JP3325502B2 - 廃棄物の選別装置 - Google Patents

廃棄物の選別装置

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JP3325502B2 JP26552997A JP26552997A JP3325502B2 JP 3325502 B2 JP3325502 B2 JP 3325502B2 JP 26552997 A JP26552997 A JP 26552997A JP 26552997 A JP26552997 A JP 26552997A JP 3325502 B2 JP3325502 B2 JP 3325502B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一般系廃棄物及
び建設廃棄物処理施設などに使用する廃棄物の選別装
置、特に比重の異なる複合廃棄物の選別処理に好適な選
別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の選別装置として、例えば
この発明の出願人が先に提案した廃棄物の回転選別装置
が知られている(特開平4-358578号公報)。
【0003】この選別装置は、回転ローラ上に、両端が
開口し、かつ内部に多数の逆送り用の掻き上げ板を有す
る円筒状スクリーンをほぼ水平に載置し、このスクリー
ン内に、両端が開口し、かつ内部に送りスクリューを有
する輸送管を該スクリーンの前端開口から中ほどまで延
設させて適宜の間隔をもって同心状に配設し、この間隔
を環状通路とするとともに、スクリーンの前端開口側に
複数個の空気供給管を環状通路と輸送管に向けて配設し
たものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の回転選別装置は次のような問題がある。 イ)輸送管から円筒状スクリーンに落下する廃棄物のう
ち、比較的重い針金や木片(特に細長いもの)が該スク
リーンの回転作用でスクリーン内を擦って篩孔に引っ掛
かり易く、一旦引っ掛かると次第に成長し、ついには篩
孔を閉塞する問題がある。 ロ)軽量のプラスチック(シートや袋状のもの、スポン
ジ、断熱材)や紙などの廃棄物は円筒状スクリーン内へ
の送風により吹き飛ばす必要があるが、このときの風量
は、スクリーンの実際に篩効果を示す部分が全体の30%
程度であることを考えると必要風量の約3倍必要とな
り、風量が大きく、この風の発生源として不必要に大き
なものを使用しなくてはならなかった。 ハ)スクリーンの篩面が必要以上に大きくなるため、装
置が大型化し、重量があり、しかも駆動動力が大きくな
って経済的ではなかった。 ニ)また複数の選別装置を設置して廃棄物を選別するこ
とにより、選別精度を上げることも考えられるが、各装
置を継ぐためのベルトコンベア等が必要となって設備が
複雑化するばかりか、設置スペースが増大する。
【0005】そこでこの発明は、前記の問題を解決する
ためになしたものであり、装置的にも大型化せず、コン
パクトで省スペース化を図ることができ、目詰りを大巾
に低減することができ、しかも排出トラフから排出され
る廃棄物の選別精度が高い廃棄物の選別装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、一端側上部に廃棄物供給口、他
端側に同排出口を有する箱型中空本体を振動手段により
振動可能に設け、箱型中空本体内の高さ方向上部側位置
に供給口から供給された廃棄物をふるい落としながら排
出口側へ搬送する多孔部材を設け、この多孔部材は供給
口側の略半部が多数の篩孔を有する篩部に形成され、か
つ同排出口側の略半部が多数の風選孔を有する風選部に
形成されており、多孔部材の篩部の下方に篩部を通過し
た廃棄物の搬送部を設け、多孔部材の風選部の下方を風
選部用区画室に形成するとともに、風選部用区画室に空
気供給口を設け、風選部用区画室の下方であって、搬送
部と隣接した位置に風力併用形篩部を設けるとともに、
風力併用形篩部に篩上物排出口を設け、風力併用形篩部
の下方を風力併用形篩部用区画室に形成するとともに、
区画室に篩下物排出口と空気供給口を設けた廃棄物の選
別装置において、多孔部材の風選部の下流側端部に排出
トラフをほぼ水平に連接して設け、この排出トラフの下
方に囲い板によって吹出用空気室を形成し、この空気室
に供給された空気を吹き出す際に幅方向に均等となるよ
