JP3330296B2 - 複合酸化物担持触媒担体 - Google Patents

複合酸化物担持触媒担体

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JP3330296B2
JP3330296B2 JP01246097A JP1246097A JP3330296B2 JP 3330296 B2 JP3330296 B2 JP 3330296B2 JP 01246097 A JP01246097 A JP 01246097A JP 1246097 A JP1246097 A JP 1246097A JP 3330296 B2 JP3330296 B2 JP 3330296B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性に優れた排
ガス浄化用触媒に用いられる触媒担体に関する。
【0002】
【従来の技術】排ガス浄化に用いられる三元触媒は、高
温にさらされるとセリアによって発揮される酸素吸蔵能
力(以下OSCと称する)が低下する。これは白金、パ
ラジウムなどの触媒活性金属と、助触媒のセリアの凝集
や、触媒活性金属の酸化、ロジウムの担体への固溶など
によっておこる。さらにOSCが低い触媒においては、
触媒活性金属の使用環境が、変動する雰囲気にさらされ
やすく、触媒活性金属(白金、パラジウム、ロジウム)
の劣化(凝集や固溶)がさらに促進される不具合があ
る。
【0003】そこで特開平4−4043号では、アルミ
ナ、セリア、ジルコニアを共沈澱させジルコニアを前記
の各元素間に分散させることによって高耐熱性の酸化物
担体を形成する開示がある。また、特開平7−3003
15号公報では、負の帯電粒子(アルミナ)を加えるこ
とによってセリウムおよびジルコニウムイオンを均一に
沈殿させた酸化物担体の開示がある。しかし、ここで開
示された共沈殿方法および混合率では、各構成元素の分
散性はOSCや浄化率を改善するほどには向上しなかっ
た。特開平7−315840号公報では、セリウムイオ
ン、ジルコニウムイオンを含むコロイド溶液を塩基性媒
体と接触させ、反応性媒体を得、この反応媒体をアルカ
リ性を保ちながら、アルミナを含む混合物から調製した
酸化物担体が開示されている。この方法によりアルミ
ナ、セリア、ジルコニアを含有する1000℃まで安定
な化合物が得られるとされている。しかし、この方法で
は、各元素間の固溶量が上がらず、例えば耐熱試験後の
OSCや浄化率の改善が不十分であった。
【0004】さらに、特開昭62−212224号で
は、過酸化水素によりアルカリ土類元素、希土類元素の
水酸化物を錯体化し、焼成してジルコニア系固溶体結晶
微粉末の製造方法の開示がある。特開平4−55315
号では、スラリー中の3価セリウムを過酸化水素等の酸
化剤で4価にしてアルカリ剤により中和析出させる酸化
セリウム微粉末の製造方法の開示がある。
【0005】上記の従来技術の方法では、セリウムとジ
ルコニウムの固溶量が十分に上がらなかったり担体中で
の分散性が低いため、セリウムの十分な助触媒効果を発
揮することができなかった。また、複合酸化物の耐熱性
は、特開平4−5531号の実施例においては900
℃の熱処理後18〜26.5m2/gの範囲であり十分
ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、各構成元素を高度に均一分散さ
せた耐熱性を向上させた複合酸化物担持触媒担体を構成
することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の複合酸化物担持
触媒担体は、セリウム、アルミニウム及びジルコニウム
の各イオンを含む混合溶液に、アルカリ性溶液と過酸化
水素水とを添加して複合酸化物の前駆体が分散した懸濁
液を形成し、該懸濁液に比表面積の大きな担体をさらに
添加し、該担体添加懸濁液を焼成して形成されているこ
とを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の複合酸化物担持触媒担体
は、少なくともセリウムとジルコニウムとアルミニウム
を含む複数元素の塩溶液とアルカリ性溶液(特にアンモ
ニア水および/または炭酸アンモニウム)と過酸化水素
水とを混合することにより、複合酸化物の前駆体を形成
