JP3326818B2 - 像振れ補正可能なカメラ - Google Patents

像振れ補正可能なカメラ

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JP3326818B2
JP3326818B2 JP20006092A JP20006092A JP3326818B2 JP 3326818 B2 JP3326818 B2 JP 3326818B2 JP 20006092 A JP20006092 A JP 20006092A JP 20006092 A JP20006092 A JP 20006092A JP 3326818 B2 JP3326818 B2 JP 3326818B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラブレに起因する
像振れを補正可能なカメラの、像振れ補正手段の駆動
の演算に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近来のカメラは、撮影者によりレンズ絞
りおよびシャッタースピードを決定するマニュアルモー
ドのみではなく、絞り優先AEモード、シャッター優先
AEモード、あるいは上記双方をカメラ内部の回路によ
って適宜決定するプログラムAEモードを備えているも
のが主流となっている。
【0003】さらにストロボ光源を内蔵して、被写体の
輝度によって自動的にストロボ撮影モードに移行するも
のや、ストロボ撮影において、シャッター先幕の開放に
同調してストロボを発光させる先幕シンクロ、または後
幕の閉鎖直前にストロボを発光させる後幕シンクロを選
択可能のものもある。この様な様々な露出方法に関する
撮影モードは、撮影者の撮影意図に応じて適宜選択され
るので、言を変えれば撮影モードの選択によって、撮影
者の撮影意図をカメラ側で判定することも可能となって
くる。
【0004】上記のようないくつもの撮影モードを選択
可能なカメラに、さらにカメラブレに起因する像振れを
補正する像振れ補正手段を付加した場合、これらのモー
ド選択に応じて像振れ補正手段の駆動形態を変更しよう
とする技術が既に開示されている。例えば特開平2−5
8037号公報では、ストロボ撮影モードが選択された
場合、像振れ補正手段の駆動を行わない例が示されてい
る。
【0005】また、撮影時における像振れ補正手段の駆
動に関する問題点を検討していくと、撮影者が流し撮り
をしようとしている場合の対処が問題となってくる。つ
まり、流し撮りをしようとして撮影者がカメラを振った
場合に、通常、像振れ補正手段を有するカメラは、この
カメラの動揺に関しても有害なカメラブレであると判定
してしまう。そのため、流し撮りのためのカメラの旋回
に対してまで像振れを抑えるべく補正駆動をしてしま
い、流し撮りの動的な効果が得られなくなってしまう危
険性が高い。 この場合の対処に関しても、先の特開平
2−58037号公報に記されており、像振れ補正手段
の駆動を行わない例が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例では、何れ
の場合においても、像振れ補正手段の駆動を行わない対
処方法が述べられている。しかし、ストロボ撮影時の露
出方法として、現在は、主要被写体の背景の描写を生か
し、撮影時の雰囲気をより忠実に描写できるスローシャ
ッターでストロボ発光を行なうこと(以下スローシンク
ロと称する)が主流となりつつある。このため、ストロ
ボ発光時は一律に像振れ補正手段の駆動停止としていて
は、カメラブレにより背景の描写性が悪化するのみなら
ず、主要被写体も定常光によって像振れを起こした画像
が重なってしまい、撮影結果が悪くなってしまう。
【0007】特に、動感を強調するために用いられるこ
とが多い後幕シンクロモードでは、シャッタースピード
が低速となる撮影条件が頻繁に発生すると思われ、より
問題と成ってくる。 また、後者の流し撮り撮影の場合
においても、流し撮り方向の滑らかなカメラ旋回以外の
小刻みなカメラブレに起因する像振れに関しては像振れ
