JP2976272B2 - 排水処理方法及びその装置 - Google Patents

排水処理方法及びその装置

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JP2976272B2 JP6083473A JP8347394A JP2976272B2 JP 2976272 B2 JP2976272 B2 JP 2976272B2 JP 6083473 A JP6083473 A JP 6083473A JP 8347394 A JP8347394 A JP 8347394A JP 2976272 B2 JP2976272 B2 JP 2976272B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排水処理方法及びその
装置に係り、特に、下水等の大容量の排水を、その流入
排水量や水質に応じて効率的に浄化処理するための排水
処理方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、下水等の排水を浄化処理して河川
や湖沼等に放流する排水処理方法としては、排水中の固
体成分を最初沈殿池で自然沈降した後、活性汚泥処理装
置で微生物により生物処理する方法が一般的である。ま
た、生物処理された処理水中の活性汚泥は最終沈殿池で
沈降され、上澄水が放流されると共に、沈降した活性汚
泥の一部が余剰汚泥として引き抜かれ、残りの活性汚泥
は活性汚泥処理装置に循環される。また、細かい固体成
分を除去するために、最初沈殿池の後段に充填材を充填
した濾過装置を設けたものも提案されている(特開平4
−171007)。このように、下水等の排水を浄化処
理することにより、基準水質を満足する処理水を放流し
て公共用水域の水質改善に寄与してきた。
【0003】しかし、近年の都市化や生活様式の向上に
伴う下水汚濁の高濃度化や、排水処理装置に流入する流
入排水量の時間的変動の増大等により、活性汚泥処理に
おけるエアレーション動力費の増大、汚泥発生量の増大
よる汚泥処理等の問題を抱えている。また、河川や湖沼
等の閉鎖性水域に処理水を放流する場合には、BOD総
量規制への対応や富栄養化防止のため栄養塩類(窒素成
分、リン成分)の削減、更には、下水に雨水が合流する
合流式下水道の場合には、雨天時に排水処理装置に流入
する流入排水量が一時的に増量した際の処理技術の確立
が重要な課題になっている。
【0004】また、過密化により、装置の敷地に制約の
ある都市部では、前述した問題や課題の解決に際して、
現状の敷地内での対応が要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した問題や課題の
解決には、最初沈殿池と活性汚泥処理とで構成される従
来の排水処理装置の場合、活性汚泥処理に送水される排
水中の固体成分を最初沈殿池で短時間で極力除去処理す
る必要があるが、最初沈殿池での処理能力には限界があ
り、除去能力を大きくするには最初沈殿池の容量を増や
すことが必要になる。しかしながら、装置の敷地が制約
される都市部では増設することは現実的に不可能であ
り、従来の排水処理装置では問題や課題に対応できない
という欠点がある。
【0006】一方、最初沈殿池の後段に濾過装置を設け
た特開平4−171007の廃水処理装置の場合、固体
成分の除去率を高め、活性汚泥処理への負荷を低減でき
る効果はあるものの、充填材の目詰まりが発生し易く、
通水を停止して充填材の逆洗を頻繁に行わなくてはなら
ず、結果的に敷地面積に対する処理効率の向上にはなら
ないとう欠点がある。
【0007】また、活性汚泥処理装置での脱窒素、脱リ
ン等の活性汚泥循環変法による生物処理を考慮した場合
は、微生物の栄養源として適当量のBODを必要とす
る。例えば、リンを微生物に過剰摂取させて除去しよう
とすると、リン濃度の20倍以上のBOD成分が必要で
あり、硝酸イオンを窒素に還元する脱窒反応をスム−ズ
に行わせるためには、窒素量の3倍程度のBOD成分を
残存させる必要がある。従って、最初沈殿池あるいは濾
過装置では、排水中の固体成分を効率的に除去でき、し
かも生物処理装置には適当量のBOD成分が供給されな
くてはならない。しかし、従来の排水処理装置ではこの
ような制御ができないため、富栄養化防止のため栄養塩
類(窒素成分、リン成分)の除去が充分に行われにくい
という欠点がある。
【0008】また、合流式の下水処理場では、雨天時、
特に集中豪雨等によって一時的に活性汚泥処理装置の処
理許容量を越えた排水が流入してきたときには、過剰分
の流入水から固体成分を分離しただけで放流しなくては
ならないため、放流水中の固体成分をできうるかぎり除
去しなくてはならない。しかし、従来の排水処理装置で
は、一時的な流入排水量の増水に対する処理能力に限界
があると共に、増水に対応する処理技術が確立されてい
ないため、充分な浄化処理が行われないままに放流せざ
るをえず、公共水域の水質を悪化させるという欠点があ
る。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、下水等の排水の流入量と水質に応じて処理水
の水質向上を図ることができ、且つ、活性汚泥処理にお
けるエアレーション動力費の低減及び汚泥発生量の低減
を図るこのができ、更には装置のコンパクト化を図るこ
とのできる排水処理方法及びその装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を解
決するために、下水等の排水を浄化処理する排水処理方
法に於いて、濾過槽内に上向流で流入させた排水を、前
記濾過槽内に設けられ前記排水よりも比重の小さな網目
状円筒体の多数の濾材で形成された浮上濾材層で濾過す
る高速濾過工程と、前記高速濾過工程で濾過した濾過水