し、この前駆体を含む懸濁液に高比表面積担体粉末を添
加した後、混合物を焼成されて構成されている。
【0009】上記塩溶液にアルミニウムを含むことによ
り、焼成後の担体のセリウムとジルコニウムの固溶が促
進できる。しかし、アルミニウムの添加量がセリウムと
ジルコニウムの合計のモル濃度に対して少なくなるとこ
の効果が徐々に低下する。そこで固溶促進助剤として過
酸化水素水を添加する。過酸化水素水の添加時期として
は、(1)セリウムイオンを含む液にあらかじめ添加し
く方法、(2)セリウムとジルコニウムの各イオン
を含む混合液に添加する方法、(3)セリウムとアルミ
ニウムおよびジルコニウムの各イオンを含む混合液に添
加する方法、(4)セリウムとアルミニウムおよびジル
コニウムの各イオンを含む混合液にアルカリ溶液を混
合した後、添加する方法等があるが添加時期は特に限定
されない。
【0010】本発明において、構成成分の組成比は特に
限定しないが、セリウムとアルミニウムおよびジルコニ
ウムのイオンを含む混合液中の(ジルコニウム+セリ
ウム)に対するセリウムの原子数比は0.2〜0.8の
範囲特に0.3〜0.7の範囲が望ましい。また、この
混合液中の、アルミニウムの組成比も特に限定されない
が、耐熱性の維持のため(ジルコニウム+セリウム)に
対するアルミニウムの原数比は0.2〜2の範囲、特
に0.3〜1.2の範囲が好ましい。この組成範囲にす
ることにより耐久試験後においてもセリアによる酸素吸
蔵能や触媒の活性を高く維持できる。
【0011】アルカリ性溶液の添加も特に限定されない
が、上記の各イオンを中和共沈するのに十分な量(当
量)以上で良く、たとえば、1.01〜1.2倍当量程
度が良い。これより多いとアンモニアを用いた場合に
は、焼成時に余剰なNH 3 ガスやNOXガスの生成量が増
え、生産工程の排ガス処理設備の負担が大きくなる。過
酸化水素水の添加量も特に特定されないが、セリウムイ
オンの等モル〜2倍量程度が良い。これより少ないと、
セリウムとジルコニウムの固溶量が十分に上がらない。
またこれ以上多く添加しても効果は変わらない。
【0012】比表面積の大きな担体の量も特に限定しな
いが、以下に示す効果を得るため、合成した担体の総重
量に対する割合として、10〜90重量%の範囲が望ま
しい。特に、15〜60重量%の範囲がより好ましい。
これより少ないと効果が得られない。また、多いと触媒
中に含まれる助触媒の量が少なくなり、触媒活性を高く
維持できない。
【0013】また、上記懸濁液に高比表面積担体粉末を
添加した後、焼成する目的の1つは助触媒として働くセ
リウムとジルコニウムとアルミニウムを含む複合酸化物
を担体粉末粒界に高分散になおかつ、担体粉末の細孔を
閉塞することなく分散させるためである。また、もう一
つの目的としては合成した複合酸化物担体を焼成した後
の粉末の破砕(粉砕)性を向上させるためでもある。ま
た、前駆体を含む懸濁液に高比表面積担体粉末を添加し
た後、そのまま焼成する目的は、廃液処理コストの低減
および環境保全および製造設備の小型化を目的とするも
のである。さらに懸濁液中に含まれる不純物は焼成時に
飛散することにより、担体を微粉化したり細孔を形成す
る働きを持つ。これらの作用を伴い焼成後、前駆体は、
目的とする比表面積や耐熱性を有し、耐久試験後の状態
変化の少ない複合酸化物担体を形成する。
【0014】高比表面積担体粉末としては、活性アルミ
ナ、(γ、δ、θ、α−)アルミナ、シリカ、ジルコニ
ア、チタニア、ゼオライト、モルデナイト、FSM、C
aやBa、Laを添加したヘキサアルミネートから選
ばれた耐熱性の高い担体であれば特に限定されず、これ
らの中の1つ以上の酸化物で良く、セリウムとジルコニ
ウムに対する反応性が低く耐熱性が高いことから、特に
活性アルミナが含まれることが望ましい。
【0015】さらに、前駆体を含む懸濁液に、セリウム
とジルコニムとの固溶促進および比表面積の向上や焼成
後の担体粉末の破砕(粉砕)性向上のため、界面活性剤
および/または高分子凝集剤、水溶性高分子を含んでも
良い。界面活性剤や高分子凝集剤、水溶性高分子の種類
は特に限定されない。カチオン系、アニオン系、ノニオ
ン系の高分子でよい。しかしナトリウム、硫黄、塩素等
が触媒中に残存すると触媒活性を低下させるおそれがあ
るため、ノニオン系の高分子を用いることが望ましい。
