JP2684555B2 - メラミン系樹脂成形用組成物 - Google Patents
メラミン系樹脂成形用組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、各種の圧縮成形物などの如きメラミン系樹
脂成形物の成形用途に、優れた改善諸性質を示し且つこ
れら諸性質をバランス良く兼備した改良されたメラミン
系樹脂成形用組成物に関する。 特に、本発明は、メラミン系樹脂成形用組成物の耐熱
性、硬度、高光沢、耐クラツク性、耐候性、耐光性、耐
汚染性、電気的性質などの好ましい性質に悪影響を与え
ることなしに、適切な円板流れ特性及び適切な最小賦型
圧特性で示される優れた成形適性を有し、且つ両立させ
難い成形適性改質剤のブリード・アウト防止性と離型性
とを優れた改善効果をもつて兼備するとともに、更に、
通常特に色むらが生じ易い彩色成形物においても、色む
ら発生のない優れた外観の成形物が得られるメラミン系
樹脂成形用組成物に関する。 更に詳しくは、本発明は、 下記(a)及び(b)、 (a)メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂100重量部に
対して、 (b)下記一般式 C(CH2OH)2+n(CH2R)2-n ……… で表わされるポリオール化合物と高級脂肪酸とのエス
テルを0.07〜3重量部、 を含んでなることを特徴とするメラミン系樹脂成形用組
成物 に関する。 〔従来の技術〕 従来、メラミン系樹脂技術分野において、脂肪酸エス
テル系改質剤の利用に関するいくつかの提案が知られて
いる。 例えば、特開昭50−53438号公報には、メラミン系樹
脂を含む熱硬化性縮合樹脂成形用組成物の成形加工時に
おける流動性改善と内部離型作用との協同作用効果の向
上のために、 a)1ないし3個のアルコール性水酸基を含有する有機
化合物1モルにエチレンオキシドまたはエチレンオキシ
ド/プロピレンオキシド8ないし100モルの付加生成
物、および b)1ないし3価の脂肪族、環状脂肪族または芳香族カ
ルボン酸、 よりなる部分エステルまたは中性エステルを含有し、そ
の際アルコール成分a)および/または酸成分b)は、
12ないし26個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素残基を
含有することを特徴とする、熱硬化性縮合樹脂を基礎と
した成形用組成物の成形加工用の添加剤、 が提案されている。 この提案には、本発明の改質剤である特定のポリオー
ル化合物と高級脂肪酸とのエステルについては全く言及
されていないし、優れた成形適性と共に、改質剤のブリ
ード・アウト防止性及び離型性を兼備させ、更に、通常
特に色むらが生じ易い彩色成形物においても色むら発生
のない優れた外観性を保持させようという技術的課題及
びその解決については何等の示唆も開示されていない。
そして、この提案に開示された部分エステルまたは中性
エステル改質剤の利用によつて上記の課題は解決できな
い。 また、特開昭54−108849号公報には、可撓性に優れた
メラミン化粧板を得ることを目的に、 アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応せしめて熱
硬化性樹脂を製造する場合において、3−メチルペンタ
ン−1,3,5−トリオールとカルボン酸とをモル比1:0.5〜
2.0でアルカリ解媒下に反応せしめたものを、添加した
ことを特徴とするメラミン樹脂の製造法、 が提案されている。 この提案にも、本発明の改質剤である特定のポリオー
ル化合物と高級脂肪酸とのエステルについては全く言及
されていないし、また、この提案のメラミン樹脂は成形
用組成物として用いられるものではなくメラミン化粧板
の表層用としてパターン紙、オーバレイ紙に含浸乾燥し
て使用されるものであるため、成形用組成物に要求され
る性質として、優れた成形適性と共に改質剤のブリード
・アウト防止性及び離型性を兼備させること、更に、通
常特に色むらが生じ易い彩色成形物においても色むら発
生のない優れた外観性を保持することなどの技術的課題
及びその解決については何等の示唆もされていない。そ
して、この提案のメラミン樹脂をメラミン樹脂成形用組
成物として利用しても、上記課題は依然として解決でき
ない。 更に、本発明者等の先に出願した特開昭62−22848号
公報には、メラミン系樹脂成形材料の耐熱性、硬度、高
光沢、耐クラツク性、耐候性、耐光性、耐汚染性、電気
的性質などの好ましい性質に悪影響を与えることなし
に、適切な円板流れ特性及び適切な最小賦型圧特性で示
される優れた成形適性を有し、且つ両立させ難いポリオ
キシアルキレン系改質剤のブリード・アウト防止性と離
型性とを優れた改善効果をもつて兼備し、更に、これら
の優れた成形適性、ブリード・アウト防止性、離型性な
どの改善性質をバランス良く兼備したメラミン系樹脂成
形材料を得ることを目的に、 (I)下記(a)及び(b) (a)メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂、及び (b)上記(a)メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂
と、 (イ)尿素/ホルムアルデヒド系樹脂、及び/又は (ロ)尿素類 とよりなる混合樹脂 より成る群から選ばれたメラミン系樹脂100重量部と (II)ポリオキシアルキレン基と、飽和または不飽和の
高級脂肪族系化合物、好ましくは飽和または不飽和の高
級脂肪酸、よりなる基とを同一分子内に含んでなるポリ
オキシアルキレン系化合物0.4〜3重量部と を配合してなることを特徴とするメラミン系樹脂成形材
料、が提案されている。 この提案にも、本発明の改質剤である特定のポリオー
ル化合物と高級脂肪酸とのエステルについては全く言及
されていない。また、この提案のメラミン系樹脂成形材
料は、優れた成形適性と共に、改質剤のブリード・アウ
ト防止性及び離型性を兼備させることに成功した優れた
ものである。しかしながら、白、グレー等の無彩色系の
成形物或いはアイボリー等の有彩色でも有彩色顔料の使
用量が少ない淡色系の成形物などの場合には色むらの発
生がほとんど見られないけれども、有彩色顔料の使用量
が多い中間色系ないし濃色系の成形物などの場合には色
むらが発生することがあるという問題が判明した。 〔発明の解決しようとする問題点〕 本発明者等は、先の特開昭62−22848号公報記載の提
案の優れた諸性質を堅持しつつ、これを一層改良して彩
色成形物などの通常色むらが発生し易い成形物の成形に
おいても色むら生じない優れたメラミン系樹脂成形用組
成物の開発研究を行なつてきた。 その結果、メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂に対し
て前記特定のポリオール化合物と直鎖高級脂肪酸とのエ
ステルを特定量含有させてなるメラミン系樹脂成形用組
成物が、メラミン系樹脂成形用組成物の前述したような
好ましい諸性質に悪影響を与えることなしに、適切な円
板流れ特性及び適切な最小賦型圧特性で示される優れた
成形適性を有し、且つ両立させ難い改質剤のブリード・
アウト防止性と成形時離型性とを優れた改善効果をもつ
て兼備し、更に、通常特に色むらが生じ易い彩色成形物
においても色むらの発生のない優れた外観性を保持した
メラミン系樹脂成形用組成物となることを発見し、本発
明を完成した。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明のメラミン系樹脂成形用組成物は、下記(a)
及び(b)、 (a)メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂100重量部に
