JP3330388B2 - ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法Info
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Description
定性及び耐衝撃性が優れたポリフェニレンエーテル樹脂
組成物の製造方法に関する。
的性質及び耐熱性を有する有用なエンジニアリングプラ
スチックとして注目されており、スチレン系樹脂等とブ
レンドして用いられているが、耐溶剤性が著しく悪く、
この点を改良するために、ポリアミドとのブレンド(特
公昭59−41663号公報等)又はポリエステルとの
ブレンド(特公昭51−21662号公報等)等が提案
されている。
改良を目的として、ポリフェニレンエーテルとポリアミ
ドの組合せに、カルボキシル基、イミド基、エポキシ基
等の極性基を含む化合物と耐衝撃性改良材としてゴム質
を加えた組成物(特開昭56−49753号公報)が提
案されている。
樹脂組成物は、自動車外板材として利用されつつあるこ
とから、更に耐低温衝撃性と剛性のバランスを改良する
ことが要求され、そのため変性ポリフェニレンエーテル
中間体とポリアミドと耐衝撃性改良材とからなる組成物
(特開平1−19664号公報)が提案されている。
低温衝撃性、耐溶剤性及び寸法安定性等が優れた特性を
有するポリフェニレンエーテル樹脂組成物が、自動車外
板材として、例えば、フェンダー、ドアパネル等に利用
される場合、大型製品は高温で成形されるため、成形品
表面にヤケ・シルバーストリーク等の熱安定性不良に起
因する不良成形品が生じ、また寸法安定性で不満足であ
る場合がしばしばあった。
る欠点を改良し、耐低温衝撃性を損なうことなく、かつ
高温成形時にヤケ・シルバーストリーク等が発生しない
成形品表面が良好で、かつ寸法安定性が優れたポリフェ
ニレンエーテル樹脂組成物を提供することを目的とす
る。
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ポリフェニ
レンエーテル、ポリアミド、耐衝撃性改良材及び同一分
子内に不飽和基と極性基を併せ持つ化合物を、あらかじ
め溶融混練して、未反応で残存している同一分子内に不
飽和基と極性基を併せ持つ化合物を100ppm 未満にし
た中間組成物を形成し、次いでこれにポリアミドを配合
して製造した樹脂組成物は、高温成形時ヤケ・シルバー
ストリーク等の外観不良の発生がなく、かつ耐低温衝撃
性と剛性の物性バランス及び寸法安定性が優れた樹脂組
成物であることを見出し、本発明に到達した。
なる成分(a)、(b)、(c)及び(d)の合計量に
対し、 (a)ポリフェニレンエーテル 56〜99重量% (b)ポリアミド 0.1〜4.9重量% (c)耐衝撃性改良材 0.1〜40重量% (d)同一分子内に不飽和基と極性基とを併せ持つ化合物 0.01〜10重量% を第一次溶融混練し、未反応の残存成分(d)を100
ppm 未満にした中間組成物(A)を得、
ミド(B)の合計量に対し、中間組成物(A)5〜94
重量%とポリアミド(B)6〜95重量%とを第二次溶
融混練することを特徴とするポリフェニレンエーテル樹
脂組成物の製造方法である。特に、ポリアミド(B)と
して、ガラス転位温度が90〜250℃の非晶性ないし
低結晶性の環状炭化水素系共重合ポリアミド(B−1)
と結晶性ポリアミド(B−2)とを併用する製造方法で
ある。
で使用するポリフェニレンエーテル(a)は、次式
(I)
とも50であり、R1 、R2 、R3 及びR4 は各々、水
素原子、ハロゲン原子、第三α−炭素原子を含有しない
炭化水素基、ハロゲン原子が少なくとも2個の炭素原子
を介して置換したハロ炭化水素基、炭化水素オキシ基及
びハロゲン原子が少なくとも2個の炭素原子を介して置
換したハロ炭化水素オキシ基からなる群より選択した1
価の置換基を表す。
素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル等の低級アルキル基;ビニル、アリ
ル、ブテニル、シクロブテニル等のアルケニル基;フェ
ニル、トリル、キシレニル、2,4,6−トリメチルフ
ェニル等のアリール基;ベンジル、フェニルエチル、フ
ェニルプロピル等のアラルキル基等が挙げられる。
を介して置換したハロ炭化水素基としては、例えば、2
−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−フルオロエチ
ル、2,2−ジクロロエチル、2−若しくは3−ブロモ
プロピル、2,2−ジフルオロ−3−ヨードプロピル、
2−、3−、4−若しくは5−フルオロアミル、2−ク
ロロビニル、クロロエチルフェニル、エチルクロロフェ
ニル、フルオロキシリル、クロロナフチル、ブロモベン
ジル等が挙げられる。
ば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、フェ
ノキシ、エチルフェノキシ、ナフトキシ、メチルナフト
キシ、ベンジルオキシ、フェニルエトキシ、トリルエト
キシ等が挙げられる。
を介して置換したハロ炭化水素オキシ基としては、例え
ば、2−クロロエトキシ、2−ブロモエトキシ、2−フ
ルオロエトキシ、2,2−ジブロモエトキシ、2−若し
くは3−ブロモプロポキシ、クロロエチルフェノキシ、
エチルクロロフェノキシ、ヨードキシロキシ、クロロナ
フトキシ、ブロモベンジルオキシ、クロロトリルエトキ
