JP3406006B2 - メラミン系樹脂成形材料 - Google Patents

メラミン系樹脂成形材料

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、特に、コーヒーサーバ
ー、植木鉢、花瓶など複雑な凹凸を有する成形品や、水
洗トイレのロータンク用手洗い器、洗面台など他の成形
品に組み込んだり、壁面等に取り付けたりするための穴
や突起など不規則な凹凸を有する成形品等を成形するこ
とができる異形成形品成形用のメラミン系樹脂成形材料
に関し、詳しくは、特定の円板流れ及び特定のブリスタ
ーフリータイム(以下、BFTと略称することがある)を
有することを特徴とするメラミン系樹脂成形材料に関す
る。 【0002】 【従来の技術】従来、メラミン系樹脂成形材料は、主と
して皿、茶碗等の食器類や灰皿など比較的小型のもの、
または、単純な形状のものの成形用としては使用されて
きたが、大型で不規則な凹凸などがある異形の成形品の
成形は容易でなく、カスレや色ムラが生ずることが多か
った。これは、従来のメラミン系樹脂成形材料が、一般
に、その流動化温度と硬化温度との温度差が小さく、流
動化時間、すなわち、流動開始から硬化開始までの時間
が極めて短いため、成形材料が流動化して複雑な金型の
隅々まで行き渡りにくく、十分に加熱加圧されにくいた
めと考えられてる。 【0003】このようなメラミン系樹脂成形材料の成形
性を改善するために、いくつかの方法が知られいる。 【0004】一つの方法は、樹脂の流動化温度を低下さ
せて流動化時間を延長する目的で、メラミンにユリアや
フェノールを共縮合したり、メラミン系樹脂にユリア樹
脂やフェノール樹脂などをブレンドしたりしてメラミン
系樹脂を可塑化する方法であるが、所期の目的を達成す
るためには、メラミン1モルに対して尿素やフェノール
を、例えば約0.4モル程度共縮合するか、或いは、メラ
ミン樹脂100重量部に対してユリア樹脂またはフェノー
ル樹脂を、例えば約20重量部程度ブレンドするなどの必
要がある。 【0005】しかしながらこれらの方法では、得られる
成形品の耐熱性や耐候性が低下したり、食器類として用
いるときには“ホルマリン溶出”の問題が生じたり、濃
色系にしか着色しにくくなって着色の自在性が低下した
り、電気特性が悪くなったりする問題が避け難かった。 【0006】また、メラミン系樹脂にアクリル系樹脂や
塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂を配合してメラミ
ン系樹脂を外部可塑化する方法も提案されているが、色
ムラが発生し易く、特に彩色成形品や濃色成形品ではこ
の傾向が顕著であった。 【0007】 【発明が解決すべき課題】本発明者等は、前記のように
従来一般のメラミン系樹脂成形材料では不十分であった
成形時の流動性を満足するメラミン系樹脂成形材料であ
って、カスレや色ムラのない優れた外観を有するととも
に、耐クラック性や耐インサート性など各種の成形品に
要求される優れた物性を兼備したメラミン系樹脂成形品
を成形することができるメラミン系樹脂成形材料を開発
すべく研究を行ったところ、意外にも、例えば 100〜13
0mmなど特定の円板流れ、及び、例えば 70〜110秒など
特定の BFTを有するメラミン系樹脂成形材料が前記問題
点をことごとく解決することのできる卓越した成形材料
であることを見出し本発明を完成した。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、メラミン/ホ
ルムアルデヒド系樹脂100重量部に対して、パルプ22〜3
3重量部、及び触媒として無水フタル酸 0.064〜0.1重量
部を含有してなるメラミン系樹脂成形材料であって、該
成形材料の円板流れが109〜130mmであり、且つ、ブリス
ターフリータイムが70〜110秒であることを特徴とする
圧縮成形用メラミン系樹脂成形材料の提供を目的とする
ものである。 【0009】以下、本発明を詳細に説明する。 【0010】本発明で用いるメラミン/ホルムアルデヒ
ド系樹脂(以下、メラミン系樹脂と略称することがあ
る)としては、得られる成形品の耐候性、着色自在性及
び電気特性の優秀さ、並びに、特に成形品が食器の場合
の“ホルマリン溶出”問題などの観点から、メラミンと
ホルムアルデヒドとを反応させて得られるメラミン/ホ
ルムアルデヒド樹脂(以下メラミン樹脂と略称すること