対して、 (b)下記一般式 C(CH2OH)2+n(CH2R)2-n …………で表わされるポリオール化合物とC10〜C20の飽和もしく
は不飽和の直鎖高級脂肪酸とのエステルを0.07〜3重量
部、 を含んでなることを特徴とするメラミン系樹脂成形用組
成物、 である。 以下、本発明について一層詳細に説明する。 上記構成要件(a)のメラミン/ホルムアルデヒド系
樹脂としては、メラミンとホルムアルデヒドとを反応せ
しめて得られるメラミン/ホルムアルデヒド樹脂;メラ
ミン、ホルムアルデヒド及びこれらと共縮合可能なメラ
ミン共縮合用成分を反応せしめて得られるメラミン/ホ
ルムアルデヒド系共縮合樹脂;該メラミン/ホルムアル
デヒド樹脂及び/又は該メラミン/ホルムアルデヒド系
共縮合樹脂に対して、これら以外の熱硬化性もしくは熱
可塑性樹脂よりなるブレンド用樹脂成分をブレンドした
メラミン/ホルムアルデヒド系ブレンド樹脂を挙げるこ
とができる。 上記メラミン共縮合用成分としては、例えば、尿素、
チオ尿素、エチレン尿素等の尿素類;ベンゾグアナミ
ン、アセトグアナミン、ホルムグアナミン、フエニルア
セトグアナミン、CTUグアナミン等のグアナミン類;及
びグアニジン、ジシアンジアミド、パラトルエンスルホ
ンアミド等のその他のアミノ化合物;フエノール、クレ
ゾール、キシレノール、エチルフエノール、ブチルフエ
ノール、ビスフエノールA等のフエノール類;キシレ
ン、サツカロース等のその他のメラミン共縮合用化合
物;等を挙げることができ、これらの成分は併用して差
支えない。 前記ブレンド樹脂成分としては、例えば、尿素系樹
脂、グアナミン系樹脂、フエノール系樹脂(ノボラツク
型、レゾール型)、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、アル
キツド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹
脂;塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系
樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等の熱可塑性
樹脂等を挙げることができる。 前記のメラミン共縮合樹脂においては、得られる成形
品の表面硬度、耐光(候)性、耐熱性、耐汚染性等の観
点から、メラミンに対する前記メラミン共縮合成分の比
率は、モル比で約0.7以下で且つ重量比で約1以下であ
ることが好ましく、また、メラミン系ブレンド樹脂にお
けるメラミン樹脂及び/又はメラミン共縮合樹脂に対す
るブレンド用樹脂成分の重量比は、同様の観点から約1
以下であることが好ましい。 前記のメラミン樹脂又はメラミン共縮合樹脂は、メラ
ミン単独又はメラミンと前記メラミン共縮合用成分の合
計量1モルに対して、ホルムアルデヒド約1〜約3モル
反応させるのが好ましく、約1.4〜約2.5モル反応させる
のが特に好ましい。上記モル比が上記範囲の上限値を超
えると、成形品が脆くなる傾向にあり、耐クラツク性等
の性質が低下する場合があり、また上記モル比が上記範
囲の下限値未満の場合は、得られるメラミン系樹脂成形
材料の硬化速度が低下する傾向にあり、また該メラミン
系成形物の「ハダ」の状態も悪くなる場合がある。 なお、上記の、ホルムアルデヒドと呼称するのは、例
えばパラホルムアルデヒド等のような、前記メラミン及
びメラミン共縮合用成分との反応に際して、実質的にホ
ルムアルデヒドとして作用する化合物を包含する呼称で
ある。 また、前記ホルムアルデヒドは、その一部をホルムア
ルデヒド以外のアルデヒド成分、例えばアセトアルデヒ
ドの如き脂肪族アルデヒド類;ベンズアルデヒドの如き
芳香族アルデヒド類;フルフラール;その他前記メラミ
ン及びメラミン共縮合用成分と反応し得るアルデヒド化
合物によつて置き換えることができる。 上記のホルムアルデヒド以外のアルデヒド成分の量
は、メラミン及びメラミン共縮合用成分との反応性及び
得られるメラミン樹脂及びメラミン共縮合樹脂の硬化速
度等の観点より、ホルムアルデヒド1モルに対して約0.
5モル以下であることが好ましい。 このようなメラミン/ホルムアルデヒド系樹脂の中、
本発明に用いる樹脂としては、メラミン/ホルムアルデ
ヒド樹脂、メラミン・フエノール/ホルムアルデヒド共
縮合樹脂、メラミン・尿素/ホルムアルデヒド共縮合樹
脂、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂にノボラツクフエ
ノール樹脂をブレンドしてなるブレンド樹脂、メラミン
/ホルムアルデヒド樹脂に尿素/ホルムアルデヒド樹脂
をブレンドしてなるブレンド樹脂が好ましく、メラミン
/ホルムアルデヒド樹脂が最も好ましい。 前記構成要件(b)の構成成分である一般式 C(CH2OH)2+n(CH2R)2-nのポリオール化合物においては、
nの値いが0,1又は2、好ましくは1又は2の整数で、
且つRが水素又はC1〜C3のアルキル基、好ましくは水素
又はメチル基である。このような化合物としては、例え
ば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、
ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン等が例
示でき、これらの中でも、本発明に用いて特に優れた改
善効果を達成するトリメチロールプロパン、ペンタエリ
トリトール、トリメチロールエタンが好ましく、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリトリトールが更に好まし
い。 また、構成要件(b)の他の構成成分である直鎖高級
脂肪酸としては、一般に、C6〜C25の飽和もしくは不飽
和の高級脂肪酸が使用できる。これらの高級脂肪酸の
中、本発明の卓越した効果、即ち円板流れ特性、最小賦
型圧特性、ブリード・アウト防止性及び色むら防止性の
優秀さの観点からC10〜C20の飽和もしくは不飽和の直鎖
高級脂肪酸を用いるのが好ましい。このような直鎖高級
脂肪酸としては、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、アラキジン酸等が例示でき、就中、オレイン酸が好
ましい。構成要件(b)のエステルとしては、前記のポ
リオール化合物と上記の高級脂肪酸とよりなる部分エス
テルおよび完全エステルの中から適宜選択して用いるこ
とができる。しかしながら、本発明の、前記の如き卓越
した効果の達成し易さの観点より、該ポリオール化合物
と該高級脂肪酸との完全エステルの使用が好ましい。 これらのエステルとしては、例えば、トリメチロール
プロパントリラウレート、トリメチロールプロパントリ
ミリステート、トリメチロールプロパントリパルミテー
ト、トリメチロールプロパントリステアレート、トリメ
チロールプロパントリオレート;ペンタエリトリトール
テトララウレート、ペンタエリトリトールテトラミリス
テート、ペンタエリトリトールテトラパルミテート、ペ
ンタエリトリトールテトラステアレート、ペンタエリト
リトールテトラオレート等を挙げることができ、トリメ
チロールプロパントリオレート、ペンタエリトリトール
テトラオレエートが好ましく、トリメチロールプロパン
トリオレートが特に好ましい。 構成要件(b)である上記のポリオール化合物と高級
脂肪酸とのエステルの使用量は、構成要件(a)のメラ
ミン/ホルムアルデヒド系樹脂100重量部に対して、0.0
7〜3重量部である。該使用量が3重量部を超えて過剰
にすぎると、ブリード・アウト防止性及び色むら防止性
が不満足なものになる傾向にあり、また0.07重量部未満
