JP3326380B2 - 自動車用ドアハンドル - Google Patents

自動車用ドアハンドル

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JP3326380B2
JP3326380B2 JP1103798A JP1103798A JP3326380B2 JP 3326380 B2 JP3326380 B2 JP 3326380B2 JP 1103798 A JP1103798 A JP 1103798A JP 1103798 A JP1103798 A JP 1103798A JP 3326380 B2 JP3326380 B2 JP 3326380B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車への乗降
時に乗員が自動車用ドアの開閉操作を行うための自動車
用ドアハンドルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来一般に用いられている自動
車用ドアハンドルの構成部品を分解して示した斜視図で
あり、ハンドル1、ケース2、ハンドル1をケース2に
軸支するためのシャフト3、ハンドル1がケース2側に
収まるように付勢するためのスプリング4、ロックリン
ク取付部の一部をなすスナップ5、ハンドル1がケース
2内に戻る時ケース2に衝突する際の衝撃を和らげるク
ッション6、およびハンドル1のシャフト3に対する重
量バランスを確保するためのカウンターウエイト7など
から構成されている。
【0003】今、ドア開時に、ロックリンク取付部1a
を図9に示すように移動量h1だけ移動させることによ
り、ドアロックを解除できるものとする。ハンドル1の
寸法精度、ロックリンク部の精度、ロック部の精度、お
よび各構成部品の接続部分におけるクリアランスによる
ガタを考えると、ドアロックの確実な解除動作を実現す
るには、移動量h1をある程度大きくしておく方がよ
く、現状では約18mmに設定されている。
【0004】ロックリンク取付部1aの移動量h1は、
ロックリンク部長さ、つまりハンドル1のケース2への
軸支部の回転中心Oからロックリンク取付部である取付
穴1aの中心までの長さrとハンドル1の回転角θとで
決定される。ロックリンク部長さrは、ドア奥スペース
の関係からあまり大きくすることはできず、現状約23
mmとなっている。このようにロックリンク部長さrが
設定されると、所定の移動量h1を確保するために必要
な回転角としてハンドル1の回転角θが決定される。
【0005】ロックリンク取付部1aの回転角θが決定
されると、ハンドル取手部1bも同じ角度θだけ動く。
従って、回転中心Oからハンドル取手部1bまでの距離
をR、ハンドルドア面1cが最も高い位置になった場合
のハンドル取手部1bの先端と回転中心Oとを結ぶ直線
が回転中心Oを通る水平線となす角度をαとすると、ハ
ンドル取手部の高さ方向の変位H1は次式で表され、そ
の値は現状約26mmに設定されている。
【0006】 H1=R×{sin(θ+α)−sinα}
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の従来の自動
車用ドアハンドルは、ハンドル1とロックリンク取付部
1aとが一体化されていることにより、ロックリンク取
付部1aを移動量h1だけ動かすのに、ハンドル取手部
1bをH1だけ動かさなければならず、ハンドルドア面
1cの傾きが小さくなり水平に近付くので、ドア開時の
手のかかりが小さくなり、手がハンドル1から滑って外
れ易い。そして手がハンドルから外れると、ドア開時の
操作が中断され使用しにくいという問題点を有してい
た。また、ハンドルの設定位置が高いRV系車両では、
この状況が一層起り易いという問題点を有していた。
【0008】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、ロックリンク取付部の移動
量h1をあまり減少させることなく、ハンドル取手部が
水平線となす角度を比較的大きく保ち、ハンドル取手部
への手のかかりを良好にし、手の滑べりを防止すること
ができる自動車用ドアハンドルを得ることを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る自動車用
ドアハンドルは、ガイド溝部と軸支部とを有する一対の
