミング工程の際に生じるジュール熱が大
きい為、基板が破壊しやすくマルチ化が難しい。3)島
の材料が金、銀、SnO2、ITO等に限定された仕事
関数の小さい材料が使えないため、大電流を得ることが
できない。
【0010】以上のような問題点があるため、表面伝導
形電子放出素子は、素子構造が簡単であるという利点が
あるにもかかわらず、産業上積極的に応用されるには至
っていなかった。
【0011】本発明者等は上記問題点を鑑みて検討した
結果、特願昭63−107570号,特願昭63−11
0480号において、電極間に微粒子膜を配置しこれに
通電処理を施すことにより電子放出部を設ける新規な表
面伝導形電子放出素子を提案した。この新規な電子放出
素子の構成図を図7に示す。同図において、1及び2は
電極、6は微粒子膜、5は電子放出部、4は基板であ
る。
【0012】この電子放出素子の特徴としては次のよう
なことが挙げられる。1)微粒子膜に非常に少ない電流
を流すことで電子放出部を形成できるので素子劣化のな
い素子が形成でき、さらに電極の形状を任意に設計でき
る。2)微粒子膜を形成する微粒子自身が電子放出の構
成材となる為、微粒子の材料や形状等の設計が可能とな
り、電子放出特性を変えることができる。3)素子の構
成材である基板や電極の材料の選択性が広がる。
【0013】また、従来より、面状に展開した複数の電
子放出素子とこの電子放出素子から放出された電子線の
照射を各々受ける蛍光体ターゲットとを各々相対向させ
た薄形の画像表示装置が存在する。これら電子線ディス
プレイ装置は、基本的に次のような構造からなる。
【0014】図8は従来のディスプレイ装置の概要を示
すものである。81は基板、82は支持体、83は配線
電極、84は電子放出部、85は電子通過孔、86は変
調電極、87はガラス板、88は画像形成部材で、例え
ば蛍光体、レジスト材等電子が衝突することにより発
光,変色,帯電,変質等する部材から成る。89は蛍光
体の輝点である。
【0015】ここで、電子放出部84は薄膜技術により
形成され、ガラス基板81とは接触することがない中空
構造を成すものである。配線電極83は電子放出部材と
同一の材料を用いて形成しても、別材料を用いても良
く、一般に融点が高く電気抵抗の小さいものが用いられ
る。支持体82は絶縁体材料もしくは導電体材料で形成
されている。
【0016】これら電子線ディスプレイ装置は、配線電
極83に電圧を印加せしめ中空構造をなす電子放出部よ
り電子を放出させ、これら電子流を情報信号に応じて変
調する変調電極86に電圧を印加することにより電子を
取り出し、取り出した電子を加速させ蛍光体88に衝突
させるものである。また、配線電極83と変調電極86
でXYマトリックスを形成せしめ、画像形成部材たる蛍
光体88上に画像表示を行うものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例に示したような、通電加熱によるフォーミング処理
によって製造された表面伝導形電子放出素子は、以下の
ような問題点があった。.電子放出部5の構造設計が
困難なため、素子の改良が難しく、素子間のばらつきを
生じやすい。.フォーミング工程によって生じるジュ
ール熱が大きいため、特性の劣化,基板破壊等が生じや
すい。
【0018】また、従来実用に供されてきた通電加熱に
よる熱電子源は、電子放出特性が温度分布の影響を極め
て強く受けるため、大面積にわたって均一な特性を得る
ことが困難であり、線状,あるいは面状に展開した電子
放出装置へは応用されていない。
【0019】さらに、上記従来型の表面伝導形電子放出
素子や通電加熱による熱電子源を電気的に直列に配置し
た場合には、以下のような問題点があった。.直列に
接続された2個以上の電子放出部のうちのどちらか一方
のみ、あるいは、複数の中の1ケ所のみから電子を放出
させることはできない。.直列接続によって、各電子
放出部で分圧されるため、駆動電圧が高くなり、消費電
力が増加する。.電子放出部での電圧降下のため、素
子に印加される電圧にばらつきが生じ、電子放出量が均
一にならない。
【0020】そこで、本発明は上記問題点を解決した、
直列に接続された2個以上の電子放出部を有する表面伝
導形の電子放出素子及びそれを並列配置した電子放出装
置、さらには、画像形成装置を提供することを目的とし
ている。
【0021】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するための、本発明の特徴とする構成について以下に述