では実質的な効果が現れ難く、好ましくない。 本発明のメラミン系樹脂成形用組成物は、通常、前記
構成要件(a)のメラミン/ホルムアルデヒド系樹脂と
構成要件(b)のポリオール化合物と直鎖高級脂肪酸と
のエステルの他に、この技術分野において慣用のパルプ
を含有するのが普通である。上記パルプとは、通常、
紙、化学繊維、セルローズ系プラスチツク等の原料にな
る、セルロース原料から導かれたα−セルロースを主成
分とする鎖状高分子をいい、一般に工業的には木材、リ
ンタを処理したセルロース原料から製した繊維が用いら
れる。 該パルプの配合量は、円板流れ特性及び最小賦型圧特
性などの成形適性、成形品の機械的強度等の観点から前
記メラミン系樹脂100重量部に対して約20〜約80重量部
程度の使用量で配合されるのが普通である。 パルプの配合量が20重量%未満の過少量にすぎると、
特に曲げ強さが低下する傾向にあり、80重量部を超えて
過剰量すぎる場合には、上記成形適性等が低下する場合
があるので上記例示量範囲で利用するのがよい。好適に
は前記メラミン系樹脂100重量部に対して約30〜約60重
量部の使用量を例示することができる。 また、本発明のメラミン系樹脂成形用組成物は、該組
成物の性能を阻害しない程度において、所望する目的に
応じて、他の適宜な添加剤を含有することができる。 このような添加剤の例としては、例えば、ロツクウー
ル、ガラス繊維、合成繊維、炭酸カルシウム、タルク、
クレー、シリカ等の如き有機又は無機充填剤;例えば、
無水フタル酸、p−トルエンスルホン酸、シユウ酸ジメ
チル、シユウ酸ジベンジル、フタル酸ジメチル、ベンゾ
イルパーオキサイド、エピクロルヒドリン、p−トルエ
ンスルホン酸トリエタノールアミン塩、2−アミノエチ
ルスルホン酸、塩酸ジメチルアニリンスルホン酸、シユ
ウ酸メラミン、塩化アンモン、リン酸アンモニウム、リ
ン酸トリメチル、アセトアミド、オキザミド等の如き硬
化触媒類;例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、
ベンガラ、紺青、硫酸バリウム、鉄黒、群青、カーボン
ブラツク、リトポン、チタンイエロー、コバルトブル
ー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、レーキレツ
ド、アニリンブラツク、ジオキサジンバイオレツト、キ
ナクリドンレツド、キナクリンドンバイオレツト、ナフ
トールイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニ
ングリーン、などの如き無機もしくは有機顔料類;例え
ば、ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ステアリン
酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ブチルステ
アレート、ステアリルステアレート、ジオクチルフタレ
ート、ジブチルフタレート、ステアリン酸アミド、ε−
カプロラクタム、オレイン酸アミド、リノール酸アミ
ド、ステアリルアルコール、ポリオキシエチレンステア
レート、グリセリン、ポリエチレングリコールモノオレ
ート、などの如き滑剤又は可塑剤;を例示することがで
きる。 本発明に係るメラミン系樹脂成形用組成物は、例え
ば、次に述べる如き所謂ウエツト法で好適に調製するこ
とができる。 例えばカーバイド法、尿素法などそれ自体公知の方法
で製造できる所謂メラミンクリスタル粉末1モルに対し
て、例えば濃度36%のホルマリン水溶液及び/又はパラ
ホルムアルデヒドの如き形で、ホルムアルデヒド約1〜
約2.5モル程度の反応モル割合で、水性媒体中、pH約7
〜約9程度で反応させて得られるメラミン樹脂液、例え
ば、樹脂固形分濃度約40〜約60重量%程度のメラミン樹
脂液にパルプ(α−セルロース)を、該メラミン樹脂液
の固形分100重量部に対して、たとえば約30〜約60重量
部となるように加え、更に例えば、トリメチロールプロ
パントリオレートなどの前記一般式で表わされるポリ
オール化合物と直鎖高級脂肪酸とのエステルを該メラミ
ン樹脂液の固形分100重量部に対して0.07〜3重量部に
なるように配合し、混練し、たとえば約70°〜約100℃
程度の温度で乾燥して、たとえば、径が約3cm〜約0.5cm
程度の所謂ポツプコーンとし、これを粉細処理して得ら
れるポツプコーン粉細処理物の形で得ることができる。 上記粉細処理は、例えば、衝撃式ハンマーミル、ボー
ルミル、振動ミル、タワーミルの如き手段で行うことが
できる。望むならば、たとえば衝撃式ハンマーミルで予
備粉砕処理したのち、更にボールミル、振動ミル、タワ
ーミルの如き手段で微粉細処理して行うこともできる。
市販のパルプ及びメラミン樹脂含有成形用粉末も利用で
き、所望により市販成形用粉末を更に粉砕処理して利用
することもできる。 前記ポツプコーン形成の際の混練手段としては、ニー
ダー、コニーダーなどが利用でき、又乾燥手段として
は、熱風乾燥、バンドドライヤー乾燥、流動乾燥などを
例示することができる。 なお、本発明メラミン系樹脂成形用組成物の形態は適
宜に選択でき、微細に粉末処理した粉末に限るものでは
なく、顆粒状であつても一向に差支えなく、成形に用い
ることができる粒度のものであればいづれの形態のもの
でも差支えない。 以上のようにして得た本発明メラミン系樹脂成形用組
成物は、一旦、押圧機、加熱ロール機などで加熱混練
し、得られる成形用予備組成物を再粉砕し、成形時等の
取り扱いに適するような粒度範囲にしたメラミン系樹脂
成形用組成物として使用するのが好ましい。 この際、上記の加熱混練において、押圧機としては特
に制限なく適宜選択したものを用いることができ、例え
ば、一軸押圧機、二軸押圧機などを例示することができ
る。圧縮比、温度は適宜に選択でき、例えば1.1〜3の
圧縮比、約50〜約130℃の如き温度条件を例示すること
ができる。押圧機の押出端は開放型、スクリーン状ダイ
ス型などの任意の形式であつてよく、又、二軸押出機は
同方向2軸型でも異方向2軸型のいずれであつてもよ
い。また、加熱ロール機のタイプも適宜に選択できる。 加熱混練で得られた成形用予備組成物の再粉砕として
は、再粉砕品を形成できる任意の再粉砕手段を利用して
行うことができる。所望により、篩分け手段を併用する
ことができる。このような再粉砕に利用する粉砕機の例
としては、衝撃式粉砕機、ハンマーミル、アトマイザ
ー、ピンミル、ロールミル、パルペライザーなどを例示
できる。 かくして得られた再粉砕品は、特に成形時等の取り扱
いの容易性などから粒度が、好ましくは、JIS篩で10メ
ツシユ篩通過で且つ100メツシユ篩不通過のものが、80
重量%以上、更に好ましくは85重量%以上のものがよ
い。また、加熱混練の条件が80〜120℃で10〜30秒のも
のがメラミン系樹脂成形用組成物として卓越した性能を
発揮するのでよい。該メラミン系樹脂組成物は、優れた
自動計量適性をも示す。 本発明によるメラミン系樹脂成形用組成物は、圧縮成
形、トランスフアー成形、射出成形等、従来周知の方法
により成形することができる。また、該メラミン系樹脂
組成物は、圧縮成形等による多色成形、模様付成形、表
面コーテイング成形等の多段成形にも好適に用いること
ができる。 〔実施例及び試験法〕 以下、比較例と共に実施例を挙げて本発明の数態様に
ついて更に詳しく説明する。 尚、円板流れ特性、最小賦型圧特性、ブリード・アウ
ト防止性、色むら防止性及び耐熱性のテスト方法及び評
価は、以下のとおりである。 (1)円板流れ特性試験 JIS・K6911の5.3.2項に示される円板式試験用金型を
用いて試料5gを金型温度150±3℃に保つた金型のほぼ
