JPH1055748A - 電子放出素子、電子源及び画像形成装置 - Google Patents

電子放出素子、電子源及び画像形成装置

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JPH1055748A
JPH1055748A JP9154206A JP15420697A JPH1055748A JP H1055748 A JPH1055748 A JP H1055748A JP 9154206 A JP9154206 A JP 9154206A JP 15420697 A JP15420697 A JP 15420697A JP H1055748 A JPH1055748 A JP H1055748A
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electron
emitting
electrodes
electrode
fine particle
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JP9154206A
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Rie Ueno
理恵 上野
Yoshikazu Sakano
嘉和 坂野
Toshihiko Takeda
俊彦 武田
Ichiro Nomura
一郎 野村
Hidetoshi Suzuki
英俊 鱸
Tetsuya Kaneko
哲也 金子
Takashi Noma
敬 野間
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置の電子源として用いることがで
き、電子放出量を段階的に制御可能な電子放出素子を提
供する。 【解決手段】 微粒子膜5に形成された複数の異なる電
子放出特性を有する電子放出部6a〜6dが、独立した
電位を与えることのできる電極により電気的に直列接続
されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子放出源として用
いられる電子放出素子、詳しくは冷陰極型素子の一つで
ある表面伝導形電子放出素子、該電子放出素子を複数備
える電子源及び、該電子源を用いた画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、簡単な構造で電子の放出が得られ
る素子としては、例えばエム アイエリンソン(M.
I.Elinson)等によって発表された冷陰極素子
が知られている。[ラジオ エンジニアリング エレク
トロン フィジックス(Radio Eng.Elec
tron Phys.)第10巻,1290〜1296
頁,1965年] これは、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜内に平
行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利
用するもので、一般には表面伝導形電子放出素子と呼ば
れている。
【0003】この表面伝導形電子放出素子としては、前
記エリンソン等により開発されたSnO2 (Sb)薄膜
によるもの[ジー・ディトマー ”スイン ソリド フ
ィルムス”(G.Dittmer:”Thin Sol
id Films”),9巻317頁,(1972
年)]、ITO薄膜によるもの[エム ハートウェルア
ンド ジーシーフォンスタッド ”アイイーイーイート
ランス”イーディーコンファレンス(M.Hartwe
ll and C.G.Fonstad;”IEEE
Trans.ED Conf.”)519頁,(197
5年)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久他:”真
空”第26巻,第1号,22頁,(1983年)]など
が報告されている。
【0004】これらの表面伝導形電子放出素子の典型的
な素子構成を図6に示す。同図において231および2
32は電気的接続を得るための電極、233は電子放出
材料で形成される薄膜、234は基板、235は電子放
出部を示す。
【0005】従来、これらの表面伝導形電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に予めフォーミングと呼ば
れる通電処理によって電子放出部を形成する。即ち、前
記電極231と電極232の間に電圧を印加する事によ
り、薄膜233に通電し、これにより発生するジュール
熱で薄膜233を局所的に破壊、変形もしくは変質せし