シ等が挙げられる。
は、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメ
チルフェノールの共重合体、2,6−ジメチルフェノー
ルと2,3,5,6−テトラメチルフェノールの共重合
体、2,6−ジエチルフェノールと2,3,6−トリメ
チルフェノールの共重合体等の共重合体も含む。また、
式(I)のポリフェニレンエーテルに、スチレン系モノ
マー(例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メ
チルスチレン等)をグラフト重合したもの等の変性した
ポリフェニレンエーテルを使用してもよい。
製造方法は公知であり、例えば、米国特許第33068
74号、同第3306875号、同第3257357号
及び同第3257358号各明細書並びに特公昭52−
17880号及び特開昭50−51197号各公報に開
示されている。
テル酸素原子結合位置に対する2つのオルソ位にアルキ
ル置換基を有するものの単独重合体又は2,6−ジアル
キルフェノールと2,3,6−トリアルキルフェノール
の共重合体である。ポリフェニレンエーテルは、固有粘
度が0.25〜0.70dl/g(30℃、クロロホルム中
で測定)であるものが好ましい。固有粘度が0.25dl
/g 未満では耐衝撃強度及び耐熱性が好ましくなく、
0.70dl/g を超過すると成形加工が困難となる。ま
た、樹脂の成形加工性を改良する目的で、高粘度及び低
粘度のポリフェニレンエーテルを組み合せて使用しても
よい。
リアミド(b)は、ポリマー主鎖に−CONH−結合を
有し、加熱溶融できるものである。その代表的なものと
しては、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−6,
6、ナイロン−4,6、ナイロン−12、ナイロン−
6,10、その他、公知の芳香族ジアミン、芳香族ジカ
ルボン酸等のモノマー成分を含む結晶性又は非晶性のポ
リアミドも用いることができる。ここで非晶性ポリアミ
ドとは、示差走査熱量計(DSC)で測定した融解熱が
1cal/g を超えないものをいう。
6,6、ナイロン−6又は非晶性ポリアミドであり、中
でも非晶性ポリアミドが特に好ましい。ポリアミドは、
相対粘度が2.0〜8.0(25℃、98%濃硫酸中で
測定)であるものが好ましい。
る耐衝撃性改良材(c)は、耐衝撃性改良を目的とした
ゴム質物質であり、例えばアルケニル芳香族化合物−共
役ジエン共重合体、ポリオレフィン系共重合体などのエ
ラストマーを挙げることができる。
酸、マレイン酸モノメチルエステル、無水マレイン酸、
イタコン酸、イタコン酸モノメチルエステル、無水イタ
コン酸、フマール酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸、
又はエンド−ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−
2,3−カルボン酸若しくはこれらの誘導体等の脂環式
カルボン酸を、パーオキサイド、電離放射線、紫外線等
を利用してグラフト重合させたものを使用してもよい。
ぎると、耐衝撃性改良材としては不十分となるので、エ
ラストマーの引張弾性率は5,000kg/cm2(ASTM
D882)以下であるものが好ましい。
持つ化合物(d)〉本発明で使用する同一分子内に不飽
和基と極性基とを併せ持つ化合物(d)は、不飽和基す
なわち炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合と、
極性基すなわちポリアミド中に含まれるアミド結合又は
連鎖末端に存在するカルボキシル基若しくはアミノ基と
親和性又は化学反応性を示す官能基とを、同一分子内に
併せ持つ化合物である。かかる官能基の例としては、カ
ルボン酸のカルボキシル基、カルボン酸より誘導される
基、すなわちカルボキシル基の水素原子又は水酸基が置
換された各種の塩、エステル、酸アミド、酸無水物、イ
ミド、酸アジド、酸ハロゲン化物、あるいはオキサゾリ
ン、ニトリル、エポキシ基、アミノ基、水酸基又はイソ
シアン酸エステル等が挙げられる。
化合物(d)としては、不飽和カルボン酸、不飽和カル
ボン酸誘導体、不飽和エポキシ化合物、不飽和アルコー
ル、不飽和アミン、不飽和イソシアン酸エステル等が主
に用いられる。
酸、フマール酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、
無水マレイン酸とジアミンとの反応物、例えば、次式
(II)及び(III)で示される構造を有するもの、
す)無水メチルナジック酸、無水ジクロロマレイン酸、
マレイン酸アミド、イタコン酸、無水イタコン酸などの
不飽和ジカルボン酸又はその誘導体;大豆油、きり油、
ひまし油、あまに油、麻実油、綿実油、ごま油、菜種
油、落花生油、椿油、オリーブ油、やし油、いわし油な
どの天然油脂類;エポキシ化大豆油等のエポキシ化天然
油脂類;
ル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリカ酸、チ
ブリン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、α−エチ
ルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペンテン
酸、2−ヘキセン酸、2−メチル−2−ペンテン酸、3