ハンドルアーム部を備えたハンドルと、それぞれに二つ
の軸支部を有すると共に少なくとも一方にロックリンク
取付部を有する二個のアームと、前記アームを軸支する
アーム軸支部と前記ハンドルアーム部をガイド溝部にお
いて摺動可能に支持する第三シャフトを軸支する第三シ
ャフト軸支部とを有する一対のケースアーム部を備えた
ケースとを備えている。そして、前記二個のアームのそ
れぞれの一方の軸支部を第一シャフトによりハンドルア
ーム部の軸支部に軸支し、同じく他方の軸支部を第二シ
ャフトによりケースアーム部のアーム軸支部に軸支し、
かつ、前記ハンドルアーム部をそのガイド溝部において
第三シャフトを介してケースアーム部に連結したもので
ある。
【0010】また、二個のアームの中の一方がカウンタ
ーウエイト取付部を有するものである。
【0011】さらに、一対のケースアーム部はそれぞれ
二又状に形成され、その第三シャフト軸支部とハンドル
アーム部のガイド溝部の中の少なくとも一方に突出部を
設けたものである。
【0012】また、ケースアーム部のアーム軸支部に突
出部を設けると共に、ケースとアームとの間にスペーサ
を挿入したものである。
【0013】またさらに、アームをハンドルアーム部に
軸支するために第一シャフトをカシメ固定した時第一シ
ャフトの頭部がハンドルアーム部の外面から突出しない
ようにする凹座面部をハンドルアーム部の軸支部に設け
たものである。
【0014】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1である自動車用ドアハンドルの構成部品を
分解して示した斜視図である。図において、ハンドル1
0は、取手部11から一対のハンドルアーム部12を延
設して構成されている。ハンドルアーム部12にはそれ
ぞれガイド溝部13と軸支部14とが設けられている。
【0015】また、符号15と20は、それぞれ第一ア
ームと第二アームであり、第一アーム15は、薄板をへ
の字状に打抜き成形し、一方の端部に軸支部16を設
け、頂部に軸支部17を設け、さらに他方の端部付近を
山形に折り曲げ成形し、端部に小孔18を設けた構成と
なっている。小孔18にはスナップ19を嵌合させ、ロ
ックリンク取付部として機能させる。
【0016】第二アーム20も同様に、薄板をへの字状
に打抜き成形し、一方の端部に軸支部21を設け、頂部
に軸支部22を設け、さらに他方の端部付近を他の部分
より広くなるように予め成形し、この端部付近を上側か
ら折り返し、かつ、先端部に小孔23を設けた構成とな
っている。小孔23には、後述する第二シャフト26に
対するハンドル10の重量バランスを確保するためのカ
ウンターウエイト24が取付け可能である。
【0017】ケース30は、ハンドル10を収納する凹
陥部31を有すると共に、背面部に、それぞれハンドル
アーム部12を間挿可能な間隔の二又状に形成された一
対のケースアーム部32を設けた構成となっている。一
対のケースアーム部32はそれぞれ、第一アーム15と
第二アーム20を軸支部17、22において第二シャフ
ト26を介して軸支するアーム軸支部33と、前記ハン
ドルアーム部12をガイド溝部13において摺動可能に
支持する第三シャフト27を取り付ける第三シャフト軸
支部34とを備えている。
【0018】符号28は、ハンドル10をケース30の
凹陥部31の側に付勢するためのスプリング、符号29
は、ドア面の外側に引き出されたハンドル10がスプリ
ング28の力によりケース30内に引き戻される際、ケ
ース30に衝突した時の衝撃を和らげるクッションであ
る。
【0019】本実施の形態のドアハンドルは、図2に示
すように、第一、第二アーム15、20のそれぞれの一
方の軸支部16、21を第一シャフト25によりハンド
ルアーム部の軸支部14に軸支し、同じく他方の軸支部
17、22を第二シャフト26によりケースアーム部の
アーム軸支部33に軸支し、かつ、ハンドルアーム部1
2をそのガイド溝部13において第三シャフト27を介
してケースアーム部32に連結して構成されている。
【0020】第二アーム20のカウンターウエイト取付
部にはカウンターウエイト24が取り付けられ、ハンド
ルの動きを滑らかにしているが、このカウンターウエイ
ト24は必ずしも必須ではない。
【0021】図3に示すように、ハンドルアーム部12
のガイド溝部13の部分は他の部分より突出した突出部
13aを有する形状となっている。このようにすること
により、ケースアーム部32とハンドルアーム部12と