を、嫌気性処理を行う嫌気槽、無酸素処理を行う脱窒
槽、好気性処理を行う硝化槽でそれぞれ活性汚泥中の微
生物と接触させて前記濾過水中の有機物成分、窒素成
分、リン成分を生物処理により除去する生物処理工程
と、から成ることを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明によれば、高速濾過工程と生物処理工程
を有機的に組み合わせ、高速濾過工程で排水中の固体成
分を高い除去率で除去できるようにしたので、生物処理
工程での負荷を軽減させることができる。これにより、
生物処理工程後の処理水の水質を向上させることができ
ると共に、生物処理工程で有機物の分解に要するエア量
を少なくできるのでエアレーション動力を削減でき、更
には余剰汚泥量の発生を減少させることができる。ま
た、生物処理工程の硝化槽には活性汚泥とは別に硝化菌
を包括固定した担体を添加するようにしたので、硝化反
応に要する時間を短縮することができる。
【0012】また、流入する流入排水量が生物処理工程
の処理許容量以下である場合には、高速濾過工程の濾過
速度を400m/日以下で濾過して濾過水の全量を生物
処理工程に送水し、流入排水量が生物処理工程の処理許
容量以上である場合には、排水に凝集剤を添加して高速
濾過工程の濾過速度を400m/日〜1000m/日で
濾過し、濾過水のうち前記処理許容量を生物処理工程に
送水すると共に、残りの濾過水を系外に放流するように
した。即ち、高速濾過工程の濾過槽内に、排水よりも比
重の小さな網目状円筒体の多数の濾材(空隙率が80%
以上、網目を形成する線材の太さは1〜5mm、好まし
くは2〜4mm)で浮上濾材層を形成したので、略全層
濾過を行うことができると共に通水抵抗を極めて小さく
することができる。この為、排水中の固体成分濃度が高
い場合でも濾過速度で最大1000m/日の高速濾過処
理を行うことができ、且つ濾過継続時間を長くすること
ができる。そして、この濾材の特性として、濾過速度が
400m/日以下の場合は、凝集剤を添加しなくても浮
上濾材層に汚泥堆積層が形成されるので、固体成分を高
い除去率で除去することができる。また、濾過速度が4
00m/日〜1000m/日の場合は水流が速いために
汚泥堆積層が形成されないので、廃水に予め凝集剤を添
加して濾過し、これにより、凝集させた大きなフロック
を浮上濾材層に衝突させて捕捉することができるので、
濾過速度を大きくしても固体成分を高い除去率で除去す
ることができる。これにより、排水の流入量や水質に応
じて効率的に固体成分を除去することができる。従っ
て、特に、合流式下水道の場合、晴天時のように流入排
水が生物処理工程の処理許容量以下の場合はもちろんの
こと、雨天時の一時的な増水により流入排水量が生物処
理工程の処理許容量を越える場合でも、良好な水質の処
理水を放流することができる。
【0013】また、凝集剤を添加し、且つ濾過速度を4
00m/日以下にすると、汚泥堆積層の形成と衝突捕捉
の両方の作用で固体成分が除去されるので、極めて高い
除去率を得ることができる。従って、流入排水量が生物
処理工程の処理許容量以上である場合、排水に凝集剤を
添加した後に高速濾過工程を並列で行い、濾過速度を4
00m/日〜1000m/日で濾過した濾過水を生物処
理工程に送水し、400m/日以下で濾過した濾過水を
直接系外に放流すると、系外に放流する放流水の水質を
更に改善することができる。
【0014】また、排水に凝集剤を添加する場合には、
排水の一部をバイパス経路を介して高速濾過工程を経ず
に直接生物処理工程に供給し、微生物の栄養源である有
機物を所定濃度以上に維持するようにしたので、富栄養
化防止のため栄養塩類(窒素成分、リン成分)の除去を
充分に行うことができる。また、流入排水量を検知する
検知手段を設け、凝集剤添加手段からの凝集剤の添加有
無を、検知した流入排水量の大小に応じて制御するよう
にしたので、凝集剤の添加を自動制御することができ
る。
【0015】
【実施例】以下、添付図面に本発明に係る排水処理方法
及びその装置の好ましい実施例を説明する。図1は、本
発明の排水処理装置の第1実施例を説明するフローの構
成図である。本発明の排水処理装置は主として高速濾過
装置10(高速濾過工程)、生物処理装置12(高速濾
過工程)、沈殿装置14で構成される。また、図1に
は、説明を容易にするために1系列の排水処理装置で示
したが、排水処理装置を並列に多系列設けるようにして
もよい。
【0016】図1に示すように、下水等の排水は、原水
流入管18を通って原水タンク20に流入される。ま
た、原水タンク20の近傍には、凝集剤溶液を貯留する
凝集剤タンク22が設けられ、凝集剤タンク22の凝集
剤は、凝集剤添加管24を通って原水タンク22に添加
される。また、凝集剤添加管24には、添加バルブ26
が設けられ信号ケーブルを介して原水流入管18に設け
られた流量計28に接続される。これにより、流入排水
量が所定量以上になると添加バルブ26が開いて原水タ
ンク20に所定量の凝集剤が添加される。凝集剤として
は、硫酸バンド、ポリ塩化アルミ、塩化第2鉄等の無機
凝集剤、或いはアニオン性、ノニオン性、カチオン性等
の高分子凝集剤が使用される。また、原水タンク20の
底部から延びた供給配管30は三方バルブ32により二
方に分岐され、一方の濾過配管34は原水弁36を介し
て高速濾過装置10の濾過槽38底部に接続され、他方
のバイパス配管40はバイパスバルブ42を介して生物
処理装置12の入口に接続される。原水弁36は濾過操
作中は開の状態にあり、後記する浮上濾材層37濾材を
洗浄する場合は閉の状態にして高速濾過装置10への排
水を供給を停止する。また、バイパスバルブ42は必要
に応じて開かれ、排水の一部が生物処理装置12に直接
供給される。これにより、生物処理装置12に添加され
