JP3330130B2 - 食器類用ポリエステル成形材料及び食器類 - Google Patents

食器類用ポリエステル成形材料及び食器類

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JP3330130B2
JP3330130B2 JP2000315668A JP2000315668A JP3330130B2 JP 3330130 B2 JP3330130 B2 JP 3330130B2 JP 2000315668 A JP2000315668 A JP 2000315668A JP 2000315668 A JP2000315668 A JP 2000315668A JP 3330130 B2 JP3330130 B2 JP 3330130B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食器及び食事関連
器具を成形するために用いられる食器類用ポリエステル
成形材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
で成形された成形品が、食器や食事関連器具のような、
安価な食器類として従来から提供されている。
【0003】しかしPET製の成形品は耐熱性が低く、
高温が作用すると変色や変形が発生し易いために、熱湯
で煮沸したり、電子レンジで加熱したりすることができ
ず、また食器の自動洗浄器や乾燥機にかけると変形が発
生するおそれがある。このためにPET製の成形品は食
器類として使用するには問題がある。そこで石英などの
無機フィラーをPETに配合することによって耐熱性を
高め、耐煮沸性を高めると共に電子レンジでの加熱に耐
えることができるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにP
ETに無機フィラーを配合すると、成形品の外観光沢性
が低下し、食器類としての商品価値が下がるという問題
があった。また、この成形品に塗装を施すにあたって、
塗膜の密着性が不十分であって塗装性に問題を有するも
のであった。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、高い耐熱性を維持しつつ、成形品の外観光沢を高
めることができると共に良好な塗装性を得ることができ
る食器類用ポリエステル成形材料を提供することを目的
とし、また耐熱性が高く外観光沢が良好でしかも塗装の
塗膜の密着性が高い食器類を提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
食器類用ポリエステル成形材料は、ポリエチレンテレフ
タレートとポリブチレンテレフタレートの2種の樹脂
と、全量に対して1〜15質量%のアクリロニトリル樹
脂と、全量に対して5〜30質量%の無機フィラーを含
有して成ることを特徴とするものである。
【0007】本発明の請求項2に係る食器類用ポリエス
テル成形材料は、ポリエチレンテレフタレートとポリブ
チレンテレフタレートの2種の樹脂と、全量に対して1
〜15質量%のブチラール樹脂と、全量に対して5〜3
0質量%の無機フィラーを含有して成ることを特徴とす
るものである。
【0008】本発明の請求項3に係る食器類用ポリエス
テル成形材料は、ポリエチレンテレフタレートとポリブ
チレンテレフタレートの2種の樹脂と、合計量が全量に
対して1〜15質量%のアクリロニトリル樹脂とブチラ
ール樹脂の2種類の樹脂と、全量に対して5〜30質量
%の無機フィラーを含有して成ることを特徴とするもの
である。
【0009】また請求項4の発明は、請求項1乃至3に
おいて、ポリエチレンテレフタレートとして、PETボ
トルのリサイクル品を用いることを特徴とするものであ
る。
【0010】また請求項5の発明は、請求項1、3、4
において、アクリロニトリル樹脂は、メルトインデック
スが5〜20であることを特徴とするものである。
【0011】また請求項6の発明は、請求項2乃至4に
おいて、ブチラール樹脂は、平均重合度が900〜30
00であることを特徴とするものである。
【0012】また請求項7の発明は、請求項1乃至6に
おいて、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテ
レフタレートの配合比率は、質量比で70:30〜3
0:70であることを特徴とするものである。