を軸支する部分における隙間を小さくした場合でも、ケ
ースアーム部32とハンドルアーム部12の全体が擦れ
合うことを防ぐことができる。
【0022】また、図4に示すように、ケースアーム部
32の第1アーム15または第二アーム20を軸支する
アーム軸支部33に突出部35を設けると共に、ケース
30と第一アーム15または第二アーム20との間にス
ペーサ36を挿入した構造となっている。このようにす
ることにより、第一アーム15と第二アーム20の軸支
部以外の部分がケースアーム部32と擦れ合うことを防
止すると共に、ケース30と第一アーム15または第二
アーム20との間の隙間を無くしガタを防止して動きを
滑らかにすることができる。
【0023】さらに、図5に示すように、第一アーム1
5または第二アーム20をハンドルアーム部12の軸支
部14に軸支するために第一シャフト25をカシメ固定
した時、第一シャフト25の頭部がハンドルアーム部1
2の外面から突出しないようにする凹座面部12aをハ
ンドルアーム部12の軸支部12aに設けた構成となっ
ている。このようにすることにより、アーム15、20
を軸支するために第一シャフト25をカシメ固定した
時、第一シャフト25の頭部がハンドルアーム部12の
外面から突出しないようにし、ハンドルアーム部12の
動きを滑らかにすることができる。
【0024】図6はハンドルを開状態に引いた時の動作
を従来構造と実施の形態1の構造とについて示した断面
図である。回転中心が一つのみの従来構造では、ハンド
ル1の取手部をH2+H3の位置まで回転させる必要が
あったが、上記本実施の形態の構成によれば、二つの回
転中心O、Pを有することにより、ハンドルの取手部1
1はH2の位置で止まり、移動量は従来約22mmであ
ったものが約7mmに縮小される。(同じ回転角で計算
すると、従来約26mmであったものは約22mmとな
る。)したがって、ハンドルの取手部11が比較的立っ
た状態を保ち、手の滑べりを防ぐことができる。
【0025】また、図7に示すように、従来のハンドル
では開動作の途中でケースとの隙間aが大きくなるのを
防ぐために、ハンドルアーム部の奥行寸法bを大きく取
る必要があったが、本実施の形態の構成では、ハンドル
が回転軌跡の関係で従来より下方に動くので、ケースと
の隙間aが小さくなるので、アーム部奥行寸法bを小さ
くすることができる。従って、ドア内部への侵入寸法を
従来より小さく設定することができ、デザイン的に有利
である。
【0026】実施の形態2.なお、回転中心となる軸支
部O、Pとガイド軸Qの位置は、図6に示された上記実
施の形態1の位置に限定する必要はなく、位置関係を適
宜変形させて適用することができる。
【0027】実施の形態3.また、図3に示す構造では
ハンドルアーム部12のガイド溝部13の部分を他の部
分より突出した形状としたが、ハンドルアーム部12を
ガイド溝部13において摺動可能に支持するケースアー
ム部32の第三シャフト軸支部34の近傍に部分的に突
出させた突出部を設けるようにしても、図3に示す場合
と同様に、ケースアーム部32とハンドルアーム部12
の全体が擦れ合うことを防ぐことができる。
【0028】
【発明の効果】この発明は、以上述べたように構成され
ているので、以下に示すような効果を奏する。
【0029】1)ケースとハンドルとをアームを介して
連結し、ハンドルが二つの回転中心を持つようにするこ
とにより、ロックリンク取付部の移動量を減少させるこ
となく水平面からのハンドルドア面の傾きを十分確保
し、ドア開時のハンドルへの手のかかりを良好にして手
の滑べりを防ぎ、手がハンドルから外れることがなく、
ドア開操作の中断を防止することができる。
【0030】2)ハンドルの設定位置が高いRV系車両
においても、手のかかりを良好にして手の滑べりを防ぐ
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である自動車用ドア
ハンドルの構成部品を分解して示した斜視図である。
【図2】 図1のAーA断面図である。
【図3】 図2のBーB断面図である。
【図4】 図2のCーC断面図である。
【図5】 図2のDーD断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態1のハンドルを開位置
まで引いた状態を示す断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態1のハンドルが開動作