る活性汚泥中の微生物の栄養源である有機物を所定濃度
以上に維持することができる。
【0017】また、濾過配管34は、濾過槽38の入口
付近で分岐され、濾材を洗浄した際の洗浄排水を濾過槽
38外に排出する洗浄排水配管44に接続される。この
洗浄排水配管44の途中には、洗浄排水バルブ46が設
けられ、高速濾過装置10で濾過操作を行う際には閉じ
られる。次に、図2に従って、高速濾過装置10の構造
について説明すると、高速濾過装置10の濾過槽38
は、上部が四角形状に形成されると共に、底部が四角錘
状に形成される。そして、濾過槽38内の上端部及び底
部には、網目構造に形成された上部スクリーン48及び
下部スクリーン50が濾過槽38を横断して配設され
る。この上部スクリーン48の目開は、濾材が通過しな
い程度であればよく、また、下部スクリーン50の目開
は、排水中の大型夾雑物が除去できればよい。また、上
部スクリーン48の下側には排水より比重の小さな網目
状円筒体の多数の濾材52、52…が排水に浮いた状態
で、濾過槽38容積の約1/2を占めるように係止さ
れ、浮上濾材層37を形成する。また、浮上濾材層37
の下方には、下部スクリーン50に近接して複数の噴出
ノズル54、54…を有するエア噴出管56が設けら
れ、濾過槽38内の排水中にエアを噴出して旋回流を発
生させ、濾材52を旋回移動させることにより、濾材5
2に付着した固体成分を短時間で効率的に洗浄すること
ができる。また、濾過槽38内の底部には、濾過槽38
内に流入した排水を濾過槽38内の全域に分散させる分
散板58が設けられる。これにより、原水タンク20か
ら濾過槽38底部に流入された排水は、分散板58によ
り濾過槽38内全域に分散され、上向流となって濾過槽
38内を上昇する。また、濾過槽38内の上部スクリー
ン48上方には、浮上濾材層37で濾過された濾過水が
溢流するトラフ60が設けられ、トラフ60に溢流した
濾過水は、生物処理配管62を介して生物処理装置12
の嫌気槽64(図1参照)に送水される。
【0018】次に、図3に従って、本発明で使用する濾
材52の一例について説明すると、濾材52はポリプロ
ピレン製等の軽比重、且つ耐食性の材質で製造され、平
均径(D)が約20mm程度の網目状円筒体に形成さ
れ、両端52A、52Bが開放される。また、網目52
Cは、太さ1〜5mm、好ましくは2〜4mmのポリプ
ロピレン製の線材52Dが用いられる。この濾材52の
見かけ比重は約0.9であり、空隙率は約90%を有
し、比表面積は約300m2 /濾材m3 である。このよ
うに形成された濾材52を用いて濾過槽38内に浮上濾
材層37を形成することにより、略全層濾過を行うこと
ができると共に通水抵抗を極めて小さくすることができ
る。この為、排水中の固体成分濃度が高い場合でも濾過
速度で最大1000m/日の高速濾過処理を行うことが
でき、且つ濾過継続時間を長くすることができる。
【0019】また、図1に示すように、生物処理配管6
2は途中で分配装置66を介して放流用配管68に接続
される。そして、この分配装置66で生物処理装置12
に送水される濾過水の水量と、放流用配管68に送水さ
れる濾過水の水量を所定比率に分配することにより、濾
過水の一部を河川等に直接放流することができる。次
に、生物処理装置12について説明すると、生物処理装
置12は、嫌気槽64、脱窒槽70、硝化槽72で構成
される。そして、嫌気槽64、脱窒槽70、硝化槽72
には、硝化菌、脱窒菌、リン集積菌等の微生物を含む活
性汚泥が添加される。また、硝化槽72には、活性汚泥
とは別に、硝化菌を一辺3mm程度の高分子材料に包括
固定した担体が添加され、これにより、硝化に要する時
間の短縮が図られる。また、嫌気槽64内及び脱窒槽7
0内にはそれぞれ攪拌装置73が設けられ、ゆっくりと
した攪拌により、高速濾過装置10から送水された濾過
水は嫌気性状態で生物処理反応が行われる。一方、硝化
槽72内には、曝気装置74が設けられ、嫌気性状態で
生物処理反応が行われる。そして、高速濾過装置10で
濾過された濾過水を嫌気槽64、脱窒槽70、硝化槽7
2の順に通過させ、硝化液の一定量を脱窒槽70に循環
させることにより、濾過水中の窒素成分を除去する。ま
た、濾過水を嫌気槽64、脱窒槽70、硝化槽72の順
に通過させると、活性汚泥が嫌気槽64での嫌気状態
(溶存酸素及び酸化態窒素の存在しない状態)で有機物
を取り込むと共に、活性汚泥中に蓄積されたリンが放出
される。そして硝化槽72の好気状態で活性汚泥がリン
の摂取をしなおし、その摂取量が放出量を上回るため、
結果的に濾過水中のリン成分が除去される。
【0020】また、生物処理装置12で処理された処理
水は沈殿装置14に送水される。沈殿装置14では、処
理水に同伴した活性汚泥を沈降により固液分離され、上
澄部分の処理水が処理水配管76を通って河川等に放流
される。また、沈降した活性汚泥は、一部が余剰汚泥と
して汚泥排出管78により図示しない汚泥処理工程に送
られると共に、残りの活性汚泥は汚泥循環配管80を通
って嫌気槽64に循環される。
【0021】次に、上記の如く構成された本発明の排水
処理装置で下水等の排水を処理する方法について説明す
る。原水流入管18を通って原水タンク20に流入する
排水は、原水流入管18の途中に設けられた流量計28
により流入排水量が検知される。そして、検知された流
入排水量が所定量以上の場合には、添加バルブ26が開
いて凝集剤タンク22から原水タンク20に所定量の凝
集剤が添加される。即ち、生物処理装置12での処理許
容量以下の原水流量が流量計28で検知された場合に
は、流量計28から添加バルブ26を閉じる信号が送ら
れ、排水への凝集剤の添加が行われない。一方、生物処
理装置12での処理許容量以上の流入排水量が流量計2
8で検知された場合には、流量計28から添加バルブ2