うに整流する通路を前記本体の幅方向ほぼ全長にわたっ
て形成し、前記通路が、空気室側の狭い通路と、これと
連通する比較的広い通路とからなっていることを特徴と
する。
【0007】請求項2の発明は、請求項1において、広
い通路の空気吹き出し側に、前記本体の幅方向ほぼ全長
にわたって延びる長孔としての空気吹出口を有する回動
形ノズルを配設している。請求項3の発明は、請求項1
又は2において、排出トラフの下方であって、吹出用空
気室の下流側寄りに囲い板によって流動用空気室を隣接
して形成し、この空気室に供給された空気を誘導する通
路を中仕切板により本体の幅方向ほぼ全長にわたって形
成し、かつ前記排出トラフの終端部に前記通路を経た空
気を吹き出す多孔板部を形成している。
【0008】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかにおいて、排出トラフの終端部に隣接して分配シ
ュートを配設し、該シュートの中程に分配板を設けると
ともに、その前後のシュートの下部に排出口を形成して
いる。請求項5の発明は、請求項4において、分配シュ
ートの上部に吸引フードを設けている。
【0009】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の好ましい一実施
の形態の選別装置を示す概略正面図、図2は図1のII−
II線に沿う同概略側面図である。両図において、1は風
力併用形の箱型振動篩としての選別装置を示し、この選
別装置1は一端側上部に廃棄物供給口2、他端側に同排
出口3を有し、水平か、排出口3側が下側となるように
傾斜(10°位まで)した横長な箱型中空本体4と、該本
体内の高さ方向を上下2段とし、上段側にほぼ水平に設
けられ供給口2から供給される廃棄物をふるい落としな
がら排出口3側へ搬送する多孔部材5と、本体4内の下
段側に前後(図面では左右)方向に隣接して設けた廃棄
物の搬送部90、磁気選別部17及び風力併用形篩部18と、
本体4を図1に矢印Aで示す斜め方向に振動させる振動
手段6とを具えている。本体4は下端ブラケット4aを
介して斜設された揺動レバー10及び該レバー10と直角方
向に配設されたスプリング11で支持されて機台9上に設
置され、機台9はベース7上にばね8を介して設置され
ている。振動手段6は本体4と機台9の支持台12の間に
設けた振動部13と、支持台12上に設けたモータ14とから
なっている。本体4の機台9などを含む支持機構及び振
動手段6はあくまでも一例であって、他の同様な機構等
に置き換えてもよいことは言うまでもない。
【0010】多孔部材5は該部材の供給口2側略半部が
多数の篩孔5bを有する篩部5aに形成され、かつ同排
出口3側略半部が多数の風選孔5fを有する風選部5c
に形成されている。風選部5cは立て壁5iにより上段
(上流側)の風選部5c1と下段(下流側)の風選部5
c2とからなる1つの段差をもった階段状の構造となっ
ている。篩部5aは図3(A),(B)に示すように両側板
51cを介して廃棄物の搬送方向に所定の間隔をおいて複
数個、該搬送方向に傾斜して重合配設された略くの字状
断面の折曲板(傾斜板)51aで形成され、該折曲板51a
間が篩孔5bに形成されている。この例では折曲板51a
の上部側が櫛歯部51bに形成され、該櫛歯部51bにも篩
孔5bと連通する篩補助孔51b′が廃棄物の搬送方向と
直角方向に複数個形成されている。篩補助孔51b′は隣
接する折曲板51a間においては互い違いに形成されてい
る。51eは最下流側の折曲板51aと隣接してその下流側
に設けられ、折曲板51aとともに篩部5aを構成する平
板である。風選部5cはこの例では1つの段差をもった
階段構造となっているが、段差を2つ以上設けて2段以
上の階段構造にしてもよいし、あるいは段差を有しない
構造としてもよい。また風選部5cの上段風選部5c1
と下段風選部5c2は図4,5にその一部を示すよう
に、全体が水平の平板5dで形成され、平板5dの表面
に平板5dの板厚よりも大きく凹んだ凹部5eが複数
個、所定間隔をおいて同向きの直列状に、かつ千鳥状に
複数列にわたり一体に形成され、凹部5eの長手側とな
る相対向する側壁(図4に示す凹部5eの廃棄物搬送方
向Bとほぼ平行となる側壁)に風選孔5fが設けられて
いる。凹部5eの短手側となる相対向する側壁は底壁に
向けて傾斜壁5gに形成されている。このように傾斜壁