め、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部235を形
成することにより電子放出機能を得ている。
【0006】なお、電気的に高抵抗状態とは、薄膜23
3の一部に、0.5〜5μmの亀裂を有し、かつ亀裂内
が所謂島構造を有する不連続状態膜をいう。島構造とは
一般に数十Åから数μm径の微粒子が基板234にあ
り、各微粒子は空間的に不連続で電気的に連続な膜をい
う。
【0007】従来、表面伝導形電子放出素子は上述高抵
抗不連続膜に電極231,232により電圧を印加し、
素子表面に電流を流すことにより、上述微粒子より電子
放出せしめるものである。
【0008】しかしながら、上記の様な従来の通電によ
るフォーミング素子には次のような問題点があった。 1)フォーミング工程の際に生じるジュール熱が大きい
為、基盤が破壊しやすくマルチ化が難しい。 2)電子放出部となる島構造の設計が不可能なため、素
子の改良が難しく、素子間のバラツキも生じやすい。 3)島の材料が金、銀、SnO2 、ITO等に限定さ
れ、仕事関数の小さい材料が使えないため、大電流を得
ることができない。
【0009】以上のような問題点があるため、表面伝導
形電子放出素子は、素子構造が簡単であるという利点が
あるにもかかわらず、産業上積極的に応用されるには至
っていなかった。
【0010】本発明者等は上記問題点を鑑みて検討した
結果、特願昭63−17570号,特願昭63−110
480号に於いて電極間に微粒子膜を配置しこれに通電
処理を施すことにより電子放出部を設ける新規な表面伝
導形電子放出素子を提案した。この新規な電子放出素子
の構成図を図7に示す。
【0011】同図において、241及び242は電極、
243は微粒子膜、245は電子放出部、244は基板
である。
【0012】この電子放出素子の特徴としては次のよう
なことが挙げられる。 1)微粒子膜243に非常に少ない電流を流すことで電
子放出部245を形成できるので素子劣化のない素子が
作成でき、さらに電極の形状を任意に設計できる。 2)微粒子膜を形成する微粒子自身が電子放出の構成材
となる為、微粒子の材料や形状等の設計が可能となり、
電子放出特性を変えることができる。 3)素子の構成材である基板244や電極の材料の選択
性が広がる。
【0013】また、従来より、面状に展開した複数の電
子放出素子とこの電子放出素子から放出された電子線の
照射を各々受ける蛍光体ターゲットとを各々相対向させ
た薄形の画像表示装置が存在する。これら電子線ディス
プレイ装置は、基本的に次のような構造からなる。
【0014】図8は従来のディスプレイ装置の概要を示
すものである。251は基板、252は支持体、253
は素子配線電極、254は電子放出部、255は電子通
過孔、256は変調電極、257はガラス板、258は
画像形成部材で、例えば蛍光体、レジスト材等電子が衝
突することにより発光,変色,帯電,変質等する部材か
ら成る。259は蛍光体の輝点である。
【0015】ここで、電子放出部254は薄膜技術によ
り形成され、ガラス基板251とは接触することがない
中空構造を成すものである。素子配線電極253は電子
放出部材と同一の材料を用いて形成しても、別材料を用
いても良く、一般に融点が高く電気抵抗の小さいものが
用いられる。支持体252は絶縁体材料もしくは導電体
材料で形成されている。
【0016】上記電子線ディスプレイ装置は、素子配線
電極253に電圧を印加せしめ中空構造をなす電子放出
部より電子を放出させ、これら電子流を情報信号に応じ
て変調する変調電極256に電圧を印加することにより
電子を取り出し、取り出した電子を加速させ蛍光体25
8に衝突させるものである。また、素子配線電極253
と変調電極256でXYマトリックスを形成せしめ、画
像形成部材たる蛍光体258上に画像表示を行うもので
ある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来型の表面伝導形放出素子や熱電子源を電気的に直列に
配置した場合には、以下のような問題点があった。 1)直列接続された複数の電子放出部のうちの1ケ所の
みから電子放出させることはできない。 2)直列接続によって各電子放出部で分圧されるため、
駆動電圧が高くなり、消費電力が増加する。 3)電子放出部の電圧降下のため、素子に印加される電
圧にバラツキが生じ、電子放出量が均一にならない。
【0018】すなわち、本発明の目的とするところは、
上述のような問題点を解消し得る電子放出素子、該電子