がある)を用いるのが好ましい。 【0011】また前記のメラミン系樹脂としては、得ら
れる成形品の上記特性を失わない範囲で、メラミンの一
部を該メラミン及びホルムアルデヒドと共縮合可能なメ
ラミン共縮合用成分で置き換えることにより得られるメ
ラミン/ホルムアルデヒド系共縮合樹脂(以下メラミン
共縮合樹脂と略称することがある)を用いることもでき
る。 【0012】このようなメラミン共縮合用成分として
は、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素
類;ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルムグア
ナミン、フェニルアセトグアナミン、CTUグアナミン等
のグアナミン類;及びグアニジン、ジシアンジアミド、
パラトルエンスルホンアミド等のその他のアミノ化合
物;フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフ
ェノール、ブチルフェノール、ビスフェノールA等のフ
ェノール類;キシレン、サッカロース等のその他のメラ
ミン共縮合用化合物;等を挙げることができ、これらの
成分は併用して差支えない。 【0013】メラミン共縮合成分の置換比率は、前記成
形品特性のよさとともに成形品の表面硬度、耐熱性、耐
汚染性等のよさの観点から、メラミンに対してモル比で
約0.2以下で且つ重量比で約0.2以下、特には、モル比で
約0.1以下で且つ重量比で約0.1以下であることが好まし
い。 【0014】さらに前記のメラミン系樹脂としては、前
記成形品特性を維持しうる範囲において、前記メラミン
樹脂及び/又はメラミン共縮合樹脂に対して、これら以
外の熱硬化性もしくは熱可塑性樹脂よりなるブレンド用
樹脂成分をブレンドして得られるメラミン/ホルムアル
デヒド系ブレンド樹脂(以下、メラミン系ブレンド樹脂
と略称することがある)を使用することもできる。 【0015】上記ブレンド樹脂成分としては、例えば、
尿素系樹脂、グアナミン系樹脂、フェノール系樹脂(ノ
ボラック型、レゾール型)、キシレン樹脂、エポキシ樹
脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬
化性樹脂;塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アク
リル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等の熱
可塑性樹脂等を挙げることができる。 【0016】メラミン系ブレンド樹脂におけるメラミン
樹脂及び/又はメラミン共縮合樹脂に対するブレンド用
樹脂成分の重量比は、前記同様の観点から約0.2以下、
特には、約0.1以下であることが好ましい。 【0017】前記のメラミン樹脂又はメラミン共縮合樹
脂は、メラミン又はメラミンと必要に応じて用いられる
前記メラミン共縮合用成分との合計量1モルに対して、
ホルムアルデヒド約1〜3モル反応させるのが好まし
く、約1.4〜約2.5モル反応させるのが特に好ましい。該
モル比が該上限値以下であれば、成形品が脆くなること
がなく、耐クラック性等の優れた性質が維持されるので
好ましく、一方、該モル比が該下限値以上であれば、得
られる成形材料の硬化速度が低下したりすることがな
く、また、得られる成形品の「ハダ」の状態も良好であ
るので好ましい。 【0018】なお、前記のホルムアルデヒドとは、例え
ばパラホルムアルデヒド等のような、前記メラミン及び
メラミン共縮合用成分との反応に際して、実質的にホル
ムアルデヒドとして作用する化合物を包含するものであ
る。 【0019】また、前記ホルムアルデヒドは、その一部
をホルムアルデヒド以外のアルデヒド成分、例えばアセ
トアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド類;ベンズアルデ
ヒドなどの芳香族アルデヒド類;フルフラール;その他
前記メラミン及びメラミン共縮合用成分と反応し得るア
ルデヒド化合物によって置き換えることができる。 【0020】上記のホルムアルデヒド以外のアルデヒド
成分の量は、メラミン及びメラミン共縮合用成分との反
応性及び得られるメラミン樹脂及びメラミン共縮合樹脂
の硬化速度等の観点より、ホルムアルデヒド1モルに対