【0013】また請求項8の発明は、請求項1乃至7に
おいて、無機フィラーは大きさが3000μm以下であ
ることを特徴とするものである。
【0014】また請求項9の発明は、請求項1乃至8に
おいて、無機フィラーは硬度が5以下であることを特徴
とするものである。
【0015】また請求項10の発明は、請求項1乃至9
において、モンタン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリ
ウム、モンタン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム
から選ばれる結晶化促進剤を配合して成ることを特徴と
するものである。
【0016】また請求項11の発明は、請求項1乃至1
0において、ポリエチレン系ワックス、低分子量ポリプ
ロピレンから選ばれる離型剤を配合して成ることを特徴
とするものである。
【0017】本発明の請求項12に係る食器類は、上記
の請求項1乃至11のいずれかに記載のポリエステル成
形材料で成形されて成ることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0019】本発明ではポリエステル樹脂としてポリエ
チレンテレフタレート(PET)とポリブチレンテレフ
タレート(PBT)の2種類を用いるものである。PE
TとPBTの配合比率は、質量比で70:30〜30:
70の範囲が好ましい。PETにPBTを併用すること
によって、成形品の外観光沢性を向上させることができ
るものであり、両樹脂の合計量に対してPBTの配合量
が30質量%〜70質量%の範囲を外れると外観光沢性
の向上の効果を十分に得ることが難しくなる。このPE
TとPBTの成形材料への配合量は、両者の合計量が成
形材料全量の55〜94質量%の範囲、特に80〜93
質量%になるように設定するのが好ましい。
【0020】ここで、上記のPETとしては、合成調製
されたバージン成形材料のPETの他に、PETを成形
して飲料水の容器などとして作製されたいわゆるPET
ボトルをリサイクルして用いることもできる。使用済み
の回収されたPETボトルを用いる場合、洗浄した後
に、ボトルの形態そのままで使用したり、粉砕して使用
したりすることができるものである。粉砕して使用する
場合、10mm程度のフレーク状にしたり、あるいはこ
のフレークを3mm径程度のペレット状にしたりして使
用することができる。
【0021】また本発明では樹脂として、上記のPET
とPBTの2種類の樹脂の他に、アクリロニトリル樹脂
(AN)やブチラール樹脂(BR)を配合する。ANと
BRは一方を単独で配合する他に、ANとBRの両方を
配合するようにしてもよい。ANやBRの配合量は、A
Nを単独で配合する場合、BRを単独で配合する場合、
ANとBRを併用して配合する場合のいずれも、成形材
料の全量に対して1〜15質量%の範囲に設定されるも
のである。
【0022】ANやBRを配合することによって、成形
品の塗膜の密着性を高めることができるものであり、配
合量が成形材料の全量に対して1質量%未満では、塗膜
の密着性を有効に高めることができず、塗装性を向上さ
せる効果を十分に得ることができない。逆に配合量が成
形材料の全量に対して15質量%を超える場合には、成
形品の耐熱性や外観光沢性を低下させるおそれがある。
尚、ANとBRを併用して配合する場合、ANとBRの
配合比率は、質量比で10:90〜90:10の範囲が
好ましい。
【0023】ここで、ANとしては、メルトインデック
ス(MI:メルトフローレートMFRともいう)が5〜
20の範囲のものを用いるのが好ましい。尚、MIはA
STM D 1238に基づいて、試験温度230℃、
試験荷重37.3Nの条件で試験を行なったときの、1
0分間に押し出された質量(g/10min)である。
MIが5未満のANでは、塗膜の密着性を向上させる効
果を十分に得ることができない場合があり、またMIが
20を超えるANを用いると、成形材料を成形する際に
ガスの発生量が多くなると共に塗膜の密着性を向上させ
る効果を十分に得ることができない場合がある。
【0024】また、BRとしては、平均重合度(重量平
均重合度)が900〜3000のものを用いるのが好ま
しい。平均重合度が900未満のBRや、平均重合度が
3000を超えるBRでは、塗膜の密着性を向上させる
効果を十分に得ることができない場合がある。
【0025】そして、上記のPETとPBT及びANに