べる。
【0022】第1に、本発明の基本となる技術思想は、
電極間に電子放出部を有する構成であって、該電子放出
部が複数であり、かつ、各電子放出部が電気的に直列に
接続された表面伝導形電子放出素子、としている点にあ
る。
【0023】ここで、前記複数の電子放出部を形成する
にあたり、相隣接する電子放出部間に電極を設けること
で各々を別個の独立した電子放出部に形成することが好
ましい。
【0024】第2に、上記表面伝導形電子放出素子を、
複数電気的に並列に接続配置し、かつ、各表面伝導形電
子放出素子の電子放出部間に位置する相対応する電極同
士を接続して共通電極とした電子放出装置、としている
点にある。
【0025】第3に、真空容器内に少なくとも、上述第
2に記載の電子放出装置を複数配置した電子源と、該電
子源から放出された電子の照射により画像を形成する画
像形成部とを有し、かつ、該電子源を構成する複数の電
子放出部が直列に接続された一つの表面伝導形電子放出
素子に対して画像形成部の一画素が対応する配置関係を
有する画像形成装置、としている点にある。
【0026】以下、本発明の構成要素及び作用について
説明する。先ず、図1に、本発明の基本となる表面伝導
形電子放出素子(単位素子)の構成と、それに対応させ
る画像形成部の構成を示す。同図において1及び2は電
極、6は電子放出材料により形成された微粒子膜、4は
絶縁性基板、5は電子放出部、8は透明(ガラス)板,
透明電極,蛍光体からなる蛍光体ターゲット、7は電子
照射領域(発光部)である。
【0027】ここで、微粒子膜6としては、粒径が十数
Åから数μmの導電性微粒子の膜、あるいはこれら導電
性微粒子が分散されたカーボン薄膜等が挙げられる。そ
の材料はPd,Ag,Au,Ti等の金属、PdO,S
nO2等の酸化物導電体等導電性材料であればどれを用
いても構わない。そして、これらの膜はガスデポジショ
ン法や分散塗布法等により電極間に形成される。
【0028】本発明の基本となる電子放出素子(単位素
子)は、図1,図2,図3,ならびに図4で示すよう
に、2つ以上の複数個からなる電子放出部5を電気的に
直列に接続して1つの電子放出素子群を構成し、該電子
放出素子群が1つの電子照射領域(一画素)7に対応し
た構成を有するものである。
【0029】前記、電子放出部5となる電極1,2の間
隔は、0.1μmから100μmが望ましく、一般には
0.5μmから10μmが実用的である。さらに隣接す
る電子放出部5の間隔Sは0.5μmから2mmが望ま
しく、一般には、1μmから1000μmが実用的であ
る。
【0030】以上のような複数個の電子放出素子に設け
られた電子放出材料からなる微粒子膜6の通電処理の方
法は、微粒子膜6を通電加熱によりその一部を高抵抗化
して電子放出部を形成するものや、微粒子膜6に通電す
ることによりその一部を低抵抗化して電子放出部を形成
するものがあるが、いずれを用いても構わず、少なくと
も電子放出素子の複数個分の回数前述の処理を施こすこ
とにより、全ての電子放出材料からなる微粒子膜の構造
が変わり、上述したような不連続な電子放出部5が形成
される。
【0031】次に、前記通電処理を施した表面伝導形電
子放出素子(単位素子)に駆動用の電圧を印加すると、
複数個の電子放出部のうち、一つの電子放出部のみから
電子が放出された。実際、どのようにして一つの電子放
出部のみから電子が放出されるかは不明であるが、発明
者等は、かかる現象は表面伝導形電子放出素子固有の特
性であるものと推測している。
【0032】また、図1に示されるように、表面伝導形
電子放出素子による電子照射領域(発光部)7は、その
特性上L>Wとなった楕円形に近い形状となる。
【0033】次に、本発明の特徴を図2を用いて説明す
る。同図において、1,2及び9は電極、6は電子放出
材料からなる微粒子膜、5は電子放出部である。
【0034】同図では、2つの電子放出部5−a,5−
bが直列に接続された電子放出素子が、6素子並列接続
された電子源となっており、上述のように電極1,2間
に通電処理することで電子放出部が形成される。このと
き、直列に接続された2つの電子放出部5−a,5−b
のうちのどちらか一方に電界集中が生じ、電子放出がは
じまると(例えば、5−bの電子放出部のうちの1ケ
所)、5−bと並列に接続された電極2側の電子放出部
