JPH0873702A - 抗菌性メラミン系樹脂成形用組成物及び被覆用組成物 - Google Patents

抗菌性メラミン系樹脂成形用組成物及び被覆用組成物

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JPH0873702A
JPH0873702A JP20768294A JP20768294A JPH0873702A JP H0873702 A JPH0873702 A JP H0873702A JP 20768294 A JP20768294 A JP 20768294A JP 20768294 A JP20768294 A JP 20768294A JP H0873702 A JPH0873702 A JP H0873702A
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JP
Japan
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melamine
resin
molding
weight
melamine resin
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Application number
JP20768294A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Arakawa
博史 荒川
Sumio Saito
純夫 斉藤
Nobuyuki Sawada
信行 沢田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamato Kako Co Ltd
JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Original Assignee
Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
Yamato Kako Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 成形品に抗菌作用を付与しつつ、成形時にカ
スレや色ムラ等が発生しない優れた外観を有する成形品
を成形でき、なおかつ成形品の変色が少ないメラミン系
樹脂成形用組成物及び被覆用組成物の提供。 【構成】 (a)メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂1
00重量部に対して、(b)Al2 3 ・xMgO・y
SiO2 ・pAg・qZn(xは1〜2、yは1〜3、
pは0.01〜0.1、qは0.01〜0.3)の抗菌
剤0.1〜3重量部、(c)パルプ25〜50重量部を
含み、円板流れが80〜110mm、硬化速度が2分〜
3.5分である樹脂成形用組成物、並びに、(a)10
0重量部に対して、(b)の抗菌剤0.1〜3重量部を
含み、円板流れが130〜150mm、硬化後の透過率
が50%以上である樹脂被覆用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性メラミン系樹脂
組成物に関するものであり、更に詳しくは、抗菌性を有
しつつ、カスレや色ムラ等のない優れた外観を呈するメ
ラミン系樹脂成形用組成物及びメラミン系樹脂被覆用組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のメラミン系樹脂は、成形物の表面
硬度が高いため、割れにくく、傷つきにくいうえ、耐熱
性に優れるという利点を有する。しかも熱伝導率が小さ
いため保温力に優れ、さらに着色を自由に綺麗にでき、
自由に絵付けできるという利点も有する。
【0003】メラミン系樹脂は、以上のような利点を有
するため、それを成形して得られるメラミン樹脂食器
は、主として病院、会社、学校等の集団給食用食器とし
て一般に広く使用されている。
【0004】しかしながら、上記したメラミン樹脂食器
では、例えば、洗浄後、あるいは収納時などに大気中か
らの落下菌による食器表面の雑菌の繁殖があったり、大
気中からの落下菌が食器表面にあった場合、食材を盛り
付けた時に食器表面の雑菌が繁殖したり、食材の食べ残
し等が付着した食器をそのまま放置しておくと、食器表
面の雑菌が繁殖し、滑りが発生することがある。このこ
とにより、食器の洗浄が困難になったり、過度の洗浄に
よって、食器の寿命が短くなるといった不都合があっ
た。
【0005】そこで食器表面での雑菌の繁殖を、成形品
に抗菌性を付与することによって抑制し、上記の不都合
を解消することが必要とされていた。一般に樹脂に抗菌
性を付与するには抗菌剤を添加することが行われてい
た。例えば、チアベンダゾールのような有機系抗菌剤、
又は、ヒドロキシアパタイト系及びゼオライト系等のよ
うな無機系担体に銀、銅、亜鉛などの金属イオンを担持
させた無機系抗菌剤を樹脂に添加し、抗菌性を付与する
方法が提案されている。
【0006】しかしながら、有機系抗菌剤やヒドロキシ
アパタイト系の担体を用いたイオン溶出型の無機系抗菌
剤を用いると、高温成形時に抗菌剤が変質して抗菌作用
が発揮できなくなったり、遊離イオンや変質物質等によ
る樹脂の変色が発生する。特にメラミン樹脂は、硬化温
度が150℃以上と高温であり、また硬化時に縮合水が
発生するので、変色の割合が大きく、これらの抗菌剤は
使用できなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、樹脂の変色を
防止するために、金属イオンを遊離させることなく抗菌
作用を発揮するイオン非溶出型の抗菌剤を樹脂に添加し
て、抗菌性を発揮させることが提案されている。例え
ば、特開平5−78602号には、漁網等に藻類が付着
するのを防止するために用いられる抗菌性塗料に、メタ
珪酸アルミン酸マグネシウム系の担体に金属イオンを担
持させた抗菌剤を用いると効果的である旨が開示されて
おり、樹脂としてメラミン樹脂が例示されている。
【0008】しかしながら、メラミン樹脂成形用組成物
