JP3328668B2 - 紙葉類繰出装置および取引処理装置 - Google Patents

紙葉類繰出装置および取引処理装置

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JP3328668B2
JP3328668B2 JP20791895A JP20791895A JP3328668B2 JP 3328668 B2 JP3328668 B2 JP 3328668B2 JP 20791895 A JP20791895 A JP 20791895A JP 20791895 A JP20791895 A JP 20791895A JP 3328668 B2 JP3328668 B2 JP 3328668B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば紙幣等の紙葉
類を取扱う自動取引機に内部構成されるような紙葉類の
繰出装置に関し、さらに詳しくは紙葉類の繰出管理性能
に富む紙葉類繰出装置および取引処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の紙葉類繰出装置は、繰
出始動された紙葉類の繰出状態を一枚ずつ検知確認しな
がら紙葉類を繰出動作している。このとき、スキュ、連
出し、空出し、搬送間隔不良、サイズ不良、幅方向への
偏位等の繰出し異常が認められると、直ちにリジェクト
処理または返却処理している。これにより、後段への悪
影響を回避して紙葉類の集積動作、振分け動作、搬送動
作、表裏反転動作を円滑にし、異常紙葉類発生に伴うジ
ャム(紙詰り)の発生を未然に防いでいる(例えば先行
出願の特願平2ー313714号参照)。
【0003】しかし、このような検知手段は繰出装置の
後段に配置されて紙葉類の繰出後を検知確認し、しかも
繰出された異常紙葉類はそのまま返却処理位置まで長く
搬送され、この搬送過程で振分け処理や集積処理を受け
るなどジャム発生率が高くなっていた。また、続いて次
に繰出される2枚目の紙葉類も悪影響を受けて同様にジ
ャム発生率が高くなっていた。
【0004】さらに、紙葉類の空出し発生時には、一定
時間繰出動作を実行するようにしているが、異常原因が
不明のまま一定時間繰出動作するので、かえってジャム
を誘起したり、紙葉類の損傷や装置の寿命を短縮させる
ことがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、紙
葉類の繰出時に繰出異常要素を検出することにより、異
常要素に速やかに対処して、高繰出性能を有する紙葉類
繰出装置および取引処理装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、紙葉類を繰
出動作する繰出手段を備えた紙葉類繰出装置であって、
上記繰出手段に加わる力の変化をトルク値で検知する
ルク検知手段と、上記トルク検知手段が検知したトルク
のピーク値を出力するピーク出力波形と正常な出力波形
とを比較分析する波形解析手段と、上記ピーク出力波形
のピーク値を出力する周波数であるピーク周波数と正常
なピーク周波数とを比較分析する周波数解析手段と、前
記波形解析手段と前記周波数解析手段とから紙葉類の繰
出異常となる異常種類異常原因を推定する繰出異常
手段とを備えた紙葉類繰出装置であることを特徴とす
る。
【0007】この発明は、上述の紙葉類繰出装置を備え
て取引処理する取引処理装置を構成することができる。
【0008】
【作用】この発明によれば、繰出手段が紙葉類を繰出た
とき、この繰出手段に加わる力の変化をトルク検知手段
が検知して、そのトルクのピーク値のピーク出力波形と
正常な波形とを波形解析手段で比較分析し、さらに、上
述のピーク出力波形のピーク値のピーク周波数と正常な
ピーク周波数とを周波数解析手段で比較分析して、これ
らの比較分析から繰出異常推定手段が紙葉類の繰出異常
となる異常種類や異常原因を推定する。
【0009】このような紙葉類繰出装置を備えた取引処
理装置で紙葉類を取引処理する。
【0010】
【発明の効果】この結果、紙葉類の繰出開始時点で紙葉
類の繰出異常があれば、その異常種類や異常原因を解析
して推定することができるため、異常の種類や原因に最
も適した方法で対処でき、しかも、この繰出開始時点で
