JP3326110B2 - 高吸水性樹脂の製法 - Google Patents

高吸水性樹脂の製法

Info

Publication number
JP3326110B2
JP3326110B2 JP14319998A JP14319998A JP3326110B2 JP 3326110 B2 JP3326110 B2 JP 3326110B2 JP 14319998 A JP14319998 A JP 14319998A JP 14319998 A JP14319998 A JP 14319998A JP 3326110 B2 JP3326110 B2 JP 3326110B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monomer
polymerization initiator
polymerization
initiator
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14319998A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11335404A (ja
Inventor
功 津留
正 五十嵐
誠 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP14319998A priority Critical patent/JP3326110B2/ja
Publication of JPH11335404A publication Critical patent/JPH11335404A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3326110B2 publication Critical patent/JP3326110B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/04Polymerisation in solution
    • C08F2/10Aqueous solvent

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衛生品等に使用さ
れる高吸水性樹脂の製法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】高吸水
性樹脂は、衛生用品分野で、幼児用、大人用もしくは失
禁者用の紙おむつ(使い捨ておむつ)又は婦人用の生理
用ナプキン等の吸収性物品における吸水性物質として使
用されている。現在、高吸水性樹脂としては、ポリアク
リル酸系高吸水性樹脂がその主流を占めている。
【0003】水溶性ビニルモノマー、とりわけアクリル
酸モノマーの重合により行われる高吸水性樹脂の製法
は、重合開始剤として一般に、過硫酸塩、過酸化物、ア
ゾ化合物、過酸化物と還元剤を組み合わせるレドックス
系重合開始剤等が用いられるが、実際に工業的生産を考
えた場合、過酸化物は爆発の危険性を有するなど取り扱
いに注意を要するものが多く好ましくない。過硫酸塩は
安価で安全性も高く、もっとも一般的に使用されている
が、重合開始能とともに自己架橋も併発することが知ら
れている。高吸水能を有する吸水性樹脂を得る場合、架
橋度を下げることが要求されるが、過硫酸塩を使用する
と自己架橋が起こるために十分な吸水能を有する樹脂が
得られない。自己架橋を抑えるために過硫酸塩の使用量
を減らすことが特開平6−287233号公報に開示さ
れているが、過硫酸塩の減量は実質的に重合開始剤を減
らすことになるため、重合率の低下とそれによる未反応
モノマー量の増加、重合の不安定化を招きやすい。アゾ
化合物を重合開始剤として用いれば自己架橋は抑えられ
るが、重合率が低く未反応モノマー量が多い上、現状で
は単価が経済上不利となる。
【0004】また、架橋度の低い樹脂は含水したゲルの
状態での強度、すなわち加圧状態での保型性や吸水能、
経時安定性等が不十分となり易い。この含水ゲルの耐久
性等の向上を目的として、最近、特定のチタン化合物を
含有させる方法(特開平6−306118号公報及び同
7−62252号公報)等があるが、高吸水性樹脂に添
加剤を加える方法は、実生産において、添加設備の増
設、工程の複雑化を招き、経済上不利となる。
【0005】従って、本発明の目的は、高吸水倍率を有
し、しかも残存モノマー量を低減した高吸水性樹脂を、
添加剤等を加えることなく、簡便に且つ経済上有利に再
現良く製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、水溶性ビニル
モノマー(以下、モノマーという)を重合させることに
よって行われる高吸水性樹脂の製法であって、下記重合
開始剤(A)の存在下に重合開始後、モノマー転換率が
10〜90%の間に、下記重合開始剤(B)を少なくと
も1回添加する高吸水性樹脂の製法を提供する。 重合開始剤(A):全量の80重量%以上がアゾ系重合
開始剤(但し、油溶性重合開始剤を除く)である重合開
始剤 重合開始剤(B):酸化性重合開始剤
【0007】なお、モノマー転換率は、次式によって定
義される。 モノマー転換率(%)=〔(全モノマー重量)−(未重
合モノマー重量)〕×100/(全モノマー重量) ここで、(未重合モノマー重量)=(重合反応系に未添