は、成形品に抗菌性を付与すると同時に圧縮成形時の成
形性を良好に保ち、且つ、成形品強度や成形品表面性状
を良好に保たなければならないので、すべての特性を満
足するような、メラミン系樹脂成形用組成物は未だ見い
出されていなかった。
【0009】従って、本発明の目的は、成形品に抗菌作
用を付与しつつ、成形時にカスレや色ムラ等が発生しな
い優れた外観を有する成形品を成形でき、なおかつ成形
品の変色が少ないメラミン系樹脂成形用組成物及び被覆
用組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
した結果、メラミン系樹脂に特定の抗菌剤を特定の量添
加し、且つ、その組成物の物性を制御することにより上
記目的を解決し得ることを知見し、本発明を完成するに
到った。
【0011】即ち、本発明は、(a)メラミン/ホルム
アルデヒド系樹脂100重量部に対して、(b)Al2
3 ・xMgO・ySiO2 ・pAg・qZn(式中、
xは1〜2であり、yは1〜3であり、pは0.01〜
0.1であり、そしてqは0.01〜0.3である)で
表される抗菌剤0.1〜3重量部、及び(c)パルプ2
5〜50重量部を含んでなり、円板流れが80〜110
mmであり、且つ、硬化速度が2分〜3.5分であるこ
とを特徴とする抗菌性メラミン系樹脂成形用組成物を提
供することにより、上記目的を達成したものである。
【0012】更に、本発明は、(a)メラミン/ホルム
アルデヒド系樹脂100重量部に対して、(b)Al2
3 ・xMgO・ySiO2 ・pAg・qZn(式中、
xは1〜2であり、yは1〜3であり、pは0.01〜
0.1であり、そしてqは0.01〜0.3である)で
表される抗菌剤0.1〜3重量部を含んでなり、円板流
れが130〜150mmであり、且つ、硬化後の透過率
が50%以上であることを特徴とする抗菌性メラミン系
樹脂被覆用組成物を提供することにより、上記目的を達
成したものである。
【0013】以下、本発明の抗菌性メラミン系樹脂成形
用組成物について詳細に説明する。本発明で用いるメラ
ミン/ホルムアルデヒド系樹脂(以下、メラミン系樹脂
と略称することがある)とは、メラミンとホルムアルデ
ヒドとを反応させて得られる樹脂のみならず、この他、
公知の如何なるメラミン/ホルムアルデヒド系樹脂を使
用することができる。特に、得られる成形品の表面硬
度、着色自在性及び耐候性などの観点から、メラミンと
ホルムアルデヒドとを反応させて得られるメラミン/ホ
ルムアルデヒド樹脂(以下、メラミン樹脂と略称するこ
とがある)を用いるのが好ましい。
【0014】またメラミン系樹脂としては、得られる成
形品の上記特性を失わない範囲で、メラミンの一部を該
メラミン及びホルムアルデヒドと共縮合可能なメラミン
共縮合用成分で置き換えることにより得られるメラミン
/ホルムアルデヒド系共縮合樹脂(以下、メラミン共縮
合樹脂と略称することがある)を用いることもできる。
【0015】このようなメラミン共縮合用成分として
は、例えば、尿素、チオ尿素及びエチレン尿素等の尿素
類;ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルムグア
ナミン、フェニルアセトグアナミン及びSTUグアナミ
ン等のグアナミン類;及びグアニジン、ジシアンジアミ
ド、パラトルエンスルホンアミド等のその他のアミノ化
合物;フェノール、クレゾール、キシレノール、エチル
フェノール、ブチルフェノール、ビスフェノールA等の
フェノール類;キシレン、サッカロース等のその他のメ
ラミン共縮合用化合物;等を挙げることができ、これら
の成分は1種又は2種以上を併用して差し支えない。特
に好ましい共縮合用成分としては、ベンゾグアナミンを
挙げることができる。
【0016】メラミン共縮合用成分の置換比率は、前記
成形品特性のよさとともに成形品の表面硬度、耐熱性、
耐汚染性等のよさの観点から、メラミンに対してモル比
で約0.5以下、好ましくは0.3以下であることが好
ましい。
【0017】さらにメラミン系樹脂としては、前記の成
形品特性を維持しうる範囲において、前記メラミン樹脂
及び/又はメラミン共縮合樹脂に対して、これら以外の
熱硬化性又は熱可塑樹脂よりなるブレンド用樹脂成分を
ブレンドして得られるメラミン/ホルムアルデヒド系ブ
レンド樹脂(以下、メラミン系ブレンド樹脂と略称する
ことがある)を使用することもできる。
【0018】上記ブレンド用樹脂成分としては、例え
ば、尿素系樹脂、グアナミン系樹脂、フェノール系樹脂
(ノボラック型、レゾール型)、キシレン樹脂、エポキ
シ樹脂、アルキッド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等
の熱硬化性樹脂;塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹
脂、アクリル系樹脂及びポリエチレンテレフタレート系
樹脂等の熱可塑性樹脂等を挙げることができる。特に好
ましいブレンド用樹脂成分としては、グアナミン系樹脂
を挙げることができる。
【0019】メラミン系ブレンド樹脂におけるメラミン
樹脂及び/又はメラミン共縮合樹脂に対するブレンド用
樹脂成分の重量比は、前記同様の観点から約0.4以
下、好ましくは0.3以下であることが好ましい。
【0020】前記のメラミン樹脂又はメラミン共縮合樹
脂においては、ホルムアルデヒド/メラミン(又はメラ
ミン及び必要に応じて用いられる前記メラミン共縮合用
成分)のモル比は、一般に1.3〜2.5であり、好ま
しくは1.4〜2.0であり、更に好ましくは1.4〜
1.8であり、特に好ましくは1.5〜1.7である。
該モル比が該上限値以下であれば、成形品が脆くなるこ
とがなく、耐クラック性等の優れた性質が維持されるの
で好ましく、一方、該モル比が該下限値以上であれば、
得られる成形用材料の硬化速度が低下したりすることが
なく、また、得られる成形品の「ハダ」の状態も良好で
あるので好ましい。
【0021】なお、本発明においてホルムアルデヒドと
は、例えばパラホルムアルデヒド等のような、前記メラ