補正駆動を行い、必要以上に被写体像が悪化するのを防
ぐ方がよい。従来技術のように、一律に流し撮り撮影時
は像振れ補正駆動を行わないのは、この点で問題がある
と言えよう。
【0008】本発明は、カメラブレに起因する像振れを
補正可能なカメラにおいて、撮影状況に適した駆動量で
像振れ補正手段を駆動することによって、不要な像振れ
を抑えた撮影結果を得るようにすることを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、少なくとも1部のレンズを光軸に対して直
交する方向にシフト可能に構成された撮影レンズを備え
た像振れ補正可能なカメラにおいて、カメラの角度変化
量(Δθ)を検出する角度変化検出部と、撮影物体と結
像点間の距離情報である撮影距離情報(R)を発生する
撮影距離情報発生部と、撮影レンズの厚さに関する情報
(T)および撮影レンズの後ろ側主面と結像点間の距離
情報(b)を発生させる撮影レンズ情報発生部と、カメ
ラブレの回転中心位置と結像点間の距離情報(Q)を発
生する中心位置情報発生部と、を有し、前記検出もしく
は発生された情報(Δθ、R、T、b、Q)を用いて像
振れ補正のための撮影レンズのシフト量(ΔS)をΔS
=b×Δθ×(R−Q)/(R−T)で演算する演算部
と前記演算部の演算結果に基づき撮影レンズの少なくと
も1部をシフトさせる補正駆動部とを有することとし
た。
【0010】そして以上の様な様々な状況において、適
切な像振れ補正の駆動量を演算により求める事とした。
【0011】
【0012】
【作用】本発明においては、以上に述べたように、カメ
ラブレに起因する像振れを補正可能なカメラにおいて、
撮影状況に適した像振れ補正の駆動量を演算しそれに応
じて像振れ補正手段を駆動するようにしたので、各種撮
影モードにおける良好な像振れ補正効果が得られ、その
結果、撮影者の意図に沿った良好な撮影結果を得ること
が可能となる。
【0013】
【実施例】図1は本発明の実施例のカメラを示す図であ
る。また、図2は実施例の像振れ補正に関する部分のみ
をさらにブロック図とし、信号の流れを示した図であ
る。以下、図1を主に、実施例を説明する。図1におい
て、1はカメラの各部動作を制御するCPUユニットで
ある。図2にも示したように、CPUユニット1は、各
種信号を処理し演算を行うCPU部と、CPU部の動作
プログラムや演算に用いる各種係数値を記憶しているR
OM部、信号処理、演算処理の過程で一時的に情報を記
憶しておくRAM部から構成されている。
【0014】2は、カメラ撮影光軸の揺動を検出しCP
Uユニット1に角速度信号を出力する、角速度センサで
ある。3は、撮影レンズの撮影時の繰り出し量を検出し
繰り出し量信号をCPUユニット1に出力する、レンズ
繰り出し検出部である。このレンズ繰り出し検出部3か
らの信号で、撮影時の被写体距離がCPUユニット1に
よって演算可能となる。 10は撮影レンズである。4
は、像振れを補正するためにCPUユニット1によって
制御され、撮影レンズ10をシフト駆動する、補正駆動
部である。5は、上記補正駆動部4によってシフト駆動
される撮影レンズ10のシフト位置を検出し、CPUユ
ニット1に信号を出力する、シフト位置センサである。
【0015】なお、本例では撮影レンズ10全体を補正
駆動部4がシフト駆動することによって像振れ補正を行
うような例を示したが、これに限るわけではない。撮影
レンズ10が複数のレンズ群で構成されていて、そのう
ちの一つ若しくはいくつかをシフト駆動することによっ
て、像振れ補正を行うような構成であっても構わない。
その場合、シフト位置センサ5は、このシフト駆動され
るレンズ群のシフト位置検出信号をCPUユニット1に
信号を出力することになる。
【0016】6は、本実施例のカメラの露出制御に関す
る各種撮影モードを設定する、モード設定部である。こ
こで言う撮影モードの設定とは、マニュアル撮影モー
ド、絞り優先AEモード、シャッター優先AEモード、
プログラムAEモード等である。モード設定部6は、撮
影者によって設定された撮影モードの信号をCPUユニ
ット1に出力する。