5gにしたのは比重の軽い廃棄物が凹部5eに引っ掛る
のを防止するためである。
【0011】多孔部材5の篩部5a及び風選部5cは従
来より公知の平面状部材に多数の丸形等の孔を形成した
ものでもよい。また多孔部材5は水平に配設するだけで
なく、供給口2側から排出口3側に向けて下向きに傾斜
して配設してもよい。この場合、傾斜角度、すなわち多
孔部材5と水平面との仰角は5°〜10°が好ましい。そ
の理由は次の通りである。廃棄物は種々雑多なものの混
合物であり、この中には比重の小さい軽量物や比重の大
きい重量物が含まれる。このうち軽量物(例えば見掛け
比重の小さいプラスチックシート類)は振動によって軽
量物を搬送するために与える衝撃力が小さいことから多
孔部材5上を停滞することがある。したがって、円滑な
流れをさせるためには傾斜角度の下限は5°とするのが
適当である。一方、重量物は傾斜と振動の影響を受け、
流れやすいがあまり大きくすると安息角を越えて流れす
ぎることになるため、傾斜角度の上限は10°とするのが
適当である。これによって廃棄物(特に比重差の大きい
混合物)の篩分効率がアップするとともに、選別処理量
が増大する。5hは風選部5cの排出口3側端に設けた
制量堰である。5hは風選部5cの下段風選部5c2の
排出口3側端に設けた制量堰である。
【0012】15は風選部5cの下方に形成された風選部
用区画室である。風選部用区画室15は立て壁5iと垂直
方向に面一に配置された仕切壁33により供給口側の吸引
フード25aと相対向する前部区画室15aと、排出口側の
吸引フード25bと相対向する後部区画室15bと、の2室
に形成され、両区画室15a,15bにはそれぞれ空気供給
口16a,16bが設けられている。各空気供給口16a,16
bには送風機21がそれぞれ配管22a,22bを介して接続
され、送風機21からの空気を調節用バルブ23a,23bを
経て前、後部区画室15a,15bに供給できるようになっ
ている。この例では風選部5cの風選孔5fを通る空気
の通過速度は約0.5〜50m/秒に設定されている。また、
24は本体4の上壁に風選部5cに対向するように設けた
排気口で、この排気口24に末広がり状の吸引口26を有す
る吸引フード25a,25bが嵌装され、その上部が装置外
に設置した架台27で支持されている。28は排気口24の上
部に設けられたフレキシブルチューブである。また、吸
引フード25a,25bにはそれぞれ導管29a,29bを介し
てサイクロンなどの捕集機30a,30bが接続され、さら
に捕集機30a,30bとも排風機31に接続されている。32
a,32bは調節用バルブである。
【0013】前記した搬送部90及び磁気選別部17は篩部
5aの下方に配設され、搬送部90は排出口3側に向けて
傾斜した傾斜壁90aからなり、磁気選別部17は磁選機17
aからなり、磁選機17aの下方には金属片排出口17bが
設けられている。尚、磁気選別部17を省略して不燃物を
搬送部90のみで風力併用形篩部18に搬送するようにして
もよい。また搬送部90は前記のような傾斜壁90aに代え
て、供給コンベアとしてもよい。風力併用形篩部18は風
選部5cの下方に配設され、多孔板18aに多数の篩孔18
bが形成され、篩孔18bの下方が風力併用形篩部用区画
室19に形成されている。18cは篩上物排出口である。区
画室19には空気供給口19aが設けられ、空気供給口19a
には送風機21が配管22cを介して接続され、送風機21か
らの空気を調節用バルブ23cを経て区画室19に供給でき
るようになっている。19bは篩下物排出口である。この
例では風力併用形篩部18の篩孔18bを通る空気の通過速
度は約0.5〜50m/秒に設定されている。
【0014】区画室19の多孔板18aの下方には多数の棒
材81を図1において前後方向に間隔をおいて配設され、
多孔板18aとの間にケージ室80が形成されている。ケー
ジ室80内にはタッピング(叩打)ボール82が収容されて
いる。棒材81の間隔は少なくとも篩孔18bよりも大きく
設定される。また、ケージ室80内に複数の仕切板を設け
て区画し、タッピングボール82の片寄りを防止すること
ができる。前記実施の形態では棒材81を並べてケージ室
80としたが、棒材81に代えて多孔板あるいは金網として
もよい。またボール82の材質としてはゴム等の弾性体又
は金属製体が使用される。20は多孔板18aの上方に設け
られた吸引フードで、下部に吸引口20aを有している。