高分子凝集剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、水溶性高分子としてはセルロース、ポリビニル
アルコール等が挙げられる。
【0016】これらの界面活性剤を例示すると、アルキ
ルベンゼンスルホン酸、及びその塩、αオレフィンスル
ホン酸、及びその塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキ
ルエーテル硫酸エステル塩、フェニルエーテル硫酸エス
テル塩、メチルタウリン酸塩、スルホコハク酸塩、エー
テル硫酸塩、アルキル硫酸塩、エーテルスルホン酸塩、
飽和脂肪酸、及びその塩、オレイン酸等の不飽和脂肪
酸、及びその塩、その他のカルボン酸、スルホン酸、硫
酸、リン酸、フェノールの誘導体等の陰イオン性界面活
性剤、ポリオキシエチレンポリプロレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ポリオキシポリプロピレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレングリコール、多価アル
コール;グリコール;グリセリン;ソルビトール;マン
ニトール;ペンタエスリトール;ショ糖;など多価アル
コール脂肪酸部分エステル、多価アルコール;グリコー
ル;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ペンタ
エスリトール;ショ糖;などポリオキシエチレン多価ア
ルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリグリ
セン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン
脂肪酸部分エステル、トリアルキルアミンオキサイド等
の非イオン性界面活性剤、第一脂肪アミン塩、第二脂肪
アミン塩、第三脂肪アミン塩、テトラアルキルアンモニ
ウム塩;トリアルキルベンジルアンモニウム塩;アルキ
ルピロジニウム塩;2−アルキル−1−アルキル−1−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩;N,N−ジアル
キルモルホリニウム塩;ポリエチレンポリアミン脂肪酸
アミド塩;等の第四級アンモニウム塩、等の陽イオン性
界面活性剤、ベタイン化合物等の両イオン性界面活性剤
である
【0017】さらに、複数元素の塩溶液に、担体の耐熱
性を向上させるためアルカリ、アルカリ土類、希土類元
素の中から選ばれ一つ以上の添加剤を含んでも良い。し
かしこれらの元素は触媒活性金属であるロジウムの活性
低下を引き起こす元素であるため、ロジウムとは分離し
た状態で添加するのが望ましい。さらに、複数元素の塩
溶液に、触媒活性物質を高分散する目的や、自動車用触
媒における硫化水素臭低減の目的のため、貴金属元素
(白金、パラジウム、ロジウム)のうちの1以上および
/または遷移金属元素(鉄、ニッケル、モリブデン、コ
バルト等)の中の一つ以上を含んでも良い。
【0018】さらに、触媒にロジウムを添加せず白金ま
たはパラジウムを添加した触媒層の上に、ロジウムを添
加した触媒層をさらにコートした2層コートとしても良
い。2層目の触媒担体としてはアルミナ、ジルコニア、
アルミナ−ジルコニア複合酸化物で良く特に限定され
ない。
【0019】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1)硝酸セリウム水溶液(Ce:0.25モ
ル)、硝酸ジルコニウム水溶液(Zr:0.25モ
ル)、硝酸アルミニウム水溶液(Al:0.5モル)、
アンモニア水(3.3モル)及び過酸化水素水(0.2
75モル)を混合することにより、水酸化セリウム、水
酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウムの沈殿物を含む
懸濁液を得た。この懸濁液に平均二次粒子径3μmの活
性アルミナ粉末95gを添加し約1時間混合した後、混
合物を650℃で1時間焼成することにより触媒担体を
調製した。
【0020】この触媒担体100重量部、水100重量
部、硝酸アルミニウム20重量部、ベーマイト(AlO
(OH))5重量部をアトライターで約3分間混合し触
媒担体スラリーを調製した。このスラリーを1.7Lの
コージエライト製ハニカムに、焼成後の固形分としてハ