6を開く信号が送られ、一定量の凝集剤が排水に添加さ
れる。次に、原水タンク20の排水は、供給配管30、
濾過配管34を通って高速濾過装置10の濾過槽38底
部に供給される。この時、原水弁36は開いた状態にあ
り、バイパスバルブ42は前述したとおり、必要に応じ
て開かれる。濾過槽38に供給された排水は、濾過槽3
8内を上向流となって上昇し、排水中の固体成分が浮上
濾材層37で濾過される。浮上濾材層37で濾過された
濾過水は、トラフ60に溢流し、生物処理配管62、分
配装置66を通って生物処理装置12の嫌気槽64に送
水される。この時、生物処理装置12に送水される濾過
水の水量が生物処理装置12の処理許容量以上の場合、
分配装置66により、一部の濾過水が放流用配管68に
分配される。次に、生物処理装置12では、濾過水が嫌
気槽64、脱窒槽70、硝化槽72を順次流れることに
より、生物処理反応により濾過水中の窒素成分、リン成
分、有機物は除去される。そして、生物処理装置12で
処理された処理水は沈殿装置14に送水され、沈殿装置
14で活性汚泥が沈降分離された後、河川等に放流され
る。
【0022】本発明によれば、高速濾過装置10と生物
処理装置12を有機的に組み合わせ、高速濾過装置10
で排水中の固体成分を高い除去率で除去できるようにし
たので、生物処理装置12での負荷を軽減させることが
できる。これにより、生物処理装置12出口での処理水
の水質を向上させることができると共に、生物処理装置
12での有機物の分解に要するエア量を少なくできるの
でエアレーション動力を削減でき、更には余剰汚泥量の
発生を減少させることができる。また、生物処理装置1
2の硝化槽72には活性汚泥とは別に硝化菌を包括固定
した担体を添加するようにしたので、硝化反応に要する
時間を短縮することができる。
【0023】ところで、流入排水量と処理水量との関係
において、一般に生物処理装置12は晴天時(雨水によ
る増水がない状態)の流入原水量の2倍程度の処理許容
量を持っている。しかし、日降水量が50mm未満でも
流入原水量は処理許容量の2〜3倍に、日降水量が50
〜100mmの時には処理許容量の3〜5倍に達する。
従って、合流式下水道の場合に雨天時の一時的な増水に
より、流入排水量が生物処理装置12の処理許容量を越
えた分については高速濾過装置10で濾過しただけで河
川等に直接放流せざるを得ない。ちなみに、日降水量は
地域により大幅に変わるが、札幌や仙台の場合、日降水
量が10〜50mmの日数は年間30日、日降水量が5
0〜100mmの日数は年間6日程度あり、雪解け水を
考慮すると、生物処理装置12で処理せずに放流せざる
をえない日数は年間7日程度となる。また、東京、名古
屋、大阪では、日降水量が10〜50mmの日数は年間
30日程度で札幌、仙台と変わらないが、日降水量が5
0〜100mmの日数は年間10〜15日と若干多くな
る。また、鹿児島の場合、日降水量が10〜50mmの
日数は同程度であるが、日降水量が50〜100mmの
日数は年間35日程度と極めて多くなり、直接放流の日
数は年間40日以上になることもある。
【0024】このように、合流式下水道の場合には、雨
天時の一時的な増水により生物処理を行わずに河川等に
直接放流する必要があり、直接放流する放流水中の固体
成分をできうるかぎり除去しなくてはならない。そこ
で、本発明によれば、流入排水量が生物処理装置14の
処理許容量以下である場合には、凝集剤の添加を行わず
に高速濾過装置10の濾過速度を400m/日以下で濾
過し、濾過水の全量を生物処理装置12に送水し、流入
排水量が生物処理装置12の処理許容量以上である場合
には、排水に凝集剤を添加し、且つ、高速濾過装置10
の濾過速度を400m/日〜1000m/日で濾過し、
分配装置66により濾過水のうち前記処理許容量を生物
処理装置12に送水すると共に、残りの濾過水を放流用
配管68から河川等に直接放流するようにした。これに
より、排水処理装置を増設することなく、即ち装置の敷
地面積を現状のままで、地域的及び季節的な日降水量の
大小に応じて最適な処理条件を選定し、排水中の固体成
分を高い除去率で除去することができるので、生物処理
装置12後の処理水及び高速濾過装置10後に直接放流
される放流水ともに良好な水質を得ることができる。
【0025】ここで、図4、図5、図6に従って、排水
への添加剤の添加有無、及び高速濾過装置10での濾過
速度の違いによる、排水中の固体成分の捕捉機構を説明
する。図4は、凝集剤を添加せずに濾過速度400m/
日以下の場合の捕捉機構を示す図である。凝集剤を添加
しないときの固体成分82は形状が小さく濾材52の上
面に沈降堆積して汚泥堆積層84を形成する捕捉機構に
より除去される。即ち、網目を通り抜ける排水の縮流現
象で速度差が生じ、渦流が生じる。この渦流によって、
網目を形成する線材52Dの上部に局部滞留域が生じ、
この局部滞留域に排水中の固体成分82が汚泥堆積層8
4を形成する。この局部滞留域は浮上濾材層37の全域
にわたって生じるので、固体成分82を高い除去率で除
去することができる。
【0026】図5は、凝集剤を添加して濾過速度400
m/日以下の場合の捕捉機構を示す図である。凝集剤を
添加すると固体成分82はフロックを形成して大形化す
る。そして、濾過速度が遅いため、固体成分82は濾材
52の上面に沈降堆積して汚泥堆積層84を形成する捕
捉機構と、固体成分82が濾材52に衝突して汚泥付着
層86を形成する捕捉機構の両方が行われる。この汚泥
堆積層84を形成する捕捉機構と衝突により汚泥付着層
86を形成する捕捉機構は浮上濾材層37の全域にわた
って生じるので、固体成分82を更に高い除去率で除去
することができる。
【0027】図6は、凝集剤を添加して濾過速度400
〜1000m/日の場合の捕捉機構を示す図である。凝
集剤を添加すると固体成分82はフロックを形成して大