吸引フード20には導管29cを介してサイクロンなどの捕
集機30c及び排風機31が接続されている。32cは調節用
バルブである。
【0015】図1において37は排出口3部に設けた排出
トラフで、多孔部材5の終端部、すなわち風選部5cの
下段風選部5c2の下流側端部に水平に連接して設けら
れている。この排出トラフ37の排出口3から本体4の外
側に突出した部分となる終端部寄りには図6に示すよう
に多孔板部37aが形成されている。排出トラフ37の下方
には囲い板83a,83bが設けられ、その内側の下流側寄
りには囲い板84a,84b,84cが設けられ、囲い板83a
と囲い板84aによって吹出用空気室83が形成され、また
囲い板84a,84b,84cによって流動用空気室84が形成
されている。空気室83の下方、すなわち空気室83と空気
室84との間には入口83eを介して囲い板83aと囲い板84
bとの間でほぼ平行な狭い通路83fが形成され、かつこ
れに続く囲い板83bと囲い板84cとの間で斜め上向きの
比較的広い通路83gが形成されている。83cはその通路
83gの上方に形成された開口で、該開口にはこれを塞ぐ
ように回動形ノズル85が配設され、該ノズルには本体4
の幅方向に長い長孔となった空気吹出口86が形成されて
いる。空気室84には中仕切板84eが斜設され、該中仕切
板84eと囲い板84cとの間で下方の入口84fを介して斜
め上向きの案内通路84gが形成されている。この案内通
路84gの上部が多孔板部37aとなっており、該多孔板部
の具体的な構成は図4,5に示す風選部5cの上段風選
部5c1と下段風選部5c2と同様であるので、詳しい
説明は省略する。
【0016】空気室83には空気供給口83dが設けられ、
該空気供給口には送風機21が配管22eを介して接続さ
れ、送風機21からの空気を調節用バルブ23eを経て空気
室83に供給できるようになっている。このように空気室
83に供給された空気は入口83eから通路83fと通路83g
を経てノズル85の空気吹出口86から斜め上向きに吹き出
すようになっている。図示の例では空気がノズル85の空
気吹出口86から斜め上向き(約40°)に吹き出すように
なっているが、この吹き出し角度は水平面(0°)との
間で可変できるようになっている。吹き出し角度は処理
物の種類、形状、吹き出し速度などにより決定される。
しかして空気室83に供給された空気は入口83eから狭い
通路83fを通過する過程で整流される。したがって、整
流された空気は広い通路83gを経て空気吹出口86から幅
方向に均等に吹き出すことになり、ひいては選別純度及
び回収率が高められる。
【0017】空気室84には空気供給口84dが設けられ、
該空気供給口には送風機21からの配管22fが接続され、
送風機21からの空気を調節用バルブ23fを経て空気室84
に供給できるようになっている。このように空気室84に
供給された空気は入口84fから案内通路84gを経て多孔
板部37aから吹き上がるようになっている。多孔板部37
aの開口率を10〜20%の範囲に設定することで、均等な
吹き上げが可能となる。尚、多孔板部37aの孔は丸形、
矩形を問わない。ここで排出トラフ37上を搬送されてき
た処理物のうち、軽量物は流動化されるとともに、定形
物(例えばアルミ缶)の姿勢が一定向きとなって、その
後の吹き出し空気による飛び出し距離が一定化される。
排出トラフ37を図示のように移送方向に向かって下向き
傾斜(5°程度)させると、処理物の移送速度が上が
り、個々引き離されて流動化が容易となる。また、多孔
板部37aによる流動化と前記空気吹出口86からの吹き出
しとの相乗作用により選別精度はさらに高められる。
【0018】図1において、87は排出トラフ37の終端部
に隣接して配設された分配シュートで、該シュートの中
程には分配板87aが設けられ、その前後のシュートの下
部には排出口87b,87cが形成されている。排出口87c
の下方にはベルト形アルミ選別機88が配設されている。
分配シュート87の上部には吸引フード89が設けられ、該
フードには導管29eを介してサイクロンなどの捕集機30
e及び排風機31に接続されている。32eは導管29eに設
けられた調節用バルブである。この実施の形態では捕集
機30a〜30eを4台用いたが、廃棄物の種類によっては
1台でもよい。
【0019】この実施の形態においては、図6(B)に仮