中央部に内径約50mm、高さ約10mm金属製円筒を用いて試
料が円すい状になるように入れ、15秒以内に荷重2000kg
f及び加圧時間2分で圧縮成形する。 成形した円板の光沢部分の長径及び短径を寸法測定器
で1mmまで測り、その平均値を算出し、試料の伸び(m
m)とする。 (2)最小賦型圧特性の試験 JIS・K6911の5.4項に示される成形性試験金型を用い
て、金型温度150℃/150℃、型締に要する時間15秒、予
熱なし、ガス抜きなしの条件で最小賦型圧力を求める。
最小賦形圧力とは成形品、特にエツジ部にかすれやクラ
ツクを生じない最低の圧力を云い、5kg/cm2単位で圧力
を変え成形を数回繰返して求める。 (3)ブリード・アウト防止性 寸法70×60×3mmのテストピースを金型温度165℃/165
℃、成形圧力200kg/cm2、硬化時間90秒の条件で成形
し、成形品を取り出した後、上型をはずし、その表面の
鏡面光沢度を測定する。光沢度の測定は、JIS Z8741に
準じて行なう。よく清浄した上金型メツキ面の鏡面光沢
度に対する材料成形後の鏡面光沢度の百分率をもつてブ
リード防止性の評価とする。 (4)色むら防止性 高周波予熱器により115℃に予熱した成形材料150g
を、200T油圧プレス、金型温度165℃の9インチ平皿金
型に供給し、上下の金型間隔が5mm又は10mmになつたと
ころで、各々、0,2,4,6,8,10秒間静止し、その後ただち
に加圧しゲージ圧力40kg/cm2で2秒間圧力を保持したの
ち脱ガスを行なう。次いで再度加圧し、ゲージ圧力100k
g/cm2で65秒間硬化させたのち、成形品をとり出し、放
冷する。この様に成形された同一材料の成形品12枚の、
表面の色むらの状態を目視にて評価し、色ムラの無い成
形品の数をもつて評価の点数とする。 (5)耐熱性試験 JIS.K6911の5.23項の「加熱後の外観」試験に準じて
行なう。 メラミン系樹脂成形用組成物を、金型温度160℃/160
℃、成形時間3分間、予熱なしの条件で直径50±1mm、
厚さ3±0.2mmの円板を成形する。かくして得た試験片
を一定温度に保つた恒温槽の中の温度計の近くにつる
し、2時間たつてから取り出し、ひび割れ、ふくれなど
著しい外観変化があるかどうかを調べる。上記試験を温
度を変えて行ない、著しい外観変化の起こらない範囲の
最高温度をもつて耐熱性の値いとする。 実施例1 メラミン(油化メラミン(株)製;油化メラミン)12
60g(10モル)、37%濃度のホルマリン水溶液1379g(17
モル)および水900gを還流冷却器付きフラスコに入れ、
F/M=1.7の条件で攪拌しつつ90℃で加熱反応した。メラ
ミン樹脂液の白濁点が60℃になつたとき0.8gのNaOHを入
れ冷却しメラミン樹脂初期縮合物を得た。反応終末の目
安すに用いた白濁点とは、5mlの樹脂液を採取し、これ
に約80℃の熱水45mlを加え攪拌し冷却させる際に白濁が
生ずる時の温度をいう。 かくして得られたメラミン樹脂初期縮合物(固形分約
50重量%)2800gに、パルプ600g(メラミン/ホルムア
ルデヒド系樹脂の固形分100重量部に対して約43重量
部)を加え、更にトリメチロールプロパントリオレート
1.4g(メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂の固形分100
重量部に対して0.1重量部)を加え、ニーダーで混練し
たのち、この混練物を90℃で90分間熱風乾燥機で乾燥
し、ポツプコーンを得た。 このポツプコーン500gに無水フタール酸0.5g、ステア
リン酸亜鉛2.5gを加え、更に着色剤としてウオツチング
レツドMn 4gを加えてポツトミルで8時間粉砕して濃赤
色成形物用のメラミン系樹脂成形用組成物の粉末を得
た。 上記の成形用組成物の粉末を、次いで冷間ロール圧縮
機で冷間ロール圧縮成形物とした。冷間ロール圧縮は、
直径250mm、幅200mmのロールを用い成形用原料粉末供給
速度を300kg/hrとし、ロール回転数20r.p.m.、ロール加
圧ポンプ圧力150kg/cm2、ロールクリアランス0.5mm条件
で冷間ロール圧縮成形物を得た。 該冷間ロール圧縮成形物を粗砕したのち、スクリーン
径2mmφの衝撃式粉砕機を用い粉砕しメラミン系樹脂成
形用組成物を得た。 上記組成物を用いて、前記試験法(1)〜(5)に従
つて物性試験を行つた。試験結果を表1に示す。この結
果より実施例1のメラミン系樹脂成形用組成物は、適切
な円板流れ特性及び適切な最小賦型圧特性を有してお
り、且つ優れたブリード・アウト防止性及び優れた色む
ら防止性を兼備していた。また上記組成物より得られる
成形品は、耐熱性にも優れていた。 実施例2〜4及び比較例1,2 実施例1において、トリメチロールプロパントリオレ
ートの添加量のみを変えてメラミン系樹脂成形用組成物
を作成し、同様に物性試験を行つた。得られたメラミン
系樹脂成形用組成物の成分及び試験結果を第1表に示
す。 実施例5及び6 実施例1において、トリメチロールプロパントリオレ
ートの量を9.8g(メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂の
固形分100重量部に対して0.7重量部)にし、且つ、着色
剤としてウオツチングレツドMn 4gを用いる代りにベン
ジジンエロー4g(実施例5)、又は、フタロシアニンブ
ルー4g(実施例6)を用いて色の異なるメラミン系樹脂
成形用組成物を作成し、同様に物性試験を行なつた。得
られたメラミン系樹脂成形用組成物の成分及び試験結果
を第1表に示す。 実施例7 実施例1において、トリメチロールプロパントリオレ
ート1.4g用いる代りに、トリメチロールプロパントリス
テアレート9.8g(メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂の
固形分100重量部に対して0.7重量部)用いてメラミン系
樹脂成形用組成物を作成し、同様に物性試験を行なつ
た。得られたメラミン系樹脂成形用組成物の成分及び試
験結果を第1表に示す。 実施例8 実施例1において、トリメチロールプロパントリオレ
ート1.4g用いる代りに、ペンタエリトリトールテトラオ
レート9.8g(メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂の固形
分100重量部に対して0.7重量部)用いてメラミン系樹脂
成形用組成物を作成し、同様に物性試験を行なつた。得
られたメラミン系樹脂成形用組成物の成分及び試験結果
を第1表に示す。
脂成形物の成形用途に、優れた改善諸性質を示し且つこ
れら諸性質をバランス良く兼備した改良されたメラミン
系樹脂成形用組成物に関する。 特に、本発明は、メラミン系樹脂成形用組成物の耐熱
性、硬度、高光沢、耐クラツク性、耐候性、耐光性、耐
汚染性、電気的性質などの好ましい性質に悪影響を与え
ることなしに、適切な円板流れ特性及び適切な最小賦型
圧特性で示される優れた成形適性を有し、且つ両立させ
難い成形適性改質剤のブリード・アウト防止性と離型性
とを優れた改善効果をもつて兼備するとともに、更に、
通常特に色むらが生じ易い彩色成形物においても、色む
ら発生のない優れた外観の成形物が得られるメラミン系
樹脂成形用組成物に関する。 更に詳しくは、本発明は、 下記(a)及び(b)、 (a)メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂100重量部に
対して、 (b)下記一般式 C(CH2OH)2+n(CH2R)2-n ……… で表わされるポリオール化合物と高級脂肪酸とのエス
テルを0.07〜3重量部、 を含んでなることを特徴とするメラミン系樹脂成形用組