【0017】7は、本実施例のカメラのストロボ撮影に
関する各種モードを設定する、ストロボ設定部である。
ここで言うストロボモードの設定とは、ストロボを使用
するストロボ撮影モード、使用しない通常撮影モード、
さらにストロボ撮影モードにおける先幕シンクロ発光モ
ード、後幕シンクロ発光モード等である。ストロボ設定
部7も、撮影者によって設定されたストロボモードの信
号をCPUユニット1に出力する。
【0018】8は、レリーズ釦である。半押しをするこ
とによりカメラの作動を開始させ、全押しをすることに
よって露光動作を開始させるようにCPUユニット1に
信号を送る、スイッチとなっている。9は、ストロボ発
光部である。11は撮影像を記録するフィルム、12は
シャッターである。ここで示したシャッター12は、い
わゆるフォーカルプレーンシャッターで、先幕と後幕か
ら構成されている。通常遮光状態にある先幕が開放状態
になることによりフィルム11への露光を開始し、続い
て後幕が遮光状態になることによってフィルム11への
露光を終了する。
【0019】以下、13はクイックリターンミラー、1
4はファインダースクリーン、15はペンタプリズム、
16はカメラ筐体、17は鏡筒である。図3、図4、お
よび図5は、図1および図2で説明した実施例の作動を
説明する図である。各作動ステップは、断りなき場合、
CPUユニット1にて行われる処理である。 先ず、撮
影者のレリーズ釦8の半押し操作をレリーズ釦8の半押
しスイッチ信号で検出するか、若しくは既にカメラの電
源がオンの状態で撮影フィルム巻き上げ終了等の撮影準
備完了段階に達したならば、ステップ(以下、Sと省略
して記す)100で本発明の像振れ補正作動ルーチンを
開始する。
【0020】次に、S110で、本作動ルーチンで用い
る変数の内容を初期化する。「n」は、本ルーチンの繰
り返し回数に関する変数で、初期値を「0」とする。ま
た、「ω’」はカメラブレ角速度の平均値に相当する変
数で、こちらも初期値を「0」とする。次に、S120
で、本作動ルーチンを終了させる条件であるかどうかを
判定する。ここではシャッター12の作動状況から、露
光動作が終了したかどうかを判定する。もしも露光動作
が終了しているならば、本作動ルーチンはS130に進
み、補正駆動部4を所定のリセット位置に戻し、S14
0に進んで本ルーチンの一連の作動を終了する。
【0021】一方、S120の判定で露光動作が終了し
ていないと判定したならば、S150に進む。S150
で、角速度センサ2の出力「ω」を検出する。次のS1
60で、S150で検出した角速度出力「ω」の値が、
予めROM部に記憶されている所定の限界判定値よりも
小さいかどうかを判定する。この限界値は、「ω」の値
が通常の撮影状態におけるカメラブレの検出出力として
妥当な値であるかどうかを判定するための、所定の値で
ある。この限界値を上回る場合は、通常の撮影状態では
なく、明らかに流し撮りであるか、若しくはカメラの構
え直し等による異常状態での検出出力であると判断する
ことにする。 そこで、S150で角速度出力「ω」の
値が限界値よりも小さくない場合はS170に進み、
「ω」の値を「ω’」の値に置き換える。本作動ルーチ
ンが第1回目であれば、先のS110で「ω’=0」と
なっているから、「0」を代入することになる。第2回
目以降のルーチンであれば、前回のルーチンで算出され
た(後で説明するS230で算出する)「ω’」の値を
代入する。S170からはS180に進む。
【0022】一方、S150で角速度出力「ω」の値が
限界値よりも小さい場合は、直接S180に進む。S1
80では、本ルーチンの繰り返し回数の変数「n」を一
つだけカウントアップする。次にS190のモード判定
ルーチンに進む。S190の内容の詳細は図5に示すこ
とにする。
【0023】図5はS190の内容を詳細に説明するた
めの図である。
【0024】先ずS191より始まり、ストロボ設定部
7の出力信号の検出によって、本実施例のカメラのスト
ロボモードの設定がストロボを使用するストロボ撮影モ
ードであるか、若しくは使用しない通常撮影モードであ
るかの判定を行う。そして、ストロボモードオン(スト