して約0.5モル以下であることが好ましい。 【0021】本発明のメラミン系樹脂成形材料は、前記
のメラミン系樹脂とともに通常パルプを含有する。 【0022】上記パルプとは、通常、紙、化学繊維、セ
ルロース系プラスチック等の原料になる、セルロース原
料から導かれたα-セルロースを主成分とする鎖状高分
子をいい、一般に工業的には木材、リンタを処理したセ
ルロース原料から製した繊維が用いられる。 【0023】前記パルプの配合量は、メラミン系樹脂 1
00重量部に対して、一般に 17〜35重量部、特には 22〜
33重量部であるのが好ましい。該配合量が該上限値以下
であれば、得られる成形材料の流動特性及び最小賦型圧
特性などの成形適性が優れているので好ましく、一方、
該下限値以上であれば、得られる成形品の耐インサート
性や耐クラック性などの機械強度が優れているので好ま
しい。 【0024】また、本発明のメラミン系樹脂成形材料
は、該成形材料の性能を阻害しない程度において、所望
する目的に応じて、他の適宜な配合物を含有することが
できる。 【0025】このような配合物の例としては、例えば、
ロックウール、ガラス繊維、合成繊維、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、シリカ、石膏、ガラス粉等の有機
または無機充填剤;例えば、無水フタル酸、p-トルエン
スルホン酸、p-トルエンスルホン酸トリエタノールアミ
ン塩、2-アミノエチルスルホン酸、塩酸ジメチルアニリ
ンスルホン酸、蓚酸メラミン、塩化アンモン、燐酸アン
モニウム、蓚酸ジメチル、蓚酸ジベンジル、フタル酸ジ
メチル、燐酸トリメチル、アセトアミド、オキザミド等
の硬化触媒; 【0026】例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜
鉛、ベンガラ、紺青、硫酸バリウム、鉄黒、群青、カー
ボンブラック、リトポン、チタンイエロー、コバルトブ
ルー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、レーキレ
ッド、アニリンブラック、ジオキサジンバイオレット、
キナクリドンレッド、キナクリドンバイオレット、ナフ
トールイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニ
ングリーン等の無機又は有機顔料類; 【0027】例えば、ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸
亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシ
ウム、ブチルステアレート、ステアリルステアレート、
ジオクチルフタレート、カプロン酸アミド、カプリル酸
アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリス
チン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミ
ド、オレイン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸
アミド、ベヘン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘノール
酸アミド、ε-カプロラクタム、ステアリルアルコー
ル、グリセリン、ポリオキシエチレンモノステアレー
ト、ポリオキシエチレンモノオレート等の滑剤または可
塑剤;を挙げることができる。 【0028】これら配合物の使用量としては、メラミン
系樹脂 100重量部に対して、有機または無機質充填剤0
〜20重量部、好ましくは0〜15重量部;硬化触媒0〜2
重量部、好ましくは 0.01〜1重量部;無機または有機
顔料類0〜7重量部、好ましくは 0.01〜5重量部;滑
剤または可塑剤0〜4重量部、好ましくは 0.1〜3重量
部;等の量を例示できる。 【0029】本発明に用いるメラミン系樹脂は、例え
ば、所謂メラミンクリスタル粉末1モル、または、該メ
ラミン及び前記メラミン共縮合用成分の合計1モルに対
して、例えば、濃度 37%のホルムアルデヒド水溶液及
び/又はパラホルムアルデヒドのような形で、ホルムア
ルデヒド約1〜2.5モル程度の反応モル割合で、水性媒
体中、pH約7〜9程度で反応させることにより、例え
ば、樹脂濃度約40〜60重量%程度のメラミン系樹脂水溶