無機フィラーを配合することによって、またPETとP
BT及びBRに無機フィラーを配合することによって、
またPETとPBT及びANとBRに無機フィラーを配
合することによって、本発明の成形材料を得ることがで
きるものであり、無機フィラーの配合量は、成形材料全
量の5〜30質量%の範囲に設定される。無機フィラー
を配合することによって、成形品の熱変形温度が140
℃以上になって成形品の耐熱性を向上させることがで
き、成形して得られた食器類の耐煮沸性や耐電子レンジ
性を高めることができるものである。無機フィラーの配
合量が5質量%未満では耐熱性の向上の効果が不充分に
なる。逆に無機フィラーの配合量が30質量%を超える
と、PBTの配合による成形品の外観光沢向上の効果が
相殺され、成形品の外観光沢性が悪くなる。
【0026】ここで、無機フィラーとしては、タルク、
ワラストナイト、石英、シリカ、ガラス、クレー、炭酸
カルシウム、ベントナイト、マイカ、カオリン、酸化チ
タン、硫酸バリウム、マグネシアなどを用いることがで
きるが、硬度(モース硬さ)が5以下のもの、特に4以
下のものが好ましい。タルクは硬度1、ワラストナイト
は硬度3、石英は硬度7であるので、タルクやワラスト
ナイトを用いるのが好ましい。このように無機フィラー
として硬度が5以下、特に4以下のものを用いることに
よって、成形材料を成形金型に注入して成形する際に、
成形金型のキャビティの表面を無機フィラーで磨耗させ
ることを防ぐことができ、この金型磨耗によって成形品
の外観光沢が低下することを防ぐことができるものであ
る。無機フィラーの硬度の下限は1である。
【0027】また無機フィラーは、その形状は針状、繊
維状、板状、葉状、球状、立方体状、六面体やウィスカ
ー状など任意であってもよいが、長さ(平均長さ)や直
径(平均直径)で表される大きさ(平均大きさ)が30
00μm以下、特に100μm以下のものが好ましい。
大きさが100μm、特に3000μmを超える無機フ
ィラーでは、成形品の表面に無機フィラーが突出して外
観光沢性が低下するおそれがある。無機フィラーの大き
さの下限は特に設定されないが、実用的には0.5μm
程度が下限である。
【0028】また本発明の成形材料には、PETやPB
Tの結晶化を促進する結晶化促進剤を配合することがで
きる。結晶化促進剤としては、モンタン酸ナトリウム、
ステアリン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、ステ
アリン酸カルシウムなどを用いることができ、これらを
一種単独で使用する他、複数種を組み合わせて使用して
もよい。このように結晶化促進剤を配合して樹脂の結晶
化を促進することによって、成形の際の金型温度が10
0℃付近の低温であっても、光沢のある成形品を得るこ
とができるものである。結晶化促進剤の配合量は、成形
材料全量の0.2〜1.0質量%の範囲が好ましい。配
合量が0.2質量%未満であると、結晶化促進の効果を
十分に得ることができず、また1.0質量%を超える
と、成形品の外観を損ねるおそれがある。
【0029】さらに本発明の成形材料には、離型剤を配
合することができる。離型剤としては、ポリエチレン系
ワックスや低分子量ポリプロピレンを用いることができ
るものであり、これらを単独で、あるいは併用して使用
することができる。ここで、ポリエチレン系ワックス
は、分子量が500〜10000の低分子量ポリエチレ
ンである。このように離型剤としてポリエチレン系ワッ
クスや低分子量ポリプロピレンを配合すると、成形の際
の金型からの成形品の離型性が向上し、逆テーパ面のキ
ャビティを有する金型でも成形品を離型することが可能
になるものである。離型剤の配合量は、成形材料全量に
対して0.1〜1.0質量%の範囲が好ましい。離型剤
の配合量が少ないと、離型性の効果を十分に得ることが
できず、また配合量が多すぎると、成形品の塗装塗膜の
密着性が悪くなって、耐塗装剥離性が低下するおそれが
ある。
【0030】上記の各成分を混合・混練することによっ
てポリエステル成形材料を調製することができるが、P
ETやPBTは予め乾燥処理を行なっておくのが好まし
い。そして得られたポリエステル成形材料を射出成形な
ど任意の方法で成形することによって、食器類として使
用される成形品を得ることができるものである。ここ
で、本発明において食器類とは、茶碗、皿、椀などの食
品を入れて食事に直接用いる食器や、トレー、お盆、箸