ロボ撮影モード)であれば、S194以下のステップに
進む。あるいは、ストロボモードオフ(通常撮影モー
ド)であれば、S192以下のステップに進む。
【0025】ストロボモードオンの場合を説明すると、
S194で今度は先幕シンクロ発光モードであるか、あ
るいは後幕シンクロ発光モードであるかの判定を、S1
91と同様にストロボ設定部7の出力信号の検出によっ
て行う。後幕シンクロ発光モードであればS197に進
み、補正駆動部4の駆動制御特性の時定数に関する係数
「M」の値を、予めROM部に記憶されている所定値
「M3」に設定する。
【0026】S194で後幕シンクロ発光モードではな
いと判定した場合は、S196に進み、係数「M」の値
を、予めROM部に記憶されている所定値「M2」に設
定する。S191の判定により、ストロボモードオフで
ある場合にはS191からS192以下に進む。S19
2以下では、モード設定部6の出力信号の検出によっ
て、本実施例のカメラの露出制御に関するモードが、ど
のモードに設定されているかを判定する。
【0027】まず、S192で、モード設定がマニュア
ル撮影モードであるかどうかを判定する。マニュアル撮
影モードである場合はS195に進み、そうでない場合
にはS193へと進む。S193では、今度はモード設
定がシャッター優先AEモードであるかどうかの判定を
行う。シャッター優先AEモードである場合にはS19
2同様にS195に進み、そうでない場合にはS196
へ進むようにする。言い替えれば、モード設定がマニュ
アル撮影モード、若しくはシャッター優先AEモードで
ある場合にはS195に進み、それ以外の絞り優先AE
モード、プログラムAEモードの場合にはS196に進
むと言うことである。 S195では、先に説明した係
数「M」の値を、予めROM部に記憶されている所定値
「M1」に設定する。S196は、先に説明した通りで
ある。
【0028】ここで、補正駆動部4の駆動制御特性の時
定数に関する係数「M」の値に代入する所定値「M
1」、「M2」、「M3」について述べてみよう。
【0029】先に説明したように、本発明の主旨は、流
し撮り撮影に多用される撮影モードであるマニュアル撮
影モード若しくはシャッター速度優先AE撮影モードが
選択されているときには、流し撮りのための滑らかなカ
メラ旋回に関しては像振れ補正を加えず、それ以外の小
刻みなカメラブレに起因する像振れに関しては像振れ補
正駆動を行おうとするものである。
【0030】あるいは、暗い条件での撮影に多用される
ストロボ撮影モードの中でも、より動感を強調するため
に用いられることが多い後幕シンクロモードの設定の場
合には、通常の撮影状態よりもカメラブレの低周波成分
まで考慮し、像振れ補正駆動を行おうとするものであ
る。 よって、上記3つの流し撮り多用のモード、通常
の撮影モード、後幕シンクロモードの設定においては、
流し撮り、通常、後幕シンクロの順番で、段々と補正駆
動部4の駆動制御特性をより低周波成分まで考慮した、
言い替えれば段々と時定数を大きくした制御特性として
いかなくてはならない。補正駆動部4の駆動制御特性の
時定数に関する係数「M」に代入する数値は、上記3つ
のモードで、それぞれ変更していった方がよいことにな
る。係数「M」に代入する数値のM1、M2、M3の値
の大小関係は、M1<M2<M3と設定しておく。
【0031】以上、S195〜S197で係数「M」に
M1〜M3の値を代入した後に、S190全体のステッ
プを終了し、S200へと進む。再度図3に戻って、S
200以下を説明していく。
【0032】S200では、S180でカウントアップ
したルーチン作動回数の値「n」と、先のS190で決
定した係数「M」との比較を行う。これは、後で説明す
るS230での演算式に用いる「n」の値の上限を定め
るためである。S200で「n」が「M」以下である場
合はS220以下へ進む。図3中には「B」で示してあ
る。一方、「n」が「M」を越える場合はS210に進
み、「n」の値に「M」を代入してやった後に、S22
0以下に進む。
【0033】S220以下は、図4に示してある。S2