液を製造し、 【0030】これにパルプを、該メラミン系樹脂 100重
量部に対して 20〜50重量部となるように加えて混練
し、例えば約70〜100℃程度の温度で乾燥して、例えば
径が約3〜0.5cm程度のポップコーン状予備乾燥物と
し、これを、必要に応じて、有機または無機充填剤、硬
化触媒、無機または有機顔料類、及び、滑剤または可塑
剤など他の各種配合物、更に必要に応じて、前記ブレン
ド樹脂成分とともに粉砕処理して、粉末状メラミン系樹
脂成形材料を得ることができる。 【0031】上記ポップコーン形成の際の混練手段とし
ては、ニーダー、コニーダーなどが利用でき、また乾燥
手段としては、熱風乾燥、バンドドライヤー乾燥、流動
乾燥などを例示することができる。 【0032】前記の粉砕処理は、例えば、衝撃式ハンマ
ーミル、ボールミル、振動ミル、タワーミルなどの手段
により行うことができる。望むならば、例えば、衝撃式
ハンマーミルで予備粉砕処理したのち、更にボールミ
ル、振動ミル、タワーミルなどの手段で微粉砕処理して
行うこともできる。 【0033】また粉末状メラミン系樹脂成形材料の製造
法としては、前記方法で製造したメラミン樹脂水溶液を
減圧乾燥、噴霧乾燥等の適宜公知の方法で乾燥し、必要
に応じて粉末状メラミン系樹脂とし、これに、粉末パル
プ、前記高級脂肪酸アミド及び必要に応じて使用する前
記各種配合物を、例えば、V型混合機、スーパーミキサ
ー、ナウターミキサー、タンブラー、オムニミキサー、
ヘンシェルミキサー、レディゲミキサー、リボンブレン
ダー、プラネタリーミキサー等の慣用の混合機を用いて
均質に混合する所謂ドライ法を挙げることができる。 【0034】さらに、前記ウェット法と上記ドライ法と
を折衷した方法(ウェット/ドライ折衷法)も採用する
ことができ、これらの方法としては、例えば、ウェット
法によるポップコーン状予備乾燥物、粉末または固形メ
ラミン系樹脂、粉末パルプ、及び、必要に応じて使用す
る前記各種添加剤、更に必要に応じて、前記ブレンド樹
脂成分を前記の粉砕手段により粉砕混合する方法、これ
らの成分をそれぞれ予め破砕などの手段により粉末とし
た後、上記の混合機を用いて混合する方法などを例示で
きる。 【0035】これらの方法のうち、得られる成形材料の
成形特性のよさ、並びに、得られる成形品の外観(カス
レ、色ムラなど)及び物性(耐クラック性、耐インサー
ト性など)のバランスのよさの観点から、ウェット法ま
たはウェット/ドライ折衷法が好ましい。 【0036】本発明のメラミン系樹脂成形材料は、以上
のようにして得られた粉末状樹脂成形材料を、公知の方
法により粒状化することもできる。このような方法とし
ては、例えば該粉末状樹脂成形材料を、一旦、押出機、
加熱ロール機などで加熱混練し、得られる予備成形物を
再粉砕する方法、及び、例えば該粉末状樹脂成形材料を
加熱することなく圧縮して、シート状、タブレット状等
の予備成形物とし、これを再粉砕する方法等を挙げるこ
とができる。 【0037】本発明のメラミン系樹脂成形材料は、その
円板流れが109〜130mmであり、且つ、BFTが70〜110秒、
好ましくは75〜100秒であることを特徴とするものであ
る。 【0038】上記円板流れの値が上記下限値未満と小さ
すぎては、複雑な形状の金型を用いたとき成形材料が金
型の隅々まで行き渡りにくくなり好ましくない。一方、
円板流れの値が上記上限値以下であれば、成形時の成形
材料の流動性が過度となることがなく、バリが厚くなり
過ぎたり、成形品にヒケが生じたりすることがないので
好ましい。 【0039】また、BFT値が前記上限値を超えて大きす
ぎては、成形時間がかかり過ぎて生産性の低下をもたら
すので好ましくなく、一方、前記下限値未満と小さすぎ
ては、成形材料の流動途中で硬化反応が進行して流動性
が悪くなり、充填が不完全になったり、成形品表面にカ
スレや色ムラ等の外観不良が生じたりし易いので好まし
くない。 【0040】なお、前記円板流れの値及び BFTの値は、
メラミン系樹脂成形材料中のメラミン系樹脂の縮合度、
パルプの配合量、硬化触媒の量などを加減することによ
り適宜調節することができる。またこれら円板流れ及び
BFTの値は、下記の方法により測定して得た値である。 【0041】円板流れの測定:JIS K 6911の 5.3.2項に
示される円板式試験用金型を用いる。試料5gを金型温
度 150±3℃に保つた金型のほぼ中央に内径約50mm、高
さ約10mm金属製円筒を用いて試料が円錘状になるように