形化する。そして、濾過速度が速いため、固体成分82
は濾材52の上面に汚泥堆積層84を形成する捕捉機構
は行われず、汚泥付着層86を形成する捕捉機構のみが
行われる。この汚泥付着層86を形成する捕捉機構は浮
上濾材層37の全域にわたって生じるので、固体成分8
2を高い除去率で除去することができる。そして、上記
した濾過条件による固体成分82の除去率を比較する
と、凝集剤を添加して濾過速度400m/日以下の場合
が最も高く、次いで凝集剤を添加して濾過速度400〜
1000m/日の場合、次に凝集剤を添加せずに濾過速
度400m/日以下の場合であった。
【0028】また、濾材52の網目を形成する線材52
Dの太さは1〜5mmの範囲に、好ましくは2〜4mm
の範囲にあるようにしたので、汚泥堆積層84が形成さ
れ易くなると共に、汚泥付着層86を形成され易くな
る。即ち、濾材52の網目を形成する線材52Dの上部
に流れの遅い局部滞留域を安定して形成するための線材
52Dの太さは、1mm以上、好ましくは2mm以上が
よい。また、凝集剤を添加して大形化した固体成分82
を濾材に衝突させて効率よく汚泥付着層86を形成する
ための線材52Dの太さは、固体成分82の太さより幾
分細い程度が最もよい。そして、大形化した固体成分8
2の太さは、約80%が3〜5mmの範囲にあり、残り
の20%が3mm以下である。このことから、凝集剤を
添加した場合の固体成分82の除去は、濾材52の線材
52Dの太さが5mm以下、好ましくは4mm以下がよ
い。
【0029】次に、最初沈殿池及び活性汚泥処理装置で
構成される従来の排水処理装置と比較しながら、本発明
の排水処理装置を使用し本発明の処理方法で行った実例
を説明する。この実例では、高速濾過装置10の浮上濾
材層37は、高さ2m、断面積3m2 とした。先ず、流
量計28で検知される流入排水量が生物処理装置12の
処理許容量(1Q)以下である場合について説明する。
この場合は、原水タンク20に凝集剤を添加せずに、高
速濾過装置10での濾過速度を400m/日以下で濾過
して濾過水の全量を生物処理装置12に送水し、生物処
理を行った。この時の濾材52の洗浄回数は1日2回の
割合で行った。
【0030】この結果、高速濾過装置10での固体成分
の除去率は、SS(浮遊固形物質)として約60%、B
ODとして約40%であり、高速濾過装置10出口での
濾過水の水質は、SSが60ppm、BODが80〜9
0ppm、アンモニア性窒素が25ppm、リン濃度が
3ppmであった。また、高速濾過装置10で濾過した
濾過水を生物処理装置12で生物処理した後の処理水の
水質は、SSが5ppm以下、BODが5ppm以下、
アンモニア性窒素が5ppm以下、リン濃度が1ppm
以下であり、高速濾過装置10で濾過することにより、
生物処理装置12の負荷が低減され、生物処理装置12
での生物処理を極めて効率よく行うことができた。
【0031】これに対し、従来の排水処理装置の最初沈
殿池での固体成分の除去率は、SSとして約40%、B
ODとして約30%であった。また、濾過速度400m
/日以下での高速濾過装置10の濾過槽38内での排水
の滞留時間は約15分であるのに対し、従来の最初沈殿
池での排水の滞留時間は2時間を要した。このことか
ら、本発明は、従来に比べて濾過時間を1/8に短縮で
き、しかも濾過水の水質を向上させることができた。こ
のことは、高速濾過装置10は最初沈殿池に比べ装置の
敷地面積を略1/8に縮小することができる。
【0032】次に、流量計28で検知される流入排水量
が生物処理装置12の処理許容量の約2倍(2Q)の場
合について説明する。この場合は、原水タンク20の排
水に、カチオン系ポリマーの凝集剤を1.0〜2.0m
g/l添加し、高速濾過装置10での濾過速度を600
m/日で処理し、生物処理装置12の処理許容量を越え
る濾過水を分配装置66により放流用配管68に流して
直接放流するようにした。この時の濾材52の洗浄回数
は1日3回の割合で行った。
【0033】この結果、高速濾過装置10での固体成分
82の除去率は、SSとして85〜90%、BODとし
て約60%であり、高速濾過装置10出口での濾過水の
水質は、SSが40〜50ppm、BODが55〜65
ppm、アンモニア性窒素が25ppm、リン濃度が3
ppmであった。この場合、生物処理装置12の入口に
おけるBOD濃度が窒素濃度に対して不足する。この
為、バイパスバルブ42を所定量開いてバイパス配管4
0を介して排水の一部を生物処理装置12の嫌気槽64
に供給し、BOD濃度が80〜90ppmになるように
調整した。
【0034】次に、流量計28で検知される流入排水量
が生物処理装置12の処理許容量の約3倍(3Q)の場
合について説明する。この場合は、原水タンク20の排
水に、カチオン系ポリマーの凝集剤を1.0〜2.0m
g/l添加し、高速濾過装置10での濾過速度を900
m/日で処理し、生物処理装置12の処理許容量を越え
る濾過水を分配装置66により放流用配管68に流して
直接放流するようにした。この時の濾材52の洗浄回数
は1日6回の割合で行った。
【0035】この結果、高速濾過装置10での固体成分
の除去率は、SSとして約80%、BODとして約50
%であり、高速濾過装置10出口での濾過水の水質は、
SSが45〜55ppm、BODが60〜75ppm、
アンモニア性窒素が20ppm、リン濃度が2ppmで
あった。また、高速濾過装置10で濾過した濾過水を生
物処理装置12で生物処理した後の処理水の水質は、S
Sが5ppm以下、BODが5ppm以下、アンモニア
性窒素が5ppm以下、リン濃度が1ppmであった。
【0036】また、濾過速度900m/日の場合の高速
濾過装置10の濾過槽38内での排水の滞留時間は約6
分であった。このことから、本発明は、従来(滞留時間