加のモノマー重量)+(重合反応系中の未重合モノマー
重量)である。因みに、全モノマーが最初から重合系に
存在する重合の場合、(重合反応系に未添加のモノマー
重量)=0である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるモノマーとし
ては、水溶性で、重合性の不飽和基を有する種々のビニ
ルモノマーが挙げられ、具体的には、オレフィン系不飽
和カルボン酸又はその塩、オレフィン系不飽和カルボン
酸エステル、オレフィン系不飽和スルホン酸又はその
塩、オレフィン系不飽和リン酸又はその塩、オレフィン
系不飽和リン酸エステル、オレフィン系不飽和アミン、
オレフィン系不飽和アンモニウム、及びオレフィン系不
飽和アミドなどの重合性不飽和基を有するビニルモノマ
ーが例示される。これらの中でも、特にオレフィン系不
飽和カルボン酸及びその塩が好ましく用いられ、更に好
ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらのア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩が用いられ、一層好まし
くは、アクリル酸、アクリル酸アルカリ金属塩(ナトリ
ウム塩、カリウム塩等)、及びアクリル酸アンモニウム
塩が用いられる。これらのモノマーは1種以上で使用す
ることができる。
【0009】また、モノマーは、これと共重合し得る水
不溶性ビニルモノマーと併用することもできる。該水不
溶性ビニルモノマーとしては、例えば、炭素数1〜18
のアルキル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、フマール酸などの不飽和カルボン酸エステルモ
ノマーなどが挙げられる。この場合、モノマー(水溶性
ビニルモノマー)は、全ビニルモノマー中に50重量%
以上、特に70重量%以上含有していることが好まし
い。
【0010】また、モノマーが常温で固体である場合に
は、水溶液として用いることができる。この際、水溶液
中におけるモノマーの濃度は、生産性の観点より水溶液
全体中に好ましくは10重量%以上、更に好ましくは2
0重量%以上、一層好ましくは30重量%以上である。
【0011】モノマーを重合させるにあたり、重合開始
剤(A)(以下、「開始剤(A)」という)の存在下に
重合開始後、モノマー転換率が10〜90%、好ましく
は20〜80%、更に好ましくは30〜70%の間に、
重合開始剤(B)(以下、「開始剤(B)」という)を
少なくとも1回、経済面より好ましくは1回添加する。
この操作を行うことにより、残存モノマーを低減した高
吸水性樹脂を得ることができる。尚、開始剤(B)は、
所定量を2回以上に分けて添加してもよい。また、開始
剤(B)を添加するに際し、開始剤(A)及びその他の
重合開始剤を併用してもよい。更に、開始剤(B)を添
加した後に、必要に応じて開始剤(A)及びその他の重
合開始剤を添加してもよい。
【0012】開始剤(A)におけるアゾ系重合開始剤の
含有量は、80重量%以上、好ましくは85重量%以
上、更に好ましくは90重量%以上である。アゾ系重合
開始剤の含有量が80重量%未満の場合、得られる高吸
水性樹脂中の残存モノマー量が増大する傾向となる。
【0013】開始剤(A)の主成分として使用されるア
ゾ系重合開始剤(但し、反応系中の存在下で油溶性重合
開始剤であるものを除く)としては、2−(カルバモイ
ルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス
(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロ
ハライド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)ジヒドロハライド、2,2’−アゾビス[2−(2
−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロハライ
ド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブ
チルアミジン)、4,4’−アゾビス(4−シアノペン
タノイックアシッド)、4,4’−アゾビス−4−シア
ノバレリックアシッド、アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチル
バレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェ
ニルメタン、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレ
ート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボ
ニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4’−トリ
メチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチ
ル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス
(2−メチルプロパン)などを例示することができる。
これらは一種以上を使用することができる。これらの中