20で、像振れ補正すべきカメラブレ成分の角速度「Δ
ω=ω−ω’」を算出する。右辺「ω」は、S150で
検出したカメラブレの角速度出力「ω」の値である。ま
た、「ω’」は、前回のルーチンのS230で算出され
た(若しくはS110で設定された)カメラブレ角速度
の平均の値である。ブレ成分の角速度は、カメラブレの
平均的な角速度に対する現在のカメラブレ角速度の偏差
量として求められることになる。
【0034】次のS230で、新しい「ω’」を算出す
る。演算式を下に示す。
【0035】
【数1】ω’={ω+(n−1)×ω’}/n 左辺が新しい「ω’」である。右辺の「ω’」は古い値
を用いる。「ω」、「n」はそれぞれ先に説明した値で
ある。ここで用いられる「n」の上限値は先のS19
0、S200で決められた値になる。よって、レリーズ
釦半押し中に本作動ルーチンを繰り返し作動させる場
合、「n」の値は設定された撮影モードに応じて、S1
90で代入した所定の「M1」〜「M3」の値に収束す
ることになる。
【0036】上記の式で分かるように、「n」の値が大
きいほど、カメラブレ角速度の平均に関する値である
「ω’」の安定性が高くなる。つまり、カメラブレ検出
に関して、検出系の時定数を大きくしたのと同等の効果
が得られる。一方、「n」の値が小さくなれば「ω’」
の安定性が低くなり、変化に対する高応答性を示すよう
になる。言い替えれば、カメラブレ検出に関して、検出
系の時定数を小さくしたのと同等の効果が得られること
になる。 次のS240でレリーズ釦8の全押し操作を
レリーズ釦8の全押しスイッチ信号で検出するか、若し
くは一連の露光動作中である場合は、補正駆動部4によ
り撮影レンズ10をシフト駆動させて像振れを補正する
ためのS250以下のステップに進む。
【0037】露光動作以前の状態で上記条件に適合しな
い場合はレリーズ状態でないので、S120に戻り本作
動ルーチンを繰り返す。図4、および図3では流れを
「A」で示してある。 露光動作状態を検出してS25
0に進むと、S250では、S220で求めたカメラブ
レ成分の角速度「Δω」を用いて、カメラブレ成分の角
変化量「Δθ」を算出する。演算式を下に示す。
【0038】
【数2】Δθ=Δω×Δt 上記の式中の右辺「Δt」は本ルーチンの一回の作動に
要する単位時間で、右辺の「Δω×Δt」は、今回のル
ーチン作動中に発生したカメラブレ成分の角変化量を示
している。
【0039】次にS260で、上記カメラブレ成分角変
化量によって発生する像振れを補正するための、像振れ
補正量(撮影レンズ10のシフト量)「ΔS」を算出す
る。
【0040】
【数3】ΔS=b×Δθ×(R−Q)/(R−T) 図6は、上記の式の右辺の各変数の値の示す部分を説明
するための図である。「b」は撮影レンズ後ろ側主面
(H’)〜結像点間の距離、「R」は撮影物体〜結像点
間の距離、「Q」はカメラブレの回転中心位置〜結像点
間の距離(結像点よりも回転中心が後方にある場合は、
マイナスの値をとる)、「a」は撮影物体〜撮影レンズ
前側主面(H)間の距離を、それぞれ示している。ま
た、図6中の「T」は、撮影レンズ前側主面(H)〜撮
影レンズ後ろ側主面(H’)間の距離で、レンズ厚を示
す値であり、CPUユニット1のROM部に値を記憶さ
れている。
【0041】「b」、「R」に関しては、先に図1で説
明したレンズ繰り出し検出部3の出力信号によって、C
PUユニット1で演算可能な数値である。つまり、撮影
レンズ10が固定焦点であれば、レンズ繰り出し量検出
信号から直接「b」の値がROM部に設定された数値テ
ーブル等で算出可能で、「R」の値も一意的に定まる。
【0042】また、撮影レンズ10がズームレンズ、内
焦式レンズ等であって、レンズの焦点距離(f’)やレ
ンズ厚「T」が変化するレンズであっても、ズームポジ
ション検出手段(エンコーダー)等によって、レンズの
撮影時の状態をCPUユニット1が検出することが可能
で、この出力とレンズ繰り出し検出部3の出力信号、お
よびROM部に設定された数値テーブル等で、上記の各
値「b」、「R」および「T」を算出することが出来
る。