ミン及びメラミン共縮合用成分との反応に際して、実質
的にホルムアルデヒドと同様に作用する化合物を包含す
るものである。
【0022】また、前記ホルムアルデヒドは、その一部
をホルムアルデヒド以外のアルデヒド成分、例えばアセ
トアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド類:ベンズアルデ
ヒドなどの芳香族アルデヒド類:フルフラール;その他
前記メラミン及びメラミン共縮合用成分と反応し得るア
ルデヒド化合物によって置き換えることができる。
【0023】上記のホルムアルデヒド以外のアルデヒド
成分の量は、メラミン及びメラミン共縮合用成分の反応
性及び得られるメラミン樹脂及びメラミン共縮合樹脂の
硬化速度等の観点より、ホルムアルデヒド1モルに対し
て約0.5モル以下、好ましくは0.2モル以下である
ことが好ましい。
【0024】本発明のメラミン系樹脂成形用組成物は、
前記のメラミン系樹脂とともにパルプを含有する。上記
パルプとは、通常、紙、化学繊維、セルロース系プラス
チック等の原料になる、セルロース原料から導かれたα
−セルロースを主成分とする鎖状高分子をいい、一般に
工業的には木材、リンタを処理したセルロース原料から
製造した繊維が用いられる。
【0025】前記パルプの配合量は、メラミン系樹脂1
00重量部に対して25〜50重量部、好ましくは28
〜50重量部、更に好ましくは30〜45重量部であ
る。該配合量が該上限値を超えて多過ぎては、得られる
成形用材料の流動特性及び最小賦型圧特性などの成形適
性が悪化しがちで好ましくなく、一方、該下限値未満と
少な過ぎては、得られる成形品の耐インサート性や耐ク
ラック性などの機械強度が低下する傾向にあり好ましく
ない。
【0026】本発明のメラミン系樹脂成形用組成物は、
前記のメラミン系樹脂及びパルプとともに、抗菌剤を含
有してなるものである。上記の抗菌剤は、Al2 3
xMgO・ySiO2 ・pAg・qZn(式中、xは1
〜2であり、yは1〜3であり、pは0.01〜0.1
であり、そしてqは0.01〜0.3である)で表され
る。
【0027】抗菌剤の使用量は、メラミン系樹脂100
重量部に対して0.1〜3重量部、好ましくは0.5〜
2重量部、特に好ましくは0.7〜1.5重量部であ
る。該使用量が該上限値を超えて多過ぎては、得られる
成形品の色ムラが不満足なものとなる傾向にあり好まし
くなく、一方、該下限値未満と少な過ぎては、抗菌性が
不十分となり好ましくない。
【0028】上記の抗菌剤は、銀イオン及び亜鉛イオン
をイオン交換により、Al2 3 ・mMgO・nSiO
2 ・2H2 O(式中、m及びnは、それぞれ0.3〜3
である)に吸着せしめ、それによって、銀を0.5〜5
重量%及び亜鉛を1〜15重量%担持させ、次いで、1
000℃減量分として水分が3%以下となるように、こ
れを500℃以上で焼成せしめて得られる。
【0029】本発明で使用する上記の抗菌剤は、毒性の
ない無機物質であり、しかも熱安定性がよい。また、メ
ラミン系樹脂の成形、長期使用の際にイオンが溶出する
ことがなく、その結果、溶出イオンによる変色がなく、
高温成形しても抗菌性が変わらない。更に、成形材料の
伸びや硬化速度に影響を与えないので、成形品の表面状
態や透明性に対する影響が少ないという特徴を有する。
抗菌剤の粒子径には特に制限はないが、好ましくは平均
粒子径が0.1〜10μm、特に好ましくは0.5〜5
μmである。
【0030】また、本発明のメラミン系樹脂成形用組成
物は、必要に応じて、無機質充填剤を含有することがで
きる。このような無機質充填剤の例としては、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、シリカ、石膏
及びガラス粉等を挙げることができる。
【0031】更に、本発明のメラミン系樹脂成形用材料
は、硬化触媒類及び/又は金属石鹸類を含有することが
望ましい。硬化触媒としては、例えば、無水フタル酸、
p−トルエンスルホン酸、蓚酸ジメチル、蓚酸ジベンジ
ル、フタル酸ジメチル、ベンゾイルパーオキサイド、p
−トルエンスルホン酸トリエタノールアミン、2−アミ
ノエチルスルホン酸、塩酸ジメチルアニリンスルホン
酸、蓚酸メラミン、塩化アンモン、燐酸アンモニウム、
燐酸トリメチル、アセトアミド及びオキザミド等を挙げ
ることができる。金属石鹸類としては、例えば、ステア
リン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニ
ウム及びステアリン酸カルシウム等を挙げることができ
る。特に好ましい硬化触媒としては、無水フタル酸を挙
げることができ、また、特に好ましい金属石鹸としては
ステアリン酸亜鉛を挙げることができる。硬化触媒類及
び金属石鹸類の配合量は、一般に、メラミン系樹脂10
0重量部に対してそれぞれ2重量部以下及び3重量部以
下、好ましくはそれぞれ0.01〜1重量部及び0.1
〜2重量部であるのがよい。
【0032】更にまた、本発明のメラミン系樹脂成形用
組成物は、該成形用組成物の性能を阻害しない程度にお
いて、所望する目的に応じて、他の適切な添加剤を含有
することができる。これらの添加剤としては、例えば、
ロックウール、ガラス繊維及び合成繊維等のパルプ以外
の有機又は無機繊維質充填剤;酸化チタン、酸化亜鉛、
硫化亜鉛、ベンガラ、紺青、鉄黒、群青、カーボンブラ
ック、リトポン、チタンイエロー、コバルトブルー、ハ
ンザイエロー、ベンジジンイエロー、レーキレッド、ア
ニリンブラック、ジオキサジンバイオレット、キナクリ
ドンレッド、キナクリドンバイオレット、ナフトールイ
エロー、フタロシアニンブルー及びフタロシアニングリ
ーン等の無機又は有機顔料類;ジオクチルフタレート、
ジブチルフタレート等の可塑剤が挙げられる。
【0033】本発明に用いるメラミン系樹脂は、例え
ば、所謂メラミンクリスタル粉末に対して、例えば、濃
度37%のホルマリン水溶液及び/又はパラホルムアル
デヒドのような形で、ホルムアルデヒド/メラミンのモ
ル比が一般に1.3〜2.5、好ましくは1.4〜2.