でも、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジ
ヒドロハライド及び2,2'−アゾビス[2−(2−イ
ミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロハライドか
らなる群より選択される一種以上が本発明の目的を達成
する為に好ましい。また、上記の化合物において、ハラ
イドはクロリドであることが経済面より好ましい。
【0014】また、開始剤(A)におけるアゾ系重合開
始剤以外の重合開始剤として、アゾ系重合開始剤以外の
従来公知の重合開始剤を、重合開始剤全量の20重量%
未満にて用いることができる。
【0015】開始剤(B)である酸化性重合開始剤とし
ては、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブ
チルケトンパーオキシドなどのケトンパーオキシド、ジ
−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルク
ミルパーオキシドなどのジアルキルパーオキシド、te
rt−ブチルパーアセテート、tert−ブチルパーイ
ソブチレート、tret−ブチルピバレートなどのアル
キルパーエステル、tert−ブチルハイドロパーオキ
シド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオ
キシド類、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリ
ウム、過硫酸アンモニムなどの過硫酸塩、過塩素酸カリ
ウム、過塩素酸ナトリウムなどの過塩素酸塩、塩素酸カ
リ、臭素酸カリなどのハロゲン酸塩、過酸化水素/第1
鉄塩、過硫酸塩/亜硫酸塩、クメンヒドロパーオキシド
/第1鉄塩、過酸化水素/L−アスコルビン酸等のレド
ックス系重合開始剤等を例示することができる。これら
は1種以上を使用することができる。これらの中でも、
過硫酸塩が本発明の目的を達成する為に好ましい。
【0016】重合反応系への開始剤(A)及び開始剤
(B)の添加量は、モノマー100重量部に対して、そ
れぞれ好ましくは0.01〜1.0重量部、更に好まし
くは0.01〜0.5重量部である。そして、重量比
〔開始剤(A)〕/〔開始剤(B)〕は好ましくは1/
100〜1/1である。このような範囲でこれらの重合
開始剤を用いることが経済的観点より及び本発明の目的
を達成する為に好ましい。
【0017】本発明の高吸水性樹脂の製法において、モ
ノマーの重合法は特に限定しないが、好ましくは、モノ
マーを重合反応の進行に従って重合反応系へ供給する重
合法により行われる。更に好ましくは、得られる高吸水
性樹脂の粒径を制御する点で、モノマー又はその水溶液
を疎水性有機溶媒を含有する分散媒体中へ供給する逆相
懸濁重合法により行われる。上記疎水性有機溶媒として
は、例えば、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキ
サン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、メチルシクロヘ
キサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエンなど
の芳香族炭化水素、n−ブチルアルコール、n−アミル
アルコールなどの炭素数4〜6の脂肪族アルコール、メ
チルエチルケトンなどの脂肪族ケトン、酢酸エチルなど
の脂肪族エステル類などを例示することができる。これ
らの疎水性有機溶媒は、一種以上を用いることができ
る。また、上記疎水性有機溶媒の使用量は、モノマー又
はその水溶液100重量部に対して、好ましくは50〜
500重量部、更に好ましくは100〜500重量部で
ある。
【0018】また、上記分散媒体には、上記疎水性有機
溶媒以外に、両親媒性の溶剤を加えてもよい。該両親媒
性の溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、及び2−プロパノールなどのアルコール類、アセ
トンなどのケトン類、及びテトラヒドロフラン及びジオ
キサンなどのエーテル類が挙げられる。該両親媒性の溶
剤の使用量は、該疎水性有機溶媒との合計量で、モノマ
ー100重量部に対し500重量部までの量であること
が好ましい。
【0019】また、モノマーの重合を行う際に、分散剤
を用いることができる。分散剤としては、例えば、ソル
ビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート及
びポリオキシメチレンソルビタンモノオレート等のソル
ビタン脂肪酸エステル、トリメチルステアリルアンモニ
ムクロリド及びカルボキシメチルジメチルセチルアンモ
ニウム等の陽イオン性及び両性の界面活性剤、ポリオキ
シエチレンドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩
及びドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩等の陰
イオン性界面活性剤、アルキルグルコシド等のグリコシ
ド化合物、エチルセルロース及びベンジルセルロース等
のセルロースエーテル、セルロースアセテート、セルロ
ースブチレート及びセルロースアセテートブチレート等
のセルロースエステル、マレイン化ポリブタジエン、マ
