JP3326263B2 - 液晶性ポリエステル - Google Patents

液晶性ポリエステル

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JP3326263B2
JP3326263B2 JP33054393A JP33054393A JP3326263B2 JP 3326263 B2 JP3326263 B2 JP 3326263B2 JP 33054393 A JP33054393 A JP 33054393A JP 33054393 A JP33054393 A JP 33054393A JP 3326263 B2 JP3326263 B2 JP 3326263B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーモトロピック液晶
性ポリエステル(以下、「液晶性ポリエステル」と記
す)に関する。本発明の液晶性ポリエステルは、耐熱性
に優れ、かつ、流動性・均一性に優れるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気・電子分野、自動車分野の発
展に伴い、プラスチックに対しても高性能化の要求が高
まり、数多くのプラスチックが開発され、市場に提供さ
れている。中でも、溶融時に光学的異方性を示し、分子
鎖が平行に配列する一群の高分子化合物は、サーモトロ
ピック液晶性ポリマーと呼ばれ、成形加工性に優れると
共に成形体の機械的性質が向上することから注目を集め
ている。
【0003】液晶性ポリエステルとしては、ポリエチレ
ンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸あるいはパ
ラアセトキシ安息香酸より製造される共重合ポリエステ
ル(W.J.Jacksonら、Journal of Polymer Scie
nce Polymer Chemical Edition 14巻、2043
頁(1976年)、米国特許第3804805号明細
書、特開昭51−8395号公報等)、さらに前記共重
合ポリエステルに4,4’−ビフェノールを共重合させ
たポリエステル(特開昭51−8395号公報)、p−
ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ビフェノール、テレフ
タル酸よりなるポリエステル(特公昭47−47870
号公報)、p−ヒドロキシ安息香酸、および2,6−ヒ
ドロキシナフトエ酸より得られるポリエステル(特開昭
54−77691号公報)等が代表的である。また、脂
肪族基を含んでいる液晶性ポリエステルとして脂肪族グ
リコール、テレフタル酸、ヒドロキシ安息香酸より得ら
れるポリエステル(R.W.Lenzら、Polymer Journ
al 14巻1号、9頁(1982年、特開平5−125
164号公報)などが知られている。
【0004】高耐熱性の液晶性ポリエステルを得る試み
としては、芳香族基の含有量を増加させる方法、剛直成
分を増加させる方法などが一般的である。上記の特開昭
49−72393号公報中には、ポリエチレンテレフタ
レート単位とパラアセトキシ安息香酸(以下、「p−A
BA」と記す)とより液晶性ポリエステルを製造する方
法が記載されており、p−ABA成分の含有量を上げる
ことにより液晶性ポリエステルの耐熱性が向上してい
る。しかし、p−ABA成分をポリマー中の全芳香族基
の75モル%以上とした場合、p−ABAがブロック的
に重合して生じたと考えられるポリマーが不溶不融の異
物として混在し、得られた液晶性ポリエステルの流動性
が悪くなり、成形加工性が低下するという問題があっ
た。また、本方法の応用として、脂肪族基を変更するた
めポリエチレンテレフタレートを他のポリエステル、例
えばポリブチレンテレフタレートに変更した場合も不溶
不融の異物が生成し満足なポリエステルは得られない。
【0005】前記Polymer Journalには、脂肪族グリ
コールのビスヒドロキシ安息香酸エステルとテレフタル
酸クロリドとからの液晶性ポリエステルが記載されてい
るが、これらのポリエステルは、対数粘度が0.35以
下と分子量が低いため、成型品としては実用できないも
のである。また、特開平5−125164号公報にはシ
クロヘキサン環を含有する液晶性ポリエステルが提案さ
れているが、ヒドロキシ安息香酸の含有量が低いところ
で耐熱性の向上の可能性については何ら示唆されていな
い。また、耐熱性を向上させる試みとして、前記モノマ
ーにさらに芳香族ジヒドロキシ化合物を共重合する方法
(特開昭51−8395号公報)が開示されているが、
本方法も根本的に前記特許の欠点を含んでいる。脂肪族
基を含まない全芳香族ポリエステルである、p−ヒドロ
キシ安息香酸、4,4’−ビフェノール、テレフタル酸
よりなる全芳香族ポリエステルは、溶融温度が高すぎ成
形性に劣るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、p−
ABAに代表されるヒドロキシ芳香族カルボン酸の構造
単位の含有量が低い範囲で、耐熱性・流動性に優れ、均
一な液晶性ポリエステルを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
[I′]で示される芳香族ヒドロキシカルボン酸化合物
と、一般式[II′]で示されるジオール化合物とを、無
触媒または触媒の存在下で反応させて得られる一般式
[IV′]で示されるエステルモノマーを含む反応生成物
に、一般式[III′]で示される芳香族ジカルボン酸化