0、更に好ましくは1.4〜1.8、特に好ましくは
1.5〜1.7となるように、水性媒体中、pH約7〜
9程度で反応させることにより、例えば、樹脂濃度約4
0〜60重量%程度のメラミン樹脂水溶液として得るこ
とができる。
【0034】本発明のメラミン系樹脂成形用組成物は、
樹脂固形分濃度約40〜60重量%程度の上記メラミン
樹脂水溶液にパルプを、該メラミン系樹脂100重量部
に対して30〜50重量部となるように加えて混練した
後、例えば約70〜100℃程度の温度で乾燥して、例
えば、径が約0.5〜3cmのポップコーン状予備乾燥
物とし、これに、上記の抗菌剤をメラミン系樹脂100
重量部に対して0.1〜3重量部になるように配合し、
必要に応じて、前記の他の添加剤とともに粉砕処理し
て、抗菌性メラミン系樹脂成形用組成物とする。
【0035】前記ポップコーン状予備乾燥物の粉砕処理
は、例えば、衝撃式ハンマーミル、ボールミル、振動ミ
ル、タワーミルなどの手段により行うことができる。所
望であれば、例えば衝撃式ハンマーミルで予備粉砕処理
したのち、更にボールミル、振動ミル、タワーミルなど
の手段で微粉砕処理して行うこともできる。また、市販
のパルプ及びメラミン樹脂含有成形用粉末も利用でき、
所望により市販成形用粉末を更に粉砕処理して利用する
こともできる。
【0036】前記ポップコーン形成の際の混練手段とし
ては、ニーダー、コニーダーなどが利用でき、又乾燥手
段としては、熱風乾燥、バンドドライヤー乾燥、流動乾
燥などを例示することができる。
【0037】また粉末状メラミン樹脂混合物の製造法の
別法としては、前記方法で製造したメラミン樹脂水溶液
を減圧乾燥、噴霧乾燥等の適宜公知の方法で乾燥し、必
要に応じて粉末状メラミン樹脂とし、これに、粉末パル
プ、抗菌剤及び必要に応じて使用する前記各種配合物
を、例えば、V型混合機、スーパーミキサー、ナウター
ミキサー、タンブラー、オムニミキサー、ヘンシェルミ
キサー、レディゲミキサー、リボンブレンダー、プラネ
タリーミキサー等の慣用の混合機を用いて均質に混合す
る所謂ドライ法を挙げることができる。
【0038】さらに、前記ウェット法と上記ドライ法と
を折衷した方法(ウェット/ドライ折衷法)も採用する
ことができ、これらの方法としては、例えば、ウェット
法によるポップコーン状予備乾燥品、粉末または固形メ
ラミン樹脂、粉末パルプ、抗菌剤及び必要に応じて使用
する前記各種添加剤を前記の粉砕手段により粉砕混合す
る方法、これらの成分をそれぞれ破砕などの手段により
粉末とした後、上記の混合機を用いて混合する方法など
も例示できる。
【0039】これらの方法のうち、メラミン系樹脂成形
用組成物から得られる成形品の外観(カスレ、色ムラな
ど)及び物性(耐クラック性、耐インサート性など)の
バランスのよさの観点から、上記ウェット/ドライ折衷
法が好ましく、中でも、全成形用材料中に占めるポップ
コーン状予備乾燥物の割合が20〜60重量%、特に2
0〜50重量%であるのが好ましい。
【0040】以上の何れかの方法によって製造された本
発明のメラミン系樹脂成形用組成物は、必要に応じて押
出機、加熱ロール機などで加熱混練し、得られる予備成
形物を再粉砕することにより粒状化することができる。
【0041】この際、上記の加熱混練において、押出機
としては特に制限なく適宜選択したものを用いることが
でき、例えば、一軸押出機や二軸押出機などを例示する
ことができる。圧縮比、温度は適宜に選択でき、例え
ば、1〜3の圧縮比、約50〜130℃の如き温度条件
を例示することができる。押出機の押出端は開放型、ス
クリーン状ダイス型などの任意の形式であってもよく、
また、二軸押出機は同方向2軸型でも異方向2軸型のい
ずれであってもよい。また、加熱ロール機のタイプも適
宜に選択できる。
【0042】加熱混練で得られた予備成形物の再粉砕手
段としては、特に限定されるものではなく、任意公知の
粉砕手段を利用して行うことができる。また、所望によ
り、篩分け手段を併用することもできる。このような再
粉砕に利用する粉砕機の例としては、衝撃式粉砕機、ハ
ンマーミル、アトマイザー、ピンミル、ロールミル、パ
ルペライザーなどを例示できる。
【0043】かくして得られた本発明のメラミン系樹脂
成形用組成物は、特に成形時の成形用材料の計量適性の
優秀さなどの観点から粒度が、好ましくは、JIS篩で
10メッシュ篩通過で且つ100メッシュ篩不通過のも
のが、75重量%以上、更に好ましくは80重量%以上
のものがよい。また、加熱混練の条件が80〜120℃
で10〜30秒のものが得られる成形用材料として卓越
した性能を発揮するのでよい。
【0044】本発明の抗菌性メラミン系樹脂成形用組成
物は、円板流れ(JIS K 6911)が80〜11
0mmであり、好ましくは85〜105mmである。円