−メチル−2−ペンテン酸、α−エチルクロトン酸、
2,2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン酸、2
−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン酸、10
−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセン酸、4
−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−ヘキサデ
セン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタデセン酸、ア
イコセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコセン酸、
マイコリペン酸、
ジエン酸、ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、2,4−デカ
ジエン酸、2,4−ドデカジエン酸、9,12−ヘキサ
デカジエン酸、9,12−オクタデカジエン酸、ヘキサ
デカトリエン酸、リノール酸、リノレン酸、オクタデカ
トリエン酸、アイコサジエン酸、アイコサトリエン酸、
アイコサテトラエン酸、リシノール酸、エレオステアリ
ン酸、オレイン酸、アイコサペンタエン酸、ドコサジエ
ン酸、ドコサトリエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサ
ペンタエン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘキ
サコジエン酸、オクタコセン酸、トラアコンテン酸等の
不飽和カルボン酸;あるいはこれらの不飽和カルボン酸
のエステル、酸アミド、酸無水物;
コール、メチルビニルカルビノール、アリルカルビノー
ル、メチルプロペニルカルビノール、4−ペンテン−1
−オール、10−ウンデセン−1−オール、プロパルギ
ルアルコール、1,4−ペンタジエン−3−オール、
1,4−ヘキサジエン−3−オール、3,5−ヘキサジ
エン−2−オール、2,4−ヘキサジエン−1−オー
ル、CnH2n-5OH、CnH2n-7OH、Cn H2n-9OH
(ただし、nは正の整数)で示されるアルコール、3−
ブテン−1,2−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘ
キセン−2,5−ジオール、1,5−ヘキサジエン−
3,4−ジオール、2,6−オクタジエン−4,5−ジ
オール等の不飽和アルコール;
H基が、NH2 基で置き換えられた不飽和アミン;ある
いはブタジエン、イソプレン等の低重合体(例えば平均
分子量が500から10,000ぐらいのもの);ある
いは高分子量体(例えば平均分子量が10,000以上
のもの)に無水マレイン酸、フェノール類を付加したも
の又はアミノ基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基
等を導入したもの;あるいはイソシアン酸アリル等が挙
げられる。
せ持つ化合物(d)の定義には、不飽和基を2個以上、
極性基を2個以上(同種又は異種)含んだ化合物も含ま
れることはいうまでもなく、また、成分(d)として2
種以上の化合物を用いることも可能である。これらのう
ちでより好ましくは、無水マレイン酸、マレイン酸、無
水イタコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸及び
その無水物、オレイルアルコール等の不飽和アルコー
ル、エポキシ化天然油脂類であり、更に好ましくは無水
マレイン酸、マレイン酸、オレイルアルコール、エポキ
シ化大豆油、エポキシ化アマニ油であり、とりわけ好ま
しくは無水マレイン酸及び無水マレイン酸とマレイン酸
との混合物である。
(b)、(c)及び(d)は、次のような割合で配合
し、中間組成物(A)を形成する。
(a)、(b)、(c)及び(d)の合計量に対し、成
分(a)が56〜99重量%、好ましくは60〜95重
量%、特に好ましくは62〜80重量%であり、成分
(a)が上記範囲未満では最終組成物の耐熱剛性が不満
足であり、上記範囲を超過すると最終組成物の耐低温衝
撃強度が不満足となる。成分(b)は0.1〜4.9重
量%、好ましくは0.5〜4.0重量%、特に好ましく
は1.0〜4.0重量%であり、成分(b)が上記配合
範囲外では最終組成物の耐低温衝撃強度が不満足であ
る。
くは5〜38重量%、特に好ましくは15〜35重量%
であり、成分(c)が上記範囲未満では最終組成物の耐
低温衝撃強度が不満足となり、上記範囲を超過すると最
終組成物の耐熱剛性が不満足となる。成分(d)は0.
01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、特
に好ましくは0.2〜2重量%である。成分(d)が上
記範囲未満では最終組成物の耐低温衝撃強度が不足し、
上記範囲を超過すると高温成形時最終組成物の成形品に
ヤケ・シルバーストリークが発生し外観に難点が生じ
る。
て、形成した中間組成物(A)に未反応の残存成分
(d)が100ppm 以上存在すると、高温成形時にヤケ
・シルバーストリークなどの外観不良が発生し好ましく
ない。外観不良の発生を抑えるためには、未反応の残存
成分(d)量は100ppm 未満であり、80ppm 以下が
