JP3387053B2 - 食器類用ポリエステル成形材料の調製方法 - Google Patents
食器類用ポリエステル成形材料の調製方法Info
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Description
器具を成形するために用いられる食器類用ポリエステル
成形材料の調製方法に関するものである。
で成形された成形品が、食器や食事関連器具のような、
安価な食器類として従来から提供されている。
高温が作用すると変色や変形が発生し易いために、熱湯
で煮沸したり、電子レンジで加熱したりすることができ
ず、また食器自動洗浄器や食器乾燥機にかけると変形が
発生するおそれがある。このためにPET製の成形品は
食器類として使用するには問題がある。そこで石英など
の無機フィラーをPETに配合することによって耐熱性
を高め、耐煮沸性を高めると共に電子レンジでの加熱に
耐えることができるようにしている。
ETに無機フィラーを配合すると、成形品の外観光沢性
が低下し、食器類としての商品価値が下がるという問題
があった。
あり、高い耐熱性を維持しつつ、成形品の外観光沢を高
めることができる食器類用ポリエステル成形材料の調製
方法を提供することを目的とするものである。
食器類用ポリエステル成形材料の調製方法は、ポリエチ
レンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートの2
種の樹脂と、全量に対して5〜30質量%の無機フィラ
ーを混合・混練すると共に、ポリエチレンテレフタレー
トとして、使用済みの回収されたPETボトルを洗浄し
て得たボトルの形態そのままのPETボトルのリサイク
ル品又は使用済みの回収されたPETボトルを洗浄した
後に粉砕して得たPETボトルのリサイクル品を用いる
ことを特徴とするものである。
て、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフ
タレートの配合比率は、質量比で70:30〜30:7
0であることを特徴とするものである。
おいて、無機フィラーは大きさが3000μm以下であ
ることを特徴とするものである。
いずれかにおいて、無機フィラーは硬度が5以下である
ことを特徴とするものである。
いずれかにおいて、モンタン酸ナトリウム、ステアリン
酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、ステアリン酸カ
ルシウムから選ばれる結晶化促進剤を配合することを特
徴とするものである。
いずれかにおいて、ポリエチレン系ワックス、低分子量
ポリプロピレンから選ばれる離型剤を配合することを特
徴とするものである。
て、離型剤の配合量は、成形材料全量に対して0.1〜
1.0質量%の範囲であることを特徴とするものであ
る。
する。
チレンテレフタレート(PET)とポリブチレンテレフ
タレート(PBT)の2種類を用いるものである。PE
TとPBTの配合比率は、質量比で70:30〜30:
70の範囲が好ましい。PETにPBTを併用すること
によって、成形品の外観光沢性を向上させることができ
るものであり、両樹脂の合計量に対してPBTの配合量
が30質量%〜70質量%の範囲を外れると外観光沢性
の向上の効果を十分に得ることが難しくなる。このPE
TとPBTの成形材料への配合量は、両者の合計量が成
形材料全量の68〜95質量%の範囲になるように設定
するのが好ましい。
成形して飲料水の容器などとして作製されたいわゆるP
ETボトルをリサイクルして用いる。使用済みの回収さ
れたPETボトルを用いる場合、洗浄した後に、ボトル
の形態そのままで使用したり、粉砕して使用したりする
ことができるものである。粉砕して使用する場合、10
mm程度のフレーク状にしたり、あるいはこのフレーク
を3mm径程度のペレット状にしたりして使用すること
ができる。
ラーを配合することによって、本発明の成形材料を得る
ことができるものであり、無機フィラーの配合量は、成
形材料全量の5〜30質量%の範囲に設定される。無機
フィラーを配合することによって、成形品の熱変形温度
が140℃以上になって成形品の耐熱性を向上させるこ
とができ、成形して得られた食器類の耐煮沸性や耐電子
レンジ性を高めることができるものである。無機フィラ