レイン化ポリエチレン、マレイン化α−オレフィン、ス
チレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート4級塩及
びイソプロピルメタクリレート−ジメチルアミノエチル
メタクリレート4級塩等の高分子分散剤を例示すること
ができる。これらの分散剤は一種以上を用いることがで
きる。分散剤の使用量は、モノマー100重量部に対し
て、好ましくは0.01〜5重量部である。特に、モノ
マーの逆相懸濁重合を行う場合には、モノマーの分散剤
としてイオン性界面活性剤を用いることが、高吸水性樹
脂粒子の凝集を防ぐという点で好ましい。
【0020】モノマーを重合する際の重合温度は、好ま
しくは20〜120℃、更に好ましくは40〜100℃
である。重合温度がこの範囲の場合、好ましい重合速度
が達成される。
【0021】また、本発明の高吸水性樹脂の製法の実施
にあたり、重合前、重合時、重合後又は乾燥時等におい
て、架橋剤を添加することができる。該架橋剤として
は、例えば、ポリアリル化合物、ポリビニル化合物、ポ
リグリシジルエーテル、ハロエポキシ化合物、ポリアル
デヒド、ポリオール、ポリアミン、ヒドロキシビニル化
合物、またカルシウム、マグネシウム、亜鉛及びアルミ
ニウムなどの多価イオンを生じる無機塩または有機金属
塩などを例示することができる。
【0022】また、モノマーの重合(好ましくは逆相懸
濁重合)を終了した後、必要に応じ通常の後処理、例え
ば、共沸脱水、乾燥等を行うことにより、所望の高吸水
性樹脂を得ることができる。
【0023】本発明の製法により得られた高吸水性樹脂
は、吸水倍率が高く、しかも残存モノマー量が低減した
ものであり、このため、衛生用品分野で、幼児用、大人
用もしくは失禁者用の紙おむつ(使い捨ておむつ)又は
婦人用の生理用ナプキン等の吸収性物品における吸水性
物質等として使用される。
【0024】
【実施例】特に断らない限り、以下の実施例及び比較例
における「%」は、「重量%」を表す。実施例及び比較
例を説明するに先立ち、実施例及び比較例で行った試験
方法を以下に示す。
【0025】〔遠心脱水後の水の保持量の測定〕高吸水
性樹脂1gを生理食塩水(0.9%NaCl水溶液、大
塚製薬製)150mlで30分間膨潤させた後、不織布
袋に入れ、遠心分離機にて143Gで10分間脱水し、
脱水後の総重量(全体重量)を測定した。そして、次式
(1)に従って、遠心脱水後の保持量を測定する。
【0026】 ここで、不織布袋液残り量= (遠心脱水後の不織布重
量)- (不織布袋重量) である。
【0027】〔高吸水性樹脂の残存モノマー含量の測
定〕高吸水性樹脂1g及び2重量%CaCl2 水溶液2
5gを50mlスクリュー管内で密閉し、室温で10分
間膨潤させた。次に、スクリュー管に32重量%CaC
2 水溶液5gを加えて強く振とうし、上澄み液を0.
5μmフィルターで濾過した。これを蒸留水で5倍に希
釈し、測定試料とした。測定試料を高速液体クロマトグ
ラフィー〔655A−11、(株)日立製〕に注入して
残存モノマーのピーク面積を求めた(測定条件は下記の
通り)。別に既知濃度のアクリル酸モノマー水溶液から
検量線を作成し、この検量線から残存モノマー含量を求
める。 (測定条件) カラム:GLサイエンス社製、Intersil OD
S−3(4.6mmφ×150mm)有機酸分析用 プレカラム:Mark社製、LiChrospher1
00RP−18(e) 溶離液:20mM−H2 KPO4 ・H2 O(90)/ア
セトニトリル(10)H3 PO4 でpH2.5に調整 流速:1.2mL/min 検出:UV205nm 注入量:20μl
【0028】〔重合反応系中の未重合モノマー重量の測
定とモノマー転換率の算出〕重合中の高吸水性樹脂溶液
10gを50mlスクリュー管内にサンプリングし、氷
水で冷却しながら2重量%CaCl2 水溶液25gを添
加した。充分冷却した後、密閉し、室温で10分間膨潤
させた。以下、上記の〔高吸水性樹脂の残存モノマー含
量の測定〕と同じ操作を行い、重合反応系中の未重合モ
ノマー重量を求める。この値を用いて、前記の式に従い
モノマー転換率を求める。
【0029】〔実施例1〕撹拌機、還流冷却器、滴下ロ
ート、窒素ガス導入管を付した1000ml4つ口フラ
スコに分散媒体としてシクロヘキサン400ml、分散
剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩
(平均エチレンオキシド付加モル数=2)の25%水溶
液0.82gを仕込み、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素
を追い出し、75℃まで昇温した。別のフラスコにて、
アクリル酸102.0gをイオン交換水25.5gで希
釈し、外部より冷却しつつ、30%水酸化ナトリウム水
溶液140gで中和し、モノマー水溶液としてのアクリ
ル酸ナトリウム水溶液を得、このモノマー水溶液を均等
に二分割した。次いで、このモノマー水溶液に開始剤
(A)として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)ジヒドロクロリド(和光純薬工業(株)製、商品名
V−50、以下同じ)0.051gをイオン交換水2.
5gに溶解させたものを分割したモノマー水溶液の1つ
