JP3325473B2 - 循環式硝化脱窒装置および方法 - Google Patents

循環式硝化脱窒装置および方法

Info

Publication number
JP3325473B2
JP3325473B2 JP28998796A JP28998796A JP3325473B2 JP 3325473 B2 JP3325473 B2 JP 3325473B2 JP 28998796 A JP28998796 A JP 28998796A JP 28998796 A JP28998796 A JP 28998796A JP 3325473 B2 JP3325473 B2 JP 3325473B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
nitrification
filter
treated
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28998796A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10128390A (ja
Inventor
均 大同
規行 田島
邦博 岩崎
謙介 松井
和久 福永
三雄 近藤
哲夫 長谷川
睦郎 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Kurita Water Industries Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Kurita Water Industries Ltd
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=17750319&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3325473(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Hitachi Metals Ltd, Kurita Water Industries Ltd, Nippon Steel Corp filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP28998796A priority Critical patent/JP3325473B2/ja
Publication of JPH10128390A publication Critical patent/JPH10128390A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3325473B2 publication Critical patent/JP3325473B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚水処理装置およ
び汚水処理方法に関し、特に循環式硝化脱窒装置および
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1に、従来の硝化脱窒装置の典型例を
示す。図示した硝化脱窒装置は、最初沈澱池1、反応槽
2、および最終沈澱池3をこの順に配設し、反応槽2内
には図示しないエアレーション用の水中エアレータや曝
気管、撹拌機等が配置されている。反応槽2は、上流側
の無酸素タンク(脱窒タンク)21と下流側の好気タン
ク(硝化タンク)22とから成り、これらタンクは堰2
3で隔てられていて、無酸素タンク21から好気タンク
22への流入は堰23の上端を越えるオーバーフローA
により行われる。
【0003】原水(汚水)は図の左端から最初沈澱池1
に流入し、最初沈澱池1内で粗大な固形分を沈澱除去す
る。循環式硝化脱窒プロセスは、最初沈澱池1からの流
入水と最終沈澱池3からの返送汚泥とを無酸素タンク2
1に流入させる一方、続く好気タンク22の硝化混合液
の一部を導管Bにより無酸素タンク21へ循環するとい
う処理方式である。好気タンク22では、流入するアン
モニア性窒素が亜硝酸性もしくは硝酸性の窒素に酸化さ
れ、無酸素タンク21では、これらの酸化態の窒素が流
入水中の有機物の酸化反応によって窒素ガスに還元され
る。反応槽2で硝化脱窒後、最終沈澱池3で沈降分離し
た上澄を処理済水として排出する。
【0004】標準的な都市下水であれば、脱窒のための
水素供与体(メタノールなど)やpH調整用のアルカリ
剤(水酸化ナトリウムなど)の添加は必要としないが、
流入水の水質によっては、これらを考慮する必要があ