放出素子を複数備える電子源及び、該電子源を用いた画
像形成装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく成
された本発明の構成は、以下の通りである。
【0020】すなわち、本発明第1は、微粒子膜に形成
された複数の電子放出部が電気的に直列接続されてお
り、該複数の電子放出部が異なる電気特性を有すること
を特徴とする電子放出素子にある。
【0021】上記本発明第1の電子放出素子は、さらに
その特徴として、「前記複数の電子放出部が、独立した
電位を与えることのできる電極によって直列接続されて
いる」こと、「前記複数の電子放出部は、電子放出量に
於いて異なる電気特性を有する」こと、「前記複数の電
子放出部が夫々異なる微粒子膜に形成されている」こ
と、「前記複数の電子放出部が1つの微粒子膜に形成さ
れている」こと、「表面伝導形電子放出素子である」こ
と、をも含むものである。
【0022】また、本発明第2は、本発明第1の電子放
出素子を複数配置したことを特徴とする電子源にある。
【0023】さらに、本発明第3は、本発明第2の電子
源と、該電子源から放出された電子の照射により画像を
形成する画像形成部材とを具備することを特徴とする画
像形成装置にある。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成要素及び作用
について詳述する。
【0025】本発明に於ける微粒子膜としては、粒径が
十数Åから数μmの導電性微粒子の膜、あるいはこれら
導電性微粒子が分散されたカーボン薄膜等が挙げられ
る。その材料はPd,Ag,Au,Ti等の金属、Pd
O,SnO2 等の酸化物導電体等導電性材料であれば
どれを用いても構わない。そしてこれらの膜はガスデポ
ジション法や分散塗布法等により電極間に形成される。
【0026】図1は本発明第1の一実施態様を示す構成
図である。同図において、1は絶縁性基板、3と4は電
極、5は微粒子膜、6a,6bは電子放出部である。
【0027】尚、図1には電子照射される蛍光体ターゲ
ットも示しており、154は透明板151、透明電極1
52、蛍光体153からなる蛍光体ターゲット、155
は電子照射領域(発光部)である。
【0028】本発明の電子放出素子は、複数個(図1で
は2個)の電子放出部6a,6bを電気的に直列に接続
して構成され、1つの電子照射領域(発光部)155に
対応する。
【0029】本発明の電子放出素子において、電極3と
電極4の間隔は、0.1μmから100μmが望まし
く、一般には0.5μmから20μmが実用的である。
さらに、複数の電子放出部の間隔Sは、0.5μmから
2mmが望ましく、一般には1μmから1000μmが
実用的である。
【0030】電子放出材料からなる微粒子膜5に複数の
電子放出部を形成する通電処理の方法は、微粒子膜5に
通電することにより、その一部を高抵抗化して電子放出
部を形成するものや、その一部を低抵抗化して電子放出
部を形成するものがあるがいずれを用いても構わず、少
なくとも電子放出部の複数個分の回数以上前記処理を施
すことにより、電子放出材料からなる微粒子膜の構造が
変わり電子放出部が形成される。
【0031】具体的には、図2に示すように、電極3,
4間の微粒子膜5に電極161を接続し、この電極16
1を電位不定として電極3,4に通電処理することで電
子放出部が形成される。
【0032】素子駆動時には、予め電極4と電極161
をショートさせておき、その上で電極4をアース電位、
電極3を駆動電圧として電子放出させると、電極3側の
電子放出部6aからのみ電子放出が生じる。この状態で
電極4と電極161をオープン状態としても電子放出部
は6a側に規定されたままとなり、電子放出が維持され
続ける。
【0033】また上記とは逆に、電極3と電極161を
ショートさせておき、その上で電極3をアース電位、電
極4を駆動電圧として電子放出させると、電極4側の電
子放出部6bが電子放出部として規定される。
【0034】以上のように、電極161に外部から適当
な電圧を印加して駆動することで、直列接続された複数
の電子放出部を選択的に駆動することが可能となる。
【0035】なお、図1及び図2に示されるように、本
発明の電子放出素子による電子照射領域(発光部)15
5は、その特性上L>Wとなった楕円形に近い形状とな
る。
【0036】本発明の電子放出素子は、直列接続された
複数の電子放出部を各々独立に駆動できため、各電子放
出部の電気特性を異ならせ、必要に応じた電子放出部か
ら電子放出させることによっても、1素子当りの電子放
出量の制御が可能になる。