板流れの値がこれ未満では成形性が悪く、これを超える
とバリが多くなり生産性が良くない。また、本発明の抗
菌性メラミン系樹脂成形用組成物は、硬化速度が、2分
〜3.5分であり、好ましくは2.2〜3.2分であ
り、特に好ましくは2.3〜3分である。硬化速度がこ
れ未満では成形困難となり、これを超えると生産性が悪
くなる。円板流れは、成形用組成物の成形性に大きく影
響する値であり、硬化速度は、成形用組成物の生産性及
び成形性に大きく影響する値である。一般に、成形用組
成物に本発明で用いられている抗菌剤のような無機系の
粉体を添加すると、成形用組成物の成形性や生産性が極
めて悪化する。そのため、従来の成形用組成物において
は、顔料等の粉体の添加量はなるべく低く抑えられてい
た。かかる状況のもと、本発明者らは、成形用組成物に
おける各成分の配合割合やホルムアルデヒド/メラミン
のモル比の特定の範囲を選択し、その特定の範囲の組み
合わせを、円板流れ値や硬化速度に関して選択された特
定の範囲と組み合せることによって、本発明で用いられ
ている抗菌剤のような無機系の粉体を成形用組成物に添
加した場合であっても、成形用組成物の成形性及び生産
性を維持しつつ、成形物に抗菌性を付与し得ることを見
い出したものであり、その結果、かかる特定の範囲の選
択及びその組み合わせを具備する本願発明は、従来のメ
ラミン樹脂成形用組成物に比して、各種特性が極めて向
上したものとなっている。
【0045】上述の通り、本発明の抗菌性メラミン系樹
脂成形用組成物は、極めて優れた抗菌性を有するので、
雑菌の繁殖を好まないような物品へ成形することが好ま
しい。そのような物品には、例えば、食器、食事用具、
容器、トレー、収納具、屑入れ及び汚物入れ等がある。
食器としては、例えば、飯茶碗、汁わん及び蒸しわん等
のわん、和皿、小判皿、菓子皿、ランチ皿、シチュー
皿、オードブル皿、中華皿、洋皿及びすし台等の皿、飯
どんぶり、中華どんぶり、うどん・そばどんぶり及び子
供どんぶり等のどんぶり、小鉢、だし入れ、天つゆ入
れ、刺身鉢、果物鉢及びすし桶等の鉢、水呑みコップ、
ミルクカップ、コーヒーカップ、スープカップ、ジョッ
キー及びタンブラー等のコップ・カップ、そばせいろ等
のそば容器、業務用、給食用、子供用等の食器セット、
皿カバー、湯呑蓋等が挙げられる。食事用具としては、
中華菜箸、子供用箸等の箸、レンゲ、ベビースプーン及
びアイススプーン等のスプーン、盆、レンゲ台、かぶせ
蓋式、バスケット弁当箱、幕の内弁当箱、業務用弁当
箱、重箱等の弁当箱等が挙げられる。容器としては、砂
糖つぼ、ふりかけ入れ及び珍味入れ等のポット、カラシ
入れ、ドレッシング入れ、胡椒入れ、塩入れ、醤油差し
及びソース差し等の調味料入れ等がある。トレーとして
は、整理トレー、ミニトレー、スライドトレー、引出ト
レー、カスタートレー及びバット等が挙げられる。収納
具としては、タオルケース、タオルハンガー、タオルリ
ング及びティッシュボックス等が挙げられる。そして、
屑入れとしては、屑籠及びごみ箱等が挙げられ、汚物入
れとしては、トイレコーナー及び生理用品入れ等が挙げ
られる。
【0046】次に、本発明のメラミン系樹脂被覆用組成
物について説明する。本発明のメラミン系樹脂被覆用組
成物は、(a)メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂10
0重量部に対して、(b)Al2 3 ・xMgO・yS
iO2 ・pAg・qZn(式中、xは1〜2であり、y
は1〜3であり、pは0.01〜0.1であり、そして
qは0.01〜0.3である)で表される抗菌剤0.1
〜3重量部を含んでなり、円板流れが130〜150m
mであり、且つ、硬化後の透過率が50%以上であるこ
とを特徴とする。
【0047】本発明のメラミン系樹脂被覆用組成物にお
いて用いられるメラミン/ホルムアルデヒド系樹脂と
は、上述のメラミン系樹脂成形用組成物における定義と
同様に解釈されるべきものであり、従って、上述のメラ
ミン系樹脂成形用組成物において用いられるものと同様
のものを使用することができる。
【0048】また、かかるメラミン/ホルムアルデヒド
系樹脂におけるホルムアルデヒド/メラミンのモル比
は、上記のメラミン系樹脂成形用組成物におけるそれと
は異なり、一般に1.3〜2.5であり、好ましくは
1.4〜2.0であり、特に好ましくは1.4〜1.8
である。
【0049】本発明のメラミン系樹脂被覆用組成物にお
いて用いられる上記の抗菌剤は、上述した方法によって
製造することができ、且つ、使用することができる。抗
菌剤は、メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂100重量
部に対して、0.1〜3重量部添加し、好ましくは0.