る。下水中の有機物の一部は、脱窒反応で分解除去され
るため、硝化促進型活性汚泥法と比べてBOD除去のた
めの酸素供給量を少なくすることができる。
【0005】なお、窒素除去率を向上させるために、二
段循環方式がある。この方式では、無酸素タンクおよび
好気タンクの組を二段直列に配置して、流入水を各段の
無酸素タンクにステップ流入させることにより、高いM
LSS濃度と長いSRTを可能にしたものである。この
ような操作により、前段の硝化タンクからの流出水を後
段の無酸素タンクで受け入れることが可能となり、高い
窒素除去率を得ることができる。
【0006】しかし、上記従来の循環式硝化脱窒プロセ
スには下記の(1) 〜(4) の点で問題があった。 (1) 反応タンクのMLSS濃度を活性汚泥法よりも高く
2,000〜3,000mg/Lに保つ必要があり、し
たがって最終沈澱池の流入固形物負荷が大きくなるた
め、水面積負荷を小さくとる必要がある。
【0007】そのため、既存の最終沈澱池を用いてこの
プロセスを適用することは、負荷が過剰になるため不可
能であった。 (2) 処理水SSが多い場合には、反応タンクの後段に濾
過機を設置する必要がある。 (3) 最終沈澱池での返送汚泥操作を必要とする。
【0008】(4) 最終沈澱池で、脱窒ガスによる汚泥の
浮上が発生する。 これら従来の問題を解決すべく、特開平5−18507
8号公報には、間隔保持用の通水性多孔質材を間に介在
させて重ね合わせた通水性シートの周囲を密封して形成
した袋状の濾過体を曝気槽内に曝気部の上方に配置して
処理水中に浸漬配設し、前記濾過体内より低い水頭差に
より濾過水を低い吸引力で引き抜く吸引管を前記曝気槽
の外部に導出させた曝気槽の濾過装置が提案されてい
る。
【0009】上記提案された濾過装置は、従来の循環式
硝化脱窒プロセスに不可避であった上記の問題(1) 〜
(4) を解消するものとして有効であるが、膜の種類によ
っては早期に目詰まりを起こしてしまうという。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、循環式硝化
脱窒プロセスに上記提案の濾過装置を改良して組み込
み、最終沈澱池の負荷を低減あるいは最終沈澱池自体を
省略し、且つ処理水質を向上させた循環式硝化脱窒装置
および方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
よれば、被処理水の流入側に無酸素域を、処理済水の流
出側に好気域を有する反応槽を備え、該好気域内の硝化
混合液の一部を該無酸素域へ循環させて該被処理水中の
窒素を除去する循環式硝化脱窒装置において、分離粒径
20μm以上の目開きを持ち厚さが2mm以下である通
水性の支持材で周囲壁の少なくとも一部を構成した中空
状の濾過体を、該好気域内または後続の最終沈澱池内の
少なくとも一方に浸漬配置し、該支持材上に硝化汚泥及
び濁質からなる濾過膜を形成させ、後続槽との水頭差に
より該濾過膜を介して該濾過体内へ処理済水を流入させ
且つ該濾過体内から該処理済水を引き抜くことを特徴と
する循環式硝化脱窒装置によって達成される。
【0012】上記の目的は、本発明によれば、被処理水
の流入側に無酸素域を、処理済水の流出側に好気域を有
する反応槽を用い、該好気域内の硝化混合液の一部を該
無酸素域へ循環させて該被処理水中の窒素を除去する循
環式硝化脱窒方法において、分離粒径20μm以上の目
開きを持ち厚さが2mm以下である支持材で周囲壁の少
なくとも一部を構成した中空状の濾過体を、該好気域内
または後続の最終沈澱池内の少なくとも一方に浸漬配置
し、該支持材上に硝化汚泥及び濁質からなる濾過膜を形
成させ、後続槽との水頭差により該濾過膜を介して該濾
過体内へ処理済水を流入させ且つ該濾過体内から該処理
済水を引き抜くことを特徴とする循環式硝化脱窒方法に
よっても達成される。
【0013】上記の方法において、濾過体を反応槽の好
気域内に浸漬配置し、一定水量を前記処理済水として濾
過体から引き抜くと共に、一定水量より負荷変動する水
量を反応槽の好気域から濾過体を介さずに最終沈澱池に
送水して処理するようにしてもよい。このようにする
と、本発明を適用するために既存の設備を改造する際
に、既存の最終沈澱池が有効に活用できるし、処理水の
全量を濾過体で処理するよりも濾過体の負担が軽減する
ので濾過体の規模や設置個数が低減でき、設備改造費を
低減できるという利点がある。
【0014】本発明の濾過体に用いる通水性の支持材と
して、金属製、合成樹脂製あるいはセラミックス製の