復旧動作を施して繰出異常要素を繰出開始時点で解消で
きる。したがって、後段の搬送路には全ての紙葉類を適
正な状態で搬送供給でき、ジャム発生要素を解消して紙
葉類処理系のダウンを回避することができ、信頼性の高
い安定した繰出が得られる。
【0011】また、紙葉類繰出時に繰出手段にかかる力
の変化状態から紙葉類に対する繰出異常要素を推定する
検知構成のため、繰出異常の発生原因を細分化して特定
でき、この異常発生原因の特定に基づいて、現時点の繰
出条件に応じた最適な復旧動作を選択して復旧すること
ができる。このような正確な検知情報が繰出毎に得られ
るため、紙葉類の種類、流通度合いによって変化する紙
葉類毎の最適な繰出条件に調整して運用中に自己修正し
ながら繰出すことができる。さらに、紙葉類繰出装置を
取引処理装置に内部構成した場合は、繰出性能が安定し
て信頼性の高い紙葉類の取引処理ができる。
【0012】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図1は銀行等の金融機関に設置される自動預金
支払機(ATM)11を示し、このATM11は装置本
体の上部前面に、顧客に取引操作を表示案内するタッチ
パネル兼用のCRT12と、通帳挿入口13と、カード
挿入口14と、硬貨入出金口15と、紙幣入出金口16
と、取扱い表示器17とを備えて、入金、出金、振込
み、通帳記入、残高照会の取引を許容している。
【0013】図2はATM11の制御回路ブロック図を
示し、CPU21はROM22に格納されたプログラム
に沿って各回路装置を制御し、その制御データをRAM
23で読出し可能に記憶する。
【0014】上述のCPU21は、インターフェース2
4を介してCRT12、通帳処理部25、カード処理部
26、硬貨処理部27、紙幣処理部28、明細票処理部
29、ジャーナル処理部30、センタ通信処理部31、
遠隔監視装置(CRMC)通信処理部32、係員パネル
処理部33を接続している。
【0015】このうち、CRT12は各種の取引表示案
内とその操作手順を表示し、また画面上に表示した表示
部分と対応してタッチ入力許容するタッチ入力機能を有
している。
【0016】通帳処理部25は、通帳挿入口13に挿入
された通帳の取引データを読取り、また更新データを書
込み処理し、通帳の印字欄には取引データや未記帳デー
タの記帳処理を行ない。さらに、取引終了および取消し
時に通帳を通帳挿入口13に返却する。
【0017】カード処理部26は、カード挿入口14に
挿入されたキャッシュカードの取引データを読取り、ま
た更新データを書込み処理し、取引終了および取消し時
にカードをカード挿入口14に放出する。
【0018】硬貨処理部27は、硬貨入出金口15に投
入された硬貨を内部に取込んで受付け処理し、出金時お
よび入金取消し時に硬貨を硬貨入出金口15より放出す
る。
【0019】紙幣処理部28は、紙幣入出金口16に投
入された紙幣を内部に取込んで受付け処理し、出金時お
よび入金取消し時に紙幣を紙幣入出金口16より放出す
る。
【0020】明細票処理部29は、入出金取引や残高照
会等の各種の取引内容の取引データを記載した明細票を
取引毎に発行する。
【0021】ジャーナル処理部30は、明細票を発行す
る毎に同記録内容のジャーナル(控え伝票)を装置内部
に保存する。
【0022】センタ通信処理部31は、編集した入出金
要求電文、記帳要求電文等をセンタ34に送信し、この
センタ34から送られてきた入出金回答、記帳データ等
の自動取引データを受信処理する。
【0023】遠隔監視装置(CRMC)通信処理部32
は、ATM11の検出データをCRMCに送信し、CR
MCから返信されてきた応答データを受信処理する。
【0024】係員パネル処理部33は、ATM内部に備
えられる係員パネルを取扱って紙幣や硬貨の着脱操作、
分配/精査処理および障害復旧や保守点検等の係員操作
を実行させる。
【0025】図3はATM11に内部構成される紙幣処
理装置35を示し、この紙幣処理装置35は紙幣入出金
口16と連通する内方に、搬送ラインLを介して一時保
留部36と、運用カートリッジ37と、金種別の各スタ
ッカ38a〜38cと、紙幣回収部39等を搬送接続
し、また出金指定された金種および枚数を金種別の各ス
タッカ38a〜38cから繰出すように構成している。
【0026】図4および図5は紙幣の出入れ操作位置に