【0043】また、「Q」の値については、予め実験等
で求めた最適の数値をCPUユニット1のROM部に記
憶させておくのが良い。あるいは、カメラ全体の重心位
置を測っておき、重心位置〜結像点間(=フィルム1
1)の距離を「Q」とおいてやっても、近似的に良好な
結果を得られる。以上説明した「b」、「R」、
「Q」、「T」および「Δθ」の値から、図6で示すよ
うにカメラブレに起因する像振れを補正可能な補正駆動
部4の駆動量「ΔS」を算出することが可能となる。
尚、図6は説明を簡単にするために、カメラ撮影光軸に
対して相対的に被写体が「ob」の位置から「ob’」
に「Δθ」だけ移動した状況を示している。実際には被
写体が不動で、カメラ撮影光軸が「Δθ」回転すること
になる。
【0044】次のS270で、先のS260で算出した
像振れ補正駆動量「ΔS」を用いて、補正駆動部4によ
って撮影レンズ10のシフト駆動を行い、像振れ補正を
行う。撮影レンズ10のシフト位置は、シフト位置セン
サ5からの出力信号によってCPUユニット1に伝えら
れ、補正駆動部4の駆動制御に用いられる。
【0045】S270の像振れ補正駆動が終了したとこ
ろで、本作動ルーチンはS120に戻り、以上説明した
動作を繰り返す。この流れを「A」で示してある。以
上、本発明のカメラのについて説明したが、上記実施例
に限るわけではない。 たとえば、図4のS250以下
で説明したように、本実施例では像振れ補正駆動の制御
を像振れ補正量(撮影レンズ10のシフト量)としてい
るが、S220で算出したカメラブレ成分の角速度「Δ
ω」を用いて、補正駆動部4の駆動を制御してやっても
良い。その場合は図4で説明したS250、S260を
省略する形となる。また、補正駆動部4の駆動制御フィ
ードバックに用いるために、シフト位置センサ5はシフ
ト速度検出型のセンサーに置き換えた方がよい。
【0046】また、最近のカメラでは露出モード中のプ
ログラムAEモードにおいて、通常の使用に適したシャ
ッタースピードと絞りの組み合わせからなるノーマルプ
ログラムAEモードと、スポーツ写真等に適したより高
速のシャッタースピードと明るい絞りとの組み合わせか
らなるハイスピードプログラムAEモードとの双方を設
定可能なものがある。この様なカメラでは、プログラム
AEモードであっても、ハイスピードプログラムAEモ
ードが設定されている場合は、先に説明した図4に示し
たS195に進むようにし、「M=M1」と成るように
した方が、撮影者の意図に合致する。
【0047】さらに、図5のS194で説明したよう
に、ストロボモードオンの場合でのより細かい撮影モー
ドの判定基準として、先幕シンクロ発光モードであるか
後幕シンクロ発光モードであるかの判定を行ったが、こ
の分け方に限定されることはない。例えば、先に説明し
た、撮影時の雰囲気をより忠実に描写できるスローシン
クロモード(バランスシンクロモードと呼ばれるモード
もほぼ同等である)が選択されているのか、あるいは通
常のストロボ同調シャッタータイムによるノーマルシン
クロモードが選択されているのかをもって、撮影モード
の判定基準としても構わない。S194を上記の判定基
準に置き換えてみると、スローシンクロモード(若しく
はバランスシンクロモード)が選択されている場合には
S197に進み、そうでない場合にはS196に進むよ
うにすれば良い。
【0048】あるいは、「M」の値の設定も「M1」〜
「M3」に限られることはなく、マニュアル撮影モー
ド、シャッター優先AEモード、プログラムAEモード
(ノーマルプログラムAEモードとハイスピードプログ
ラムAEモードをさらに分離しても良い)、絞り優先A
Eモード、およびストロボモードオンの場合での先幕シ
ンクロ発光モード、後幕シンクロ発光モードのついて、
全て「M」に代入する値を変化させてやっても良い。そ
の場合、各撮影モードでの流し撮りの撮影頻度を考慮し
て「M」の代入する値の大小を決めていくのが好まし
い。もちろん、撮影者がこの値の大小の選択順位を任意
設定できるような設定手段を本発明のカメラに付加し、
CPUユニット1のROM部(この場合EEPROMを