が全て電子放出部として機能する。このとき、5−a側
の電子放出部列は全て低抵抗であり、電子放出部として
ではなく導体として働くことになる。逆に、電極1側の
電子放出部5−aが放出機能を持った場合には、電子放
出部5−a列が全て電子放出部となり、5−b側は導体
として機能する。
【0035】上述のように、直列に配置した電子放出部
のどちらか一方が電子を放出する機構については不明確
であるが、かかる素子を並列に接続して用いた場合に
は、前述のごとく電子を放出する列はどちらか一方に規
定されるため、一列のライン状電子源が容易に実現でき
る。さらに、本構成を用いることで、どちらか一方の電
子放出部が劣化した場合には、他の電子放出部列に切り
換えるといった応用も可能となる。
【0036】さらに、本発明の電子放出装置を画像形成
装置に応用する場合には、図5に示す構成が考えられ
る。同図において、51は絶縁性基板、53及び54は
電極、55は直列接続された電子放出部、56は微粒子
膜、57はグリッド電極、58は電子通過孔、59はメ
タルバック60,蛍光体61,ガラス板62を積層した
フェースプレートである。尚、63は蛍光体の輝点であ
る。
【0037】ここでは、1つの蛍光体の輝点63に対応
する電子放出素子(単位素子)において、2個の電子放
出部を有した構成となっている。かかる構成によれば、
直列に接続された電子放出部55のうちどちらか一方が
何らかの原因で特性劣化を生じた場合に、残る他の放出
部を使うことで、各輝点間のばらつきを補正できる。従
って、画像形成装置用の電子放出装置としては長寿命化
が可能となる。
【0038】尚、本発明の画像形成装置に用いる画像形
成部材は、電子放出素子から放出された電子線の照射に
よって発光,変色,帯電,変質あるいは変形等を起こす
材料により形成されたものであれば、いかなるものであ
っても良いが、その一例として、蛍光体,レジスト材料
等が挙げられる。とりわけ、画像形成部材として蛍光体
が用いられる場合には、形成される画像は発光(蛍光)
画像である。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べる。
【0040】(実施例1)本実施例では、図3に示すよ
うな構成の電子放出装置を作製した。先ず、かかる装置
の製造工程について説明する。.先ず、十分脱脂,洗
浄を行ったガラス基板4上に、通常のフォトリソグラフ
ィ技術を用いてレジスト形成し、真空蒸着により電極
1,2及び9を形成した。各電子放出部5の幅は全て3
00μm、電極1と9及び2と9の間隔を全て2μmと
した。
【0041】また、電極9の幅は100μmで、図示す
るように電極1,2間に並列接続される全ての素子に共
通である。また、並列接続される電子放出素子(単位素
子)を100素子とした。.次に、で形成した電極
1,9間及び2,9間に形成された2μm間隔に、有機
パラジウム化合物を含む有機溶媒(奥野製薬工業製キャ
タペーストCCP)をスピンコータを用いて回転塗布し
た。
【0042】その後、300℃にて10分間の焼成を行
い、塗布されたPd微粒子膜を島構造を有する不連続な
状態として電子放出部5を形成した。この時、放出部材
料6を電極間の2μm間隔部にのみ形成するために、C
r薄膜を用いた。このCr薄膜は、300℃−10分間
焼成後エッチング除去した。.さらに、素子配線抵抗
を低減するため、電極1及び2上に、Cu 2μmの配
線電極を形成して(不図示)、ライン状電子源を完成し
た。
【0043】こうして得られたライン状電子放出素子の
電極1をアース電位として、電極2に0〜14Vの電圧
を印加したところ、1回目の電圧印加時に印加電圧10
Vから電子放出がはじまり、14Vで放出電流〜50μ
Aが得られた(この時の測定条件は、素子形成基板4の
鉛直上方5mmの位置に蛍光体を塗布した透明電極付き
ガラス基板を設け、その基板に加速電圧1kVを加えて
測定したものである)。
【0044】また、放出電流〜50μAが得られた状態
での蛍光体の発光は、2個直列に接続された電子放出部
のうちのアース電位側のみにて確認され、100素子全
てがアース電位側放出部から電子放出されていることが
確認された。
【0045】次に、一度印加電圧をゼロに戻した後、再
度前回と同一方向に電圧を印加して測定したところ、前
回とは異なり蛍光板の発光輝点は+14V側のみにて確
認され、+14V側の電子放出部のみから電子が放出さ
れていることが分かった。