【0037】各電子放出部の特性を変える具体的手法と
しては、各電子放出部の幅を電極幅若しくは微粒子膜の
幅で変える等の手法を用いることができ、これにより同
じ電圧を印加した時の電子放出量を電子放出部毎に異な
らせることができる。
【0038】次に、本発明の電子放出素子を複数配置し
た電子源及び、かかる電子源を用いた画像形成装置の概
略構成例を図5に示す。
【0039】同図において、81は絶縁性基板、82,
83は電極、84は微粒子膜、85は電子放出部であ
り、これらにより面状電子源86が形成されている。
【0040】本面状電子源は、電極82と電極83の間
に本発明の電子放出素子を並列に配置した線電子源を数
本基板に規則正しく設けたものである。
【0041】また、87はグリッド電極、88は電極通
過孔、89はガラス基板、90は画像形成部材であると
ころの蛍光体、91はアルミニウム材からなるメタルバ
ック、92はフェースプレート、93は蛍光体の輝点で
ある。
【0042】フェースプレート92は透明なガラス板8
9の上に蛍光体90が一様に塗布され、さらにその上に
メタルバック91を設けたものである。
【0043】本画像形成装置において、グリッド電極8
7は複数のライン電極群からなり、面状電子源86の電
極群と直角方向に配置される。電子通過孔88は電子放
出部85のほぼ鉛直上に設けられ、グリッド電極87を
信号電極、線電子源群を走査電極として、XYマトリッ
クス駆動を行い画像を形成するものである。
【0044】以上、画像形成装置について説明してきた
が、電子ビーム応用装置としては他にも記録装置,記憶
装置,電子ビーム猫画装置等の様々な装置があり、本発
明の電子放出素子はこれら装置へも好適に利用すること
ができる。
【0045】本発明の画像形成装置に用いる画像形成部
材は、電子放出素子から放出された電子線の照射によっ
て発光,変色,帯電,変質或いは変形等を起こす材料よ
り形成されたものであれば、いかなるものであっても良
いが、その一例として蛍光体,レジスト材料等が挙げら
れる。とりわけ、画像形成部材として蛍光体が用いられ
る場合には、形成される画像は発光(蛍光)画像であ
る。
【0046】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて更に詳述す
る。
【0047】実施例1 本実施例では以下に述べる様にして、図3に示されるよ
うな本発明の電子放出素子を作製した。尚、図3では基
板を省略している。
【0048】十分脱脂洗浄を行ったガラス基板上に、
通常のフォトリソグラフィ技術を用いてリフトオフ用レ
ジストを形成した後、真空蒸着によって電極3,4及び
171,172,173を形成した。各電極の幅(W)
は全て300μm、電極3と171,電極171と17
2,電極172と173,電極173と4の間隔は全て
2μmである。また、電極3,4間に並列接続される全
ての電極(171,172,173)は外部から独立に
電圧印加可能とした。
【0049】次に、で形成した電極基板上に、微粒
子膜5を形成する部分のみを残して全面にCr薄膜〜1
000Åを真空蒸着により形成した。これは微粒子膜5
を形成するためのマスクとして用いるものであり、最終
的には除去されるものである。
【0050】次にまでで得られた基板に、有機パラ
ジウム化合物を含む有機溶媒(奥野製薬工業製 キャタ
ペーストccp)を回転塗布した後、大気中300℃,
10分間の焼成を行い、電極3,4間にPd微粒子から
成る島状構造を有する不連続膜による複数の微粒子膜5
を形成した。
【0051】ここで、各電子放出部の電気特性を変える
ため本実施例では電子放出材料からなる微粒子膜5の幅
を変えており、電子放出部6a幅は280μm,6bは
210μm,6cは140μm,6dは70μmであ
る。
【0052】最後にの行程で蒸着したCr薄膜をエ
ッチングにより除去して電子放出素子を完成した。
【0053】以上の様にして得られた電子放出素子を〜
10-6Torr程度の真空容器に入れ、電子放出部の鉛
直上方5mmの位置に蛍光体基板を設け、以下の測定を
行った。
【0054】まず電極4をアース電位として、電極3に
+14Vの電圧を印加したところ、1回目の電圧印加で
電子放出部6aから電子放出が確認された。
【0055】次に、一度印加電圧をゼロに戻した後、再
度、前回と同一方向に電圧を印加して測定したところ、
前回とは異なり、蛍光板の発光輝点によって、電子放出
部6cに対応した発光のみ確認され、電子放出部6cか
らのみ電子放出されていることがわかった。
【0056】その後電圧印加の方向等を変化させても、