入れ、15秒以内に荷重 2000kgf及び加圧時間5分で圧縮
成形する。成形した円板の光沢部分の長径及び短径を寸
法測定器で1mmまで測り、その平均値を算出し、試料の
伸び(mm)とする。 【0042】BFTの測定:まず、メラミン系樹脂成形
材料を用いて、下記の条件により、口径 4.5インチ、重
量約85gの汁椀を圧縮成形する。 【0043】金型温度 上型 165℃ 下型 160℃ 圧力 180kg/cm2 ガス抜き時間 1秒 成形時間 120秒 【0044】成形時間経過後金型を開いて成形品の外観
観察を行い、成形品表面に泡状のフクレが生じていると
きには、成形時間を2秒延長する以外は上記と同一条件
で成形し、また、フクレが生じていなければ成形時間を
2秒短縮する以外は上記と同一条件で成形する。このよ
うに成形を繰り返し、フクレが生じない最少時間を以て
その成形材料の BFTとする。 【0045】 【実施例】以下、実施例、比較例及び参考例を挙げて本
発明の数態様について更に詳しく説明する。 【0046】なお、上記実施例、比較例及び参考例にお
いて用いた各種試験方法は次の通りである。 【0047】(1) キャビティー内充填性 高周波予熱器により 115℃に予熱したメラミン系樹脂成
形材料 780gを用いて、下記の条件により、開口部(上
面)150×200mm、底面 130×180mm、高さ 220mm、肉厚
3mmのゴミ箱を圧縮成形する。 【0048】使用プレス 200T油圧プレス 金型温度 上型 165℃ 下型 160℃ 圧力 160kg/cm2 ガス抜き時間 2秒 成形時間 120秒 【0049】成形品への充填状態を目視にて次の評価基
準に従って判定する。 [評価基準] ○・・・・・・完全に充填されている。 ×・・・・・・未充填部分がある。 【0050】(2) 金型離型性 前(1)項記載と同様のゴミ箱を同様の成形条件にて圧縮
成形し、成形品の金型からの離れ易さを下記の評価基準
に従って判定する。 【0052】[評価基準] ○・・・・・・容易に金型より離型する。 △・・・・・・離型がやや難しい。 ×・・・・・・離型困難。 【0053】(3) 色ムラ防止性 高周波予熱器により 115℃に予熱したメラミン系樹脂成
形材料 180gを用いて、長径 30cm、短径 20cmの楕円形
であって中央部に仕切のあるランチ皿を次の方法に従っ
て圧縮成形する。 【0054】成形材料を、200T油圧プレス、上下金型温
度 165℃の金型に供給し、上下の金型間隔が5mmまたは
10mmになったところで、各々、0,2,4,6,8,1
0秒間静止し、その後ただちに加圧しゲージ圧力 40kg/c
m2で2秒間圧力を保持したのち脱ガスを行う。次いで再
度加圧し、ゲージ圧力 100kg/cm2で 120秒間硬化させた
のち、成形品をとり出し放冷する。この様に成形された
同一試料の成形品 12枚の表面の色ムラの状態を目視に
て評価し、色ムラの無い成形品の数をもって評価の点数
とする。 【0055】[評価基準] ○・・・・・・色ムラのない成形品枚数7以上。 △・・・・・・色ムラのない成形品枚数4〜6。 ×・・・・・・色ムラのない成形品枚数3以下。 【0056】参考例1 メラミン(油化メラミン(株)製;油化メラミン)25
20g(20モル)、37%濃度のホルムアルデヒド水
溶液2760g(34モル)及び水1800gを還流冷
却器付き反応器に入れ、F/M=1.7の条件で攪拌し
つつ90℃で加熱反応した。メラミン樹脂液の白濁点が
60℃になったとき1.6gの水酸化ナトリウムを入れ
冷却しメラミン樹脂水溶液を得た。 【0057】なお、反応終末の目安に用いた白濁点と
は、0.3mlの樹脂液を採取し、これに約80℃の熱
水4.7mlを加え撹拌し冷却させる際に白濁が生ずる
時の温度をいう。 【0058】参考例2 参考例1で得られたメラミン樹脂水溶液(固形分約50重
量%)3000gに、パルプ 555g(メラミン系樹脂 100重量
部に対して約37重量部)を加え、ニーダーで混練したの
ち、この混練物を 80℃で 70分間熱風乾燥機で乾燥し、
ポップコーン状予備乾燥物を得た。 【0059】参考例A 参考例1で得られたメラミン樹脂水溶液(固形分約50重
量%)をスプレードライヤ装置により、約200℃で乾燥
させ、粉末状メラミン樹脂を得た。 【0060】実施例1 参考例2で得られたポップコーン状予備乾燥物 1630g