想線aで示すように入口83eから空気室83内に向けて囲
い板84bを水平に延長し、狭い通路83fを長くすること
も可能である。同様に仮想線bで示すように入口84fか
ら空気室84内に向けて仕切板84eを水平に延長して案内
通路84gを長くすることも可能である。このように狭い
通路83f,案内通路84gを長くすることで空気の整流作
用が高められることとなり、本体4の幅が狭い場合に特
に有効である。
【0020】前記実施の形態の作用を説明する。建設廃
棄物(又は一般廃棄物)を図示省略した廃棄物破砕機に
よって破砕した後、搬送コンベヤなどにより直接搬送し
て供給口2から本体4内に投入する一方、送風機21から
の空気を配管22a,22bを経て空気供給口16a,16bか
ら風選部用区画室15の前部区画室15aと後部区画室15b
内に供給するとともに、配管22cを経て空気供給口19a
から風力併用形篩部用区画室19内に供給し、かつ配管22
e,22fを経て空気供給口83d,84dから空気室83,84
内に供給する。これにより投入された廃棄物は多孔部材
5上を振動手段6、すなわちモータ14の起動による振動
部13の発振により、振動作用を受けながら排出口3側へ
搬送され、まず廃棄物のうち、石、コンクリート、陶
器、ガラスの砕片からなる不燃物が、篩孔5b(篩補助
孔51b′)を通り落下する。この場合、単なる振動作用
によって篩上物と篩下物とに分けられる。次いで、篩孔
5b(篩補助孔51b′)を通過しなかった篩上の比較的
大きい廃棄物は、多孔部材5の振動により風選部5c上
をさらに排出口3側に搬送される。ここで、この比較的
大きい廃棄物中、特に細長いもの、例えば木片、混在す
る針金などの金属類が篩孔5b(篩補助孔51b′)に引
っ掛かろうとするが、篩部5aは複数の折曲板51cを重
合配設した構成からなるため、篩孔5b(篩補助孔51
b′)への引っ掛かりが大幅に軽減されて風選部5cに
送られ、目詰りを起こすことが殆どない。
【0021】そして風選部5c上で風選部用区画室15の
前部区画室15aと後部区画室15b内の空気が、図5(C)
に示すように相対向する風選孔5fより凹部5e内にほ
ぼ同量噴出され、凹部5e内で衝突合流後にその上方、
すなわち平板5dの表面方向にほぼ直角に噴出されるこ
とにより、この噴出空気によって、平板5dの表面を流
下する廃棄物はその比重の小さく、軽量のものが大きく
上方へ浮上させられる。また、風選部5cの上段風選部
5c1において、金属類の下敷きとなっていて選別され
ない小さい軽量のもの(主としてビニールシート)が、
金属類とともに立て壁5iから下段風選部5c2上に落
下する過程で風選孔5fからの空気の吹き上げにより容
易に金属類から離れて浮上する。ここで、調節用バルブ
23a,23bを異なる開度に調節する。例えば、前部区画
室15aへの空気供給量を少なく、後部区画室15bへの空
気供給量を多くする。調節用バルブ32a,32bも前記空
気供給量に合わせて調節する。また吹き込み空気量に見
合う量を吸引するように開度が設定される。これによっ
て、前記浮上させられた軽量の廃棄物、すなわち軽量プ
ラスチック類は排風機31により空気とともに吸引口26か
ら吸引フード25a内に吸引され、導管29aを経て捕集機
30aに回収され、紙類は排風機31により空気とともに吸
引口26から吸引フード25b内に吸引され、導管29bを経
て捕集機30bにより選別回収される。そして回収された
軽量プラスチック類は主として減容化されて又は一部焼
却処分され、紙類は可燃物として焼却処理される。
【0022】浮上しない比較的重い廃棄物、主として木
片や金属類及び一部混在するコンクリートや石は制量堰
5hにより下段風選部5c2上で一時停溜される。そし
て、停溜中の木片や金属などは制量堰5hを乗越え、排
出口3を経て排出トラフ37上に送られる。排出トラフ37
上の廃棄物は、まずその中の磁性金属が金属回収用磁選
機38により回収され、さらに排出トラフ37の終端部にお
いて排出トラフ37の振動方向と多孔板部37aから流動化
されて吹き上がる空気により姿勢が制御され、またノズ
ル85の空気吹出口86から整流されて幅方向に均等に吹き
出す空気の相乗作用により一定の距離吹き飛ばされ分配
シュート87に収容されることとなる。この際に、該シュ
ートの分配板87aにより軽重差区分けされ、ビンなどの
比較的重い粗大不燃物は排出口87bから排出され、アル
ミや軽い木片などの可燃物は排出口87cから排出される
とともに、その下方のベルト形アルミ選別機88に載せら
れた上、アルミとそれ以外に選別されてそれぞれ場所を
代えた位置に排出され、回収される。アルミや軽い木片
などの可燃物よりも軽いビニールシートやプラスチック
類やダストなどの可燃物は吸引フード89内に吸引され、
導管29eを経て捕集機30eにより選別回収される。この
ように排出トラフ37から出てくる廃棄物は空気室83,84
から吹き上げられる空気により効率よく選別して回収さ
れる。
【0023】前記のように風選孔5fから噴出される空
気は平板5dの表面方向にほぼ直角に噴出されるから、
軽量の廃棄物であっても平板5d上を流下されることな
く、該空気から浮上作用を効果的に受けて選別されるこ
ととなり、風選孔5fの目詰りもほとんどない。尚、風
選部5cに木片や針金などの金属類が送られてきても、
風選部5cにある風選孔5fは凹部5eの廃棄物搬送方
向とほぼ平行となる相対向する側壁に設けられていて廃
棄物の流れの妨げとならないから、これに引っ掛かるこ
とは皆無である。また、風選部5cの風選孔5fは細長
いスリット状となっており、廃棄物がこの風選孔5fか
ら落下することはほとんどない。
【0024】この選別作用に際して、凹部5eの風選孔
5fからの空気が廃棄物の流れに対して横方向から噴出
し、廃棄物の流れの抵抗となることが少ないため、軽量
の破砕物に効果的に浮力を与えることが可能となり、廃
棄物の比重に大差がなくても高い精度で確実に選別する
ことができる。また、凹部5eには風選孔5f以外に孔
が設けられておらず、風選孔5fのない傾斜壁5gに形
成された側壁は廃棄物の流下の案内部の一部となり、凹
部5eでの目詰りや目詰りによる廃棄物の滞留を引き起
こすことがない。さらに、平板5dの表面には何も出っ
張り部分がないことから、廃棄物の流れがきわめてスム
ーズである。このように廃棄物は多孔部材5の振動と風
選部5cから噴出する空気とさらに吸引風力との相乗作
用によって、軽量プラスチック、紙類及び木片類とに確
実に選別される。
【0025】前記篩孔5bから落下した不燃物は、搬送
部90、すなわち傾斜板90aを経て磁気選別部17、すなわ
ち磁選機17aにのり、ここで不燃物中に入り込んだくぎ
などの金属小片が磁気除去されて、金属片排出口17bか
ら排出され、金属が除かれた不燃物は風力併用形篩部18
の多孔板18a上に載り移る。多孔板18a上の不燃物は振
動作用により振動しながら流下する過程で、その一部が
篩孔18bを通って区画室19内にケージ室80を経て落下
し、篩下物排出口19bから排出されるとともに、篩孔18
bを通過しない不燃物は多孔板18a上を移動しながら、
篩上物排出口18cから排出される。前記した篩孔18bで
の篩分け中にケージ室80の棒材81上にあるボール82が棒
材81の振動に伴って上方向に飛び上がり、篩部18の多孔
板18aを叩打し、次いで棒材81上に落下する。この繰返
しによって多孔板18aは叩打されるから多孔板18aの上
面及び篩孔18bに付着した不燃物は剥離されることとな
る。特に雨水等によって湿った不燃物の場合には付着・
堆積防止に有効に作用する。
【0026】一方、篩分け工程中に送風機21からの空気
が配管22cから空気供給口19aを経て区画室19に供給さ
れ、多孔板18aの篩孔18bを経て上方に吹き上げられ、
この吹き上げ空気によって、多孔板18上の不燃物中に混
じり込んだ比重の小さく軽量のもの(プラスチック細
片、細木片)が浮上させられる。そしてこの浮上した軽
量のものは、排風機31により空気とともに吸引口20aか
ら吸引フード20内に吸引され、さらに導管29cを経て捕
集機30cに回収される。この回収された不燃物はプラス
チック類が含まれない純度の高いものであり、再利用
(砂、小石)されたり、埋立処分される。
【0027】図7は篩部5aの他の変形例を示すもの
で、篩部5aを立て壁51dにより上段の篩部5aと下段
の篩部5aの2段の階段状にしたものであるが、2段以
上であってもよい。これによって、上段の篩部5a上で
シート状物の上に載っているため篩分けできない不燃物
が立て壁51dの段差により先行落下して下段の篩部5a
に載り、ここで確実に篩分けされる。
【0028】図8ないし図12は多孔部材5の平板5dに
形成される凹部の各種変形例を示すものである。尚、各
図の(A)においては平板5d部分を図示省略している。