網、不織布、織布、膜、多孔体を用いることが便利であ
る。その中でも特に金属網、合成樹脂製の不織布をシー
ト状にして用いることが好ましい。
【0015】
【作用】本発明の循環式硝化脱窒装置および方法におい
ては、上記の濾過体を、反応槽の好気域内および最終沈
澱池内の少なくとも一方に浸漬配置し、従来は最終沈澱
池で行っていた固液分離の一部または全部を濾過体によ
り行う。後続槽との水頭差により該流出口を介して該濾
過体から処理済水を引き抜くことにより濾過を行うの
で、被処理水を駆動するための動力を特に必要としな
い。
【0016】本発明は、反応槽または最終沈澱池のうち
少なくとも一方において濾過により固液分離を行うこと
により、最終沈澱池への負荷が低減または解消されるの
で、最終沈澱池に伴う前記従来の問題(1) 〜(4) を全て
解消することができる。本発明の特徴は、濾過体に用い
る支持材の目開き(分離粒径)を20μm以上、厚さを
2mm以下とした点にある。濾過膜の目開きおよび厚さ
の少なくとも一方がこの範囲外であると、汚泥フロック
により濾過膜が早期に閉塞してしまうため、実用的な固
液分離機能を安定して得ることができない。
【0017】
【実施例】以下に、実施例により本発明を更に詳細に説
明する。 〔実施例1〕図2に、本発明による循環式硝化脱窒装置
の一例を示す。図1の従来装置と対応する部分について
は同一の参照符号を付した。
【0018】図示した硝化脱窒装置は、最初沈澱池1、
反応槽2、および緩衝槽4をこの順に配設し、反応槽2
内には図示しないエアレーション用の水中エアレータや
曝気管、撹拌機等が配置されている。反応槽2は、上流
側の無酸素タンク(脱窒タンク)21と下流側の好気タ
ンク(硝化タンク)22とから成り、これらタンクは堰
23で隔てられていて、無酸素タンク21から好気タン
ク22への流入は堰23の上を越えるオーバーフローA
により行われる。
【0019】更に、反応槽2の好気タンク22内には、
本発明による濾過体5が浸漬配置されている。原水(汚
水)は図の左端から最初沈澱池1に流入し、最初沈澱池
1内で粗大な固形分を沈澱除去する。最初沈澱池1から
の流入水と最終沈澱池3からの返送汚泥とを無酸素タン
ク21に流入させる一方、続く好気タンク22の硝化混
合液の一部を導管Bにより無酸素タンク21へ循環す
る。好気タンク22では、流入するアンモニア性窒素が
亜硝酸性もしくは硝酸性の窒素に酸化され、無酸素タン
ク21では、これらの酸化態の窒素が流入水中の有機物
の酸化反応によって窒素ガスに還元される。硝化脱窒後
の被処理水は、好気タンク22内に浸漬配置された濾過
体5で濾過により固液分離された後、緩衝槽4を経て処
理済水として排出される。緩衝槽4内の水位により、濾
過に必要な水頭差が安定して維持される。
【0020】図3〜図6に、本発明の循環式硝化脱窒装
置の反応槽2における1組の濾過体5の配置を示す。図
3は平面図、図4は図3の線IV−IVにおける断面図、図
5は図3の線V −V における断面図、図6は図3の線VI
−VIにおける断面図である。なお、図3〜図6において
は、循環用の導管Bは図示を省略した。反応槽2は、長
さのほぼ中央にある堰23によって、無酸素タンク21
と好気タンク22とに仕切られており、更に幅の中央に
ある中間隔壁2Aによって上層部と下層部を除く中間深
さの範囲が左右に分離されている。最初沈澱池1から導
入管1Aにより無酸素タンク21内に導入された被処理
水が、堰23の上端によって、中間隔壁2Aの上端2A
Uより高い水位2W1に維持されている(図4,図
5)。また堰23を越えてオーバーフローAにより好気
タンク22内に流入した被処理水は、中間隔壁2Aの上
端2AUより高いが無酸素タンク21内の水位2W1よ
りは低い水位2W2に維持されている。すなわち、槽2
は、無酸素タンク21内でも好気タンク22内でも、被
処理水の水位2W1または2W2と隔壁2Aの上端2A
Uとの間の上層部は被処理水が連通している。また、隔
壁2Aの下端2ALと槽2の底面2Bとの間でも被処理
水が連通している。
【0021】槽2の中間隔壁2Aより右の区域(図6)
には、無酸素タンク21内には機械的攪拌機7が、好気
タンク22内には多数の曝気管6が浸漬配置されている
(図3,図5)。濾過体5はその厚さ方向に4個を並立
させて1組としてあり、好気タンク22内において、中
間隔壁2Aを挟んで曝気管6とは反対側になる左の区域
(図6)の、下流部分(図3,図4で右側)に浸漬配置
されている。
【0022】図2に示した最初沈澱池1からの被処理水
は、導入管1A(図3,図5)を通り、無酸素タンク2