に添加した後、2つのモノマー水溶液のそれぞれに窒素
ガスを吹き込み水溶液内に残存する酸素を除去した。開
始剤(A)を添加したモノマー水溶液を上記4つ口フラ
スコに30分かけて滴下し、次いで、開始剤(A)を添
加していないモノマー水溶液を上記4つ口フラスコに3
0分かけて別々に滴下し重合した。そして、モノマー転
換率50%、75%、100%時それぞれに、上記4つ
口フラスコに、開始剤(B)として過硫酸カリウム0.
136gをイオン交換水4.5gに溶解させたものを添
加し、モノマーの重合を行った。重合終了後、脱水管を
用いて共沸脱水を行い、高吸水性樹脂の含水量を高吸水
性樹脂100重量部に対して40重量部に調整した。そ
の後、架橋剤としてポリグリセロールポリグリシジルエ
ーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名デナコールE
X−512)0.1gを水2gに溶解したものを添加
し、75〜80℃で2時間反応させた。その後、更に共
沸脱水を行い、高吸水性樹脂の含水量を高吸水性樹脂1
00重量部に対して30重量部に調整した。冷却後、シ
クロヘキサンをデカンテーションで除き、80〜100
℃、約50Torrの条件で乾燥させることにより高吸
水性樹脂を得た。得られた高吸水性樹脂の遠心脱水後の
水の保持量及び残存モノマー含量をそれぞれ測定した。
それらの結果を表1に示した。
【0030】〔実施例2〕開始剤(B)としての過硫酸
カリウムの添加量を、表1に示した量に代えること以外
は、実施例1と同様の操作により高吸水性樹脂を得、同
様の評価を行った。それらの結果を表1に示した。
【0031】〔実施例3〕実施例1と同様にして、シク
ロヘキサン及び分散剤を仕込んだ4つ口フラスコ並びに
均等に二分割したモノマー水溶液としてのアクリル酸ナ
トリウム水溶液を調製した。この一方のモノマー水溶液
に、実施例1と同様に、開始剤(A)としての2,2’
−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド
0.051gをイオン交換水2.5gに溶解させたもの
を添加した。また、もう一方のモノマー水溶液に、開始
剤(B)としての過硫酸カリウム0.408gをイオン
交換水14gに溶解させたものを添加した。次いで、実
施例1と同様にして2つのモノマー水溶液の酸素を除去
した。上記4つ口フラスコへ、開始剤(A)を添加した
モノマー水溶液を30分かけて滴下し、次いで、開始剤
(B)を添加したモノマー水溶液を30分かけて滴下
し、モノマーの重合を行った。以下、実施例1と同様の
操作により高吸水性樹脂を得、同様の評価を行った。そ
れらの結果を表1に示した。
【0032】〔実施例4〕500mlフラスコにアクリ
ル酸102.0gをイオン交換水25.5gで希釈し、
外部より冷却しつつ、30%水酸化ナトリウム水溶液1
40gで中和した。このモノマー水溶液を窒素ガスで3
0分間脱気後、内容量500mlでシグマ型羽根を2本
有するジャケット付きステンレス製双腕型ねつか機(ニ
ーダー)に蓋を付けた窒素置換された反応器に入れた。
次いで、開始剤(A)として2,2’−アゾビス(2−
アミジノプロパン)ジヒドロクロリド0.051gをイ
オン交換水2.5gに溶解させたものを添加し、重合開
始させた。モノマー転換率25%時に、上記ニーダーに
開始剤(B)として過硫酸カリウム0.408gをイオ
ン交換水14gに溶解させたものを添加し、モノマー転
換率が100%になるまで撹拌し続けた後、ゲル状化合
物を得た。得られたゲル状化合物を、180℃で60分
間、熱風乾燥し加熱処理して乾燥物を得た。得られた乾
燥物を振動ミルで粉砕し、更に18.5メッシュで分級
することにより高吸水性樹脂を得た。得られた高吸水性
樹脂の遠心脱水後の水の保持量及び残存モノマー含量を
それぞれ測定し、その結果を表1に示した。
【0033】〔実施例5〜8〕開始剤(A)及び開始剤
(B)として、表1に示すものを用いた以外は実施例1
と同様の操作により高吸水性樹脂を得、同様の評価を行
った。それらの結果を表1に示した。
【0034】〔比較例1〕開始剤(B)としての過硫酸
カリウムを使用せず、これに代えて開始剤(A)として
の2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒド
ロクロリドを使用すること以外は、実施例1と同じ操作
により高吸水性樹脂を得、同様の評価を行った。それら
の結果を表1に示した。
【0035】〔比較例2〕開始剤(A)としての2,
2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロ
リドを使用せず、これに代えて開始剤(B)としての過
硫酸カリウムを使用すること以外は、実施例1と同じ操
作により高吸水性樹脂を得、同様の評価を行った。それ
らの結果を表1に示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、高吸水倍率を有し、残
存モノマーの非常に少ない高吸水性樹脂が、極めて効率
よく、経済的に有利に得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−133404(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 C08F 2/32