望ましく、50ppm 以下が特に望ましい。
(a)、(b)、(c)及び(d)の他に、各種安定
剤、流動性調整剤、耐衝撃性改良フィラー(例えば1μ
m 以下の粒状無機フィラー)、耐熱剛性改良フィラー
(例えばアスペクト比5以上の針状若しくは繊維状フィ
ラー)等の任意成分を、本発明の効果を著しく損なわな
い範囲で添加して用いることができる。
ず、各成分を全て、ヘンシェルミキサー、スーパーミキ
サー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等により混合
し、次いで、この混合物を一軸押出機、二軸押出機、バ
ンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラ
フ、ニーダー等の通常の混練機を用いて溶融混練すると
共に、未反応の残存成分(d)を100ppm 未満とす
る。
1次溶融混練物を紙袋等に入れて長期間保管するか、あ
るいは、L/D=10〜30のベント付き一軸又は二軸
型押出機を使用し、溶融混練しながら、押出機下流のベ
ント脱気口より真空脱気することにより未反応の残存成
分(d)を100ppm 未満にした中間組成物(A)を製
造することができる。
合、未反応の残存成分(d)を溶融樹脂中から、効率的
に除去するために、ベント脱気真空度は260〜0Torr
が好ましい。ここで、ベント脱気真空度とは、具体的に
は押出機内の残留気体の圧力を表す。このときの溶融混
練温度は、通常200〜350℃の範囲である。
パウダー化したものを、以下の方法を用いて未反応の残
存成分(d)を100ppm 未満とすることもできる。 (1)減圧加熱乾燥 上記のペレット又はパウダーを減圧加熱乾燥機に入れ、
好ましくは真空度0.1〜10Torr、温度120〜16
0℃の条件下で3〜30時間乾燥する。 (2)溶剤洗浄 上記のペレット又はパウダーを撹拌機付き耐圧オートク
レーブに入れ、有機溶剤、好ましくはクロロホルムを加
えて撹拌しながら60℃まで昇温して均一に溶解させ
る。この溶液を水で洗浄した後、分液漏斗で分液し、得
られた有機相中のクロロホルムをスチームストリッピン
グにより留出させて水分散スラリーを得る。このスラリ
ーを遠心分離機を用いて脱水し、固形分を乾燥機に入れ
100℃で一夜乾燥する。
ペレット化したもの、若しくはそれを粉砕してパウダー
化し、乾燥したものを最終樹脂組成物の製造に用いるこ
とができる。
におけるポリアミド(B)は、前述した中間組成物
(A)中の成分(b)として挙げたポリアミドを用いる
ことができるが、非晶性ないしは低結晶性の環状炭化水
素系共重合ポリアミド(B−1)と結晶性ポリアミド
(B−2)とを併用することが耐衝撃性、成形品表面の
平滑性、外観光沢等の観点から好ましい。以下、それぞ
れについて説明する。
炭化水素系共重合ポリアミド:本共重合ポリアミドは、
ポリマー鎖に−CONH−結合を有し、かつ非晶性ない
しは低結晶性であり、ガラス転位温度が90〜250℃
であって、より好ましくは90〜210℃、更に好まし
くは100〜180℃、とりわけ好ましくは110〜1
50℃の範囲にあるものである。非晶性及び低結晶性と
は一般に明確な融点や測定可能な融解熱を有しないこと
を意味するが、本発明においてはゆっくり冷却する場合
には多少の結晶性を示すものを含み、また本発明の効果
を大きく損なわない範囲で結晶性を示すものを含んでも
よい。ガラス転位温度、融点及び融解熱は、〈ポリアミ
ド(b)〉の項で述べた示差走差熱量計を用いて測定す
ることができる。
社製 DSC−IIがある。この装置を用いて、融解熱
は、1分間当り10℃の昇温速度で、試料を予測される
融点以上の温度に加熱し、次に試料を1分間当り10℃
の速度で降温し、30℃まで冷却し、そのまま約1分間
放置した後、再び1分間当り10℃の速度で加熱昇温す
る。融解熱は、昇温と降温のサイクルで測定した値が実
験誤差範囲内で一定値となるものを採用する。本発明に
おける非晶性ないしは低結晶性のポリアミドとは、上記
方法により測定される融解熱が1cal/g 未満のものと定
義する。この方法によると、市販のナイロン−6の融解
熱は約16cal/g である。
ミド結合構成単位が主に下記の(IV)〜(IX)の構造式
から選ばれるものよりなり、上記のガラス転位温度及び
非晶性ないしは低結晶性を満足するものである。
基より選ばれる2価の基)
環式炭化水素骨格を少なくとも1個含む脂肪族基より選
ばれる2価の基)
より選ばれる1価の基であり、それぞれのRは同一であ
っても異なっていてもよい)
水素基を含む脂肪族基より選ばれる2価の基)
り選ばれる2価の基)
濃度1dl/g、測定温度25℃)は、好ましくは1.0〜
5.0、より好ましくは1.4〜3.5、更に好ましく
は1.6〜3.0の範囲である。
あり、例えば特開昭58−38751号、同60−21
7237号、同60−219227号各公報などに示さ
れているものが適用可能である。
は、ブチレン、ヘキシレン、オクチレン、デカニレン、
2,2,4−若しくは2,4,4−トリメチルヘキシレ
ン、3−メチルヘキシレン、ペンチレン等のアルキレン
基が挙げられ、より好ましくはブチレン基、ヘキシレン
基又は2,4,4−トリメチルヘキシレン基である。
は、メタキシリレン(Xa)、4,4´−メチレンジシ
クロヘキサン−1,1´−ジイル(Xb)、2,2´−
ジメチル−4,4´−メチレンジシクロヘキサン−1,
1´−ジイル(Xc)、1,5,5−トリメチル−1,