合物及び脂肪族カルボン酸無水物を加えて、300℃以
下の温度で重縮合させた下記構造単位[I]、[II]お
よび[III]より構成され(但し、各構造単位は互いに
エステル結合で連結されている)、構造成分[I]の含
有量が48モル%〜61モル%であり、構造単位[II]
と構造単位[III]は実質的に当量であり、かつ示差走
査熱量計(DSC)による融解ピーク温度が220℃以
上であり、対数粘度が0.3以上であるサーモトロピッ
ク液晶性ポリエステルを提供する。
【0008】
【化2】 HO−Ar1−CO−X [I′] HO−R1−OH [II′] HO−Ar1−CO−O−R1−O−CO−Ar1−OH [IV′] HO−CO−Ar2−CO−OH [III′] −O−Ar1−CO− [I] −O−R1−O− [II] −CO−Ar2−CO− [III]
【0009】(式中、R1は炭素数4〜14の偶数の二
価の飽和脂肪族炭化水素基(脂環式炭化水素基を含む)
であり、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に炭素数6〜18
の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Xは水酸基又はR2−O−であり、R2は炭素数1〜6の
炭化水素基である。) さらに、構成単位[II]のR1がブチレン基、ヘキシレ
ン基、シクロヘキシレン基、シクロヘキサンジメチレン
基より選ばれる1つ以上の基である前記のサーモトロピ
ック液晶性ポリエステルを提供する。
【0010】以下に本発明をさらに詳細に説明する。 (液晶性ポリエステルの構造)本発明の液晶性ポリエス
テルは、以下に述べる各構造単位より構成され、これら
がエステル結合によって連結されており、かつ示差走査
熱量計(DSC)による融点が220℃以上であり、対
数粘度が0.3以上であることを特徴としている。
【0011】構造単位[I]は、一般式[I′]で表され
る芳香族ヒドロキシカルボン酸化合物より、水酸基の水
素原子と、カルボン酸基の水酸基又はカルボン酸エステ
ル基のR2O−基を除いた残基である。芳香族ヒドロキ
シカルボン酸化合物の水酸基は、カルボン酸基又はカル
ボン酸エステルに対してメタ位、パラ位のいずれでもよ
いが、特に好ましくはパラ位である。Ar1は炭素数6〜
18の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であ
る。例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレ
ン基、アントリレン基、ターフェニレン基などが挙げら
れ、これらはアルキル基、アルコキシル基、アリール
基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。そ
の具体例としては、4−ヒドロキシ安息香酸残基、3−
ヒドロキシ安息香酸残基、2−ヒドロキシ−6−ナフト
エ酸残基、1−ヒドロキシ−4ナフトエ酸残基、1−ヒ
ドロキシ−6−ナフトエ酸残基、2−ヒドロキシ−7−
ナフトエ酸残基、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカ
ルボン酸残基、3−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカル
ボン酸残基、2−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボ
ン酸残基、4−ヒドロキシ−3’−ビフェニルカルボン
酸残基、4−ヒドロキシ−2’−ビフェニルカルボン酸
残基、3−ヒドロキシ−3’−ビフェニルカルボン酸残
基、4−ヒドロキシ−4''−ターフェニルカルボン酸残
基などが挙げられる。これらは、アルキル基、アルコキ
シル基、アリール基、ハロゲン原子などで置換されてい
てもよく、又2以上の混合体であってもよい。
【0012】構造単位[II]は、一般式[II′]で表さ
れるジオール化合物より水酸基の水素原子を除いた残基
であり、R1は炭素数4〜14までの偶数の二価の炭化
水素基であり、具体的にはブタンジオール残基、ヘキサ
ンジオール残基、オクタンジオール残基、デカンジオー
ル残基、ドデカンジオール残基、テトラデカンジオール
残基、シクロヘキサンジオール残基、シクロヘキサンジ
メタノール残基等が挙げられ、直鎖状でも環状でもよ
く、また、分岐鎖を有していてもよい。又これらは、2
以上の混合体であってもよい。さらに好ましくは、ブタ
ンジオール残基、ヘキサンジオール残基、シクロヘキサ
ンジオール残基、シクロヘキサンジメタノール残基であ
る。
【0013】構造単位[III]は、一般式[III′]で表
される芳香族ジカルボン酸化合物より水酸基を除いた残
基であり、Ar2は炭素数6〜18の置換基を有していて
もよい芳香族炭化水素基である。具体的には、テレフタ
ル酸残基、イソフタル酸残基、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸残基、1,5−ナフタレンジカルボン酸残基、
1,4−ナフタレンジカルボン酸残基、4,4’−ビフ
ェニルジカルボン酸、4,4''−ターフェニレンジカル
ボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸、1,5−
アントラセンジカルボン酸、9,10−アントラセンジ
カルボン酸などが挙げられる。これらは、アルキル基、
アルコキシル基、アリール基、ハロゲン原子などで置換
されていてもよく、又2以上の混合体であってもよい。
カルボン酸基の結合位置は、パラ位、メタ位が好ましい
が、特にパラ位が好ましい。
【0014】本発明の液晶性ポリエステルは、構成成分
[I]の含有量が48〜61モル%である。構成成分
[I]が48%未満は製造が困難であり、61%を超え
た場合には、一旦耐熱性が低下する。さらに構成成分
[I]の含有量を増加させると耐熱性は向上するが、芳
香族ヒドロキシカルボン酸構造の連鎖が増加するため得
られた液晶性ポリエステルの均一性が欠けているので好
ましくない。また、構造単位[II]と構造単位[III]
は実質的に当量である。実質的に当量であるとは、構造
単位[II]と構造単位[III]とのモル比([II]/[I
II])が、0.9〜1.1、好ましくは、0.95〜1.0
5である。また、本発明の液晶性ポリエステルは、構造
単位[I]のポリエステルブロックと構造単位[II]と
[III]とからなるポリエステルブロックとのブロック
コポリエステルであることを意味するものではない。即
ち、このようなブロックコポリエステルの他に各構造単
位が無作為に結合しているランダムコポリエステル(無
作為といっても、各構造単位がエステル結合で連結して
いることにより、それらの配列には自ら制限があること
には言うまでもない)を包含するものである。好ましく
は、構造単位[II]の両端に構造単位[I]がエステル
結合で連結された構造と構造単位[III]がエステル結
合で連結された構造より構成された液晶性ポリエステル
である。
【0015】本発明の液晶性ポリエステルは、十分に分
子量の大きいものであるべきであり、実施例に記載の測
定法に基づく対数粘度が0.3以上、好ましくは0.5以
上である。また、示差走査熱量計(DSC)による融解
ピーク温度が220℃以上、好ましくは250℃以上で
ある。また本発明の液晶性ポリエステルは、X線による
回折パターンが、構造単位[I]のホモポリマーおよび
構造単位[II]と[III]のホモポリマーとは異なり、
回折角が10〜35°の範囲で半値幅が1°以下のピー
クを少なくとも1以上有する。このことは、本発明の液
晶性ポリエステルが構造単位[I]のホモポリマーおよ
び構造単位[II]と[III]のホモポリマーの混合物で
あること、および構造単位[I]と構造単位[II]と[I
II]のブロックポリマーを示すものではなく、一般式
[IV′]で示されるエステルモノマーと一般式[II
I′]で示される芳香族ジカルボン酸とが殆ど1対1で
縮合したポリマーであることを示すものである。また、
殆ど1対1で縮合しているため、融解ピーク温度が上昇
したものとなっている。
【0016】(液晶性ポリエステルの製造) 一般的説明 本発明の液晶性ポリエステルは、エステル結合形成に関
して、合目的な任意の方法によって製造することができ
る。この液晶性ポリエステルが芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸化合物[I′]とジオール化合物[II′]と芳香族
ジカルボン酸化合物[III′]とのコポリマーに相当す
るものであることからすれば、これらの化合物をエステ
ル形成条件下に反応させる方法によって製造できる。
[I′]、[II′]および[III′]の3種類の化合物を
反応させる方法としては、3種類の化合物を同時に反応
させる方法以外に、[I′]と[II′]の反応物に[II
I′]を反応させる方法、[I′]と[III′]の反応物
に[II′]を反応させる方法、[II′]と[III′]の
反応物に[II′]を反応させる方法が考えられるが、本
発明においては、P−ABAのブロック的重合を避ける
点および重合性の点より、[I′]と[II′]の反応物
に[III′]を反応させる方法が好ましい。
【0017】「エステル形成条件下」とは、直接エステ
ル化(縮合により生成する水を加熱/共沸等によって除
去する場合、または、適当な縮合剤を使用する場合を含
む)する他に、原料化合物、中間反応物の少なくとも一
方をその機能誘導体の形で反応させる場合、例えば、芳
香族カルボン酸の酸ハライド(例えば酸クロライド)や
酸無水物(特に、混合酸無水物)とし、ジオールと反応
させる場合、及び水酸基をそのアシル誘導体の形で芳香
族カルボン酸と反応させる場合、及び、芳香族カルボン
酸をエステル誘導体の形で反応させる場合、その他を包
含するものである。本発明においては、[I′]と[I
I′]の反応による中間体の合成には、上記のエステル
形成反応の任意の方法を適用することができるが、
[I′]と[II′]からの反応中間体に[III′]を反応
させて液晶性ポリエステルを製造する方法に関しては、
水酸基をそのアシル誘導体の形で芳香族カルボン酸と反
応させる方法が好ましく適用される。
【0018】(具体的な方法)本発明の液晶性ポリエス
テルの具体的な製造方法の一つは、下記一般式で示され
る芳香族ヒドロキシカルボン酸化合物[I′]とジオー
ル化合物[II′]との反応生成物[IV′]に、芳香族ジ
カルボン酸化合物[III′]および脂肪族カルボン酸無
水物を加え300℃以下の温度で重縮合させることから
なる。
【0019】
【化3】 HO−Ar1−CO−X [I′] HO−R1−OH [II′] HO−Ar1−CO−O−R1−O−CO−Ar1−OH [IV′] HO−CO−Ar2−CO−OH [III′]
【0020】(式中、R1,Ar1,Ar2及びXは前記と
同じ) Xは、HO−又はR2−O−であり、R2は炭素数1〜6
の炭化水素基である。R2の具体的な例としては、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、n−ペンチ
ル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基
などを挙げることができる。特に好ましくは、HO−又
はR2−CO−で示される基で、R2がメチル基、エチル
基、フェニル基である。
【0021】本発明の耐熱性液晶性ポリエステルは、前
記の[I′]、[II′]および[III′]の化合物から、
例えば、次の方法によって製造することができる。
[I′]および[II′]の化合物より合成される両末端
ヒドロキシビスエステルモノマー[IV′]のビスアシロ
キシ体とジカルボン酸モノマー[III′]から脱モノカ
ルボン酸による重縮合によって製造する。[I′]およ
び[II′]の化合物より合成されるビスエステルモノマ
ー[VI′]は、単離精製されたものを用いてもよいが、
単離精製を省略し、ビスエステルモノマー[VI′]を合
成した反応容器に[III′]の化合物、及び脂肪族カル
ボン酸無水物を添加し重縮合反応を連続的に行ってもよ
い。脱モノカルボン酸重縮合反応においては、脱離する
モノカルボン酸が酢酸である場合が主に用いられる。脱
モノカルボン酸重縮合反応は、無触媒で進行するので好
適な方法である。重縮合反応において、温度、加熱時
間、圧力などの重合条件は、使用する反応物および所望
する重合度に依存し変化させることができるが、一般的
には、不活性ガス下で約350℃までの加熱により酢酸
を留出させながら重合を行うのが普通であるが、本発明
においては、高融点化させるため過度の反応(例えば、
エステル交換反応、架橋反応、分解反応等)をさけるた
め300℃以下で重縮合する必要がある。また、重合終
期には反応系内を減圧状態にして、反応を完結させるこ
とが好ましい。また、重縮合反応を途中で止めて反応物
を取り出し、続いて固相にて重合させ最終製品とするこ
ともできる。
【0022】(サーモトロピック液晶性ポリエステルの
製造に使用される化合物の例)本発明に用いられる一般
式[I′]で示される化合物としては、置換基の位置
は、メタ、パラのいずれでもよいが、特に好ましくはパ
ラ位である。その具体例としては、4−ヒドロキシ安息
香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−
ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−7−ナフトエ酸、2−ヒ
ドロキシ−4−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−4−ナフ
トエ酸、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン
酸、3−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸、2
−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸、1−ヒド
ロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸、4−ヒドロキシ
−4''−ターフェニルカルボン酸、4−アセトキシ安息
香酸、3−アセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−6−
ナフトエ酸、2−アセトキシ−7−ナフトエ酸、2−ア
セトキシ−4−ナフトエ酸、1−アセトキシ−4−ナフ
トエ酸、4−アセトキシ−4’−ビフェニルカルボン
酸、3−アセトキシ−4’−ビフェニルカルボン酸、2
−アセトキシ−4’−ビフェニルカルボン酸、1−アセ
トキシ−4’−ビフェニルカルボン酸、4−アセトキシ
−4''−ターフェニルカルボン酸、4−プロポキシ安息
香酸、3−プロポキシ安息香酸、2−プロポキシ−6−
ナフトエ酸、2−プロポキシ−7−ナフトエ酸、2−プ
ロポキシ−4−ナフトエ酸、1−プロポキシ−4−ナフ
トエ酸、4−プロポキシ−4’−ビフェニルカルボン
酸、3−プロポキシ−4’−ビフェニルカルボン酸、2
−プロポキシ−4’−ビフェニルカルボン酸、1−プロ
ポキシ−4’−ビフェニルカルボン酸、4−プロポキシ
−4''−ターフェニルカルボン酸、4−ヒドロキシ安息
香酸メチル、3−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−ヒド
ロキシ−6−ナフトエ酸メチル、2−ヒドロキシ−7−
ナフトエ酸メチル、2−ヒドロキシ−4−ナフトエ酸メ
チル、1−ヒドロキシ−4−ナフトエ酸メチル、4−ヒ
ドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸メチル、3−ヒ
ドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸メチル、2−ヒ
ドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸メチル、1−ヒ
ドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸メチル、4−ヒ
ドロキシ−4''−ターフェニルカルボン酸メチル、4−
ヒドロキシ安息香酸フェニル、3−ヒドロキシ安息香酸
フェニル、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸フェニル、
2−ヒドロキシ−7−ナフトエ酸フェニル、2−ヒドロ
キシ−4−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−4−
ナフトエ酸フェニル、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニ
ルカルボン酸フェニル、3−ヒドロキシ−4’−ビフェ
ニルカルボン酸フェニル、2−ヒドロキシ−4’−ビフ
ェニルカルボン酸フェニル、1−ヒドロキシ−4’−ビ
フェニルカルボン酸フェニル、4−ヒドロキシ−4''−
ターフェニルカルボン酸フェニルなどが挙げられる。メ
チル、フェニルエステルの他、エチル、プロピルエステ
ル、イソプロピルエステル、ブチルエステルなどの高級
脂肪族エステルを用いることができる。また、これらの
芳香族ヒドロキシカルボン酸化合物類は、アルキル基、
アルコキシル基、アリール基、ハロゲン原子などで置換
されていてもよい。
【0023】本発明に用いられ一般式[II′]で示され
る化合物としては、ブタンジオール、ヘキサンジオー
ル、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオ
ール、テトラデカンジオール、シクロヘキサンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノールである。好ましくは、
ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジ
オール、シクロヘキサンジメタノールである。
【0024】本発明に用いられる一般式[III′]で示
される化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、
4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、ブロモテレフタル酸、およびそれらの
機能誘導体であるテレフタル酸モノメチル、テレフタル
酸モノエチル、テレフタル酸モノプロピル、テレフタル
酸モノフェニル、イソフタル酸モノメチル、イソフタル
酸モノエチル、イソフタル酸モノプロピル、イソフタル
酸モノフェニル、2,6−ナフタレン酸モノメチル、
2,6−ナフタレン酸モノエチル、2,6−ナフタレン
酸モノプロピル、2,6−ナフタレン酸モノフェニル、
4,4’−ビフェニルジカルボン酸モノメチル、4,
4’−ビフェニルジカルボン酸モノエチル、4,4’−
ビフェニルジカルボン酸モノプロピル、4,4’−ビフ
ェニルジカルボン酸モノフェニルなどのモノエステル
類、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テ
レフタル酸ジプロピル、テレフタル酸ジフェニル、イソ
フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル、イソフタル
酸ジプロピル、イソフタル酸ジフェニル、2,6−ナフ
タレン酸ジメチル、2,6−ナフタレン酸ジエチル、
2,6−ナフタレン酸ジプロピル、2,6−ナフタレン
酸ジフェニル、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジメ
チル、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジエチル、
4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジプロピル、4,
4’−ビフェニルジカルボン酸ジフェニルなどのジエス
テル類などを挙げることができる。これらの中でも、テ
レフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、テレフタ
ル酸ジメチルエステル、イソフタル酸ジメチルエステ
ル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステ
ル、、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジメチルエス
テル、テレフタル酸ジフェニルエステル、イソフタル酸
ジフェニルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸
ジフェニルエステル、4,4’−ビフェニルジカルボン
酸ジフェニルエステルなどが好ましい。また、これらの
芳香族ジカルボン酸化合物類は、アルキル基、アルコキ
シル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されていても
よい。
【0025】(液晶性ポリエステルの利用)本発明の液
晶性ポリエステルは、射出成形、押出成形、圧縮成形、
ブロー成形などの通常の溶融成形に供することができ、
三次元成形品、フィルム、繊維、容器などに加工するこ
とが可能である。また、他の熱可塑性樹脂と混合するこ
とによってポリマーアロイとすることもできる。尚、成
形時には本発明の液晶性ポリエステルに、ガラス繊維、
炭素繊維などの強化剤、充填剤、酸化防止剤、安定剤、
可塑剤、離形剤などの添加剤を添加して、成形品に所望
の特性を付与することができる。
【0026】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。
【実施例】以下に実施例をもって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制
限されるものではない。尚、液晶性ポリエステルの対数
粘度、熱重量減少開始温度(TGA)、融解ピーク温
度、液晶性は次のようにして求めた。 (1)対数粘度 フェノール/テトラクロロエタン=50vol./50vol.
溶媒中、50℃、ウベローデ粘度計を用いて測定した。
前記溶媒に溶けないポリマーはペンタフルオロフェノー
ル溶媒として用い、同様な条件にて測定した。 (2)熱重量減少開始温度(TGA) セイコー I&E製TG/DTA 20を用い、昇温速度
10℃/分、窒素気流下で測定した。 (3)融解ピーク温度 パーキンエルマー製DSC7を用いて、昇温速度20℃
/分、窒素気流下で測定した。 (4)溶融温度サーモトロピック液晶性 ホットステージ付き偏光顕微鏡を用いて目視にて確認し
た。 (5)結晶性 日本電子社製JDX−3500 X線回折装置を用い
た。試料は重合物を粉砕しパウダーにしたものを用い
た。X線の測定条件は、ターゲットは銅を用い、40K
V、100mAで発生させたX線をグラファイト湾曲モ
ノクロメーターで単色化したCu Kα線を用いた。発
散、受光および散乱スリットはそれぞれ1°、0.4m
mおよび1°を用いた。ステップ角度0.02度、計数
時間0.4秒のステップスキャン法を用い、シンチレー
ションカウンターで2θが5°〜40°の範囲で強度分
布を測定した。
【0027】<参考例1>撹拌装置、温度計、アルゴン
導入管、冷却管を備えた2Lフラスコにブタンジオール
121.66g(1.35モル)、ピリジン242.64m
l(3.0モル)、溶媒としてアセトン1000mlを加え
均一溶液とし、アセトン気流下、10℃以下に冷却し
た。p−アセトキシ安息香酸クロリド592.82g
(3.0モル)を反応温度が10℃を越えないように注
意しながら滴下した。滴下終了後、室温で2時間、さら
に50℃で2時間撹拌反応させた。反応終了後反応液を
純水中に投入し、析出した結晶を濾取した。得られた粗
結晶を純水で洗浄、乾燥後メタノールより再結晶し精製
した。収量は、476.6g、85%の収率であった。
得られた結晶はNMR分析により目的とする1,4−ブ
タンジオール−ビス−4−ヒドロキシ安息香酸エステル
であった。
【0028】<参考例2〜4>参考例1のブタンジオー
ルをヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シク
ロヘキサンジメタノールに変更し、それぞれ1,6−ヘ
キサンジオール−ビス−4−ヒドロキシ安息香酸エステ
ル、1,4−シクロヘキサン−ビス−4−ヒドロキシ安
息香酸エステル、1,4−シクロヘキサンジメタノール
−ビス−4−ヒドロキシ安息香酸エステルを合成した。
【0029】実施例 1 撹拌翼、温度計、留出管、アルゴン導入管を装備した3
00mlのセパラブルフラスコに、参考例1で得られた
1,4−ブタンジオール−ビス−4−ヒドロキシ安息香
酸エステル66.07g(0.2モル)、テレフタル酸3
3.23g(0.2モル)、無水酢酸44.92g(0.4
4モル)を仕込み、反応系内をアルゴンで3回置換後、
マントルヒーターを180℃とし、2時間30分加熱還
流してヒドロキシ末端をアセチル化した。マントルヒー
ターを290℃まで3時間かけて昇温させ、同温度で1
時間保持した。酢酸と過剰の無水酢酸が理論量の95%
程度流出した。さらに、290℃で1mmHg以下の減圧
とし、2時間減圧状態とし、酢酸を理論量留出させた。
重合終了後、セパラブルフラスコから熱いうちに内容物
を取り出した。このポリマーは、ホットステージ付き偏
光顕微鏡により溶融異方性が確認された。この液晶性ポ
リエステルは、対数粘度[ηinh]は0.53、DSCに
よる融解ピーク温度は268℃、2θが10〜35°の
範囲で19.7±0.2°に鋭い回折ピークと16.3±
0.2°、23.8±0.2°、27.1±0.2°、27.
9±0.2°および29.3±2°に回折ピーク、さらに
21.4±0.2°にブロードなピークを示す(図1)。
熱重量減少開始温度は378℃であった。構造単位
[I]の含有量は50モル%である。
【0030】実施例 2 実験例1のテレフタル酸の仕込量を34.89g(0.2
1モル)重合温度を300℃に変更した以外は実施例1
と同様に重合した。このポリマーは、ホットステージ付
き偏光顕微鏡により溶融異方性が確認された。この液晶
性ポリエステルは、対数粘度[ηinh]は0.51、DS
Cによる融解ピーク温度は251℃、熱重量減少開始温
度は378℃であった。構造単位[I]の含有量は49.
3モル%である。
【0031】実施例 3 実施例1の原料仕込みを、参考例1で得られた1,4−
ブタンジオール−ビス−4−ヒドロキシ安息香酸エステ
ル66.07g(0.2モル)、テレフタル酸33.23
g(0.2モル)、ヒドロキシ安息香酸12.15g
(0.088モル)、無水酢酸59.78g(0.586
モル)に変更し同様に重合した。このポリマーは、ホッ
トステージ付き偏光顕微鏡により溶融異方性が確認され
た。この液晶性ポリエステルは、対数粘度[ηinh]は
0.59、DSCによる融解ピーク温度は225℃、熱
重量減少開始温度は380℃であった。構造単位[I]
の含有量は55モル%である。
【0032】比較例 1 実施例1の重合温度を320℃とした以外は実施例1と
同様に重合した。この液晶性ポリエステルの溶液粘度は
0.58、DSCによる融解ピーク温度は201℃であ
った。
【0033】比較例 2 実施例1の原料仕込みを、参考例1で得られた1,4−
ブタンジオール−ビス−4−ヒドロキシ安息香酸エステ
ル66.07g(0.2モル)、テレフタル酸33.23
g(0.2モル)、ヒドロキシ安息香酸47.38g
(0.343モル)、無水酢酸91.02g(0.892
モル)に変更し同様に重合した。このポリマーは、ホッ
トステージ付き偏光顕微鏡により溶融異方性が確認され
た。この液晶性ポリエステルは、対数粘度[ηinh]は
0.48、DSCによる融解ピーク温度は207℃、熱
重量減少開始温度は387℃であった。構造単位[I]
の含有量は65モル%である。
【0034】実施例 4 実施例1の1,4−ブタンジオール−ビス−4−ヒドロ
キシ安息香酸エステルを参考例4で得られた1,4−シ
クロヘキサンジメタノール−ビス−4−ヒドロキシ安息
香酸エステル766.89g(0.2モル)に変更し同様
に重合した。このポリマーは、ホットステージ付き偏光
顕微鏡により溶融異方性が確認された。この液晶性ポリ
エステルは、対数粘度[ηinh]は0.79、DSCによ
る融解ピーク温度は308℃、2θが10〜35°の範
囲で14.8±0.2°16.6±0.2°、17.3±0.
2°、20.7±0.2°、24.3±0.2°、26.1
±0.2°に鋭い回折ピークをもち、さらに19.4±
0.2°、28.7±0.2°および30.6±0.2°に
若干ブロードなピークを示す(図2)。熱重量減少開始
温度は397℃であった。構造単位[I]の含有量は5
0モル%である。
【0035】実施例 5 実施例4の原料仕込みにさらにヒドロキシ安息香酸1
2.15g(0.088モル)加え、無水酢酸59.78
g(0.586モル)に変更し同様に重合した。このポ
リマーは、ホットステージ付き偏光顕微鏡により溶融異
方性が確認された。この液晶性ポリエステルは、対数粘
度[ηinh]は0.76、DSCによる融解ピーク温度は
285℃であった。構造単位[I]の含有量は55モル
%である。
【0036】実施例 6 実施例4の原料仕込みにさらにヒドロキシ安息香酸2
7.62g(0.2モル)を加え、無水酢酸73.50g
(0.72モル)に変更し同様に重合した。このポリマ
ーは、ホットステージ付き偏光顕微鏡により溶融異方性
が確認された。この液晶性ポリエステルは、対数粘度
[ηinh]は0.76、DSCによる融解ピーク温度は2
47℃であった。構造単位[I]の含有量は60モル%
である。
【0037】比較例 3 実施例4の原料仕込みを、ヒドロキシ安息香酸47.3
8g(0.343モル)、無水酢酸91.02g(0.8
92モル)に変更し同様に重合した。このポリマーは、
ホットステージ付き偏光顕微鏡により溶融異方性が確認
された。この液晶性ポリエステルは、対数粘度[ηin
h]は0.48、DSCによる融解ピーク温度は219℃
であった。構造単位[I]の含有量は65モル%であ
る。
【0038】実施例 7 実施例1の1,4−ブタンジオール−ビス−4−ヒドロ
キシ安息香酸エステルを参考例3で得られた1,4−シ
クロヘキサンジオール−ビス−4−ヒドロキシ安息香酸
エステル71.28g(0.2モル)に変更し同様に重合
した。このポリマーは、ホットステージ付き偏光顕微鏡
により溶融異方性が確認された。この液晶性ポリエステ
ルは、対数粘度[ηinh]は0.42、DSCによる融解
ピーク温度は316℃であった。構造単位[I]の含有
量は50モル%である。
【0039】実施例 8 実施例1の1,4−ブタンジオール−ビス−4−ヒドロ
キシ安息香酸エステルを参考例2で得られた1,6−ヘ
キサンジオール−ビス−4−ヒドロキシ安息香酸エステ
ル71.69g(0.2モル)に変更し同様に重合した。
このポリマーは、ホットステージ付き偏光顕微鏡により
溶融異方性が確認された。この液晶性ポリエステルは、
対数粘度[ηinh]は0.54、DSCによる融解ピーク
温度は223℃であった。構造単位[I]の含有量は5
0モル%である。
【0040】実施例 9 実施例1のテレフタル酸33.23g(0.2モル)を
2,6−ナフタレンジカルボン酸43.24g(0.2モ
ル)に変更し同様に重合した。このポリマーは、ホット
ステージ付き偏光顕微鏡により溶融異方性が確認され
た。この液晶性ポリエステルは、対数粘度[ηinh]は
0.74、DSCによる融解ピーク温度は263℃であ
った。構造単位[I]の含有量は50モル%である。
【0041】比較例 4 実施例1の1,4−ブタンジオール−ビス−4−ヒドロ
キシ安息香酸エステルを、エチレングリコール−ビス−
4−ヒドロキシ安息香酸エステル60.46g(0.2モ
ル)に変更した以外は実験例1と同様に重合した。この
ポリエステルの対数粘度は、0.87、DSCによる融
解ピーク温度は170℃であった。
【0042】比較例 5 実施例1の1,4−ブタンジオール−ビス−4−ヒドロ
キシ安息香酸エステルを、ペンタンジオール−ビス−4
−ヒドロキシ安息香酸エステルに変更し同様に重合させ
た。このポリエステル融解ピーク温度は195℃であっ
た。
【0043】比較例 6 [Polymer Journal,vol.4,Nol, 9−17(19
8)に記載による方法において重合] 1,4−ブタンジオール−ビス−4−ヒドロキシ安息香
酸を最少量のピリジンに溶解させ、その中にテレフタル
酸クロリドの1,1,2,2−テトラクロロエタン溶液
を加え24時反応させた。反応終了後アセトン中に投入
しポリマーを分離した。50℃減圧下で乾燥させポリエ
ステルを得た。このポリエステル対数粘度は0.181
で低いものであった。融解ピーク温度は282℃であっ
た。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、芳香族基の含有量が低
いのにもかかわらず耐熱性の高い液晶性ポリエステルを
提供することができ、また、芳香族基の含有量が低いた
め流動性・均一性に優れるので、種々の成形材料として
用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1により得られた液晶性ポリエステルの
X線回折図である。
【図2】実施例4により得られた液晶性ポリエステルの
X線回折図である。
フロントページの続き (72)発明者 中川 英昭 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社 筑波総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−41220(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[I′]で示される芳香族ヒ
    ドロキシカルボン酸化合物と、一般式[II′]で示され
    るジオール化合物とを、無触媒または触媒の存在下で反
    応させて得られる一般式[IV′]で示されるエステルモ
    ノマーを含む反応生成物に、一般式[III′]で示され
    る芳香族ジカルボン酸化合物及び脂肪族カルボン酸無水
    物を加えて、300℃以下の温度で重縮合させた下記構
    造単位[I]、[II]および[III]より構成され(但
    し、各構造単位は互いにエステル結合で連結されてい
    る)、構造単位[I]の含有量が48モル%〜61モル
    %であり、構造単位[II]と構造単位[III]は実質的
    に当量であり、かつ示差走査熱量計(DSC)による融
    解ピーク温度が220℃以上であり、対数粘度が0.3
    以上であることを特徴とするサーモトロピック液晶性ポ
    リエステル: 【化1】 HO−Ar1−CO−X [I′] HO−R1−OH [II′] HO−Ar1−CO−O−R1−O−CO−Ar1−OH [IV′] HO−CO−Ar2−CO−OH [III′] −O−Ar1−CO− [I] −O−R1−O− [II] −CO−Ar2−CO− [III] (式中、R1は炭素数4〜14の偶数の二価の飽和脂肪
    族炭化水素基(脂環式炭化水素基を含む)であり、Ar1
    及びAr2はそれぞれ独立に炭素数6〜18の置換基を有
    していてもよい芳香族炭化水素基である。Xは水酸基又
    はR2−O−であり、R2は炭素数1〜6の炭化水素基で
    ある。)
  2. 【請求項2】 R1がブチレン基、ヘキシレン基、シク
    ロヘキシレン基、シクロヘキサンジメチレン基より選ば
    れる1つ以上の基である請求項1記載のサーモトロピッ
    ク液晶性ポリエステル。
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