ニカム1L当たり200g分コートし、500℃で1時
間焼成した。その後白金をハニカム1Lあたり1.5g
担持し、250℃で1時間焼成した。さらにRhをハニ
カム1Lあたり0.3g担持し貴金属担持触媒を調製し
た。
【0021】この触媒を排気量2リットルのエンジンを
持つガソリン自動車の排気管に取り付け、欧州走行を模
試した触媒床最高温度約1000℃の促進耐久走行試験
を50時間行った。その後欧州走行を模試した走行時の
排気分析を触媒の上流部と下流部の排気について同時に
行い、排気成分(NOX、HC、CO)の平均浄化率を
測定した。その結果この触媒は98%という従来の触媒
より高い浄化率を示した。浄化率測定後触媒を分解して
触媒の状態解析を実施した。XRD測定の結果、セリウ
ムとジルコニウムはほぼ均一な固溶体を形成しており、
その一次粒子径は6.7nmであった。また触媒層の断
面を研磨しSEM観察した結果、セリウムとジルコニウ
ムの固溶体がアルミナ中に高分散状態で分布し、さらに
この複合酸化物が活性アルミナ担体の粒界部に均一分散
していることが確認された。さらに触媒層を掻き取り粉
末の比表面積を測定した結果、約70m2/gの比表面
積を有することが確認された。さらに、この粉末を用い
て酸素吸蔵放出能(OSC)を測定した結果、評価温度
300℃におけるセリウム1モルあたりOSCは0.0
9(モル−O2/モル−Ce)という高い値を示すこと
が確認された。このようにアルミニウム塩を含む塩の共
沈殿物から複合酸化物担持触媒担体を合成することより
触媒の耐熱性が向上することが確認された。
【0022】(実施例2)実施例1で調製した懸濁液
に、比表面積50m2/gのジルコニウム粉末95gを
添加し約1時間混合したこと以外、実施例1と同じ方法
で触媒担体を調製し、貴金属担持触媒を得、浄化率の測
定および状態解析を行った。これらの結果をまとめて表
1に示す。
【0023】(実施例3)実施例1の硝酸アルミニウム
水溶液を(Al:0.25モル)、アンモニア水を
(2.4モル)とし、活性アルミナ粉末107.4gを
添加し約1時間混合したこと以外、実施例1と同じ方法
で触媒担体を調製し、貴金属担持触媒を得、浄化率の測
定および状態解析を行った。これらの結果をまとめて表
1に示す。
【0024】(実施例4)硝酸セリウム水溶液(Ce:
0.25モル)、硝酸ジルコニウム水溶液(Zr:0.
5モル)、硝酸アルミニウム水溶液(Al:0.5モ
ル)、アンモニア水(3.9モル)及び過酸化水素水
(0.275モル)を混合することにより、水酸化セリ
ウム、水酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウムの沈殿
物を含む懸濁液を得た。この懸濁液に平均二次粒子径3
μmの活性アルミナ粉末64.2gを添加し約1時間混
合した後、650℃で1時間焼成することにより触媒担
体を調製した。その後、実施例1と同じ方法で触媒担体
を調製し、貴金属担持触媒を得、浄化率の測定および状
態解析を行った。これらの結果をまとめて表1に示す。
【0025】表1に示すように実施例1〜4は、平均浄
化率が97%以上で、担体の粉砕性も良好で、セリア−
ジルコニアの固溶性も良く、アルミナ中に高分散し一次
粒子径もほぼ均一でOSCも高い値を示している。 (実施例5) 硝酸セリウム水溶液(Ce:0.25モル部)、硝酸ジ
ルコニウム水溶液(Zr:0.25モル部)、硝酸アル
ミニウム水溶液(Al:0.5モル部)、アンモニア水
(3.3モル部)および過酸化水素水(0.275モル
部)を混合することにより、水酸化セリウム、水酸化ジ
ルコニウム、水酸化アルミニウムの沈殿物を含む懸濁液
を得、この懸濁液に平均二次粒子径3μmの活性アルミ
ナ粉末35gを添加し1時間混合した後、650℃で
1時間焼成することにより2層コートの下層用触媒を調
製した。
【0026】この担体100重量部、水100重量部、
硝酸アルミニウム20重量部、ベーマイト(AlO(O
H))5重量部をアトライターで約3分間混合し、触媒
担体スラリーを調製した。このスラリーを1.7Lのコ
ージエライト製ハニカムに焼成後の固形分としてハニカ
ム1Lあたり104g分コートし、500℃で1時間焼
成した。その後白金をハニカム1Lあたり1.5g担持
し、250℃で1時間焼成した。
【0027】次に硝酸ジルコニウム水溶液(Zr:0.