3−シクロヘキシレン−1−メチレン(Xd)、シクロ
ヘキシレン−1,4−ジメチレン(Xe)、4−メチレ
ンシクロヘキシレン(Xf)、3−メチレンシクロヘキ
シレン(Xg)、シクロヘキシレン−1,3−ジメチレ
ン(Xh)等の2価の基が挙げられる。各Xの具体例に
ついて、構造式を式(Xa)、式(Xb)、式(X
c)、式(Xd)、式(Xe)、式(Xf)、式(X
g)及び式(Xh)に示す。
体例としては、水素原子又はメチル、ターシャリーブチ
ル、イソプロピル、エチル等のアルキル基が挙げられ、
より好ましくは水素原子、メチル基、更に好ましくは水
素原子である。
ては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレン、
オクチレン、デカニレン等のアルキレン基;1,4−シ
クロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン等のシクロ
アルキレン基、構成単位(V)における(Xa)、(X
b)、(Xc)、(Xd)、(Xe)、(Xf)、(X
g)、(Xh)等が挙げられ、より好ましくはエチレン
基、プロピレン基、ブチレン基、オクチレン基、1,4
−シクロヘキシレン基又は1,3−シクロヘキシレン基
であり、より好ましくエチレン基、プロピレン基又はブ
チレン基である。
は、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、デカニレン、
ウンデカニレン等のアルキレン基;パラフェニレン等の
アリーレン基が挙げられ、より好ましくはペンチレン
基、ヘキシレン基又はウンデカニレン基であり、更に好
ましくはペンチレン基である。
ポリアミド(B−2)は、ポリマー主鎖に−CONH−
結合を有し加熱融解できるものであり、かつ、測定可能
な融解熱を有する明確な融点を示すものである。融点及
び融解熱は示差走差熱量計を用いて測定することができ
る。例としては、「(B−1)非晶性ないしは低結晶性
の環状炭化水素系共重合ポリアミド」の項に示した装置
及び測定方法が挙げられる。本発明における結晶性ポリ
アミドとは、この方法により測定される融解熱が1cal/
g を超えるものと定義する。
4、ナイロン−6、ナイロン−12、ナイロン−6,
6、ナイロン−4,6、ナイロン−6,10、ナイロン
−6,12又はナイロン−6、T(ヘキサメチレンジア
ミンとテレフタル酸よりなるポリアミド)、ナイロン−
MXD,6(メタキシリレンジアミンとアジピン酸より
なるポリアミド)、ナイロン−6とナイロン−6,6の
混合物、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸及びカプ
ロラクタムの共重合物などが挙げられ、これのうちで
も、より好ましくはナイロン−6,6又はナイロン−6
であり、これらは市販のものが使用できる。例として
は、西独BASF社よりウルトラミッド等の商品名で販
売されているものがある。この樹脂の相対粘度(98%
濃硫酸中、濃度1dl/g、測定温度25℃)は、好ましく
は1.5〜8、より好ましくは2〜7.5、更に好まし
くは2.3〜6.8の範囲である。
(D)〉第二次溶融混練工程では、中間組成物(A)及
びポリアミド(B)の他に、耐衝撃性改良材及び/又は
例えば、剛性、耐熱性、寸法安定性を向上させるために
ミネラル充填剤(C)及び/又はガラス繊維(D)、あ
るいは各種安定剤、滑剤、着色剤、流動性調整剤、核
剤、防カビ剤等の任意成分を、本発明の効果を著しく損
なわない範囲で添加して用いることができる。
下、好ましくは4μm 以下、とりわけ2.5μm 以下の
ものが好ましい。ここでいう平均粒径とは、電子顕微鏡
の観察によって測定される一次粒子の平均最大粒子径で
ある。無機フィラーの形状は、球状、立方球状、粒状、
針状、板状、繊維状など種々あり、いずれも使用可能で
あるが、中でも板状のものが剛性と耐衝撃性の物性バラ
ンスと寸法安定性の向上効果から好ましい。
表第I族〜第VIII族中の金属元素(例えばFe、Na、
K、Cu、Mg、Ca、Zn、Ba、Al、Ti)又は
ケイ素元素の単体、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸
塩、ケイ酸塩、亜硫酸塩あるいは、これらの化合物より
成る各種粘度鉱物、その他があり、具体的には、例えば
酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カ
ルシウム、酸化鉄、アルミナ、チタン酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クレーワラ
ストナイト、ガラスビーズ、ガラスパウダー、けい砂、
けい石、石英粉、しらす、けいそう土、ホワイトカーボ
ン、鉄粉、アルミニウム粉等を挙げることができ、これ
らは複数種を併用しても差し支えない。
が5μm 以下のタルク、マイカ、カオリンクレー、けい
そう土等が特に好ましい。
用いてもよいが、樹脂との親和性又は界面結合力を高め
る目的で、無機表面処理剤、高給脂肪酸若しくはそのエ
ステル、塩等の誘導体(例えばステアリン酸、オレイン
酸、パルチミン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステア
リン酸アミド、ステアリン酸エチル、ステアリン酸メチ
ル オレイン酸カルシウム、オレイン酸アミド、オレイ