装備される紙幣繰出装置41を示し、この紙幣繰出装置
41は例えばスタッカ38aから繰出される紙幣Aの繰
出経路42に沿って配設される左右の初期繰出用のピッ
クアップローラR1 ,R2 と、左右のフィードローラR
3 ,R4 と、左右のゲートローラR5 ,R6 と、左右の
繰出検知センサS1 ,S2 と、左右の押圧力調整機構4
3,44と、左右の隙間調整機構45,46とから構成
される。
【0027】上述のスタッカ38aは、紙幣押圧板47
で、積層された紙幣Aを下方より上方に押圧付勢し、こ
の押圧付勢された上方対向位置に、左右に分割されたピ
ックアップローラR1 ,R2 を配設し、両ピックアップ
ローラR1 ,R2 に積層された紙幣Aが押圧付勢されて
受止められ、受止められた最上面の紙幣Aが、これらロ
ーラR1 ,R2 により一枚繰出可能な接触対応状態で待
機されている。
【0028】これら左右のピックアップローラR1 ,R
2 の駆動に際しては、ピックアップローラ用パルスモー
タM1 からの回転伝達力を、繰出幅方向に架設した回転
軸48および両伝達ベルトB1 ,B2 を介して該両ロー
ラR1 ,R2 に駆動伝達し、これら両ローラR1 ,R2
を回転駆動することにより、スタッカ38aから順次上
面の紙幣Aを初期繰出動作する。
【0029】また、これら左右のピックアップローラR
1 ,R2 に対しては、左右の付勢バネ49,50により
押圧アーム51,52を介して該両ローラR1 ,R2 を
紙幣接触用に下向きに押圧付勢している。
【0030】そして、繰出経路42の繰出位置には、周
面の一部に一回転で一枚出しを実行するためのゴム材等
の高摩擦部材53を装着した左右のフィードローラR3
,R4 と、繰出方向の回転を規制する一枚出し制御用
の左右のゲートローラR5 ,R6 とを対設させ、またこ
れらローラR3 〜R6 は分離促進用に凹凸対応させたオ
ーバラップ形にして紙幣Aを一枚ずつ繰出すようにして
いる。
【0031】またこれら左右のフィードローラR3 ,R
4 の駆動に際しては、フィードローラ用パルスモータM
2 からの回転伝達力を、繰出幅方向に架設した回転軸5
4を介して該両ローラR3 ,R4 に駆動伝達している。
【0032】上述の左右の隙間調整機構45,46は、
左右同機構を有し、一側の隙間調整機構45を例にとっ
て説明すると、ゲートローラR5 を傾動許容して支持す
る傾動レバー55と、この傾動レバー55の傾動量を調
節してゲートローラR5 とフィードローラR3 間のオー
バラップ量を調整する伸縮調整軸56とを備えて構成す
る。
【0033】上述の傾動レバー55はト形状を有し、こ
の中間部のト形突片57に既述したゲートローラR5 を
枢着し、傾動レバー55の上端枢支部58を傾動支点に
ゲートローラR5 を傾動許容して支持し、また傾動レバ
ー55の下端に接続した付勢バネ59の付勢作用によ
り、ゲートローラR5 をフィードローラR3 側に付勢支
持している。
【0034】上述の伸縮調整軸56は図示しないアクチ
ュエータにより伸縮可動し、傾動レバー55とフレーム
60間を接続し、このフレーム60を基点に傾動レバー
55側を進退移動させて、ゲートローラR5 とフィード
ローラR3 との対向隙間を微調整する。
【0035】また、左右のピックアップローラR1 ,R
2 に対応する左右の押圧アーム51,52には、ピック
アップローラ用歪検知センサS3 ,S4 を取付けて、紙
幣繰出時に両側のピックアップローラR1 ,R2 に加わ
る力の変化を同ピックアップローラ用歪検知センサS3
,S4 の出力波形から検出して繰出適否を判定する。
【0036】同じく、左右のゲートローラR5 ,R6 に
対応する左右の傾動レバー55,55には、ゲートロー
ラ用歪検知センサS5 ,S6 を取付けて、紙幣繰出時に
ゲートローラR5 ,R6 に加わる力の変化を同ゲートロ
ーラ用歪検知センサS5 ,S6 の出力波形から検出して
繰出適否を判定する。
【0037】さらに、ピックアップローラの回転軸48
にトルク検知センサS7 を取付けて、紙幣繰出時にピッ
クアップローラR1 ,R2 の回転軸48に加わる力の変
化を同トルク検知センサS7 の出力波形から検出して繰
出適否を判定する。
【0038】図6は紙幣繰出装置41の制御回路ブロッ
ク図を示し、CPU61はROM62に格納されたプロ
グラムに沿って各回路装置を制御し、その制御データを
RAM63で読出し可能に記憶する。
【0039】CPU21は紙幣繰出時にモータドライバ
回路64,65を介して各々のパルスモータM1 ,M2
を駆動し、またこの繰出時の各検知センサS1 〜S7 の
検知信号をA/D変換回路66〜72を介して検知し、
またタイマTによりピックアップローラR1 ,R2 の回
転駆動時間を計時する。
【0040】ところで、既述した検知センサS1 〜S7
で紙幣Aの繰出適否を検知した時、繰出不適の場合は、
さらにその異常内容を明確に検知判定できるように、ピ
ックアップローラ用歪検知センサS3 ,S4 と、ゲート
ローラ用歪検知センサS5 ,S6 と、トルク検知センサ
S7 との各出力波形から異常内容を細分化して検知判定
する。
【0041】これは図7のタイムチャートに示すよう
に、各検知センサS3 〜S7 の出力波形を正常波形と比
較し、基準許容範囲を外れている場合は異常発生の恐れ
があると判定し、さらに各検知センサS3 〜S7 の波形
解析や周波数解析の特徴から繰出異常となる異常種類や
異常原因を推定する。
【0042】例えば、図7中のトルク検知センサS7 の
基準出力波形71に対し、破線で示すように、このトル
ク検知センサS7 の出力波形からピックアップローラR
1 ,R2 の繰出負荷が高いままであることを検知する
と、図8〜図10に示すように、紙幣が2つ折りされた
高繰出負荷の半折れ紙幣Aの繰出状態と推定し、またこ
のときは半折れ紙幣Aの繰出に伴って変形や破れおよび
2枚出しが発生すると推定する。
【0043】さらに、図11に示すように、ピックアッ
プローラR1 ,R2 の停止タイミングが遅いことを検知
すると、紙幣繰出間隔が十分にとれず、1枚目に続いて
2枚目が連続して繰出され、1枚目に衝突して座屈変形
紙幣Aを発生すると推定する。逆に、図12に示すよう
に、ピックアップローラR1 ,R2 の停止タイミングが
早いことを検知すると、一枚目の紙幣の繰出を阻害する
裾踏み紙幣Aの繰出を発生すると推定する。
【0044】また、図7中の右ゲートローラ用歪検知セ
ンサS5 の基準出力波形72に対し、破線で示すよう
に、この右ゲートローラ用歪検知センサS5 の出力波形
から繰出初期時に右ゲートローラR5 の押圧力が急激に
高くなることを検知すると半折れ紙幣Aが発生すると推
定し、また繰出終期時に同右ゲートローラR5 の押圧力
が急激に高くなることを検知すると、図13に示すよう
に、連出し紙幣Aが発生すると推定する。
【0045】以下、同様に図7中の左ゲートローラ用歪
検知センサS6 の基準出力波形73に対し、破線で示す
ように、この左ゲートローラ用歪検知センサS6 の出力
波形から繰出初期時に左ゲートローラR6 の押圧力を検
知しなければ、その間にスキュが発生すると推定し、繰
出終期時に同左ゲートローラR6 の過剰押圧力を検知す
ると、図8〜図11に示すように、高繰出負荷の半折れ
紙幣Aの繰出状態と推定、あるいはローラ間の隙間異常
や変形や破れによる紙幣自体の異常と推定する。
【0046】さらに、図7中の右ピックアップローラ用
歪検知センサS3 の基準出力波形74に対し、この右ピ
ックアップローラ用歪検知センサS3 の出力波形が一致
すれば、適切な押圧力が作用して安定した繰出が行われ
ると推定する。
【0047】これに対し、図7中の左ピックアップロー
ラ用歪検知センサS4 の基準出力波形75に対し、破線
で示すように、この左ピックアップローラ用歪検知セン
サS4 の出力波形から繰出終期時に左ピックアップロー
ラR2 の過剰押圧力を検知すると、図13に示すよう
に、連出し紙幣Aが発生すると推定する。また、繰出終
期時に異常振動を検出すると、ピックアップローラの摩
擦力低下と推定し、ローラの清掃が必要あるいはローラ
交換時期と判定して、その旨を係員に出力案内する。
【0048】このように、紙幣の繰出時点で紙幣の繰出
異常を検知し、しかも異常内容を細分化して特定できる
構成のため、CPU61は繰出異常を検知すると同時
に、その異常内容を特定し、この特定した異常内容に対
応する復旧動作を繰出時点で開始することにより安定し
た繰出ができるようにしている。
【0049】この復旧動作は、繰出異常検知時点で繰出
動作を中止して異常形態別に復旧処理するものであっ
て、紙幣自体に異常があると検知した場所が紙幣入出金
口16の場合は、そのまま顧客に返却動作し、スタッカ
38aの場合はジャムの発生表示、あるいはリジェクト
処理して紙幣自体の異常に伴う異常発生を未然に阻止す
る。
【0050】また、紙幣繰出装置41自体に異常がある
と検知した場合、例えばゲートローラの押圧力の変化か
らスキュ、札間異常を検知した場合、またゲートローラ
およびピックアップローラの押圧力の変化から空出し、
連出しを検知した場合の復旧内容としては、 1、ゲートローラR5 ,R6 とフィードローラR3 ,R
4 との対向隙間を伸縮調整軸56により調整する。 2、ピックアップローラR1 ,R2 の押圧力を調整す
る。 3、ピックアップローラR1 ,R2 を清掃あるいは交換
する。
【0051】さらに、ピックアップローラR1 ,R2 側
のトルク異常を検知した場合、またピックアップローラ
R1 ,R2 の押圧力の異常を検知した場合は、ピックア
ップローラR1 ,R2 の停止タイミングを補正する。
【0052】図14は復旧動作例の紙幣繰出間隔とピッ
クアップローラ押圧力との関係を示し、正常領域141
以外と検知した空出し検知領域142では1枚目の繰出
力が不足していると判定する。また、低押圧力での連出
し検知領域143では、図15に示すように、2枚目の
紙幣Aに対する規制力が低下していると判定する。逆
に、高押圧力での連出し検知領域144では、図16に
示すように、紙幣Aの繰出力が高く設定されていると判
定する。このように異常発生原因を解明し、この解明に
基づいて現時点の繰出条件に応じた最適な復旧動作を実
行する。
【0053】また、紙幣を繰出開始する毎に、その紙幣
に対する正確な繰出検知情報が得られるため、紙幣の種
類、流通度合いによって変化する紙幣毎の最適な繰出条
件に調整でき、この結果、運用中に自己修正しながら繰
出すことができる。
【0054】このように構成された紙幣繰出装置41の
処理動作を図17のフローチャートを参照して説明す
る。今、紙幣の繰出信号が入力されると、CPU61は
フィードローラR3 ,R4が一枚出しに適した初期位置
にセットされているかを検知確認した後(ステップn1
)、タイマTをセットしてピックアップローラR1 ,
R2 を紙幣Aの一枚出に適した回転量で回転停止させる
(ステップn2 〜n4 )。
【0055】また、このときCPU61は紙幣Aの繰出
に先立って、左右のピックアップローラ用歪検知センサ
S3 ,S4 より左右のピックアップローラR1 ,R2 の
押圧検知を開始し、同じくトルク検知センサS7 よりピ
ックアップローラR1 ,R2のトルク検知を開始し、さ
らにゲートローラ用歪検知センサS5 ,S6 よりゲート
ローラR5 ,R6 の押圧検知を開始する(ステップn5
〜n7 )。
【0056】これらの検知センサS3 〜S7 から紙幣A
自体に異常がなく、また紙幣繰出装置41に異常がない
ことを確認すれば、CPU61は適正な繰出が行われる
と判定して紙幣Aの繰出を許容する(ステップn8 〜n
9 )。
【0057】これに対し、紙幣A自体に異常があると検
知した場合は、ピックアップローラR1 ,R2 およびフ
ィードローラR3 ,R4 を逆回転させてフィードローラ
R3,R4 からの繰出前に直ちに繰出中止する(ステッ
プn10)。
【0058】また、紙幣繰出装置41自体に異常がある
と検知した場合は、直ちにピックアップローラR1 ,R
2 の回転を停止して繰出中止し、この紙幣繰出装置41
自体の復旧処理を開始する(ステップn11〜n12)。
【0059】次に、トルク検知センサS7 を用いて紙幣
の繰出状態を検知した場合の処理動作を図18のフロー
チャートを参照して説明する。紙幣の繰出時に、CPU
61は紙幣Aの繰出に先立って、このトルク検知センサ
S7 よりピックアップローラR1 ,R2 のトルク検知デ
ータを取込み(ステップn21)、この取込んだトルク検
知データの雑音を除去して波形解析を開始する(ステッ
プn22〜n23)。
【0060】これは、図19にも示すように、正トルク
のピーク出力T1 と負トルクのピーク出力T2 とを正常
値と比較し、また正トルク出力時間t1 と負トルク出力
時間t2 とを正常値と比較し、最後にトルク出力の傾き
ΔTを正常値と比較する(ステップn24〜n27)。
【0061】これらの正常値と比較して異常がなけれ
ば、正常トルクと判定してピックアップローラR1 ,R
2 による繰出動作が適正に行われると判定する(ステッ
プn28)。
【0062】これに対し、正常値と比較して異常有りと
検知した場合は、ピックアップローラR1 ,R2 による
繰出異常発生と判定する(ステップn29)。また、波形
解析だけでなく、周波数解析により繰出異常を検出する
こともできる。これは、図20にも示すように、FFT
(高速フーリエ変換)により入力波のパワースペクトル
を作り、このパワースペクトルから得られるピーク出力
f0,f1 を正常値と比較し、またピーク周波数を正常
値と比較し、これらの正常値と比較して異常がなけれ
ば、正常トルクと判定してピックアップローラR1 ,R
2 による繰出動作が適正に行われると判定する(ステッ
プn30〜n32)。
【0063】これに対し、正常値と比較して異常有りと
検知した場合は、ピックアップローラR1 ,R2 による
繰出異常発生と判定する。この異常判定に基づいてCP
U61は、直ちにピックアップローラR1 ,R2 の回転
を停止させて繰出中止し、またピックアップローラR1
,R2 に対する復旧処理を開始する(ステップn3
3)。
【0064】次に、検知データの適否を判定する領域設
定処理動作を図21に示すフローチャートを参照して説
明する。CPU61は先ず領域設定に際して、予め処理
すべき枚数の紙幣受付率(入金受付枚数/投入枚数)
と、紙幣繰出装置41の繰出性能による受付率とを比較
して予測される受付率を求め(ステップn41)、また、
ジャム発生率(ジャム発生枚数/搬送枚数)に対する紙
幣繰出装置41の繰出性能(紙幣の流通度合い、温度お
よび湿度の周辺環境、装置誤差による機差、装置部品の
磨耗汚れによる劣化度合い)によって生じるジャム発生
率とを比較して予測されるジャム発生率を求め(ステッ
プn42)、これらの受付率とジャム発生率とから図22
に示すように、正常領域の範囲を設定する。これは、紙
幣の受付率を高めることとジャムの発生率を下げること
が相反する関係にあり、またこの場合の正常領域は装置
41が許す限り広範囲に設定することが望まれるため、
この装置41の信頼性を決定する異常判別パラメータと
して、ジャム発生率が仕様値となるように正常領域の範
囲を変化させて設定する(ステップn43)。
【0065】この正常領域の設定後は入力値と比較して
適否を判別し、入力値が正常領域にあれば、紙幣の繰出
動作が適正に行われると判定し(ステップn44)、正常
領域を外れると、ジャムが発生する恐れがあるため紙幣
の繰出を中止する(ステップn45)。
【0066】図23は正常領域が設定できない場合を示
し、これは受付率の低い不適な受付率曲線231および
ジャム発生率の高い不適なジャム発生率曲線232のた
めに両曲線231,232の正常値がオーバラップせ
ず、それゆえCPU61は継続運転不能と判定し、この
ときは繰出停止してその旨を警報出力等で係員に知らせ
る。
【0067】上述のように、紙幣の繰出開始時点で紙幣
の繰出異常を検知できるため、この繰出開始時点で同時
に復旧動作を施して繰出異常を繰出開始時点で解消でき
る。したがって、後段の搬送路には繰出異常と判定され
た紙幣を搬送せず、紙幣を常に適正な状態で搬送供給で
き、ジャム発生要素を解消して紙幣処理系のダウンを確
実に回避することができ、信頼性の高い安定した繰出が
得られる。
【0068】また、紙幣繰出時に繰出系にかかる力の変
化状態から紙幣に対する繰出異常要素を検知する検知構
成のため、繰出異常の発生原因を細分化して特定でき、
この異常発生原因の特定に基づいて現時点の繰出条件に
応じた最適な復旧動作を選択して復旧することができ
る。さらに、正確な検知情報を紙幣の繰出開始毎に得ら
れるため、紙幣の種類、流通度合いによって変化する紙
幣毎の最適な繰出条件に調整して運用中に自己修正しな
がら繰出すことができ、このような紙幣繰出装置をAT
Mに内部構成した場合は、繰出性能が安定して信頼性の
高い紙幣の取引処理ができる。
【0069】この発明の構成と、上述の一実施例との対
応において、この発明の紙葉類繰出装置は、実施例の紙
幣繰出装置41に対応し、以下同様に、取引処理装置
は、ATM11に対応し、紙葉類は、紙幣Aに対応し、
繰出手段は、左右のピックアップローラR1 ,R2 と、
左右のフィードローラR3 ,R4 と左右のゲートローラ
R5 ,R6 との繰出系に対応し、トルク検知手段は、ト
ルク検知センサS7 とに対応し、波形解析手段、周波数
解析手段および繰出異常推定手段は、CPU61の各対
応処理機能に対応するも、この発明は上述の一実施例の
構成のみに限定されるものではない。例えば、トルク検
知センサS7 に代えて、パルスモータM1 のモータ電流
値からトルクデータを得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のATMの外観斜視図。
【図2】 この発明のATMの制御回路ブロック図。
【図3】 この発明の紙幣処理装置の内部構成図。
【図4】 この発明の紙幣繰出装置を示す要部側面図。
【図5】 この発明の紙幣繰出装置を示す平面図。
【図6】 この発明の紙幣繰出装置の制御回路ブロック
図。
【図7】 この発明の紙幣繰出装置の出力波形を示すタ
イムチャート。
【図8】 この発明の半折れ紙幣の繰出状態を示す説明
図。
【図9】 この発明の半折れ紙幣の変形繰出状態を示す
説明図。
【図10】 この発明の半折れ紙幣が誘引する2枚出し
状態を示す説明図。
【図11】 この発明の座屈紙幣の発生状態を示す説明
図。
【図12】 この発明の裾踏み紙幣の発生状態を示す説
明図。
【図13】 この発明の連出し紙幣の発生状態を示す説
明図。
【図14】 この発明の紙幣繰出装置の紙幣繰出間隔と
ピックアップローラの押圧力との関係を示す図表。
【図15】 この発明の押圧力不足領域の連出し状態を
示す説明図。
【図16】 この発明の押圧力過剰領域の連出し状態を
示す説明図。
【図17】 この発明の紙幣繰出装置の処理動作を示す
フローチャート。
【図18】 この発明のトルク検知センサを用いた検知
処理動作を示すフローチャート。
【図19】 この発明のトルク検知センサを用いた波形
解析を示す説明図。
【図20】 この発明のトルク検知センサを用いた周波
数解析を示す説明図。
【図21】 この発明の紙幣繰出装置の正常領域の設定
処理動作を示すフローチャート。
【図22】 この発明の正常領域を設定した場合の説明
図。
【図23】 この発明の正常領域を設定できない異常繰
出となる場合を示す説明図。
【符号の説明】
11…ATM 16…紙幣入出金口 35…紙幣処理装置 38a〜38c…スタッカ 41…紙幣繰出装置 61…CPU 71〜75…基準出力波形 141…正常領域 A…紙 幣 R1 ,R2 …ピックアップローラ R3 ,R4 …フィードローラ R5 ,R6 …ゲートローラ M1 ,M2 …パルスモータ S3 〜S7 …検知センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−102731(JP,A) 特開 平4−182233(JP,A) 特開 昭58−157654(JP,A) 特開 平7−179247(JP,A) 特開 昭57−27848(JP,A) 特開 昭58−109340(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 7/00 - 7/20 B65H 1/00 - 3/68

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙葉類を繰出動作する繰出手段を備えた紙
    葉類繰出装置であって、 上記繰出手段に加わる力の変化をトルク値で検知する
    ルク検知手段と、 上記トルク検知手段が検知したトルクのピーク値を出力
    するピーク出力波形と正常な出力波形とを比較分析する
    波形解析手段と、 上記ピーク出力波形のピーク値を出力する周波数である
    ピーク周波数と正常なピーク周波数とを比較分析する周
    波数解析手段と、 前記波形解析手段と前記周波数解析手段とから 紙葉類の
    繰出異常となる異常種類異常原因を推定する繰出異常
    推定手段とを備えた紙葉類繰出装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の紙葉類繰出装置を備えて取
    引処理する取引処理装置。
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