立て、スプーン入れ、ホーク入れ、箸入れ、箸受け、茶
托、コースター、食器受け、蒸篭、桶、ケーキ型、バタ
ーケース、ソーサーなどの食事に間接的に用いる食事関
連器具を意味するものである。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によって例
証する。
【0032】表1〜5の配合物を10分間、タンブラー
で混合し、さらにエクストルーダーに投入して混錬し
た。エクストルーダーの温度は投入口付近で250℃
に、出口のダイス付近で260℃に設定し、ダイスから
押し出したストランドはすぐに冷却槽で冷却して、カッ
ターで2〜4mmのペレットに切断し、食器類成形用の
ポリエステル成形材料を得た。
【0033】ここで、PETやPBTは予め乾燥処理を
して使用した。そしてPETとしては、PETボトルの
回収品を洗浄して、平均粒径10mmに粉砕したリサイ
クル品もの(表1〜4に「PETボトル」と表示す
る)、及びバージン成形材料のクラレ社製「KL236
R」を(表1〜5に「PET」と表示する)用いた。ま
た表1〜5において、ANは三菱レーヨン社製のMI値
が2、5、15、20、30のアクリロニトリル樹脂
を、BRはデンカ社製の平均重合度が800、900、
2000、3000、4000のブチラール樹脂を用い
た。また無機フィラーのタルクは平均粒径10μmのも
のを用い、離型剤としてクラリアント社製低分子量ポリ
エチレン(ポリエチレンワックス)「WAX PED5
52」を用いた。
【0034】そして、上記のように調製した成形材料を
成形前に除湿乾燥機で140℃×4時間の条件で乾燥処
理し、100トン射出成形機を用いて成形した。射出成
形機は材料投入口付近の温度が200℃、射出ヘッド付
近の温度が260℃であり、成形金型の温度は100℃
であった。
【0035】このように成形して得られた成形品につい
て、耐煮沸性、耐電子レンジ性、外観光沢、反り量、耐
塗装剥離性(セロハンテープ)、耐塗装剥離性(梱包用
樹脂製粘着テープ)、離型性を評価した。これらの結果
を表1〜5に示す。
【0036】耐煮沸性の試験は、JIS S 2029
に準拠して行ない、食器類として成形した成形品を他の
成形品と接触しない状態で熱湯の中に完全に浸漬し、1
時間煮沸した。そして取り出した成形品を30分室温に
放置した後の成形品の外観を観察した。結果を表1〜5
に、変形発生を「×」、変形発生せずを「○」と評価し
て示した。
【0037】耐電子レンジ性の試験は、JIS S 2
033に準拠して行ない、食器類として成形した成形品
の容量の80%程度までオリーブオイルを入れ、これを
1400kW/hrの高周波電子レンジに入れてオリー
ブオイルが140℃になるまで加熱した。結果を表1〜
5に、変形発生を「×」、変形発生せずを「○」と評価
して示した。
【0038】外観光沢は、食器類として成形した成形品
の表面を観察して評価し、成形品表面が粗く全く光を反
射しない状態のものを「×」、成形品表面は艶消し状態
で光を若干反射するものを「△」、成形品表面で非常に
光を反射するものを「○」と判定して、表1〜5に示し
た。
【0039】反り量の測定は、110mm×110mm
×2mmの成形品(端面にゲート形成)を成形し、上面
が水平な平坦面の大理石の上にこの成形品を載置して、
大理石の表面から最も大きく浮き上がる部分の浮き上が
り寸法を計測することによって行ない、反り量が2mm
以下を「○」、2mmを超える場合を「×」と判定し
て、表1〜5に示した。
【0040】耐塗装剥離性(セロハンテープ)の試験
は、JIS S 2029に準拠して行ない、食器類と
して成形した成形品の表面にアクリルウレタン系塗料を
塗装し、30±5°の角度で交差する長さ約20mmの
切り込み線を塗膜に素地まで達するように入れ、これを
成形品の6箇所に設けた。そして幅20mm、長さ60
mmの日東電工社製セロハンテープを用い、切り込み線
の上に約30mmの長さでセロハンテープを貼り付け、
これを45°の角度で一気に引き剥がした。塗膜が剥が
れたものを「×」、塗膜が剥がれないものを「○」と評
価して表1〜5に示した。
【0041】耐塗膜剥離性(梱包用樹脂製粘着テープ)
の試験は、セロハンテープの代わりに3M社製梱包用樹
脂製粘着テープ「Scotch313」を用いて上記と
同様に試験を行ない、1cm2以上の面積で塗膜が剥が
れたものを「×」、塗膜がわずかに剥がれるものを