ン酸エチル、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸ア
ミド、パルミチン酸エチル等)又は
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセ
トキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等;
チタンカップリング剤(例えばイソプロピルトリイソス
チアロイルチタネート、イソプロピルトリラウリルミリ
スチルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジメ
タクリルチタネート、イソプロピルトリジイソオクチル
ホスフェートチタネート等)が使用できる。
15μm 以下のものが好ましく、更に1〜10μm のも
のが物性バランス(耐熱剛性、耐衝撃強度)をより一層
高める点並びに成形反り変形・再加熱反り変形をより一
層低減化させる点で好ましい。このガラス繊維の製造法
は、例えば次のような方法による。先ず、溶解したガラ
スをマーブルと称する所定の大きさのガラス玉に成形
し、それをプッシングと称する採糸炉にて加熱軟化せし
め、該炉テーブルの多数のノズルから流下させ、この素
地を高速度で延伸しながら、その途中に設けた集束剤塗
布装置にて浸漬で集束剤を付着させて集束し、乾燥して
回転ドラムで巻き取る。この時のノズル径寸法と引き取
り速度及び引き取り雰囲気温度などを調節してガラス繊
維の平均直径を所定の寸法にする。
でないが、ロービング供給、1〜8mm程度のチョップド
ストランド等も好ましい。この場合の集束本数は通常1
00〜5000本が好ましい。また、混練後の長さが平
均0.1mm以上に得られるならば、いわゆるミルドファ
イバー、ガラスパウダーと称せられるストランドの粉砕
品でも良く、また、連続単繊維系のスライバー状のもの
でも良い。原料ガラスの組成は無アルカリのものが好ま
しく、例の一つにEガラスがある。
と、機械的強度の向上度が小さくなり、成形反り量が大
きくなり好ましくない。ここで、平均直径は電子顕微鏡
などにより観察したものであり、「平均」とは数平均を
示す。
界面活性剤、柔軟剤、帯電防止剤、潤滑剤等より構成さ
れるが、表面処理剤のみでも良い。
との親和性あるいは界面結合力を高める目的で、種々の
カップリング剤を使用することができる。カップリング
剤としては、通常はシラン系、クローム系、チタン系等
のカップリング剤等を含む。中でもγ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン;ビニル
トリクロロシラン;γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン等のアミノシラン等のシラン系カップリング剤を含
むものが好ましい。この際、非イオン・陽イオン・陰イ
オン型等各種の界面活性剤や脂肪酸・金属石鹸・各種樹
脂などの分散剤による処理を合わせて行うことが、機械
的強度及び混練性の向上の点で好ましい。
以下の割合で配合される。すなわち、成分(A)及び成
分(B)の合計量に対し、中間組成物(A)は5〜94
重量%、好ましくは10〜90重量%、特に好ましくは
20〜75重量%であり、中間組成物(A)が上記範囲
未満では耐熱剛性が不足であり、上記範囲を超過すると
耐有機溶剤性及び耐低温衝撃性が不足する。ポリアミド
(B)は6〜95重量%、好ましくは10〜90重量
%、特に好ましくは15〜80重量%であり、ポリアミ
ド(B)が上記範囲未満では耐有機溶剤性及び耐低温衝
撃性が不満足であり、一方上記範囲を超過すると耐熱剛
性が不満足となる。ポリアミド(B)として(B−1)
及び(B−2)を併用する場合は、(B−1)は5〜9
4重量%、好ましくは8〜80重量%、特に好ましくは
10〜70重量%、(B−2)は1〜90重量%、好ま
しくは2〜80重量%、特に好ましくは5〜70重量%
である。また、ミネラル充填剤(C)及び/又はガラス
繊維(D)は、本発明の効果を損わない範囲、すなわち
全体基準で1〜60重量%、好ましくは5〜60重量
%、特に好ましくは3〜45重量%の範囲で使用するこ
とができる。
例えば以下の各方法を用いて第二次溶融混練し製造する
ことができる。
組成物(A)及びポリアミド(B)を上述した中間組成
物(A)の製造と同様の手段により混合物とした後、L
/D=10〜30の一軸又は二軸型押出機を使用して溶
融混練し、最終樹脂組成物を製造する方法。
ミド(B)を加え、L/D=10〜30の一軸又は二軸
型押出機を使用して溶融混練し、最終樹脂組成物を製造
する方法。
又は二軸押出機を使用して、第一ホッパーから中間組成
物(A)の各成分を溶融混練前の混合物の状態で導入
し、第一ホッパーと同押出機の中間ホッパーの間に設置
されたベントから、脱気しながら、同時に中間ホッパー
から、ポリアミド(B)を固体又は溶融状態で導入し
て、全体を溶融混練し、最終樹脂組成物を製造する方
法。
0の一軸又は二軸型押出機にて溶融混練しておき、これ
と中間組成物(A)とをペレット状若しくはペレットを
粉砕したパウダー状、又は溶融状態で、L/D=10〜
30の一軸又は二軸型押出機を使用してこれらを同時に
溶融混練し、最終樹脂組成物を製造する方法。
は、通常200〜350℃の範囲である。かくして得ら
れた熱可塑性樹脂組成物は、第二次溶融混練後に押出
し、ペレット状とすることができる。