1の上流端(図3,図5で左側)の右区域(図6)に導
入され、攪拌機7により右区域内で上昇流(図5の矢印
F11)となり、隔壁2Aの上を図3の矢印F12方向
に越え、左区域に入って下降流(図4の矢印F13)と
なり、隔壁2Aの下を潜って右区域に戻るサイクルの旋
回流を形成する。好気タンク22内においても同様に、
曝気管6により右区域内で上昇流(図5の矢印F21)
となり、隔壁2Aの上を図3の矢印F22方向に越え、
濾過体5のある左区域に入って下降流(図4の矢印F2
3)となり、隔壁2Aの下を潜って右区域に戻るサイク
ルの旋回流(図6のF2)を形成する。
【0023】このように濾過体5は好気タンク22内に
おいて旋回流の下降流F23の部分に配置されるが、こ
れは、後に詳細に説明するように、濾過体5の構成部材
である濾過膜を安定して形成および維持するためであ
る。図7に、図4の濾過体5の部分の拡大断面図を示
す。図7の矢印F23は図4に示した被処理水の下降流
を示す。1組を成す4個の濾過体5はそれぞれ、構造部
材51の側面に所定範囲の目開きおよび厚さを持つ支持
材52を密着固定したものである。構造部材51は、偏
平な中空体であり、上端は閉鎖され下端は流出口54と
して開口しており、側面には多数の流入口51Aが開口
している。支持材52上には、後に詳細に説明する濾過
膜が形成される。被処理水は支持材52を透過する際に
上記の濾過膜により固液分離され、透過部分が構造部材
51側面の流入口51Aを通って濾過体5の内部に流入
し、下端の流出口54から排出管55に集まって、後続
の槽または導管へ導かれる。
【0024】図8に示すように、支持材52上には活性
汚泥及び濁質が濃縮して濾過膜が形成される。図示を簡
単にするために図8では構造部材51は省略してある。
支持材52が本発明の範囲内の目開き及び厚さであると
きには、長期間に亘り安定した濾過膜が維持される。支
持材の目開きまたは厚さの少なくとも一方が本発明の範
囲外であるときは、目詰まりが早期に起こる。
【0025】本実施例においては、好気タンク22内に
おいて濾過体5を被処理水の旋回流Fの下降流部分F2
3に配置した。図9および図10に、支持材52の目開
き(分離粒径)および膜厚と目詰まり発生までの運転日
数(目詰まり日数)との関係をそれぞれ示す。いずれ
も、T−N30mg/L,SS120mg/Lの下水を
原水として処理を行った結果である。図に示したよう
に、支持材の目開き(分離粒径)が20μm未満の場合
または支持材の厚さが2mmを越える場合には、目詰ま
り日数が2日あるいはそれ以下である。これに対し、本
発明により目開きを20μm以上とし且つ厚さを2mm
以下とすることにより、目詰まり日数が10日以上と著
しく改善されることが分かる。なお、図9は厚さを本発
明の範囲内である2mm(一定)として目開きのみを変
化させた結果であるが、本発明の範囲内の他の厚さにつ
いても同様の結果が得られた。また、図10は目開きを
本発明の範囲内である20μm(一定)として厚さのみ
を変化させた結果であるが、本発明の範囲内の他の目開
きについても同様の結果が得られた。
【0026】支持材52の目開き(分離粒径)の上限は
特に限定せず、適正な濾過膜53が形成維持できる範囲
であればよい。例えば、図11に示した例では、目開き
53が分離粒径400μmを越えると、処理済水中のS
S濃度が急激に増加するので、この場合には分離粒径4
00μm以下の目開きとすることが適切である。濾過膜
の目詰まりが発生したら、逆洗により支持材から活性汚
泥を除去する。逆洗により脱落した汚泥フロックは容易
に再懸濁するので、特別な操作は必要ない。逆洗直後、
濾過膜が形成されるまでは、多少のSSの漏出がある
が、逆洗を濾過体全体について同時に行わず、1組の濾
過体を複数部分に分割して行うことにより、漏出SSが
希釈され全体としてのSS濃度を低い値に抑えることが
できる。それには、図3,図4で示した4個1組の濾過
体5が占める体積を複数ユニットに分割し、各ユニット
毎に独立の排出管55を持つ1組の濾過体5を割り当て
て配置することが望ましい。すなわち、図3,図4では
濾過体5を4個並立させ同一排出管55を共有する1組
として示したが、例えば2個並立させて1ユニットとし
て図3,図4と同じ並べ方で2ユニット配置し、各ユニ
ット毎に独立の排出管55を設けてもよいし、あるいは
濾過体5を厚さ方向の切断面で縦横にそれぞれ2等分し
て側面面積が4分の1の濾過体5を図3,図4に示した
1組と同じ並べ方で並立させて1ユニットとし、これを
縦横に2ユニットづつ並べ、各ユニット毎に独立の排出