「△」、塗膜が全く剥がれないものを「○」と評価して
表1〜5に示した。
【0042】離型性は、食器類として成形した成形品を
逆テーパのキャビティを有する金型から離型する際に評
価し、離型しないものを「×」、離型するものを「○」
と判定して表1〜5に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】表1〜5にみられるように、ANあるいは
BRを配合することによって、耐塗膜剥離性を高めるこ
とができることが確認される。
【0049】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る食
器類用ポリエステル成形材料は、ポリエチレンテレフタ
レートとポリブチレンテレフタレートの2種の樹脂と、
全量に対して1〜15質量%のアクリロニトリル樹脂
と、全量に対して5〜30質量%の無機フィラーを含有
するので、無機フィラーの配合によって耐熱性を高めて
耐煮沸性や耐電子レンジ性を高めることができると共
に、ポリブチレンテレフタレートの配合によって外観光
沢性を高めることができるものであり、またアクリロニ
トリル樹脂の配合によって塗膜の密着性を高めて塗装性
を向上することができるものである。
【0050】また本発明の請求項2に係る食器類用ポリ
エステル成形材料は、ポリエチレンテレフタレートとポ
リブチレンテレフタレートの2種の樹脂と、全量に対し
て1〜15質量%のブチラール樹脂と、全量に対して5
〜30質量%の無機フィラーを含有するので、無機フィ
ラーの配合によって耐熱性を高めて耐煮沸性や耐電子レ
ンジ性を高めることができると共に、ポリブチレンテレ
フタレートの配合によって外観光沢性を高めることがで
きるものであり、またブチラール樹脂の配合によって塗
膜の密着性を高めて塗装性を向上することができるもの
である。
【0051】また本発明の請求項3に係る食器類用ポリ
エステル成形材料は、ポリエチレンテレフタレートとポ
リブチレンテレフタレートの2種の樹脂と、合計量が全
量に対して1〜15質量%のアクリロニトリル樹脂とブ
チラール樹脂の2種類の樹脂と、全量に対して5〜30
質量%の無機フィラーを含有するので、無機フィラーの
配合によって耐熱性を高めて耐煮沸性や耐電子レンジ性
を高めることができると共に、ポリブチレンテレフタレ
ートの配合によって外観光沢性を高めることができるも
のであり、またアクリロニトリル樹脂とブチラール樹脂
の配合によって塗膜の密着性を高めて塗装性を向上する
ことができるものである。
【0052】また請求項4の発明は、ポリエチレンテレ
フタレートとして、PETボトルのリサイクル品を用い
るようにしたので、使用済みのPETボトルを有効にリ
サイクルして活用することができ、省資源及び環境問題
に貢献することができるものである。
【0053】また請求項5の発明は、アクリロニトリル
樹脂は、メルトインデックスが5〜20であることを特
徴とするので、アクリロニトリル樹脂の配合による塗装
性向上の効果を有効に得ることができるものである。
【0054】また請求項6の発明は、ブチラール樹脂
は、平均重合度が900〜3000であることを特徴と
するので、ブチラール樹脂の配合による塗装性向上の効
果を有効に得ることができるものである。
【0055】また請求項7の発明は、ポリエチレンテレ
フタレートとポリブチレンテレフタレートの配合比率
は、質量比で70:30〜30:70であることを特徴
とするので、ポリブチレンテレフタレートの配合による
外観光沢性向上の効果を有効に得ることができるもので
ある。
【0056】また請求項8の発明は、無機フィラーは大
きさが3000μm以下であることを特徴とするので、
無機フィラーによって成形品の外観光沢性を低下させる
ことを防ぐことができるものである。
【0057】また請求項9の発明は、無機フィラーは硬
度が5以下であることを特徴とするので、成形金型が無
機フィラーで磨耗することを防ぐことができ、金型磨耗
によって成形品の外観光沢が低下することを防止できる
ものである。
【0058】また請求項10の発明は、モンタン酸ナト
リウム、ステアリン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウ
ム、ステアリン酸カルシウムから選ばれる結晶化促進剤
を配合するようにしたので、樹脂の結晶化を促進して、
光沢のある成形品を得ることができるものである。