ーの配合量が5質量%未満では耐熱性の向上の効果が不
充分になる。逆に無機フィラーの配合量が30質量%を
超えると、成形品の外観光沢性が悪くなる。
ワラストナイト、石英、シリカ、ガラス、クレー、炭酸
カルシウム、ベントナイト、マイカ、カオリン、酸化チ
タン、硫酸バリウム、マグネシアなどを用いることがで
きるが、硬度(モース硬さ)が5以下のもの、特に4以
下のものが好ましい。タルクは硬度1、ワラストナイト
は硬度3、ガラス繊維は硬度9、石英は硬度7であるの
で、タルクやワラストナイトを用いるのが好ましい。こ
のように無機フィラーとして硬度が5以下、特に4以下
のものを用いることによって、成形材料を成形金型に注
入して成形する際に、成形金型のキャビティの表面を無
機フィラーで磨耗させることを防ぐことができ、この金
型磨耗によって成形品の外観光沢が低下することを防ぐ
ことができるものである。無機フィラーの硬度の下限は
1である。
維状、板状、葉状、球状、立方体状、六面体やウィスカ
ー状など任意であってもよいが、長さ(平均長さ)や直
径(平均直径)で表される大きさ(平均大きさ)が30
00μm以下、特に100μm以下のものが好ましい。
大きさが100μm、特に3000μmを超える無機フ
ィラーでは、成形品の表面に無機フィラーが突出して外
観光沢性が低下するおそれがある。無機フィラーの大き
さの下限は特に設定されないが、実用的には0.5μm
程度が下限である。
Tの結晶化を促進する結晶化促進剤を配合することがで
きる。結晶化促進剤としては、モンタン酸ナトリウム、
ステアリン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、ステ
アリン酸カルシウムなどを用いることができ、これらを
一種単独で使用する他、複数種を組み合わせて使用して
もよい。このように結晶化促進剤を配合して樹脂の結晶
化を促進することによって、成形の際の金型温度が10
0℃付近の低温であっても、光沢のある成形品を得るこ
とができるものである。結晶化促進剤の配合量は、成形
材料全量の0.2〜1.0質量%の範囲が好ましい。配
合量が0.2質量%未満であると、結晶化促進の効果を
十分に得ることができず、また1.0質量%を超える
と、成形品の外観を損ねるおそれがある。
合することができる。離型剤としては、ポリエチレン系
ワックスや低分子量ポリプロピレンを用いることができ
るものであり、これらを単独で、あるいは併用して使用
することができる。ここで、ポリエチレン系ワックス
は、分子量が500〜10000の低分子量ポリエチレ
ンである。このように離型剤としてポリエチレン系ワッ
クスや低分子量ポリプロピレンを配合すると、成形の際
の金型からの成形品の離型性が向上し、逆テーパ面のキ
ャビティを有する金型でも成形品を離型することが可能
になるものである。離型剤の配合量は、成形材料全量に
対して0.1〜1.0質量%の範囲が好ましい。離型剤
の配合量が少ないと、離型性の効果を十分に得ることが
できず、また配合量が多すぎると、成形品の塗装塗膜の
密着性が悪くなって、耐塗装剥離性が低下するおそれが
ある。
てポリエステル成形材料を調製することができるが、P
ETやPBTは予め乾燥処理を行なっておくのが好まし
い。そして得られたポリエステル成形材料を射出成形な
ど任意の方法で成形することによって、食器類として使
用される成形品を得ることができるものである。ここ
で、本発明において食器類とは、茶碗、皿、椀などの食
品を入れて食事に直接用いる食器や、トレー、お盆、箸
立て、スプーン入れ、ホーク入れ、箸入れ、箸受け、茶
托、コースター、食器受け、蒸篭、桶、ケーキ型、バタ
ーケース、ソーサーなどの食事に間接的に用いる食事関
連器具を意味するものである。
証する。
で混合し、さらにエクストルーダーに投入して混錬し
た。エクストルーダーの温度は投入口付近で250℃
に、出口のダイス付近で260℃に設定し、ダイスから
押し出したストランドはすぐに冷却槽で冷却して、カッ
ターで2〜4mmのペレットに切断し、食器類成形用の
ポリエステル成形材料を得た。
して使用した。そしてPETとしては、PETボトルの
回収品を洗浄して、平均粒径10mmに粉砕したリサイ
クル品もの(表1〜2に「PETボトル」と表示す