管55を設けてもよいし、更に、前者のような並立方向
での分割と、後者のような側面面積の分割とを組み合わ
せてもよい。
【0027】また、反応槽2の規模(特に好気タンク2
2の規模)あるいは必要な処理容量に応じて、厚さ方向
の並立個数を例えば30〜40個と多数にすることもで
きるし、側面面積を大きくすることもできる。その際に
も、適宜上記のようなユニット分割はもちろん適用でき
る。なお、本実施例では偏平な濾過体5を、その側面が
反応槽2の長手軸(図3〜図5の左右方向)と直角にな
る向きに配置したが、濾過体5の向きは特にこれに限定
する必要はなく、側面が反応槽2の長手軸と平行あるい
は長手軸に対して傾斜した向きにすることもできる。た
だし、濾過体5の向きは、旋回流の流れを妨げず、網目
膜上への活性汚泥の堆積が不均等にならず、それと関連
して濾過作用が不均等にならないように配慮する必要が
ある。
【0028】更に、本実施例では濾過体5は偏平状とし
たが、濾過体5の形状は特に偏平状に限定する必要はな
く、用いる処理槽の形状や特性あるいは配管の都合等に
応じて他の形状とすることができる。また、本実施例で
は濾過膜を形成する支持材の設置位置を濾過体5の側面
としたが、これは濾過体5を偏平状としたときに、濾過
膜の安定形成および維持とそれによる濾過作用の安定確
保にとって、側面配置が好ましいからであり、支持材の
最適な設置位置は濾過体の形状に応じて配慮すべきであ
る。
【0029】次に、図2に示した配置の本実施例の装置
により処理を行った結果の一例を説明する。原水は、T
−N30mg/L、SS120mg/Lの下水であっ
た。実効容量1m3 の反応槽2を前段400L分を無酸
素タンク21、後段600L分を好気タンク22とし
た。好気タンク22内の、被処理水旋回流の下降流部分
に、側面面積30cm×30cmの濾過体を浸漬配置
し、1m/日の透過流速で、自然流下で処理済水を取り
出した。濾過体の支持材としては、目開きが分離粒径2
0μmで厚さが0.4mmのポリエステル製不織布を用
いた。水頭差(損失水頭)は20cmであった。その結
果、得られた処理水質はT−N6mg/L、SS8mg
/Lであった。
【0030】比較として、最初沈澱池1および反応槽2
は上記と同じであるが、本発明の濾過体は用いず最終沈
澱池3を用いた図1の装置により、上記と同様な条件で
処理を行った。その結果、得られた処理水質はT−N1
0mg/L、SS15mg/Lであった。 〔実施例2〕図12に、本発明により反応槽の好気域内
に配置した濾過体と、最終沈澱池とを併用して汚水処理
を行うための装置の一例を示す。この装置は、図2に示
した実施例1の装置に、図1に示した最終沈澱池を付加
した構成である。図1,2と対応する部分は図1,2中
と同じ参照番号を付してある。
【0031】すなわち図12の硝化脱窒装置は、最初沈
澱池1、反応槽2、および緩衝槽4をこの順に配設し、
反応槽2内には図示しないエアレーション用の水中エア
レータや曝気管、撹拌機等が配置された図2の構成に、
図1に示した最終沈澱池3を加えた構成である。反応槽
2は、上流側の無酸素タンク(脱窒タンク)21と下流
側の好気タンク(硝化タンク)22とから成り、これら
タンクは堰23で隔てられていて、無酸素タンク21か
ら好気タンク22への流入は堰23の上を越えるオーバ
ーフローAにより行われる。
【0032】更に、反応槽2の好気タンク22内には、
本発明による濾過体5が浸漬配置されている。原水(汚
水)は図の左端から最初沈澱池1に流入し、最初沈澱池
1内で粗大な固形分を沈澱除去する。最初沈澱池1から
の流入水と最終沈澱池3からの返送汚泥とを無酸素タン
ク21に流入させる一方、続く好気タンク22の硝化混
合液の一部を導管Bにより無酸素タンク21へ循環す
る。好気タンク22では、流入するアンモニア性窒素が
亜硝酸性もしくは硝酸性の窒素に酸化され、無酸素タン
ク21では、これらの酸化態の窒素が流入水中の有機物
の酸化反応によって窒素ガスに還元される。
【0033】そして、硝化脱窒後の被処理水のうち一定
水量は、好気タンク22内に浸漬配置された濾過体5で
濾過により固液分離された後、緩衝槽4を経て処理済水
Aとして排出される。緩衝槽4内の水位により、濾過に
必要な水頭差が安定して維持される。一方、脱窒後の被
処理水のうち一定水量より負荷変動する水量は、濾過体
5を介さず好気タンク22から直接に最終沈澱池3に送
水され、最終沈澱池3にてSSを沈澱分離して処理済水
Vとして排出される。
【0034】このようにすると、本発明を適用するため
に図1のような構成の既存設備を改造する際に、既存の