エーテル樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に通常適用される
成形法、すなわち射出成形法、押出成形法、中空成形法
等により、容易に成形することができる。なかでも、射
出成形法を用いて成形するのが好ましい。
エーテル樹脂組成物は、機械的物性が良好であり、表面
外観、寸法安定性が優れていることから、自動車の内外
装部品、電気機器外装部品等又はオフィスオートメーシ
ョン機器等の部品用途に適している。
本発明はこれによりその範囲が限定されるものではな
い。
ム中で測定)のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレンエーテル)、及び (a−2)固有粘度0.30dl/g(30℃、クロロホル
ム中で測定)のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレンエーテル)を使用した。
成工業社製、ガラス転移温度125℃、JIS K68
10準拠による相対粘度2.1)を使用した。 (b−2)結晶性ナイロン(MC112L:鐘紡社製、
JIS K6810準拠による相対粘度2.5)を使用
した。
レン−ブタジエンブロック共重合体(クレートンG16
51:シェル化学社製、スチレン含量33重量%)を用
いた。
併せ持つ化合物:市販の無水マレイン酸(試薬グレー
ド)を使用した。
(d)を表1に示した配合比でスーパーミキサーにて十
分混合した。次に、この混合物を、日本製鋼所社製TE
X二軸押出機(L/D=30、ベント付き)を用い、設
定温度260℃、スクリュー回転数400rpm 、ベント
脱気真空度が160Torrで溶融混練し、樹脂組成物とし
た後、ストランド状に押出し、カッターにてペレットと
した。これを105℃で8時間熱風乾燥機にて乾燥し
た。かくして中間組成物(A)を得た。
イン酸(d)量は、中間組成物をアセトン抽出して、得
られた残査を赤外線分光分析によって求めた。以上の結
果を表1に示す。
物を用いた。
(ウルトラミッドB−4:BASF社(独国)製、射出
成形グレード)、結晶性ナイロン−6,6(ウルトラミ
ッドA3W:BASF社(独国)製、射出成形グレー
ド)及び非晶性ナイロン(ノバミットX21:三菱化成
工業社製)を用いた。
エンブロック共重合体(KX65:シェル化学社製、ス
チレン含有量28重量%)、市販の無水マレイン酸変性
エチレン−プロピレンゴム(T7741P:日本合成ゴ
ム社製、無水マレイン酸含有量0.5〜1重量%)及び
市販の水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(クレートンG1651:シェル化学社製、スチレン含
有量33重量%)を用いた。
MS−100:富士タルク工業社製、平均粒径1.8〜
2.0μm )を用いた。
パーミキサーにて十分混合した。次いでこれを日本製鋼
所社製TEX二軸型押出機を用いて、設定温度240
℃、スクリュー回転数400rpm で溶融混練した後、ペ
レット化した。
ットから、インラインスクリュー式射出成形機(東芝機
械製作所社製、IS−90B型)を用い、シリンダー温
度280℃、金型冷却温度70℃にて射出成形を行い、
試験片を作成した。
減圧乾燥器を用い、真空度0.1Torr、80℃の条件で
48時間乾燥を行った。また、射出成形された試験片
は、成形直後にデシケータに入れ、23℃にて4〜6日
間放置した後評価試験を行い結果を表2に示した。
より測定した。 (1)成形品外観 150×150×3mmの平板の成形品のヤケ・シルバー
ストリークの発生状態を観察した。 二重まる:非常に良好 ○:良好 △:やや劣る ×:劣る
(ノッチ付アイゾット衝撃強度)に準じ、東洋精機製作
所社製アイゾット衝撃試験機を用いて測定した。なお、
測定雰囲気温度は23℃及び−30℃であった。
K7203)に準じ、インストロン試験機を用いて測定
した。なお、測定温度は23℃であった。
rrとした以外は、比較例1と同様に実施しペレットを得
た。このペレットを減圧加熱乾燥機に入れ、真空度5To
rr、温度130℃の条件で10時間乾燥し、中間組成物
(A−4)を得た。
水マレイン酸(d)量は80ppm であった。
材として、T−7741Pの代わりにG1651を用い
た以外は、比較例1と同様に樹脂組成物の製造及び物性
評価試験を行い、結果を表2に示した。
を、撹拌機付耐圧オートクレーブに入れ、クロロホルム
を加えて撹拌しながら60℃まで昇温して均一に溶解し
た。これを水洗後、分液した有機相中のクロロホルムを
スチームストリッピングにより留出させ水分散スラリー
を得た。このスラリーを遠心分離機にて脱水し、固形分
を乾燥機に入れ、100℃で一夜乾燥し、中間組成物
(A−5)を得た。
酸(d)量は20ppm であった。得られた中間組成物
(A−5)を用い、比較例4と同様に樹脂組成物の製造
及び物性評価試験を行い、結果を表2に示した。
(b−2)を用いた以外は比較例1と同様に実施し、中
間組成物(A−6)を得た。
水マレイン酸(d)量は、5ppm であった。得られた中
間組成物(A−6)を用い、ポリアミド(B)として結
晶性ナイロン−6(B−4)の代わりに非晶性ナイロン
(X21)を用いた以外は、比較例1と同様に樹脂組成
物の製造及び物性評価試験を行い、結果を表2に示し
た。
例1と同様に樹脂組成物の製造及び物性評価試験を行
い、結果を表2に示した。