る)、及びバージン成形材料のクラレ社製「KL236
R」を(表1〜2に「PET」と表示する)用いた。ま
た無機フィラーのタルクは平均粒径10μmのものを用
いると共に、ガラス繊維は繊維長3000μmと400
0μmのものを用い、離型剤としてクラリアント社製低
分子量ポリエチレン(ポリエチレンワックス)「WAX
PED552」及び「WAX PP230」を用い
た。
成形前に除湿乾燥機で140℃×4時間の条件で乾燥処
理し、100トン射出成形機を用いて成形した。射出成
形機は材料投入口付近の温度が200℃、射出ヘッド付
近の温度が260℃であり、成形金型の温度は100℃
であった。
て、耐煮沸性、耐電子レンジ性、外観光沢、反り量、耐
塗装剥離性、離型性、金型摩耗性を評価した。これらの
結果を表1〜2に示す。
に準拠して行ない、食器類として成形した成形品を他の
成形品と接触しない状態で熱湯の中に完全に浸漬し、1
時間煮沸した。そして取り出した成形品を30分室温に
放置した後の成形品の外観を観察した。結果を表1〜2
に、変形発生を「×」、変形発生せずを「○」と評価し
て示した。
033に準拠して行ない、食器類として成形した成形品
の容量の80%程度までオリーブオイルを入れ、これを
1400kW/hrの高周波電子レンジに入れてオリー
ブオイルが140℃になるまで加熱した。結果を表1〜
2に、変形発生を「×」、変形発生せずを「○」と評価
して示した。
の表面を観察して評価し、成形品表面が粗く全く光を反
射しない状態のものを「×」、成形品表面は艶消し状態
で光を若干反射するものを「△」、成形品表面で非常に
光を反射するものを「○」と判定して、表1〜2に示し
た。
×2mmの成形品(端面にゲート形成)を成形し、上面
が水平な平坦面の大理石の上にこの成形品を載置して、
大理石の表面から最も大きく浮き上がる部分の浮き上が
り寸法を計測することによって行ない、反り量が2mm
以下を「○」、2mmを超える場合を「×」と判定し
て、表1〜2に示した。
29に準拠して行ない、食器類として成形した成形品の
表面にアクリルウレタン系塗料を塗装し、30±5°の
角度で交差する長さ約20mmの切り込み線を塗膜に素
地まで達するように入れ、これを成形品の6箇所に設け
た。そして幅20mm、長さ60mmの日東電工社製セ
ロハンテープを用い、切り込み線の上に約30mmの長
さでセロハンテープを貼り付け、これを45°の角度で
一気に引き剥がした。塗膜が剥がれたものを「×」、塗
膜が剥がれないものを「○」と評価して表1〜2に示し
た。
逆テーパのキャビティを有する金型から離型する際に評
価し、離型しないものを「×」、離型するものを「○」
と判定して表1〜2に示した。
後に、成形金型の内面のクロムメッキ面を観察し、クロ
ムメッキ面が削れて曇っているものを「×」、曇ってい
ないものを「○」と評価して表1〜2に示した。
のは、耐煮沸性、耐電子レンジ性、外観光沢のいずれも
が良好なものであった。
器類用ポリエステル成形材料の調製方法は、ポリエチレ
ンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートの2種
の樹脂と、全量に対して5〜30質量%の無機フィラー
を混合・混練するので、無機フィラーの配合によって耐
熱性を高めて耐煮沸性や耐電子レンジ性を高めることが
できると共に、ポリブチレンテレフタレートの配合によ
って外観光沢性を高めることができるものである。
て、使用済みの回収されたPETボトルを洗浄して得た
ボトルの形態そのままのPETボトルのリサイクル品又
は使用済みの回収されたPETボトルを洗浄した後に粉
砕して得たPETボトルのリサイクル品を用いるように
したので、使用済みのPETボトルを有効にリサイクル
して活用することができ、省資源及び環境問題に貢献す
ることができるものである。
フタレートとポリブチレンテレフタレートの配合比率
は、質量比で70:30〜30:70であることを特徴
とするので、ポリブチレンテレフタレートの配合による
外観光沢性向上の効果を有効に得ることができるもので
ある。
きさが3000μm以下であることを特徴とするので、
無機フィラーによって成形品の外観光沢性を低下させる
ことを防ぐことができるものである。
度が5以下であることを特徴とするので、成形金型が無