最終沈澱池3が有効に活用できるし、処理水の全量を濾
過体5で処理するよりも濾過体5の負担が軽減するので
濾過体5の規模や設置個数が低減でき、設備改造費を低
減できるという利点がある。次に、図12に示した配置
の本実施例の装置により処理を行った結果の一例を説明
する。原水は、BOD180mg/L、SS120mg
/L、T−N35mg/Lの下水であった。実効容量1
3 の反応槽2を前段500L分を無酸素タンク21、
後段500L分を好気タンク22とした。好気タンク2
2内の、被処理水旋回流の下降流部分に、側面面積40
cm×40cmの濾過体を浸漬配置し、一定水量のみを
1m/日の透過流速で、自然流下で処理済水を取り出し
た。濾過体の支持材としては、目開きが分離粒径20μ
mで厚さが0.4mmのポリエステル製不織布を用い
た。水頭差(損失水頭)は20cmであった。一方、一
定水量からの負荷変動分は実効容量500Lの最終沈澱
池に送水して処理し、被処理水Vとして取り出した。そ
の結果、得られた処理水質はBOD8mg/L、SS5
mg/L、T−N7mg/Lであった。
【0035】比較として、最初沈澱池1および反応槽2
は上記と同じであるが、本発明の濾過体は用いず最終沈
澱池3を用いた図1の装置により、上記と同様な条件で
処理を行った。その結果、得られた処理水質はBOD2
0mg/L、SS20mg/L、T−N12mg/Lで
あった。本実施例のように、反応槽の好気域内の濾過体
と、最終沈澱池とを併用することにより、既存設備を活
用しながら格段に処理水質を向上させることができ、特
に流入負荷の変動時、冬場の生物機能低下時、合流式処
理設備での流入負荷増加時、バルキング時等において
も、良好な処理水質を確保することができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
循環式硝化脱窒プロセスに上記提案の濾過装置を改良し
て組み込み、最終沈澱池の負荷を低減あるいは最終沈澱
池自体を省略し、且つ処理水質を向上させた循環式硝化
脱窒装置および方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の循環式硝化脱窒装置を示す配置
図である。
【図2】図2は、本発明の循環式硝化脱窒装置の一例を
示す配置図である。
【図3】図3は、本発明の循環式硝化脱窒装置の反応槽
における濾過体の配置を示す平面図である。
【図4】図4は、図3の線IV−IVにおける断面図であ
る。
【図5】図5は、図3の線V −V における断面図であ
る。
【図6】図6は、図3の線VI−VIにおける断面図であ
る。
【図7】図7は、図4の濾過体の部分の拡大断面図であ
る。
【図8】図8は、支持材を模式的に示す断面図である。
【図9】図9は、支持材の目開き(分離粒径)と目詰ま
り発生までの運転日数との関係を示すグラフである。
【図10】図10は、支持材の厚さと目詰まり発生まで
の運転日数との関係を示すグラフである。
【図11】図11は、支持材の目開き(分離粒径)と処
理済水中のSS濃度との関係を示すグラフである。
【図12】図12は、本発明の循環式硝化脱窒装置の別
の一例を示す配置図である。
【符号の説明】
1…最初沈澱池 1A…最終沈澱池からの被処理水導入管 2…生物反応槽 21…無酸素タンク 22…好気タンク 23…堰 2A…中間隔壁 2AU…隔壁2Aの上端 2AL…隔壁2Aの下端 2B…反応槽2の底面 2W1…無酸素タンク21内の水位 2W2…好気タンク22内の水位 3…最終沈澱池 4…緩衝槽 5…濾過体 51…構造部材 51A…流入口 52…支持材 53…濾過膜 54…流出口 55…排出管 6…曝気管 7…機械的攪拌機 F11,F21…旋回流の上昇流部分 F13,F23…旋回流の下降流部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000006655 新日本製鐵株式会社 東京都千代田区大手町2丁目6番3号 (73)特許権者 000005083 日立金属株式会社 東京都港区芝浦一丁目2番1号 (72)発明者 大同 均 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 東 京都下水道局内 (72)発明者 田島 規行 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 東 京都下水道局内 (72)発明者 岩崎 邦博 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (72)発明者 松井 謙介 