5モル部)アンモニア水(3.0モル部)を混合するこ
とにより、水酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウムの
沈殿物を含む懸濁液を得、この懸濁液に平均粒子径3μ
mの活性アルミナ粉末35gを添加して約1時間混合し
た後、650℃で1時間焼成することにより2層コート
の上層用触媒担体を調製した。
【0028】この担体100重量部、水100重量部、
硝酸アルミニウム20重量部、ベーマイト(AlO(O
H))5重量部をアトライターで約3分間混合し触媒担
体スラリーを調製した。このスラリーを上記1.7Lの
コージエライト製ハニカムに、焼成後の固形分としてハ
ニカム1Lあたり60g分コートし、500℃で1時間
焼成した。その後Rhをハニカム1Lあたり0.3g吸
着担持し、2層コート白金/ロジウム担持触媒を調製し
た。
【0029】この触媒を排気量2リットルのエンジンを
持つガソリン自動車の排気管に取り付け、欧州走行を模
試した触媒床最高温度約1000℃の促進耐久走行試験
を50時間行った。その後欧州走行を模試した走行時の
排気分析を触媒の上流部と下流部の排気について同時に
行い、排気成分(NOX、HC、CO)の平均浄化率を
測定した。その結果この触媒は98%とい従来の触媒
より高い浄化率を示した。浄化率測定後触媒を分解して
触媒の状態解析を実施した。XRD測定の結果、セリウ
ムとジルコニウムはほぼ均一な固溶体を形成した下層担
体のセリア−ジルコニア固溶体の結晶相と、上層担体の
ジルコニア相が確認された。下層担体のセリア−ジルコ
ニア固溶体の結晶相の一次粒子径は6.8nmであっ
た。また触媒層の断面を研磨しSEM観察した結果、セ
リウムとジルコニウムの固溶体がアルミナ中に高分散に
分布し、さらにこの複合酸化物が活性アルミナ担体の粒
界部に均一に分散している下層と、ジルコニアがアルミ
ナ中に高分散に分散し、さらにこの複合酸化物が活性ア
ルミナ担体の粒界部に均一分散している上層が確認され
た。さらに触媒層を掻き取り粉末の比表面積測定を行っ
た結果、約67m2の比表面積を有することが確認され
た。さらに、この粉末を用いて酸素吸蔵放出能を測定し
た結果、評価温度300℃におけるセリウム1モルあた
りOSCは0.09(モル−O2/モル−Ce)という
高い値を示すことが確認された。このようにアルミニウ
ム塩を含む塩の共沈物から担体を合成し2層コート触媒
を調製した場合にも耐熱性が向上することが確認され
た。
【0030】
【表1】
【0031】(比較例1) 過酸化水素を添加しなかたこと以外は実施例1と同じ
方法で触媒担体を調製し、貴金属担持触媒を得、浄化率
の測定および状態解析を行った。これらの結果をまとめ
て表1に示す。過酸化水素を添加しない場合は、均一な
固溶ができず一次粒子径はセリアリッチ相において15
nmと大きく成長しOSCは実施例のものに比べて低
い値であり、平均浄化率も85%と低い値であった。
【0032】(比較例2) アルミナ粉末を添加せず焼成し、セリア−ジルコニア固
溶体を形成した後、この粉末40重量部と平均二次粒子
径3μmの活性アルミナ粉末60重量部、水100重量
部、硝酸アルミニウム20重量部、ベーマイト5重量部
をアトライターで約3分間混合し触媒担体スラリーを調
製した。これ以外は実施例1と同じ方法で貴金属担持触
媒を得、浄化率の測定および状態解析をおこなった。こ
れらの結果もまとめて表1に示す。前駆体を形成した後
懸濁液に比表面積の大きいアルミナ粉末を混合しないで
焼成すると、均一で一次粒子径の小さいセリア−ジルコ
ニアの固溶体は形成できるが、活性アルミナ粉末と固溶
体とは粉末同士の分散となり、平均浄化率およびOSC
は比較例1の場合よりやや向上するが実施例の場合に比
べて低い値である。 (比較例3) 硝酸セリウム水溶液(Ce:0.25モル)、硝酸ジル
コニウム水溶液(Zr:0.25モル)、アンモニア水
(1.5モル)及び過酸化水素水(0.275モル)を
混合することにより、水酸化セリウムと水酸化ジルコニ
ウムの沈殿物を含む懸濁液を得た。この懸濁液に平均二
次粒子径3μmの活性アルミナ粉末120gを添加し約
1時間混合した後、650℃で1時間焼成することによ