は2時間)に比べて濾過時間を1/20に短縮でき、し
かも濾過水の水質を向上させることができた。また、こ
の場合も、生物処理装置12の入口におけるBOD濃度
が窒素濃度に対して不足する。この為、バイパスバルブ
42を所定量開いてバイパス配管40を介して排水の一
部を生物処理装置12の嫌気槽64に供給し、BOD濃
度が80〜90ppmになるように調整した。
【0037】このように、本発明の排水処理装置によれ
ば、排水の流入排水量や水質に応じて、高速濾過装置1
0における濾過条件あるいは直接放流する放流量等の最
適な処理条件を選定できるようにしたので、生物処理装
置12の処理許容量を越える流入排水量があった場合で
も、生物処理装置12への負荷を軽減でき効率的な生物
処理を行うことができると共に、前記処理許容量を越え
る排水は高速濾過装置10で濾過するだけで良好な水質
の放流水を河川等に直接放流することができる。特に、
本発明の排水処理装置は合流式下水道の場合に最適であ
り、晴天時の流入排水が生物処理装置12の処理許容量
以下の場合はもちろんのこと、雨天時の一時的な増水に
より流入排水量が生物処理装置12の処理許容量を越え
る場合でも対応することができる。また、凝集剤を添加
し、且つ濾過速度を400m/日以下にすると、汚泥堆
積層84の形成と汚泥付着層86の両方の捕捉機構で固
体成分82が除去されるので、極めて高い除去率を得る
ことができる。また、排水に凝集剤を添加する場合に
は、排水の一部を生物処理装置12の入口にバイパス配
管40を介して供給し、微生物の栄養源である有機物を
所定濃度以上に維持するようにしたので、富栄養化防止
のため栄養塩類(窒素成分、リン成分)の除去を充分に
行うことができる。
【0038】従って、生物処理装置12の処理許容量を
越える流入排水量があった場合でも、凝集剤の添加や濾
過速度を適切に選定することにより高速濾過装置10で
濾過しただけでも良好な水質が得られるので、濾過水の
一部を生物処理装置12で処理せずに河川等に放流して
も公共水域内の水質を悪化させることがない。次に、図
7に従って、本発明の排水処理方法及びその装置の第2
実施例を説明する。
【0039】第2実施例は、高速濾過装置10を並列に
2系列設け、流量計28で計測される流入排水量に応じ
て2系列(A系統、B系統)の高速濾過装置10A、1
0Bを使い分けるようにしたものである。図7に示すよ
うに、排水は原水流入管18から、流量計28を通り原
水タンク20に流入し、原水タンク20から排水用分配
装置90に流れる。排水用分配装置90では、流量計2
8からの流入排水量を示す信号に基づいて2系列(A系
統、B系統)の高速濾過装置10A、10Bに排水を分
配する。また、B系統の生物処理配管62には分配装置
66が設けられ、B系統の濾過水をA系統の生物処理配
管62に合流させたり、放流用配管68を介して河川等
に直接放流したりする。なお、生物処理装置14のBO
D濃度が低い場合には、バイパス配管40を介して排水
の一部を生物処理装置12の嫌気槽64に供給すること
は第1実施例と同様である。
【0040】次に、第2実施例における操作方法を説明
する。 (1)流入排水量が生物処理装置12の処理許容量(1
Q)の半分程度(1/2Q)の場合、排水は全てA系統
の高速濾過装置10Aに送水して凝集剤を添加せずに濾
過速度400m/日以下で処理し、濾過水の全量を生物
処理装置12に送って生物処理する。この時、分配装置
66によりA系統の濾過水がB系統に流れないようにす
る。 (2)流入排水量が生物処理装置12の処理許容量と同
程度(1Q)の場合、高速濾過装置10のA及びBの2
系統を使い、凝集剤を添加せずに濾過速度400m/日
以下で濾過し、分配装置66によりA及びBの2系統の
濾過水の全量を生物処理装置12に送って生物処理す
る。 (3)流入排水量が生物処理装置12の処理許容量の
1.5倍程度(1.5Q)となり、処理許容量を越えた
場合、分配装置66によりA及びBの2系統の生物処理
配管62の連通を遮断し、A系統の高速濾過装置10A
で濾過された濾過水を生物処理装置12に送水し、B系
統の高速濾過装置10Bで濾過された濾過水は放流用配
管68を介して直接放流するようにする。この状態で、
流入する排水に原水タンク20で凝集剤を添加すると共
に、排水用分配装置90によって生物処理装置12の処
理許容量に相当する排水量(1Q)をA系統の高速濾過
装置10Aに送水して濾過速度800m/日で処理し、
その後、生物処理装置12に送水する。また、原水タン
ク20で凝集剤が添加された残りの排水(0.5Q)
は、排水用分配装置90によりB系統の高速濾過装置1
0Bに送水し、濾過速度400m/日以下で処理され、
その後、放流用配管68を通って放流する。このよう
に、高速濾過装置10のA及びBの2系統を使い分ける
ことにより、放流する排水を濾過する高速濾過装置(B
系統)の濾過条件を固体成分82の除去率が極めて高く
なるように選定することができるので、放流される放流
水の水質を向上させることができる。この場合のB系統
の高速濾過装置10Bでの固体成分82の除去率は95
%程度と極めて高い除去率が得られた。 (4)流入排水量が生物処理装置12の処理許容量の2
倍程度(2Q)となり、処理許容量の範囲を更に越えた
場合、分配装置66によりA及びBの2系統の生物処理
配管62の連通を遮断し、A系統の高速濾過装置10A
で濾過された濾過水を生物処理装置12に送水し、B系
統の高速濾過装置10Bで濾過された濾過水を放流用配
管68を介して直接放流されるようにする。この状態
で、流入する排水に原水タンク20で凝集剤を添加する
と共に、排水用分配装置90によって生物処理装置12
の処理許容量に相当する排水量(1Q)をA系統の高速
濾過装置10Aに送水し、濾過速度800〜1000m