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (72)発明者 福永 和久 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 近藤 三雄 東京都千代田区大手町2−6−3 新日 本製鐵株式会社内 (72)発明者 長谷川 哲夫 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地 日立金属 株式会社 熊谷工場内 (72)発明者 永井 睦郎 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地 日立金属 株式会社 熊谷工場内 (56)参考文献 特開 平5−185078(JP,A) 特公 平8−18032(JP,B2) 「造水技術」Vol.20 No.2 (1994)財団法人 造水促進センター p.65〜68 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/12 C02F 3/34 101 C02F 3/30

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水の流入側に無酸素域を、処理済
    水の流出側に好気域を有する反応槽を備え、該好気域内
    の硝化混合液の一部を該無酸素域へ循環させて該被処理
    水中の窒素を除去する循環式硝化脱窒装置において、分
    離粒径20μm以上の目開きを持ち厚さが2mm以下で
    ある通水性の支持材で周囲壁の少なくとも一部を構成し
    た中空状の濾過体を、該好気域内または後続の最終沈澱
    池内の少なくとも一方に浸漬配置し、該支持材上に硝化
    汚泥及び濁質からなる濾過膜を形成させ、後続槽との水
    頭差により該濾過膜を介して該濾過体内へ処理済水を流
    入させ且つ該濾過体内から該処理済水を引き抜くことを
    特徴とする循環式硝化脱窒装置。
  2. 【請求項2】 該支持材が、金属網または不織布から成
    ることを特徴とする請求項1記載の循環式硝化脱窒装
    置。
  3. 【請求項3】 該生物反応槽には曝気管が浸漬配置され
    るとともに、該濾過体は、該生物反応槽の、該曝気管の
    曝気によって形成される旋回流の下降流側に配置されて
    いることを特徴とする請求項1または2記載の循環式硝
    化脱窒装置。
  4. 【請求項4】 被処理水の流入側に無酸素域を、処理済
    水の流出側に好気域を有する反応槽を用い、該好気域内
    の硝化混合液の一部を該無酸素域へ循環させて該被処理
    水中の窒素を除去する循環式硝化脱窒方法において、分
    離粒径20μm以上の目開きを持ち厚さが2mm以下で
    ある通水性の支持材で周囲壁の少なくとも一部を構成し
    た中空状の濾過体を、該好気域内または後続の最終沈澱
    池内の少なくとも一方に浸漬配置し、該支持材上に硝化
    汚泥及び濁質からなる濾過膜を形成させ、後続槽との水
    頭差により該濾過膜を介して該濾過体内へ処理済水を流
    入させ且つ該濾過体内から該処理済水を引き抜くことを
    特徴とする循環式硝化脱窒方法。
  5. 【請求項5】 該支持材が、金属網または不織布から成
    ることを特徴とする請求項記載の循環式硝化脱窒方
    法。
  6. 【請求項6】 前記濾過体を前記反応槽の好気域内に浸
    漬配置し、一定水量を前記処理済水として該濾過体から
    引き抜くと共に、該一定水量より負荷変動する水量を該
    反応槽の好気域から該濾過体を介さずに最終沈澱池に送
    水して処理することを特徴とする請求項または記載
    の循環式硝化脱窒方法。
  7. 【請求項7】 該生物反応槽には曝気管が浸漬配置され
    るとともに、該濾過体は、該生物反応槽の、該曝気管の
    曝気によって形成される旋回流の下降流側に配置されて
    いることを特徴とする請求項4から6までのいずれか1
    項記載の循環式硝化脱窒方法。
JP28998796A 1996-10-31 1996-10-31 循環式硝化脱窒装置および方法 Expired - Fee Related JP3325473B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28998796A JP3325473B2 (ja) 1996-10-31 1996-10-31 循環式硝化脱窒装置および方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28998796A JP3325473B2 (ja) 1996-10-31 1996-10-31 循環式硝化脱窒装置および方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10128390A JPH10128390A (ja) 1998-05-19