【0046】その後、電圧印加の方向等を変化させても
同様の変化が生じ、直列に接続された2つの放出部のう
ち、どちらから電子放出が生じるかは不明であり、ラン
ダムに起こっていることが明らかになった。
【0047】また、電子放出中の各放出部で発生してい
る電圧降下を測定したところ、印加電圧の殆どがどちら
か一方の放出部にかかっており、残る一方の放出部は単
なる導体として機能していることが確認された。
【0048】(実施例2)本実施例では、直列に接続さ
れた電子放出部が4個存在する場合の電子放出装置を作
製した。図4はその電子放出装置の上面図である。本図
中、1及び2は電極であり、6は実施例1と同様にPd
微粒子膜(電子放出部材料)であり、10,11,12
は4つの電子放出部5を直列とするための電位不定電極
(共通電極)である。
【0049】本実施例に係る電子放出装置の製造方法
は、実施例1と同様であるため省略する。また、電子放
出位置を確認するため、本実施例では、電極10,1
1,12の幅を全て1mm、電極間隔は実施例1と同様
全て2μmとした。
【0050】こうして得られた素子基板を〜1×10-6
Torrの真空中に入れ、実施例1同様に電極1をアー
ス電位として、電極2に0〜14Vの電圧を印加したと
ころ、+14V時に電極10と電極2の間に形成された
電子放出部のみから、電子放出が得られた。
【0051】次に、電圧を一度ゼロに戻し、再度+14
Vまで印加した場合には、電極10,11間に形成され
た電子放出部のみから、電子放出が得られた。同一の操
作をくり返したところ、全ての放出部から電子放出が確
認されたが、直列に接続された4ケ所の放出部から同時
に電子放出することはなく、常にそのうちの1ケ所より
電子が放出されることが確認された。
【0052】さらに、並列に接続された5個の電子放出
素子(単位素子)間では、常に5素子とも同一の列が電
子放出しており、直列に接続された4個の電子放出部の
うちのどの列が放出するかはランダムであるが、常に一
ラインの発光となることが確認された。
【0053】(実施例3)図5は、本実施例の画像形成
装置を示す構成図である。本実施例の面状電子源は、実
施例1の電子放出素子を複数配列したもので、とくに電
極53と電極54の間に電子放出素子を並列に配置した
線電子源を複数本基板に規則正しく設けたものである。
【0054】同図において、57はグリッド電極、58
は電子通過孔、62はガラス板、61は蛍光体、60は
アルミニウム材からなるメタルバック、59はフェース
プレート、63は蛍光体の輝点である。
【0055】本実施例において、グリッド電極57は複
数のライン電極群からなり、面状電子源の電極群と直角
方向に配置される。電子通過孔58は電子放出部55の
ほぼ鉛直上に設けられ、グリッド電極57を信号電極、
線電子源群を走査電極として、XYマトリックス駆動を
行い画像を形成するものである。フェースプレート59
は透明なガラス板62の上に蛍光体61が一様に塗布さ
れ、さらにその上にメタルバック60を設けたものであ
る。
【0056】本実施例の画像形成装置に於いて、電極5
3と電極54に14Vの電圧を印加することにより各電
子放出部56から電子を放出させ、グリッド電極59に
適当な電圧を印加することにより電子を引き出し、蛍光
体に電子を衝突させた。本画像形成装置は、当然ながら
真空度1×10-5Torr〜1×10-7Torrの環境
下に置かれ、蛍光体に500〜5000Vの電圧を印加
した。
【0057】本実施例の電子放出装置を用いた画像形成
装置では、以下の結果が得られた。.各電子放出部か
ら放出される電子量が等しいので明るさが均一な表示画
面が得られた。.各電子放出部の位置が正確に定まっ
ているので蛍光体上の輝点もほぼ同一な形状で規則正し
い配列であった。
【0058】また、上述の駆動条件でON−OFFのく
り返しと連続駆動を長時間にわたって行ったが、殆ど劣
化は見られなかった。特に、連続駆動によって輝度低下
を生じた場合には、一度駆動を停止した後再度駆動を行
うことで、他の輝点と同等の明るさが得られるようにな
り、画像形成装置として十分な寿命が確認された。
【0059】以上、本実施例は画像形成装置についての
み説明してきたが、画像形成部材としては、蛍光体の他
にレジスト材や薄膜金属のような電子ビームが衝突する
ことにより状態が変化する全ての部材が含まれ、電子ビ
ーム応用装置としては、記録装置,記憶装置,電子ビー
ム描画装置等の様々な装置があり、本発明は電子放出素
子が複数配置された面状電子源を用いた画像形成装置で
あれば同等の効果がある。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、複数の電子放出部
を直列に接続した表面伝導形放出素子を、複数並列接続
し、さらに、相隣接する2つの放出部間の電極が、複数
並列接続された放出素子間で各々共通電位となっている
ことによって、以下のような効果がある。.直列接続
でありながら、1素子のみの駆動が可能。.直列素子
を並列接続することでライン状電子放出装置を容易に実
現できる。.直列接続によって1素子中に複数の放出
部が形成できるため、故障時のリペアが不要となる。
.電子源の長寿命化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる複数(ここでは2個)の電
子放出部が電気的に直列に接続された表面伝導形放出素
子の概略図である。
【図2】本発明の特徴を示すライン状電子放出装置の概
略図である。
【図3】実施例1で作製した電子放出装置の部分上面図
である。
【図4】実施例2で作製した電子放出装置の上面図であ
る。
【図5】実施例3で作製した画像形成装置の構成図であ
る。
【図6】従来の表面伝導形放出素子の概略図である。
【図7】微粒子膜及び微粒子を含む薄膜から形成された
表面伝導形放出素子の構成図である。
【図8】従来形電子放出素子を用いた画像形成装置の構
成図である。
【符号の説明】
1 電極 2 電極 3 薄膜 4 基板 5 電子放出部 6 微粒子膜 7 電子照射領域 8 蛍光体ターゲット 9 共通電極 51 基板 53 電極 54 電極 55 電子放出部 56 微粒子膜 57 グリッド電極 58 電子通過孔 59 フェースプレート 60 メタルバック 61 蛍光体 62 ガラス板 63 蛍光体の輝点 81 基板 82 支持体 83 配線電極 84 電子放出部 85 電子通過孔 86 変調電極 87 ガラス板 88 画像形成部材 89 蛍光体の輝点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鱸 英俊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極間に電子放出部を有する構成であっ
    て、該電子放出部が複数であり、かつ、各電子放出部が
    電気的に直列に接続されていることを特徴とする表面伝
    導形電子放出素子。
  2. 【請求項2】 相隣接する電子放出部の間に電極を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の表面伝導形電子放出
    素子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の表面伝導形電子放出素
    子を、複数電気的に並列に接続配置し、かつ、各表面伝
    導形電子放出素子の電子放出部間に位置する相対応する
    電極同士を接続して共通電極としたことを特徴とする電
    子放出装置。
  4. 【請求項4】 真空容器内に少なくとも、請求項3に記
    載の電子放出装置を複数配置した電子源と、該電子源か
    ら放出された電子の照射により画像を形成する画像形成
    部とを有し、かつ、該電子源を構成する複数の電子放出
    部が直列に接続された一つの表面伝導形電子放出素子に
    対して画像形成部の一画素が対応する配置関係を有する
    ことを特徴とする画像形成装置。
JP3180573A 1991-06-06 1991-06-26 表面伝導形電子放出素子、電子放出装置及び画像形成装置 Pending JPH052984A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040031756A (ko) * 2004-03-25 2004-04-13 우형수 전계 방출 디스플레이 장치 및 그 제조 방법
KR100556745B1 (ko) * 2003-11-04 2006-03-10 엘지전자 주식회사 전계 방출 소자
KR100869792B1 (ko) * 2003-01-29 2008-11-21 삼성에스디아이 주식회사 전계 방출 표시장치

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