成物 に関する。 〔従来の技術〕 従来、メラミン系樹脂技術分野において、脂肪酸エス
テル系改質剤の利用に関するいくつかの提案が知られて
いる。 例えば、特開昭50−53438号公報には、メラミン系樹
脂を含む熱硬化性縮合樹脂成形用組成物の成形加工時に
おける流動性改善と内部離型作用との協同作用効果の向
上のために、 a)1ないし3個のアルコール性水酸基を含有する有機
化合物1モルにエチレンオキシドまたはエチレンオキシ
ド/プロピレンオキシド8ないし100モルの付加生成
物、および b)1ないし3価の脂肪族、環状脂肪族または芳香族カ
ルボン酸、 よりなる部分エステルまたは中性エステルを含有し、そ
の際アルコール成分a)および/または酸成分b)は、
12ないし26個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素残基を
含有することを特徴とする、熱硬化性縮合樹脂を基礎と
した成形用組成物の成形加工用の添加剤、 が提案されている。 この提案には、本発明の改質剤である特定のポリオー
ル化合物と高級脂肪酸とのエステルについては全く言及
されていないし、優れた成形適性と共に、改質剤のブリ
ード・アウト防止性及び離型性を兼備させ、更に、通常
特に色むらが生じ易い彩色成形物においても色むら発生
のない優れた外観性を保持させようという技術的課題及
びその解決については何等の示唆も開示されていない。
そして、この提案に開示された部分エステルまたは中性
エステル改質剤の利用によつて上記の課題は解決できな
い。 また、特開昭54−108849号公報には、可撓性に優れた
メラミン化粧板を得ることを目的に、 アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応せしめて熱
硬化性樹脂を製造する場合において、3−メチルペンタ
ン−1,3,5−トリオールとカルボン酸とをモル比1:0.5〜
2.0でアルカリ解媒下に反応せしめたものを、添加した
ことを特徴とするメラミン樹脂の製造法、 が提案されている。 この提案にも、本発明の改質剤である特定のポリオー
ル化合物と高級脂肪酸とのエステルについては全く言及
されていないし、また、この提案のメラミン樹脂は成形
用組成物として用いられるものではなくメラミン化粧板
の表層用としてパターン紙、オーバレイ紙に含浸乾燥し
て使用されるものであるため、成形用組成物に要求され
る性質として、優れた成形適性と共に改質剤のブリード
・アウト防止性及び離型性を兼備させること、更に、通
常特に色むらが生じ易い彩色成形物においても色むら発
生のない優れた外観性を保持することなどの技術的課題
及びその解決については何等の示唆もされていない。そ
して、この提案のメラミン樹脂をメラミン樹脂成形用組
成物として利用しても、上記課題は依然として解決でき
ない。 更に、本発明者等の先に出願した特開昭62−22848号
公報には、メラミン系樹脂成形材料の耐熱性、硬度、高
光沢、耐クラツク性、耐候性、耐光性、耐汚染性、電気
的性質などの好ましい性質に悪影響を与えることなし
に、適切な円板流れ特性及び適切な最小賦型圧特性で示
される優れた成形適性を有し、且つ両立させ難いポリオ
キシアルキレン系改質剤のブリード・アウト防止性と離
型性とを優れた改善効果をもつて兼備し、更に、これら
の優れた成形適性、ブリード・アウト防止性、離型性な
どの改善性質をバランス良く兼備したメラミン系樹脂成
形材料を得ることを目的に、 (I)下記(a)及び(b) (a)メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂、及び (b)上記(a)メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂
と、 (イ)尿素/ホルムアルデヒド系樹脂、及び/又は (ロ)尿素類 とよりなる混合樹脂 より成る群から選ばれたメラミン系樹脂100重量部と (II)ポリオキシアルキレン基と、飽和または不飽和の
高級脂肪族系化合物、好ましくは飽和または不飽和の高
級脂肪酸、よりなる基とを同一分子内に含んでなるポリ
オキシアルキレン系化合物0.4〜3重量部と を配合してなることを特徴とするメラミン系樹脂成形材
料、が提案されている。 この提案にも、本発明の改質剤である特定のポリオー
ル化合物と高級脂肪酸とのエステルについては全く言及
されていない。また、この提案のメラミン系樹脂成形材
料は、優れた成形適性と共に、改質剤のブリード・アウ
ト防止性及び離型性を兼備させることに成功した優れた
ものである。しかしながら、白、グレー等の無彩色系の
成形物或いはアイボリー等の有彩色でも有彩色顔料の使
用量が少ない淡色系の成形物などの場合には色むらの発
生がほとんど見られないけれども、有彩色顔料の使用量
が多い中間色系ないし濃色系の成形物などの場合には色
むらが発生することがあるという問題が判明した。 〔発明の解決しようとする問題点〕 本発明者等は、先の特開昭62−22848号公報記載の提
案の優れた諸性質を堅持しつつ、これを一層改良して彩
色成形物などの通常色むらが発生し易い成形物の成形に
おいても色むら生じない優れたメラミン系樹脂成形用組
成物の開発研究を行なつてきた。 その結果、メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂に対し
て前記特定のポリオール化合物と直鎖高級脂肪酸とのエ
ステルを特定量含有させてなるメラミン系樹脂成形用組
成物が、メラミン系樹脂成形用組成物の前述したような
好ましい諸性質に悪影響を与えることなしに、適切な円
板流れ特性及び適切な最小賦型圧特性で示される優れた
成形適性を有し、且つ両立させ難い改質剤のブリード・
アウト防止性と成形時離型性とを優れた改善効果をもつ
て兼備し、更に、通常特に色むらが生じ易い彩色成形物
においても色むらの発生のない優れた外観性を保持した
メラミン系樹脂成形用組成物となることを発見し、本発
明を完成した。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明のメラミン系樹脂成形用組成物は、下記(a)
及び(b)、 (a)メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂100重量部に
対して、 (b)下記一般式 C(CH2OH)2+n(CH2R)2-n …………で表わされるポリオール化合物とC10〜C20の飽和もしく
は不飽和の直鎖高級脂肪酸とのエステルを0.07〜3重量
部、 を含んでなることを特徴とするメラミン系樹脂成形用組
成物、 である。 以下、本発明について一層詳細に説明する。 上記構成要件(a)のメラミン/ホルムアルデヒド系
樹脂としては、メラミンとホルムアルデヒドとを反応せ
しめて得られるメラミン/ホルムアルデヒド樹脂;メラ
ミン、ホルムアルデヒド及びこれらと共縮合可能なメラ
ミン共縮合用成分を反応せしめて得られるメラミン/ホ
ルムアルデヒド系共縮合樹脂;該メラミン/ホルムアル
デヒド樹脂及び/又は該メラミン/ホルムアルデヒド系
共縮合樹脂に対して、これら以外の熱硬化性もしくは熱
可塑性樹脂よりなるブレンド用樹脂成分をブレンドした
メラミン/ホルムアルデヒド系ブレンド樹脂を挙げるこ
とができる。 上記メラミン共縮合用成分としては、例えば、尿素、
チオ尿素、エチレン尿素等の尿素類;ベンゾグアナミ
ン、アセトグアナミン、ホルムグアナミン、フエニルア
セトグアナミン、CTUグアナミン等のグアナミン類;及
びグアニジン、ジシアンジアミド、パラトルエンスルホ
ンアミド等のその他のアミノ化合物;フエノール、クレ
ゾール、キシレノール、エチルフエノール、ブチルフエ