/日で処理し、その後、生物処理装置12に送水する。
また、原水タンク20で凝集剤が添加された残りの排水
(1Q)は、排水用分配装置90によりB系統の高速濾
過装置10Bに送水し、濾過速度800〜1000m/
日で処理し、その後、放流用配管68を通って放流す
る。
【0041】このように、本発明の第2実施例によれ
ば、高速濾過装置10を2系統並列に設けたことによ
り、河川等に直接放流する放流水の水質が悪化しないよ
うに流入排水量に応じてきめ細かな濾過条件を選定する
ことができる。特に多雨地域では、降り初めに流入排水
中の固体成分が多くなる傾向があるので、前記(3)の
操作を行うことにより、直接放流するB系統の高速濾過
装置10Bでの濾過速度を遅くして固定成分82の除去
率が高くなるように配慮することができる。また、降り
初めから時間が経過すると、流入排水量は増加するが、
排水中の固体成分82並びにBOD濃度も急激に低下す
るので、前記(3)の操作から前記(4)の操作に移行
させても放流水の水質低下は殆どなく自然環境に与える
影響が小さい。
【0042】次に、第1実施例及び第2実施例における
濾材の洗浄方法について簡単に説明する。高速濾過装置
10の浮上濾材層37の通水抵抗が所定値に達した時点
で排水の供給を停止し濾材52の洗浄を行う。洗浄は、
先ず、原水弁36を閉じて排水が高速濾過装置10に供
給されるのを停止すると共に、洗浄排水バルブ46を開
にして濾過槽38内の排水を排出し、濾過槽38内の水
面をエア洗浄時に濾材52が上部スクリ−ン48に接触
しない位置にまで下げる。その後、洗浄排水バルブ46
を閉じる。濾過槽38内に残留する排水を濾材52の洗
浄水として、エア噴出管56に設けた中央のエアノズル
54からエアを約5分間噴出して、浮上濾材層37の中
央部の濾材52を上方向に、左右部の濾材52を下方向
に流動旋回させ、このときの噴射エアによって、濾材5
2に捕捉されている固体成分82を剥離する。
【0043】次に、剥離した固体成分82の再付着を防
止するため、エア噴出管56に設けたエアノズル54全
部からエアを噴出させながら、洗浄排水バルブ46を開
き、剥離した固体成分82を多く含む排水である洗浄排
水を洗浄排水管44を介して濾過槽38外に排出する
(排水時間は約1〜2分)。次に、エア噴出管56から
のエアの噴出を止め、洗浄排水バルブ46を閉じて、洗
浄を終わる。
【0044】
【発明の効果】本発明の排水処理方法及びその装置によ
れば、高速濾過工程と生物処理工程を有機的に組み合わ
せ、高速濾過工程で排水中の固体成分を高い除去率で除
去できるようにしたので、生物処理工程での負荷を軽減
させることができる。これにより、生物処理工程後の処
理水の水質を向上させることができると共に、生物処理
工程での有機物の分解に要するエア量を少なくできるの
でエアレーション動力を削減でき、更には余剰汚泥量の
発生を減少させることができる。また、生物処理工程の
硝化槽には活性汚泥とは別に硝化菌を包括固定した担体
を添加するようにしたので、硝化反応に要する時間を短
縮することができる。
【0045】また、高速濾過工程において、排水の流入
量や水質に応じて濾過条件あるいは直接放流する放流量
等の最適な処理条件を選定できるようにしたので、生物
処理工程の処理許容量を越える流入排水量があった場合
でも、生物処理工程への負荷を軽減でき効率的な生物処
理を行うことができると共に、前記処理許容量を越える
排水は高速濾過工程で濾過するだけで良好な水質の放流
水を直接放流することができる。従って、特に、合流式
下水道の場合、晴天時のように流入排水が生物処理工程
の処理許容量以下の場合はもちろんのこと、雨天時の一
時的な増水により流入排水量が生物処理工程の処理許容
量を越える場合でも対応することができる。
【0046】また、排水に凝集剤を添加する場合には、
排水の一部を生物処理工程にバイパス経路を介して供給
し、微生物の栄養源である有機物を所定濃度以上に維持
するようにしたので、富栄養化防止のため栄養塩類(窒
素成分、リン成分)の除去を充分に行うことができる。
また、本発明の排水処理装置は、最初沈殿池と活性汚泥
処理を組み合わせた従来の排水処理装置に比べて流入排
水量に対する処理時間をを大幅に短縮でき、しかも濾過
水の水質を向上させることができる。これにより、本発
明の排水処理装置は、従来の排水処理装置に比べて装置
の敷地面積当たりの処理能力を大きくできる。従って、
装置のコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の排水処理装置の第1実施例の
フローを示した構成図
【図2】図2は、高速濾過装置の構造を説明する説明図
【図3】図3は、本発明に使用する濾材の一例を説明す
る側面図
【図4】図4は、高速濾過装置の濾過速度を400m/
日で行い、添加剤を添加しない場合の排水中の固体成分
の捕捉機構を説明する説明図
【図5】図5は、高速濾過装置の濾過速度を400m/
日で行い、添加剤を添加した場合の排水中の固体成分の
捕捉機構を説明する説明図
【図6】図6は、高速濾過装置の濾過速度を400〜1
000m/日で行い、添加剤を添加した場合の排水中の
固体成分の捕捉機構を説明する説明図
【図7】図7は、本発明の排水処理装置の第2実施例の
フローを示した構成図
【符号の説明】