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ビニルモノマー(以下、モノマー
    という)を重合させることによって行われる高吸水性樹
    脂の製法であって、下記重合開始剤(A)の存在下に重
    合開始後、モノマー転換率が10〜90%の間に、下記
    重合開始剤(B)を少なくとも1回添加する高吸水性樹
    脂の製法。 重合開始剤(A):全量の80重量%以上がアゾ系重合
    開始剤(但し、油溶性重合開始剤を除く)である重合開
    始剤 重合開始剤(B):酸化性重合開始剤
  2. 【請求項2】 重合反応系への重合開始剤(A)及び重
    合開始剤(B)の添加量が、モノマー100重量部に対
    してそれぞれ0.01〜1.0重量部である請求項1記
    載の高吸水性樹脂の製法。
  3. 【請求項3】 重合開始剤(A)おけるアゾ系重合開
    始剤が、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)
    ジヒドロハライド及び2,2’−アゾビス[2−(2
    ミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロハライ
    らなる群より選択される一種以上であり、重合開始剤
    (B)である酸化性重合開始剤が過硫酸塩である請求項
    1又は2記載の高吸水性樹脂の製法。
  4. 【請求項4】 モノマーの重合が、モノマー又はその水
    溶液を疎水性有機溶媒を含有する分散媒体中へ供給する
    逆相懸濁重合である請求項1〜3のいずれかに記載の高
    吸水性樹脂の製法。
  5. 【請求項5】 モノマーの逆相懸濁重合を行うに際し、
    モノマーの分散剤としてイオン性界面活性剤を用いる請
    求項4記載の高吸水性樹脂の製法。
JP14319998A 1998-05-25 1998-05-25 高吸水性樹脂の製法 Expired - Fee Related JP3326110B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14319998A JP3326110B2 (ja) 1998-05-25 1998-05-25 高吸水性樹脂の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14319998A JP3326110B2 (ja) 1998-05-25 1998-05-25 高吸水性樹脂の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11335404A JPH11335404A (ja) 1999-12-07
JP3326110B2 true JP3326110B2 (ja) 2002-09-17