ノール、ビスフエノールA等のフエノール類;キシレ
ン、サツカロース等のその他のメラミン共縮合用化合
物;等を挙げることができ、これらの成分は併用して差
支えない。 前記ブレンド樹脂成分としては、例えば、尿素系樹
脂、グアナミン系樹脂、フエノール系樹脂(ノボラツク
型、レゾール型)、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、アル
キツド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹
脂;塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系
樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等の熱可塑性
樹脂等を挙げることができる。 前記のメラミン共縮合樹脂においては、得られる成形
品の表面硬度、耐光(候)性、耐熱性、耐汚染性等の観
点から、メラミンに対する前記メラミン共縮合成分の比
率は、モル比で約0.7以下で且つ重量比で約1以下であ
ることが好ましく、また、メラミン系ブレンド樹脂にお
けるメラミン樹脂及び/又はメラミン共縮合樹脂に対す
るブレンド用樹脂成分の重量比は、同様の観点から約1
以下であることが好ましい。 前記のメラミン樹脂又はメラミン共縮合樹脂は、メラ
ミン単独又はメラミンと前記メラミン共縮合用成分の合
計量1モルに対して、ホルムアルデヒド約1〜約3モル
反応させるのが好ましく、約1.4〜約2.5モル反応させる
のが特に好ましい。上記モル比が上記範囲の上限値を超
えると、成形品が脆くなる傾向にあり、耐クラツク性等
の性質が低下する場合があり、また上記モル比が上記範
囲の下限値未満の場合は、得られるメラミン系樹脂成形
材料の硬化速度が低下する傾向にあり、また該メラミン
系成形物の「ハダ」の状態も悪くなる場合がある。 なお、上記の、ホルムアルデヒドと呼称するのは、例
えばパラホルムアルデヒド等のような、前記メラミン及
びメラミン共縮合用成分との反応に際して、実質的にホ
ルムアルデヒドとして作用する化合物を包含する呼称で
ある。 また、前記ホルムアルデヒドは、その一部をホルムア
ルデヒド以外のアルデヒド成分、例えばアセトアルデヒ
ドの如き脂肪族アルデヒド類;ベンズアルデヒドの如き
芳香族アルデヒド類;フルフラール;その他前記メラミ
ン及びメラミン共縮合用成分と反応し得るアルデヒド化
合物によつて置き換えることができる。 上記のホルムアルデヒド以外のアルデヒド成分の量
は、メラミン及びメラミン共縮合用成分との反応性及び
得られるメラミン樹脂及びメラミン共縮合樹脂の硬化速
度等の観点より、ホルムアルデヒド1モルに対して約0.
5モル以下であることが好ましい。 このようなメラミン/ホルムアルデヒド系樹脂の中、
本発明に用いる樹脂としては、メラミン/ホルムアルデ
ヒド樹脂、メラミン・フエノール/ホルムアルデヒド共
縮合樹脂、メラミン・尿素/ホルムアルデヒド共縮合樹
脂、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂にノボラツクフエ
ノール樹脂をブレンドしてなるブレンド樹脂、メラミン
/ホルムアルデヒド樹脂に尿素/ホルムアルデヒド樹脂
をブレンドしてなるブレンド樹脂が好ましく、メラミン
/ホルムアルデヒド樹脂が最も好ましい。 前記構成要件(b)の構成成分である一般式 C(CH2OH)2+n(CH2R)2-nのポリオール化合物においては、
nの値いが0,1又は2、好ましくは1又は2の整数で、
且つRが水素又はC1〜C3のアルキル基、好ましくは水素
又はメチル基である。このような化合物としては、例え
ば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、
ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン等が例
示でき、これらの中でも、本発明に用いて特に優れた改
善効果を達成するトリメチロールプロパン、ペンタエリ
トリトール、トリメチロールエタンが好ましく、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリトリトールが更に好まし
い。 また、構成要件(b)の他の構成成分である直鎖高級
脂肪酸としては、一般に、C6〜C25の飽和もしくは不飽
和の高級脂肪酸が使用できる。これらの高級脂肪酸の
中、本発明の卓越した効果、即ち円板流れ特性、最小賦
型圧特性、ブリード・アウト防止性及び色むら防止性の
優秀さの観点からC10〜C20の飽和もしくは不飽和の直鎖
高級脂肪酸を用いるのが好ましい。このような直鎖高級
脂肪酸としては、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、アラキジン酸等が例示でき、就中、オレイン酸が好
ましい。構成要件(b)のエステルとしては、前記のポ
リオール化合物と上記の高級脂肪酸とよりなる部分エス
テルおよび完全エステルの中から適宜選択して用いるこ
とができる。しかしながら、本発明の、前記の如き卓越
した効果の達成し易さの観点より、該ポリオール化合物
と該高級脂肪酸との完全エステルの使用が好ましい。 これらのエステルとしては、例えば、トリメチロール
プロパントリラウレート、トリメチロールプロパントリ
ミリステート、トリメチロールプロパントリパルミテー
ト、トリメチロールプロパントリステアレート、トリメ
チロールプロパントリオレート;ペンタエリトリトール
テトララウレート、ペンタエリトリトールテトラミリス
テート、ペンタエリトリトールテトラパルミテート、ペ
ンタエリトリトールテトラステアレート、ペンタエリト
リトールテトラオレート等を挙げることができ、トリメ
チロールプロパントリオレート、ペンタエリトリトール
テトラオレエートが好ましく、トリメチロールプロパン
トリオレートが特に好ましい。 構成要件(b)である上記のポリオール化合物と高級
脂肪酸とのエステルの使用量は、構成要件(a)のメラ
ミン/ホルムアルデヒド系樹脂100重量部に対して、0.0
7〜3重量部である。該使用量が3重量部を超えて過剰
にすぎると、ブリード・アウト防止性及び色むら防止性
が不満足なものになる傾向にあり、また0.07重量部未満
では実質的な効果が現れ難く、好ましくない。 本発明のメラミン系樹脂成形用組成物は、通常、前記
構成要件(a)のメラミン/ホルムアルデヒド系樹脂と
構成要件(b)のポリオール化合物と直鎖高級脂肪酸と
のエステルの他に、この技術分野において慣用のパルプ
を含有するのが普通である。上記パルプとは、通常、
紙、化学繊維、セルローズ系プラスチツク等の原料にな
る、セルロース原料から導かれたα−セルロースを主成
分とする鎖状高分子をいい、一般に工業的には木材、リ
ンタを処理したセルロース原料から製した繊維が用いら
れる。 該パルプの配合量は、円板流れ特性及び最小賦型圧特
性などの成形適性、成形品の機械的強度等の観点から前
記メラミン系樹脂100重量部に対して約20〜約80重量部
程度の使用量で配合されるのが普通である。 パルプの配合量が20重量%未満の過少量にすぎると、
特に曲げ強さが低下する傾向にあり、80重量部を超えて
過剰量すぎる場合には、上記成形適性等が低下する場合
があるので上記例示量範囲で利用するのがよい。好適に
は前記メラミン系樹脂100重量部に対して約30〜約60重
量部の使用量を例示することができる。 また、本発明のメラミン系樹脂成形用組成物は、該組
成物の性能を阻害しない程度において、所望する目的に
応じて、他の適宜な添加剤を含有することができる。 このような添加剤の例としては、例えば、ロツクウー
ル、ガラス繊維、合成繊維、炭酸カルシウム、タルク、
クレー、シリカ等の如き有機又は無機充填剤;例えば、
無水フタル酸、p−トルエンスルホン酸、シユウ酸ジメ
チル、シユウ酸ジベンジル、フタル酸ジメチル、ベンゾ
イルパーオキサイド、エピクロルヒドリン、p−トルエ
ンスルホン酸トリエタノールアミン塩、2−アミノエチ
ルスルホン酸、塩酸ジメチルアニリンスルホン酸、シユ
ウ酸メラミン、塩化アンモン、リン酸アンモニウム、リ
ン酸トリメチル、アセトアミド、オキザミド等の如き硬
化触媒類;例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、
ベンガラ、紺青、硫酸バリウム、鉄黒、群青、カーボン
ブラツク、リトポン、チタンイエロー、コバルトブル
ー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、レーキレツ
ド、アニリンブラツク、ジオキサジンバイオレツト、キ
ナクリドンレツド、キナクリンドンバイオレツト、ナフ
トールイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニ
ングリーン、などの如き無機もしくは有機顔料類;例え
ば、ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ステアリン
酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ブチルステ
アレート、ステアリルステアレート、ジオクチルフタレ
ート、ジブチルフタレート、ステアリン酸アミド、ε−
カプロラクタム、オレイン酸アミド、リノール酸アミ
ド、ステアリルアルコール、ポリオキシエチレンステア
レート、グリセリン、ポリエチレングリコールモノオレ
ート、などの如き滑剤又は可塑剤;を例示することがで
きる。 本発明に係るメラミン系樹脂成形用組成物は、例え
ば、次に述べる如き所謂ウエツト法で好適に調製するこ
とができる。 例えばカーバイド法、尿素法などそれ自体公知の方法
で製造できる所謂メラミンクリスタル粉末1モルに対し
て、例えば濃度36%のホルマリン水溶液及び/又はパラ
ホルムアルデヒドの如き形で、ホルムアルデヒド約1〜
約2.5モル程度の反応モル割合で、水性媒体中、pH約7
〜約9程度で反応させて得られるメラミン樹脂液、例え
ば、樹脂固形分濃度約40〜約60重量%程度のメラミン樹
脂液にパルプ(α−セルロース)を、該メラミン樹脂液
の固形分100重量部に対して、たとえば約30〜約60重量
部となるように加え、更に例えば、トリメチロールプロ
パントリオレートなどの前記一般式で表わされるポリ
オール化合物と直鎖高級脂肪酸とのエステルを該メラミ
ン樹脂液の固形分100重量部に対して0.07〜3重量部に
なるように配合し、混練し、たとえば約70°〜約100℃
程度の温度で乾燥して、たとえば、径が約3cm〜約0.5cm
程度の所謂ポツプコーンとし、これを粉細処理して得ら
れるポツプコーン粉細処理物の形で得ることができる。 上記粉細処理は、例えば、衝撃式ハンマーミル、ボー
ルミル、振動ミル、タワーミルの如き手段で行うことが
できる。望むならば、たとえば衝撃式ハンマーミルで予
備粉砕処理したのち、更にボールミル、振動ミル、タワ
ーミルの如き手段で微粉細処理して行うこともできる。
市販のパルプ及びメラミン樹脂含有成形用粉末も利用で
き、所望により市販成形用粉末を更に粉砕処理して利用
することもできる。 前記ポツプコーン形成の際の混練手段としては、ニー
ダー、コニーダーなどが利用でき、又乾燥手段として
は、熱風乾燥、バンドドライヤー乾燥、流動乾燥などを
例示することができる。 なお、本発明メラミン系樹脂成形用組成物の形態は適
宜に選択でき、微細に粉末処理した粉末に限るものでは
なく、顆粒状であつても一向に差支えなく、成形に用い
ることができる粒度のものであればいづれの形態のもの
でも差支えない。 以上のようにして得た本発明メラミン系樹脂成形用組
成物は、一旦、押圧機、加熱ロール機などで加熱混練
し、得られる成形用予備組成物を再粉砕し、成形時等の
取り扱いに適するような粒度範囲にしたメラミン系樹脂
成形用組成物として使用するのが好ましい。 この際、上記の加熱混練において、押圧機としては特
に制限なく適宜選択したものを用いることができ、例え
ば、一軸押圧機、二軸押圧機などを例示することができ
る。圧縮比、温度は適宜に選択でき、例えば1.1〜3の
圧縮比、約50〜約130℃の如き温度条件を例示すること
ができる。押圧機の押出端は開放型、スクリーン状ダイ
ス型などの任意の形式であつてよく、又、二軸押出機は
同方向2軸型でも異方向2軸型のいずれであつてもよ
い。また、加熱ロール機のタイプも適宜に選択できる。 加熱混練で得られた成形用予備組成物の再粉砕として
は、再粉砕品を形成できる任意の再粉砕手段を利用して
行うことができる。所望により、篩分け手段を併用する
ことができる。このような再粉砕に利用する粉砕機の例
としては、衝撃式粉砕機、ハンマーミル、アトマイザ
ー、ピンミル、ロールミル、パルペライザーなどを例示
できる。 かくして得られた再粉砕品は、特に成形時等の取り扱
いの容易性などから粒度が、好ましくは、JIS篩で10メ
ツシユ篩通過で且つ100メツシユ篩不通過のものが、80
重量%以上、更に好ましくは85重量%以上のものがよ
い。また、加熱混練の条件が80〜120℃で10〜30秒のも
のがメラミン系樹脂成形用組成物として卓越した性能を
発揮するのでよい。該メラミン系樹脂組成物は、優れた
自動計量適性をも示す。 本発明によるメラミン系樹脂成形用組成物は、圧縮成
形、トランスフアー成形、射出成形等、従来周知の方法
により成形することができる。また、該メラミン系樹脂
組成物は、圧縮成形等による多色成形、模様付成形、表
面コーテイング成形等の多段成形にも好適に用いること
ができる。 〔実施例及び試験法〕 以下、比較例と共に実施例を挙げて本発明の数態様に
ついて更に詳しく説明する。 尚、円板流れ特性、最小賦型圧特性、ブリード・アウ
ト防止性、色むら防止性及び耐熱性のテスト方法及び評
価は、以下のとおりである。 (1)円板流れ特性試験 JIS・K6911の5.3.2項に示される円板式試験用金型を
用いて試料5gを金型温度150±3℃に保つた金型のほぼ
中央部に内径約50mm、高さ約10mm金属製円筒を用いて試
料が円すい状になるように入れ、15秒以内に荷重2000kg
f及び加圧時間2分で圧縮成形する。 成形した円板の光沢部分の長径及び短径を寸法測定器
で1mmまで測り、その平均値を算出し、試料の伸び(m
m)とする。 (2)最小賦型圧特性の試験 JIS・K6911の5.4項に示される成形性試験金型を用い
て、金型温度150℃/150℃、型締に要する時間15秒、予
熱なし、ガス抜きなしの条件で最小賦型圧力を求める。
最小賦形圧力とは成形品、特にエツジ部にかすれやクラ
ツクを生じない最低の圧力を云い、5kg/cm2単位で圧力
を変え成形を数回繰返して求める。 (3)ブリード・アウト防止性 寸法70×60×3mmのテストピースを金型温度165℃/165
℃、成形圧力200kg/cm2、硬化時間90秒の条件で成形
し、成形品を取り出した後、上型をはずし、その表面の
鏡面光沢度を測定する。光沢度の測定は、JIS Z8741に
準じて行なう。よく清浄した上金型メツキ面の鏡面光沢
度に対する材料成形後の鏡面光沢度の百分率をもつてブ
リード防止性の評価とする。 (4)色むら防止性 高周波予熱器により115℃に予熱した成形材料150g
を、200T油圧プレス、金型温度165℃の9インチ平皿金
型に供給し、上下の金型間隔が5mm又は10mmになつたと
ころで、各々、0,2,4,6,8,10秒間静止し、その後ただち
に加圧しゲージ圧力40kg/cm2で2秒間圧力を保持したの
ち脱ガスを行なう。次いで再度加圧し、ゲージ圧力100k
g/cm2で65秒間硬化させたのち、成形品をとり出し、放
冷する。この様に成形された同一材料の成形品12枚の、
表面の色むらの状態を目視にて評価し、色ムラの無い成
形品の数をもつて評価の点数とする。 (5)耐熱性試験 JIS.K6911の5.23項の「加熱後の外観」試験に準じて
行なう。 メラミン系樹脂成形用組成物を、金型温度160℃/160
℃、成形時間3分間、予熱なしの条件で直径50±1mm、
厚さ3±0.2mmの円板を成形する。かくして得た試験片
を一定温度に保つた恒温槽の中の温度計の近くにつる
し、2時間たつてから取り出し、ひび割れ、ふくれなど
著しい外観変化があるかどうかを調べる。上記試験を温
度を変えて行ない、著しい外観変化の起こらない範囲の
最高温度をもつて耐熱性の値いとする。 実施例1 メラミン(油化メラミン(株)製;油化メラミン)12
60g(10モル)、37%濃度のホルマリン水溶液1379g(17
モル)および水900gを還流冷却器付きフラスコに入れ、
F/M=1.7の条件で攪拌しつつ90℃で加熱反応した。メラ
ミン樹脂液の白濁点が60℃になつたとき0.8gのNaOHを入
れ冷却しメラミン樹脂初期縮合物を得た。反応終末の目
安すに用いた白濁点とは、5mlの樹脂液を採取し、これ
に約80℃の熱水45mlを加え攪拌し冷却させる際に白濁が
生ずる時の温度をいう。 かくして得られたメラミン樹脂初期縮合物(固形分約
50重量%)2800gに、パルプ600g(メラミン/ホルムア
ルデヒド系樹脂の固形分100重量部に対して約43重量
部)を加え、更にトリメチロールプロパントリオレート
1.4g(メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂の固形分100
重量部に対して0.1重量部)を加え、ニーダーで混練し
たのち、この混練物を90℃で90分間熱風乾燥機で乾燥
し、ポツプコーンを得た。 このポツプコーン500gに無水フタール酸0.5g、ステア
リン酸亜鉛2.5gを加え、更に着色剤としてウオツチング
レツドMn 4gを加えてポツトミルで8時間粉砕して濃赤
色成形物用のメラミン系樹脂成形用組成物の粉末を得
た。 上記の成形用組成物の粉末を、次いで冷間ロール圧縮
機で冷間ロール圧縮成形物とした。冷間ロール圧縮は、
直径250mm、幅200mmのロールを用い成形用原料粉末供給
速度を300kg/hrとし、ロール回転数20r.p.m.、ロール加
圧ポンプ圧力150kg/cm2、ロールクリアランス0.5mm条件
で冷間ロール圧縮成形物を得た。 該冷間ロール圧縮成形物を粗砕したのち、スクリーン
径2mmφの衝撃式粉砕機を用い粉砕しメラミン系樹脂成
形用組成物を得た。 上記組成物を用いて、前記試験法(1)〜(5)に従
つて物性試験を行つた。試験結果を表1に示す。この結
果より実施例1のメラミン系樹脂成形用組成物は、適切
な円板流れ特性及び適切な最小賦型圧特性を有してお
り、且つ優れたブリード・アウト防止性及び優れた色む
ら防止性を兼備していた。また上記組成物より得られる
成形品は、耐熱性にも優れていた。 実施例2〜4及び比較例1,2 実施例1において、トリメチロールプロパントリオレ
ートの添加量のみを変えてメラミン系樹脂成形用組成物
を作成し、同様に物性試験を行つた。得られたメラミン
系樹脂成形用組成物の成分及び試験結果を第1表に示
す。 実施例5及び6 実施例1において、トリメチロールプロパントリオレ
ートの量を9.8g(メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂の
固形分100重量部に対して0.7重量部)にし、且つ、着色
剤としてウオツチングレツドMn 4gを用いる代りにベン
ジジンエロー4g(実施例5)、又は、フタロシアニンブ
ルー4g(実施例6)を用いて色の異なるメラミン系樹脂
成形用組成物を作成し、同様に物性試験を行なつた。得
られたメラミン系樹脂成形用組成物の成分及び試験結果
を第1表に示す。 実施例7 実施例1において、トリメチロールプロパントリオレ
ート1.4g用いる代りに、トリメチロールプロパントリス
テアレート9.8g(メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂の
固形分100重量部に対して0.7重量部)用いてメラミン系
樹脂成形用組成物を作成し、同様に物性試験を行なつ
た。得られたメラミン系樹脂成形用組成物の成分及び試
験結果を第1表に示す。 実施例8 実施例1において、トリメチロールプロパントリオレ
ート1.4g用いる代りに、ペンタエリトリトールテトラオ
レート9.8g(メラミン/ホルムアルデヒド系樹脂の固形
分100重量部に対して0.7重量部)用いてメラミン系樹脂
成形用組成物を作成し、同様に物性試験を行なつた。得
られたメラミン系樹脂成形用組成物の成分及び試験結果
を第1表に示す。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.下記(a)及び(b) (a)メラミン/ホルムアルデホド系樹脂100重量部に
対して、 (b)下記一般式 C(CH2OH)2+n(CH2R)2-n ……………… (但し、式中Rは水素又はC1〜C3のアルキル基を表しn
は0,1又は2の整数を表す。) で表されるポリオール化合物と、C10〜C20の飽和もしく
は不飽和の直鎖高級脂肪酸とのエステルを0.07〜3重量
部、を含んでなることを特徴とするメラミン系樹脂成形
用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62258274A JP2684555B2 (ja) | 1987-10-15 | 1987-10-15 | メラミン系樹脂成形用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62258274A JP2684555B2 (ja) | 1987-10-15 | 1987-10-15 | メラミン系樹脂成形用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01101359A JPH01101359A (ja) | 1989-04-19 |
JP2684555B2 true JP2684555B2 (ja) | 1997-12-03 |
Family
ID=17317967
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62258274A Expired - Fee Related JP2684555B2 (ja) | 1987-10-15 | 1987-10-15 | メラミン系樹脂成形用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2684555B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53125448A (en) * | 1977-04-08 | 1978-11-01 | Miyoshi Yushi Kk | Resin composition |
-
1987
- 1987-10-15 JP JP62258274A patent/JP2684555B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01101359A (ja) | 1989-04-19 |
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