機フィラーで磨耗することを防ぐことができ、金型磨耗
によって成形品の外観光沢が低下することを防止できる
ものである。
ウム、ステアリン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウ
ム、ステアリン酸カルシウムから選ばれる結晶化促進剤
を配合するようにしたので、樹脂の結晶化を促進して、
光沢のある成形品を得ることができるものである。
ックス、低分子量ポリプロピレンから選ばれる離型剤を
配合するようにしたので、金型からの成形品の離型性が
向上し、逆テーパ面のキャビティを有する金型でも成形
品を離型することが可能になるものである。
は、成形材料全量に対して0.1〜1.0質量%の範囲
であるので、離型性の効果を十分に得ることができると
共に、成形品の塗装塗膜の密着性が悪くならず、耐塗装
剥離性が低下するおそれがなくなるものである。
Claims (7)
- 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートとポリブチ
レンテレフタレートの2種の樹脂と、全量に対して5〜
30質量%の無機フィラーを混合・混練すると共に、ポ
リエチレンテレフタレートとして、使用済みの回収され
たPETボトルを洗浄して得たボトルの形態そのままの
PETボトルのリサイクル品又は使用済みの回収された
PETボトルを洗浄した後に粉砕して得たPETボトル
のリサイクル品を用いることを特徴とする食器類用ポリ
エステル成形材料の調製方法。 - 【請求項2】 ポリエチレンテレフタレートとポリブチ
レンテレフタレートの配合比率は、質量比で70:30
〜30:70であることを特徴とする請求項1に記載の
食器類用ポリエステル成形材料の調製方法。 - 【請求項3】 無機フィラーは大きさが3000μm以
下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の食器
類用ポリエステル成形材料の調製方法。 - 【請求項4】 無機フィラーは硬度が5以下であること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の食器類
用ポリエステル成形材料の調製方法。 - 【請求項5】 モンタン酸ナトリウム、ステアリン酸ナ
トリウム、モンタン酸カルシウム、ステアリン酸カルシ
ウムから選ばれる結晶化促進剤を配合することを特徴と
する請求項1乃至4のいずれかに記載の食器類用ポリエ
ステル成形材料の調製方法。 - 【請求項6】 ポリエチレン系ワックス、低分子量ポリ
プロピレンから選ばれる離型剤を配合することを特徴と
する請求項1乃至5のいずれかに記載の食器類用ポリエ
ステル成形材料の調製方法。 - 【請求項7】 離型剤の配合量は、成形材料全量に対し
て0.1〜1.0質量%の範囲であることを特徴とする
請求項6に記載の食器類用ポリエステル成形材料の調製
方法。
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JP11-316535 | 1999-11-08 | ||
JP31653599 | 1999-11-08 | ||
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Publications (2)
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JP2001200148A JP2001200148A (ja) | 2001-07-24 |
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Family
ID=27337869
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
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-
2000
- 2000-10-16 JP JP2000315667A patent/JP3387053B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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