同様の変化が生じ、直列接続された4ケ所の電子放出部
のうちの1ケ所から電子放出が生じ、複数の電子放出部
のどこか1ケ所がランダムに選択されていることが明ら
かになった。
【0057】また、電子放出中の素子の各電子放出部で
発生している電圧降下を測定したところ、印加電圧のほ
とんどが1ケ所の電子放出部にのみかかっており、残る
他の電子放出部は単なる導体として機能していることが
確認された。
【0058】次に、電極4及び173をアース電位、電
極3,171,172を+14Vとして電圧印加したと
ころ、電子放出部6cから電子放出が確認された。その
上で電極171,172,173の接続を切って、電位
不定としたが、電子放出の状態には変化なく、電子放出
部6cからの電子放出が続いた。
【0059】上記と同様の実験を6a,6b,6dの各
電子放出部に対して行ったところ、各電子放出部を任意
に選んで駆動することが可能であった。また、各電子放
出部を駆動したときの電子放出量は、電子放出部6aが
〜500nA,電子放出部6bが〜350n,電子放出
部6cが〜200nA,電子放出部6dが〜100nA
であり、ほぼ微粒子膜の幅の比率に対応した放出電流が
得られることが確認できた。
【0060】本実施例で作製した電子放出素子では、外
部から印加する電圧が一定のままで任意の電子放出部を
選択的に駆動し、電子放出部の幅に対応した階調変化を
つけられることが示された。
【0061】実施例2 本実施例では、5ケ所の電子放出部を直列接続した図4
に示されるような本発明の電子放出素子を作製した。
尚、図4では基板を省略している。
【0062】図中、3,4は本素子を駆動するための電
極であり、5はPd微粒子から成る電子放出材料、6a
〜6eは直列接続された電子放出部、181〜184は
電子放出部を直列接続している外部から電圧印加可能な
電極である。
【0063】本実施例で作製した素子の製造方法は、実
施例1と同様である。しかし、本実施例では、各電子放
出部の特性を各々変えるために、各電子放出部に対応す
る電極幅を電子放出部6aについては300μm,6b
は240μm,6cは180μm,6dは120μm,
6eは60μmとしている。また、電子放出部を形成す
る各電極間隔は全て2μmと一定である。
【0064】以上の様にして得られた電子放出素子を〜
1×10-6Torrの真空容器に入れ、電極4をアース
電位、電極3を0〜14V、電極181〜184を電位
不定として電子放出素子に通電を行った。すでに実施例
1でも示したように、5ケ所の電子放出部が直列接続さ
れているため、少なくとも5回以上の電圧印加を行うこ
とで、直列5ケ所の電子放出部全てが電子放出機能を持
つようになる。
【0065】次に、実施例1と同様に、駆動させる電子
放出部の両側の電極と電極3,4に0V及び14Vを印
加して電子放出を行った。例えば、電子放出部6cから
電子放出させるために、電極4及び183をアース電
位、電極3及び182を+14Vとして駆動を開始した
後、電極182,183の接続を切れば、電極3,4間
に電圧を印加している間は電子放出部6cからのみ電子
放出が得られる。
【0066】同様の操作を全ての電子放出部に対して行
った結果、任意の電子放出部を選択的に駆動することが
可能であった。
【0067】また、同一の駆動電圧(例えば電極3が+
14V、電極4がアース電位)での電子放出量は、電子
放出部6aが〜600nA,電子放出部6bが〜450
nA,電子放出部6cが〜350nA,電子放出部6d
が〜220nA,電子放出部6eが〜100nAであっ
た。これは各電子放出部に対応する電極幅にほぼ比例し
ており、1素子中の任意の電子放出部を選択的に駆動す
ることで、電子放出量を段階的に変化させることが可能
であった。
【0068】実施例3 本実施例では図3に示したような実施例1の電子放出素
子を複数個配置して面状電子源を形成し、図5に示され
るような画像形成装置を作製した。
【0069】なお、図5においては、図3中の電極17
1,172,173及び電子放出部を簡略化して示して
いるが、1つの蛍光体の輝点に対応する電子放出素子
は、4ケ所の直列接続された電子放出部から構成されて
おり、さらに各電子放出部間の電極は、実施例1と同
様、外部から独立に電圧印加できるように配線した。
【0070】この4ケ所の電子放出部は各微粒子膜の幅
を変化させ、使用する電子放出部によって、放出される
電流量が変化する構成とした。従って、必要な電流量を
放出する電子放出部を選択的に駆動することによって、
輝点93の階調表現が可能となった。
【0071】具体的には、電極82,83及び不図示の