成比で、また製造工程を変えて樹脂組成物を製造した。
すなわち、比較例9〜11では中間組成物の製造の際、
ベント脱気真空度を760Torr(大気圧)で溶融混練
し、比較例12及び14ではベント脱気真空度を560
Torr及び160Torrでそれぞれ溶融混練し、比較例9、
10及び12では最終樹脂組成物の製造は比較例1、3
及び4とそれぞれ同様に実施した。比較例13では中間
組成物の製造工程を省き一段で溶融混練した。
る段階で、成分(b)のポリアミドを配合しなかった以
外は、比較例1と同じ配合成分を用い、同様の製造工程
で最終樹脂組成物を製造した。
軸押出機(L/D=30、ベント付き)を用い、設定温
度260℃、スクリュー回転数400rpm 、3個所のベ
ント脱気口の真空度を、中間組成物が(A−11)では
60Torr、(A−12)及び(A−13)では160To
rr、(A−14)では60Torrに、それぞれ保持して溶
融混練した以外は比較例1〜4と同様に実施して、中間
組成物(A)を得た。結果を表3に示した。
物を用いた。 (B−1)非晶性ないしは低結晶性の環状炭化水素系共
重合ポリアミド:非晶性ナイロン(ノバミットX21:
三菱化成工業社製、ガラス転位温度125℃、JIS
K6810準拠による相対粘度2.1)を使用した。
ン−6(MC112L:鐘紡社製、JIS K6810
準拠による相対粘度2.5)を使用した。 (C)ミネラル充填剤:市販のタルク(富士タルク社
製、平均粒径1.3μm)を用いた。 (D)ガラス繊維 市販のチョップドストランドのガラス繊維(旭ファイバ
ーグラス社製、直径10μm 、長さ3mm)を用いた。
エンブロック共重合体(KX65:シェル化学社製、ス
チレン含有量28重量%)を用いた。
−1)及び(B−2)各成分をスーパーミキサーにて十
分混合した。次いでこれらを日本製鋼所社製TEX二軸
型押出機を用いて、設定温度230℃、スクリュー回転
数250rpmで溶融混練する際に、混練機の中間ホッパ
ーより成分(C)及び(D)を途中フィードし、ペレッ
ト化した。
で実施しなかった項目については、下記に示した方法で
実施した。結果を表4に示した。
用いて測定した。 (2)表面平滑度 表面粗さ計(小坂研究所社製ET−30HK)を用い
て、JISシート中央部を測定し、10点平均粗さ(R
Z)を求めた。 (3)線膨張率 ASTM D696に準じて線膨張係数を測定。但し測
定温度範囲は23〜80℃ (4)熱変形温度(HDT) 東洋精製製作所社製のHDTテスターを用いて、JIS
K7207に準じて4.6kg荷重で評価した。
程を変えて樹脂組成物を製造した。すなわち、中間組成
物の製造工程の際、ベント脱気真空度を760Torr(大
気圧)で溶融混練し、最終樹脂組成物の製造方法は実施
例1と同様に実施した。結果を表4に示した。
成物を製造する段階で非晶性ナイロンを配合しなかった
以外は、表4に示した配合成分を用い実施例1〜7と同
様に最終樹脂組成物を製造した。結果を表4に示した。
成物を製造する段階で、耐衝撃性改良材として、市販の
スチレン−ブタジエンブロック共重合体(KX65:シ
ェル化学社製、スチレン含有量28重量%)を用いる代
わりに、市販の水素化スチレン−ブタジエンブロック共
重合体(クレートンG1651:シェル化学社製)を配
合した以外は、表4に示した配合成分を用い、実施例1
〜7と同様に最終樹脂組成物を製造した。結果を表4に
示した。
リフェニレンエーテルを主体とする溶融混練組成物か
ら、未反応の残存成分(d)を100ppm 未満にした中
間組成物を製造し、次にこの中間組成物にポリアミドを
溶融混練して製造した本発明の樹脂組成物は、耐低温衝
撃性を損なうことなく、かつ高温成形時、ヤケ・シルバ
ーストリークの発生がなく、成形品表面の平滑性、外観
光沢が良好であり、寸法安定性が優れたものであること
がわかる。したがって、その用途は広く、工業的に有用
な材料となりうるものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記の配合組成からなる成分(a)、
(b)、(c)及び(d)の合計量に対し、 (a)ポリフェニレンエーテル 56〜99重量% (b)ポリアミド 0.1〜4.9重量% (c)耐衝撃性改良材 0.1〜40重量% (d)同一分子内に不飽和基と極性基とを併せ持つ化合
物0.01〜10重量%を第一次溶融混練し、未反応の
残存成分(d)を100ppm 未満にした中間組成物
(A)を得、 次いで、中間組成物(A)及びガラス転位温度が90〜
250℃の非晶性ないし低結晶性の環状炭化水素系共重
合ポリアミド(B−1)と結晶性ポリアミド(B−2)
からなるポリアミド(B)の合計量に対し、中間組成物
(A)5〜94重量%とポリアミド(B)6〜95重量
%とを第二次溶融混練することを特徴とするポリフェニ
レンエーテル樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項2】 第一次溶融混練が、混練押出機にて溶融
混練しながら、同じ押出機下流のベント脱気口より真空
脱気し、未反応の残存成分(d)を100ppm 未満にす
る請求項1の製造方法。 - 【請求項3】 第一次溶融混練後ペレット化又はパウダ
ー化したものを、減圧加熱乾燥又は溶剤洗浄し、未反応
の残存成分(d)を100ppm 未満とする請求項1の製
造方法。
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