図8の例は凹部35eの長手方向の長さがやや短く、かつ
短手方向の長さがやや長くなっている点と、傾斜壁35g
の傾斜角度がやや大きくなっている点で、図5の凹部5
eと異なる。35dは平板、35fは風選孔である。図9の
例は凹部45eの長手方向の長さがやや短く、かつ短手方
向の長さがやや長くなっている点と、短手側の相対向す
る側壁が傾斜壁でなく、垂直壁45gに形成されている点
で、図5の凹部5eと異なる。45dは平板、45fは風選
孔である。図10の例は凹部55eの短手方向の長さがやや
長くなっている点と、短手側の相対向する側壁と底壁が
円弧状に連なった湾曲壁55iに形成されている点で、図
5の凹部5eと異なる。55dは平板、55fは風選孔であ
る。図11の例は凹部65eの短手方向の長さがやや長くな
っている点と、短手側の相対向する側壁と底壁が略V字
状に連なったV字壁65jに形成されている点で、図5の
凹部5eと異なる。65dは平板、65fは風選孔である。
このような各種の変形例の凹部35e,45e,55e,65e
も平板5dの表面に図3と同様に配置され、該凹部が設
けられた平板が装置1に取付けられることにより凹部5
eと同様な作用を奏する。
【0029】図12は凹部のさらに別の変形例を示すもの
で、この変形例の平板に形成されている凹部75eは、
(A)から明らかのように風選孔75fが設けられていない
一方の側壁(傾斜壁75g)から他方の側壁(傾斜壁75
g)に向けて末広がり状に形成されている。凹部75eの
平面形状をこのように末広がり状に形成すると、凹部75
e内に廃棄物が入り込んだ場合でも、スムーズに流下す
ることができる。75dは平板、75fは風選孔である。
【0030】図13は吸引フードの変形例を示すもので、
この吸引フード25は先端を絞って細長い吸引口26aとし
たものである。
【0031】この実施の形態においては風力形併用篩部
用区画室19は1つの室となっているが、図示しない仕切
壁により前部多孔板18a1と対向する前部室と、後部多
孔板18a2と対向する後部室の2室に形成し、両区画室
にそれぞれ空気供給口を設けて空気を供給するようにし
てもよく、これらの構成は先の出願(特願平7−260
311号)に記載している通りであるので詳細は省略す
る。
【0032】
【発明の効果】請求項1ないし5の発明は、前記のよう
な構成からなるので、廃棄物のうち、不燃物と可燃物を
その軽量差により効果的に選択回収することができるば
かりでなく、排出トラフから排出される廃棄物も効率良
く選別でき、その選別精度を高めることができる。しか
も、装置的にも大型化せず、コンパクトで省スペース化
を図ることができ、目詰りを大巾に低減することができ
るという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の好ましい一実施の形態の選別装置を
示す概略正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う同概略側面図である。
【図3】篩部を示し、(A)はその平面図、(B)は(A)の
線B−Bに沿う断面図である。
【図4】風選部の平板の一部省略の平面図である。
【図5】風選部の平板に設けた凹部を示し、(A)はその
平面図、(B)は(A)の線B−Bに沿う断面図、(C)は
(A)の線C−Cに沿う断面図である。
【図6】排出トラフの周辺部を示し、(A)はその平面
図、(B)は縦断面図である。
【図7】篩部の他の変形例を示す部分断面図である。
【図8】風選部の平板に設けた凹部の変形例を示し、
(A)はその平面図、(B)は図5の(B)と対応する断面
図、(C)は図5の(C)と対応する断面図である。
【図9】風選部の平板に設けた凹部の変形例を示し、
(A)はその平面図、(B)は図5の(B)と対応する断面
図、(C)は図5の(C)と対応する断面図である。
【図10】風選部の平板に設けた凹部の変形例を示し、
(A)はその平面図、(B)は図5の(B)と対応する断面
図、(C)は図5の(C)と対応する断面図である。
【図11】風選部の平板に設けた凹部の変形例を示し、
(A)はその平面図、(B)は図5の(B)と対応する断面
図、(C)は図5の(C)と対応する断面図である。
【図12】凹部のさらに別の変形例を示し、(A)はその
平面図、(B)は(A)の線B−Bに沿う断面図、(C)は
(A)の線C−Cに沿う断面図である。
【図13】吸引フードの変形例を示す部分断面図であ
る。
【符号の説明】
1 選別装置 2 供給口 3 排出口 4 箱型中空本体 5 多孔部材 5a 篩部 5b 篩孔 5c 風選部 5c1 上段風選部 5c2 下段風選
部 5d 平板 5e 凹部 5f 風選孔 5g 傾斜壁 5h 制量堰 5i 立て壁 6 振動手段 15 風選部用区画
室 15a 前部区画室 15b 後部区画室 16a,16b 空気供給口 17 磁気選別部 17a 磁選機 18 風力併用形篩
部 18a 多孔板 18b 篩孔 19 風力併用形篩部用区画室 19f 前部室 19g 後部室 20 吸引フード 20a 吸引口 25,25a,25b
吸引フード 26 吸引口 29a,29b,29
c,29d,29e 導管 30a,30b,30c,30d,30e 捕集機 31 排風機 37 排出トラフ 37a 多孔板部 38 金属回収用磁
選機 51a 折曲板(傾斜板) 51b 篩歯部 51b′ 篩補助孔 51c 側板 51d 立て壁 51e 平板 80 ケージ室 82 タッピングボ
ール 83,84 空気室 83a,83b,84
a,84b,84c 囲い板 83f 狭い通路 83g 広い通路 84e 中仕切板 84g 案内通路 85 回動形ノズル 86 空気吹出口 87 分配シュート 87b,87c 排出
口 88 ベルト形アルミ選別機 89 吸引フード 90 搬送部 91a 傾斜板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B07B 1/00 - 15/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端側上部に廃棄物供給口、他端側に同
    排出口を有する箱型中空本体を振動手段により振動可能
    に設け、該箱型中空本体内の高さ方向上部側位置に前記
    供給口から供給された廃棄物をふるい落としながら排出
    口側へ搬送する多孔部材を設け、この多孔部材は供給口
    側の略半部が多数の篩孔を有する篩部に形成され、かつ
    同排出口側の略半部が多数の風選孔を有する風選部に形
    成されており、前記多孔部材の篩部の下方に篩部を通過
    した廃棄物の搬送部を設け、前記多孔部材の風選部の下
    方を風選部用区画室に形成するとともに、該風選部用区
    画室に空気供給口を設け、前記風選部用区画室の下方で
    あって、前記搬送部と隣接した位置に風力併用形篩部を
    設けるとともに、該風力併用形篩部に篩上物排出口を設
    け、前記風力併用形篩部の下方を風力併用形篩部用区画
    室に形成するとともに、該区画室に篩下物排出口と空気
    供給口を設けた廃棄物の選別装置において、前記多孔部
    材の風選部の下流側端部に排出トラフをほぼ水平に連接
    して設け、この排出トラフの下方に囲い板によって吹出
    用空気室を形成し、この空気室に供給された空気を吹き
    出す際に幅方向に均等となるように整流する通路を前記
    本体の幅方向ほぼ全長にわたって形成し、前記通路が、
    空気室側の狭い通路と、これと連通する比較的広い通路
    とからなっていることを特徴とする廃棄物の選別装置。
  2. 【請求項2】 広い通路の空気吹き出し側に、前記本体
    の幅方向ほぼ全長にわたって延びる長孔としての空気吹
    出口を有する回動形ノズルを配設した請求項1記載の廃
    棄物の選別装置。
  3. 【請求項3】 排出トラフの下方であって、吹出用空気
    室の下流側寄りに囲い板によって流動用空気室を隣接し
    て形成し、この空気室に供給された空気を誘導する通路
    を中仕切板により前記本体の幅方向ほぼ全長にわたって
    形成し、かつ前記排出トラフの終端部に前記通路を経た
    空気を吹き出す多孔板部を形成した請求項1又は2記載
    の廃棄物の選別装置。
  4. 【請求項4】 排出トラフの終端部に隣接して分配シュ
    ートを配設し、該シュートの中程に分配板を設けるとと
    もに、その前後のシュートの下部に排出口を形成した請
    求項1ないし3のいずれかに記載の廃棄物の選別装置。
  5. 【請求項5】 分配シュートの上部に吸引フードを設け
    た請求項4記載の廃棄物の選別装置。
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