JP3325473B2 true JP3325473B2 (ja) 2002-09-17

Family

ID=17750319

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28998796A Expired - Fee Related JP3325473B2 (ja) 1996-10-31 1996-10-31 循環式硝化脱窒装置および方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3325473B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6624926B2 (ja) * 2015-12-25 2019-12-25 株式会社クボタ 有機性排水処理装置および有機性排水処理方法
CN106995238A (zh) * 2017-05-16 2017-08-01 重庆大学 一种处理废水中氨氮的方法及固定化生物反应器

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
「造水技術」Vol.20 No.2(1994)財団法人 造水促進センター p.65〜68

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10128390A (ja) 1998-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2875765B2 (ja) 高濃度排水の処理装置
US6824685B2 (en) Method and apparatus for treating waste water
RU2181344C2 (ru) Установка и способ биологической очистки нечистот и сточных вод
WO2020066827A1 (ja) 有機性排水処理装置の運転方法及び有機性排水処理装置
JP3325475B2 (ja) 汚水処理装置および方法
JP3325473B2 (ja) 循環式硝化脱窒装置および方法
JP3325474B2 (ja) 汚水処理方法および循環式硝化脱窒方法
JPH11244891A (ja) 廃水の脱窒素処理方法と処理システム
JPH10314791A (ja) 汚水処理装置
GB2084041A (en) Process and apparatus for wastewater treatment
JPH04367788A (ja) 浄化槽
JPH11104684A (ja) オキシデーションディッチ型活性汚泥処理装置
JP3721092B2 (ja) 活性汚泥の固液分離方法及び装置
JP3807945B2 (ja) 有機性廃水の処理方法及び装置
JPH10128371A (ja) 汚水処理方法
JP3883358B2 (ja) 汚水処理のろ過分離方法及びその装置
JP4124957B2 (ja) ろ過体の洗浄方法及び装置
JP4104806B2 (ja) 有機性排水処理の固液分離方法及び装置
JP3666064B2 (ja) 排水処理装置
JP2976272B2 (ja) 排水処理方法及びその装置
JP2863739B2 (ja) 有機性排水処理方法
CA1181698A (en) Waste treatment process and apparatus
JPH11319493A (ja) 汚水処理装置
JPH10180274A (ja) 生物濾過装置
JP2001347291A (ja) 有機性排水の処理方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020528

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313122

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080705

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees