JPH11208932A - 紙葉類搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】紙葉類搬送装置において紙葉類を搬送する際、
搬送ジャム発生の原因となり得る紙葉類をそれ以上悪化
させることなく取り除くことを目的とする。 【解決手段】紙葉類搬送装置内を、搬送されている紙葉
類の内、搬送ジャムを発生させる要因となり得る異常紙
葉類２を検知するセンサ３−ａ，３−ｂ，３−ｃと、搬
送される紙葉類の異常を検知した場合に搬送速度を低速
にする制御装置１５と、搬送速度を低速にする搬送路７
−ａ，７−ｂ，７−ｃ，７−ｄと、異常な状態にある紙
葉類が退避する異常紙葉類収納部５で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は紙幣等の紙葉類を搬
送する紙葉類搬送装置に係わり、特に、係員が常駐する
ことなく動作する自動紙葉類搬送装置に関わる。

【０００２】

【従来の技術】従来の紙葉類搬送装置は、搬送途中の紙
葉類が、搬送路幅方向への移動，搬送方向に対する傾き
等の姿勢不良や、紙葉類の折れ曲がり，破れ、また、重
送などの搬送ジャム発生の原因となる様々な異常状態に
陥ることを防ぐため、搬送路の構造や形状を工夫してい
る。また、上記の異常状態から紙葉類を回復させる方法
として、特開平9−194081 号公報に記載されているよう
に紙幣の姿勢異常を直行，斜行搬送ローラで修正する装
置が挙げられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、搬送路の構
造，形状を工夫しても、搬送中の紙葉類が上記の異常状
態に陥ることを完全に抑えることはできておらず、紙葉
類が異常状態のまま高速で搬送され続けると、紙葉類搬
送装置内の装置へ接触した時の衝撃が強く、紙葉類の異
常状態がさらに悪化し、その結果搬送ジャムが発生する
ことになる。

【０００４】また、上記の異常状態から紙葉類を回復さ
せるために上記の姿勢修正装置を用いても、修正装置の
直前以外の搬送路上で紙葉類が異常状態に陥った場合
は、そのまま搬送ジャムが発生する可能性がある。

【０００５】さらに上記の姿勢修正装置は、紙葉類の折
れ曲がりや破れ，重送などの異常状態については対応で
きず、それらの異常を修正するために別の装置を利用し
た場合、紙葉類搬送装置全体が大きくならざるを得な
い。

【０００６】本発明の目的は、紙葉類搬送装置において
紙葉類を搬送する際、紙葉類が搬送路上で搬送ジャム発
生の原因となり得る異常状態に陥ったとしても、紙葉類
搬送装置全体の容積をほとんど増大させずに、搬送ジャ
ム発生の原因となり得る紙葉類をそれ以上悪化させるこ
となく取り除くことである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は紙葉類搬送装置内に、搬送中の紙葉類の異
常を検知する手段と、搬送される紙葉類の異常を検知し
た場合に搬送速度を低速にする制御手段と、搬送速度を
低速にすることができる搬送手段と、異常な状態にある
紙葉類を搬送路から退避させる手段を設ける。

【０００８】そして好ましくは、異常な状態にある紙葉
類を正しい状態に修正する手段と、検知した異常紙葉類
の状態により前記の異常を修正する手段を利用するか否
かの処理内容を決定する手段を設ける。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の実施例として現金を自動
で取扱う紙葉類搬送装置を例にとる。

【００１０】図５に銀行等の金融機関に設置される紙葉
類搬送装置として自動預金支払い機（以後ＡＴＭと称す
る）２０を示す。ＡＴＭ２０は前面に取引客が操作する
タッチパネル２１と、取引客が入出金を行う紙幣投入口
２２，硬貨投入口２３と、取引きを行う際使用する通
帳，カードを出し入れする通帳挿入口２４，カード挿入
口２５と、取扱いの状況を知らせる表示板２６を備えて
おり、取引客と入金，出金，通帳記入，残高照会等を行
うものである。

【００１１】図１にＡＴＭや紙幣入出金機等の紙葉類搬
送装置内の各装置の構成を示す。紙葉類搬送装置１は、
取引客との紙幣の受渡しを行う入出金口９と、入金され
た紙幣を金種別に収納し、出金の際には一枚ずつ分離し
て搬送する紙幣収納部６と、紙幣の真偽を鑑定する紙幣
鑑定部８と、取引客が入金紙幣の金額を確認するまで一
時的に入金紙幣を収納しておく一時収納部１２と、入金
の際には紙幣を入出金口９から紙幣鑑定部８，一時収納
部１２，紙幣収納部６へと搬送し、出金の際には紙幣収
納部６から紙幣鑑定部８，入出金口９へと搬送する搬送
路７−ａ，７−ｂ，７−ｄと、搬送路７−ｂ上にある異
常状態の入金紙幣を入出金口９に返却する際に用いる搬
送路７−ｃと、図１には図示していない搬送路７−ａ，
７−ｂ，７−ｃ，７−ｄを駆動するモータと、搬送中の
紙幣の通過及び異常状態を検知するセンサ３−ａ，３−
ｂ，３−ｃと、センサ３−ａ，３−ｂ，３−ｃの信号に
基づき搬送路７−ａ，７−ｂ，７−ｃ，７−ｄを駆動す
るモータを調整して搬送速度を操作する制御部１５と、
異常状態の還流紙幣を収納する異常紙幣収納部５で構成
される。

【００１２】ただし、図１に示すように搬送路は、切替
ゲート１６−ｂから切替ゲート１６−ｄまでを搬送路７
−ａ，切替ゲート１６−ａから切替ゲート１６−ｃまで
を搬送路７−ｂ，切替ゲート１６−ｃから切替ゲート１
６−ｄまでを搬送路７−ｃ，切替ゲート１６−ｄから切
替ゲート１６−ｂまでを搬送路７−ｄとし、またセンサ
は、搬送路７−ｄ上で切替ゲート１６−ｄの直後に位置
するセンサをセンサ３−ａ，搬送路７−ｂ上で切替ゲー
ト１６−ａの直後に位置するセンサをセンサ３−ｂ，入
手金口９につながる搬送路上で切替ゲート１６−ｂの直
後に位置するセンサをセンサ３−ｃとする。

【００１３】上記に示した、搬送中の紙幣の異常を検知
するセンサとして、例えばラインセンサや光センサ等を
利用すれば姿勢の傾きや紙幣の折れ，破れ等を検知する
ことができ、また厚さセンサ等を利用すれば紙幣の重送
を検知するができる。また、これらセンサの例として図
１では、搬送中の紙幣の異常を検知するセンサ３−ａ，
３−ｂ，３−ｃを搬送路７−ａ，７−ｂ，７−ｄ上に示
しているが、センサ３−ａ，３−ｂ，３−ｃ以外のセン
サを、入金紙幣の耳折れや破れを検知するために入出金
口９に設置したり、重送を検知するため紙幣収納部６に
設置するなど、複数箇所に設置してもよい。

【００１４】以下、現金自動取引装置の出金時，入金時
の動作について説明する。

【００１５】最初に、出金時の動作を、図１及び図３を
参照しながら説明する。図１に示すように、出金時に
は、出金紙幣は紙幣収納部６から搬送路７−ａ及び７−
ｄに従って鑑定部８を通って入出金口９に運ばれる（３
−１）。例えば、紙幣２が搬送路７−ｄを通っている途
中にセンサ３−ａが紙幣２の異常を検知した場合（３−
２−ＹＥＳ）、搬送ジャムが発生しないように制御装置
１５により搬送路７−ａ，７−ｂ，７−ｄの搬送速度が
低速になり、異常紙幣２は切替ゲート１６−ａにより搬
送路７−ｂに誘導され異常紙幣収納部５に退避させられ
る（３−３）。

【００１６】その際、搬送路７−ａ，７−ｄ上にある異
常紙幣２以外の出金紙幣は低速のまま入出金口９に搬送
されるが、異常紙幣２が搬送路７−ｂに搬送されたこと
をセンサ３−ｂが検知すると、搬送路７−ａ，７−ｄは
通常の搬送速度に戻り、異常紙幣２以外の出金紙幣は入
出金口９へ搬送される。

【００１７】また、それと同時に異常紙幣収納部５に退
避させられた紙幣の不足分が紙幣収納部６から入出金口
９へ搬送される（３−４）。以上により、紙葉類搬送装
置の出金時の動作において搬送ジャムを未然に防ぐこと
ができる。

【００１８】次に、入金時の動作を、図１及び図４を参
照しながら説明する。入金時には、取引客が入金した紙
幣を確認する必要があるため、入金された紙幣は入金口
９から搬送路７−ａ，７−ｄに従って鑑別部８を通過し
た後、切替ゲート１６−ａにより搬送路７−ｂに誘導さ
れ一時収納部１２に搬送，収納される。その後取引客が
金額を確認した後、搬送路７−ａ，７−ｄに従って紙幣
収納部６へ搬送，収納される。

【００１９】ここで仮に、全ての入金紙幣が一時収納部
１２に搬送されておらず、取引客が入金紙幣の金額を確
認する前（４−１−ＮＯ）に、例えば、紙幣２が搬送路
７−ｄを通っている途中にセンサ３−ａが紙幣２の異常
を検知した場合（４−２−ＹＥＳ）、搬送ジャムが発生
しないように制御装置１５により搬送路７−ａ，７−ｄ
の搬送速度が低速になり、異常紙幣２は切替ゲート１６
−ａ，１６−ｂにより入出金口９に誘導され取引客に返
金される。

【００２０】その際、搬送路７−ａ，７−ｄ上にある異
常紙幣２以外の入金紙幣は低速のまま切替ゲート１６−
ａにより一時収納部１２へつながる搬送路１３へ誘導さ
れるが、異常紙幣２が入出金口９に搬送されたことをセ
ンサ３−ｃが検知すると、搬送路７−ａ，７−ｄは通常
の搬送速度に戻り、異常紙幣２以外の入金紙幣は切替ゲ
ート１６−ａにより搬送路１３に誘導され一時収納部１
２に搬送，収納される（４−３）。

【００２１】また、例えば、紙幣２が搬送路７−ｂを通
っている途中にセンサ３−ｂが紙幣２の異常を検知した
場合（４−２−ＹＥＳ）、搬送ジャムが発生しないよう
に制御装置１５により搬送路７−ｂ，７−ｄの搬送速度
が低速になり、それと同じ搬送速度で搬送路７−ｃが駆
動され、異常紙幣２は切替ゲート１６−ｃにより搬送路
７−ｃを介して、搬送路７−ｄへ誘導される。その際、
搬送路７−ａに搬送される紙幣と搬送路７−ｃから搬送
される異常紙幣２が衝突しないように搬送路７−ａは停
止する。

【００２２】また、搬送路７−ｂ上にある異常紙幣２以
外の入金紙幣は低速のまま一時収納部１２へ誘導される
が、異常紙幣２が搬送路７−ｄに搬送されたことをセン
サ３−ａが検知すると、搬送路７−ｂは通常の搬送速度
に戻り、搬送路７−ａは低速で駆動し、搬送路７−ｃは
停止し、異常紙幣は入出金口へ低速で搬送され取引客に
返金される。異常紙幣２が入出金口９へ搬送されたこと
をセンサ３−ｃが検知すると、搬送路７−ａ，７−ｄは
通常の搬送速度に戻り、異常紙幣２以外の入金紙幣は一
時収納部１２に搬送，収納される（４−３）。

【００２３】滞りなく正常な入金紙幣のみが一時収納部
１２に収納され、取引客が入金金額を確認した場合（４
−４）、一時収納部１２に収納された紙幣は搬送路７−
ａ，７−ｄを通って紙幣収納部６に搬送される（４−
５）。その際、例えば紙幣２が搬送路７−ａ及び７−ｄ
を通っている途中にセンサ３−ａが紙幣２の異常を検知
した場合（４−６−ＹＥＳ）、搬送ジャムが発生しない
ように制御装置１５により搬送路７−ａ，７−ｂ，７−
ｄの搬送速度が低速になり、異常紙幣２は切替ゲート１
６−ａにより搬送路７−ｂに誘導され異常紙幣収納部５
に退避させられる（４−７）。

【００２４】その際、搬送路７−ａ，７−ｄ上にある異
常紙幣２以外の入金紙幣は低速のまま紙幣収納部６に搬
送されるが、異常紙幣２が搬送路７−ｂに搬送されたこ
とをセンサ３−ｂが検知すると、搬送路７−ａ，７−ｄ
は通常の搬送速度に戻り、異常紙幣２以外の入金紙幣は
紙幣収納部６へ搬送される。以上により、紙葉類搬送装
置の入金時の動作において搬送ジャムを未然に防ぐこと
ができる。

【００２５】また、紙葉類搬送装置の形状に制限がない
場合は、図２に示す紙葉類搬送装置１の様に、紙幣の姿
勢の異常を修正する機能等を持つ異常修正装置４を利用
して、上記の様に異常状態に陥った紙幣２を退避または
返金する前に、異常修正装置４に低速搬送し異常紙幣２
の修正を行ってもよい。その際、異常修正装置４を用い
ても異常紙幣２の異常が修正できなかった場合は、上記
の様に異常紙幣２を退避または返金する。

【００２６】

【発明の効果】本発明によると、紙葉類搬送装置におい
て紙葉類を搬送する際、紙葉類が搬送路上で搬送ジャム
発生の原因となり得る異常状態に陥ったとしても、紙葉
類搬送装置全体の容積をほとんど増大させずに、搬送ジ
ャムの発生を未然に防ぐことができる。

【００２７】この発明は他の紙葉類搬送装置にも応用で
きるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の紙葉類搬送装置を示す図である。

【図２】紙幣の異常修正装置を利用した本発明の紙葉類
搬送装置を示す図である。

【図３】本発明の紙葉類搬送装置の出金時の動作を示す
フローチャートである。

【図４】本発明の紙葉類搬送装置の入金時の動作を示す
フローチャートである。

【図５】本発明のＡＴＭの外観を示す斜視図である。

【符号の説明】

１…紙葉類搬送装置、２…紙幣、３−ａ，３−ｂ，３−
ｃ…センサ、４…異常修正装置、５…異常紙幣収納部、
６…紙幣収納部、７−ａ，７−ｂ，７−ｃ，７−ｄ…搬
送路、８…紙幣鑑定部、９…入出金口、１２…一時収納
部、１５…制御装置、１６−ａ，１６−ｂ，１６−ｃ，
１６−ｄ…切替ゲート、２０…ＡＴＭ、２１…タッチパ
ネル、２２…紙幣投入口、２３…硬貨投入口、２４…通
帳挿入口、２５…カード挿入口、２６…表示板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外部から紙葉類を出し入れする紙葉類入出
   装置と、前記紙葉類を収納及び一枚ずつ分離して搬送す
   る紙葉類収納装置と、前記紙葉類入出装置と前記紙葉類
   収納装置をつなぎ前記紙葉類を搬送する搬送装置と、搬
   送中に姿勢不良等の異常状態に陥った異常紙葉類を退避
   させる異常紙葉類退避部を備えた紙葉類搬送装置におい
   て、前記搬送装置により搬送されている紙葉類が姿勢不
   良等の異常状態に陥った場合、前記搬送装置に備えてあ
   る検知装置がそれを検知し、前記検知装置の検知に基づ
   き前記搬送装置の搬送速度が低速になることを特徴とす
   る紙葉類搬送装置。