り触媒担体を調製した。
【0033】この担体100重量部、水100重量部、
硝酸アルミニウム20重量部、ベーマイト5重量部をア
トライターで約3分間混合して触媒担体スラリーを調製
した。 このスラリーを1.7Lのコージエライト製ハ
ニカムに、焼成後の固形分としてハニカム1Lあたり2
00g分コートし、500℃で1時間焼成した。その
後、白金をハニカム1Lあたり1.5g担持し、250
℃で1時間焼成した後、さらにロジウムをハニカム1L
あたり0.3g担持して貴金属担持触媒を調製した。
この触媒を排気量2リットルのエンジンを持つガソリン
自動車の排気管に取り付け、欧州走行を模試した触媒床
最高温度約1000℃の促進耐久走行試験を50時間行
った。
【0034】その後欧州走行を模試した走行時の排気分
析を触媒の上流部と下流部の排気について同時に行い、
排気成分(NOX、HC、CO)の平均浄化率を測定し
た。その結果この触媒は92%であった。浄化率測定後
触媒を分解して触媒の状態解析を実施した。XRD測定
の結果、セリウムとジルコニウムはほぼ均一な固溶体を
形成しており、その一次粒子径は12nmであった。ま
た触媒層の断面を研磨しSEM観察した結果、セリウム
とジルコニウムの固溶体が活性アルミナ担体の粒界部に
均一分散していることが確認された。さらに触媒層を掻
き取り粉末の比表面積測定した結果、約65m2の比表
面積を有することが確認された。さらに、この粉末を用
いて酸素吸蔵放出能を測定した結果、評価温度300℃
におけるセリウム1モルあたりOSCは0.06(モル
−O2/モル−Ce)であった。本比較例では、前駆体
形成時にアルミニウムイオンが存在しないのでセリアと
ジルコニアとの均一の固溶体は形成できるが表1に示す
ように焼成後の一次粒子径が大きくなりOSCも低く浄
化率も向上しない。
【0035】
【発明の効果】本発明の複合酸化物担持触媒担体は、セ
リウム、ジルコニウム、アルミニウムのイオン溶液に過
酸化水素とアルカリを加えて酸化物の前駆体の懸濁液状
とし、これに比表面積の大きい活性アルミナ粉末などの
微細な(平均二次粒子径数μm以下が望ましい)担体を
加えて混合し、そのまま焼成して形成されている。
【0036】その結果、セリア−ジルコニアが均一に固
溶し、一次粒子径も小さく、かつアルミナなどの担体中
での分散性が向上し、耐熱性に優れた浄化性能を示す触
媒が形成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須田 明彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 森川 彰 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 神取 利男 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 木村 希夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 杉浦 正洽 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 右京 良雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 金沢 孝明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 審査官 関 美祝 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/94 C01G 25/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セリウム、アルミニウム及びジルコニウ
    ムの各イオンを含む混合溶液に、アルカリ性溶液と過酸
    化水素水とを添加して複合酸化物の前駆体が分散した懸
    濁液を形成し、該懸濁液に比表面積の大きな担体を添加
    して混合物とし、該混合物を焼成して形成されたことを
    特徴とする複合酸化物担持触媒担体。
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