途中の状態を示す断面図である。
【図8】 従来のドアハンドルの構成部品を分解して示
す斜視図である。
【図9】 図8のドアハンドルを組み立てた状態の断面
説明図である。
【符号の説明】
10 ハンドル、12 ハンドルアーム部、14 軸支
部、15 第一アーム、19 スナップ、20 第二ア
ーム、24 カウンターウエイト、25 第一シャフ
ト、26 第二シャフト、27 第三シャフト、28
スプリング、29クッション、30 ケース、32 ケ
ースアーム部、33 アーム軸支部、34 第三シャフ
ト軸支部、36 スペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−63428(JP,A) 特開 昭58−11274(JP,A) 特開 昭58−65876(JP,A) 特開 昭62−78376(JP,A) 特開 平1−94178(JP,A) 特開 平7−266889(JP,A) 特開 平8−326366(JP,A) 実開 昭50−137714(JP,U) 実開 平4−51568(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05B 1/00 301 B60J 5/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガイド溝部と軸支部とを有する一対のハ
    ンドルアーム部を備えたハンドルと、 それぞれに二つの軸支部を有すると共に少なくとも一方
    にロックリンク取付部を有する二個のアームと、 前記アームを軸支するアーム軸支部と前記ハンドルアー
    ム部をガイド溝部において摺動可能に支持する第三シャ
    フトを取り付ける第三シャフト軸支部とを有する一対の
    ケースアーム部を備えたケースと、 を備え、前記二個のアームのそれぞれの一方の軸支部を
    第一シャフトによりハンドルアーム部の軸支部に軸支
    し、同じく他方の軸支部を第二シャフトによりケースア
    ーム部のアーム軸支部に軸支し、かつ、前記ハンドルア
    ーム部をそのガイド溝部において第三シャフトを介して
    ケースアーム部に連結してなる自動車用ドアハンドル。
  2. 【請求項2】 二個のアームの中の一方がカウンターウ
    エイト取付部を有する請求項1記載の自動車用ドアハン
    ドル。
  3. 【請求項3】 一対のケースアーム部はそれぞれ二又状
    に形成され、その第三シャフト軸支部とハンドルアーム
    部のガイド溝部の中の少なくとも一方に突出部を設けた
    請求項1または請求項2のいずれかに記載の自動車用ド
    アハンドル。
  4. 【請求項4】 ケースアーム部のアーム軸支部に突出部
    を設けると共に、ケースとアームとの間にスペーサを挿
    入した請求項3記載の自動車用ドアハンドル。
  5. 【請求項5】 アームをハンドルアーム部に軸支するた
    めに第一シャフトをカシメ固定した時第一シャフトの頭
    部がハンドルアーム部の外面から突出しないようにする
    凹座面部をハンドルアーム部の軸支部に設けた請求項3
    または請求項4のいずれかに記載の自動車用ドアハンド
    ル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1630327A1 (en) 2004-08-23 2006-03-01 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Door handle for vehicle

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1630327A1 (en) 2004-08-23 2006-03-01 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Door handle for vehicle
US7530610B2 (en) 2004-08-23 2009-05-12 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Door handle for vehicle

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