(得られるメラミン樹脂成形材料 100重量%に対して 8
1.5 重量%)に、参考例Aの粉末状メラミン樹脂370g
(同18.5重量%)、無水フタル酸 1.0g (メラミン樹脂
100重量部に対して約 0.064重量部)及びステアリン酸
亜鉛 20g(メラミン樹脂 100重量部に対して約 1.3重量
部)を加え、更に無機顔料として酸化チタン 8g (メラ
ミン樹脂 100重量部に対して約 0.5重量部)と有機顔料
としてフタロシアニンブルー 0.2g(メラミン樹脂 100
重量部に対して約 0.013重量部)を加えてボールミルで
8時間粉砕して青色成形品用の粉末状メラミン系樹脂成
形材料を得た。 【0061】得られた成形材料の配合組成を表1に、成
形材料の各種特性並びに得られる成形品の各種物性を表
2に示す。 【0062】実施例2及び比較例1〜2 実施例1において、参考例2で得られたポップコーン状
予備乾燥物 1630g及び参考例Aの粉末状メラミン樹脂 3
70gを用いる代わりに、その使用割合を変え、または、
粉末状メラミン樹脂を用いず、また、メラミン樹脂 100
重量部に対する硬化触媒の割合を変えないように無水フ
タル酸の配合量を加減する以外は実施例1と同様にして
メラミン樹脂成形材料を得た。 【0063】得られた成形材料の配合組成を表1に、成
形材料の各種特性並びに得られる成形品の各種物性を表
2に示す。 【0064】比較例3〜4 実施例1において、無水フタル酸を1g用いる代わり
に、それぞれ4gまたは 0.2g用いる以外は実施例1と同
様にしてメラミン樹脂成形材料を得た。 【0065】得られた成形材料の配合組成を表1に、成
形材料の各種特性並びに得られる成形品の各種物性を表
2に示す。 【0066】実施例3 実施例1において、参考例2で得られたポップコーン状
予備乾燥物1630g、参考例Aの粉末状メラミン樹脂 370g
及び無水フタル酸1gを用いる代わりに、ポップコーン
状予備乾燥物 1260g、粉末状メラミン樹脂 640g、粉末
パルプ 100g及び無水フタル酸 1.6gを用いる以外は実施
例1と同様にしてメラミン樹脂成形材料を得た。 【0067】得られた成形材料の配合組成を表1に、成
形材料の各種特性並びに得られる成形品の各種物性を表
2に示す。 【0068】 【表1】 【0069】 【表2】 【0070】 【発明の効果】本発明のメラミン系樹脂成形材料は、メ
ラミン/ホルムアルデヒド系樹脂及びパルプを含有して
なり、且つ、特定の円板流れ及び特定のブリスターフリ
ータイムを有することを特徴とするものである。 【0071】これらの要件を満足する本発明のメラミン
系樹脂成形材料は、特に、コーヒーサーバー、植木鉢、
花瓶など複雑な凹凸を有する成形品や、水洗トイレのロ
ータンク用手洗い器、洗面台など他の成形品に組み込ん
だり、壁面等に取り付けたりするための穴や突起など不
規則な凹凸を有する成形品等の異形成形品を成形するの
に適した成形材料である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−92859(JP,A) 特開 平2−227450(JP,A) 特開 昭52−111994(JP,A) 特開 平5−163419(JP,A) 特開 平5−163418(JP,A) 特開 平5−140417(JP,A) 特開 平4−59860(JP,A) 特開 昭61−203159(JP,A) 特開 昭62−22848(JP,A) 特開 平1−115952(JP,A) 特開 平1−101359(JP,A) 特公 昭44−25895(JP,B1) 特公 昭45−37854(JP,B1) 特公 昭46−22849(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 61/20 - 61/32 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂100
    重量部に対して、パルプ22〜33重量部、及び触媒として
    無水フタル酸0.064 〜0.1重量部を含有してなるメラミ
    ン系樹脂成形材料であって、該成形材料の円板流れが10
    9〜130mmであり、且つ、ブリスターフリータイムが70〜
    110秒であることを特徴とする圧縮成形用メラミン系樹
    脂成形材料。
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