【0059】また請求項11の発明は、ポリエチレン系
ワックス、低分子量ポリプロピレンから選ばれる離型剤
を配合するようにしたので、金型からの成形品の離型性
が向上し、逆テーパ面のキャビティを有する金型でも成
形品を離型することが可能になるものである。
【0060】本発明の請求項12に係る食器類は、上記
の請求項1乃至11のいずれかに記載のポリエステル成
形材料で成形されて成ることを特徴とするものであり、
無機フィラーの配合によって高い耐煮沸性や耐電子レン
ジ性を得ることができると共に、ポリブチレンテレフタ
レートの配合によって高い外観光沢を得ることができ、
またアクリロニトリル樹脂とブチラール樹脂の配合によ
って塗膜の密着性を高めて塗装性を向上することができ
るものである。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートとポリブチ
    レンテレフタレートの2種の樹脂と、全量に対して1〜
    15質量%のアクリロニトリル樹脂と、全量に対して5
    〜30質量%の無機フィラーを含有して成ることを特徴
    とする食器類用ポリエステル成形材料。
  2. 【請求項2】 ポリエチレンテレフタレートとポリブチ
    レンテレフタレートの2種の樹脂と、全量に対して1〜
    15質量%のブチラール樹脂と、全量に対して5〜30
    質量%の無機フィラーを含有して成ることを特徴とする
    食器類用ポリエステル成形材料。
  3. 【請求項3】 ポリエチレンテレフタレートとポリブチ
    レンテレフタレートの2種の樹脂と、合計量が全量に対
    して1〜15質量%のアクリロニトリル樹脂とブチラー
    ル樹脂の2種類の樹脂と、全量に対して5〜30質量%
    の無機フィラーを含有して成ることを特徴とする食器類
    用ポリエステル成形材料。
  4. 【請求項4】 ポリエチレンテレフタレートとして、P
    ETボトルのリサイクル品を用いることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の食器類用ポリエステル
    成形材料。
  5. 【請求項5】 アクリロニトリル樹脂は、メルトインデ
    ックスが5〜20であることを特徴とする請求項1,
    3,4のいずれかに記載の食器類用ポリエステル成形材
    料。
  6. 【請求項6】 ブチラール樹脂は、平均重合度が900
    〜3000であることを特徴とする請求項2乃至4のい
    ずれかに記載の食器類用ポリエステル成形材料。
  7. 【請求項7】 ポリエチレンテレフタレートとポリブチ
    レンテレフタレートの配合比率は、質量比で70:30
    〜30:70であることを特徴とする請求項1乃至6の
    いずれかに記載の食器類用ポリエステル成形材料。
  8. 【請求項8】 無機フィラーは大きさが3000μm以
    下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに
    記載の食器類用ポリエステル成形材料。
  9. 【請求項9】 無機フィラーは硬度が5以下であること
    を特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の食器類
    用ポリエステル成形材料。
  10. 【請求項10】 モンタン酸ナトリウム、ステアリン酸
    ナトリウム、モンタン酸カルシウム、ステアリン酸カル
    シウムから選ばれる結晶化促進剤を配合して成ることを
    特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の食器類用
    ポリエステル成形材料。
  11. 【請求項11】 ポリエチレン系ワックス、低分子量ポ
    リプロピレンから選ばれる離型剤を配合して成ることを
    特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の食器類
    用ポリエステル成形材料。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれかに記載の
    ポリエステル成形材料で成形されて成ることを特徴とす
    る食器類。
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