10…高速濾過装置 12…生物処理装置 14…沈殿装置 18…原水流入管 20…原水タンク 22…凝集剤タンク 28…流量計 36…原水弁 37…濾材浮上層 38…濾過槽 40…バイパス配管 42…バイパスバルブ 44…洗浄排水配管 48…上部スクリーン 50…下部スクリーン 52…濾材 56…エア噴出管 58…分散板 60…トラフ 62…生物処理配管 64…嫌気槽 66…分配装置 68…放流用配管 70…脱窒槽 72…消化槽 74…曝気装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川 尻 斉 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日立プラント建設株式会社内 (72)発明者 山 本 博 文 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日立プラント建設株式会社内 (72)発明者 能 登 一 彦 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日立プラント建設株式会社内 (72)発明者 森 直 道 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日立プラント建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−296991(JP,A) 特開 昭60−38094(JP,A) 特開 昭61−220792(JP,A) 特開 昭60−99394(JP,A) 特開 昭60−166098(JP,A) 特開 平6−39368(JP,A) 特開 平4−367798(JP,A) 特開 平4−171007(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 3/30 C02F 3/06 C02F 3/10

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下水等の排水を浄化処理する排水処理方法
    に於いて、 濾過槽内に上向流で流入させた排水を、前記濾過槽内に
    設けられ前記排水よりも比重の小さな網目状円筒体の多
    数の濾材で形成された浮上濾材層で濾過する高速濾過工
    程と、 前記高速濾過工程で濾過した濾過水を、嫌気性処理を行
    う嫌気槽、無酸素処理を行う脱窒槽、好気性処理を行う
    硝化槽でそれぞれ活性汚泥中の微生物と接触させて前記
    濾過水中の有機物成分、窒素成分、リン成分を生物処理
    により除去する生物処理工程と、 から成ることを特徴とする排水処理方法。
  2. 【請求項2】前記網目状円筒体の濾材は、空隙率が80
    %以上であると共に、網目を形成する線材の太さは1〜
    5mmの範囲に、好ましくは2〜4mmの範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項1の排水処理方法。
  3. 【請求項3】前記硝化槽には活性汚泥とは別に硝化菌を
    包括固定した担体が添加されていることを特徴とする請
    求項1の排水処理方法。
  4. 【請求項4】前記排水の流入排水量が前記生物処理工程
    の処理許容量以下である場合には、高速濾過工程の濾過
    速度を400m/日以下で濾過して濾過水の全量を生物
    処理工程に送水し、 高速濾過工程に流入する排水の水量が生物処理工程の処
    理許容量以上である場合には、排水に凝集剤を添加して
    高速濾過工程の濾過速度を400m/日〜1000m/
    日で濾過し、濾過水のうち前記処理許容量を生物処理工
    程に送水すると共に、残りの濾過水を系外に放流するこ
    とを特徴とする請求項1の排水処理方法。
  5. 【請求項5】前記排水の流入排水量が生物処理工程の処
    理許容量以上である場合には、排水に凝集剤を添加した
    後に高速濾過工程を並列で行い、一方の高速濾過工程で
    は濾過速度を400m/日〜1000m/日で濾過して
    濾過水を生物処理工程に送水し、他方の高速濾過工程で
    は濾過速度を400m/日以下で濾過して濾過水を系外
    に放流することを特徴とする請求項1の排水処理方法。
  6. 【請求項6】前記排水に凝集剤を添加する場合には、排
    水の一部を高速濾過工程を経ずに直接生物処理工程に供
    給して微生物の栄養源である有機物を所定濃度以上に維
    持することを特徴とする請求項4又は5の排水処理方
    法。
  7. 【請求項7】前記排水に添加する凝集剤の添加有無を、
    前記高速濾過工程に流入する排水の流量に基づいて制御
    することを特徴とする請求項4、5又は6の排水処理方
    法。
  8. 【請求項8】下水等の排水を浄化処理する排水処理装置
    に於いて、 濾過槽内に上向流で流入させた排水を、前記濾過槽内に
    設けられ前記排水よりも比重の小さな網目状円筒体の多
    数の濾材で形成された浮上濾材層で濾過する高速濾過装
    置と、 前記高速濾過装置で濾過した濾過水を、嫌気性処理を行
    う嫌気槽、無酸素処理を行う脱窒槽、好気性処理を行う
    硝化槽でそれぞれ活性汚泥中の微生物と接触させて前記
    濾過水中の有機物成分、窒素成分、リン成分を生物処理
    により除去する生物処理装置と、 前記高速濾過装置の前段に設けられ前記排水に凝集剤を
    添加可能な凝集剤添加手段と、 前記排水を前記高速濾過装置をバイパスして前記生物処
    理装置の入口に直接送水するバイパス経路と、 前記バイパス経路を開閉する開閉手段と、 前記高速濾過装置で濾過された濾過水を前記生物処理装
    置を経由せずに系外に直接放流する放流経路と、 前記濾過水を前記生物処理装置と前記放流経路とに分配
    する分配手段と、 から成ることを特徴とする排水処理装置。
  9. 【請求項9】前記排水の流入排水量を検知する検知手段
    を設け、前記凝集剤添加手段からの凝集剤の添加有無
    を、前記流入排水量の大小に応じて制御することを特徴
    とする請求項8の排水処理装置。
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