用いるのが良い)に選択順位を記憶させておくようにし
てやってもよい。
【0049】また、図1の説明にも記したが、像振れ補
正を行う光学系の構成が本実施例に限られるわけではな
い。先に述べたように、複数のレンズ群で構成されてい
て、そのうちの一つ若しくはいくつかをシフト駆動する
ことにより、像振れ補正を行うような構成であっても構
わないし、可変頂角プリズムを用いる光学系であっても
構わない。その際には、図4のS260で説明した像振
れ補正量の算出演算が、それぞれ異なってくるのは言う
までもない。もちろん、これら異なった像振れ補正光学
系を、カメラブレ成分の角速度「Δω」を用いた速度制
御で駆動しても構わない。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、撮影状態
に応じて適切な像振れ補正の駆動量を演算するように
たので、良好な撮影結果を撮影者の負担を増やすこと無
しで得ることが可能となる。
【0051】また、本発明は特に固定焦点レンズを採用
したカメラ、さらには撮影レンズが小型でレンズ全体を
シフトして像振れを補正するカメラにおいては演算式が
簡単になり好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のカメラを示す図である。
【図2】本発明の実施例のカメラの信号の流れを示した
ブロック図である。
【図3】本発明の実施例の作動を説明するフロー図の一
部の図である。
【図4】本発明の実施例の作動を説明するフロー図の一
部の図である。
【図5】本発明の実施例の作動を説明するフロー図の一
部の詳細な図である。
【図6】上記フロー図中の演算式の各変数を説明する図
である。
【符号の説明】
1 …………CPUユニット 2 …………角速度センサ 3 …………レンズ繰り出し検出部 4 …………補正駆動部 5 …………シフト位置センサ 6 …………モード設定部 7 …………ストロボ設定部 8 …………レリーズ釦 9 …………ストロボ発光部 10 …………撮影レンズ 11 …………フィルム 12 …………シャッター 13 …………クイックリターンミラー 14 …………ファインダースクリーン 15 …………ペンタプリズム 16 …………カメラ筐体 17 …………鏡筒
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−181930(JP,A) 特開 平5−165078(JP,A) 特開 平5−40291(JP,A) 特開 平5−66450(JP,A) 特開 平3−37616(JP,A) 特開 平4−163534(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1部のレンズを光軸に対して直
    交する方向にシフト可能に構成された撮影レンズを備え
    た像振れ補正可能なカメラにおいて、 カメラの角度変化量(Δθ)を検出する角度変化検出部
    と、撮影物体と結像点間の距離情報である撮影距離情報
    (R) を発生する撮影距離情報発生部と、 撮影レンズの厚さに関する情報(T)および前記撮影レ
    ンズの後ろ側主面と前記結像点間の距離情報(b)を発
    生させる撮影レンズ情報発生部と、カメラブレの回転中心位置と前記結像点間の距離情報
    (Q) を発生する中心位置情報発生部と、を有し、前記
    検出もしくは発生された情報(Δθ、R、T、b、Q)
    を用いて像振れ補正のための撮影レンズのシフト量(Δ
    S)をΔS=b×Δθ×(R−Q)/(R−T)で演算
    する演算部と、 前記演算部の演算結果に基づき撮影レンズの少なくとも
    1部をシフトさせる補正駆動部とを有することを特徴と
    する像振れ補正可能なカメラ。
  2. 【請求項2】前記カメラの回転運動の中心位置に関する
    情報(Q)は、カメラの重心位置から結像面までの距離
    とすることを特徴とする請求項1記載の像振れ補正可能
    なカメラ。
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