5〜2重量部である。また、抗菌剤の平均粒子径も、上
述の成形用組成物の場合と同様である。
【0050】本発明のメラミン系樹脂被覆用組成物にお
いては、メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂及び上記の
抗菌剤に加えて、任意成分として、上述のメラミン系樹
脂成形用組成物において用いられる種々の添加剤を適切
な配合割合で使用することができる。
【0051】本発明のメラミン系樹脂被覆用組成物にお
いては、円板流れが、130〜150mmであり、好ま
しくは135〜148mmである。円板流れの値がこれ
未満では被覆不十分となり、これを超えると被覆が薄く
なって,はがれやすくなる。上述のメラミン系樹脂成形
用組成物の場合と同様に、メラミン系樹脂被覆用組成物
においても、本発明で用いられている抗菌剤のような無
機系の粉体を添加すると、成形性が極めて悪化するが、
本発明においては、組成物の配合割合やホルムアルデヒ
ド/メラミンのモル比等を制御することによって、成形
性が維持されている。
【0052】また、本発明のメラミン系樹脂被覆用組成
物は、硬化後の透過率が50%以上、好ましくは60%
以上である。後述するように、本発明のメラミン系樹脂
被覆用組成物は、成形品の表面に被膜を形成するために
用いられるので、透明である必要があるが、本発明で用
いられている抗菌剤のような無機系の粉体を添加する
と、透明性が非常に劣化するが、組成物の配合割合等を
制御することによって、抗菌性を発揮させつつ、透明性
も維持している。
【0053】本発明のメラミン系樹脂被覆用組成物を製
造するためには、まず、所謂メラミンクリスタル粉末に
対して、例えば、濃度37%のホルマリン水溶液及び/
又はパラホルムアルデヒドのような形で、ホルムアルデ
ヒド/メラミンのモル比が一般に1.3〜2.5、好ま
しくは1.4〜2.0、特に好ましくは1.4〜1.8
となるように、水性媒体中、pH約7〜9程度で反応さ
せることにより、例えば、樹脂濃度約40〜60重量%
程度のメラミン樹脂水溶液を調製し、次いで、メラミン
樹脂水溶液を減圧乾燥、噴霧乾燥等の適宜公知の方法で
乾燥し、必要に応じて粉末状メラミン樹脂とし、これ
に、粉末パルプ、抗菌剤並びに無水フタル酸等の触媒及
び金属石鹸等の離型剤を加えて、粉末状の被覆用組成物
となす。
【0054】本発明のメラミン系樹脂被覆用組成物の被
膜を形成するためには、例えば、まず第一の工程で熱硬
化性樹脂成形材料(本発明のメラミン系樹脂成形用組成
物を含む)を金型中で適当な条件で加圧加熱して未完全
硬化の成形品を形成させ、次いで、第二の工程で未完全
硬化の成形品の上に(必要に応じて下にも)該成形品の
表面に被膜を形成するための本発明のメラミン系樹脂被
覆用組成物の適量をのせ、第一の工程と同様に再び加熱
加圧して、成形工程中に被膜を形成させ、素地と被膜と
を完全一体に硬化密着させる。また、絵柄等の模様を付
す場合には、第一の工程と第二の工程との間において、
絵柄等の模様を付した樹脂含浸紙を未完全硬化の成形品
の表面に密着させる工程を行う。被膜の厚みには特に制
限はないが、好ましくは5〜200μmであり、特に好
ましくは5〜120μmである。被膜の厚みがこれ未満
では被膜がはがれ易くなってしまい、厚みがこれを超え
ると耐クラック性に劣ることになる。
【0055】
【実施例】以下、実施例、比較例及び参考例を挙げて本
発明更に詳しく説明する。なお、本発明はかかる実施例
に制限されないことはいうまでもない。
【0056】下記実施例及び比較例において用いた各種
試験方法は、次の通りである。 (1)円板流れの測定:JIS K 6911の5.
3.2項に示される円板式試験用金型を用いる。試料を
金型温度150±3℃に保った金型のほぼ中央に内径約
50mm、高さ約10mmの金属製円筒を用いて試料が
円錐状になるように入れ、15秒以内に荷重2000k
gf及び加圧時間5分で圧縮成形する。成形した円板の
光沢部分の長径及び短径を寸法測定器で1mmまで測
り、その平均値を算出し、試料の伸び(mm)とする。 試料量 成形用組成物: 5g 被覆用組成物 :0.5g
【0057】(2)硬化速度 JSR型キュラストメーターを使用し、145℃に温度
調節された下金型キャビティー内へ試料をチャージし、
上金型を閉じて測定を開始する。試料の硬化の進行に伴
って上昇するトルク値と時間との関係をプロットし、最
大トルク値の90%のトルク値に達するまでの時間を硬
化速度の指標T90値とする。
【0058】(3)色ムラ防止性 ウォッチングレッドMnを着色剤として添加した濃赤色
のメラミン系樹脂成形用組成物180gを高周波予熱器
により115℃に予熱し、長径30cm、短径20cm
の楕円形であって中央部に仕切のあるランチ皿を次の方
法に従って圧縮成形する。成形用組成物を、200T油
圧プレス、上下金型温度165℃の金型に供給し、上下
の金型間隔が5mmまたは10mmになったところで、
各々、0、2、4、6、8、10秒間静止し、その後た
だちに加圧しゲージ圧力40kg/cm2で2秒間圧力
を保持したのち脱ガスを行う。次いで再度加圧し、ゲー
ジ圧力100kg/cm2 で120秒間硬化させた後、
成形品を取り出して放冷する。この様に成形された同一
試料の成形品12枚の表面の色ムラの状態を目視にて評
価し、色ムラの無い成形品の数をもって評価の点数とす
る。
【0059】〔評価基準〕 ○・・・・・色ムラのない成形品枚数7以上。 △・・・・・色ムラのない成形品枚数4〜6。 ×・・・・・色ムラのない成形品枚数3以下。
【0060】(4)成形時変色性 前記色ムラ防止性試験の成形条件で、ウォチングレッド
Mnの代わりに酸化チタンを着色剤とした成形用組成物
と、抗菌剤を加えない成形用組成物とを用いてランチ皿
を成形し、各成形皿との色を比較する。 〔評価基準〕 ○・・・・・色の違いがわからない。 △・・・・・わずかに色が異なる。 ×・・・・・明らかに色が異なる。
【0061】(5)耐光性(JIS2029による) 抗菌剤入りの樹脂の成形試験片をフェードメーター中で
8時間カーボンアーク光を照射し、照射前後の色差(△
E)を測定する。
【0062】(6)耐クラック性 抗菌性メラミン系樹脂成形用組成物を用いて、口径6イ
ンチ、重量120gの丼を下記の条件により圧縮成形す
る。 使用プレス 200T油圧プレス 高周波予熱 115℃ 金型温度 上型 165℃ 下型 165℃ 圧力 180kg/cm2 ガス抜き時間 0.5秒 成形時間 120秒 この様にして成形した丼を、100℃で15時間煮沸し
た後、次の操作〜を行い、この〜の操作を1サ
イクルとして、1日4サイクル行う。100℃で60
分煮沸し、熱風乾燥機にて110℃で60分加熱し、
そしてクラックの有無を確認する。翌日も同様に、1
00℃で15時間煮沸した後、上記のサイクルを繰り返
す。このような操作を繰り返し、クラックが入る迄の日
数とサイクル数とを求める。耐クラックの表示は(日
数)−(サイクル)と示す。例えば、2−3とあれば2
日目の3サイクル目にクラックが発生したことを示す。
通常の食器として使用するには、2−1以上が好まし
く、3−1以上が特に好ましい。
【0063】(7)透明性 前記(1)項の円板流れ測定法に準じ、予め0.05m
mのスペーサーをセットした金型に試料(被覆用組成
物)1gをチャージする他は前記(1)項と同様な方法
で圧縮成形を行って、厚さ0.05mmの試験片を得
る。この試験片の透過率を色差計で測定する。
【0064】(8)製品被覆性 まず、メラミン系樹脂成形用組成物を用いて、開口部
(上面)250mmφ、高さ180mm、肉厚3mmの
ボールを下記の条件により圧縮成形する。 使用プレス 200T油圧プレス 高周波予熱 115℃ 金型温度 上型 165℃ 下型 165℃ 圧力 160kg/cm2 ガス抜き時間 2秒 成形時間 50秒 成形時間経過後金型を開き、直ちに被覆用組成物試料8
gを成形品中央部にチャージし、金型を閉じて下記の条
件により該成形品を被覆し、被覆状態を目視にて次の基
準に従って判定する。 圧力 160kg/cm2 成形時間 26秒 〔評価基準〕 ◎・・・・完全に被覆されている。 ○・・・・ほぼ被覆されている。 △・・・・被覆されていない部分が少しある。 ×・・・・被覆されていない部分がかなりある。
【0065】(9)被覆成形品表面状態 前記(8)項で成形被覆された被覆面を目視にて、次の
基準に従って判定する。 〔評価基準〕 ◎・・・・カスレ、フクレ、被覆用組成物のチャージ跡
等が無く、きれいな表面状態を有している。 ○・・・・カスレ、フクレ又は被覆用組成物のチャージ
跡が若干散見される。 △・・・・カスレ、フクレ又は被覆用組成物のチャージ
跡が散見される。 ×・・・・カスレ、フクレ又は被覆用組成物のチャージ
跡がかなりある。
【0066】(10)抗菌性 抗菌剤入り成形材料試験片に菌(Escherichia coli)懸
濁液50μlを6ヶのせ28℃で24、48時間放置
し、生菌数を測定した。0時間における生菌数を基準と
して、死滅した菌の割合を%で表示した。
【0067】〔参考例1〕メラミン(油化メラミン
(株)製;油化メラミン)1260g(10モル)、3
7%濃度のホルムアルデヒド水溶液1379g(17モ
ル)及び水900gを還流冷却器付き反応器に入れ、F
/M=1.7の条件で攪拌しつつ90℃で加熱反応し
た。メラミン樹脂液の白濁点が60℃になったとき0.
8gの水酸化ナトリウムを入れ冷却しメラミン樹脂水溶
液を得た。なお、反応終末の目安に用いた白濁点とは、
5mlの樹脂液を採取し、これに約80℃の熱水45m
lを加え攪拌し冷却させる際に白濁が生ずる時の温度を
いう。
【0068】〔参考例2〕参考例1で得られたメラミン
樹脂水溶液(固形分約50重量%)2800gに、パル
プ490g(メラミン系樹脂100重量部に対して約3
5重量部)を加え、ニーダーで混練したのち、この混練
物を90℃で90分間熱風乾燥機で乾燥し、ポップコー
ン状予備乾燥物を得た。
【0069】〔参考例3〕参考例1で得られたメラミン
樹脂水溶液(固形分約50重量%)をスプレードライヤ
装置により、約200℃で乾燥させ、粉末状メラミン樹
脂を得た。
【0070】〔実施例1〕参考例2で得られたポップコ
ーン状予備乾燥物500gに、Al2 3 ・MgO・2
SiO2 ・0.05Ag・0.1Znで表される無機抗
菌剤3.5g(メラミン樹脂100重量部に対して0.
7重量部)、無水フタル酸0.5g及びステアリン酸亜
鉛2.5gを加え、更に着色剤として酸化チタン5gを
加えてボールミルで8時間粉砕し粉末状メラミン系樹脂
成形用組成物を得た。また色ムラ試験用には酸化チタン
5gの代わりに着色剤としてウォッチングレッドMn4
gを加えたものを別途製造した。得られた成形メラミン
系樹脂成形用組成物の成分及び試験結果を表1に示す。
【0071】〔実施例2、3及び比較例1、2〕実施例
1において、無機抗菌剤の添加量のみ変えて成形用メラ
ミン樹脂組成物を作成し同様に物性試験を行った。得ら
れた成形用メラミン樹脂組成物の成分及び試験結果を表
1に示す。
【0072】〔比較例3〕実施例1における抗菌剤を用
いる代わりに、ヒドロキシアパタイト系担体にAg2%
及びZn5%を担持させた抗菌剤を用いて成形用メラミ
ン樹脂組成物を調製し同様に物性試験を行った。得られ
た成形用メラミン樹脂組成物の成分及び試験結果を表1
に示す。
【0073】〔比較例4〕実施例1における抗菌剤を用
いる代わりに、ゼオライト系担体にAg2%及びZn5
%を担持させた抗菌剤を用いて成形用メラミン樹脂組成
物を作成し同様に物性試験を行った。得られた成形用メ
ラミン樹脂組成物の成分及び試験結果を表1に示す。
【0074】〔比較例5〕参考例1においてホルムアル
デヒド水溶液を1784g(22モル)使用する以外は
参考例1と同様にしてF/M=2.2の条件で反応を行
い参考例2と同様にして予備乾燥物を得、実施例1と同
様にしてメラミン系樹脂成形用組成物を調製し、同様に
物性試験を行った。得られたメラミン系樹脂成形用組成
物の成分及び試験結果を表1に示す。
【0075】〔実施例4、5及び比較例6、7〕参考例
1においてパルプの添加量を変えて予備乾燥物を調製
し、以下実施例1と同様にしてメラミン系樹脂成形用組
成物を調製し、同様に物性試験を行った。得られたメラ
ミン系樹脂成形用組成物の成分及び試験結果を表1に示
す。
【0076】
【表1】
【0077】上記結果から明らかなように、本発明のメ
ラミン系樹脂成形用組成物から製造された成形品は、色
むらがなく、成形性に優れたものである。また、抗菌性
が長時間持続するにもかかわらず、成形時の変色がなく
且つ耐候性にも優れていることから明らかなように、イ
オンの溶出がないものである。
【0078】〔実施例6〕参考例3で得られた粉末状メ
ラミン樹脂500gにAl2 3 ・MgO・2SiO2
・0.05Ag・0.1Znで表される抗菌剤2.5g
(メラミン樹脂100重量部に対して0.5重量部)、
無水フタル酸0.5g及びステアリン酸亜鉛2.5gを
加え、ボールミルで8時間粉砕してメラミン系樹脂被覆
用組成物を得た。得られたメラミン系樹脂被覆用組成物
の成分及び試験結果を表2に示す。
【0079】〔実施例7、8及び比較例8、9〕実施例
6において、抗菌剤の添加量のみ変えてメラミン系樹脂
被覆用組成物を調製し同様に物性試験を行った。得られ
たメラミン系樹脂被覆用組成物の成分及び試験結果を表
2に示す。
【0080】〔比較例10〕実施例6の抗菌剤を用いる
代わりに、ヒドロキシアパタイト系担体にAg2%及び
Zn5%を担持させた抗菌剤を用いてメラミン系樹脂被
覆用組成物を調製し同様に物性試験を行った。得られた
メラミン系樹脂被覆用組成物の成分及び試験結果を表2
に示す。
【0081】〔比較例11〕実施例6の抗菌剤を用いる
代わりに、ゼオライト系担体にAg2%及びZn5%を
担持させた抗菌剤を用いてメラミン系樹脂被覆用組成物
を調製し同様に物性試験を行った。得られたメラミン系
樹脂被覆用組成物の成分及び試験結果を表2に示す。
【0082】〔実施例9〕参考例3で得られた粉末状メ
ラミン樹脂600gに、ベンゾグアニジン樹脂「脱水B
G」(日本触媒(株))製400g,無水フタル酸4g
及びステアリン酸亜鉛5gを加え、ボールミルで8時間
粉砕して粉末状メラミン系樹脂被覆用組成物を得た。得
られたメラミン系樹脂被覆用組成物の成分及び試験結果
を表2に示す。
【0083】〔比較例12〕参考例3で得られた粉末状
メラミン樹脂500gに、ベンゾグアニジン樹脂「脱水
BG」(日本触媒(株))製500g,無水フタル酸4
g及びステアリン酸亜鉛5gを加え、ボールミルで8時
間粉砕して粉末状メラミン系樹脂被覆用組成物を得た。
得られたメラミン系樹脂被覆用組成物の成分及び試験結
果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】
【発明の効果】本発明のメラミン系樹脂成形用組成物
は、成形性を維持しつつ、抗菌性を付与することができ
る。しかも、成形の際に成形品の外観や色ムラ及び機械
的特性も損なわれていない。また、本発明のメラミン系
樹脂被覆用組成物は、成形品の表面に抗菌性の被膜を形
成するので、食器等にカビ等の雑菌が繁殖するのを抑え
つつ、食材の色うつりが防止される。しかも、透明性に
優れているので、成形品に様々な模様等を振ることが容
易である。更に、本発明のメラミン系樹脂成形用組成物
及びメラミン系樹脂被覆用組成物は、食器等のみなら
ず、各種の用途、例えば食事用具、サニタリー用品等雑
菌の繁殖を好まない成形物に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢田 信行 富山県魚津市本江1359−9

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)メラミン/ホルムアルデヒド系樹
    脂100重量部に対して、 (b)Al2 3 ・xMgO・ySiO2 ・pAg・q
    Zn (式中、xは1〜2であり、yは1〜3であり、pは
    0.01〜0.1であり、そしてqは0.01〜0.3
    である)で表される抗菌剤0.1〜3重量部、及び (c)パルプ25〜50重量部を含んでなり、 円板流れが80〜110mmであり、且つ、硬化速度が
    2分〜3.5分であることを特徴とする抗菌性メラミン
    系樹脂成形用組成物。
  2. 【請求項2】 上記メラミン/ホルムアルデヒド樹脂の
    ホルムアルデヒド/メラミンのモル比が1.4〜2.0
    である請求項1記載の抗菌性メラミン系樹脂成形用組成
    物。
  3. 【請求項3】 (a)メラミン/ホルムアルデヒド系樹
    脂100重量部に対して、 (b)Al2 3 ・xMgO・ySiO2 ・pAg・q
    Zn (式中、xは1〜2であり、yは1〜3であり、pは
    0.01〜0.1であり、そしてqは0.01〜0.3
    である)で表される抗菌剤0.1〜3重量部を含んでな
    り、 円板流れが130〜150mmであり、且つ、硬化後の
    透過率が50%以上であることを特徴とする抗菌性メラ
    ミン系樹脂被覆用組成物。
  4. 【請求項4】 上記メラミン/ホルムアルデヒド樹脂の
    ホルムアルデヒド/メラミンのモル比が1.4〜2.0
    である請求項3記載の抗菌性メラミン系樹脂被覆用組成
    物。
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