電極に実施例1で示したような電圧を印加することによ
り任意の電子放出部から電子を放出させ、グリッド電極
87に適当な電圧を印加することにより電子を引きだ
し、メタルバック91に500〜5000Vの電圧を印
加して画像形成部材であるところの蛍光体90に電子を
衝突させた。
【0072】なお、本画像形成装置は、真空度1×10
-5Torr〜1×10-7Torrの真空容器内に形成さ
れている。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下のような効果がある。 1.各電子放出部の特性を変えておくことで、段階的に
電子放出量を変化できる。 2.故障時のリペアが不要である。 3.長寿命化が可能である。 4.直列接続でありながら、1ケ所の電子放出部のみの
駆動が可能である。 5.直列接続された電子放出部の任意の1ケ所を選択的
に駆動できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子放出素子の特徴を説明するための
図である。
【図2】本発明の電子放出素子の特徴を説明するための
図である。
【図3】本発明の電子放出素子の一例を示す構成図であ
る。
【図4】本発明の電子放出素子の別の例を示す構成図で
ある。
【図5】図3の電子放出素子を複数個備える電子源を用
いた画像形成装置の概略構成図である。
【図6】従来の電子放出素子の構成図である。
【図7】従来の微粒子膜及び微粒子を含む薄膜導電体を
通電処理することにより作製された電子放出素子の構成
図である。
【図8】従来のディスプレイ装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 3,4 電極 5 微粒子膜 6a〜6e 電子放出部 81 絶縁性基板 82,83 電極 84 微粒子膜 85 電子放出部 86 面状電子源 87 グリッド電極 88 電子通過孔 89 ガラス板 90 蛍光体 91 メタルバック 92 フェースプレート 93 蛍光体の輝点 151 透明板 152 透明電極 153 蛍光体 154 蛍光体ターゲット 155 電子照射領域(発光部) 171〜173 電極 181〜184 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鱸 英俊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 金子 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 野間 敬 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒子膜に形成された複数の電子放出部
    が電気的に直列接続されており、該複数の電子放出部が
    異なる電気特性を有することを特徴とする電子放出素
    子。
  2. 【請求項2】 前記複数の電子放出部が、独立した電位
    を与えることのできる電極によって直列接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
  3. 【請求項3】 前記複数の電子放出部は、電子放出量に
    於いて異なる電気特性を有することを特徴とする請求項
    1又は2に記載の電子放出素子。
  4. 【請求項4】 前記複数の電子放出部が夫々異なる微粒
    子膜に形成されていることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の電子放出素子。
  5. 【請求項5】 前記複数の電子放出部が1つの微粒子膜
    に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の電子放出素子。
  6. 【請求項6】 表面伝導形電子放出素子であることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子放出素
    子。
  7. 【請求項7】 基板上に、請求項1〜6のいずれかに記
    載の電子放出素子を複数配置したことを特徴とする電子
    源。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の電子源と、該電子源か
    ら放出された電子の照射により画像を形成する画像形成
    部材とを具備することを特徴とする画像形成装置。
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