Family

ID=15333186

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14319998A Expired - Fee Related JP3326110B2 (ja) 1998-05-25 1998-05-25 高吸水性樹脂の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3326110B2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4248088B2 (ja) * 1998-07-10 2009-04-02 三菱レイヨン株式会社 粒状ビニル系重合体の製造方法
EP1609810B1 (en) 2003-03-17 2013-01-16 Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. Process for production of water-absorbing resin particles
JP2005314458A (ja) * 2004-04-27 2005-11-10 Kao Corp シリコーン変性吸水性ポリマー粒子及びその製造法
JP5306197B2 (ja) 2006-07-19 2013-10-02 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア モノマー溶液の液滴の重合による、吸水性ポリマー粒子の製造方法
JPWO2011065368A1 (ja) * 2009-11-27 2013-04-11 住友精化株式会社 吸水性樹脂粒子の製造方法、吸水性樹脂粒子、止水材及び吸収性物品
JPWO2013051417A1 (ja) * 2011-10-06 2015-03-30 住友精化株式会社 吸水性樹脂粒子の製造方法
JP5766344B1 (ja) * 2014-07-11 2015-08-19 住友精化株式会社 吸水性樹脂及び吸収性物品
JP5719079B1 (ja) 2014-07-11 2015-05-13 住友精化株式会社 吸水性樹脂及び吸収性物品
JP2016028116A (ja) 2014-07-11 2016-02-25 住友精化株式会社 吸水性樹脂及び吸収性物品
JP5719078B1 (ja) * 2014-07-11 2015-05-13 住友精化株式会社 吸水性樹脂の製造方法
JP5689204B1 (ja) * 2014-07-11 2015-03-25 住友精化株式会社 吸水性樹脂の製造方法、吸水性樹脂、吸水剤、吸収性物品
JP5893116B2 (ja) 2014-07-11 2016-03-23 住友精化株式会社 吸水性樹脂及び吸水性樹脂の製造方法
JP5893117B2 (ja) * 2014-07-11 2016-03-23 住友精化株式会社 吸水性樹脂及び吸収性物品
JP5966031B2 (ja) * 2015-02-24 2016-08-10 住友精化株式会社 吸水性樹脂、及びその製造方法
WO2016148153A1 (ja) * 2015-03-16 2016-09-22 住友精化株式会社 吸水性樹脂および吸水剤
WO2017169931A1 (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 旭化成株式会社 メタクリル系樹脂組成物、及び成形体
KR102191462B1 (ko) * 2017-08-22 2020-12-15 주식회사 엘지화학 고흡수성 수지 시트의 제조 방법 및 이로부터 제조된 고흡수성 수지 시트

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11335404A (ja) 1999-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3326110B2 (ja) 高吸水性樹脂の製法
KR0148487B1 (ko) 고흡수성 중합체의 제조방법
WO2001098382A1 (fr) Procede de production d'une resine absorbant l'eau
EP0586976B1 (en) Process for producing polymer particles with irregular shape
SG189955A1 (en) Method for producing water-absorbent resin
US4524186A (en) Process for producing water-absorbing resins
JPS61271303A (ja) 吸水性樹脂の製造方法
GB1582045A (en) Manufacture of hydrophilic polymers in powder form
EP0287970A2 (en) Process for producing highly water absorptive polymer
JP3294463B2 (ja) 高吸水性ポリマーの製造方法
JPH03195713A (ja) 高吸水性ポリマーの製造法
JP3076853B2 (ja) 架橋ポリマーよりなる吸水性の粉末およびそれを内蔵する衛生用品
US5210159A (en) Process for preparing porous and water-absorbent resin
JPS6343930A (ja) 高吸水性ポリマ−の製造法
JP4107775B2 (ja) 高吸水性樹脂の製造方法
JPH03195709A (ja) 高吸水性ポリマーの製造法
JP3871434B2 (ja) 高吸水性樹脂の製法
JPH0848721A (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JPS63297408A (ja) 改良された高吸水性樹脂の製造方法
JPS61157513A (ja) 高吸水性ポリマ−の製造方法
JP3871445B2 (ja) 高吸水性樹脂の製法
JP2721658B2 (ja) 重合体粒子の製造方法
JP3311753B2 (ja) 不定形重合体粒子の製造方法
JP3311754B2 (ja) 不定形重合体粒子の製造方法
JPH02242809A (ja) 耐塩性吸水性樹脂の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080705

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080705

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090705

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090705

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100705

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110705

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110705

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120705

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120705

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130705

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees